2010年6月11日金曜日

【菅政権】 さとうしゅういち氏寄稿を読む

 地方からの観点で菅政権を、さとうしゅういち氏がJANJANに寄稿をしている。この記事を読みながら、今の政府の問題点が語られているように思えてします。



地方の一民主党員は菅政権をこう見る


 6月8日発足した菅直人内閣。

 枝野幸男さんが幹事長、仙谷由人さんが官房長官と、それぞれ党と政府の要に座りました。

 一方、亀井静香郵政担当大臣が11日、郵政改革法が今国会で成立できなかったこと(民主党の意向によりますが)の責任を取り、辞任。ただし、国民新党は連立にとどまります。

■「旧民主党色が濃い内閣」

わたしは、今回の内閣の布陣や、菅総理のご発言、さらには、反貧困関係の識者などの評価を拝見し、以下のような感想を持ちました。

「この内閣は、良くも悪くも1996年に結成された当初の民主党の色彩が濃い」。

 どういうことか?
 
 1996年は、日本社会党が空中分解した年です。社会党のメンバーは、社民党に残った人たち、新社会党(社会主義政党)をつくった人たち、そして、1996年10月の総選挙を前に、民主党に合流した人たちに三分裂しました。

 社会党(社民党)から離れた仙谷さんらと、さきがけを離れた鳩山由紀夫さん、枝野幸男さん、菅直人さんらが合流して民主党を結党しました。

 当時の二大政党は自民党(社民、さきがけと連立)、そして、野党第一党の新進党でした。新進党党首は小沢一郎さん。新進党は、小沢さん、樽床伸二さんら新自由主義者、旧民社系ないし大手企業労組、そして公明党・創価学会などから構成されていました。

 民主党は、当時の自民党も社民党(当時はまだ自治労や日教組が支持していた)や新進党を支持した大手労組もあまり取り上げなかった情報公開や公共事業の無駄の問題にかなり切り込んでいた、と記憶しています。仙谷さん、菅さんが結構活躍されていた。

 旧民主党の支持基盤は、大都市(東京、大阪など)の近郊のリベラルな中間層でした。中流以上のサラリーマンや、当時、一世を風靡した「生活者ネット」(議員には、東大や京大などご出身で専業主婦と言う方がけっこうおられる)を支持するようなインテリ家庭の主婦らと重なり合います(今でも、生活者ネットが都議選で民主党候補を推薦している)。菅総理も枝野さんも上記のような方を支持基盤としていました。そういう方々が今回、主導権を握っておられるように見えます。

■【労組】【小沢】合流で「とりあえず自民打倒」

 ただ、「それだけ」では、「政権を取る」までの勢力にはなりえなかったのです。民主党もその後、1998年春に空中分解した新進党から流れ出た旧民社党(大手企業労組)や保守系議員(当時反小沢)が合流し新民主党を結成。これをみた自治労など旧総評系の組合も社民党から民主党に乗り換えた(広島県の場合)のです。

 さらに民主党は2003年に、小沢一郎さん率いる自由党と合併しました。このとき、ちなみに小沢さんは、経済政策を農村寄り、旧社民党グループよりにしたのです。

 旧民社党ないし労組の組織や、小沢さんの手腕は、たしかに民主党が政権を取るのには大きく役立ちました。2006年に小沢さんが代表になった際、民主党の経済政策が大きく社民主義的になりました。

 1996年当時民主党を結成したメンバーはどちらかといえば、闊達な議論は好むのですが、それなりに余裕がある層が支持基盤だったために、意外と経済政策は新自由主義的な場合も多かった。そして、2001年に自民党総裁・総理になった小泉さんに、お株を奪われてしまった。もちろん、旧民主党メンバーはどちらかといえば、「(田舎の)公共事業削って福祉や教育へ」という政策傾向だったのですが、「田舎の事業を削る」というところだけを、小泉さんがいいとこどりしてしまった。

そうしたなか、小沢さん(彼も昔は新自由主義者でしたが)が、小泉さんにより広がっ貧困や、地方の疲弊に応えるような軸を打ち出したのです。

とにかく、2007年参院選、2009年衆院選では、小沢さんや労働組合の力も合わせて自民党を倒し、政権交代を果しました。
自民党はいわば、高度成長と冷戦を前提とした「反共の利益配分団体」でした。冷戦も高度成長も終わった今、「30年遅れの存在」となっていた。その30年遅れの存在を打倒したこと自体はよかった。

■旧民社・大手労組も「20年古い」

 ただ、旧民社党ないし大手企業労組幹部(平野官房長官ら)の意向を過剰に受け入れると、これは、民主党に期待した人を裏切ることになります。

 大手労組も、結局は、自民党体制の下で、自民党にすがることで生き延びてきたと、批判されても仕方がない実態がある。

 ある意味、自民党が倒れれば、大きな変革を迫られるわけです。大手企業の意向を労組も過剰に代弁しているのではないか、といわれてもしかたがない?
 
 派遣労働者などを使い捨てにし、法人税を下げるなどしないとやっていけないような企業をいつまでも優遇していて良いのか?ワークシェアリングや同一価値労働同一賃金を実施したり、新しい産業を興さないといけないのではないか?そういう意味での改革に抵抗するのであれば、厳しく言えば20年遅れくらいの存在です。

 小沢さんの場合は、「20年前は自民党幹事長」だったイメージがついて回ってしまう。もちろん、検察審査会で「起訴相当」とされた被疑事実は、これは、乱暴な認定を審査会はしたと思います。購入と登記が数ヶ月ずれることなんて、良くある話です。それを「起訴相当」とは感情論過ぎる。

 しかし、運動論的に見た場合、金集めや人材育成、選挙戦術などを「小沢さんにばかり」頼りきるのは近代政党としてほめられたものではない。

■新執行部も世界から見れば10年遅れ?

 枝野さんも菅さんも、厳しくいえば、世界の時流からみれば、やや時代遅れだったかもしれません。
 
 菅さんが強調する「第三の道」は、イギリスの13年前に誕生したブレア政権の政策がモデルです。(注:ただし、イギリスにおける「第三の道」は、「労働党(社会主義)」でも「保守党(サッチャーリズム・新保守主義)」でもないという意味で、当時の菅さんもそれを意識していた。現在の菅さんは「第一の道=土建国家」でもない、「第二の道=小泉政治」でもないという意味で主張しておられます。)

 ただ、繰り返しますが、日本の場合、自民党という、「冷戦と高度成長を存在意義としていた「三十年前」の遺物」が、居座っていました。

ですから、小沢さんらの力もあわせて、自民党を倒すのは必要でしたし、「1996年の大都市近郊リベラル層を代弁していた時代の民主党」の系譜にあたる菅さん、枝野さん的な要素も、「歴史のプロセス」としては必要になる、と思います。

 たとえば、枝野新幹事長は、幹事長就任の記者会見で「自分は企業団体献金を今日から一切受け取らない」と表明しています。

2010/06/07
新しい内閣を政権与党として全力を挙げて支えていく 枝野新幹事長が就任会見で
http://www.dpj.or.jp/news/?num=18318

 企業団体献金は、十年前に禁止されるはずだったのに、政党支部長なら受けられるという抜け道を当時の自民・自由(小沢党首)公明政権は作ってしまった。

 それを、枝野幹事長自ら「企業団体献金は受け取らない」とし、歴史の針を「三十年遅れ」から「十年遅れ」に進めた点は評価します。


枝野幹事長。貧困問題には理解があるという。地方住民の声にも一層、耳を澄ませていただきたい。
 企業献金を通じて、経団連は、自民党の政策に影響を与え、今の貧困問題を招いた、といっても過言ではないのですから・・。

■貧困拡大・地方の疲弊に耳を澄ませて!

