2009年10月28日水曜日

【メモ】 青い薔薇

最近多くの記事が配信をされ、消されていく。魚拓という方法もあるのだが、気がつくと消されている場合もある。
記事を長く残そうとする気が新聞社にはないようだ。


不可能覆し青いバラ 最先端バイオで実現、新たな一ページ

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091028dde012040006000c.html

 この世に存在しなかった「青いバラ」が最先端のバイオ技術で開発され、来月3日から生花店に並ぶ。英語で「ブルー・ローズ」は「不可能」を意味する。自然界にない色だからこそ、人間は作りたがるのか。【鈴木梢】

 トラックの花売りが青いバラを荷台に積む。東京・銀座の夜の街角。真っ青なインクを吸わせた人工着色だが、仮初めの恋のイメージからか、酒場に欠かせないという。

 バラの品種がいくつあるのか、誰にも分からない。2万5000超とする専門書もあるが、世界で次々に新品種が誕生して把握しきれない。

 青いバラは、古くはギリシャ神話に登場する。「千一夜物語」では夢見る恋人の持つ花として用いられ、禁断のイメージを持つ。夢の花を現実に咲かせる試みは、1944年に青系品種「グレイパール」が発表されて熱を帯びた。戦後、青いバラの交配ブームがあり、「開発者のロマン」として全世界が挑んだ。青い色素がないバラは、赤い色素を極限まで薄めるしかない。そのため、どの花も藤色やラベンダー色と表現された。

 約30年前に確立した遺伝子操作技術が、新たな可能性を開いた。各国のベンチャー企業などは一獲千金のためこぞって開発競争に参入した。世界初の青いバラを誕生させたのはサントリーだ。90年から遺伝子組み換えの特許を多く有する豪企業と共同で開発してきた。パンジーの青い色素の遺伝子をバラに組み入れ、04年に開発に成功、5年かけて国の承認を得て販売にこぎつけた。

 サントリーはキクとカーネーションを青くする事業にも成功している。サントリー植物科学研究所の田中良和所長は「なぜかバラだけが騒がれる」と話す。田中所長は約20年研究を続けた原動力を、「だれもやれなかったことを成し遂げたい」という科学者の気概だという。首元で結んだ青い小バラ模様のネクタイが誇らしさを物語る。

秋はバラの季節でもある。千葉県佐倉市の「草ぶえの丘バラ園」は、現代バラの起源となる原種の保存に力を注ぐ。園内を歩くと品種改良の系譜が分かる。高貴な花とばかり思っていたが、一重咲きもある野生種の素朴さに驚かされた。現代のバラは人間が品種改良を繰り返し、洗練させたものだった。

 そもそも、花びらが色鮮やかなのは、花粉を運ぶ虫を引き寄せるためで、人間の観賞眼に応えるためではない。バラに青がないのは、「必要がない」からではないか--。

 「花が色素を作るのは、虫に見えやすくするため。鳥の目には赤がよく見える一方、ハチやハナアブには青や白が見えやすい。バラは虫にアピールするため、何らかの理由で白の色素を作るのに全力を尽くしたということでしょう」。バラ園を案内してくれた千葉県立中央博物館でバラ専門の上席研究員の御巫(みかなぎ)由紀さんが、滑らかに説明してくれた。

 バラと言えば深紅、という印象が付きまとう。だが、御巫さんは「本来、野生の赤いバラは多くはない。交通信号でも分かるように、人間は赤に反応しやすい。人間が育種して、赤いバラを集めた結果です。イネのように風が花粉を運ぶ風媒花や、虫媒花という言葉がありますが、バラは『人媒花』ともいわれる。人間はバラを求め、バラは人間を必要としてきた」という。

 確かに、バラと人間の付き合いは深く長い。栽培の始まりは紀元前とされ、古代エジプトの女王クレオパトラは寝室の床一面にバラを敷き詰めた逸話を残す。

 「羽衣」「万葉」など品種を集めた庭が見えた。「ミスター・ローズ」とたたえられた育種家、故・鈴木省三さんの作品という。バラを愛好した鳩山一郎元首相とも交友があり、元首相の妻の名にちなんで「薫子」という品種を生み出した。「青空」というほのかな紫色の品種は、鈴木さんも青いバラを狙っていたことを示している。

