2009年5月30日土曜日

【自民党政権】 集団的自衛権

【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】(上)麻生首相が腹を固めた!集団的自衛権の憲法解釈見直し
2009.5.30 13:00

 今回で3回目のブログになります。おかげさまで2回目のブログ(上)「小沢氏辞任の裏側」、(下)「鳩山代表選出の裏側」も、予想を大きく上回るアクセスをいただきましてありがとうございます。今後とも、「とっておき」の情報をお届けしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 また、4月20日に発売した私の初の著書「外交の戦略と志-前外務事務次官 谷内正太郎は語る」(産経新聞出版、1200円+税)も、引き続き売れ行き好調で、某有名書店の週間ランキングで11位になりました。ご購入いただいた方には重ねて感謝申し上げます。

 今回のテーマは、私がずっと日本の安全保障の懸案だと考えてきた「集団的自衛権の憲法解釈の見直し」についてです。この問題は日本の国際貢献が問われた平成2(1990)年の湾岸危機(後に戦争)以来、クローズアップされ、国会でも自衛隊を海外に派遣するための法案が審議される度に、大議論が行われてきました。しかし、戦後60年経過して国際情勢が変わっても、「集団的自衛権は保有しているが、行使は許されない」との政府の憲法解釈は変わっていないのです。

 ところが、その憲法解釈がようやく、見直されそうな状況になってきました。というのも、麻生太郎首相(自民党総裁)が9月までに行われる次期衆院選の党のマニフェスト(政権公約)に「集団的自衛権の憲法解釈の見直し」を盛り込む腹を固めたようなのです。次期衆院選では民主党もマニフェスト(政権公約)に、現行憲法解釈を見直して、国連を中心とした国際平和協力活動に積極参加することを打ち出す見通しです。

 自民、民主両党が次期衆院選で、憲法9条の解釈見直しを打ち出せば、大きな争点になるでしょうし、選挙後は政権がどちらになるにせよ、自民、民主の2大政党が一致点を見いだせば、長年の懸案である憲法解釈の見直しが実現する可能性が高いのです。

 ある自民党幹部から得た「とっておきの情報」を披露すると、その幹部が麻生首相と会った際、首相は「安倍(晋三元首相)さんは教育改革をやった。オレは集団的自衛権の憲法解釈見直しをやる。オレの腹は固まっている」と、決意を表明したそうです。

首相は4月23日、安倍首相当時に設置された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)で座長を務めた柳井俊二元駐米大使と会談し、集団的自衛権の現行憲法解釈見直しに前向きな考えを示しました。また、首相は前日の22日には安倍氏と会談、安倍氏から、集団的自衛権の憲法解釈見直しを次期衆院選のマニフェストに盛り込むよう促されていました。そうした経緯の中で、首相は「腹を固めた」ようです。

 ただ、実際に「集団的自衛権の憲法解釈見直し」をマニフェストに盛り込むとなると、自民党の中には「社会党か」と言いたくなるような左寄りの議員も少なくないので、そういう議員らが強く反対するかもしれません。しかし、自民党の大勢は賛成するでしょう。麻生首相が本当に腹を固めたのであれば、最後は多数決をしてでもマニフェストに盛り込んでもらいたいと思います。

 現時点で次期衆院選の情勢は、有権者の間に政権交代願望が強いことから、「民主党が優勢」と言われています。世論調査を分析すると、民主党が支持されているというよりは、「自民党はダメになった。一度政権を代えた方がいい」と思っている有権者が多いようなのです。

 その一つの原因は自民党が「保守政党らしさ」を失って、保守層が自民党離れを起こしていることです。その離れた保守層を引き戻すためにも「集団的自衛権の憲法解釈の見直し」をマニフェストに盛り込むべきでしょう。もし、マニフェストに憲法解釈の見直しを盛り込まなかったら、自民党は今の憲法解釈を守り続けることになり、これからどうやって国際平和協力をしていくのかという議論になったら、民主党に勝つことはできないと思います。

集団的自衛権」についてはご存じない方もおられるでしょうから、分かりやすく説明したいと思います。集団的自衛権は「他国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていなくても、自国への攻撃とみなして実力で阻止する権利」のことです。国連憲章では主権国家の「固有の権利」と明確に規定されており、もちろん行使も認められています。しかし、日本政府の憲法9条の憲法解釈は、集団的自衛権について「保有しているが、行使は許されない」という、世界中の国とは全く異なる奇妙な解釈をしているのです。

【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】(下)国際常識とかけはなれた憲法解釈

こうした日本政府の集団的自衛権の憲法解釈は、国会では古くから問題として議論されてきました。ただ、冷戦時代は米ソ超大国による力の均衡で世界の安全保障が支配されていたため、日本がこれに加わらなくても許されていたので、解釈を見直さなくても済まされてきました。

 しかし、湾岸危機以降は、日本に対して世界の安全保障に「カネ」だけではなく、「人」の貢献も求められるようになりました。湾岸危機の際、政府・自民党内では集団的自衛権の憲法解釈見直しが検討されましたが、内閣法制局などの反対で結局、見直しは行われませんでした。そして、見直しを行わないまま、自衛隊などを多国籍軍の後方支援のために派遣する「国連平和協力法案」が提出されましたが、国会論議ではまさに憲法解釈と法案の矛盾が露呈して、廃案となりました。

 この結果、日本は多国籍軍への人的貢献は行わず、130億ドルものカネを出しましたが、国際的には「日本はカネだけで汗は流さない」と厳しい批判を浴びました。その反省から、「国連平和維持活動(PKO)協力法」が作られ、自衛隊が海外に派遣されるようになりました。さらに、2001(平成13)年の米同時多発テロでは、テロ対策特別措置法が作られてインド洋に、2003(平成15年)のイラク戦争では、イラク復興支援特別措置法が作られてイラクなどに、それぞれ自衛隊が派遣されました。

 ただ、これらの法律はすべて「集団的自衛権は行使できない」とする憲法解釈に基づいて作られているため、これに少しでも抵触する活動は一切禁止されています。たとえば、自衛隊が派遣された地域では、日本の部隊は他国の軍隊に守ってもらっていますが、他国の軍隊が攻撃を受けた場合は、日本の部隊は駆けつけて援護すると集団的自衛権に抵触してしまうため、できないのです。こうした国際的常識に合わない問題は山ほどあるのですが、その矛盾は派遣される自衛官に背負わされています。

これを一般世間に例えて説明しましょう。ある地域で不審者が度々出没して、このままではだれかが襲われるかもしれないという状況が起きたとします。そこで、自治会ではみんなで話し合った結果、大人の男性が複数で夜の見回りをやることになりました。しかし、「日本さん」は「うちの家訓では『人と争ってはいけない』ということになっていて、争い事はできませんから」と言って見回りへの参加を断るか、参加したとしても「だれかが不審者に襲われても私は何もできません」と宣言します。

 これを他の人はどう思うでしょうか。間違いなく、「日本さん」は自治会の中で批判の的になって、だれからも相手にされなくなるでしょう。もし「日本さん」が普段の生活で困ったことが起きたとしても、だれも助けてくれないでしょう。国際社会も同じで、これが日本の現実なのです。

 憲法解釈の見直しというと、昔は左翼の人々が大反対してなかなかできませんでしたが、今は世論も大きく変わったと思います。政府や政党がきちんと論理立てて説明すれば、多くの国民は理解してくれると思います。もはや実態とかけ離れた憲法解釈を引きずり続ける時代は終わりました。自衛隊を海外に派遣するたびに、国際社会の現実とかけ離れた法律を作るのではなく、憲法解釈をきちんと見直して、自衛隊を海外に派遣するための恒久法を作るべきです。

 本来は憲法9条を改正すべきですが、日本の憲法を改正するには、衆参両院国会議員の3分の2以上の賛成で発議し、国民投票で過半数の賛成を得なければなりません。世界の中でも極めて改正が難しい憲法で、これを改正するには相当の年数がかかると思われます。その前に憲法の趣旨をゆがめない範囲で、時の社会情勢に合わせて解釈を見直すことはまさに「法の知恵」と言えます。そしてこれによって、日本は憲法前文にうたっている「国際社会において名誉ある地位」を得ることができます。

私の著書「外交の戦略と志」の中でも、谷内氏は「現在の政府の憲法9条の解釈は日本の安全保障政策、国際平和協力に大きな支障になっている」と指摘し、「この問題を政府部内や与野党間で真剣に議論していくべきだ」と、議論を呼びかけています。同書の第6章「安全保障」では、谷内氏が詳しく、論理的にこの問題を解説していますので、よろしければご一読ください。

 自民党も民主党など各政党も、そして政府も、国家国民のため、次期衆院選を機に、勇気をもって憲法解釈の見直しに取り組んでほしいと思います。

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集団的自衛権とは?
小泉氏の拡大解釈
「日米が一緒に行動していて、米軍が攻撃を受けた場合、日本がなにもしないということが果たして本当にできるのか」といい、集団的自衛権の行使について検討すると表明しています。この発言に示されるように、集団的自衛権の行使とは、日本が外国から侵略や攻撃を受けたときの「自衛」の話ではなく、軍事同盟を結んでいる相手の国が戦争をする時に共同で戦争行為に参加することです。

 憲法九条は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と規定しています。そのため政府も、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとのべてきました。

ガイドライン法の規制
 一九九九年、小渕内閣の時、憲法の戦争放棄の規定を踏みにじって、アメリカの軍事介入に自衛隊を参加させるガイドライン法=戦争法が作られました。しかし同法も憲法九条があるため、自衛隊の活動は「後方地域支援」に限るとされています。この制約を取り払い、自衛隊が海外で米軍と共同で武力行使ができるようにしたいというのが、いまの集団的自衛権論のねらいであり、実際、この議論は、九条の明文改憲論と一体のものとして出されています。

小泉解釈の裏側
集団的自衛権発言の背景には、憲法上の制約をとり払って自衛隊が米軍の軍事力行使に共同で参加できるように集団的自衛権を採用すべきだというアメリカの圧力があります。これまでアメリカは、「自国の死活的な利益」を守るため、必要な場合、一方的な軍事力行使をすることを公式の戦略にし、九九年のユーゴ空爆をはじめ、一方的な武力行使をくり返してきました。集団的自衛権の行使は、無法なアメリカの侵略と武力干渉に日本が共同して参加するという危険な「集団的軍事介入」の道だとも考えられる。


PS.高橋氏の記事には、重要な見落としがある。
法解釈をしたのは、時の政府であり国民の総意であったものなのか?
まず、改憲をするべきという設定の上で書かれた記事のように思えてならない。
拡大解釈の限界に近づいた。故の改憲という話しは、乱暴すぎる。

2009年5月29日金曜日

【海外メディア】 日本のメディアは検察庁が流す情報を丸投げ

http://www.nytimes.com/2009/05/29/world/asia/29japan.html?scp=1&sq=In%20Reporting%20a%20Scandal,%20the%20Media%20Are%20Accused%20of%20Just%20Listening&st=cse


日本のことを日本のメディアからではなく、外国の新聞から学ばねばならないことは残念である。今日(5月29日)のニューヨーク・タイムズは「日本のメディアは検察庁が流す情報を丸投げ」という記事を書いていたがこれもその一つだ。

記事は西松建設からの政治献金問題で小沢前民主党代表の公設秘書が逮捕された件について、検察庁の政治的意図と検察ベッタリの大手メディアの報道を批判する。記者のFackler氏は保守論壇の中西輝政京大教授の意見から述べはじめる。曰く「マスメディアは国民にとって何が重要かということを告げることに失敗している。日本は政府を変えて、政治的マヒ状態から脱却するチャンスを失おうとしている。国民がそのことを知らない内に」
実際のところ公設秘書逮捕以来落ちていた民主党の支持率は、鳩山代表選出後若干反発している。だが選挙見通しが混沌としていることに変わりはない。

記事によると日本のジャーナリストは小沢前代表に厳しく、全般的に検察寄りであることを認めているが「メディアは単に検察の発表を繰り返しているだけだ」という批判には怒りを示している。ニューヨーク・タイムズはこの点について朝日新聞に質問したところ、朝日からは「朝日は検察のリークだけをもとネタに記事を発表することは決してなかった」と書面で反論してきた。

だが日本のジャーナリスト達は彼らの報道が日本の新聞の独立性に疑問を起こさせることを認めている。上智大学の田島康彦教授は「ニュース・メディアは権力の監視者であるべきだが、彼らは権力の番犬のように振舞っている」と述べる。原文ではThe news media should be watchdogs on authority, but they act more like authority's guard dogs. Wachdogもguard dogも「番犬」だが向いている方向が逆だ。国民のために権力を監視するのがwatchdogで、国民の眼から権力を守るのはguard dogという訳だ。

日本のメディアが検察庁の意向にそった報道しかできない理由は「記者クラブ」制にある。検察の意向に逆らうと「記者クラブ」出入り禁止となって記事が書けなくなるからだ。ニューヨーク・タイムズによると全国紙より積極的な東京新聞は自民党の西松建設政治献金問題を報道したため、3週間の記者クラブ出入り禁止となった。何故なら検察庁はこの件を公(おおやけ)にすることを望んでいなかったからだ。

社会民主党の衆院議員・保坂展人氏は「小沢氏がターゲットとなったのは、民主党が検察庁を含む官僚機構の簡素化をスローガンに掲げていたからだ」と信じていると述べたとニューヨーク・タイムズは伸べている。

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ニューヨーク・タイムズは「米国であれどこであれ、ニュース・メディアは政府に近過ぎるという同様の批判を受けているが、日本はより問題が大きい」と述べている。特に日本は「記者クラブ」という仕組みで、大手メディアに政府報道鵜呑みの記事を書かせていることが批判の対象になっている。

我々は時々海外のメディアにも眼を通して、日本丸の位置確認をしておく必要があるということだろう。


In Reporting a Scandal, the Media Are Accused of Just Listening



TOKYO — When Tokyo prosecutors arrested an aide to a prominent opposition political leader in March, they touched off a damaging scandal just as the entrenched Liberal Democratic Party seemed to face defeat in coming elections. Many Japanese cried foul, but you would not know that from the coverage by Japan’s big newspapers and television networks.

Instead, they mostly reported at face value a stream of anonymous allegations, some of them thinly veiled leaks from within the investigation, of illegal campaign donations from a construction company to the opposition leader, Ichiro Ozawa. This month, after weeks of such negative publicity, Mr. Ozawa resigned as head of the opposition Democratic Party.

The resignation, too, provoked a rare outpouring of criticism aimed at the powerful prosecutors by Japanese across the political spectrum, and even from some former prosecutors, who seldom criticize their own in public. The complaints range from accusations of political meddling to concerns that the prosecutors may have simply been insensitive to the arrest’s timing.

But just as alarming, say scholars and former prosecutors, has been the failure of the news media to press the prosecutors for answers, particularly at a crucial moment in Japan’s democracy, when the nation may be on the verge of replacing a half-century of Liberal Democratic rule with more competitive two-party politics.

“The mass media are failing to tell the people what is at stake,” said Terumasa Nakanishi, a conservative scholar who teaches international politics at Kyoto University. “Japan could be about to lose its best chance to change governments and break its political paralysis, and the people don’t even know it.”

The arrest seemed to confirm fears among voters that Mr. Ozawa, a veteran political boss, was no cleaner than the Liberal Democrats he was seeking to replace. It also seemed to at least temporarily derail the opposition Democrats ahead of the elections, which must be called by early September. The party’s lead in opinion polls was eroded, though its ratings rebounded slightly after the selection this month of a new leader, Yukio Hatoyama, a Stanford-educated engineer.

Japanese journalists acknowledge that their coverage so far has been harsh on Mr. Ozawa and generally positive toward the investigation, though newspapers have run opinion pieces criticizing the prosecutors. But they bridle at the suggestion that they are just following the prosecutors’ lead, or just repeating information leaked to them.

“The Asahi Shimbun has never run an article based solely on a leak from prosecutors,” the newspaper, one of Japan’s biggest dailies, said in a written reply to questions from The New York Times.

Still, journalists admit that their coverage could raise questions about the Japanese news media’s independence, and not for the first time. Big news organizations here have long been accused of being too cozy with centers of power.

Indeed, scholars say coverage of the Ozawa affair echoes the positive coverage given to earlier arrests of others who dared to challenge the establishment, like the iconoclastic Internet entrepreneur Takafumi Horie.

“The news media should be watchdogs on authority,” said Yasuhiko Tajima, a journalism professor at Sophia University in Tokyo, “but they act more like authority’s guard dogs.”

While news media in the United States and elsewhere face similar criticisms of being too close to government, the problem is more entrenched here. Cozy ties with government agencies are institutionalized in Japan’s so-called press clubs, cartel-like arrangements that give exclusive access to members, usually large domestic news outlets.

Critics have long said this system leads to bland reporting that adheres to the official line. Journalists say they maintain their independence despite the press clubs. But they also say government officials sometimes try to force them to toe the line with threats of losing access to information.

Last month, the Tokyo Shimbun, a smaller daily known for coverage that is often feistier than that in Japan’s large national newspapers, was banned from talking with Tokyo prosecutors for three weeks after printing an investigative story about a governing-party lawmaker who had received donations from the same company linked to Mr. Ozawa.

The newspaper said it was punished simply for reporting something the prosecutors did not want made public. “Crossing the prosecutors is one of the last media taboos,” said Haruyoshi Seguchi, the paper’s chief reporter in the Tokyo prosecutors’ press club.

The news media’s failure to act as a check has allowed prosecutors to act freely without explaining themselves to the public, said Nobuto Hosaka, a member of Parliament for the opposition Social Democratic Party, who has written extensively about the investigation on his blog.

He said he believed Mr. Ozawa was singled out because of the Democratic Party’s campaign pledges to curtail Japan’s powerful bureaucrats, including the prosecutors. (The Tokyo prosecutors office turned down an interview request for this story because The Times is not in its press club.)

Japanese journalists defended their focus on the allegations against Mr. Ozawa, arguing that the public needed to know about a man who at the time was likely to become Japan’s next prime minister. They also say they have written more about Mr. Ozawa because of a pack-like charge among reporters to get scoops on those who are the focus of an investigation.

“There’s a competitive rush to write as much as we can about a scandal,” said Takashi Ichida, who covers the Tokyo prosecutors office for the Asahi Shimbun. But that does not explain why in this case so few Japanese reporters delved deeply into allegations that the company also sent money to Liberal Democratic lawmakers.

The answer, as most Japanese reporters will acknowledge, is that following the prosecutors’ lead was easier than risking their wrath by doing original reporting.

The news media can seem so unrelentingly supportive in their reporting on investigations like that into Mr. Ozawa that even some former prosecutors, who once benefited from such favorable coverage, have begun criticizing them.

“It felt great when I was a prosecutor,” said Norio Munakata, a retired, 36-year veteran Tokyo prosecutor. “But now as a private citizen, I have to say that I feel cheated.”