一民主党員として、旧民主党メンバーを軸とする現執行部の課題は、以下だと思います。

これは、広島県の中規模都市や山間部で労働・介護・医療などの行政に携わり、また野宿者支援や反貧困のボランティア活動に従事してきた者として、「都会の中間層中心」の政府幹部の皆さんへの「要望・苦言」でもあります。

彼らが一世を風靡した時代より、橋本龍太郎さん(消費税増税)、小渕恵三さん(お金持ち減税,労働者派遣法緩和)や小泉純一郎さん(中小企業からの貸しは餓死、地方交付税カット・・)らのおかげで、貧困は拡大しています。地方の疲弊も進んだ。こうしたことへの対応が最大の課題になります。

 ご自身らのおおもとの基盤である大都市近郊リベラル中間層だけでなく、幅広く低所得者や地方の声にも耳をすませていただきたい、と思います。

 わたしは、旧民主党(や生活者ネット)を否定しているわけではない。旧民主党は自民党にも労組にもなかったような視点がたしかにあったとおもいます。旧民主党を地方レベルで支えた生活者ネットも、一世を風靡した当時は、男性ばかりでどうしようもなかった地方議会を変えた功績はあった。問題は、「今、新たに噴出した」問題に対応できるかどうかです。

雨宮処凛さんによると、枝野さん、仙谷さんは、貧困問題には理解がありそう、ということです。

新内閣と生活保護裁判。の巻
http://www.magazine9.jp/karin/100609/

 問題は、貧困撲滅と矛盾のない経済政策を実行できるか、です。

 マスコミや自民党などが主張する消費税増税を先行させれば、菅総理のおっしゃる「最小不幸社会」に反することになりかねない。

 あるいは、地方が疲弊する中で、政権が「地域主権」に教条的にこだわれば、自治体ごとに貧困対策に差が出てしまい、やはり「最小不幸社会」に反することになりかねません。

 地方の疲弊に伴い、地方で食えなくなった人が都会で派遣労働などに従事している実態もあるのです。都市の貧困問題と地方の疲弊を一体として捉えていただきたい。

 「独立系メーデー」にご出席いただいた福島国務大臣が罷免され、社民党が連立を離脱。さらに農村出身の小沢さんが幹事長から降り、同じく、農山村を地盤とする亀井静香さんが大臣をおやめになった。

 その途端、「地方の庶民の声が届かなくなる」事態にならないようにお願いしたい。間違っても「小沢憎し」のあまり、地方切捨てや、庶民増税に走らないようにしていただきたい。

2010年6月1日火曜日

【国内メディア】 検察審査会にみる市民感覚

 この検察審査会で何よりも驚いたのが、審査会の11名全員が「起訴相当」としたことより。「11名全員が起訴相当とした」という情報が流れたことである。つまり何名が起訴相当にしたことや不起訴相当という人数は表に出ることはないのである。それが、もれてきたということからも、この検察審査会の議決の異様さが透けて見える。


善良な市民感覚」と言い切れるか 検察審査会の「小沢氏起訴相当」議決 池田龍夫

  小沢一郎・民主党幹事長の「政治資金疑惑」が新たな展開をみせ、一年余燻り続けている〝政治とカネ〟の行方が注目される。東京地検再度の事情聴取や衆院政治倫理審査会での小沢氏の説明によって、〝真相解明〟の道が開けるだろうか。

 東京地検特捜部は二月四日、小沢氏の私設秘書だった石川知裕衆院議員と池田光智・元私設秘書や元公設第一秘書・大久保隆規被告の三人を政治資金規正法違反で起訴したが、小沢氏については石川氏らとの共謀の証拠が得られなかった(嫌疑不十分)として不起訴処分とした。
 昨年三月三日の大久保秘書逮捕が、「小沢氏の政治とカネ騒動」の端緒だった。衆院選挙(09・8・30)前の時期だけに世論は沸騰し、当時民主党代表だった小沢氏は、鳩山由紀夫氏への交代を余儀なくされた。当初から、東京地検特捜部の強引とも思える捜査を批判する声もあり、十一カ月後の結論は「不起訴」だった。このため、「特捜検察の詰めの甘さ」を指摘する声もあがったが、世間一般にはメディアを含め「小沢氏の金銭疑惑」がいぜん根強く残っている。

▽市民審査員11人の「全員一致」に驚く

 東京第五検察審査会は四月二十七日、小沢氏を不起訴にした東京地検特捜部の決定に異を唱え、「起訴相当」と議決。特捜部はこの決定を受けて再捜査する新局面に立たされた。昨年五月施行された「改正検察審査会法」に基づき、検察側再捜査によって再び不起訴としても、検察審が二度目の「起訴相当」議決すると、裁判所が指定した弁護士によって強制的に起訴される。

 公表された「議決書」によると、「『政治資金収支報告書に真実を記載していると信じ、提出前に確認しなかった』との供述を、きわめて不合理・不自然で信用できない。市民目線からは許し難い」と指摘、さらに「絶対権力者である小沢氏に無断で石川氏らが隠ぺい工作をする必要もない」と断定的に論難していた点に驚かされた。「小沢憎し…小沢潰し」の思い込みが垣間見える文体だ。しかも、市民から選ばれた十一人「全員一致の議決」と知って、二度びっくり仰天。

 四月二十八日朝刊各紙はそろって一面トップで報じ、中面にも関連記事が満載された。ところが、検察審が「起訴相当」とした中身(被疑事実)につき明快にコメントし、問題点を指摘した新聞がほとんどないことが気懸かりだ。今回、検察審が問題にした被疑事実とは、「陸山会が平成十六年に土地を取得し、代金として三億四二六〇万円を支出しているのに、そのことが同年の政治資金収支報告書に記載されておらず、翌十七年の報告書に書いてあった」という点。土地の取得代金の支払いを隠したわけではなく、記載時期がずれていたことに過ぎないが、小沢氏が秘書と共謀して虚偽記載させた〝共犯者〟と決め付けている。

 主要各紙の論説は、一様に「市民目線」を好意的に捉えた内容だったが、検察審が示した〝市民感覚〟に間違いないのか、一抹の不安を感じた。

 朝日新聞は「小沢氏はまだ居直るのか」と題し、「これこそが善良な市民としての感覚」と持ち上げる。「正式な起訴に至るかどうかは、検察当局の再捜査やそれを受けた検察審の二度目の捜査を待つ必要がある」と断っているものの、「起訴相当」を肯定する筆致だった。『毎日』も「全員一致の判断は重い」との見出しで、「『政治とカネ』で政治不信が高まる中、市民目線からからは許し難いと主張する事実を解明し、責任の所在を明らかにすべき場所は、法廷だというのである。率直な問題提起だろう」と述べる。

 「『公判で真相』求めた審査会」と題する『読売』は、「検察の判断に『善良な市民感覚』がノーを突き付けた形だ。…審査会の『市民感覚』が端的に表れているのは次の部分だ。『秘書に任せていたと言えば、政治家の責任は問われなくて良いのか』『政治とカネにまつわる政治不信が高まっている状況下、市民目線からは許し難い』。これは国民に共通した思いだろう」と断じる。 産経は「やはり議員辞職すべきだ」と手厳しい。

「司法改革の一環で、裁判員制度の導入とともに検察審査会法が改正され、二度の『起訴相当』議決で強制起訴を可能にするなど民意を反映するために権限が強化された。…小沢氏の説明を『きわめて不合理・不自然で信用できない』と退け、『絶対権力者である小沢氏に(秘書らが)無断で資金の流れを隠ぺい工作などする必要も理由もない』との疑問を呈した」と検察審議決をなぞったような論調だ。

 「小沢氏に進退を迫る『起訴相当の重み』」と題した『日経』、「重い市民感覚の議決」との東京(中日)新聞社説もまた、同じような内容だった。

▽改正法施行から1年、問題点が…

 『朝日』5・10社説が、前回の主張を修正・補足する問題点を指摘していたので紹介しておく。

 「改正検察審査会法の施行から間もなく一年になるが、運用が進む中で疑問点や疑念も浮かんできた。裁判所の判決ではないのだから細かな論議を求めるのは筋違いだが、審査会としての説明責任も念頭に置きながら工夫する余地があるのではないか。審査員の任期は半年で、三カ月ごとに約半数が交代する。このため、最初に起訴相当と議決したときと同じ十一人で二度目の審査をするケース、最初の議決に関与したメンバーと初めての人が混在するケース、全員が入れ替わるケースの三つがある。