 青--。群青、エメラルドブルー、濃紺、淡い水色、と思い浮かぶ色は一様ではない。文星芸術大学の小町谷朝生教授(色彩学)は、江戸時代に藍(あい)染めの「ジャパン・ブルー」を世界で流行させた日本は、色の濃淡を味わう豊かな色彩文化があるという。さらに、「海に囲まれた島国の日本は海洋民族で、基底には水の文化がある」と青に親しむ地理的な条件を挙げ、「外国人の青い目に比べ、日本人の茶色の目は青に対して感度が高く、細かく識別できる」と感受性の強さを指摘する。

 サントリーは世界で初めて、青い色素デルフィニジンをバラに取り入れることに成功した。しかし見た目は、青みを帯びた薄紫色。花弁の青い色素は95%に達したが、含有率が高いから濃い青になるとは限らないのが生物の神秘だ。御巫さんは「自然界では絶対に起き得ないことを可能にし、どんなにほめても足りない。ただ、まだ美しさで評価できるレベルではない。青色色素が入った可能性を広げ、未来につなげてほしい」と期待を寄せる。

 一方、小町谷教授は異議を唱える。「白と黒ほどではないにしても、このバラと青はそれに匹敵するほど違う。海や空の青ができたら、素晴らしいでしょう」

 小町谷教授はさらに、人が赤いバラを集めてきた理由を時代と重ね合わせる。「我々は温血動物なので、血の赤を温かいと感じる。赤は太陽の光の領域で活動的、青は陰の領域で非生産的です。赤が注目されたのは18世紀からで、現代の都市生活は赤に傾いていった。人間だけ集めて社会という集団を作っているためで、この現象は先進国ほど顕著です」

「青いバラ」という本がある。ノンフィクションライターの最相葉月さんが世界の育種家の壮大なドラマを01年にまとめた。最相さんが取材を始めた97年、クローン羊のドリーや遺伝子組み換え食品が世間を騒がせており、「時代の転換期、青いバラは象徴的な存在だと思った」と振り返る。最相さんは今、発売を前に感慨を深める。「作り手にとっては、果てしない旅での大きな一歩です。受け止める側には、その時間と途方もなさを知っておいてほしい」

 加速度的に進む遺伝子研究。佐倉のバラ園を開いたバラ文化研究所の前原克彦理事長は「青いバラを作った技術に敬意を表しますが、神の領域を侵しているとは思う。医療分野と違い、バラは命にかかわるものではない。だからこそ普通の人間の感覚が問われるのではないか」。世に出る花の真価を問うのは、人間の美意識にほかならない。

 「バラ色の人生」。その色を「青」と連想する人はいないだろう。だからこそ人間は不可能に挑み、ロマンを追い求める。

 ◇理想はヒマラヤの青いケシ
 あなたは世界初の「青いバラ」を見て、どんな色を思い浮かべますか。バラにゆかりのある人たちは、「ヒマラヤの青いケシ」が理想と口をそろえる。「幻の花」とされ、花びらは透けるように薄く、澄み切ったブルーは海や空を思わせる。サントリーの「青いバラ」は薄青紫色。香りは花の女王らしく優雅で華やか、緑のすがすがしさが鼻腔(びこう)に残る。価格は1本2000~3000円。青を極める研究は続く。

【東京地検特捜部】 鳩山偽装献金

鳩山首相の偽装政治献金事件をどうみるか。関係者の討論の結果である。

A ≪鳩山総理の偽装献金事件とはどのような内容か≫

B 【報道されている偽装問題は次の2つである】

① 一つは資金管理団体「友愛政経懇話会」の05~08年分の収支報告書では、故人など約90人の名前を使った計約2177万円の虚偽記載の件である。これは今年の6月に鳩山議員は虚偽であったと認めている。

②もうひとつは、04~08年分の政治資金収支報告書に記載された計約1億7717万円に上る小口の匿名献金の大半が、鳩山家の資産管理会社「六幸商会」(東京都港区)の管理資金だったという虚偽記載の内容である。(10月25日朝日新聞朝刊)5万以下の献金が総額を記載すればよく、各人の寄付金額氏名などを記載しなくも良いので、その条文を使ったという報道である。