東京から
東京地検特捜部が3月に最大野党党首の公設秘書を逮捕したとき、ちょうど強固な自由民主党が次の選挙における敗北に直面しているように思えたように、彼らは、ダメージが大きいスキャンダルを誘発しました。 多くの日本人が不正に泣きましたが、あなたは日本の著名な新聞とテレビ放送網で適用範囲からそれを知らないでしょう。

代わりに、彼らはほとんど匿名の主張の流れを額面通りに報告しました。(それらのいくつかが主張のための建設会社から野党党首(小沢一郎)までの不法なキャンペーン寄付の調査からの薄くベールで覆われた漏出) 今月、そのような何週間ものマイナスの評判の後に、小沢さんは、反対民主党の代表を辞職しました。

また、辞職は日本語がめったに公然とそれら自身のを批評しない何人かの元検察官からさえ政界諸派の向こう側に強力な検察官を対象にした批評のまれなほとばしりを引き起こしました。 苦情は政治上のお節介の罪名から検察官が単に逮捕のタイミングに鈍感であったかもしれないという関心まで及びます。

しかし、ちょうど同じくらい驚くべきであることで、学者と元検察官がニュースメディアが答えのために検察官を押さないことであると言ってください、特に日本の民主主義における1回の危機に。(その時、自由党員の民主党の規則の半世紀をより競争の激しい2政党政治に取り替えることの間際に国があるかもしれません)。

「マスメディアは、何が危機にひんしているかを人々に言っていません。」と、Terumasa中西(京都大学で国際政治を教える保守的な学者)は言いました。 「日本は政府を変えて、政治停滞を壊す絶好のチャンスを失おうとしている場合がありました、そして、人々はそれを知ってさえいません。」

逮捕は小沢さん(ベテランの政治上のボス)が彼が取り替えようとしていた自由民主党員よりすっかりノーであったという有権者の中の恐れを確認するように思えました。 また、それは選挙の前に反対民主党員を少なくとも一時脱線させるように思えました。9月前半までに選挙を呼ばなければなりません。 世論調査におけるパーティーのリードは浸食されました、格付けが今月の新しいリーダーの鳩山由紀夫の選択のわずかに後に跳ね返りましたが、スタンフォードによって教育を授けられた技術者。

日本人のジャーナリストは、今までのところの彼らの適用範囲が小沢さんで厳しくて、一般に、調査に向かって積極的であると認めます、新聞には検察官を批判する走行論評がありますが。 しかし、彼らがただ検察官のリードに続いているという提案を憤慨するか、またはちょうど繰り返している情報はそれらに漏れました。

「朝日新聞は検察官からの唯一漏出に基づく記事を一度も走らせたことがありません。」と、新聞(日本の最も大きい日刊誌の1つ)はニューヨークタイムズから回答書で質問に言いました。

それでも、ジャーナリストは、彼らの適用範囲が初めてではなく日本のマスコミの独立に関する疑問を挙げるかもしれないことを認めます。 パワーのセンターと共に居ごこちがよ過ぎるので、ここでのスクープ組織は長い間、起訴されています。

本当に、学者は、小沢事の適用範囲があえて設立に挑戦した他のものの以前の逮捕に与えられた積極的な適用範囲を反響すると言います、偶像破壊のインターネット企業家堀江貴文のように。

「ニュースメディアは権威の番犬であるべきです、しかし、さらに権威の番犬のように、行動します。」と、Yasuhiko田島、上智大学のジャーナリズム教授は東京で言いました。

合衆国と存在についても同様の批評が政府に閉じる表面、問題が、より多いほかの場所のニュースメディアはここで強固ですが。 政府機関がある癒着関係は日本のいわゆるプレス・クラブ、通常大きい国内ニュースアウトレットのメンバーへの排他的アクセスを与えるカルテルのようなアレンジメントで制度化されます。

評論家は、長い間、このシステムが公式の方針を固く守るおっとりとした報告に通じると言っています。 ジャーナリストは、プレス・クラブにもかかわらず、彼らが自分達の独立を維持すると言います。 しかし、また、彼らは、役人に歩調を情報入手を失う脅威で時々合わせさせようとすると言います。

先月、東京新聞(日本の大きい全国紙のそれよりしばしば攻撃的な適用範囲に知られているさらに小さい日刊誌)は同じである小沢さんにリンクされた会社のから寄付を受けた政権与党の議員に関する調査の話を印刷した後の3週間東京検察官と話すのが禁止されました。

新聞は、それが単に検察官が欲しくなかったものが公表されたと報告するために罰せられたと言いました。 「検察官に交差するのは、最後のメディアタブーの1つです。」と、Haruyoshi Seguchi(東京検察官のプレス・クラブの紙の主要なレポーター)は言いました。

自分たちについて公衆に説明せずに、検察官はニュースメディアがチェックとして機能しないことで自由に行動しました、とNobuto Hosaka、反対社会民主党全国連合の下院議院は言いました。(社会民主党全国連合は、彼のブログに調査に関して手広く書きました)。

彼は、小沢さんが民主党の選挙公約のため日本の有力官僚を縮小するために選び抜かれると信じていたと言いました、検察官を含んでいます。 (タイムズがプレス・クラブになかったので、東京検察庁はこの話に関するインタビュー要求を拒否しました。)

日本人のジャーナリストは小沢さんに対して主張の彼らの焦点を防御しました、公衆が、当時、日本の次期首相になりそうだった男性に関して知る必要だったと主張して。 また、彼らは、調査の焦点である人に関するスクープを得るためにパックのような料金のためレポーターの中に小沢さんに関してもう少し書いたと言います。

「書く競争の激しい突進がスキャンダルに関して私たちがいることができるくらいあります。」と、Takashi Ichida(朝日新聞のために東京検察庁を覆う)は言いました。 しかし、それは、また、この場合とてもわずかな日本人のレポーターしか主張に深く探求しなかったので、会社がなぜ自由党員の民主党の議員に送金したかと説明しません。

答えは、ほとんどの日本人のレポーターが承認するように、検察官のリードに続くのがオリジナルの報告をすることによって彼らの復讐を危険にさらすより簡単であったということです。

ニュースメディアはたゆみなく小沢さんへのそのような調査のそれらの報告で何人かの元検察官(一度そのような好ましい適用範囲の利益を得ました)さえ彼らを批判し始めたほど支持しているように見えることができます。

「私が検察官であったときに、それはすばらしく感じられました。」と、Norio宗像、退職して、36年のベテランの東京検察官は言いました。 「しかし、現在、一般市民として、私は、だまされると感じると言わなければなりません。」

【自民党政権】 党首討論

 この日の党首討論を、自分は国会のビデオライブラリーで、帰宅後見て驚いた。それから翌日に郷原氏が下記の記事をアップをしていたのであるが、一国の総理としてはいかがなものなのか、流石に考えてしまった。

西松事件が、もし無罪という形で終わったなら、日本の憲政史上もっとも憲法を考えないで発言をした総理という事になるであろう。


 首相が「罪を犯す意思がない行為でも逮捕される」と公言する国
名城大学教授・弁護士 郷原信郎

 5月27日の党首討論の中で、麻生首相の口から、耳を疑うような言葉が発せられた。

「本人が正しいと思ったことであっても、少なくともは間違った場合は逮捕される」

鳩山民主党代表が、企業団体献金の廃止の問題に言及したのに対して、麻生首相は、小沢前代表の秘書の事件とそれに関する説明責任の問題を持ち出した。そして、鳩山代表が、「小沢前代表は第三者委員会の場で説明責任を果たした」と述べた上で、企業団体献金を廃止すべきとする理由について、「正しいことをやっていた、全部オープンにしていた。

でもそのことによっても逮捕されてしまった。ならばその元を絶たなければいけない」と述べたことに対して、麻生首相は、次のように発言した。

麻生
いろいろご意見があるようですけども、まず最初に、先ほどのお話をうかがって、一つだけどうしても気になったことがありますんで、ここだけ再確認させていただきたいのですが、正しいことをやったのに秘書が逮捕されたといわれたんですか

鳩山
本人としては、政治資金規正法にのっとってすべて行ったにもかかわらずと。これは本人が昨日、保釈をされました。そのときの弁であります。

麻生
基本的にご本人の話であって、正しいと思ってやったけれども、法を違反していたという話はよくある話ですから。少なくとも、それをもって国策捜査のごとき話にすり替えられるのは、本人が正しいと思ったというお話ですけれども、本人が正しいと思ったことであっても、少なくとも間違った場合は逮捕されるということは、十分にある。それは国策捜査ということには当たらないのではないかと私どもは基本的にそう思っております。


麻生首相は、政治資金の処理に関して、本人は正しいと思っていても間違っていた場合、つまり、「正当だと思って行った処理が結果的に虚偽だったことが判明した場合」には逮捕される、と述べた。
今回の小沢氏の秘書の事件に関して「本人が正しいと思ったこと」というのは、「政治資金収支報告書の記載が正しいと思っていた」ということであり、要するに「虚偽だとは認識していなかった」ということである。その場合でも、間違った記載をした場合は逮捕されると言い放ったのだ。

一国の総理が、国会の党首討論の場で、「罪を犯す意思がない行為」でも、結果的に間違った記載をしたら逮捕されると堂々と公言したというのは、信じられないことだ。

刑法38条1項に「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。」と規定され、犯意が存在することが刑事処罰の大原則であることは、刑法の基本中の基本である。検察庁を含む行政組織全体のトップである麻生首相が、その基本原則に反する発言をしたのだ。

西松建設関連の政治団体から小沢氏の資金管理団体「陸山会」に対して行われた寄附が政治資金収支報告書の虚偽記入に当たるとされて秘書が逮捕・起訴された事件については、そもそも、寄附者を政治団体と記載したことが虚偽記入に該当するのかどうかに重大な疑問がある。

つまり、資金の拠出者の記載を求めていない現行の政治資金規正法の下では、実質的な資金の拠出者が西松建設であっても、寄附者として記載すべきは、自らの名義で寄附という行為を行った政治団体ではないか、という点、つまり収支報告書の記載が客観的に虚偽と言えるかどうかが問題となる。そして、仮に、客観的に虚偽だと認められた場合でも、逮捕された会計責任者の側が、収支報告書作成の段階で虚偽だと認識していなければ犯罪は成立しない。

そして、重要なことは、小沢氏側にだけに犯罪が成立し、同じ政治団体から寄附を受け取っていた自民党議員側には成立しないとすれば、その理由は、「客観的には虚偽であるが、虚偽だとの認識、つまり犯意がない」ということしかあり得ない。鳩山代表が、小沢氏の側だけが逮捕され、自民党議員側は何もおとがめなしだということを問題にし、その際、漆間官房副長官の「自民党議員には捜査は及ばない」という発言を取り上げているが、この漆間氏の発言を正当化する余地があるとすれば、その唯一の理屈は「自民党議員側は犯意が立証できない」ということのはずだ。

ところが、そこで、鳩山代表に対する反論として麻生首相が持ち出したのが、「犯意がなくても逮捕される」という話なのである。これは、自民党議員に捜査が及ばないことを正当化する理屈をすべてぶち壊す発言でもある。この考え方に基づいて、検察が捜査をするとすれば、西松建設の関連団体から政治献金を受けていた自民党議員側もすべて逮捕しなければいけないことになる。ところが、ここで、麻生首相は「国策捜査」という言葉を自ら持ち出しているが、虚偽の認識がなくても収支報告書の記載が誤っていただけで逮捕できるというのであれば、自民党議員側に捜査が及ばない理屈をすべてぶち壊しているに等しい。

このような討論が、国会の党首討論の場で、真面目な顔で行われているという現実には到底ついていけない。こういうことは、麻生首相がお好きな、マンガかギャグの世界でしかありえないはずだ。しかし、現実に国会で首相がそういう発言をしたのであり、しかも、信じられないことに、党首討論について報じる新聞に、この「犯意がなくても客観的に誤っていたら逮捕される」という麻生発言を問題にする論調は見あたらない。法治国家においては絶対に容認できない国会の場での首相の発言が、何事もなかったように見過ごされているのである。

これは、単なる「間違い」とか「無知」というレベルで片付けられることではない。犯意がなくても逮捕できる、首相が公言し、それが許容される。戦前の治安維持法の世界を思わせるような恐ろしいことがこの国に起きている、という現実に、我々は向き合わなければならない。

2009年5月28日木曜日

【検察問題】 秋霜烈日と小沢辞任

2009年5月11日に、民主党の小沢代表が辞任をした。
それから、約半月後に毎日新聞に次のような記事が出ていた。


西松建設裏金:早い話が:秋霜烈日は上を向け=金子秀敏

 検察官のバッジは「秋霜烈日章」と呼ばれる。白い菊の花と赤い旭日(きょくじつ)を組み合わせたデザインだが、菊花が霜の結晶のように見えるからだ。

 だが、その説明では足りない。秋の霜のように厳しく夏の太陽のように烈(はげ)しいという「秋霜烈日」が、正義を追求する検察官の理想だからでもある。伊藤栄樹元検事総長の回想録「秋霜烈日」には、バッジのかたちと、厳正という検事の理想像とが重なり合ったものだと書いてある。

 では「秋霜烈日」という言葉はどこからきたのか。中国・南宋時代の詩人、辛棄疾(しんきしつ)の「永遇楽・烈日秋霜」に「烈日秋霜、忠の肝(こころ)、義の胆(こころ)」という句がある。忠誠心の強さの形容だ。

 注釈によるとこの「烈日秋霜」という表現は「新唐書」の段秀実列伝を踏まえている。段は唐の時代の武人。節度判官という地位にいたことがある。検察官の先祖かもしれない。新唐書は「たとえ千年五百年たっても、彼の英烈なる言葉は、、厳霜烈日のごとく畏(おそ)れ仰ぐべし」とたたえている。

 8世紀の半ば、唐の大軍と、勃興(ぼっこう)するイスラム帝国アッバース朝の大軍が中央アジアで激突した。有名なタラスの戦いである。唐軍の主将は高句麗の貴族、高仙芝。副将が李嗣業、別将が段秀実という陣容だった。

 唐軍は大敗する。高将軍は逃げ出した。夜中、異変を察知した段は上役の副将を責めた。「自分だけ逃げて多数の兵を危険に陥れるとは仁にもとる行為だ」。李は恥じて敗残兵を収容しながら退却した。

 その後も段はしばしば上司の非を責めた。783年、ついに段は上司に殺害される。上司からクーデター計画に参加するよう誘われた。段は上司の顔につばを吐き「狂賊め、はりつけにしてやる」と言い、上司の手から象牙の笏(しゃく)を奪ってなぐりつけた。上司は満面血に染まった。

 ことほど左様に、烈しく上司の非をただす気迫が秋霜烈日という言葉の真面目なのだ。

 西松建設の政治献金事件で、検察は野党民主党の小沢一郎氏秘書を逮捕したが、与党議員の摘発はない。民主党は次の総選挙で与党になる可能性が高い。同じ秘書を逮捕するにしても、それまで待てば与党議員の秘書の摘発になった。検察の矛先が自民であれ民主であれ与党に向かっていたら検察批判は起きなかったろう。野党では秋霜烈日は役不足だ。(専門編集委員)

2009年5月28日

2007年7月1日に日テレの辛坊が、この時期云々と。
「マスコミは政権交代を視野に入れているので、民主党を叩くのを控えているが、この件は酷すぎるので報道されている。しかし、毎日新聞はほとんど報じていない。」

民主支持や小沢氏秘書逮捕に不自然さを感じた人間は、読売系とフジサンケイGから離れるのは当然の結果であろう。

讀賣テレビ放送(ytv)報道局次長(局長待遇)・報道局解説副委員長・芦屋大学客員教授。

2009年5月27日水曜日

【小沢一郎】 江藤淳

「心身の不自由が進み、病苦が堪え難し。去る六月十日、脳梗塞の発作に遭いし以来の江藤淳は、形骸に過ぎず、自ら処決して形骸を断ずる所以なり。乞う、諸君よ、これを諒とせられよ。平成十一年七月二十一日 江藤淳」

西松事件が発生し、産経新聞は江藤淳氏の「帰去来」を引用し、小沢一郎氏に引退を勧めるような記事を書いている。しかし、江藤淳氏の小沢一郎氏に対する「帰去来」の想いは、最後まで人間としての正しい生き方を続ける彼・小沢一郎への応援歌であり、政治家として原点を「田園生活の中で農民」つまり民衆の中の政治家であり続けよという事だと自分は考える。

それが、唯一小沢一郎の生きる道だと江藤氏は考えていたのではないだろうか。ゆえに、江藤氏が、病で形骸と化した自身の身の処し方を示したように思えてならない。

帰去来辞   作/ 陶 潜
帰去来兮 田園将蕪胡不帰 既自以心為形役 奚惆悵而独悲 悟已往之不諌 知来者之可追 実迷塗其未遠 覚今是而昨非 舟揺揺以軽揚 風飄飄而吹衣 問征夫以前路 恨晨光之熹微

帰去来(かえり)なん いざ
田園 将(まさ)に蕪(あ)れんとす胡(な)んぞ 帰らざる
既に自ら心を以て 形(かたち)の役(えき)と為す
奚(なん)ぞ惆悵(チュウチョウ)として 独り悲しまん
已往(いおう)の 諌(いさ)められざるを悟り
来者の 追うべきを知る
実に 塗(みち)に迷うこと 其れいまだ遠からず
今は是(ぜ)にして 昨(さく)の非なるを覚る
舟は 揺揺として 以て軽く揚がり
風は 飄飄(ひょうひょう)として 衣を吹く
征夫(せいふ)に問うに 前路を以てし
晨光(しんこう)の熹微(かび)なるを恨む

さあ、故郷へ帰ろう。
わが田園は荒れ果てようとしている。
これまで、生活のために仕官の道につき、
自らの心を犠牲にしてきたことを、恨みがましく悲しむまい。
過ぎ去った人生を後悔してもしかたがないと悟り、
これからの在り方を考えよう。
道に迷ったことも、それほど長くはなかった。
役人をやめて家に戻ると決心したことは間違ってはいない。
故郷に向かう舟は軽やかで、風は衣服をひらひらと翻す。
何と快いではないか。
気が急いて、旅人に道のりを聞いてみたりするが、
明けきらぬ薄明かりがなんとももどかしい。
陶潜は役人生活が性格的にしっくりせず、 たまたま妹が死んでその喪に行くことを契機として、 役人をやめ故郷に戻る決心をしたという。 当時四十一歳である。

人生を否定し隠遁生活をするのでなく、田園生活の中で農民と ともに生き、最後まで人間としての正しい生き方を追い求めた 姿に、人々は強く惹きつけられるのでしょう。

2009年5月26日火曜日

【北朝鮮】 ミサイル実験

 小沢氏が辞任をし、鳩山氏が代表になり支持率が上がりだした。それを、あざ笑うかのように、北朝鮮のミサイル騒動である。そのたびに、自衛隊が出てきて、日本を守もれるのは「自民党」だけのようなTV報道がされる。・・・・あまりにもタイミングが良すぎるようにさえ思えてくる。真実は闇の中・・・。


【北核実験】北、今度は黄海側でミサイル発射の兆候 韓国通信社報道
2009.5.26 11:38
http://sankei.jp.msn.com/topics/world/1738/wld1738-t.htm

【ソウル=水沼啓子】韓国の通信社、聯合ニュースは26日、北朝鮮が黄海側で短距離ミサイルを発射する兆候が捕捉され、韓国の軍当局が動向を注視していると報じた。

 聯合ニュースによると、政府筋は26日、「北朝鮮は25日から27日まで平安南道沖の黄海上での船舶の航海を禁止した」とし、「一両日中に短距離ミサイルを発射するとみられる」と語った。
 北朝鮮が発射を準備している短距離ミサイルは、最大射程約160キロの地対艦ミサイル「改良型シルクワーム」とされ、全長5.8メートル、直径76センチ、重量2.3トンという。

 北朝鮮は25日、2度目の核実験を実施した後、北東部の舞水端里から1発、南東部の元山から2発の短距離ミサイルを日本海に向けて発射した。 



米大統領、北朝鮮核実験は「孤立深め圧力強化招く」と
2009.05.26 Web posted at: 10:37 JST Updated - CNN
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200905260002.html

(CNN) オバマ米大統領は25日、北朝鮮が2度目の地下核実験に成功したと発表したことについて、北朝鮮が「孤立を深めたばかりではなく、一層強い国際圧力を招いている」とコメントした。

大統領は「北朝鮮は以前核開発中止を約束していたが、それを遂行する代わりに無視することを選択した」と述べた。ホワイトハウスは約3週間前、北朝鮮核問題をめぐる6者協議の再開に向けた外交努力を発表していた。

専門家筋の間では、北朝鮮が核実験を外交の切り札にする意向だとの見方や、核実験が金正日政権内で権力闘争が起きている兆候だとの説が浮上している。ジョージア大学の研究者ハン・パーク氏は、北朝鮮が米国との関係正常化と不可侵条約締結を求めて自棄的な行動をしていると指摘し、米国が核不拡散を推進するためには、兵器貿易に関与している北朝鮮との外交が必要だと述べた。

米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長は核実験について、北朝鮮が「より好戦的になりつつある」ことの表れだとコメント。また、シンクタンク「アクロニム軍縮外交研究所」のレベッカ・ジョンソン氏は、金総書記が北朝鮮国内に向けて、権力を維持していることを誇示したとの見解を示した。




「北朝鮮への制裁路線見直しを」蓮池薫さんの兄透さん
2009年5月23日20時43分
http://s03.megalodon.jp/2009-0523-2323-25/www.asahi.com/national/update/0523/TKY200905230184.html

北朝鮮に拉致され、02年に帰国した蓮池薫さん(51)の兄透さん(54)が、「北朝鮮への制裁路線の見直しを」と訴える著書「拉致 左右の垣根を超えた闘いへ」(かもがわ出版)を出版した。以前の強硬姿勢からの大きな変化で、波紋が広がりそうだ。

 透さんは97年の発足時から拉致被害者家族連絡会の事務局長を務めた。救出運動の先頭にたち、「対話より経済制裁を」と訴え続けた。

 転機の一つは04年5月の小泉元首相の再訪朝。家族会の他のメンバーは「幕引きに使われる」と反対したが、透さんは「現状打破には訪朝も必要」と考えた。薫さんの子ども2人はこのとき帰国した。

 更に大きかったのは薫さんとの対話だ。日朝両国を知る薫さんの分析に触れ、議論の中で「北朝鮮は一筋縄ではいかない国。単純に圧力だけでは被害者は帰ってこない」と考えるようになった。強硬姿勢だった時期について、「時間をとって冷静に考える余裕がなかった」と言う。

 出版に至った理由は、拉致問題が未解決のため、依然としてどこか不自由な生活を送っているように見える薫さん一家の存在という。「家族が帰ってきたお前は黙っていろ、という声も耳に入るが、蓮池家にとっても問題は全く終わっていない。閉塞(へいそく)状態を打破する議論のたたき台にしてほしい」と話す。

 透さんは05年に事務局長を辞め、現在は家族会と行動を共にしていない。(大谷聡)

2009年5月19日火曜日

【北朝鮮】 拉致問題・青木理氏の一水会講演

 青木理氏の講演内容が、一水会機関紙(レコンキスタ)に載せられていた。
その講演内容を、レコンキスタから文字起しをしたものです。

家族会の方々の心労も理解ができます。しかし、一歩も進まないのもまた事実で、強攻策だけで果たして進展をみる事ができるのだろうか。安易に「押してもだめなら引いてみろ」とは言いたくはないのだが、どこかで交渉方法の転換が必要なのではないおだろうか。