 審査員の間で情報量や心証形成のプロセスが異なる『混在型』には違和感があるし、健全な民意の反映をうたうのであれば『全員交代型』がふさわしいように思う。ほかにも、検察官にかわって起訴と裁判を担当する弁護士の権限のあり方や、強制起訴した事件が無罪になり国家賠償を求められたときの責任をどう考えるかなど論点は少なくない」との指摘は傾聴に値する。さらに付け加えると、密室審議の検察審における審査補助員と称する弁護士の姿勢が気になる。法律に疎い市民審査員にどう説明したか、「民意の正当性」がどう担保されているかも問い正したい。

▽審査申し立て人が「匿名」の怪

 もう一つの大きな問題点は、検察審査会に審査申し立て人が「甲」と匿名になっていることだ。大物政治家の政治生命にかかわる重大な審査申し立てを匿名で行い、それを受け入れて検察審が開かれた経緯が全く不透明である。噂が飛び交うナゾの「市民団体」や、申し立て人「甲」についての記事が見当たらないのは不可解だ。小沢氏らを先に告発した市民団体は、「世論を正す会」「真実を求める会」と言われているが、正式名称なのか疑問視する向きもあって、正体不明なのが恐ろしい。この匿名集団が健全な「市民団体」といえるか、政治的意図を持った組織のような不穏さが気懸かりである。公安当局が調査・警戒しているに違いないが、メディアは「ナゾの集団」を洗い出し、的確な情報を市民に提供してもらいたい。

▽健全な「司法行政」の再構築を

 検察審の「起訴相当」議決を検証して、その政治的・社会的波紋の大きさに気づかされた。世論に迎合的な「市民感覚」偏重に、〝落とし穴〟が潜んでいることも警戒すべきだろう。「小沢氏とカネ」をめぐる強引な捜査が「検察不信」につながったとの指摘を謙虚に受け止めたうえで、司法のあるべき体制を再構築すべきである。これは、「小沢擁護」とか「小沢潰し」論議を超えた、「日本国民の重大関心事」であると思えるからだ。

 「もし検察審査会が『起訴相当』と二回議決し、強制力で裁判ということになれば、これは検察の問題じゃないから、まだ捜査が裁判で続いているとの考え方もできるかもしれない。ただ、私はそうあってほしくない。やはり、検察の役割をもっと日本の社会は重視すべきだと思っているし、検察が本当に適正な判断ができる捜査機関であれば、こんなことになっていないはずだ。何でこんなことになったかと遡って考えると、非常に残念だ。…

 最近の特捜検察の暴走、それらすべての咎めが跳ね返ってきているわけです。こんなことをやっていたら、検察はおしまいじゃないかと心配している。

 世の中全体としては、いろいろな選択肢はあり得ると思う。でも、日本が今までやってきたように、検察が刑事司法に責任を持つ方向でまだまだ努力しようと、私は言いたいのです」という郷原信郎・名城大学コンプライアンスセンター長(元検事)の警鐘(同センター4・28定例記者会見)を重く受け止めたい。

 「市民目線」を尊重する政治改革を志向することは結構だが、無原則なポピュリズムに流されないよう警戒すべきである。


第88回定例記者レク概要 2010.4.28
名城大学コンプライアンス研究センター長 郷原信郎
http://www.comp-c.co.jp/pdf/100428reku.pdf


昨日、陸山会の不動産取得に関連する政治資金規正法違反についての、小沢一郎氏に対する不起訴処分について、東京第5検察審査会で起訴相当という議決が出ました。よく議決書を読んでみると、とんでもない議決です。驚いたというか、あぜんとしたというのが正直なところです。

まず、驚いたのが被疑事実ですが、平成16年の陸山会の収支報告書に、小沢一郎氏から現金で4億円借入をしたのに、それが記載されていなかったということが、今まであれだけ問題にされてきた。この年の収入がその分過尐だったということが、石川氏の起訴事実になっているはずですが、それが今回、起訴相当とされた被疑事実に入っていないのです。

何が起訴相当な事実とされているかというと、要するに1つは、16年分の収支報告書に土地代金の支払いを支出として記載しなかった。平成16年10月に3億4260万、土地代金として支払ったのを、この年の政治資金収支報告書に記載していなかったという支出の虚偽記入。それと、そこで不動産を取得したことを、この年の収支報告書に記載しなければいけなかったのに、それを記載していない。それから、翌年の収支報告書に、支出をしていないのに、土地を取得した事実はないのに土地を取得したということと、その土地代金を事務所費として支出したということを記載した。これもウソだということ。これが検察審査会が起訴相当とした事実です。

要するに、いろいろ書いてあるけれども、土地の取得の時期が2カ月ずれていた。土地の代金の支払いの時期が2カ月ズレていた。それだけです。それはまったく私も、予想だにしなかったことです。確かに、石川氏の起訴事実の中に、虚偽記入として支出がズレていたということも含まれていたと思います。しかし、まさか、支出の時期が、土地代金の取得時期がズレたのに伴って、代金の支払いの事実が2カ月ほどずれていた、たまたまそれが年度をまたいだということが、虚偽記入でとらえられるとはまったく思っていなかったし、それが、国会議員を起訴に値する事実だとは私には到底思えません。

これは、恐らく、私ならずとも、検察の側も、捜査を進める中で、これだけの事実で起訴するなどということはまったく考えてもいなかったと思います。検察の方も、最初は、4億円の収入の不記載も、それだけだったら身内のお金がぐるぐる回っていたというだけ、単に立替金というだけで、政治資金規正法違反と言っても本当に起訴価値が、処罰価値がないから、そこに水谷建設からの裏金5000万円が原資として含まれているということがあって、初めて4億円の収入の不記載、収入の過尐記載も起訴できる事実に当たる、ということを前提に捜査を進めていたと思います。

ところが、実際には水谷建設からの5000万円の裏献金のことは全然証拠が固まらなかったということで、私はちょっと、それは無茶ではないかと思いましたが、石川議員を4億円の不記載、収入の過尐記載で逮捕し、そして、それについて小沢氏が起訴できるのか、共謀が認められるかどうかということが問題になったけども、結局検察は小沢氏の共謀は認められないという判断だったわけです。もっぱら4億円の収入の不記載ないし過尐記入というところに焦点が当たっていたはずです、検察の処分では。

ところが今回はそれについては全然触れていないで、客観的には確かに時期がズレているから虚偽と言えば言えるだろうという支出の時期のズレ、不動産の取得の時期のズレ、ここだけを起訴すべきだという議決です。これは、いくら何でも政治資金規正法の趣旨目的から考えて、これだけの事実で起訴すべきだと言われても、到底起訴はできないと思いますし、検察の不起訴の結論は変わらないと思います。

再捜査をしたところで新たな証拠が見つかる可能性はほとんどないわけです。ほとんど現時点と同じような証拠を前提にして、再度検察が判断しなければいけないわけですが。既に、検察が組織として証拠が不十分で起訴できないということを決定しているわけです。それを、今回の一回の検審の議決で覆すということはあり得ないと思います。

しかも、起訴相当の議決で被疑事実とされたのは、単なる期ズレの問題です。時期がズレただけの問題です。これで起訴するということはあり得ないと思います。それじゃあ、4億円の収入の不記載、あるいは収入の過尐記入という点を併せて起訴することができるかというと、できないと思います。すでに検察がいったん不起訴にして、今回の検察審査会の議決でも起訴相当とされた事実じゃないわけですから、検察がその点も含めて、改めて起訴すべきだと判断する理由はまったくありません。

