2009年3月8日日曜日

【西松事件】 報道の異様さを感じる事件

  3月8日の産経新聞であるが、構想日本・志田玲子氏が「小沢ショックに見る政治とカネ」と言う記事を6日に書いて記事としてWEB上に流れている事から、大久保秘書が逮捕をされて、1日2日おいて書かれたものであろうか。

驚くのは、彼女の記事の中に「捜査関係者」を情報源にした報道が続々!」と書かれていて、いかに普通の状態で新聞・テレビの報道のされ方が異様であったのかを知る事ができる。


2009年03月06日
http://focus.allabout.co.jp/contents/focus_closeup_c/jijiabc/CU20090306M/index/?from=dailynews.yahoo.co.jp

「捜査関係者」を情報源にした報道が続々!

小沢氏の秘書逮捕で、続報が続々! 3月3日、西松建設から違法献金を受け取ったとして、民主党の小沢代表の公設第一秘書(大久規容疑者)らが逮捕された事件。その額は、十数年間で総額約3億円に上るとされていますが、ここで焦点になるのは、秘書や小沢氏が、同社OBを代表とした政治団体からの献金を、同社からのものだと知っていたかどうか、です。これについて、秘書も小沢氏も否定。しかし、連日のニュースでは、「秘書が西松建設に対し、小沢代表側の3つの政治団体への献金を分散するよう、献金額を個別に指示していた」など、秘書が知っていたかのような報道が目白押し! 各紙の報道では、情報源として「捜査関係者」なる人物が大活躍……。

西松建設絡みのカネは、与野党に浸透!

一方、自民党も、西松建設絡みの「政治とカネ」については、「対岸の火事」とはいかないようです。二階氏を会長とする二階派は、同社に購入してもらったパーティー券代計838万円の返金方針を決定。山口首相補佐官や加納国土交通副大臣も、献金・パーティー券代の返却を表明。また、献金300万円とパーティー券代100万円を受け取った森元首相は、弁護士を通じて「返還の方策を検討する。道義的観点からであり、違法性を認める趣旨ではない」。西松建設と言えば、昨年6月以降、東京地方検察庁の強制捜査を受け、今年1月には、海外から裏金を持ち込んだ外国為替法違反の容疑で、前社長らが逮捕されています。道義的観点を言うなら、なぜもっと早い段階で返金しなかった? 「政治とカネ」この古くて新しい問題からは、与野党議員とも自由ではいられないようです。

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小沢氏監督責任も 起訴なら失職の可能性 政治資金規正法
産経新聞2009.3.8 01:39
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090308/crm0903080140001-n1.htm

小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が小沢氏本人にも規正法違反の疑いがあるとみていることが7日、捜査関係者の話で分かった。規正法は政治団体の代表者に、会計責任者への監督責任について罰則を設けており、これに違反する疑いがある。特捜部は政治資金収支報告書の虚偽記載への関与の有無の解明と並行して、監督責任についても調べを進めるもようで、監督ミスが認定され、起訴された場合には、小沢氏は最終的に衆院議員を失職する可能性も出てくる。小沢氏への参考人聴取でも、監督責任について確認するとみられる。

 地検によると、西松建設がダミーにしていた政治団体は、「新政治問題研究会」(新政研)と「未来産業研究会」(未来研)。陸山会の会計責任者で小沢氏の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)は平成16年3月~19年3月、西松から受領した2100万円を新政研と未来研からの献金とする虚偽の記載を、政治資金収支報告書にするなどした疑いが持たれている。

 規正法は、政治団体の代表者が、会計責任者の選任と監督について相当の注意を怠っていた場合、50万円以下の罰金を科すと規定している。起訴されて規正法違反罪で罰金刑になると、裁判官の判断によっては公民権が停止され、被選挙権を失う。国会法の109条は、現職の衆院議員が衆院議員選挙の被選挙権を失った場合、自動的に失職すると規定している。

特捜部は15年、元参院議長で埼玉県知事だった故土屋義彦氏の資金管理団体の虚偽記載事件で、会計責任者だった土屋氏の長女が起訴された際に、土屋氏から事情聴取。土屋氏は監督責任を認め、特捜部は土屋氏の監督ミスを認定した。ただ、土屋氏は知事を辞職したことなどから、特捜部は「反省の情がみられる」として起訴猶予処分とした。

 捜査関係者によると、特捜部では、大久保容疑者が西松側に直接、献金を要求した上、金額などを具体的に指示していた悪質性を重視。12年から長期間にわたり、大久保容疑者に会計責任者を任せていた小沢氏の監督責任は、決して軽くはないとみているもよう