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今日ここにお集まりの皆さんの中には、
朝鮮半島問題について僕よりも詳しい人がいらっしゃるかもしれませんし、また僕とはずいぶんと立場を異にする方がいらっしゃるかもしれません。
そんな僕の話がどれだけ参考になるかは不安なのですが、お付き合い願いたいと思います。

 僕は一介のフリーの物書きでしかありません。

以前は通信社の記者として韓国に五年ほど居りまして、北朝鮮にも一時期数え切れないくらい入りました。

今日は課題多き朝鮮半島問題とその周辺情勢、または日本との関わりについて、一介のジャーナリストとして、私的な話も含めて話させて頂きたいと思います。

 僕は今はフリーでやっておりますが、三年前までは共同通信社に居り、十五年間ほど社会部で記者をしておりました。

一九九五年(平成七年)頃には公安担当として警察庁記者クラブに居りました。

この時には「警察の犬」のような存在で(笑)、公安の人たちと同じような目線で、鈴木さんや木村さんを取材していましたが、その縁あってお付き合いをさせて頂きました。

 その事件記者がどうして朝鮮半島と関わるようになったのか。

九六年~九七年(平成八~九年)頃、僕は社命で韓国に留学に行きました。

当時は金大中さんが大統領選挙で当選した頃で、その取材もしつつ、韓国語の勉強に励み、午後からは酒を飲んで、韓国内をフラフラと放浪するという幸せな一年間を過ごしました。

 その後帰国した後に、『日本の公安警察』 (講談社現代新書)という本を書きました。これは公安に尻尾を振っているのが嫌になったという事情もありますが(笑)、そのせいか、何か社会部に居づらくなり、
国際ニュースを扱う外信部に異動し、〇二年春~〇六年春(平成十四~十八年)まで特派員としてソウルに暮らしました。

 僕がソウルに派遣された〇二年という年は、十二月の大統領選挙で人権派弁護士と言われた
盧武鉉さんがハンナラ党の李会昌 (イフェチャン) 候補に勝利し、第十六代大統領に当選した年でもありました。

その後の盧武鉉さんの政権運営は迷走し、僕自身も非常にがっかりした事がありましたが、当時、ネットパワーと言われた若い人たちの情熱に支えられ当選した彼は輝かしく見えたものでした。

 そして、この年は日朝関係において前代未聞の激動の年でもありました。
日朝首脳会談で北朝鮮の金正日総書記が日本人拉致を認め、拉致問題に対する認識が急激に高まります。

社会、メディアは拉致問題一色ムードに染まり、後でも話しますが、これを足がかりにして、当時官房副長官だった安倍さんが一挙に首相の座を射止める事にもなりました。

 僕は当時ソウルに居て、あの九月一七日のピョンヤンでの日朝首脳会談を日本では見ていませんでした。 だから、どのような状況になっていたのか、肌では感じ取れていなかった。

 その後、十月にフジテレビと朝日新聞が訪朝し、横田めぐみさんの娘さん、ヘギョンちゃんにインタビューをします。 十一月には週刊金曜日が訪朝、当時北朝鮮に居たジェンキンスさんにインタビューをしています。

これはご記憶の方も多いかと思われますが、インタビューをした三者には「北朝鮮のプロパガンダに利用されるのか」、「拉致被害者の家族の気持ちも考えろ」というバッシングが浴びせられました。

○反北朝鮮バッシングにおびえる日本メディア

 僕はこれをソウルで見ており、異様な感じを覚えました。

メディアの人間が、焦点の人物に接触し、インタビューするのは当たり前の行為だと僕は思っていました。

もちろん、それによって傷つく人間は出てくるかもしれませんが、交通事故の報道にしても汚職事件の報道にしても、およそ提灯記事か追従記事ではない限りは、書く事で傷つく人間は必ず出てしまう訳です。

これはメディア、報道に携わる人間の宿命、業のようなものです。

それでも伝えなければならないと思ったら、伝えるべきです。

それが報道のあり方ですが、あの時、フジテレビ、朝日新聞、週刊金曜日に浴びせられたバッシングは普通ではなかった。

 もちろん拉致被害者の方々の家族へのインタビューを許す事には、北朝鮮の政治的な意図があっただろうという見方もありますが、背後に政治的意図があろうがなかろうが、あるいは例え相手が犯罪者であったとしても、焦点の人物に接触し、話を聴き、それを広く伝えるというのは、メディアの極めて重要な役目です。

様々な立場の人のナマの声を伝え、それを読者、視聴者が受け止め、判断を下すのです。

 もちろん、一方の言い分だけを垂れ流しにする事は問題であるし、批判された三社の報道が本当に質の高い物であったかは議論がありますが、インタビューをしたメディアが、まるで国賊か、もしくは国益を害した様にバッシングに晒される事は、ちょっと僕には信じがたい出来事だと思っていました。

 この直後、共同通信とTBSがピョンヤンに入りました、目的は北朝鮮の高官から今後の日朝交渉について考えを聞くというものでしたが、当時、ソウルにいた僕も朝鮮語の通訳を兼ねて一緒にピョンヤンに入りました。

そして、僕は初めて、日本メディアがどういう状況にあるかを痛感し、驚く事になります。

 当時、共同通信もTBSも「バッシングを引き寄せるような記事は絶対に書いたらまずい」 と、凄く怯えていました。この時、北朝鮮にはまだ、拉致被害者の息子さん、娘さんが残っていました。北朝鮮側が彼らへのインタビューを許したらどうするか。「そんなインタビューを報道したら、先にバッシングを受けたフジテレビや朝日新聞、週刊金曜日の二の舞になる。断った方がいいじゃないか」というようなことを、真剣に話し合うわけです。

結局、そんな話が出てきても断ろうと、そういうようなことを東京の本社と連絡を取り合って相談していたのを覚えています。

 僕なんかは、向こうがインタビューをさせてやると言っている以上、当然インタビューをするべきだと思っていました。

彼らが北朝鮮に居て自由に物事が話せないという状況を忖度した上で、きちんと伝えるべき事は伝えるべきだと思っていましたが、この時のメディアは皆怯えていました。また、共同通信もTBSもお互い相手がどこまで踏み込むか牽制し合っており、もし共同通信がインタビューを断っても、TBSがインタビューをしてしまうと大恥をかいてしまう。

だから両者が談合のようなことまでした。僕も当事者だから同罪だし、言い訳などできる立場でありませんが、実に馬鹿馬鹿しい行為だと思っていました。

○理性がなくなった北朝鮮報道

 一方で当時、北がらみの報道は何でもOKであり、裏など取る必要はないという風潮もありました。

ソウルに居て痛感したのは、例えば韓国にたくさんいる脱北者の情報です。

これは脱北者の立場によって持っている情報も違って来ます。

元高官なら中枢に近い情報を、一般の人なら生活中心の話を持っている。

 その中に、何度も日本のメディアに登場した元工作員の男性がいました。

彼は拉致された日本人の情報をさかんに発信していましたが、どこまで信用できる話か分からない。彼は既に本を出しておりまして、その本に書いてある話ならば本を引用する形で紹介すればいいと思っていましたが、その後のインタビューでは本に書いていない事まで、実にさまざまなことを喋っている。

話がどんどんオーバーになっていくような感じだったので、僕は信用できないと思っていましたが、
ある時、彼にインタビューをする機会があった。

電話してアポを取ってみると、まず彼が一言目に言ったのは、「活字はいくら、映像はいくら」と、まず値を言ってくるんです。

唖然としましたが、ソウル在住の記者仲間に聞いてみると、「昔は安かったけど、どんどん値上がりしている」と。

 情報の対価としてお金を払うという行為に、僕はすごい抵抗を感じます。

もちろん、学識者にコメントを頂いた場合にはコメント料をお支払いしますが、新聞社ではせいぜい五千円から一万円程度です。

しかし彼らが提示したのはコメント料をはるかに超える金額でした。

僕もどうしようかと思いましたが、結局お金を払ってインタビューをしました。

その話を韓国斧記者や、情報機関関係者に言うと、苦笑いして「最初の頃はともかく、あいつが最近言う事は信用できない」。

つまり日本のメディアが札ビラを切ってインタビューするものだから、どんどん話が大げさになっていっている、だから最近の彼の話はとても信用できない、ということでした。

この元工作員に限らず、同じような話をあちこちで聞きました。

 それだけならまだいいかもしれません。中には脱北者にお金を払って、北朝鮮に再潜入させるようなテレビ局もありました。

もし捕まったら二度と帰って来れないかもしれない。そんな人たちを北に送り込んで、何かあったら誰が責任を取るのかと思います。

 かつて、朝鮮総連や北朝鮮に関する報道は、一種のタブーがあった時代がありました。

ところが日朝ピョンヤン会談以降は、そのタブーが完全に決壊しました。

タブーが破られた事自体を僕は歓迎しますが、その途端に北朝鮮に関する報道、言論は何でもありの無法地帯のようにになってしまう。どんないい加減な情報でも垂れ流しになり、その代わりに北朝鮮側に立つような報道はバッシングされてしまう。
また、今度は拉致被害者家族会、あるいは周辺にいる救う会の人たちがタブー視されるような状態になってしまった。だからこそ、前述の様にメディアは当然するべきインタビューにも萎縮してしまったり、
また北朝鮮がらみの話であれば札ビラを切って何でも許してしまうような報道をしてしまう。

 こうした状況に僕も疑いを持って  『月刊現代』 (平成十五年十月号 )に、問題提起として 「北朝鮮報道に理性を取り戻せ」 というレポートを書きました。

これは一部の朝鮮問題専門の記者や学者から「よく書いた」 と評されましたが、その後、『現代コリア』という月刊誌に「青木理こそ理性を取り戻せ」 という反論記事が載るとは、名誉だと思っていましたが、僕はそんな感性を持ってソウルから日本を眺めていました。

そんな状況下において宰相の座を射止めることになったのは、前述した通り安倍さんでした。日朝首脳会談と拉致問題が起きなければ、彼があれほど若くして首相になる事はなかったはずです。

しかし、安倍さんに代表される対北朝鮮強硬路線者が政権の座に付いて以来、日朝交渉、拉致問題は一歩も前進していません。

 これについては様々な意見があるかと思われます。

もっと圧力が必要だと意見もあるかもしれません。

その一方で、圧力から対話に舵を切って、交渉ルートを探るべきだという意見があります。

僕は後者の方ですが、いずれにしても安倍政権下で拉致問題を最大限に“利用”して栄達した人物 ―安倍さんもそうですが― については、ここできちんと問題提起しておく必要があると思います。

現在、麻生政権で事務担当の官房副長官に就いている漆間巌さんは、その典型的な一人だと思います。

○拉致問題を利用して成り上がったある警察官僚の実態

 この方はご存じの様に警察官僚の出身で、安倍政権時には警察庁長官であり、安倍さんと深い信頼関係を結んでおり、安倍首相が官房副長官として抜擢すると言われていました。彼が何故そこまでの信頼関係を築く事ができたのか。

彼が警視庁長官だった時代を振り帰ると、全国の警察で政治的、恣意的な捜査が連発されていました。ターゲットにされていたのは朝鮮総連、及び北朝鮮でした。

 もちろん、犯罪行為があればきちんと捜査する事に異議を唱えません。

しかし、漆間長官の時代には、事実に基づかない捜査、あるいは事実を相当に誇張、歪曲した捜査が横行しました。

例えば〇六年(平成十八年)、東京在住の在日朝鮮人のおばあさんが薬事法違反に問われた事件がありました。

これは、持ち出しが禁じられている薬品を万景峰号で北朝鮮に持っていこうとした事件、事件と言うより 「事案」ですが、この時に警視庁公安部は総連の東京本部などを大々的に強制捜査しています。

事件と関係があるとは思えない劇団の名簿まで持っていてしまう様なガサでした。

 しかし実態は、このおばあさんがピョンヤンにいる親戚に点滴薬などを持って行こうとしたに過ぎませんでした。

しかし、薬事法が改正された後であり、持ち出しができなかった。

そうだと分かると、おばあさんはすぐに諦めて送り返した。

ただそれだけの事です。

ところが警察リークに基づいてメディアは大々的に報じ、新聞の社説では 「ミサイル開発に関係あるのでは」 や「個人的犯罪である訳がない。国家ぐるみの犯罪だ」と書かれていました。

憶測記事が山の様に量産されていましたが、実態は先述の通りであり、警察は書類送検しましたが、起訴もできずに幕引きしました。

 同じ年には、大阪の在日朝鮮人男性による車庫飛ばし事件が起きています。

犯罪は犯罪ですが、これを理由に滋賀県の朝鮮人学校にガザが入り、保護者名簿まで持っていかれています。いくら犯罪捜査でも、車庫飛ばしで朝鮮学校にまでガサを行うとは、いかにも針小棒大の公安捜査の典型だと思います。

 翌年(平成十九年)には、札幌、神戸で朝鮮商工会に税理士法違反による摘発がありました。こえは厳密には犯罪と問われかねない案件でしたが、そんなに簡単に割り切れる問題ではないと言われています。

商工会は在日系企業の窓口になって税金を納める存在で、税務当局と商工会はある意味 「協力関係」 にありました。

だから税務署が商工会に表彰状を出した事もあったそうです。

また、類似の行為をやっている団体は商工会以外にもある。

ところが長年の 「慣行」 として続いていた行為がある時突然、税理士法違反として摘発されてしまう。

 そんな 「事件」 が連発していたのが、漆間さんが警察庁長官だった時代でした。

ある時、警察幹部にこの頃の様子を聞いてみると、「北朝鮮がらみの事件を徹底的に掘り起こせと警察庁からハッパがかかり、これに基づいて政治的な捜査が頻発した」とおっしゃっていました。

 拉致問題をめぐっては、〇六(平成十八)年から〇七(十九)年にかけて、もっと露骨に捜査が行われました。

ご記憶の方はいらっしゃるかもしれませんが、本名すら不明の 「北朝鮮工作員」 の逮捕状を次々に取って、国際指名手配したのです。この逮捕状を取った時期を調べると、六ケ国協議やASEAN首脳会議にからんだ時期などに集中している。

安倍官邸が描いている政治・外交日程に合わせて警察が動いているのです。

 実際、〇六(平成十八)年十月頃、通称名しか分からない北朝鮮の女性工作員の逮捕状を取った時、漆間さん自身、記者会見でこう述べています。

「北朝鮮が六ケ国協議に復帰する以上、日本が拉致を忘れていないというメッセージだ」「政治的メッセージ」を送るために逮捕状を取ったと警察トップが明言しているんです。しかし、逮捕とは警察にとって最大限の権力行使です。

それを 「メッセージのため」 に行ったというのです。

また、漆間さんはこんなことも会見などで公言しています。

「北朝鮮に対する圧力を担うのが警察だ」、「北朝鮮が困るような事件を摘発するのが拉致問題の解決につながる」、「そのためには資金の問題などで北朝鮮がここまでやられると困るほど事件化するのが有効だ」。商工会の事件はまさに後者の狙いがあったと伺えます。

 しかし、冷静に考えて欲しいのですが、警察の捜査は、あくまでも 「法と事実」 に基づいて行われるものです。

「北朝鮮に対する圧力を担うのが警察だ」と言うのは、あるいは「相手が困る事件を摘発することが拉致事件解決につながる」 などと言い放つのは、まるで「外交圧力のために警察権を行使する」と言っているに等しく、言わば一種の 「政治警察宣言」 です。

 今日いらっしゃっている民族派の方にも、公安警察が極めて政治的に動く事はご承知であると思います。この時は朝鮮総連がターゲットになりましたが、次はどこに向うのか分からない。警察が政治と密着して動くと、ターゲットにされた先は些細な事でも引っ掛けられてしまう。

これは北朝鮮に限った話ではない。この事は忘れてはならないと思います。

○「政体の番犬」公安警察の暴走

さて、そうした捜査をやっている最中、漆間さんは頻繁に官邸に行って安倍首相に会っていました。

安倍政権の一年だけをピックアップしても、少なくとも十一回は官邸を訪れた記録が残っています。歴代の長官でもここまで政権と密着した人はおりません。

 日本の警察は、戦前・戦中の警察が中央集権的な機構の下で暴走した反省の上に立ち、公安委員会制度を導入しています。

また、中央省庁でも警察庁だけは唯一、トップを政治家ではなく官僚が勤める事になっています。そして警察庁は国家公安委員会の管理に服さなければならないと定められており、警察庁トップである長官がしょっちゅう官邸に足を運ぶなどという振る舞いは避けるべきなのです。

警察は政治家を捜査をする事もあるし、暴力装置である機動隊も持っている。

例えば検事総長が首相官邸に頻繁に足を運び、首相と会っていたら大ひんしゅくを買うでしょう。しかし、漆間さんはそれを平気でやってのけた。

 最近の歴代長官が官邸を訪れた回数を調べると、多い人でも在任中に七、八回ほどです。

それが警察庁長官としての振るまいの品位、矜持だったと思いますが、漆間さんはそれを遥かに超えて首相と密着していた。

その挙句の果てに 「北朝鮮への圧力を担うのが警察だ」 と警察の本義を忘れるような事を言い放ち、実行してしまう。それで安倍さんのお気に入りになった訳です。

 知り合いの公安OBに聞くと、「警察と政治が無縁だった事など今まで一度もないが、警察と政治が取るべき距離はおのずとある。

しかし、漆間さんという方はそれが分かっていない」 と嘆いていました。

それほど常軌を逸していたし、一方で政権と蜜月関係を作っていた。

 そもそも漆間さんは長官になるような人物ではないとも言われていました。

彼の同期にはエースと言われた人が他にいましたが、体を壊して早期退職してしまった。漆間さんの長官就任はタナボタ的な面もあったようです。その上、現長官の吉村博人さんまでの「つなぎ役」と見られていたのですが、結果的に三年に渡る長期政権になった。

当時、警察内部では「漆間さんがいつまでも居座るから人事が滞留して困る」と幹部が露骨に愚痴を言っているほどだったそうです。

それもこれも全て安倍さんの言う通りにして、政権の意向におもねった政治的、恣意的な捜査を連発して安倍さんに可愛がられる様になったためです。

 そして警察庁長官退任後、約一年経って麻生政権の官房副長官に抜擢されました。

これも安倍さんの推挙があったためです。

また、もともと 「選挙管理内閣」 と言われた麻生政権は、選挙になった時、警察官僚出身の官房副長官がいれば、民主党に対する牽制にもなるし、また選挙関係の情報も入ってくるのではないか、という打算もあったかもしれません。

 しかし、現在官房副長官としての漆間さんの評判は最悪です。

霞ヶ関、永田町、また各社の記者に聞いても一人として良い評価を言う人はいない。

 言うまでもなく、事務担当の官房副長官は霞ヶ関官僚トップの地位になります。

過去に警察官僚から昇りつめた人は後藤田正晴さん、川島廣守さんがおり、漆間さんは川島さん以来三十二年ぶりの大抜擢でした。

しかし、全然役には立っていない。

例えば、定額給付金の問題などでは各省庁に政策課題がまたがっています。

本来は事務担当の官房副長官が省庁間の調整を行い、首相に対してアドバイスを行わなくてはいけない。

ところが、それが全然機能していない。ある霞ヶ関中堅官僚の話を聞くと、「漆間さんは麻生政権迷走の 『戦犯』 の一人だ」 と言っています。

そういう人間を重用し続けた安倍さんにしても「つくづく人を見る目がない」 という酷評を耳にします。

 この漆間さんの話は今月号の 『世界』 に寄稿しましたので、後は読んで頂ければと思います。

 余談になりますが昨年末、麻生首相が漆間さんに「北朝鮮との対話ルートを探れ」 という指示を出したそうです。

そして漆間さんは内調 (内閣情報調査室) を使って朝鮮総連に打診しますが、総連は「ふざけるな」と言って突っぱねたそうです。

あれだけ過去のでたらめな捜査でいじめられた当事者に「対話を」 と言われても応じる訳がないでしょう、と公安OBは苦笑していました。

 もう一つ、安倍政権時に官邸に立ち上げられた組織に「拉致問題対策本部」 があります。

本部長は首相、事務局長は漆間官房副長官。

また中山恭子拉致問題特別補佐官がおり、人員は四十人程で、外務、法務、文化、国税、公安調査庁、内閣調査室などの寄合い所帯です。

年間に六億円の予算を使っていますが、ご承知の通り現在は日朝交渉の展望が見えない状態です。

 それで 「対策本部」 が何をしているかと言うと、例えば昨年一二月4日~十日の人権週間に「必ず救い出す」 というメッセージを各新聞に広告として出したり、また一台二百万円もかけて宣伝用のトラックを製作し、街を走らせるなどというバカバカしいことをやっている。

先日、蓮池透さんと会う機会がありましたが、「そんなものに金を使うなら、帰ってきた家族のケアに使って欲しいし、もっと本気になって交渉ルートを探って欲しい」と言われていましたが、本当にその通りでしょう。このトラックは拉致問題対策本部の広報担当、制作企画室が外務省からの鶴の一声で制作したものでした。