A ≪何故鳩山総理はそのような馬鹿なことをしたのか?故人を記載すれば、いずれその事実が明らかになるのに!≫

B そうですね。それが普通の感覚。総理の説明によると、上記①の事実は、秘書に預けていたカネを秘書が個人献金が少ないでの、あたかも個人献金が多数なされているかのごとく偽装したというのである。秘書が勝手に行ったので、その秘書を解雇したと公表した。

上記②の行為については鳩山総理の説明はない。しかし当然に予想された内容。故人の献金を偽装する位なら、氏名を記載しなくても良い5万円以下に偽装があるのは当然の話だろう。

しかしこのような処理は、政治的には、お粗末そのもの】

A ≪偽装行為が政治資金規正法のどの条文に違反するのか?≫

C 【上記①の件については、故人名義の寄付は本当は鳩山議員の寄付であるから法22条の6の「他人名義の寄付」に該当する。寄付した鳩山は、他人名義の寄付を自己の政治団体に寄付する故意を有すれば、法23条3項違反になる。総理の釈明通り、預けたカネを秘書が故人献金として処理したなら罪には問いにくい。しかし実際は釈明通りかどうかは疑問だ】

A ≪秘書はどのような罪に問われるか≫

C 【鳩山総理の記者会見のとおりとすれば、秘書は鳩山議員個人のカネであることを承知して、寄付を受けたのであるから法22条の6、第2項違反になる。その上、故人からあたかも寄付があったかのごとく、収支報告書に虚偽の記載をした罪=法12条に違反する法25条1項の虚偽記載罪(5年以下の禁固又は100万円以下の罰金)の罪に該当する。

A ≪鳩山家が5万以下の献金の大半を献金していた場合は鳩山家は罪に問われるか≫

C 【上記②の寄付の件は鳩山家の誰かが匿名献金をしていたとすれば、その寄付者は「匿名」であることを承知して寄付をしておれば、故意が存在し、その家族は法22条の6の「匿名献金」の罪になる。

普通は収支報告書に顕名か匿名かは会計責任者がその寄付者の意向を聞かずに匿名にすることはあり得ない。税金の控除は不要と言っておれば、一般的には会計責任者にお任せとなるから、故意を問うのは困難だ。鳩山家の家族が大金持だから、そのような寄付金控除などはさらさら考えていなかったと言われると、秘書との共謀の立証は困難。

A ≪年間1000万円を超える罪には家族は問われるのではないか≫

C 【家族が一人あたり、年間1000万円を超えて寄付しておれば法21条の3.3項 「個人のする政治活動に関する寄附で政党及び政治資金団体以外の者に対してされるものは、各年中において、1000万円を超えることができない」に違反する。

ただ、鳩山家全体で1000万円を超えていても、鳩山家族の個人、個人の寄付額が1人あたり1000万円以下ならこの条文に違反しない。

B ≪5年間で、1億7千7百万円であるから、1年間で約3500万円余。4人が寄付しておれば、法21条の3には違反しないことになるか≫

C 【その場合は1000万円を超える罪には問えない】

B ≪資産管理会社「六幸商会」が寄付した場合はどうか≫

C 【この管理会社が法人だとすれば、法人及びその代表者らも自然人と同じ条文の罪に違反するが、実際は家族より、もっと追及は難しくなるだろう】

A ≪これらの時効は何年か≫

C 【匿名寄付、第3者寄付の罪の時効は3年である。寄付したときが時効の起算点となる。よって、寄付日時は不明だが、今直ちに起訴すると仮定すれば2006年10月26日以前の寄付分は時効になっている。12条違反の虚偽記載罪の時効は5年だから、2005年3月に収支報告書を総務大臣に提出した以降の分は問えることになる】

B ≪一時新聞報道で、鳩山議員や鳩山一族の税金対策に悪用されているという疑いがあったが、これはどうか≫

D 【この点、各社からよく問い合わせもあったが、鳩山一族の税金の控除に使われている可能性は全くない。国会議員の主催する政治団体に寄付をすると、税の控除を受けることができる。税の控除をうけようとすれば、総務省か各地の選管が発行する「寄付金控除証明書」の交付を受けて税務署に申告しなければならない。ところが、第3者の「寄付金控除証明書」を貰っても、収支報告書に記載のある本人しか利用できない。「匿名」献金の場合はそもそも匿名だから、「寄付金控除証明書」は発行されない。よって、寄付金控除を悪用することは法律を知らない記者が書く記事】