となると、今回の起訴相当の議決はあっても、再捜査の結果、再び不起訴になる可能性が極めて強い。そうすると、今度もう一回検察審査会に行くわけです、今度は、検察官の説明で、ずれの問題だけではとても起訴なんかすることは考えられないんです、ということをよく検察が検察審査会に説明しなければいけないと思いますが、それでも検察審査会の素人的な判断はまた起訴だという判断になる可能性も相当程度あります。そうなると、今度は起訴強制ということで、指定代理人が選任されて、指定代理人が起訴の手続を取ることになります。これは私の立場から言うのもなんですが、検察にとって大変な事態です。とりわけ特捜部という組織にとっては非常にやっかいな事態、困り果てる事態になると思います。

同じ起訴強制でも明石の歩道橋事故とか、JR西日本の福知山線の脱線事故とはまったく意味が違います。今回は特捜検察の問題、特捜部の問題です。もし起訴強制ということになれば、恐らく関連する証拠は全部指定代理人に提供しなければいけないということになると思います。関連する証拠ということになると、去年の3月の西松建設事件のときの押収した資料から何から全てということになります。いろいろな取り調べの結果、得られた供述調書とか、そういったものも、公判に提出する必要がないと考えられるものも全部、指定代理人に渡さなければいけない。これは当然です。検察官がえり好みするわけにはいかない。

中には、およそ立証には使えないという証拠も、私が推測するに相当あるのではないか。取り調べのやり方に問題があるとか、あるいは前提事実を取り違えているとか、客観的な事実と合っていないとか、膨大な手間暇をかけて捜査してきたことの中にはいろいろなものが含まれているのではないかと思います。その中から指定代理人が公判に提出する証拠を選別していくとすると、従来の検察の常識では考えられないような証拠が出てくる可能性があります。検察にとっては特捜部の事件の強制起訴というのは本当に本来であれば絶対に避けたい事態だと思います。しかし、とは言っても、今回の起訴相当の議決に従って起訴することは、まず不可能だと思います。それをやってしまうと、検察の存在意義自体が問われる事態になってしまうのではないかと思います。

結局、こういう事態に至った経過を全体として振り返ってみると、何と言っても検察の捜査に無理があったということだと思います。その捜査の無理が、こういう形で跳ね返ってきたということだと思います。大がかりな捜査を展開して、捜査をどんどん前に進めようとマスコミが煽ってきたために、世の中に、小沢氏が起訴されないとおかしいという、素人的な、庶民的な不満を生じさせた。そういう状態で事件を検察審査会に持っていけば、市民感覚では、起訴すべきだと、何でこれで不起訴なんだという意見になってしまうということです。しかし、処分するのは検察です。検察が果たしてそんな素人的な感覚だけでまともな処分ができるのだろうか。2回の起訴相当議決で強制起訴ということになれば、検察の処分の問題ではありませんから、別の問題になりますが、今回の起訴相当とされた被疑事実を起訴することは、尐なくとも、検察が行う刑事処分としてはまったく無理だと思います。

それからもう1つ、今回の検察審査会の議決書を見て問題だと思うのは、審査申し立て人が甲となっていて、匿名だということです。なぜ審査申し立て人の名前を記載しないのか。これはまったく理解できないです。これだけの大きな影響が生じる事件の審査を申し立てている人間ですから、自分の名前ぐらい出すのは当たり前だと思います。申立人本人が匿名を仮に希望したとしても、そんな希望は絶対受け入れるべきではないし、最初からそれ前提の審査申立であれば、そんなものは受け付けるべきではなかったと思います。 今日、昼に議員会館で開かれた「司法のあり方を検証する議員連盟」の際にも紹介しましたが、最新号の『アエラ』に「検察幹部批判に逆ギレ」という記事が出ていて、この中に検察幹部の非常に率直なコメントが出ています。非常に興味深く読みました。特に興味深かったのは、今の事件で小沢氏を不起訴にした経過です。4億円の小沢氏から入ったとされるお金の中に、ゼネコンからの裏献金が入っているという新たな証拠を得ることが起訴の条件にしたこと、それがなければ、「単なる形式犯」との弁明が成り立つからだと書いてあります。結局、その条件が充たされなかったから、最初の条件どおり小沢氏は「嫌疑不十分」で不起訴という結論になったと書いてありますが。

しかし、それでは石川議員は単なる記載ミスで形式犯でも逮捕して起訴していいのでしょうか。同じ国会議員。石川議員だって北海道11区で、11万人を越える有権者の支持を得て当選して、初の通常国会に臨みで議員として活動する予定だった現職の国会議員です。なぜ、ゼネコンからの裏金が含まれていることが小沢氏の起訴の条件にはなっているのに、石川議員の逮捕の条件や起訴の条件にこれがならないのか。非常に不思議です。

要するに、こういう考え方で、自分たちが小沢というターゲットに焦点を当てて捜査を進めていくことしか頭にない、そのための手段であれば、現職の国会議員を逮捕するというのはどういう意味なんだとか、それにふさわしいだけの事実、証拠はあるのかなどほとんど考えないで前のめりに、前のめりに捜査してきたことが、結果的には世の中にいろいろな誤った印象を与えてしまって、これが検察審査会の起訴強制という制度の下で、一気に今度、検察の方にそのとがめが跳ね返ってきてしまった。それが今回の問題だと思います。

ある意味では、JR西日本の山崎前社長の起訴、あの判断は私は絶対に間違いだったと思いますが、あの事件を無理をして8年前の山崎前社長が鉄道本部長だったときにカーブを急にする際にATSを付けなかったと。そのことによってああいう脱線事故、死亡事故が起きることを予見すべきだったという、ちょっとむちゃくちゃな判断をして起訴したことが、結局、この前も、歴代3社長も起訴すべきだという起訴相当の2回の議決が行われることにつながってしまって、検察にとっては非常にやっかいな事態になってしまったわけですが、これとまったく同じ構図だと思います。一連の事件の被疑者の1人について無理な判断をしてしまって、そこのところで何とか決着付けようと思っても、今の制度はそれだけでは済まないわけです。それだけ検察にとって、今の検察審査会制度の下では選択の幅が非常に限られてきているということを改めて認識しないといけないのではないかと思います。

小沢氏を不起訴にした段階で、なぜ不起訴にしたのかということをしっかり説明していれば、それが報道されて、起訴できないことの正しい理由が分かっていたはずです。ところが、検察は、それまでの捜査を正当化するために、負け惜しみ的な説明をした。どっちに転ぶか分からないぐらい微妙な判断で、ぎりぎり不起訴になったんだというような説明をしました。私に言わせれば、現職の国会議員の石川氏の逮捕・起訴に重大な問題があるのであって、小沢氏の方は箸にも棒にもかからないです。そこをはっきり言わないから、結局、検審の審査員にも誤った認識を与えてしまう。なぜ言えないかというと、それは捜査が最初から無茶苦茶だからです。起訴を目指して捜査すること自体が暴走なのに、それをそうだったとは言えないので、世の中に誤解を与える。それが今回のように検察のところに戻ってくるわけです。

ずっと時計の針を戻していくと、西松建設のところまで戻るわけです。そもそもあそこであんな事件に手を付けたから、後に引けなくなってどんどん暴走に次ぐ暴走を重ねていったということも全部反省しなくちゃいけなくなるから、処分の段階で誤った説明をせざるを得ない。結局は、元を正せば西松建設事件で大久保秘書を逮捕したところにすべての原因があるわけです。

そう考えたときに、検察はそもそもなぜこんな制度が導入されてしまったのかということにもう一回思いをいたすべきではないかと思います。なぜかここのところ、その点についてまったく報道されていません。ほとんどの人がそこを認識していません。でも、この検察審査会の起訴強制の制度の導入のきっかけになったのは、2001年に起きた福岡地検の次席検事による捜査情報の漏洩問題です。