 内情を聞くと、「拉致問題は完全に膠着状態になっているから、その中で政府が一生懸命やっているとアピールできるのは拉致被害者家族や国民に対してできるのは広報活動しかない」ということのようです。官僚組織というものは、一旦できてしまうと、何とかアピールするための仕事を作りだそうとする。
そんな典型的な状況を見ている感じます。

拉致問題はすべからくこうした状況に陥っています。

○【周辺四大国】に生きる者として日本人は覚醒すべき

 さて、先ほどもお話ししましたが、僕は通信社の特派員として五年近く韓国に暮らしました。日韓両国の歴史認識問題等々において僕は、どちらかというと韓国の立場に近い考えを持っているのですが、
そんな僕でも韓国に居る間には辟易する事がありました。

例えば竹島(韓国名・独島)問題にしても、日韓の間で騒ぎが起こると、韓国の有力テレビ局は竹島上空にヘリコプターを飛ばして、「ご覧下さい。我が独島には太極旗が翻っています。

ここがまごう事なき韓国の土地である証明ではないでしょうか、皆さん!」

なんて事を記者が絶叫調でレポートしている。バカバカしい、と思いつつも、扇情的なナショナリズムなどというものは、どの国でもメディアが煽るものだな、と思いました。

 しかし、日韓両国の間がきくしゃくするのは、両国関係の上に置いても、また地域の安全保障という観点から言っても、決して好ましくない。

かつて日韓関係がおかしくなった時には、これを調整するためにパイプが両国間には今よりも存在していました。

是非は別として、金大中政権まで韓国の大統領は皆日本語を話す事ができ、大統領はいずれも「日本通」でした。

また、韓国が軍事独裁政権の時代には、日本の保守政界、フィクサーと呼ばれるような暗部と太いパイプがあった。

これは「癒着」でもあり、大いに問題を孕んでましたが、それもなくなってしまった。

そして今、問題が起きても落とし所が見つけられないためにお互いに感情的になって亀裂が拡大し、収拾がつかなくなっている部分もある。

日韓両国は何とかして、もっと政治的なパイプを作らねばなりません。

 僕も多くの韓国人の友人、知人を持っています。

また余談かも知れませんが、僕の父は植民地支配下の韓国で幼少期を過ごしました。祖父が農水省の役人で、韓国南部の港町、麗水(ヨス)というところの水産研究所に勤務していたためです。その父が私の韓国駐在中、幼い頃を過ごした研究所や官舎を見たいと言い出し、一緒に現地まで行ったことがあります。

 しかし、「植民地支配した国の役人の息子が、かつて暮らした土地に行きたがっている」などと言えば、韓国の人は良い思いはしないでしょう。

僕は少々憂鬱な気分で、しかし親孝行という気持ちもあり、ダメ元で麗水の市役所に行ったのですが、
市役所の人たちは実に親切に対応してくれ、一生懸命に水産研究所や官舎のあった場所を探してくれました。

最後は車まで出してくれて、目的の土地まで行く事ができました。

幼少期を過ごした官舎や研究所の跡地を見つけ出し、涙ぐんでいた父に対し、市役所の方々もうれしそうに「良かったですね」と言ってくれた。

本当に恐縮すると共に感激しました。そんな思い出があります。

 北朝鮮もそうです。ここであまり詳しい話をすることができないのは残念なのですが、取材で北朝鮮に入ったとき、現地で何人もの温かい人たちに接しました。

当たり前の話ですが、独裁政権の圧政に苦しみながらも、ナマの人間が暮らしているのです。

そんな人々が生を紡ぐ地に、二度と惨禍をもたらすわけにはいかない。

 その朝鮮半島では、金大中と廬武鉉・両大統領期の韓国が南北対話・対北融和政策を取り、日本ではこれを「左翼政権による親北政策」だという見方が罷り通っていました。もちろん、そうした面がないとはいいませんが、韓国に住んでいた僕から見れば、「親北左翼」というよりむしろ、「生活保守」的な色彩が強かったのではないかと思います。

 今や韓国は先進国並みの繁栄を享受しています。その韓国にとって、南北間で有事が起きることは言うまでもなく、北朝鮮が急激に不安定化することすらも絶対に避けたい事態です。

韓国の試算によれば、いま北が崩壊して南北統一することになれば、韓国の経済は完全に破綻するだろうと見られています。

 しかし、いずれ北朝鮮が崩壊するのは避けられないでしょう。

ならば韓国の人にとって選べる手段は限定される。

北朝鮮と対話・交流を続けながら、できるだけ穏やかに改革・開放とへと導き、最終的には何としても軟着陸させたいーー

それが対話路線を支持する韓国世論の根底にあるのではないでしょうか。

逆に日本で勇ましく「北朝鮮に圧力をかけろ」「金正日政権を崩壊させと」と言っている方が、よっぽど「進歩派」といいますが、ひどい「過激派」に見えてくるのです。

 私たちはもっと冷静に、そして複眼的な視座から物事を見るべきだと思います。
例えば『月刊日本』の昨年八月号には、早期に日朝国交正常化を目指すべきだという特集が載っていました。 

 僕も日朝の国交正常化は早期に成し遂げるべきだと思いますし、幣会の木村代表も「戦略的思考としての日朝国交樹立」という優れた論文を寄稿されてましたが、この特集の中で『月刊日本』の山浦嘉久論説委員が「旧宗主国としての覚醒を」という記事を書いています。

僕はこの「旧宗主国」という観点に加えて、「大国としての覚醒」と付け加えたいと思います。

 韓国のメディア報道や論文を読むと、「周辺四大国」という言葉が頻繁に出てきます。

四大国とは即ち日本、中国、アメリカ、ロシアです。

日本側から朝鮮半島側を眺めますと、目の前に韓国、そして北朝鮮があり、背後にロシア、中国が控えているという図式になりますが、一方で朝鮮半島から見るならば、周辺を日・中・米・露という四大国に取り囲まれている絵図になるのです。

 この四大国のパワーゲームの結節点となる位置に朝鮮半島は置かれてきました。そのパワーゲームの当事者として日本か過去に朝鮮半島を植民にし、その後には米ソ冷戦の最前線として半島全土が廃墟となるような戦争まで繰り広げられたわけです。

 現在も朝鮮半島から見れば、日本は間違いなく強大な「大国」です。

周辺を取り囲む「周辺四大国」の一つなのです。

そして、かつて半島を植民支配した「大国」に暮らす我々は、半島の地に暮らす人たち -僕の友人や知人はもちろんですが-に、二度と凄惨な厄災をもたらせたいよう必死で知恵を絞り、真摯に振る舞う責務があるのではないでしょうか。

 日本と韓国の二国間関係を見れば、政治体制や社会的な価値観を同じくする両国は、貿易相手としても切っても切れない仲にある。

「嫌韓」などというバカなことを言っている場合ではないのです。

傲慢な意味でなく、我々は「大国」に暮らす者としもっと鷹揚に、そしてもっと真摯に朝鮮半島に向き合わねばならないと思うのです(了)

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私達は今、冷静に物事を見そして判断をしなければならないのではないだろうか。

by 呑ん兵衛

2009年5月18日月曜日

【メモ】 京都2区

web上で見かけられる怪しい情報・・・真偽の程は?

『前原誠司と「パソナ」、「創価学会」の繋がり』


(1)前原誠司と南部靖之「パソナ」


(※この関係から、前原誠司と清和会、創価学会とのつながりが見えてきます。)

南部靖之は、兵庫県神戸市出身の企業家であり、
人材派遣会社株式会社「パソナ」創業者である。
株式会社「パソナ」代表取締役グループ代表兼社長、
であると同時に創価学会の信者である。

ベンチャー企業の起業家が一般的ではなかった1970年代当時、
ソフトバンクの孫 正義、H.I.Sの澤田秀雄とともに、“ベンチャー三銃士”と称された。

創価学会・公明党のみならず自民党との関係も深く、
小泉政権の総務大臣だった竹中平蔵を、
「パソナ」の“特別顧問”及び“アドバイザリー・ボード”のメンバーとしている。

また、前原誠司(民主党)とは、
前原誠司の夫人である前原愛里が、
創価短大卒業後に「パソナ」で、南部靖之の個人秘書を務めていた関係にあり、
前原愛里は防衛庁の人材派遣を通した利権に関与しているとされる。

「前原誠司の女房・前原愛里は以前、
大手人材派遣会社「パソナ」社長・南部靖之の秘書をやっていました。
いわゆる南部靖之の愛人という噂もあった。

前原誠司は京都府議時代、衆議院議員になろうともがいていた。
だが、金がない。
そこで南部靖之に近づき、南部靖之の愛人を引き受けることで、
選挙費用を援助してもらい1993年初当選したというのです。

だが、所詮女房といえども他人の愛人。
そこに林久美子という若い早大生が選挙手伝いに来たことから、
ついつい魔が差してしまったのか・・・。
南部靖之はけち。南部靖之の資金援助は1993年の選挙だけだった」(民主党議員秘書)

前原夫人の前原愛里は現在、地元の公設第一秘書。

衆議院選挙直前、
「フライデー」で「衆議院女性候補者および美人妻たち」に登場している。
実にてきぱきとして卒がなく、清楚であか抜けた美人であった。


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●「現代産業情報」 2007年6月15日号より抜粋


「党を割るなら前原だろう」と予測される民主党の動向の中で、
反小沢一郎代表の急先鋒である前原誠司を、
自民党、それも安倍晋三の側に結び付けていくのではないか?
と目される人物が浮かび上がってきた。

人材派遣大手「パソナ」の社長・南部靖之である。

55歳の南部靖之は、
関西大工学部在学中の1976年に、
前身となる人材派遣会社「テンポラリーセンター」を設立、
業界大手に育て上げた独自の経営理論を持つ人物。

政官界との人脈も豊富で、
2007年2月には、元総務相で慶応大学教授の竹中平蔵を、
「パソナ」の特別顧問に採用して、周囲を驚かせた。

南部靖之は、意外なほどに前原誠司と“距離”が近い。

「前原誠司の妻、愛里夫人は、
かつて「パソナ」に勤務し、しかも南部靖之氏の秘書を務めています。
さらに愛里夫人は、創価短大出身で、創価学会とのパイプが、
「パソナ」、前原誠司氏の双方に生まれた格好になっていました」(関係者)

一方で、
南部靖之の政官界人脈、特に安倍首相とのつながりを如実に物語ったのが、
3月に明らかになった総務相『人材バンク』の仲介業務受注の事実である。

関係者が明かす。

「国家公務員の再就職先を紹介する総務省の機関である『人材バンク』は、
再就職の斡旋ノウハウが乏しく、
設置してからの7年間で1件しか仲介実績がない。

省庁の斡旋を全廃して天下り批判をかわそうとする、
官邸主導の『新人材バンク』構想を実現するには、
『人材バンク』の機構を拡充するしかない。

そこで、再就職先探しの仲介業務を民間委託することが検討され、
企画競争の結果、「パソナ」が選定された。

「パソナ」の国との契約は、今のところ無償ですが、
紹介先企業から紹介料を得ます。

官邸が目論むように、省庁による再就職斡旋の全廃が実現すれば、
「パソナ」にとっては大規模な事業となるわけです」

(↓注目)
省庁による再就職斡旋全廃に対する党や霞が関の猛反発を、
安倍晋三首相は「政治決断」で押さえ付け、
『新人材バンク』の設立を決定した。

「パソナ」には大きな“利権”が生まれる可能性が開けたことになる。

実務にあたる渡辺喜美行革担当相は、

「『新人材バンク』の業務を民間に委託することはない」

と言及しているが、当の南部靖之は、

「我々には公務員の才能を細かく分析するプログラムを作る能力がある」

と周囲に語っており、『新人材バンク』業務の一部は、
確実に「パソナ」に委託されるとの見方が常識的だ。

「戦後生れの首相で日本は変わる」

こう公言して憚らなかった南部靖之は、
まさに自身が“絶賛”してやまなかった安倍晋三首相時代に、
霞が関に対して絶大な影響力を行使できる立場につく。
「政」と「官」のツボを押さえた新進の経営者はまた、政界再編論者でもある。

そこで、
前原誠司との“個人的な近さ”が、政界再編の導火線になるのではないか?(政治部記者)
との推測を呼んでいるわけである。

安全保障に対する考え方が小沢一郎と全く異なり、
「むしろ安倍晋三に近い」といわれる前原誠司。
個人的にも安倍晋三と前原誠司は親しいと言われる。

その双方と太いパイプを持つパソナの南部靖之が、
霞が関を押さえようとするほどの力を持つ今、
自民、民主双方で行き詰まりをみせる安倍晋三、前原誠司の今後の動きを、
手助けする存在になっていくのではないか?との観測が、
急速に強まっている。

2009年5月17日日曜日

【小沢一郎】 高橋昌之のみた小沢氏辞任の裏側

 11日の小沢氏の辞任に関し、産経新聞政治部・高橋昌之氏が記事を寄稿している。彼に関しては、いろいろな評価があるのだが、産経ファンにとっては「裏切り者」という方もおるし、産経にも珍しく「まともな記者」だという評価もある。立ち位置の見方でしかないのだが。

【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】(上)小沢氏辞任の裏側
2009.5.17 19:35

今回で2回目のブログとなります。2日に配信した前回の「毎日新聞北方領土報道の不可解さ」は、予想をはるかに上回る多数のアクセスをいただき、ありがとうございました。私の著書「外交の戦略と志-前外務事務次官 谷内正太郎は語る」もご紹介させていただきましたが、おかげさまで連休中は売り切れ店が相次ぐなど好調で、改めてお礼申し上げます。

 2回目は著書の内容をご紹介したいと思っていたのですが、11日に民主党の小沢一郎代表が突然、辞任を表明し、16日の代表選で鳩山由紀夫前幹事長が新代表に選出されるという大きな政治の出来事がありましたので、それをテーマに書きたいと思います。

 実は、私は平成4年の自民党竹下派(経世会)分裂から、5年の非自民連立による細川護煕政権まで、小沢氏の番記者をやった経験があります。その後も小沢氏をウオッチしてきているので、今回は小沢氏が「なぜこの時期に突然辞任したのか」について、私なりの取材に基づいた分析をしてみたいと思います。

小沢氏の辞任は突然のことと驚いた方も多いと思います。ただ、小沢氏は3月3日に、西松建設違法献金事件で公設第1秘書の大久保隆規被告が逮捕されて以来、次期衆院選前に辞任するというシナリオは、ずっと頭の中で描いていたようです。実際、私の取材でも、ある小沢氏周辺は4月中旬、「小沢氏は5月の連休明けに進退を判断する。進退は5分5分。辞めた場合の後継は鳩山幹事長だ」と、今回の出来事をずばり予言していたのです。

 しかし、小沢氏は秘書の逮捕、起訴の時点では辞任しませんでした。記者会見では「政治資金で何らやましい点はない」と潔白を主張、東京地検の捜査を「政治的にも法律的にも不公正だ」と批判し、続投して徹底して戦う姿勢を示しました。これは小沢氏がやましくなくても、仮にこの時点で辞任すれば、報道や国民の見方は「やましいところがあるから辞めたんだ」ということになって小沢バッシングが広がり、自身だけでなく民主党にも大きなダメージになると、小沢氏が判断したからだと思います。

一方で、小沢氏は進退については「選挙で勝てるかどうかを物差しに判断したい」と述べ続けました。党内では続投論と辞任論が入り乱れましたが、小沢氏を支持する幹部は「世論調査をみると逮捕、起訴から時間がたつにつれて小沢批判は、弱まってきている。一方で検察の捜査への批判は強まっている。小沢氏続投でも政権交代はできる、逆に小沢氏でなければ政権交代はできない」と、辞任論に傾いていた幹部や議員を説得して回りました。

 その結果、小沢氏の進退問題で揺れていたとされる菅直人代表代行や岡田克也副代表らも連休前には「続投支持に変わった」(幹部)とされ、「党内は一部を除いて大勢は続投支持で固まった」(幹部)ようです。小沢氏周辺によると、これこそが実は「小沢氏が辞任できる環境が整った」ということなのだそうです。

 この周辺は「党内の小沢降ろしの声に屈して辞めれば、小沢氏にとっては敗北になる。逆に党内の多くが続投を支持する中で、あえて自分から辞めれば求心力を保てる」と解説します。確かにこう考えると、11日の辞任記者会見で、小沢氏が見せた意気軒高ぶりもうなずけます。

 小沢氏は記者会見で「代表の地位や政権をとって総理うんぬんのたぐいには何の未練も執着もない」と述べてきました。そして、辞任記者会見では「政権交代ができれば政治家の本懐、男子の本懐だ」と語りました。これらの発言は小沢氏の本音なのでしょうか。私の取材経験からすると、小沢氏は本当にそう考えていると思います。

【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】(下)鳩山新代表選出の裏側
2009.5.17 20:00

小沢氏は私が番記者をやっていたころから、酒を酌み交わしたときも「オレはもうポストなんか興味はない。政治ではポストは手段であって目的ではない。オレにとって、後はこのお国がどうなるかだけしかない。政権交代可能な政治が実現できれば本望だ」と常々、語っていました。

 小沢氏は27歳で衆院議員になり、その後は田中角栄、竹下登、金丸信という政界の最高実力者に仕え、自らも海部俊樹政権下で自民党幹事長を務め、当時は最高実力者と言われました。若くして権力の頂点を極めた小沢氏からすれば、何が何でも首相になりたいという願望はなく、政権交代という歴史的偉業を果たすことしか興味はないのかもしれません。

 小沢氏に対しては、独特の強い個性から政界内でも親小沢か、反小沢に、国民の方々の間でも好きか、嫌いかでくっきり割れる傾向があります。私の今回の分析に対しても、賛否両論があると思います。ただ、私は小沢氏への取材や記事では、是々非々で臨んできたつもりです。今回のブログは、みなさまが次期衆院選に向けて、小沢氏や今後の日本の政治を議論をするうえで、材料にしていただければ幸いです。

 次に「なぜ新代表が鳩山氏になったのか」について分析したいと思いますので、もう少しお付き合いください。結論を簡単にいえば、今回の民主党代表選のキーワードは「挙党一致態勢を作れるか」で、鳩山代表の方が民主党がまとまれたからです。

党内には、小沢氏を支えてきた鳩山氏より、岡田氏の方がクリーンで新鮮なイメージがあるとして、岡田氏を支持する声が若手・中堅議員を中心にかなりありました。しかし、岡田氏を支持する勢力の中には、小沢氏と対立するグループがあり、岡田氏が代表になった場合は、またも民主党が親小沢、反小沢で分裂状態に陥る可能性がありました。

 現に、自民党からは「岡田氏の方がやりやすい。民主党内に混乱が起きるから」(甘利明行政改革担当相)などと、民主党の混乱を期待して岡田代表を望む声が出ていました。小沢氏本人や周辺は代表選前日の15日、一気に鳩山氏の票固めに動きましたが、その際には「岡田氏を代表にしてむざむざ自民党の手に乗っていいのか」と説得して回ったようです。

 もうひとつ、鳩山氏勝利を決定づけた要因を指摘すると、代表選を国会議員のみの投票にして、週末をまたがず16日に実施したことです。これは小沢氏が辞任した翌日の12日の党役員会で決まったことですが、この時点で鳩山氏勝利が固まったといえます。というのも、各報道機関の世論調査では「新代表にふさわしい人物」で、岡田氏が鳩山氏をリードしており、仮に国会議員以外の党員やサポーターも含めた代表選をやっていたら、また週末をまたいで議員が地元に帰って、支持者の意見を聞いたうえで代表選をやっていたら、間違いなく岡田氏が勝利していたでしょう。

12日の党役員会では、鳩山幹事長が16日に国会議員のみで代表選を行うことを提案しましたが、岡田氏を支持する幹部からは「党員やサポーターを含めて時間をかけて代表選をやるべきだ」との意見が出されました。しかし、この意見に強く反論したのが小沢氏でした。岡田氏を支持する幹部が本気で岡田氏を代表にしたかったのなら、ここで引くべきではなかったのです。しかし、最終的には鳩山幹事長の提案通り、代表選の段取りが了承されました。ここですでに「勝負あった」というわけです。

 したがって、今回の小沢氏辞任から鳩山新代表選出まで、ほぼ小沢氏のシナリオ通り進んだといえます。現在の政界で、小沢氏ほど修羅場をくぐってきた人物はいません。小沢氏はこれまでの経験から、政局での戦い方を熟知しているのです。その小沢氏を上回る戦略家は、残念ながら今の民主党内にはいないように思えます。

 今後も民主党については「小沢院政」という言葉がついて回るでしょう。ただ、衆院選対策という点でも、小沢氏は自民党幹部のころから20年以上にわたって選挙の指揮をとってきて選挙対策を熟知しており、この点でも民主党内で小沢氏を上回る人物はいません。仮に政権交代を果たしたとしても、民主党が掲げる大改革を断行し政権を運営していくには、小沢氏の力が必要でしょう。良かれ悪しかれ、これが民主党の現実です。

