市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件
2010.5.26 18:46
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100526/trl1005261848003-n1.htm
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。
上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。
同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。
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小沢民主党前幹事長の上申書要旨
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070501000492.html
小沢一郎民主党前幹事長の代理人弁護士が、東京第5検察審査会に提出した上申書の要旨は次の通り。
【告発事案の評価】
告発事実は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が2004年に購入した土地について、同年分の収支報告書にその代金の支出と土地の取得を記載せず、05年分の収支報告書にそれを記載したことを問題にしているが、これは、いわゆる「期ずれ」処理ということだ。
証拠に基づいて冷静に事実をみると、小沢氏が自己資金を自己が代表者となっている資金管理団体に貸し出し、秘書らの宿舎用地を購入した事柄について、現実の出金および不動産の売買契約の時期と収支報告書の記載について約3カ月のズレがあることが厳しく指弾されてきたというのが、これまでの経緯だ。
小沢氏の当時の秘書が建設会社から5千万円を受け取り、それが土地購入原資の一部になっているなどと喧伝され、それ故、悪質だという主張がなされたが、このことに関する一連の証拠関係を全体的に検討すれば、そのような見立ては合理性に欠けることが分かるはずだ。あくまで告発事実自体について冷静に判断すれば、資金管理団体の代表者たる政治家本人の刑事責任を問うような事案ではない。
【直接的証拠の評価について】
04年10月、担当秘書が土地購入資金4億円を小沢氏から借りたことを隠すとともに土地購入時期を翌年にずらすことを報告したところ、小沢氏は、これを了承したとの供述調書が存在するとのことだ。
ところが、収支報告書には「借入金 借入先 小沢一郎 ¥400000000」と記載されている。これでは、小沢氏から借りたことを隠したことにならない。小沢氏から借りた4億円を隠す意図があったとの供述は信用できない。
そもそも、04年10月の会話をもって、翌年3月に提出する収支報告書の虚偽記入について「犯罪を共同して行う意思を通じ合っていた」とはいえない。
【小沢氏の立場と判例について】
前回議決では、小沢氏に絶大な指揮命令権限があるとの前提で、共謀に関する諸判例から考えて、小沢氏を共謀共同正犯に問えるとのことだ。
収支報告書への記載については、小沢氏は担当秘書らに任せているので、収支報告書の記載の仕方という分野では、小沢氏には絶大な指揮命令権限などない。多忙な日常の中で、小沢氏が事務仕事の細部にまで関心を持ち、指揮するなどとは想像できない。
前回議決にいう諸判例の一つは、暴力団組長が外出する時に拳銃を所持するボディーガードに守られるのを常としていた状況下では、拳銃所持につき直接指示を下さなくても共謀共同正犯の責任を問うことができるとの判例と思われる。しかし、これは事案の性格が全く異なり、本件における共謀関係の判断になじまないものだ。本件の事案のような場合に担当秘書らと共謀したというためには、黙示的ではなく、明示的で具体的な意思の連絡が必要と考えねばならない。
2010/07/05 17:51 【共同通信】
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