この問題についての調査結果の中で総括として、これは法務省の調査結果ですが、こう書かれています。「公訴権の行使や検察運営に関し、民意を反映させることは、検察が独善に陥ることを防ぐとともに、検察に対する国民の信頼と理解を得る上で大きな意義があり、具体的には検察審査会の一定の議決に法的拘束力を与えることにくわえて」、この中でそういう方針を打ち出しているわけです。要するにあの事件は、大地検の次席検事という検察にとって、要職にある検事にとってあるまじき行為です。捜査情報を被疑者側の裁判官の側に漏洩して、それでうまく事件を不起訴にしてまとめてやろうとした。こんな問題が起きたということで検察に対する社会の信頼を決定的に損なわれたそのために検察の権限が一部制約されることになった。その経過を改めて認識し直さないといけないと思います。

ところが、今回は、検察が、特捜部が、がんがん無理な捜査をしていって、それがさすがにもうそれ以上は進めないというところまで行って力尽きた。それを「市民感覚」を追い風にもう一回暴走させる方向に向けて検察審査会の起訴強制という制度が使われようとしているわけです。それは、起訴強制という制度の本来の趣旨にまったく反するものだと思います。

また、起訴、不起訴の判断に関して、検察の場合は黒という確証があったときに起訴するが、検審の判断は白か黒かを公開の法廷で明らかにすべきということで良いのではないかという考え方もあり得ます。刑事司法全体がそういうシステムに変わり、世の中もそれを前提にして動いていくのであれば、それはそれで悪いことじゃないと思います。そうなると、検察という組織がこれまで刑事司法で果たしてきた役割の大部分は失われます。今までの日本の刑事司法はそうじゃなかった。やはり検察が起訴ということに対して一定の責任を持っていたわけです。ですから、検察の判断というのが基本的に正しいという前提で刑事司法のシステムはできているんです。だから、検面調書というのは、その内容が法廷供述と相反したら情況的な保障だけで検面調書証拠能力がある。それは、検察官の面前では本当のことを話すけど法廷では嘘をつく、偽証をするということを刑事訴訟法の規定自体が前提にしているわけです。しかも、検事が立証しようとしていることをずっと否認し続ければいつまでも身柄が拘束できるという、国際的にもほとんど例のないような「人質司法」のシステム。これはみんな検察官のところで適正な捜査が行われ、検察官が適切な事実認定をするという前提で組み立てられているわけです。だから、この間も石川議員が起訴されたと言ったら、当然議員をやめるべきだ、議員辞職勧告決議ということになります。なぜそうなるかというと、これは裁判所の判断ではなく、検察が起訴したということが大きいのだということが前提となっているからです。

ただ、もし検審の起訴相当2回で、検察審査会の議決の強制力で裁判にということであれば、これは検察の問題じゃないから、まだ捜査が裁判で続いているという考え方もできるかもしれないし、そういう方向に持っていくならそれはそれでいいかもしれないです。ただ、私はそうはあってほしくない。やはり、検察の役割をもっと日本の社会は重視すべきだと思っているし、やはり、検察が本当に適正な判断ができる捜査機関であれば、こんなことにはなっていないわけで。だから、改めてこれを何でこんなことになったのかというのを遡って考えてみると、非常に残念なわけです。福岡地検の次席検事が検事にあるまじきこんなことをやった。そして、最近の特捜検察の暴走、それらすべてのとがめが跳ね返ってきているわけです。本当にこんなことをやっていたら検察はおしまいじゃないかと。すごく私は心配しています。世の中全体としては、いろいろな選択肢はあり得ると思います。でも、日本の国で今までやってきたように、検察が刑事司法に責任を持つ方向でまだまだ努力をしようよと、私は言いたいのです。

2010年5月26日水曜日

【陸山会事件】 上申書 (追記)

 検察審査会が「起訴相当」とした陸山会の政治資金規正法違反事件であるが、検察が不起訴としたことから告発をした市民団体「真実を求める会」が検察審査会に上申書を提出をしたという。それも東京第5、東京第1両検察審査会の両方だという。

ここから見えてくるのは、平成16・17年度分を告発した団体と19年度分を告発をした団体が同一だということである。

追記に、2010年7月3日のブログをそのまま載せておきます。
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市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件 
2010.5.26 18:46
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100526/trl1005261848003-n1.htm

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。

 上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。

 同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。


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小沢氏、近く審査会に上申書提出 収支報告書虚偽記入で
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010063001000377.html

 自身の資金管理団体の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、起訴相当の議決後に再び不起訴となった小沢一郎民主党前幹事長が、2回目の審査をする東京第5検察審査会に対し「虚偽記入への共謀は成立しない」とする上申書を近く提出することが30日、分かった。

 小沢氏の委任を受けた代理人の弁護士が明らかにした。この代理人名で提出する。政界中枢の現職議員が審査会に上申書を提出するのは異例。

 衆院議員石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反の罪で起訴=が04年に小沢氏から借りた4億円が充てられた東京都世田谷区の土地購入費の記載を05年分報告書にずらすと報告し、小沢氏が「そうしてくれ」と応じたとの石川被告の供述調書などについて、「証拠が弱い」などと主張するとみられる。

 審査会は4月、小沢氏と石川被告ら元秘書3人との共謀が強く推認されると指摘し、小沢氏を「起訴相当」と議決。再捜査した東京地検が5月に再び不起訴としていた。

2010/06/30 12:22 【共同通信】

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 つい先日まだで「政治とカネ」一色で小沢・鳩山氏をバッシングをしていた大手既存マスコミであるが、官房機密費がマスコミに渡っていたと暴露され「報道とカネ」が巷にも知られ始めると沈黙をはじめ、参議院選挙の報道一色になってしまった。

そんな中、先日検察審査会に小沢氏が上申書を提出をするという記事が流れていた。最初に流したのが朝日であったと記憶をしている。

小沢氏側、検察審に書面提出へ 「共謀認定可能」に反論

http://www.asahi.com/national/update/0625/TKY201006240573.html

この中では、非常に微妙な言い回しで記事が書かれている。

「ただ、検察審査会法には被告発人や被疑者の立場にある人が、上申書や意見書を提出できるとする規定はなく、審査に反映するかどうかは、審査会の判断に委ねられる。」と書かれている。

ところが、この検察審査会には、被告発人や被疑者の立場にある人かは書かれてはいない(どの事件に関して告発か明確ではないという点)のであるが、5月26日に朝刊フジから次のような記事が出ている。


市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件 

2010.5.26 18:46

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100526/trl1005261848003-n1.htm

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。

 上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。

 同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。


つまり、告発した団体が上申書を「とっくに提出」をしているのであって、朝日が書いた「被告発人や被疑者の立場にある人が、上申書や意見書を提出できるとする規定はなく、審査に反映するかどうかは、審査会の判断に委ねられる。」という書き方は、誤解を与えかねないし、もし朝日の記事が正しいとした場合には夕刊フジの記事「告発した団体が上申書を提出」という話の信憑性が問われるのである。

もっと面白いのは、47ニュース(共同通信系)であろうか。

「小沢氏、近く審査会に上申書提出 収支報告書虚偽記入で」とされたタイトル記事にはこう書かれている。「政界中枢の現職議員が審査会に上申書を提出するのは異例。」

気のついた方もおると思うが、上申書を提出をした政界中枢の現職議員はほかにも存在し、誰あろう鳩山由紀夫前首相である。

鳩山首相の上申書要旨

http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009122401000880.html

この記事は誰が書いて配信をしたかであるが、小沢氏に関しては、「異例」と書いた47news(共同通信)自身である。それも1本だけではなく検索をすると13本も出てくるという「おまけ」までついている。

「鳩山 上申書」での検索

http://47news.popin.cc/index.html?q=%E9%B3%A9%E5%B1%B1%20%E4%B8%8A%E7%94%B3%E6%9B%B8 

同様の報道はテレビでもなされていて、現在の既存の大手マスコミの恣意的ででたらめな体質を垣間見た思いである。

それに触発されたのか、気弱な地上げ屋さんまでブログに書いている(別ルートからの情報なのかは今回は聞いてはいないが)

「いよいよ、やらなきゃならんな・・・」 と言う覚悟を感じます。

ただ・・強制起訴となったら・・・

まぁ~、その後30日の47(共同)の記事へとつながるのであるが、大手既存メディアにとって、この小沢氏側からの上申書は非常にマスコミにとっては不利(不愉快)なものであることが伺いしれる。

そこへ、日刊ゲンダイが面白い記事を書いてきたようである。自分は読んではいないのだが、ゲンダイ的考察日記さんが、其処からの記事を下記のようにまとめられているのでリンクを・・・とも考えたのだが・・・コピーをさせていただく事に勝手に決めちゃいました。


[小沢一郎ネタ] 小沢事件 検察審査会の異常事態

http://octhan.blog62.fc2.com/blog-entry-1524.html

 審議が開けない!? 補助弁護士が決まらない前代未聞

小沢事件を審査している「検察審査会(検審)が“異常事態”に陥っている。一般有権者から選ばれた審査員に事実関係や法律解釈を説明する「補助弁護士」が決まっていないというのだ。補助弁護士の「不在」が本当ならば、今後の審査は一体、どうなるのか。

「起訴相当」が一転「不起訴相当」か?