 民主党には「親小沢」か「反小沢」かという狭い度量ではなく、国家国民のため、政治信念や政治力で小沢氏を超える議員が現れることを期待します。それでこそ、政権交代は果たせるでしょうし、その後も日本をよりよい国にする政権政党になれるでしょう。

【民主党】 鳩山由紀夫新代表

民主党・小沢代表が辞任し、鳩山由紀夫氏が新代表に選ばれた。


鳩山新代表「期待」「期待せず」拮抗 日経世論調査
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090517AT3S1701H17052009.html

 日本経済新聞社とテレビ東京が16、17両日に共同で実施した緊急世論調査で、民主党の鳩山由紀夫新代表について「期待する」が47%、「期待しない」は49%で拮抗(きっこう)した。民主党支持率は38%と4月末の前回調査から10ポイント上昇。3ポイント低下して33%になった自民党を3カ月ぶりに上回った。

 麻生内閣の支持率は2ポイント低下し30%。不支持率は3ポイント上昇し62%。
 衆院選後の首相にふさわしい人を聞くと麻生太郎首相が16%で鳩山代表が29%。「どちらでもない」は52%だった。 (17日 23:18)


毎日新聞世論調査:「辞任効果」、民主安堵 「衆院選で期待」最高56%
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090518ddm012010057000c.html

毎日新聞が16、17日に緊急実施した全国世論調査結果は、小沢一郎前代表辞任後の代表選を終えたばかりの民主党を安堵(あんど)させた。代表選前の前回調査(12、13日)で鳩山由紀夫新代表への世論の支持が低かった影響や「小沢かいらい」批判が新体制の船出に水を差すことを懸念していたからだ。民主党は「小沢辞任」効果で党勢回復の足がかりを得る一方、鳩山新代表の就任に歓迎ムードもあった与党側には衝撃が走った。【田中成之、高山祐】

 「挙党一致体制で行けば政権交代できるという確信を得た」

 民主党代表選で鳩山氏を支持した輿石東参院議員会長はこう語った。党内から「想像を超えた」(若手議員)との声も漏れた好結果。他の野党幹部は「ご祝儀相場とはいえ、これほど(民主党への期待が)高まるとは思わなかった」と驚きを隠さなかった。

 次期衆院選で民主党の勝利を期待する回答が50%を超えたのは、同じ質問を始めた07年8月以降、麻生内閣の支持率が11%に落ち込んだ今年2月と、ガソリン税の暫定税率を復活させる法案を与党が再可決した直後の08年5月の51%のみ。今回の56%はこれまでの最高値を5ポイント上回った。

 民主党の支持率も30%に達し、参院選で大勝した直後の07年8月の33%に次ぐ水準。「支持政党なし」と答えた無党派層では、衆院選で民主党の勝利を期待する回答が54%で、自民党の17%の3倍以上に達した。

 ただ、党内には「この3カ月の浮き沈みは特に激しい。油断できない」「まだ何もしてないのに、なんでこんなにいいのか」と楽観を戒める声も出る。

 その材料の一つが鳩山氏への期待度だ。世論調査では「期待する」と「期待しない」がそれぞれ49%と、文字通りの「期待半分」。民主党への評価が「上がった」との回答も17%にとどまった。

 背景には、代表選前の毎日新聞の世論調査で岡田克也副代表の人気が鳩山氏を上回ったことなどからくる鳩山氏の「不人気」イメージに加え、小沢前代表の後継色が強いことへの「かいらい」批判の影響がありそうだ。

 とはいえ、代表選を終え地元に戻った議員たちは、小沢氏の公設秘書が逮捕・起訴された西松建設事件以降の「足かせ」が代表交代でとれたと感じているようだ。若手議員は「小沢問題のけりがついて良かったという反応が(支持者の)最大公約数」と話し、新人候補は「すっきり選挙運動に取り組める」と喜んだ。

 ◇「一転、逆風」に絶句--自民
 一方、与党側にあった鳩山新代表への歓迎ムードは「政権交代」を求める民意の強さの前に吹き飛んだ。麻生太郎首相のもとで衆院選を戦うことへの懸念も再燃し「早期の衆院解散はとてもできない」(公明党幹部)との声も出ている。解散時期を巡り麻生首相はさらに厳しい判断を迫られることになった。

 自民党の細田博之幹事長は17日、島根県斐川町の出雲空港で、鳩山氏の人気について「代表選出のご祝儀的なものがあるのではないか」と述べ、あくまで一時的なものとの認識を強調。ただ、自民党の政党支持率は民主党に逆転を許し、上昇機運にあった内閣支持率も微減に転じた。調査結果を聞いた自民党幹部は数字を聞き直し、一様に絶句した。

 衆院選のカギを握りそうな無党派層の回答をみると、内閣支持率は10%に低迷し、鳩山氏の方が首相にふさわしいと25%がみている。ある派閥領袖は「党内には『麻生降ろし』のエネルギーも残っていない。傷が浅いうちに早く解散した方がいい」と述べたが、公明党幹部は「国会で民主党のあやふやな財源論や『小沢院政』批判を展開し、当面は様子を見るしかない」と漏らした。

==============

 ◇世論調査の質問と回答◇
 ◆麻生内閣を支持しますか。

                全体 前回 男性 女性

支持する            24(27)26 22

支持しない           58(52)58 58

関心がない           18(20)16 20

 ◇<「支持する」と答えた方に>支持する理由は何ですか。
自民党の首相だから       35(34)35 35

首相の指導力に期待できるから   8(10) 7  9

首相に親しみを感じるから    21(22)23 19

首相の政策に期待できるから   29(30)32 26

 ◇<「支持しない」と答えた方に>支持しない理由は何ですか。
自民党の首相だから        9 (8)12  5

首相の指導力に期待できないから 26(28)21 32

首相に軽率なイメージがあるから 19(21)19 18

首相の政策に期待できないから  45(42)45 45

 ◆どの政党を支持していますか。

自民党             23(27)27 19

民主党             30(24)36 24

公明党              3 (6) 2  3

共産党              3 (3) 3  4

社民党              1 (1) 1  1

国民新党             0 (0) 0  -

改革クラブ            - (0) -  -

新党日本             0 (0) 0  -

その他の政党           2 (2) 1  3

支持政党はない         37(36)29 45

 ◆民主党の新代表が、鳩山由紀夫氏に決まりました。鳩山代表に期待しますか、期待しませんか。

期待する            49    52 46

期待しない           49    47 51

 ◆小沢前代表が辞任し、鳩山氏が新代表になったことで、あなたの民主党に対する評価はどうなりましたか。

上がった            17    18 17

下がった            13    16 10

変わらない           68    65 71

 ◆麻生首相と民主党の鳩山代表とどちらが首相にふさわしいと思いますか。

麻生首相            21    25 17

鳩山代表            34    36 31

どちらもふさわしくない     42    37 48

 ◆今の衆院議員の任期は9月に切れます。衆院の解散・総選挙は、早く行うべきだと思いますか。

早く行うべきだ         48    51 46

急ぐ必要はない         49    47 50

 ◆次の衆院選で、自民党と民主党のどちらに勝ってほしいですか。

自民党             29(34)30 27

民主党             56(45)61 51

その他の政党          11(17) 6 16

 (注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満、-は回答なし。無回答は省略。カッコ内の数字は前回12、13日の調査結果。

 ◇調査の方法
 16、17日の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査。有権者のいる1607世帯から、1009人の回答を得た。回答率は63%。


鳩山氏「期待せず」53%、民主支持31%…読売世論調査
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090518-OYT1T00005.htm

民主党新代表に鳩山由紀夫氏が決まったことを受け、読売新聞社が16日夕~17日に実施した緊急全国世論調査(電話方式)で、鳩山氏に「期待している」は40%にとどまり、「期待していない」が53%と過半数に達した。

 ただ、政党支持率は民主が30・8%と1週間前の前回(23・4%)から急増し、28・4%(前回26・8%)の自民を逆転。次期衆院比例選の投票先でも民主は41%(同30%)と自民27%(同27%)に大差をつけた。鳩山人気は高くないものの、「小沢問題」に一応の区切りをつけた民主党に期待が戻った格好だ。

 「麻生首相と鳩山氏のどちらが首相にふさわしいと思うか」では、鳩山氏42%が麻生氏32%を上回った。麻生氏と民主党前代表の小沢一郎氏を比べた前回は麻生氏40%―小沢氏25%。麻生人気の回復傾向は、公設秘書の政治資金規正法違反事件を巡る小沢氏への厳しい世論の裏返しに過ぎなかったとも言えそうだ。

 鳩山氏と、代表選を争った岡田克也氏とどちらが新代表にふさわしかったかを聞くと、鳩山氏28%は岡田氏54%に大差をつけられた。小沢氏が党内で引き続き強い影響力を持つと思う人は81%に達した。

 民主党が次期衆院選で政権交代を「実現できる」は31%で、「そうは思わない」が55%だった。比例選で民主党に投票すると答えた人でも、「実現できる」は58%だった。

(2009年5月18日00時12分 読売新聞)

2009年5月16日土曜日

【記録】 一ノ宮美成ブログ

 「一ノ宮美成の取材日記」というブログが、2009年5月16日に突然閉鎖をしている。この一ノ宮美成氏はグループK21の共同執筆者としても知られている人物である。


「一ノ宮美成の取材日記」というブログが、2009年5月16日に突然閉鎖をしている。この一ノ宮美成氏はグループK21の共同執筆者としても知られている人物である。

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ブログ閉鎖のお知らせ(5月16日)

当ブログは、作者の都合により終了しました。ありがとうございました。

2009年04月28日(火)

負債総額一兆円倒産企業説

株式市場に負債総額1兆円クラスの大型倒産説が流れている。“Xデー”近し、と見られているのは上場不動産会社。地価下落・資金調達難が続く中、手持ち不動産売却を急ぐが、購入時の4分の1の価格でも買い手がつかない状況という。経営者からは開き直り発言も飛び出す有様。

2009年04月22日(水)

総選挙は都議選とダブル選も

 注目の衆院の解散・総選挙の日程だが、ここへ来て、公明党が強く反対していた7月12日投票の都議会選挙とのダブル選挙もありうる情勢になってきた。というのも、都議会に22議席有する公明党は、重点区は10選挙区と上げているが、この中には二議席持つ大田区や足立区をふくむなど、従来から強いところ。つまり、都議選挙は、全員当選の盤石の大勢にあるということだ。そして、東京での小選挙区の議席は、太田代表の一議席だけ。同時選挙になっても、大勢に影響はないということになる。

公明党は、他の政党がどうであれ、学会票で当選できることから、ダブル選挙の覚悟も決めたようだ。いずれにせよ総選挙は、7月ないし、8月にはおこなわれる見通し。


2009年04月20日(月)

郵便不正のベスト電機めぐり怪文書

ダイレクトメール広告の郵便不正事件で、大阪地検特捜部は4月16日、広告主の家電量販大手(株)ベスト電器(福岡市博多区、東証1部上場、浜田 孝社長)の元販売促進部長、久保俊晴容疑者ら10人を郵便法違反容疑で逮捕した。同社が過去2年半で不正に免れた郵便料金は約13億円にのぼる。今回の郵便不正事件発覚を前にして、ベスト電器に関する怪文書が兜町、北浜周辺で流され注目を集めた。その内容は以下の通り。

 ~ベスト電器は、子会社であるイーベスト(インターネット通販・非上場)の株式を全額、(株)ストリーム(本社・東京、東証マザース上場)に売却したが、その経緯を巡って、今、関係者で話題になっている。というのは、ストリーム社はベスト電器の持分法適用会社(約30%株式保有、役員数名派遣)であると共に、売却価格4億5200万円が、イーベストの純資産から見て、“不当な売却”に当たり、当然、捜査、関係当局の目に留まるかと思われるからだろう。ベスト電器による、子会社の“不当売却”問題は、関係者によると、ビックカメラによる子会社同然の投資ファンドを利用しての不適正な会計処理と同じ構図であり、ストリームから利益を“上納”あるいは“還流”させる仕組みであるという。東証はこの件に関しビックカメラを管理ポストに移し、目下、上場廃止処分を検討している。ビックカメラのオーナーである新井会長は引責辞任したが、子会社“コロガシ”での利益操作に当局の目は厳しくなっていることから、今回はベスト電器による関連会社を利用した子会社“コロガシ”取引の帰趨が注目される。~

 (株)ベスト電器の業績は2008/2期連結売上4135億円が09/2期は3719億円に急落、最終赤字は08/2期56億円、09/2期30億円。07年のビックカメラとの業務・資本提携はなんら成果をあげられないまま厳しい業績が続いている。今回の不正DMは主に決算期の直前に送られており、広告費を圧縮する一方でDM効果によって売り上げを伸ばし、業績を上げようとしたとみられるが、決算を見る限りではさほどの効果はなかったようだ。いっぽう、イーベストの売却も21年2月期決算をしめるギリギリの時期に行われた。あの手この手で違法性の強い利益操作を行う背景には、ベスト電器経営陣の相当な焦りが垣間見える。


2009年04月17日(金)

郵便不正、政界人脈のキーマンは倉沢元会長

福祉目的の郵便割引制度を悪用していた郵便不正の政界人脈のキーマンは、「白山会」の前身、「凜の会」会長だった倉沢邦夫容疑者である。倉沢容疑者は、故川島正次郎自民党副総裁の秘書を経て、民主党の副代表・石井一氏の弟・一二元参院議員の公設秘書を務め、その後、「冬樹社」という出版社を経営。福祉郵便ビジネスである「凜の会」を立ち上げたのは、04年5月。石井一二元参院議員の公設秘書時代は、同元参院議員の投資会社の役員を務めていた。永田町では知る人ぞ知る人物で、政界では石井兄弟と密接な関係にあることで知られている。

 ところで、白山会」が民主党の牧衆院議員を応援していたことが分かったが、同議員は自民党の鳩山現総務相の元運転手。いまは、民主党の「娯楽産業議員連盟」の事務局長格にある。パチンコ業界の応援団体である同議員連盟は、さきの石井一副代表、小沢代表の側近・山岡国対委員長などが中心になっている。このため、永田町では、「牧議員は石井兄弟に巻き込まれた」という説もある。

その牧議員は、創価学会と仲がいい。また、その創価学会は、日本の歴代首相で関係が深い人物として鳩山一郎の名前を「聖教新聞」で取り上げたことがあるが、その息子である鳩山邦夫総務相も創価学会と仲がいいことで知られている。この郵便不正ビジネスでは、公明党の大阪府議会副議長の親族が経営する福祉施設の名前も報道された。 白山会は鳩山邦夫総務相の地元・東京都文京区にある鳩山御殿で知られる通称白山通りに隣接したところに事務所がある。倉沢容疑者は長年、永田町をわたり歩いてきた政界ブローカーである。それだけに人脈も、利権も輻輳しているようだ。


2009年04月16日(木)

郵便不正事件、背後に郵政0B人脈

郵便不正事件で大阪地検特捜部はきょう、家電量販大手のベスト電元部長、博報堂子会社の「博報堂エルグ」、広告仲介業者・ウイルコム会長、障害者団体・白山会の守田義国会長ら10人を郵便放違反容疑で逮捕、日本郵便の新東京支店の家宅捜索もおこなった。もともと、障害者団体の割引制度を悪用した今回のダイレクトメールビジネスは、民主党の牧衆院議員の支援者だった白山会の守田会長が手掛けたものといわれているが、背景にいるのは郵政OBだ。この郵政ルートにメスを入れなければ、事件を解明したことにならない。


2009年04月15日(水)

民主、第三者委は小沢引導渡しへの道

 民主党が11日発足させた、「政治資金問題をめぐる政治・経済・報道のあり方に関する第三者委員会」の目的はズバリ、小沢代表に辞任の引導を渡すための道をつくったものだ。

第三者委員会のメンバーは、飯尾潤・政策研究大学院大学教授(政治学)、元東京地検特捜部検事の郷原信郎・名城大学教授(弁護士)、桜井敬子・学習院大学教授(行政法)、服部孝章・立教大学教授(メディア論)の四人。

飯尾氏を座長、郷原氏を副座長に、5月までに6回程度の会合を開き、報告書をとりまとめるという。会合には民主党が参加せず、同委員会は民主党から一切の関与なしに独立して報告書をまとめるとしているが実のところ、この第三者委員会には裏があるのだ。

一つは、座長の飯尾氏は、21世紀臨調の主査を務めたこともあるいわゆる「改革」派。つまり、自民も民主も財界も労働界も仲良く、二大政党制で政治をやって行こうという考えの持ち主。

民主党による政権取りを狙う、小沢氏とは正反対の立場にある。しかも、表向きは民主から独立した機関を装っているが、事務局は、民主党の影シンクタンクといわれてる新日本パブリックアフェアーズがやっているのだ。同社は大手監査法人・新日本監査法人の子会社である。

このシンクタンクを民主党で担当しているのが仙谷由人氏だ。仙谷氏が小沢下しの急先鋒であることは周知に事実だ。そして、その仙谷氏ブレーンがほかならぬ郷原氏なのである。

二年ほど前、仙谷氏が開いたセミナーに郷原氏は、コンプライアンス問題で講師を務めた。東大法学部先輩・後輩という関係もあって仲がいい。21世紀臨調は、岡田元代表をはじめ、野田佳彦、玄葉幸一郎など民主党の「政治改革」派が参加しているところだ。

仙谷も旧社会党時代、「ニュウエーブの会」で、「政治改革」を推進した人物だ。いわば、21世紀臨調の旧社会党版の先駆けである。こうみてくると、第三者委員会の狙いは、小沢に代表辞任の引導を渡すための機関であることが見えてくる。

そして、7月解散・8月選挙に持ち込むというのが狙いのようだ、こうした民主党の水面下の動きに呼応するかのように、公明幹部が14日、山岡国対委員長が自民党の大島国対委員長に補正予算の早期成立に協力する見返りに、「話し合い解散」を打診していることがあきらかになった。

同日、公明党の太田代表はラジオ番組で、6月7日投票説は、7月の都議選と一カ月では短い、望ましいものではない、と8月以降の投票を主張した。こうした選挙日程が声高に叫ばれ、取引の材料になるなか、東京地検はそれこそ、「選挙妨害」ということで、二階ルートは断念せざるを得ないだろう。

今回の西松事件に関して政治と検察の歴史的対立論を唱える論者がいるが、たとえ、動機は金丸金脈の一掃という積年の課題にケリをつけるものであったとしても、検察また権力であり、政治や世論には勝てない。二階ルートについて、検察は、日程的にみても今週中にも最後の決断を迫られている。

2009年04月14日(火)

二階ルート、トーンダウン

民主党が揺れている。どんなに遅くても、秋には解散・総選挙がおこなわれる。

その前に総選挙がおこなわれることになった場合、どういう体制で臨んだらいいか、摸索しているようだ。というのも、秋田知事選挙は、当初から敗北するのは織り込みずみだったにもかかわらず、千葉での敗北と合わせメディアが「民主党動揺」と書きたてているからだ。

きょうの大阪朝日は、一面トップで大阪地検特捜部が摘発した郵便不正事件で、同党の牧義夫・衆院議員(愛知四区)が、関係先として捜索された東京の福祉支援事業団体・白山会側の立場でライバル会社を批判する国会質問をおこなっていたことをスクープ。

白山会会長は牧議員の長年の後援者で政治献金もしていたと報じ、同党にまたダメージを与えた。この郵政不正事件では、公明や保守系議員の名前もでたが、地方議員レベルの話。国会議員の不祥事とでは雲泥の差がある。

その一方で、西松事件の二階ルートの捜査は今週に入って急速にトーンダウンしている。まさに、「選挙妨害」ということなのだろう。

そんな中、新党日本の田中康夫代表が小沢擁護論を民主党の広報紙「プレス民主」17日号に寄稿した。田中氏は、自らは公明党の冬柴元幹事長の地元兵庫から、小沢代表は、東京の太田代表の選挙区からの出馬推進論者。しかし、いまの形勢からすると、田中氏の願望ははかない夢で終わりそうだ。


貧困ビジネス

 いまや日本は「桜」ならぬ貧困ビジネスが花盛りだ。最新のものは、郵便ポストに投げ込まれる「車庫付4LDK新築を購入して、借金を返済しよう」というチラシ。「家賃・ガレージ代・カーローン・借入れによる返済等、支出が多くてお困りの方、今すぐ当社営業マンにご相談下さい。車庫付4LDK新築を購入して、月々の支払いは、上記合算の支払いよりお安くなります。御相談内容は、秘密厳守します。なお、相談料などは、一切無料です。悩む前に、まずお電話を!!」。新築の家の月々の支払いは、家賃やカーローン、借金の支払い合計額より安くなるのというのが売り文句だ。借金抱えて困っている人が、新築の家を買った方が得になるなんて、俄かに信じがたい話だ。いったいどういうからくりになっているのか、わからないが、それは「いますぐお電話を!!」ということらしい。まさに、新手の貧困ビジネスだ。

 ところで、最近取材した「貧困ビジネス」は、ゼロゼロ物件といわれる「立ち退かせ屋」と派遣切り。今回は派遣切りのケースを紹介する。

たとえば、東海地方の大手自動車メーカーの子会社で派遣労働者として働いていた中年男性。他の派遣労働者とともに突然クビになり、この1月、寮を追い出された。「失業手当を」と工場のある市のハローワークに行ったが、「住所」がないということでまったく相手にされず。

出身地の大阪に戻ってきたものの住むところがなく、大阪駅前ビルで段ボール生活。「地下街は縄張りがある」といい、食料は、コンビニで買う一個百円のおにぎり。ただ、携帯だけは、仕事の情報を得るため絶対必要で「命綱」という。この中年の男性は、「クビになった子会社には、親会社の大手自動車メーカーから、社員がどんどん入ってきている。表向き、親会社は社員の首切りはないと言っているが、実際は子会社に回している」という。

20代前半の若者も昨年9月に派遣切りにあった一人。もともと大阪出身だが、身内はてんでバラバラ。友達の紹介で居酒屋で働いているが月収は5万円。住むところがなく、大阪・船場のオフィス街のビルに背もたれて寝ているという。この若者も、携帯は絶対必要で月1万円払うという。「ハローワークに行って仕事を探せばいいというが、そもそも履歴書を買うカネがない。マスコミは何もわかってない」。やはり、コンビニで百円のおにぎりを買うという。

 最後に、集めた空きを踏みつぶしていたホームレスの中年男性。「野宿している。時々土方に行っていたが、いまはなんにも仕事がない」。空き缶は、キロ60円で、一日6キロ集めるのが限界という。つまり、一日の収入は多くて360円ということだ。

2009年04月13日(月)

仁徳天皇陵って?