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「内閣のど真ん中と検察との間でやりとりがあった」政府高官発言で、民主・鳩山幹事長
産経新聞2009.3.8 13:21
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090308/plc0903081322003-n1.htm

西松建設の違法献金事件に関する捜査は、自民党議員に拡大しないとの見通しを示した政府高官が、漆間巌官房副長官であることを河村建夫官房長官が8日午前のフジテレビ系列の「新報道2001」で明らかにしたことについて、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日、「やっぱり内閣のど真ん中と検察との間で会話のやりとりがあったとしか思えない。大いに問題がある。何らかのやりとりがあったと思われても仕方がない」と厳しく批判した。都内で記者団に語った。

 その上で鳩山氏は「あす(9日)予算委員会があるから、そこで委員から、この問題はお尋ねしたい。必要に応じて、官房副長官にお出ましを願うということはあり得る」として、参院予算委員会に参考人招致して、漆間氏に対し、事実関係を追及する考えを示した。

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「未来研」小沢氏側への献金専用か 西松建設
産経新聞2009.3.8 16:24
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090308/crm0903081628013-n1.htm

西松建設が小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」に企業献金を行う際、ダミーに使っていた2つの政治団体のうち「未来産業研究会」(未来研)は、主に小沢氏側に献金するためのものだったとみられることが7日、捜査関係者の話で分かった。東京地検特捜部は、事実上の小沢氏側“専用”だった疑いがあるとみているもようだ。

 西松は与野党の政治家側に対し、平成7年に設立したダミーの政治団体「新政治問題研究会」をトンネルにして企業献金をしていたが、小沢氏側とは当初から、年間2500万円前後を献金するように取り決めていた。
 政治資金収支報告書によると、未来研は16~18年、陸山会と小沢氏が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」、小沢氏が最高顧問についている「民主党岩手県総支部連合会」の3つの政治団体に、総額900万円を献金しているが、ほかに献金先はなかった。

 12年1月以降、政治資金規正法の規定で資金管理団体への企業献金が禁止されることになっていたことから、西松は年2500万円前後の献金を維持するため、11年に未来研を総務省に届け出たとみられる。

 小沢氏側は、献金を受ける際、西松に請求書を出しており、特捜部はこれを押収。規正法違反容疑で逮捕された陸山会の会計責任者で小沢氏の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)が、西松による献金と認識していた事実を裏付ける証拠とみているとみられる。

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61%が小沢氏に「代表辞任」求める 共同通信世論調査
産経新聞2009.3.8 17:04
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903081707003-n1.htm

各社の世論調査で民主党の小沢一郎代表に「代表辞任」を求める声が強まっている。共同通信社の全国電話世論調査(7、8日実施)では、西松建設の献金事件で「小沢氏が党代表を辞めた方がよい」との回答が61.1%と6割を占め、続投支持の28.9%を大きく上回った。毎日新聞の調査(6、7日実施)でも「辞めるべきだ」は57%で、民主党は強い逆風にさらされることになった。

 共同通信の調査では、公設秘書逮捕をめぐる小沢氏の説明を「納得できなかった」との答えが78.4%と約8割に達し、「納得できた」は12.4%で、小沢氏の説明への不満が広がっていることが分かった。

 フジテレビの「新報道2001」の世論調査(5日実施)でも、小沢氏の検察批判を「支持しない」との回答が72.6%で、「支持」は16.2%だった。

 この調査では、民主党の支持率も先週より9ポイント減の26.0%で、逆に麻生内閣の支持率は、同4.4ポイント増の18.2%と上向いた。

 共同通信の調査では、望ましい政権の枠組みは「民主党中心」が2月17、18両日の前回調査より9.9ポイント下がって43.5%となり、「自民党中心」の31.6%との差が縮まった。麻生太郎首相と小沢氏の「どちらが首相にふさわしいか」では、小沢氏は同12.8ポイント減の33.6%で、麻生氏が同5.2ポイント増の25.6%だった。政党支持率は自民28.6%、民主27.4%と逆転した。麻生内閣の支持率は16.0%と同2.6ポイント微増し、不支持率は70.8%だった。

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西松献金で「解散時期は左右されず」自民・菅氏
産経新聞2009.3.8 17:42
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090308/plc0903081744005-n1.htm

自民党の菅義偉選対副委員長は8日、千葉県船橋市内のホテルで講演し、衆院解散について「麻生太郎首相が5月から9月の間に景況感を見て判断する。西松事件で左右されることはない」と述べ、西松建設に絡む違法献金事件が解散時期の判断に影響を与えることはないと強調した。追加経済対策を盛り込んだ平成21年度補正予算案の提出については「厳しい(経済)状況の中で大型補正予算案は当然提出されるだろう」の見通しを示した。