「検審の補助弁護士は、1回目はつけてもつけなくてもいい任意だが、2回目は義務で必ずつけなければいけない。各検審が地元弁護士会を通じて選任する仕組みですが、小沢事件のように1回目に補助弁護士がついた複雑な事件の場合、2回目も同じ弁護士が選任されるケースが多い。事件の概要や法律解釈について、一から把握するよりも早いからです。明石市の花火大会事故を担当し、当時の県警副署長を『起訴相当』と議決した神戸の検審も、1回目、2回目ともに補助弁護士は同一人物でした」(法務省事情通)

小沢事件でも、「慣例」に従えば、1回目に補助弁護士についた米澤敏雄弁護士が“再登板”するのが自然だ。

ところが、米澤氏所属の事務所は「(米澤氏は補助弁護士を)降りたので、一切関係ありません」(担当者)というのである。小沢事件を審査している東京第5検審事務局も「(状況は)答えられない」という。

この時期に補助弁護士が決まっていないとすると、検審の2回目の議決が出るのは、早くても9月以降。議決内容も大きく変わってくる可能性がある。

「東京第5検審は、1回目に『起訴相当』議決をした審査員11人のうち、4月末に6人が交代し、残り5人は7月末に交代するため、再議決は7月中にも出るとみられていた。しかし、いまだに補助弁護士が決まっていないとすれば、7月はとてもムリ。となると、『起訴相当』と判断した1回目の議決に関わった11人すべての審査員が交代し、あらためて審査することになる。1回目の議決の審査員が5人残っていれば、2回目も『起訴相当』になる可能性が高かったが、新メンバーが白紙から審査するとなれば、議決も変わってくる。検察の処分通り、常識的な『不起訴相当』になるかもしれません」(司法ジャーナリスト)

検審が「起訴相当」と判断すれば、小沢は離党するとみられているが、逆に「不起訴相当」になれば一転、9月の代表選に打って出る可能性がある。

(日刊ゲンダイ 2010/07/02 掲載)


 一回目には検察審査会は、「起訴相当」の議決をしているのであるが、この時の補助弁護士であった米澤弁護士には「多くの弁護士の方からも疑問符」がつけられていたし、審議では「やくざの親分子分の事例」を出したり、「検察が出席をした時点では議決」が固まっていたともされ、また審査を担当した市民11人には守秘義務が課せられているにもかかわらず、「11人全員が起訴相当」したことがもれ伝わったり、審議の内容が伝わったりと「もう無茶苦茶な状態」である。

今、参議院選挙で忙しい方も多いとは思うし、選挙の結果も大事ではあるが、選挙後は小沢氏の動きにかかっていると思う。そのためにも、今は期日前投票を済ませ、いち早く検察審査会と検察の動きを監視しまた大手既存のマスコミの報道をチャックする必要があると自分は考える。


2010年5月23日日曜日

【吉野勉強会】 佐藤優

 第三回「一滴の会」吉野勉強会(主催・月刊日本)が、5月21日(金)~5月23日(日)の日程で、吉野山に於いて行われている。

元参議院議員・村上正邦氏、石川知裕衆議院議員も参加している。検察・マスコミに対しての疑問そしてマスコミの情報操作の意図を察知し公正公平なものの見方が必要であるとともに、新聞社がどんな意図を持って記事にしているのかを読み取らなければならない。



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優 「統帥綱領」導入部分・国体の危機



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優 (抜粋)密約問題と非核2.5原則



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優 葦津珍彦の国体論と左翼構築主義



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優(抜粋)「統帥綱領」外国軍の指揮下



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優(抜粋)「統帥綱領」口伝 統帥と官僚



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一滴の会 第3回吉野勉強会の一行と吉水神社 佐藤素心宮司



一滴の会 第3回吉野勉強会 村上正邦「どうなる」から「どうする!」へ

2010年5月22日土曜日

【検察審査会】 日経の記事 追記(26日の産経の記事)

日本経済新聞が、陸山会事件とされるものに対して検察審査会が「起訴相当」とし、検察が再度不起訴としたことについて、この検察審査会の問題点を記事にしている。

この中に書かれている事が事実であれば、非常に恣意的な審議が行われたと思われても仕方がないだろう。

追記(7月5日、共同通信47news 小沢民主党前幹事長の上申書要旨)
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市民11人が最終判断、2度不起訴の 小沢氏側、上申書を検討
2010/5/22

検察審査会の起訴相当の議決からわずか3週間余り。政権与党の最大実力者と検察当局との”延長戦が”21日、幕を下ろした。民主党の小沢一郎幹事長の早期の不起訴は、検察内部では当初から既定路線。強制起訴につながる可能性のある今後の2回目の審査では、小沢氏は検察審に「上申書」の提出を検討しており、その内容や、元秘書らの供述の評価などが焦点だ。

●意見聴取カギ 不起訴を受け、再び審査に当たるのは前回全員一致で「起訴相当」を議決した東京第5検察審査会。今度は11人中8人以上の同意で、小沢氏は強制的に起訴される。

 焦点は証拠をめぐる評価だ。関係者によると、1回目の審査では、議決書の作成を補助する「審査補助員」の弁護士が、暴力団組長が銃刀法違反(共同所持)罪の共犯に問われた裁判例などを紹介され、議決に影響を与えたという。

 慎重さを期すため、検察審査会では、2回目の審査で補助員の弁護士と検察官からの意見聴取を義務付けている。1回目の審査で補助員を務めた弁護士が続投するのか、別の弁護士に交代するのか。選任は補助員を選んだ弁護士会の判断だが、「それにより正反対の結論が出る可能性もある」(法曹関係者)

 1回目の審査で説明に訪れた特捜部の主任検事は「すでに(起訴相当の)結論で決まっていたそうで、聞く耳を持たなかった」と漏らしたという。検察側の説明をどう受け止めるかで、結論も変わってきそうだ。

●審査開始時期も影響 もう一つの焦点は、2回目の審査が始まる時期だ。前回「起訴相当」を出した11人のうち、6人は5月1日に交代。残る5人が交代する8月1日にまでに審査がどれだけ進むかが、結論に影響を及ぼす可能性は大きい。

審査入りの時期の既定は検察審査会にはなく、原則申し立て順。新制度導入後の1年間で東京の6つの検察審査会は計200~300件を審査しており「件数が多ければ、開始は遅くなる」(検察審関係者)

 過去、強制起訴に至った兵庫県明石歩道橋事故とJR福知山線脱線事故は、いずれも不起訴から強制起訴の議決までに4ヶ月近くかかった。小沢氏の弁護団は事件の関与を否定する上申書の提出を検討、「結論ありきではなくもう一度最初から議論してほしい」などと訴えている。