美しい緑に包まれた大仙公園(堺市堺区)はいま、花見客でごったがえしている。その大仙公園の向かいにひときわ巨大な大仙古墳がある。正式名称は百舌鳥耳原中陵というが、世界的には「仁徳天皇陵」として有名。

昔、小学校で大仙古墳は仁徳天皇の墓と習った人は多いはず。1600年以上前、仁徳天皇が百舌鳥野陵(もずののみささぎ)に葬られたという記述が日本書紀にあることがその根拠。しかし実のところ多数ある古代の天皇墓のなかで、「これは確かに○○天皇陵だ」と明言できる古墳はきわめて少なく、世界一の墓である仁徳天皇陵も本当は誰の墓か、よくわからないという。

大仙古墳の墓域面積は世界一である。墳長486m、前方部は幅305m、高さ33m。後円部は直径245m、高さ35m。三重の濠の外周は2.7kmにもおよび、その内側の面積はしめて46万m2もある。中国の始皇帝陵やエジプトクフ王のピラミッドより大きい。

ところが近年、この古墳は仁徳天皇が埋葬されたものではない、との説が有力となりつつあり、教科書や地図などでも仁徳天皇陵という表現が少なくなっている。「天皇陵の比定」といって、どの陵が○○天皇の陵かを決める作業が行われたのは江戸末期から明治時代にかけてのこと。

作業は当時の学問水準のもとで国がなかば強圧的に過去の天皇全員の比定を済ませた。だが、その後の学問の進歩で比定されたはずの天皇陵のうち、被埋葬者と古墳名が一致するものは5つほどしかないことが分かった。また、仁徳天皇より後に在位した履中天皇の陵が大仙古墳より先に築造されたことも判明している。だが、国(宮内庁)に明治時代の比定を改める考えはない。仁徳陵に対する発掘調査どころか、考古学者の立ち入りすら一切拒否しているため、学術上ここが仁徳天皇陵であると確定することは今のところ不可能である。したがって、現在多くの教科書では単に大仙古墳と記述されているにとどまる。

一方で国は、「陵墓参考地」なるものも定めている。これは「天皇の墓ではないかと見られる古墳」のことで、全国に200カ所ほどある。全員の比定を終えているはずなのに、どう考えても矛盾している。これは、国の自信のなさの表れだ。

いまの大仙古墳は最も墳丘に近づけるのは正面の拝所まで。そこは二重濠の外側なので実につまらない(写真)。何も知らなければ余りにも大きいただの丘にしか見えない。それでも江戸時代までは自由に出入り出来て人々は酒宴を催したらしい。なぜか外国の博物館には仁徳天皇陵発掘の“鏡”が展示されているというから盗掘もされていたのだろう。

なお、堺市では大仙陵古墳を含む百舌鳥古墳群をユネスコの世界遺産に登録する計画が持ち上がっているが、こちらも実現見通しはたっていない。登録条件である「当該国又は地方の法令による確実な保護管理を担保すること」を満たしていないため。つまり文化財保護法に基づく国宝・特別史跡や自然公園法に基づく国立公園なら問題はないのだが、大仙陵古墳はあくまでも皇室の財産だから。また、これを文化財同様に扱うことへの反対意見も多い。

宮内庁はかたくなに、「尊厳を守る」との立場で学者の立ち入りさえ認めないようだが、間違っている可能性が高い比定を放置することの方が尊厳を汚していることが分からないのか。誰だって自分の墓に他人の名前が付けられていたら怒るだろう。世界一の墓が誰の墓かも分からないなんて日本の恥だが、宮内庁が発掘調査にゴーサインを出す日は遠い未来のことだろう。宮内庁の役人というのは、まこと“役に立たない人”だ。

2009年04月12日(日)

東京地検、久間元防衛相秘書ら聴取

西松事件で東京地検特捜部は、久間元防衛庁長官秘書ら、旧経世会(のちの橋本派・平成研究会)関係者からも事情聴取したようだ。

関係者によると、今回の西松事件のルーツは、04年7月発覚した日歯連ヤミ献金事件。

日歯連ヤミ献金事件とは、01年7月2日、東京都内のホテルで橋本龍太郎元首相、野中広務元自民党幹事長、青木幹雄自民党参院幹事長の三人が、日本歯科医師会の臼田貞夫会長から1億円の小切手を受け取った。

この1億円について、臼田会長は領収書の発行を要求したが、橋本派側は02年3月13日の橋本派幹部会で領収書を出さず収支報告書に記載しないことを決めた。この問題は04年7月、日歯連の不正会計問題に絡んで発覚。橋本派は収支報告書を訂正し、橋本は橋本派会長を辞任した。

 その後、臼田会長と平成研究会の会計責任者・滝川俊之氏が政治資金規正法違反で逮捕され、臼田は懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が確定。また滝沢氏も禁固10月、執行猶予4年の有罪判決が確定した。この時、滝沢氏が旧経世会の裏金全てを吐いたとされ、今回の事件につながったという。

同事件は、滝川氏の証言で、当時入院していた橋本元首相を除く橋本派幹部会が02年3月13日開かれ、村岡兼造橋本派会長代理、野中事務総長、青木参院幹事長、上杉光弘元自治相の4人が出席。その場で、選挙年でもあり、多額の献金は目立つので領収書を発行しないことを村岡会長代行の主導で決めたとした。

このため、村岡が在宅起訴されたが、橋本、青木は証拠不十分で不起訴となり、野中は関与しているが積極的でないと、起訴猶予になった。

これについて、検察審査会は、05年1月、橋本、青木、野中の三氏に対する検察の「不起訴不当」との議決を出した。橋本にたいしては、監督上の過失、日歯連から直接現金を受け取ったことを上げた。元首相が現役の国会議員いうことも、国民は納得しないとした。

青木・野中については、領収書不発行・収支報告書不記載を決めたこと、日歯連との会食に参加していたこと、野中は、滝川氏の上司で平成研事務総長だったことなどから、「不起訴不当」とした。しかし、結局は三人とも不起訴となった。


2009年04月11日(土)

番匠・初代イラク派遣隊長来年参院出馬か?

2004年1月、第一次イラク復興支援隊群・群長として

自衛隊イラク派兵に指揮官として参加した陸上自衛隊の番匠幸一郎現陸上幕僚監部防衛部長が来年7月の参院選へ出馬の動きを見せている。

近々、「番匠防衛部長を支える会」が発足、パーティーを開催予定。番匠氏は、イラクから帰った翌05年に、イラクでの実績を「勲章」に陸将補に昇任。07年に久留米にある陸上自衛隊幹部候補生学校長、先月24日付で陸上幕僚監部防衛部長に就いた。同氏は00年に同防衛部防衛課防衛班長を務めている。年度変わりに東京に帰任した番匠氏は8日、衆参国会議員会館の自民党議員の部屋などへあいさつ回りをした。

番匠氏の東京帰任をまつかのように「番匠氏を支える会」の旗揚げが待っていた。現職幹部自衛官を「支える会」など前代未聞。このため1年3ヵ月後にある参院選挙への番匠氏の出馬が取りざたさてれている。自民党は07年参院選で、陸自イラク先遣隊長、初代イラク復興業務支援隊長の佐藤正久氏を全国比例で公認し、当選させ、制服組出身参院議員を復活させた。参院での勢力挽回をはかる自民党にとって自衛隊関連票で、1議席を確実にしたいところ。白羽の矢が番匠氏に向けられている、というわけだ。

ただ、番匠氏は防衛大同期の先頭を切って昇進を重ねており、近い将来の制服組トップの統合幕僚長を確実視される存在。一参院議員にとられるのは自衛隊にとって痛手の声もある。

2009年04月10日(金)

佐久間特捜部長と司法クラブが9日夜、飲み会

小沢一郎公設秘書逮捕、二階俊博国土交通大臣の政治資金規正法違反をめぐる捜査で注目の東京地検の佐久間達哉特捜部長は9日夜、司法記者クラブの番記者と懇親の飲み会を開いた。

二階への強制捜査が取りざたされる真っ只中の特捜部長懇親会は異例のことだ。

小沢捜査をめぐっては、その「政治的捜査」によって検察批判がヒートしている。小沢捜査で政治資金規正法の違反容疑では従来にない形で強制捜査委に及んだとは、特捜検事出身の宗像紀夫や郷原信郎らが指摘しているところだ。政権交代なるかといわれる解散総選挙を目前に民主党へのダメージをはかった、と政治検察批判が有識者を中心に広がっている。当初、予定になかった二階関連捜査に乗り出したのも「偏った検察捜査」批判を回避する思惑から、と見られる。異例の昨夜の飲み会も司法メディアをなだめる効果を狙ったものだろう。

2009年04月09日(木)

古賀氏、早期解散説で検察を牽制

自民党首脳が盛んに解散風を吹かせている。古賀選対委員長が6日、10兆円の補正予算成立前の解散を唱えれば、きょうは武部元幹事長が「解散するなら今だ」と発言、5月5日解散、24日投票説まで出ている。昨夜あった古賀派のパーティーでは、今井敬・元経団連会長までが、「解散・総選挙はできれば早い方がいい」とまで注文する始末だ。

しかし、細田幹事長は。「任期は9月まである。景気対策をやって成果を見てやりたい」と、早期解散に否定的な発言をした。実際の現場を見ればどうかというと、たとえば、政局になっている二階氏の地元和歌山では、5月解散ならすぐにも来るはずの秘書が一向にその気配がない。

おそかれはやかれ9月には任期満了になるわけだから、いまから全力疾走してもおかしくない。それどころか、この三月までは任期満了直前解散が支配的だった政界に、活を入れるということで解散風をあおっているというのが真相だろう。

 それに、麻生の支持率がアップしたといっても、バラマキと敵失によるもの。依然として超低空飛行であることには変わりはない。もう少し様子を見て、というのが麻生の本音だろう。

ところで、政局になった西松問題だが、連日メディアは「朝日」を除き、二階氏周辺の事情聴取を報じている。今週中にも強制捜索を唱える政治部記者もいる。

社会部記者ではないから、丸のみはできないが、そう言うほどのところまで捜査は来ているということなのだろう。

さて、ここから、裏世界の話になるが、古賀氏と二階氏とは兄弟分の関係にある。ついでに言えば、古賀氏はあの野中氏を師匠として仰いでいる。

三角同盟の関係にあるわけだが、深読みすれば、古賀氏の早期解散説は、二階ルーつぶしの検察への牽制とも受け取れる。選挙ともなれば、現職大臣に検察は手を出せない。

なにやら、出来レースの捜査であり、解散風吹かせのようでもある。「朝日」が、二階ルートに沈黙しているのは、「小沢と二階は全く別もの。バランス論ではない。二階は選挙後になる」とのスタンスを取っているからという説もある。

その二階氏の地元、和歌山県警は、選挙違反対策本部の部屋を確保した。選挙は勢いである。みんな、解散話にあおられて、なにがなんだかわからないまま、走ってしまい、結果として解散ということがある。正直なところ、解散・総選挙も二階ルートも先が読めない。ただ、言えることは15兆円の見せ金だけで、即解散となれば、二階ルートがつぶれることだけは間違いない。東京地検特捜部は、小沢に続き、二階でも大敗北するということになるのか、これまた見物だ。

2009年04月08日(水)

橋下知事、女性事務員同乗させ視察旅行

大阪府の橋下知事が、自分の法律事務所の女性事務員らと、公用車で視察旅行をしていたことがわかった。橋下知事はこの2月21日と22日、滋賀県と福井県の視察に出かけた。滋賀県で日本財団主催の「アメ二ティー・ネットワーク・フォーラム」に、滋賀、京都、高知、佐賀県知事とともに参加し、同知事は最近の売りである「霞が関」批判をぶち上げ、いわゆる道州制と一体になった「地方分権」である財源の地方への移譲を主張した。

この日の知事公用車の業務日誌によると、乗員は三人。知事、川崎特別秘書、それにSP。この夜、次の視察地である福井県敦賀市の敦賀観光ホテルに宿泊している。

ところで、翌22日午前8時30分、その敦賀観光ホテルを出発した公用車の乗員は3人から5人に増え、敦賀市の若狭湾エネルギー研究センター、小浜市などを視察し、知事を自宅に届け、公用車が府庁に戻ったのは、夜8時過ぎとなっている。

増えた2人は誰なのか。府関係者によると、知事の法律事務所の女性事務員と私設秘書の奥下剛光氏だという。

この日、公用車がホテルを出たのが午前8時30分だから、女性事務員と奥下秘書の二人が朝早くから、特急「サンターパード」に乗って敦賀観光ホテルに来たとはとうてい思えない。また、早朝から車を飛ばしてきたとも思えない。前夜、ホテルで知事と落ち合ったとみるのが自然だ。

知事とこの女性事務員の関係がどれほどのものであるか伺いしれないが、女性事務員は公務とはまったく無関係。そうした女性を公用車に同乗させ、視察という名の観光旅行を楽しんだということになる。府民から選ばれたんだから、その府民の代表がやっているのだから、例のごとく何の文句があるのかと開き直りそうだが、ここまで府政私物化を助長させた与党とメディアの責任は大きい。

2009年04月07日(火)

麻生支持率10ポイントアップ

民放テレビ各局の世論調査で麻生内閣の支持率が10ポイントアップした。同時に不支持率が減少した。北朝鮮のロケット騒ぎ、二回にわたる千円高速道路料金の実施、定額給付金などバラマキ効果に加え、西松問題で民主党の小沢代表が辞任しないことなどが影響しているようだ。

反対に民主党の支持率は落ち込んでいる。ただ、基本的には麻生人気は超低空飛行だから、この先どうなるかわからない。合わせて、自民か民主の二者択一調査であるところから、こうした日本のメディアの世論調査の信頼度には、疑問を持って臨むことも必要。ちなみに、日本テレビの世論調査結果を以下、参考として挙げておく。

日本テレビ  4~5日調査
世帯数 1004 回答率56・57%

麻生内閣 支持 28・2(前回18・8)
       不支持 54・4同67・1)
 
支持政党  自民 34・9
         民主19・0

次の総選挙でどちらに議席が伸びて欲しいか
       自民中心の与党  39・6
       民主中心の野党  37・3

総理にふさわしいのは
      麻生 12・5
      小沢  4・6

ところで、二階ルートの捜査だが、4日付毎日朝刊が「スクープ」を飛ばした。

記事どおりであれば贈収賄事件となる。これまで、関西空港利権をめぐっては、「与党関西国際空港推進議員連盟」(中山太郎会長、69人)所属の自民から公明、当時保守新党だった二階氏まで26人の議員が受注したゼネコンから三年間に総額3596万円の献金を受けている。

さらに、JV代表12社だけで自民党の政治資金受け皿団体・国民政治協会に4年間で6億6792万円円もの政治献金をしている。

うち、西松は1割の6759万円を占めている。もし、毎日の「スクープ」どおり、東京地検が関空問題で二階ルートをやるとすれば、関空二期工事の護岸工事で、秘書のペーパー会社を介在させ契約を9回も変更、80憶円かさ上げし、コンサルタント料5千万円を受け取った久間章生元運輸相問題はどうなるのかということになる。

贈収賄事件ともなれば、あっせん利得罪ということになるが、こうなると運輸省関係者まで話が広がり、関空大疑獄事件に発展してしまう。いまの東京地検特捜部らはそんな意欲はもちろん、能力もない。

毎日の「スクープ」には、どの社も後追いせず、完全に無視を決め込んだ。嘘かまことか、巷間、名物記者の持ち込みネタといわれている小沢ルートに熱心だった朝日の二階ルートでの沈黙ぶりは、不可解すぎるほどだ。

ただ、二階ルートの容疑が政治資金規正法違反ではないことだけはあきらかになった。いま、地検は国交省の役人を含め、連日、呼び出し、事情聴取。二階ルートの落とし処を詰めているという段階だろう。北朝鮮ロケット騒ぎが一段落したいま、特捜がどんな引きネタで二階ルートの決着をつけるのか、大いに見物だ。


2009年04月05日(日)

2009年度業界別大胆予想

日銀が4月1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は最悪の数字だった。景気判断の目安となる大企業製造業の業況判断指数(DI)が6四半期連続で悪化しマイナス58になった。これは第一次オイルショック時の75年5月調査(マイナス57)を上回る過去最悪の水準で改めて不況の深刻さを実感させられた。産業界の一部には「在庫・生産調整を終えた」との声があり、底入れ感もただよう。ただ、本格的な回復軌道に乗せるには、内需・外需とも好転材料に乏しい。国際通貨基金(IMF)も近く公表する世界経済見通しの改訂で2009年の日本の実質経済成長率を5.0%のマイナス成長へ下方修正する方向で検討している。今年度いっぱい日本の景気は低空飛行を続けるだろう。そこで、独断と偏見で主な注目業界の今年度の動きを予測した。

●流通業界
11年連続で前年同月対比売上減少が続く百貨店に今年度も好転材料はない。背に腹は代えられず、プライドをかなぐり捨てての安売り合戦がエスカレートする。各社ともまさに生き残りへの正念場。これまで再編に積極的な動きを見せなかった、業界の雄・高島屋主導による業界再編が実現してもおかしくない状況だ。

●航空業界
ずばり、JALとANAが経営統合へ。世界的な旅客需要の低迷は回復気配が一向に見えない。ANAは今すぐ慌てる状況にはないが、JALは昨年の原油価格高騰の後遺症もあり、経営体力消耗が著しい。JAL救済策はANAとの統合しかないだろう。こうなると話は官主導になる。早くも官僚は統合会社の会長のイスを狙っているとの話もささやかれている。ここでも官僚は焼け太りを画策するのか。国土交通省の動きも注視。

●電機業界
大手メーカーは総崩れ。各社とも派遣・正社員問わず仁義なきリストラと公的資金投入で生き残りを図る。そうしたなか、とりわけ注目されるのはパイオニア(東証1部)。08年3月連結決算は179億円の赤字。大手で唯一黒字の三菱電機がパイオニアのカーナビ部門買収?との噂も飛び交う。

家電小売業界では、ヤマダ電機。過去のダイエーのように、企業規模の拡大一途で生き残っているようなもの。09年末にも中国へ進出する計画の成否に注目したい。

●建設・不動産業界
今年度も業況は土砂降り。住宅着工戸数の大幅な前年割れが続くなか、経営破たんが相次いだ08年度に続き、破たん続出は避けられない情勢。

有価証券報告書にゴーイングコンサーン(企業継続の疑義)が付記されている、塩見ホールディングス、コマーシャルアールイー、エムジーホーム、フージャースコーポレーション、ジェイオーグループホールディングス、昇電舎、飛島建設、ビーアールホールディングス、セイクレスト、旭ホームズ、富士ピーエス、東邦グローバルアソシエイツをはじめ、若築建設、大末建設、日特建設、穴吹工務店、鴻池組、東海興業、村本建設、栗本建設工業、森ビル、東栄住宅、アルデプロ、コスモスイニシア等等、業界が注目する銘柄はきりがない。次に経営破たんがする大物はどこか。

●金融業界
メガバンク3行が09年3月期決算でそろって大幅赤字に転落する。大手行でさえ世界的金融危機で喘ぐなか、地方銀行の状況は惨憺たる有様だ。とにかく貸出先がない。ということで地方銀行の再々編は避けられない。西日本シティ、親和、東北、関東つくば、大東、福島、宮崎太陽、豊和、東和、南日本、熊本ファミリー、福岡中央、もみじ、岐阜、きらやか、高知銀行あたりが再編の目玉。

そういえば、外資系のあおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)の新たなスポンサー探しもそろそろ決着がついてもよさそうだが、この情勢ではたして手を挙げる企業があるのか。