 一方、漆間巌官房副長官が同事件の捜査が同党に及ばないとの見通しを示したことについては、「(警察庁出身との)色眼鏡で見られる。不用意な発言は絶対にすべきじゃない」と、講演後、記者団に語った。

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【新報道2001】西松事件で激論(8日放送)
産経新聞2009.3.8 19:33
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903081934004-n1.htm

8日放送されたフジテレビ系の「新報道2001」では、自民党の山本一太参院議員、民主党の細野豪志衆院議員、無所属の江田憲司衆院議員らが、西松建設の違法献金事件や政治とカネの問題について議論した。

 --世論調査で多くの人が小沢一郎代表の説明に納得していないが

 細野氏「国策捜査だとは思いたくないが、漆間巌官房副長官の発言を含め政府側にどうなんだということは突き付けていかなければならない」

 --漆間発言は

 山本氏「極めて不適切な発言で、非常に怒りを感じる。いらぬ誤解を与える発言を、ああいう立場の方がすべきではない」

 --事件の構図は

 山本氏「こういうことがあったのならば当然厳しく罰せられるべきだが、背景には政治に金がかかるという問題がある。企業側には政治家へ献金して口利きしてもらおう、政治家側も見返りを提供して資金を集めようという感覚があるが、この政治文化を変えないといけない」

 江田氏「自民も民主も『資金の流れを透明化すればいい』というが、きれい事では済まない。政党助成金で税金が政党に入っているのに、政党支部をたくさん作って企業献金を受け入れるのは、明らかに国民への裏切りだ」

 --民主党は平成15年のマニフェストで公共事業受注企業からの政治献金全面禁止を訴えているが

 細野氏「批判は承るが、チェックする仕組みがないのも事実だ。仕組みそのものを作るところまでなかなか行けていない」

「新報道2001」世論調査結果は以下の通り。

【問】麻生内閣を支持するか
支持する18.2%
支持しない75.8%
その他、分からない6.0%

【問】首相にふさわしいのはどちらか
麻生太郎首相23.6%
小沢一郎民主党代表32.4%
その他、分からない44.0%

【問】次の総選挙後にどういう政権を期待するか
自民党中心の政権15.0%
民主党中心の政権24.8%
自民、民主両党による大連立政権37.2%
自民、民主以外の新たな第三勢力による政権17.0%
その他、分からない6.0%

【問】秘書逮捕で検察を批判した小沢氏の発言を支持するか
支持する16.2%
支持しない72.6%
その他、分からない11.2%

【問】次の衆院選はどの政党に投票するか
自民党21.0%
民主党26.0%
公明党2.2%
共産党2.4%
社民党1.4%
国民新党0.2%
新党日本0.0%
無所属・他1.4%
棄権1.2%
未定44.2%

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「政府高官」は漆間副長官 河村長官が明言 民主党は国会で追及へ
産経新聞2009.3.8 19:55
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903081043000-n1.htm

 西松建設の違法献金事件をめぐり、政府高官が「自民党には波及しない」との見通しを示したとされる問題で、河村建夫官房長官は8日の報道番組で、政府高官を元警察庁長官の漆間巌官房副長官であることを明らかにした。河村氏は「発言は極めて不適切だ」として漆間氏を厳重に注意したことを明かし、「漆間氏はあくまで刑事手続きの一般論を説明しただけだ。(検察との情報交換は)あり得ない」と強調した。

 民主党は「内閣と検察が通じ合っていたとしか思えない。逆指揮権ではないか」(鳩山由紀夫民主党幹事長)と反発しており、9日の参院予算委員会で麻生太郎首相らを追及する。漆間氏を参考人として国会に呼ぶことも検討している。

 問題の端緒は、漆間氏が5日夕に首相官邸で行った定例の記者懇談会。西松建設の違法献金問題が話題になり、漆間氏がオフレコを前提に話した内容を一部メディアが「政府高官が『捜査が自民党に及ぶことは絶対にない。額が違う』と述べた」と報じた。

 漆間氏は6日夜、記者団に「私は『自民党に捜査が及ぶ』等の表現は使っていないし、『絶対にない』とは一度も言っていない。『捜査がどこに及ぶかは検察が決めることだ』と断ったはずだ。私は検察の情報が入る立場ではなく、一般論として違法性の認識の立件がいかに難しいかを説明しただけだ」と述べた。