A ≪実際この事件を東京地検は起訴するのか≫

C 【上記①の故人献金の件は総理、秘書が認めているが故に証拠がある。この事件だけなら、秘書が事実をみとめかつ反省もしているので、起訴猶予にし、鳩山総理を嫌疑不十分とする可能性がある。時の政権政党の総理自身を政治資金規正法違反で起訴して、辞任に追い込むことなることは検察も選択しないだろう。証拠の有無にかかわらずだ。

今回の虚偽記載の金額が2005年から2008年まで2177万円、2009年3月届け出分も含めるともっと増えても同じであろう。

しかし上記②の5万円以下の虚偽記載の分がどれだけ増えるかか不透明だが、これが相当な金額になれば秘書を略式起訴か在宅正式起訴かは問わず、起訴しないわけにはいかないのではないか。

もし秘書を起訴猶予にすると、時の総理大臣の元秘書だから、今度は時の権力に迎合したと検察が批判されるからだ】

D ≪鳩山の虚偽記載は小沢議員や二階議員のケースと違い、ダーテイな面が見えない。根本的に違うのでないか≫

C 【政治資金規正法は、一番重要な点はカネの「入」「出」の透明性の確保である。これが家族だから許すという論理は規正法の趣旨にはない。

しかし、家族が寄付し、利権と無関係だと、ダーテイな面がない。検察も起訴しにくい面はある。国民感情として家族間の寄付なら良いではないかと思い、それを許すという側面もある。

政治資金オンブズマンとしても告発しなかったのもこの点にあった。

同時に、総選挙という国民の「裁判」を受け、国民は鳩山の故人献金偽装を知りながら、鳩山総理を選んだ点は検察も考慮せざるを得ない。検察の判断や裁判官の判決より、より重い、いわば国民の「判決」があったからだ。

5万以下の件は総選挙当時には明らかでなかったが、これも寄付者が家族で利権が背後になければ多くの国民が改革に期待しこれを許すだろうね】

A ≪二階議員を告発した事件はどうなっているのか≫

C 【それが、今なお処分されない。一説によると鳩山と同時に処分するのでないかと言われている。

鳩山の秘書も起訴するから、二階の秘書も起訴する。鳩山の秘書も不起訴にするから、二階の秘書も不起訴にするというバランス論である。

これでやっかいな事件は検察批判にならずに終了できると。

二階議員の秘書を不起訴にし、鳩山議員の秘書を起訴するとなると、政権交代をして、鳩山総理に対して、改革を期待している多くの国民がいる中で、このような「不公平」な処分がでると、検察批判がでることは確実である】

A≪鳩山総理は秘書だけの処分で終わると、検察に証拠=弱みを握られ、強く検察官僚批判ができなくなる点を心配するが杞憂か??≫

C【検察はこの際、仮に鳩山総理や一族の者が関与していた可能性があってもあまり深く追求せず、秘書の弁明=鳩山総理のストーリー通り処分する可能性が高いのでないか。その心配は杞憂ではない】

D 【鳩山のカネ問題も重要だが、今一番重要なことは、民主党がマニフェストで国民に約束した企業・団体献金禁止法を通常国会に早急に提出することではないか。そうすれば、鳩山の秘書が起訴され、野党やマスコミが鳩山総理辞任を騒いでも、多くの国民は、鳩山辞めるな、コールが起こり、鳩山を支持することになるのでないか】

ABC共通 【政治とカネを追及してきた政治資金オンブズマンのメンバーでさえその意見には、賛同する。

企業団体献金禁止のチャンスはこの時期を除いてない。鳩山辞任で混乱するより、企業・団体献金禁止にピリオドを打つことこそ、鳩山総理に期待する内容であるからだ。

しかし鳩山総理が、企業団体献金禁止のマニフェストをうやむやにするなら、今度は鳩山政権は政治とカネに熱心な政党でないと批判活動を展開することになろう】