ノンバンクではアイフル、武富士が独立路線を貫けるか?。

●新聞・出版業界
打つ手無くひたすら凋落あるのみ。新聞大手4紙は赤字に転落へ。大手紙初の夕刊発行停止が現実味を増す。出版界では、かつての有力雑誌が引き続き廃刊ラッシュ。


著書紹介

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みのもんた氏の水道会社関西支店は和歌山

二階氏がらみの水道つながりで、テレビ業界のタブーにして超大物有名人とは、みのもんた氏のことである。

07年12月8~9日、中国通の二階氏が訪中時に、みの氏が同行するなど、しばしば一諸に中国を訪れることで関係者の間では有名だ。その、みの氏は知られている通り、父親もがやっていた水道メーター製造・販売会社「二ッコク」に、文化放送退社後入社し、10年間全国を営業で回った。

そして、99年10月、「二ッコク」の代表取締役に就任。同業の愛知時計会社の5パーセント(時価総額7億5千万円)を所有し、同社第二位の大株主になった。しかし、スキャンダル続きで、03年には談合で追徴金7500万円、和解金3900万円を支払った。04年、再び他のメーカーとの談合で刑事告発。別口の談合で家宅捜索を受け、05年2月、追徴金400万円を支払った。

 また04年7月、二ッコク、愛知時計他17社は、03年から07年にかけて都水道局発注の水道メーター買い入れにかかわる談合で公正取引委員会から排除勧告。東京都は各社に賠償請求した。その後、水道局広報誌「水道ニュース」07年5月号で、みの氏と御園良彦都水道局長が対談。同年10月、みのもんた氏は東京都から東京五輪招致大使に任命された。みの氏と石原都知事の関係は濃密とされ、みの氏の長男の結婚披露宴には、石原伸晃衆院議員、二階氏らが出席。衆院議員・御法川信英氏は遠縁に当たる。 

さて、話を水道つながりに戻すと、二ッコクの関西支店はなんと和歌山県岩出市にあるのだ。ここは、二階氏の地元ではなく、和歌山二区の石田真敏氏の選挙区だが、なぜ、東京本社の二ッコクの関西支店が大阪ではなく、和歌山なのか。隣接の奈良県香芝市でおこなわれた入札に、他社は大阪にある関西支店が参加しているのに、なぜか、二ッコクだけは岩出市に所在地がある関西支店が落札しているのだ。水道つながりなのかどうか、昵懇の二階氏が仕切る和歌山に関西支店を置くなど、なかなかのものだ。第一、岩出市は二階氏が第二期工事を仕切った大規模プロジェクト関西空港の地元圏なのだ。

2009年04月04日(土)

英臣氏、矢野氏の会社から給与

 二階氏チルドレンの矢野隆司衆院議員は、まるで二階氏の分身のようだ。というのも、すでにあきらかになっているように、関西新風会の政治団体届け出の住所は、ファミリー企業の矢野興産で、電話と机がおかれていたのは、同じ大阪駅前第三ビルの部屋で、矢野氏自らの事務所所在地だつた。そしてさらに、同じ部屋には、水道工事設備会社の「大成水工」が存在するのだ。矢野氏は同社の現役役員を務め、関係者によると、同社はくだんの金庫番・英臣氏に給与を支払っているというのだ。その額は、年間二、三百万円。その矢野氏は、自民党政調会・「水と安全保障研究会」の中心メンバーでもある。同氏は昨年4月開かれた「関西ウォータークラブ」で、「水道を中心とした国政の現状について」と題して講演したが、要するに水道産業利権である。

 ちなみに、矢野氏を筆頭にした二階チルドレンは、国から和歌山県に港湾課長としてきていた二階派の政策集団「新しい波」の前会計責任者・泉信也参院議員など、現職グループは二階氏を含め16人。海部俊樹元首相、井上喜一衆院議員、愛知和男衆院議員、江崎鐡麻衆院議員、、松浪健四郎衆院議員、鶴保庸介参院議員、金子善次郎衆院議員、井脇ノブ子衆院議員、藤野真紀子衆院議員、伊藤忠彦衆院議員、長崎幸太郎衆院議員、川条志嘉衆院議員、清水清一郎衆院議員。顧問は佐藤敬夫元衆院議員、西川太一郎元衆院議員、藤野真紀子衆院議員の夫でもある藤野公孝元参院議員。それぞれ、「新しい波」の献金者でもあるが、鳩山邦夫の元秘書で愛知県選出の馬渡龍治衆院議員も10万円献金したことになっている。これだけの議員を抱えるわけだから、二階氏が途方もない銭ゲバにならざるを得ない理由もわかる。

 ところで、二階氏の分身、矢野氏の水道屋繋がりなのか、和歌山ににあのテレビ界のタブーである超有名人の影が登場するのだ。なぜ、東京から遠路はるばる和歌山なのか、この有名人と二階氏との関係が大いに気になるところだ。

2009年04月03日(金)

二階ルート、来週にも着手か

 西松建設がらみで東京地検特捜部が捜査をすすめている二階ルートで、二階氏の金庫番で実弟の英臣氏は、すでに同特捜部の事情聴取を受けた模様だ。

また、潜伏場所だった東京・青山のマンションは、NHKの直撃取材を受けたため引き払い別の場所に移った。特捜部が英臣氏をマスコミから引き離すため、とった措置とみられている。すでに、来週にも強制捜査に乗り出すとの情報も出ている。このため二階氏は、「弟だけはかんべんしてほしい」と漏らしているといわれているところから、政局そのものになった西松事件は、二階氏の経産相辞任がらみで急展開する様相を見せ始めた。

予想どおりであれば、古賀選対委員長がぶちあげた、5月解散、6月7日投票が現実味を帯びてくることになる。二階氏が辞任となれば、民主党の小沢氏も辞任せざるをえなくなる。

自民党としては、西松問題に早く決着をつけて、それも民主党に打撃を与えて解散・総選挙に臨んだ方がまだましとの判断が働いたと見られる。

なお、二階氏関連の地元和歌山の業者とは、住友金属和歌山工場の元請け運送業者・湊組のこと。同社の笹本誠昭社長は、和歌山市新風会の会長で、さきごろ西松建設の二階ルート発覚で中止になった政治資金集めパーティーの主催者だった人物。

東京地検特捜部がさる97年1月、当時関西空港株式会社社長だった服部経治氏を収賄で逮捕したいわゆる石油卸商・泉井(純一)事件で、「関空二期工事で、土砂の掘作と運搬に、住友重機を使うよう服部社長に頼んで欲しい」と、泉井氏に依頼したとして、家宅捜索を受けたことがある。


2009年04月02日(木)

二階チルドレン、矢野隆司衆院議員

 西松建設をめぐる二階ルートで代議士の名前が浮上してきたと報じたが、その人物は衆議院近畿比例ブロック選出の矢野隆司衆院議員である。

二階氏の金庫番で実弟・英臣氏が資金集めの拠点にする関西新風会の最初の届け出所在地は、大阪市北区梅田一丁目一番3―2700の矢野興産内だった。

この矢野興産は不動産業を主とした会社だが、矢野議員も役員を務めていた矢野ファミリーの会社だった。同じフロアに、これまた矢野ファミリーが経営、矢野代議士が会長をしていた水道設備会社「大成機工」があり、さきの「関西新風会』用の机と電話だけが置かれていた。

この大成機工内には、矢野衆院議員の事務所もおかれている。しかし、報道であきらかになったように、関西新風会の実際の事務所は、大阪市西区立売堀3-2-19、南海シティハイツ立売堀401号室にあり、事実、「関西新風会」の看板も出していた(2月末退去)。ここが英臣氏の実際の活動の拠点だったわけである。この事務所の所有者は、西松建設の関連会社でコンサルタント会社の「オーエーエンジニアリング」(東京)。購入資金は西松建設が出した。また、事務所改装費四千万円も西松建設が出した。

 ◆その後、英臣氏とオーエー社との間に年間280万円の賃貸料契約が結ばれ、それ以前は不明だが、西松建設和歌山支店と同じビルにある自民党和歌山第三支部(二階俊博支部長)から06、07年の二年間オーエー社に支払われていた。この家賃の肩代わりをしていたのが西松建設で、同支部の収支報告では、西松建設の社員と家族60人の名義で五万円ずつ、計300万円を献金していた-というのが、関西新風会をめぐる西松建設の裏献金ルートの一つだったというわけである。

 さて、矢野氏は、関西学院大学卒、神戸新聞記者を経て衆院議員になった二階チルドレンの一人だが、二階氏の政策集団「新しい波」に、井脇ノブ子、川条志嘉、松浪健四郎、藤野真紀子、鶴保庸介、金子善次郎、泉信也など二階チルドレント呼ばれている議員や周辺の議員たちとともに献金している。「新しい波」は、大成機工からも60万円、矢野興産からも30万円の献金を受けている。新しい波には、西松建設のダミー団体・新政治問題研究会から120万円、未来産業研究会からも60万円の献金が入っている。

◆ところで、なぜ、いま、実弟の英臣氏かといえば、常に、その趣旨は別にして、カネの受け渡しの現場にいたからだという。筆頭秘書の長田氏は、公共事業の段取りをする役割を果たすが、カネの受け渡しの場面には顔を出さなかったという。もともと、二階氏が誰かから、その趣旨は別にして、カネを受け取る際、その場面に弟の英臣氏か立ち会うことが多かったという。こうしたことから、捜査当局も、完全に口を割った西松建設の国沢前社長の供述から、英臣氏の方が狙い安いと見て、今盛んにリーク情報を流しているのである。つけくわえれぱ゛冒頭の矢野議員のほか、もう一人、地元業者の名前も浮上してきている。それにしても、二階氏の人脈は深くて長い。それも複雑に絡み合っている。その分、ことと次第では奈落の底に落ちてしまうケースもある。


2009年04月01日(水)

二階氏の金庫番、東京・青山に潜伏か

 東京地検特捜部が狙っているとされる二階氏の金庫番である実弟の英臣氏は、関西を離れ、東京・青山のマンションに潜伏している模様。かくまっているのは、二階チルドレンの代議士と地元和歌山の土建業者といわれている。

2009年03月31日(火)

二階ルートは実弟英臣氏

 東京地検特捜部が二階ルートの突破口にしたのは、二階氏の実弟で金庫番の二階英臣氏。早朝から、メディアか゜大挙して和歌山におしかけている。二階氏は、業者から直接現金を受けることが普通で、英臣氏はその場に居合わせることがおおかった。また、本人も金集めのため大阪に西松の資金で事務所を持っていたことは報じられた通り。英臣氏の関西新風会をめぐっては、二階チルドレンの近畿比例区自民党衆院議員の名前が挙がっている。

大阪府庁WTC移転否決の波紋

「大阪・南港の起爆剤になると思っていたが残念だ」

 3月24日未明、橋下徹知事が一つ覚えで推進していてきた大阪府庁の大阪・南港WTC移転構想が知事与党を含む反対多数で、それも大差で否決された。冒頭の談話は、関西財界がこれまで進めてきた埋立地「大阪湾ベイエリア開発」のシンボルだった大阪市の第三セクター・WTC(ワルードトレンダービル)への移転のため橋下知事の手腕にかけた関経済連合会の下妻博会長の談話で、今回の移転が府民が望んだものではなく、関西財界の要求だったことがはしなくもあらわしたものだ。

 総事業費2兆2000億億円をかけたWTCをはじめとする大阪湾岸開

発はことごとく破たん、大阪市が5兆円もの巨額の借金を作り出す最大の要因になった。1193億かけて建設したWTCも一時破たんに陥り、二次破綻も時間の問題だった。そして、大阪府の移転否決が決まると、すぐさま会社更生法を申請、巨額借金のつけは大阪市、つまり市民にまわされることになった。そこに昨年2月登場してきた橋下知事を「組み安い」知事と見た関西財界が、かっては大阪オリンピック誘致名目で、今度は、長年の野望であった道州制の首都にするという大義名分で、府民はもちろん、府民から選出された府議会の頭ごしで、大阪市の肩代わりを大阪府に担わせるためメディア先行の世論操作で進めてきた。

 しかし、一方で府民福祉・教育切り捨てで府民の不満が高まり、私学助成の大幅削減で学費が高くなったため定時制高校に志願者が殺到し、定員を200人近くオーバーするこれまでにない事態が生まれた。もともと、大阪府は府立高校を毎年つぶし、定時制も廃止ししてきたため、収容人員が極端に少なくなっていた。こうしたことで、橋下「改革」は、従来の与党の支持基盤も直撃した。

 それで、与党内にも議会や議員を無視した橋下知事のメディアを利用した好き勝手放題は許されんという不満がくすぶり、百年に一度の大計である府庁舎移転計画を契機に一機に不満が爆発、今回の反対決議に至ったというわけである。「移転先は埋立地で、毎年地盤沈下しているところ。液状化現象が起きて、いまでも陸の孤島なのに最大の災害地になる恐れがある。本来、大災害時の司令塔になるべき南港の府庁が逆に一番先に救助に対象になる」という、府議会の論戦で防災上の重大な欠陥が次つぎ明らかになり、府議会が否決の方向に傾く原因になったことはマスコミも認めている。

 幹部職員は「これで橋下知事に一矢を報いた」と喜び、庁内には安堵の声が広がり、議員もまたあっちこちで「よかった」と声を掛け合い、中には引退した議員まで府議会を訪れ、「ありがとう」と感謝のあいさつをして回るほどだった。

 最大の眼目だった府庁移転問題で、与党にも見放されたわけだから、これまで独裁的府政運営をしてきた橋下知事の求心力は急速に弱まることは必至だ。そういう意味では、今回の否決は橋下府政のターニングポイントになったといえる。極論すれば、橋下知事にはもう何もやることはない。府庁にいても勝って気ままにふるまうことができなくなったから、正味期限が切れないうちに国政に転身した方が得策と考えても不思議ではない。でないと、口利き利権あさりでそれそ塀のの中に落ちかねないことがぞろぞろ出てきているからだ。合わせて、「おもしろければなんでもいい」と、嘘でもなんでも橋下知事の言い分を垂れ流してきたメディアのポピリズム報道も、また、世論の前に惨敗したことになる。橋下知事と同様、おごりたかぶった高給サラリーマンのテレビ局社員や新聞記者も、世間知らずの無知ぶりをさらけだしたわけで、これまた敗北したことになる。いま一度、メディア本来の任務であるチェック機能を果たすべき転機とすべきだろう。でなければ、視聴者離れ、読者離れは加速度的に進むことになるだろう。


2009年03月30日(月)

日本振興銀行SFCGの債権二重譲渡否定

民事再生手続きを申し立てた商工ローン大手・SFCGが東京地裁の決定で破産手続きに移ることになり名実ともにSFCGは消滅することが確定した。そのSFCGの元社員たちが大挙して日本振興銀行(木村剛会長)に転職しているという。

同行は、SFCGから商工ローン債権を数百億円規模で譲り受けたことが明らかになっている。しかも、SFCGはかなりの債権を二重譲渡したことも判明した。これが裁判所の逆鱗に触れて今回の破産手続きに向かうことになった。

一方3月25日、日本振興銀行は「SFCGから買い取っていた貸出債権に関し、1カ月余りにわたり広範かつ詳細な調査を行ったが、ただの1件も二重譲渡の事実は確認されなかった」との奇妙な調査結果を明らかにしている。


2009年03月28日(土)

二階ルート情報飛び交う

 東京地検特捜部が摘発した西松建設がらみの政治資金規正法違反事件で、二階経産相ルートに関する情報がとびかっている。狙いは二階氏の地元・和歌山県御坊市にある二階新風会で、会計責任者の名前が取りざたされている。また、地元和歌山のゼネコンの名前も飛び交っている。


2009年03月27日(金)

古賀氏、橋下知事に衆院出馬要請か

 大阪府の橋下知事はきのう26日午後、内閣府地分権改革推進委員会に出関するため上京したが、その際、自民党の古賀選対委員長に会った。たんなる「あいさつ」ということだが、同委員長サイドが5月解散、6月投票の総選挙を打ち上げたばかり。一方の橋下知事は、一つ覚えで推進してきた大阪府庁の大阪・南港のWTCへの移転案が24日未明の府議会本会議で大差で否決されたばかり。期待を寄せていた下妻関経連会長ら関西財界首脳から一斉に落胆の声が上がった。

福祉・中小企業予算削減も与党の要求で修正を迫られるなど、これまでの独裁的府政運営に初めてブレーキがかかった。もともと、橋下知事の狙いは、国政への出馬で府知事はその足ががりと言われてきた。

文科省や国交省に対する「馬鹿」呼ばわりや「詐欺師集団」呼ばわりも、「自分を高く売りつけるためのパフォーマンス。比例区の指定ポストと閣僚ポストが狙い」(府政記者)と見る向きが多い。

実際、知事就任直後、やり玉に挙げられたNHKは、その後、知事と和解。昨年6月の財政再建プログラム案では、作成のために奮闘する姿を特集として報道し、橋下知事を持ちあげた。

このころから、NHK関係者は「橋下知事は国政に出るので、うちは一切批判的な報道はできない」と語っていた。このため、26日の古賀訪問は、時節柄、衆院選がらみではないかとの憶測が飛んでいる。

特捜部、国交省幹部ら聴取

 西松建設がらみの政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が連休中の20、21、22日の三日間、国交省の役人を次つぎ呼び出し事情聴取していたことがわかった。特捜部の狙いは小沢代表の秘書・大久保被告の罪状に、あっせん利得罪、ないし、談合罪などを積み上げて起訴したかったようだ。しかし、役人側からすれば、自ら手を貸したことになり、口を割らなかったため政治資金規正法違反という形式犯だけでの起訴になった。

一方、国交省役人からの聴取には、二階ルートの解明もあったようだ。というのは、特捜部内にいぜんとしてバランス論が強く、二階ルートもやるべきだという空気が強いからだ。手をつけるとすれば、年度明けの4月からになるが、古賀選対委員長サイドが打ち上げた5月解散、6月7日投票となれば、事件に着手できない。

2009年03月26日(木)

小沢続投で特捜部大敗北

 政治資金規正法違反で24日、公設第一秘書の大久保隆規被告が起訴されたことにともない、同日夜記者会見を開いた小沢代表が続投を表明したことで、東京地検特捜部は歴史的な大敗北を喫することになった。というのも、政治資金規正法違反という形式犯で小沢を追い込み司法取引で代表辞任を狙ってていたが失敗してしまったからだ。

これまで、司法取引で議員辞職、知事辞職した超大物政治家や有名知事がいたが、小沢の場合はそうはならなかった。特捜部は大量の捜査員を投入したが、小沢から事情聴取もできなかった。そして、これからの捜査で、いまさらだダムだとか公共事業の案件で小沢を追い込むだけの捜査体制を組むなどできなくなったからだ。

もともと、西松建設から献金をもらっていた議員は与野党二十数人いた。そこへなぜ、小沢だけなのかということで、国策捜査批判の声があがり、元警察庁長官の漆間官房副長官の「自民はない」発言で、国策捜査、政治捜査であることが見え見えになった。特捜部の威信の低下はだれが見てもあきらかで、検察は今回の捜査の大失敗から、従来の国策捜査、政治捜査のあり方を構造的に変えなければならなくなった。そういうとでは、今回の捜査は、東京地検特捜部の歴史的大敗北といえる。

この特捜部の敗北を見据えて、自民党の古賀選対委員長周辺がこの22日、5月解散、6月7日投票を突然言い出した。それまでは、9月の任期満了直前の解散・総選挙が大勢だったところへ、前倒しの解散・総選挙の流れがでできたのだ。双方とも7月の東京都議会選挙の公明党の「総選挙と都議選は少なくとも一カ月は離して欲しい」との絶対的要求を満たすことができる。古賀としては、小沢代表居直りに対する国民の批判、民主党内の不満と混乱が治まらないうちにやるには、5月解散・6月選挙がしかないと決断したからだ。

 それにしても、たんなる形式犯で大失敗した東京地検特捜部は、その捜査能力の低下があらためて立証されたことはもちろんのこと、威信の崩壊を見せつけた。

 

2009年03月25日(水)

大手マスコミの深まる苦悩

 日本経済新聞の2009年12月期決算が注目されている。伝えられているように、広告収入の減を、当面、コストダウンで対応する方針というが、日経新聞内部から漏れ伝わる内情は生半可なものではなく、経営状態は極めて厳しい環境にあり、今年一年が正念場になりそうだ。

 第一の経営悪化要因は、他紙同様広告収入の激減。とくに大企業が出稿する“付き合い広告”が大幅に減少した。ついこの間までは電機・自動車・金融業界などが一面広告をなかば義務的に出稿していたが、いまではあまり見かけなくなった。今期の広告収入も厳しい見通し。

 さらに、このところ大手企業がこぞって経費削減のため新聞購読を取りやめる動きが強まっている。このダメージはあまりに大きい。例えば某電機メーカーの本社では日経新聞を毎日大量に購読、地方の支社・支店・営業所を含めると、1社だけで千部以上にのぼる。日本の名だたる企業が相次いで全社的に購読打ち切りに動くとなると、一体どれくらいの部数が減ることか。この不況下では自然な流れだが。ということで、“日本株式会社の広報紙”・日経新聞の未来はあまりにも暗い。

 一方、先月、「沖縄タイムス」、「琉球新報」、「南日本新聞」の3紙が夕刊発行を停止した。いまや夕方以降のニュースの主役の座はテレビやインターネットであり、もはや夕刊の存在意義はなくなりつつある。大手紙ではサンケイが2002年に東京地区での夕刊をやめている。その他の大手紙はメンツで夕刊の発行を続けている状態だが、いつまでもつか。

 テレビ業界でも注目の動きが出てきた。3月13日、TBS労組が異例のストライキに突入してニュース、情報番組に出演しているアナウンサーたちが、一斉に番組から姿を消した。今春闘の会社側の一次回答に対してTBS労組が13日正午から12時間の時限ストライキを行ったため。アナウンサーがストのため番組に出演しないのは、放送業界では10数年ぶりの椿事。TBSが2月に公表した09年3月期決算見通しでは、純利益が30億円にとどまるとしており、前期比84%もの大幅な減少。今期こそ黒字をなんとか維持するが、広告収入減少に歯止めがかからない現状、来期はさらに厳しい決算が予想される。

 メディアの広告が激減しているということはつまり、広告代理店の経営をも直撃しているということだ。ここにきて大手広告代理店の一角・(株)アサツー ディ・ケイ(東証上場)の経営悪化ぶりが業界の話題になっている。

 同社は2月13日、08年12月期決算短信を公表したが、これが昨年11月に公表した下方修正見通しよりさらに悪化した内容だった。売上は前期比8%減少して大台の4000億円を割り込む結果となり、純利益は60%も減少して21億円にとどまった。

 部門別売上は、雑誌広告 23,7億円( △16.4%)、新聞広告 30,3億円( △11.1%)、テレビ広告 1624億円( △ 8.7%)、ラジオ広告 37億円( △16.7%)、デジタルメディア広告 134億円( △ 0.3%)。軒並み前期比大幅な落ち込みだ。今期も好転材料に乏しく一層の業績悪化が懸念される。もちろん、電通・博報堂とて状況は似たようなものだが、両社は業界のガリバーであり今すぐ慌てる経営内容ではない。縮小する一方のパイを奪い合う営業環境の中、中堅規模のアサツーの置かれた現状は非常に厳しい。


2009年03月24日(火)

千葉・森田当選確実で小沢代表は?