 河村氏は8日のフジテレビの新報道2001で、すでに漆間氏から事情を聴いたことを明らかにし、「漆間氏は『一般論を述べただけで特定の議員への影響や捜査の帰趨(きすう)に関する説明をした覚えはない』と話している」と説明。その上で「警察庁長官の経歴を持つ人なので極めて不適切な発言だ。厳重に注意し、もう少しはっきり説明した方がよいと言った」と述べ、漆間氏に何らかの形で経緯を説明させる考えを明らかにした。漆間氏の処分は「一切ない」と否定した。

また、河村氏はNHKの番組で、政府と検察が情報交換した可能性について「法治国家の根幹を崩しかねない話であり、まったくあり得ない。言われなきことを言われ理解に苦しむ」と強く反発。「検察は厳正中立、不偏不党で、法と証拠に基づき捜査していると確信している。それを私の方がとやかく言う立場にない」と述べた。

 首相は7日夜、この問題について河村氏と対応を協議。事態収拾に向け、「漆間氏にも説明責任を果たしてもらう必要がある」と判断したという。

 漆間氏は8日、取材に対し、9日の定例記者会見で自らの発言の真意を説明する考えを示すとともに、「国会に呼ばれれば誠実に対応する」と述べた。 

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自民、民主「共倒れ」 ほくそ笑む共産
産経新聞2009.3.8 21:12
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903082113005-n1.htm

民主党が小沢一郎代表をめぐる違法献金疑惑で揺れる中、共産党が好機到来とばかりにほくそ笑んでいる。同党は「蟹工船」ブームで若者を中心に関心を集めるなど元気だが、「自民党もダメ、民主党もダメ」という世論が高まれば、次期衆院選で“確かな第三極”の姿が明確になり、行き場のない無党派層の支持が集められるのではないか計算する。果たして…。

 近年の国政選挙で民主党は「反自民・公明票」の受け皿として野党では独り勝ちし、次期衆院選で政権交代を果たすのは確実ともみられていた。だが、小沢氏側の疑惑で民主党がつまずきつつあり、共産党は「麻生政権迷走で民主党に緊急避難的に流れていた支持層の一部をわが党が取り込める」(共産党関係者)とにんまりだ。

 同党が5日の幹部会で「金権腐敗政治」の一掃に向けた「共産党の役割」をアピールする方針を確認したのも、その戦略上にある。

 共産党は平成19年10月以降、新規入党者数は16カ月連続で増加(対前月比)し合計1万6000人に上るなど人気を呼んでいる。格差や「派遣切り」問題に取り組んできたほか、志位和夫委員長の「メディア露出作戦」も奏功している。その中で、目の上のタンコブの民主党を襲った「小沢ショック」は共産党にとって渡りに船というわけだ。

 小沢氏が秘書の逮捕翌日の4日に行った「釈明記者会見」について、他の野党が「一応の説明責任は果たした」(福島瑞穂社民党党首)、「事実関係がはっきりしてくるまで何とも言えない」(亀井久興国民新党幹事長)などと批判を避けた。だが、志位氏は「国民に対する説明責任を果たしたとは、とうてい言えない」と糾弾してみせた。

小沢氏側の事件について、共産党の市田忠義書記局長は5日の記者会見で「自民も民主も基本路線や金権腐敗政治という点で同質同類ということが、非常に分かりやすい形で出た」と述べ、従来の主張である「企業・団体献金の禁止」を訴える考えを強調した。

 ただ、党内に「浮かれたことは慎むべきだ」(共産党関係者)との空気が強く、市田氏は、自民、民主への批判や不満の受け皿になる可能性については「共産党の立場や考え、路線、政策を丸ごと知ってもらう努力なしには、自動的に共産党に来るということはない」と慎重だった。

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「代表交代論」に勢い 逆風強まり民主結束ほころぶ
産経新聞2009.3.8 21:15
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903082117006-n1.htm

民主党の小沢一郎代表の公設秘書逮捕に対し、世論から「代表辞任」を求める声が強まり、民主党の「続投への結束」がほころび始めた。鳩山由紀夫幹事長が8日、小沢氏の責任論について「新たな事実が判明すれば、新たな展開になる」と述べ、進退問題に発展する可能性に言及し始めた。小沢氏が代表にとどまれば世論が民主党から離反しかねないとの声は次第に大きくなりつつある。

 鳩山幹事長は8日のNHK番組で、進退問題に発展する可能性を示唆したが、その中で「進退問題が浮上しないと言い切るつもりはない」と述べ、世論の反発を強く意識してみせた。