●問われる閉鎖性 検察審は、公開の法廷で審議される裁判員制度と異なり、非公開。審査の回数や議論の内容、審査員の経歴、議決までの経緯などは明らかにされず、恣意(しい)的な審査になる恐れはぬぐえない。強大な権力が適正に行使されたのかを第三者が法的に監視する仕組みもなく、「権力が強まったのだから、議論の過程をオープンにすべきだ」(法務・検察幹部)との意見も出ている。

 しかも、重大事件に限定された裁判員制度に比べ、検察審はあらゆる事件が対象。市民感覚で検察の判断に「ノー」を突き付ける判断は「検察の起訴独占主義に風穴をあけた」との評価の反面「無罪でもいいから疑わしきは法廷に引っ張りだせということなら、制度自体が持たなくなる」(別の検察首脳)との懸念も聞かれる。
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市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件 

2010.5.26 18:46

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100526/trl1005261848003-n1.htm


 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。


 上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。


 同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。


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小沢民主党前幹事長の上申書要旨 

http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070501000492.html


 小沢一郎民主党前幹事長の代理人弁護士が、東京第5検察審査会に提出した上申書の要旨は次の通り。


 【告発事案の評価】


 告発事実は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が2004年に購入した土地について、同年分の収支報告書にその代金の支出と土地の取得を記載せず、05年分の収支報告書にそれを記載したことを問題にしているが、これは、いわゆる「期ずれ」処理ということだ。


 証拠に基づいて冷静に事実をみると、小沢氏が自己資金を自己が代表者となっている資金管理団体に貸し出し、秘書らの宿舎用地を購入した事柄について、現実の出金および不動産の売買契約の時期と収支報告書の記載について約3カ月のズレがあることが厳しく指弾されてきたというのが、これまでの経緯だ。


 小沢氏の当時の秘書が建設会社から5千万円を受け取り、それが土地購入原資の一部になっているなどと喧伝され、それ故、悪質だという主張がなされたが、このことに関する一連の証拠関係を全体的に検討すれば、そのような見立ては合理性に欠けることが分かるはずだ。あくまで告発事実自体について冷静に判断すれば、資金管理団体の代表者たる政治家本人の刑事責任を問うような事案ではない。


 【直接的証拠の評価について】


 04年10月、担当秘書が土地購入資金4億円を小沢氏から借りたことを隠すとともに土地購入時期を翌年にずらすことを報告したところ、小沢氏は、これを了承したとの供述調書が存在するとのことだ。


 ところが、収支報告書には「借入金 借入先 小沢一郎 ¥400000000」と記載されている。これでは、小沢氏から借りたことを隠したことにならない。小沢氏から借りた4億円を隠す意図があったとの供述は信用できない。


 そもそも、04年10月の会話をもって、翌年3月に提出する収支報告書の虚偽記入について「犯罪を共同して行う意思を通じ合っていた」とはいえない。


 【小沢氏の立場と判例について】


 前回議決では、小沢氏に絶大な指揮命令権限があるとの前提で、共謀に関する諸判例から考えて、小沢氏を共謀共同正犯に問えるとのことだ。


 収支報告書への記載については、小沢氏は担当秘書らに任せているので、収支報告書の記載の仕方という分野では、小沢氏には絶大な指揮命令権限などない。多忙な日常の中で、小沢氏が事務仕事の細部にまで関心を持ち、指揮するなどとは想像できない。


 前回議決にいう諸判例の一つは、暴力団組長が外出する時に拳銃を所持するボディーガードに守られるのを常としていた状況下では、拳銃所持につき直接指示を下さなくても共謀共同正犯の責任を問うことができるとの判例と思われる。しかし、これは事案の性格が全く異なり、本件における共謀関係の判断になじまないものだ。本件の事案のような場合に担当秘書らと共謀したというためには、黙示的ではなく、明示的で具体的な意思の連絡が必要と考えねばならない。


2010/07/05 17:51 【共同通信】

2010年5月21日金曜日

【陸山会】 検察審査会

【小沢氏再不起訴】検察審査会、7月までに再議決も
2010.5.21 21:17
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100521/crm1005212119033-n1.htm

 小沢一郎氏が、再度の不起訴処分となったことで、今後の焦点は「起訴相当」と議決した東京第5検察審査会の再審査に移ることになる。

 再審査は改めて告発人らの申し立てがなくても同じ検審が自動的に始める。第5検審では1回目の議決をした審査員11人のうち6人が5月で交代しており、再審査は残り5人と新たに加わった6人が行う。このうち8人以上が「起訴すべきだ」と判断した場合には、小沢氏は東京地裁指定の弁護士に強制起訴される。

 再審査で検討される証拠は、最初の審査とほぼ変わらない。ただ、小沢氏は再聴取で事件への関与を否定した調書1通を取られ、その後「検審の結論を受け、より分かりやすく、丁寧に話した」とコメントしている。「小沢氏の供述は信用できない」と議決した検審が新しい調書や、小沢氏の姿勢をどう判断するのかに注目が集まる。

 審査員のうち5月に残った5人は8月に交代することから、再議決は7月までに出される可能性もある。

 再審査の対象は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載だが、東京第1検審が小沢氏について19年分の虚偽記載の審査を担当しており、こちらも動きがありそうだ。

 4月27日の「起訴相当」議決後、小沢氏は東京地検特捜部からの再聴取要請にすんなり応じ、さらに衆院政治倫理審査会に出席する意向をも示した。小沢氏の態度を一変させた第5検審の判断。次は強制起訴に至る可能性もあり、これまで以上に注目されそうだ。

【小沢氏再不起訴】大鶴次席検事「捜査尽くした。短すぎということにならない」
2010.5.21 19:15
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100521/crm1005211917025-n1.htm

 「小沢議員について、起訴済みの会計責任者らと共謀し、犯罪行為を実行したと認めるに足る確証は得られなかった」。東京地検の大鶴基成次席検事と佐久間達哉特捜部長は21日午後5時すぎから、東京・霞が関の検察合同庁舎で、小沢一郎民主党幹事長を不起訴処分とした会見を行い、大鶴次席検事は処分理由をゆっくりと2度繰り返した。

 会見で再捜査当初から不起訴に傾いていたのでは-との質問が出ると、大鶴次席検事はやや声を強め「議決を参考に、それまでの証拠と再捜査で得た証拠でもう一度判断した」と厳正な判断を強調した。

 平成21年3月の西松建設違法献金事件から小沢氏側への捜査指揮を担ってきた佐久間部長は「再捜査の結果も踏まえたが、証拠に変わりはなかった」と語った。

 捜査終結かとの問いには大鶴次席検事が「前回も捜査すべき事項は捜査したと申し上げた。それでお分かりいただきたい」とした。

 最後に、起訴相当議決から再処分まで約3週間だったことを問われると、大鶴次席検事は「第1次処分でも捜査を尽くした。今までの捜査があり、短すぎということにはならない。十分判断できると考えて処分した」と淡々と語った。


【小沢氏再不起訴】「疑惑がないこと明確にして頂いた」と小沢氏がコメント
2010.5.21 19:33
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100521/stt1005211936013-n1.htm

 民主党の小沢一郎幹事長は21日、自身の政治資金規正法違反事件について、東京地検特捜部が不起訴処分としたことを受け、コメントを発表した。全文は以下の通り。

◇
 先ほど、検察当局が私に対する再聴取の結果、私を再び不起訴にするとの報に接しました。
 一般の方々によって構成される検察審査会の結果を受けて、先週、検察当局から再度、事情を確認したいという要請がありました。

 私はその要請に直ちに応じて先週末に4時間以上をかけて検察の担当者に事実をありのままにご説明申しあげました。

 今回の説明で特に留意したのはこれまで以上にどなたにも理解していただけるように説明するということでした。

 既に検察当局では長い時間をかけた捜査の結果でも私にかけられた疑いについて不起訴であるという結果が出ていたわけですが、一般の方々で構成されている検察審査会では違った結果が出たからです。

