2010年4月17日土曜日

【月刊日本】 鈴木宗男

 北方4島返還のために、今何をしなければならないのか。鈴木氏に対する批判は昨年も行われていて、櫻井よしこ女史が無謀にもイチャモンをつけている。(参考

ムネオバッシングが行われた当時の北海道新聞のまとめ→(こちら

鈴木宗男氏を救う方法はないものなのか・・・・・。ここにも、また一人の被害者が間違いなくいる。


【月刊日本特別講演会 1鈴木宗男氏の到着まで「北方領土は時間との闘い】
【月刊日本特別講演会 2鈴木宗男 故小渕元総理と野中官房長官のやりとり】
【月刊日本特別講演会 3鈴木宗男 対ソ連と対ロシアでは対応法は変わる】
【月刊日本特別講演会 4鈴木宗男】
【月刊日本特別講演会 5鈴木宗男】
【月刊日本特別講演会 6鈴木宗男】
【月刊日本特別講演会 7鈴木宗男】
【月刊日本特別講演会 8鈴木宗男】
【月刊日本特別講演会 9鈴木宗男】
【月刊日本特別講演会 10鈴木宗男】
【月刊日本特別講演会 11/11鈴木宗男】


【単刀直言】鈴木宗男衆院外務委員長(新党大地代表) 「北方領土交渉で鳩山首相支える」
2009.9.23 17:56

 外務省による税金の無駄遣い、対露外交、核持ち込みや沖縄返還に関する日米密約問題を中心に、私はこれまで政府に対し1900本近くの質問主意書を出しました。外交官が「ちょうネクタイにフォークとナイフ」の世界に閉じこもり、国民の理解を得ようとしなければ、国益を背負った外交は成功しないとの思いからです。衆院外務委員長として、今後も立法府の立場から政府に説明責任を求めていくつもりです。

 自民、公明両党は18日、私が受託収賄罪などで公判中であることを理由に、委員長就任に反対したそうですが、私は無罪を主張し最高裁で争っているのだから、無罪推定の原則が働くはずです。しかも、2回も国民の審判を受けて衆院議員になっているので、私を選んでくださった国民の信任にこたえるためにも、委員長の職責をしっかり果たそうと思います。
 
領土交渉を動かす
 鳩山由紀夫首相からは「北方領土問題を動かしたいので協力してほしい」と言われています。外交は政府の専管事項ですから、立法府の側から、鳩山首相、岡田克也外相のラインをしっかりと支えていきたい。

 私の役割は環境整備です。まずは国会議員に領土問題をよく理解してもらわなければいけない。「四島一括返還」ということを平気でいう人がいるのですから驚きます。

 私が考える返還の道筋と、産経新聞の社説とは少し違うところがあるかもしれませんが、国後(くなしり)、択捉(えとろふ)、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)の四島の日本への返還という原理原則は一致しています。ただ、「四島一括返還」は旧ソ連時代に使っていた表現で、この切り口からでは、ロシアは交渉に乗ってきません。

 旧ソ連崩壊後の1993(平成5)年、細川護煕(もりひろ)首相とエリツィン露大統領との間で「四島の帰属問題を解決する」ことで合意した東京宣言以来、森喜朗政権までは間違いなく交渉は進んでいました。しかし小泉純一郎首相から麻生太郎首相までの政権が過度な対米追従外交を行い、北方領土問題への勉強不足と相まって交渉は後退しました。外務委員会で専門家に意見を述べてもらうなどして、世論喚起や啓発に努めたいですね。
 
現実的返還論
 交渉を進めるには、2001(平成13)年に当時の森首相とプーチン露大統領が日ソ共同宣言の有効性を公式文書で確認した「イルクーツク声明」まで時計の針を戻す必要があります。歯舞、色丹返還を明記した1956年の日ソ共同宣言、東京宣言、イルクーツク声明の3つを担保に交渉すれば必ず解決できます。

 日本政府にとって大事なことは「四島」の旗を降ろさないことです。麻生政権下で「面積2等分論」「3.5島返還論」などという、足して2で割るような話が出てきましたが、バナナのたたき売りじゃないんだから、そんなのは駄目です。この点で産経新聞は実によく闘ったと思います。産経新聞が声を上げなければ、北方四島が日本から遠ざかってしまったかもしれません。

 日本に返ってくるにはどうしたらいいか考えつつ、外交交渉上は現実的なアプローチをとるべきです。日本側から四島返還の旗を降ろすから混乱が起きました。

 四島の帰属が未解決であることは東京宣言で日露両国首脳が確認しているのだから、まず2島を返してもらい、残り2島で日露両国が経済協力や共同統治をして交渉を続けるなど、いろいろなやり方ができます。「現実的返還論」でいくべきです。政府も「四島の帰属が確認されれば、実際の返還の時期、態様および条件は柔軟に対応する」としているのですから。

