2010年5月22日土曜日

【検察審査会】 日経の記事 追記(26日の産経の記事)

日本経済新聞が、陸山会事件とされるものに対して検察審査会が「起訴相当」とし、検察が再度不起訴としたことについて、この検察審査会の問題点を記事にしている。

この中に書かれている事が事実であれば、非常に恣意的な審議が行われたと思われても仕方がないだろう。

追記(7月5日、共同通信47news 小沢民主党前幹事長の上申書要旨)
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市民11人が最終判断、2度不起訴の 小沢氏側、上申書を検討
2010/5/22

検察審査会の起訴相当の議決からわずか3週間余り。政権与党の最大実力者と検察当局との”延長戦が”21日、幕を下ろした。民主党の小沢一郎幹事長の早期の不起訴は、検察内部では当初から既定路線。強制起訴につながる可能性のある今後の2回目の審査では、小沢氏は検察審に「上申書」の提出を検討しており、その内容や、元秘書らの供述の評価などが焦点だ。

●意見聴取カギ 不起訴を受け、再び審査に当たるのは前回全員一致で「起訴相当」を議決した東京第5検察審査会。今度は11人中8人以上の同意で、小沢氏は強制的に起訴される。

 焦点は証拠をめぐる評価だ。関係者によると、1回目の審査では、議決書の作成を補助する「審査補助員」の弁護士が、暴力団組長が銃刀法違反(共同所持)罪の共犯に問われた裁判例などを紹介され、議決に影響を与えたという。

 慎重さを期すため、検察審査会では、2回目の審査で補助員の弁護士と検察官からの意見聴取を義務付けている。1回目の審査で補助員を務めた弁護士が続投するのか、別の弁護士に交代するのか。選任は補助員を選んだ弁護士会の判断だが、「それにより正反対の結論が出る可能性もある」(法曹関係者)

 1回目の審査で説明に訪れた特捜部の主任検事は「すでに(起訴相当の)結論で決まっていたそうで、聞く耳を持たなかった」と漏らしたという。検察側の説明をどう受け止めるかで、結論も変わってきそうだ。

●審査開始時期も影響 もう一つの焦点は、2回目の審査が始まる時期だ。前回「起訴相当」を出した11人のうち、6人は5月1日に交代。残る5人が交代する8月1日にまでに審査がどれだけ進むかが、結論に影響を及ぼす可能性は大きい。

審査入りの時期の既定は検察審査会にはなく、原則申し立て順。新制度導入後の1年間で東京の6つの検察審査会は計200~300件を審査しており「件数が多ければ、開始は遅くなる」(検察審関係者)

 過去、強制起訴に至った兵庫県明石歩道橋事故とJR福知山線脱線事故は、いずれも不起訴から強制起訴の議決までに4ヶ月近くかかった。小沢氏の弁護団は事件の関与を否定する上申書の提出を検討、「結論ありきではなくもう一度最初から議論してほしい」などと訴えている。

●問われる閉鎖性 検察審は、公開の法廷で審議される裁判員制度と異なり、非公開。審査の回数や議論の内容、審査員の経歴、議決までの経緯などは明らかにされず、恣意(しい)的な審査になる恐れはぬぐえない。強大な権力が適正に行使されたのかを第三者が法的に監視する仕組みもなく、「権力が強まったのだから、議論の過程をオープンにすべきだ」(法務・検察幹部)との意見も出ている。

 しかも、重大事件に限定された裁判員制度に比べ、検察審はあらゆる事件が対象。市民感覚で検察の判断に「ノー」を突き付ける判断は「検察の起訴独占主義に風穴をあけた」との評価の反面「無罪でもいいから疑わしきは法廷に引っ張りだせということなら、制度自体が持たなくなる」(別の検察首脳)との懸念も聞かれる。
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市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件 

2010.5.26 18:46

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100526/trl1005261848003-n1.htm


 民主党小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。


 上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。


 同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。


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小沢民主党前幹事長の上申書要旨 

http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070501000492.html


 小沢一郎民主党前幹事長の代理人弁護士が、東京第5検察審査会に提出した上申書の要旨は次の通り。


 【告発事案の評価】


 告発事実は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が2004年に購入した土地について、同年分の収支報告書にその代金の支出と土地の取得を記載せず、05年分の収支報告書にそれを記載したことを問題にしているが、これは、いわゆる「期ずれ」処理ということだ。


 証拠に基づいて冷静に事実をみると、小沢氏が自己資金を自己が代表者となっている資金管理団体に貸し出し、秘書らの宿舎用地を購入した事柄について、現実の出金および不動産の売買契約の時期と収支報告書の記載について約3カ月のズレがあることが厳しく指弾されてきたというのが、これまでの経緯だ。


 小沢氏の当時の秘書が建設会社から5千万円を受け取り、それが土地購入原資の一部になっているなどと喧伝され、それ故、悪質だという主張がなされたが、このことに関する一連の証拠関係を全体的に検討すれば、そのような見立ては合理性に欠けることが分かるはずだ。あくまで告発事実自体について冷静に判断すれば、資金管理団体の代表者たる政治家本人の刑事責任を問うような事案ではない。


 【直接的証拠の評価について】


 04年10月、担当秘書が土地購入資金4億円を小沢氏から借りたことを隠すとともに土地購入時期を翌年にずらすことを報告したところ、小沢氏は、これを了承したとの供述調書が存在するとのことだ。


 ところが、収支報告書には「借入金 借入先 小沢一郎 ¥400000000」と記載されている。これでは、小沢氏から借りたことを隠したことにならない。小沢氏から借りた4億円を隠す意図があったとの供述は信用できない。


 そもそも、04年10月の会話をもって、翌年3月に提出する収支報告書の虚偽記入について「犯罪を共同して行う意思を通じ合っていた」とはいえない。


 【小沢氏の立場と判例について】


 前回議決では、小沢氏に絶大な指揮命令権限があるとの前提で、共謀に関する諸判例から考えて、小沢氏を共謀共同正犯に問えるとのことだ。


 収支報告書への記載については、小沢氏は担当秘書らに任せているので、収支報告書の記載の仕方という分野では、小沢氏には絶大な指揮命令権限などない。多忙な日常の中で、小沢氏が事務仕事の細部にまで関心を持ち、指揮するなどとは想像できない。


 前回議決にいう諸判例の一つは、暴力団組長が外出する時に拳銃を所持するボディーガードに守られるのを常としていた状況下では、拳銃所持につき直接指示を下さなくても共謀共同正犯の責任を問うことができるとの判例と思われる。しかし、これは事案の性格が全く異なり、本件における共謀関係の判断になじまないものだ。本件の事案のような場合に担当秘書らと共謀したというためには、黙示的ではなく、明示的で具体的な意思の連絡が必要と考えねばならない。


2010/07/05 17:51 【共同通信】