 もちろん、事実関係はこれまでと何も違わないのですが、そうした思いを強くして話したということです。

 これまでの捜査に加えてその結果を含めて、本日、検察当局が再び不起訴とすると判断されたことは、私の関与や疑惑がないという事実を明確にしていただいたものと受け止めております。衆議院議員 小沢一郎

【日本郵政】 米国と欧州連合が日本郵政に関する懸念

米国と欧州連合が日本郵政に関する懸念を表明
(プレスリリースおよびその背景説明 英文はこちら)
2010年5月21日、ジュネーブ

 米国のマイケル・パンク世界貿易機関(WTO)大使と欧州連合(EU)のジョン・クラーク臨時代理大使は本日(5月21日)、日本の北島信一・在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使とジュネーブで協議し、保険・銀行・宅配部門において日本郵政と民間企業との間で対等な競争条件が欠如していることへの、米国とEUの長期にわたる深刻な懸念を表明した。

 「米国とEUは日本と協議し、WTO協定の下で日本が履行を約束した内国民待遇(輸入品・サービスに適用される待遇が、同種の国内産品・サービスと比べて差別的であってはならないという原則)規定に照らし、日本政府による日本郵政への優遇措置について米国とEUが深く懸念していることを強調した」とパンク大使は説明した。

 パンク大使とクラーク臨時代理大使は、日本郵政の民営化の是非は日本が決定すべき事項であり、米国とEUは中立的立場を維持すると述べた。しかし、国会に提出された郵政改革関連法案が、日本郵政が民間企業に比べて有利な待遇を受けることへの米国とEUの懸念に対処していない点については、落胆の気持ちを表明した。また、日本郵政の業務に民間よりも緩やかな規制が課せられる等、日本郵政が競争上さらに有利となる条項が法案に盛り込まれている点でも共通の懸念を示した。

 さらにパンク大使とクラーク臨時代理大使は、対等な競争条件が確立される前に、日本郵政の保険会社および銀行の事業範囲拡大を認める規定についての憂慮を伝えた。

 「日本が郵政改革関連法案の国会審議等を進める際に、対等な競争条件に関する米国とEUの懸念に対処し、WTO(協定の)義務を果たすことを強く要請する」とクラーク臨時代理大使は述べた。パンク大使とクラーク臨時代理大使は、こうした懸念に対処するために、米国とEUは日本との協力を続けていくと強調した。

背景説明
民営化については賛成でも反対でもなく、対等な競争条件の欠如に関する懸念
 米国とEUは、日本郵政の民営化の是非については中立的立場を維持している。しかし、日本郵政の改革は競争条件に深刻な影響を及ぼす可能性があることから、米国とEUは日本政府に対し、WTO協定の義務に沿って、日本の銀行、保険、宅配市場において日本郵政各社と民間競合企業との間に対等な競争条件を確立するために必要なあらゆる措置を取るよう、引き続き要請していく。

日本郵政に関する長期にわたる懸念
 米国とEUは長年にわたり、日本郵政の保険、銀行、宅配業務が、同一のサービスを提供する民間企業と比較して優遇されている問題を指摘してきた。我々が懸念しているのは、こうした優遇措置が、外国企業を含む民間企業に悪影響を及ぼす形で、日本郵政の業務に有利な競争条件を提供してきた点である。例えば、かんぽ生命は、郵便局ネットワークを優先的に利用できるため、民間金融機関に比べ非常に有利な立場に立っている。極めて重要な目標は、日本のWTO協定の義務と整合する形で、日本郵政各社と民間業界との間に対等な競争条件を確立することである。

日本の郵政改革関連法案に関する新たな懸念
 米国とEUは、郵政改革関連法案の内容が日本郵政に新たな競争上の優位を与え、競争条件がさらに日本郵政各社に有利なものになると深く懸念している。一例として、日本郵政の監査・報告義務を民間に比べ緩やかにする条項が挙げられる。

 また、これとは別に、我々は日本に対し、対等な競争条件が確保されるまで、日本郵政の保険・銀行業務に対する既存の制限を維持するよう要請してきた。現行法案は日本郵政の事業範囲の拡大を容易にしている。先に競争上の優位を取り除くことなく、日本郵政に新商品もしくは改訂商品の発売を認めることは、現在の問題を悪化させ、競合商品を販売している民間企業に直接悪影響を与えることになる。

WTO協定上の懸念
 WTOの「サービスの貿易に関する一般協定(GATS)」の下で、日本は保険サービスに関して内国民待遇規定の完全な履行を約束している。米国とEUは日本に対し、郵政改革関連法案の審議等を進めるに当たり、対等な競争条件に関する米国とEUの懸念に対処し、WTO協定の義務を順守するよう要請する。


United States, European Union Raise Shared Concerns on Japan Post

Geneva – Today, U.S. Ambassador to the World Trade Organization (WTO) Michael Punke and European Union (EU) Chargé d’Affaires John Clarke met in Geneva with Japanese Ambassador Shinichi Kitajima to express long-standing and serious concerns that are shared by the United States and the EU regarding the lack of a level playing field between Japan Post and private sector companies in the insurance, banking, and express delivery sectors.

“We met jointly with Japan to underscore the deep level of concern that we both share regarding Japan’s preferential treatment of Japan Post in light of Japan’s national treatment commitments under the WTO,” explained Ambassador Punke.

Ambassador Punke and Mr. Clarke stated that both the United States and the EU remain neutral on whether Japan Post should be privatized, believing this to be a decision for Japan to make. However, they expressed disappointment that the draft postal reform legislation submitted to the Diet does not address U.S. and EU concerns about the preferential treatment that Japan Post currently receives compared to private sector companies. They also raised common concerns regarding provisions in the draft legislation that give Japan Post additional competitive advantages, including less rigorous regulation of Japan Post operations.

In addition, Ambassador Punke and Mr. Clarke cautioned that they are troubled by provisions that open the door for the Japan Post insurance and banking companies to expand the scope of their businesses before a level playing field is established.

“We strongly urge Japan to address our shared level playing field concerns and to live up to its WTO obligations as it proceeds with its postal reform legislation,” Mr. Clarke said. The two diplomats emphasized that the United States and the EU both look forward to continuing to work together with Japan to address these concerns.

BACKGROUND

Neither Advocating nor Opposing Privatization, Concerns about a Level Playing Field

The United States and the EU remain neutral on whether Japan Post should be privatized. However, reforms to Japan Post could have serious ramifications for competition, so both the United States and the EU continue to call on the Japanese government to take all necessary measures to achieve a level playing field between the Japan Post companies and private sector participants in Japan’s banking, insurance, and express delivery markets, consistent with its World Trade Organization (WTO) obligations.

Long-Standing Concerns Regarding Japan Post

The United States and the EU have for many years raised the issue of advantages conferred upon Japan Post’s insurance, banking, and express delivery operations as compared to private sector suppliers of the same services. We are concerned that these advantages have tilted the playing field in favor of the Japan Post operations in a way that is harmful to private companies, including foreign companies. For example, Japan Post Insurance’s preferential access to the postal network gives it a tremendous advantage over private financial companies. The critical objective is to establish equivalent conditions of competition between the Japan Post companies and the private sector, in a manner consistent with Japan’s WTO obligations.

New Concerns Regarding Japan’s Draft Legislation on Postal Reform

The United States and EU are deeply concerned that proposals in the draft legislation will give Japan Post new competitive advantages that would further tilt the playing field in favor of Japan Post companies. One example is a provision that may allow less stringent auditing and reporting requirements for Japan Post.

Further and separately, we have also urged Japan to retain existing limitations on the Japan Post entities’ insurance and banking operations until there is a level playing field. The draft legislation makes it easier for Japan Post to expand the scope of its business. Allowing Japan Post to issue new or modified products without first eliminating its competitive advantages would make the current problems worse and cause direct harm to private companies that currently sell competing products.

WTO Concerns

Under the WTO’s General Agreement on Trade in Services, Japan has full national treatment commitments for insurance services. The United States and the EU urge Japan to address our shared level playing field concerns and to abide by its WTO obligations as it proceeds with its postal reform legislation.