 私はかつて「二元外交」をしていると誤解を受けましたが、政府の方針通りやってきたんです。「二島返還だけでいい」なんて考えたことも言ったことも一度もありませんよ。

 鳩山首相は「領土問題は鈴木先生の考えでいい」と言ってくれています。身命を賭(と)して日ソ共同宣言に調印した鳩山一郎元首相の孫として、自分の手で領土問題を解決したいという首相の思いを実現するため、一生懸命に支援したいと考えています。(加納宏幸)
====================================================

【Russia Watch】領土交渉 水面下で「2島先行」論
2010.5.28 10:41
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100528/erp1005281043001-n1.htm

 かつて対ロシア「二元外交」を批判された新党大地の鈴木宗男代表(62)が5月10~13日、衆院外務委員長として訪露し、政界関係者らと北方領土問題などを協議した。一連のスキャンダルで逮捕・起訴されて以降、8年ぶりに対露外交の封印を解いた形だ。そこには以前の鈴木氏が主導した、いわゆる「2島先行返還」論がちらつく。

 ■「露の名誉が大切」
 「ソ連が日ソ中立条約を侵犯して日本を攻撃したという点だけを取り上げ、激しく非難する人々がいる」
 鈴木氏は露外交アカデミーで講演し、こうした立場を批判したうえで、「政治家の使命は現実的な交渉をし、結果を出すことだ」「領土交渉ではロシアの名誉と尊厳が守られることが大切だ」と強調した。

 さらに、鳩山政権が領土交渉の基礎と考える文書として、(1)平和条約締結後の歯舞(ほぼまい)、色丹(しこたん)両島の引き渡しを定めた日ソ共同宣言(1956年)、(2)択捉(えとろふ)、国後(くなしり)を含めた4島が係争地域であることを認め、「法と正義」の原則で交渉するとした東京宣言(93年)、(3)両宣言を明示的に確認したイルクーツク声明(2001年)-を挙げた。

 鈴木氏の戦術は、(3)のイルクーツク声明を含んだことに見てとれる。声明は「色丹、歯舞両島の返還にはロシアも同意している。焦点は残る2島だ」という日本側の意図を反映して策定されたからだ。これは「歯舞、色丹両島の返還時期や態様」と「残る2島の帰属問題」を合わせて協議する「2島先行返還」や「同時並行協議」論者が拠(よ)って立つ文書といえる。

 ■根強い平和条約不要論
 鈴木氏は自民党時代の2000年前後、外務省に強い影響力を持って「2島先行返還」路線を主導したものの、外務省内の反発や対露外交の混乱を招いた。その後、あっせん収賄罪などに問われ、1、2審で懲役2年の実刑判決を受けている。

 日露関係筋は「最高裁に上告中の鈴木氏には、対露外交で存在感を見せて実刑確定を避けたいとの焦りがある」と指摘する。鈴木氏は自らが失脚して以降の対露外交を「空白の10年」と批判しており、かつての持論をテコにして民主党政権の領土交渉に突破口を開きたい思惑があるとみられる。

 鈴木氏は滞在中、コンスタンチン・コサチョフ下院国際問題委員長(47)やアルカージー・ドボルコビッチ大統領補佐官(38)らと会談。ロシアの望む先端技術分野での経済協力にも積極的に取り組む考えを伝え、歓迎された。

 ロシアでは、鈴木氏にまつわる一連の事件が「大政治弾圧」(アレクサンドル・パノフ元駐日大使)とみられている。「4島返還」派に比べ、鈴木氏がロシアにとって組みやすい相手であるのは間違いない。

 ただ、ロシア側がやすやすと「2島先行返還」論に乗ることは考えにくく、鈴木氏の戦術が「2島返還」で終わる危うさをはらむのも事実だ。今のロシアには択捉、国後両島の帰属を議論するつもりが毛頭なく、エリート層には「平和条約がなくとも日本との経済関係は発展する」との考えが根強いからだ。

 ■「4島返還の放棄を」
 「日ソ共同宣言は平和条約の締結と2島の引き渡しで問題を終わらせると明記した文書であり、東京宣言とは全く両立しない」。露科学アカデミー日本研究センターのビクトル・パブリチェンコ上級研究員は「両国が批准し、外交条約の手続きを経た日ソ共同宣言と、意思表明のプロトコールにすぎない東京宣言やイルクーツク声明では重みが違う」とも語り、「2島先行返還論は失敗を運命づけられている」と断じる

 さらに、「議論に足る解決策は、日本が完全に『4島』の主張を放棄し、日ソ共同宣言に立ち返ることだけだ」と政権の立場を代弁する。

 日露間では年内に3度の首脳会談が予定され、日本外交筋は「領土交渉の活発化」を期待する。だが、セルゲイ・ラブロフ外相(60)が最近、「北方領土問題に関するいかなる対話も日本が第二次大戦の結果を認めることから始まる」と述べたように、ロシア側の態度はむしろ硬化しているのが現実だ。

 鈴木氏は滞在中、「鳩山首相に4島の旗を降ろす気持ちはない」と言明する一方、「現実的な外交」の必要性を訴えた。その目指す着地点は、まだ見えない。(モスクワ支局 遠藤良介/SANKEI EXPRESS)