 同党幹部は、この発言の真意を「『新たな事実』とは収賄容疑などだが、そうした事実はないという前提だ」と解説して、辞任論の拡大回避に躍起だが、代表辞任を完全否定できなくなったのは明らかだ。

 鳩山氏ら党執行部や小沢支持派には、小沢氏の陣頭指揮で、国会運営や次期衆院選の準備を進め、麻生政権を追い込んできただけに、代表交代に消極的な空気が強い。小沢氏自身も代表を辞任する考えがないことを強調している。

だが、反小沢勢力を中心に「潔く辞任すべきだ」(幹部)との声があるのも事実だ。事件で民主党への追い風が弱まり、「小沢代表のままでは次期衆院選で単独過半数がとれなくなる」(同)との危機感も強まっている。実際、仙谷由人元政調会長は7日、「これからは本物の政権を担う政党をつくらなければならない」と、代表交代の可能性に言及しており、箝口(かんこう)令の下で表面化してこなかった「辞任やむなし」の声が抑えきれなくなっている。

 小沢氏は献金は適切に処理したと強調しており、今後の捜査で、発言と食い違う事実が明らかになれば、反小沢勢力の勢いが増すのは確実だ。中堅議員は「代表を辞めてくれという感じが党内で広がれば、小沢氏は察するだろう」と、小沢氏が党内情勢を見極めて自身の進退を最終判断するとの見方を示している。


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小池氏「小沢批判」テコに存在感 政権批判は封印
産経新聞2009.3.8 22:59
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903082302007-n1.htm

自民党の小池百合子元防衛相が「ポスト麻生」をにらみ、動き出した。昨年9月の総裁選で応援を受けた議員の地元を中心に全国遊説を始めており、8日には千葉県船橋市で小泉チルドレンを応援した。スタイルは「鋭い小沢批判」。政権批判は封印し、かつて行動をともにした民主党の小沢一郎代表を舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り捨てることをテコに、民主党との最終決戦に臨む「自民党の顔」としての存在感を示したいようだ。

 小池氏は船橋市内のホテルで、まだ使いこなす議員が少ないプレゼンテーション用ソフトを使い、ライフワークの環境政策を中心に1時間近く講演した。「政策を中心に話す」といいつつも、旧新進党などで行動をともにし、その後決別した小沢氏への批判は痛烈だった。

 「生活が第一といいながら、『政局が第一』という人。政権交代さえすればすべてうまくいくと言った方の秘書が逮捕され、この混乱が国民生活に不安を与えるのではないか。この十何年を振り返ると、小沢さんの、小沢さんによる、小沢さんのための政治がずっと続いてきた」

自民党内では、「麻生太郎首相では選挙を戦えない」という声が広がり、首相に批判的な中堅・若手が次々とグループを結成している。昨年9月の総裁選で小池氏を推した中川秀直、武部勤両元幹事長が後見役と目されるが、小池氏は最近、あえて両氏と距離を置き「麻生批判」は封印している。

 講演でも「100年に一度の危機で政治混乱のヒマはなく、首相にはしっかりリーダーシップをふるってもらいたい。私どもにも麻生政権を実現させたPL法的な製造物責任がある」と支持を明確にした。

 ただ、内閣支持率の低迷で小池氏を「ポスト麻生」にとの声は出始めている。

 「われわれは麻生首相をリリーフ投手として選んだ。次の選挙では新しいリーダーを立てて新しい日本を目指す。『他にいない』というが、小池さんとかがいるじゃないか」

 武部氏は講演後のパーティーでこう語り、目の前の小池氏を持ち上げた。総裁選で麻生氏を推した町村派中堅でさえ「10%台の支持率で選挙するより、少しでも高い支持率で戦いたい。小池さんは嫌いだが、生き残るためには眼をつぶる」と言うほどだ。

小池氏はこうした声に無関心を装うが、2月のテレビ番組では「一度は総裁選に出て首相を目指した私ですから…。どういう形がいいかはこれからの政治環境次第ですね」と意欲をにじませた。最近は足場固めをするかのように、愛知、山梨両県、北海道などを訪れ、総裁選で小池氏を支持した議員を応援した。

 しかし、経済危機の中で首相を批判することが、自民党員である自らへの批判に跳ね返ってくることは十分に自覚している。党内には小池氏の政治遍歴に対する不信感もある。

 「今はコップの中の争いをしている場合じゃないでしょ。敵は外にいるのよ」

 小池氏は4日夜、都内の居酒屋で親しい議員にこう語りかけた。民主党と戦う姿勢をみせながら、機が熟すのを待っているようだ。(加納宏幸)