 29日投開票の千葉県知事選挙でメディアの選挙情勢結果が一斉に発表されたが、俳優の元自民党衆院議員・森田健作(無所属)が、民主党推薦の鉄道会社社長、吉田平を大きくリードし、圧勝の勢いだ。朝日調査では森田48ポイントに対して、吉田20ポイント、共同通信の調査では同35ポイントに対して、同じく19ポイントとダブルスコアで森田がリードしている。森田は前回知事選挙にも出馬し、堂本現知事に僅差で敗れるなど、抜群の知名度を誇る。これに対して、吉田は千葉県のローカル鉄道の社長と無名に近い候補者。その違いがそのまま世論調査に反映した格好だ。この選挙は一般的には総選挙前の自民対民主の前哨戦として注目されているが、関心の的は選挙結果が、民主党小沢代表の進退問題にどういう影響を与えるかだ。

 西松事件で今日24日、小沢代表の第一公設秘書・大久保隆規容疑者が政治資金規正法違反で起訴されるが、同代表は強気の姿勢で辞任する意思はない。しかし、5日後の29日投開票の千葉知事選挙で推薦する吉田候補が大敗するとなると、「やっぱり小沢ではだめか」とということになるのかどうかである。選挙戦は、メディアは自民対民主の構図で伝えているが、現地では森田は自民党の応援を断って選挙戦を展開している。吉田も公示日直後、民主党の応援を断るなど、民主隠しの選挙戦を展開してきた。こうなると、森田が大勝しても、自民党はわが党の勝利とは言いにくい。また、民主も吉田が負けたとしても「公認候補ではない」と、いう逃げ道がある。小沢代表は、千葉県知事選挙で敗北しても、「当初から知名度で圧倒的に不利だった」とも言えるし、責任回避の余地がある。公設秘書が起訴されても、千葉県知事選挙に負けても、小沢代表はやめることはないとみられている。

 ところで、元特捜検事の郷原弁護士に、西松事件に対する東京地検特捜部の捜査は大本営発表の「ガダルカナル的な状態」と、指摘されるほど、泥沼状態に陥っている。当初は、政治資金規正法違反と形式犯のつもりだつたのが、国策捜査と批判され、ついには政局にまでなるなど、予想に反して拡大してしまった。そのため、年度末に処理しなければならない案件を山積みにしたまま放り出し、今回の事件に60人もの検事を投入するなど、常軌を逸した捜査指揮になってしまっている。これだけ大がかりな捜査をするわけた゜から、バランス論から言って自民党の二階ルートについても手をつけざるを得なくなってくる。4月の人事異動後に動きがあるだろうと見られている。

地言


自殺の元政府高官の子息、特捜事情聴取認めず

 元国土交通省事務次官・小幡政人氏の子息Aさんが自殺したのは今月10日。昨年三月慶応義塾大学経済学部を卒業し、公認会計士として大手監査法人に勤務。二階氏関係の経理を担当していたという。自殺するまで兵庫支部所属の公認会計士をしていた。東京地検特捜部は、Aさんについての聴取は認めていない。


2009年03月23日(月)

藍野学院問題でキーマン浮上

 文部科学省が今月5日立ち入り調査した、藍野学院グループ(大阪府茨木市)の学校法人・第一藍野学院(山梨県富士河口湖町)が経営する「健康科学大学」の二億円の使途不明金問題で、キーマンの存在が浮上してきた。関係者によると、今回の不透明な資金の流れの絵を描いたのは、東北にある同グループ短期大学学長のK氏。K氏は文科省内で、「神の手を持つ男」と称され畏怖されている大物だという。使途不明金問題とは、健康科学大學は05年度、関係先への短期貸付金2憶円を計上しながら、06年度の会計には貸付金を記載しておらず、実際に貸付があったかどうか使途不明になっていることが判明していることである。文科省は、立ち入り調査で同グループのドン・小山昭夫氏から事情を聴くとともに、健康科学大學の会計帳簿や預金通帳など財務状況を確認している。

2009年03月22日(日)

WTC移転反対に脅迫電話続く

 橋下知事が開会中の大阪府議会に提出している大阪府庁の大阪・南港移転案について、大阪の市民団体三団体が19日、府監査委委員に移転反対(WTC買収費差し止め)の監査請求した問題で、市民団体団体代表に対する脅迫電話が同日夜に続き、20日にも三回あった。非通知と公衆電話からのもので、「ええ加減にしとけ。くそババア」「あんたら何のためにあんなことするんや」「いつまでやってるのか。しつこいぞ」「ニュースで言うてたやないか」「一円まで計算してごちゃごちゃ言うな」「馬鹿、死ね」というもの。移転案は、与党の公明党が反対を決めたため、知事提案は否決される公算が強くなった。

20日、首相官邸で開かれた「経済危機克服のための有識者会合」で、橋下知事は、麻生首相に「府庁のベイエリア移転を公明党に反対されて厳しい」「国の出先機関もベイエリアに移転してもらいたい。麻生総理に「検討」を指示すると、言ってもらえば、採決も変わる」と、露骨な圧力を要求する一幕があった。採決は23日だが、連休中、橋下知事は形勢逆転へ与党議員らに対する必死の工作に奔走している模様だ。今回、府議会で移転の旗振り役をしているのは、橋下知事も幼いころ住んでいた大阪府八尾市選出の、笹川グループの自民党・松井一郎府議だ。一年前の選挙中、自民党宣伝カーで松井議員と橋下知事はともに八尾市内二か所で遊説。同知事が「私は(八尾市)安中(旧同和地区)に住んでいました」と演説した。

その際、松井府議が「それを言ってはいけない」と同知事を諭したともいわれている。部落解放同盟安中支部相談役で山口組系山健組系健竜会相談役だった丸尾勇被告が、〇七年一〇月、職務強要・恐喝で大阪地裁で懲役四年六カ月の有罪判決を受けた直後で、市民の解放同盟に対する反発を推し量っての松井府議の知事に対する忠告と見られている。

 しかし、橋下知事は、知事当選後、府議会で「解放同盟の活動があったからこそ、不合理な差別が解消されてきたという事実も厳然たる事実」と、部落解放同盟を全面的に賛美。08年8月行われた部落解放同盟大阪府連の北口委員長らとの政策懇談会で、飛鳥会事件の故小西邦彦元飛鳥支部支部長や丸尾被告「『解同』にしても、飛鳥の小西さんや八尾の丸尾さん、ああいう人が行政に働きかけたから声が届いたというプラス面もあるが」と、世論に逆行し、その『実績』を評価し、驚かせた。


2009年03月21日(土)

政府高官の息子自殺で波紋

 某事務次官の息子で公認会計士をしていた人物が今月中旬ごろ自殺したことが永田町で波紋を呼んでいる。3月12日近親者で密葬がおこなわれたが、この人物は関東の県知事候補として名前があがっていた。それが突然自殺したため憶測が飛び交っている。その最大の理由は、西松建設問題の二階経産相にかかわるもの。自殺した当事者がその二階氏の息子とポン友だったところから、特捜部に事情聴取を受けたことを苦にしたのではないかというものだ。真相は不明だが、「また死人か」と、事情を知る地元和歌山の関係者の間では、驚きの声が上がっている。


2009年03月20日(金)

WTC移転差し止め市民団体に脅迫電話

 大阪府の橋下知事が進めている府庁のWTCへの移転計画をめぐり今日19日午後、大阪の市民団体「市民オンブズマン大阪」「見張り番」「おおさか市民ネットワーク」の三団体代表が大阪府庁で記者会見し、監査委員に大阪市からのWTC買取の差し止め請求を行ったことをあきらかにした。

この差し止め請求はNHKの夜8時45分からの関西ニュースで流されたが、同差し止め請求をめぐっての橋下知事のコメントが終わるか終らないかの時間に、男の声で代表の一人のところに、「お前は○○やろ。知事は一生懸命おってのに、なんで盾つくんや。いいかげんにしろ。ばか、死ね」と非通知で脅迫電話がかかってきた。

そのため代表が「そうです。お宅はどなたですか」ときいたものの、返事がなかったため、電話を切ったところ、再び非通知でかかってきたため、電話に出なかったという。市民団体代表にたいする脅迫電話は、故横山ノック知事の強制わいせつ事件の最中にも起きたことがある。

関係者は「ニュースが流されている途中で脅迫電話をかけてくるなんて、タイミングが良すぎる。男は、放送時間も含めて、すべてを知った上で脅しの電話をかけてきたのではないか。脅迫する組と涼しい顔をしている組とそれぞれ役割り分担をしているのではないか」と語っている。

2009年03月19日(木)

大阪府庁WTC移転案潰れる

 橋下知事がなりふりかまわず推進していた大阪府庁の大阪・南港WTC移転案について与党の公明党府議団(23人)が今日午後開いた団総会で反対を決めた。定数112の府議会で移転には三分の二、全員出席で75人の賛成が必要だが、すでに反対を決めてる共産党と合わせ33人が反対することになる。

最大会派の自民党(49人)も反対派が半数を占め、第二会派の民主党(24人)も、半数が反対していることから、知事提案の成立は絶望的になった。昨年夏以来、関西財界の意向を受けて、WTC移転に狂奔してきた橋下知事は大きなダメージを受けたことになる。また、移転にともなう利権屋グループが約束を果たせなかった橋下知事にどういうリアクションを起こすかも注目される。


横綱・朝青龍、新地で大暴れか

 大相撲春場所はこの15日から開幕したが、横綱の朝青龍が先週木曜日(12日)新地のクラブで暴れ、後援会関係者からに重傷を負わせたとのうわさがが出でいる。関係者によると、この夜、朝青龍は後援会関係者とともに、新地の高級クラブ、O、U、Wの三軒をはしごしたが、その中で、暴れ出し、二人に重傷を負わせたとという。

一人は後援会関係者でもう一人は暴力団関係者。うち一人は鎖骨を折る重傷だったという。先の後援会関係者は、朝青龍が突然暴れ始めたため、居合わせた暴力団関係者が「お前は少しも変わってないやないか」「病気はなおってないやないか」と、大乱闘になったという。今週明け、朝青龍側から重傷を負った二人にそれぞれ一千万円ずつ見舞い金が渡されたという。この噂が事実なら、朝青龍は横綱どころか、相撲界追放になるだろう。


2009年03月18日(水)

西松献金事件ですくみ状態の永田町

 西松建設の献金問題で自民、民主両党とも強硬派の動きがぴたりストップし、永田町は不可解なすくみ状態に陥ってている。まず自民党だが、麻生降ろしの急先鋒だった武部元幹事長が矛先を納め、民主党も小沢代表の責任を追及していた仙谷代議士もひっこんでしまった。とりあえず、逮捕された大久保秘書が二七日、起訴されるのか、起訴された場合その中身はなにかを見極めてということだが、たとえ、起訴され内容がどうであろうと、党内にはいま、小沢降ろしをやると、まずいという判断がある。総選挙を前に、内部の権力争いで党が割れていることを国民にさらけ出すのは不利というわけである。

 一方、本来攻め特の自民にも悩みがある。小沢代表がやめれば、民主党から麻生追及の声が強まり、党内の麻生降ろしが再燃してしまうからだ。自民、民主も腐敗の根源を自らメスを入れることができないということである。それでは代わってメディアが追及するかというとそうではない。頭の中には、自民、民主の二大政党しかないから、発想がその枠内にとどまってしまうからだ。

第三極の勢力や考え方に至らない日本のメディアもジャーナリズムとしての使命を果たすことができず、思考停止しか道がないのだ。AかBかの二つの選択支を押しつけることしかできない日本のジャーナリズムは、世界的にはすでに破たんした新自由主義からいまだに脱しきれないようだ。15日、中米・エルサルパドルでは新自由主義・対米従属転換を掲げた大統領が誕生した。日本のタイタニック化は、政治にとどまらず、八百長報道にあけくれるメディア界にも及んでいることは確かだ。

 16日、大阪の朝日新聞が大阪府庁のWTC移転問題で府議アンケートを発表したが、まず「移転ありき」のアンケートで府民生活とのかかわりについての説明はまったくなし。これなど、中身抜きでまず賛成か反対かの選択を迫る橋下流のポピュリズム報道を地で行くもの。複雑な問題を単純化して国民に選択を迫る手法は、ナチ・ヒトラーの手法でもある。映画「ヒトラーの贋作」の中でこんなセリフが出で来る。「殺人者は資本家だ。ファシズムを育てた」。府庁のWTCへの移転を執拗に迫っているのは、関西財界だ。その関西財界がその素質を見抜いてファシスト・橋下徹を育て、あやつっていると考えれば、いまの大阪府政の異常さが理解できると思う。朝日新聞もマスコミではあるが、財界の仲間であることも忘れてはいけない。

2009年03月17日(火)

ノンバンク株軒並み連れ安

 商工ローン大手・SFCG(旧商工ファンド)が2月23日に破綻した煽りを受けてノンバンク株が軒並み連れ安の状況になっている。

たとえば、SFCGと同時期に強引な取り立てがかつて社会問題となったロプロ(京都市、旧・日栄)は2月だけで株価が65%も下落した。同社は上限金利引き下げや、過払い利息の返還請求で業績が悪化。09年3月期に205億円の連結最終赤字を計上する見通し。

 消費者金融大手、アイフル(京都市)の株価は79円(3月13日)。つい3年前に10,650円をつけたことが信じられないほどだ。ところで同社は昨年2月、転換社債を700億円発行、野村グループが全額引き受けた。だがその野村グループがここにきて同社株を市場で大量売却したり、社債を相次いで株式に転換するなど奇妙な動きをみせている。

 消費者金融最大手・武富士(東京)も大きく下げて現在の株価は321円。アイフルと同様、金融機関の傘下に入らず独立経営を続ける消費者金融に対する市場の視線は冷徹だ。商工ローンや不動産担保ローンを手掛けるNISグループ(東京)も、この1カ月で4割を超す下落に見舞われている。現在の株価は27円。3月10日にはジャスダック上場・インデックス・ホールディングスがNISグループとの資本提携を発表した。3月末をめどにインデックスHDは4・1%を出資する予定。背後に見え隠れするのはN銀行の会長の動き。

 総合金融業のオリックス(東京)もやはり4割ほど下落して株価は2070円に。かんぽの宿疑惑の行方もおおいに気になるところだ。

2009年03月16日(月)

橋下殺し文句は「賛成しなければ応援しない」

 開会中の大阪府議会二月定例会の最大の焦点である府庁の南港・WTC移転問題は、橋下知事と平松市長の交換演説を大阪市議会が拒否するなど橋下知事の思いつきも通用せず行き詰っている。

手駒に使ってきた朝日新聞でさえ、移転については問題が多いと府議会で指摘が相次ぐと報道する始末だ。

だいたい、橋下劇場の仕掛け人の有力者として、去年のいまごろは連日、「大阪の救世主」かのように、連日、橋下ヨイショ記事を書いていた側近記者の神田誠司編集委員の記事はさっぱり見かけなくなった。一年たって、表を歩けなくなったということかもしれない。代わりに、時折、裏からあやつり記事を出す程度になったのだろうか。

大阪市にせよ、大阪府にせよ、神田編集委員の当局癒着取材は有名。ネタを取ってくるのはいいが、対象になった幹部は、いつも不幸な結末をたどるのが常というなんとも、罪つくりな記者なのだ。一諸に飲み歩いていた元知事公室長など逮捕された揚句、早死にしてしまった。

もちろん、飲み代がどこから出たのか知らないが、それこそ当時の府知事公室長や広報長様で公費が使われた新地やミナミの高級クラブでのウン万円の請求書がわんさか残っている。府庁詰めの朝日記者が横山ノックの強制わいせつ事件の大阪地検特捜部の強制捜査の日、がさ入れがおこなわれていた知事公舎の前で、「先週末、広報長と新地でどんちゃん騒ぎをしたばかりや。早く、現場に広報長が顔を出してほしいな」と、多くのメディアが張り付く中、大声で自慢話を披露していたぐらいだから、まあ、癒着取材は罪意識などこれっぽっちもない、それこそお茶を飲むぐらい感覚だったのだろう。しかし、新地のどんちゃん騒ぎ代が府民の税金から支払われているとなると、ただでは済まなくなる。

 ついつい、話がそれてしまった。元に戻すと、移転方針に行き詰った橋下知事が、最後の手段として使っているのが、次の府議会選挙で「WTC移転に賛成すれば、応援する。反対すれば応援しない」という口説き文句。自らの高支持率をバックにした、橋下流の恫喝だが、府政記者の間では「議員のもっとも弱いところをついてくる橋下流の汚い手法だが、背に腹は代えられない、と雪崩を打って賛成に回る可能性がある」と、警戒を強める声もある。ただ、橋下知事がそれま持つのかどうかという声もある。

 「府庁を大手前から南港に移転させた時の担当府政記者だったなんて、烙印を押されるのは嫌だ」と移転に強く反対する府政記者がいるのと同様に、府議にも自分が現職の時に大阪市の西の果て、人影もないゴースタウンの一大重金属汚染地帯に府庁移転に賛成した議員として記録されるのを嫌がる者もいる。

至極当然の話だが、どんな飛び道具が飛び出すのがわからないのが橋下流。会期末ま3月23日で、17日から常任委員会での知事質問、19日には最大の山場である総務委員会がある。ところで、橋下知事にあるスキャンダルが持ち上がっているが、それも週明けの知事質問で取り上げられるかどうかも注目のしどころだ。

小沢事件が政局になったためか、最近の大阪のメディアが橋下知事を好意的に取り上げることは一部の橋下新聞を除き、少なくなっている。テレビはともかく、新聞の紙面はまるで潮を引いたような様相さえ呈している。橋下タイプのタレント政治家は、化けの皮が剥げるのも早い。すでに闇世界との親密な仲が事件記者の間でもっぱらの噂になっており、社の上層部も距離を置き始めたのかも知れない。

2009年03月15日(日)

私学より芝生が大事な橋下知事

 わが国の教育予算は対GNP比でざっと3.5%。この数値はフランス・イギリスの半分以下。先進国としては恥ずかしい教育予算の低さだ。そうした中、大阪府のただでさえ少ない私学助成金が全国最低レベルにまで減らされた。これが大阪の私学関係者に与えた衝撃は大きすぎる。

 現在、大阪の私学94校のうち黒字経営といわれるのは約40校で、半数以上が赤字。私学助成の削減により、黒字校も続々と赤字に転落することは確実。私学経営の採算分岐点は生徒数が1学年300人だが、その半分しか生徒が集まらない私学が昨年は約30校もあった。一部の有名校以外は少子化で生徒集めは楽ではなく、助成削減対策として打てる手段に授業料値上げ以外の妙案はない。大阪私立中学校高等学校連合会によると、94校のうち50校が09年度から授業料を年16万~1万円値上げする。授業料に入学一時金を加えた生徒1人当たりの初年度負担の平均は77万800円で、調査開始以来の最高額となった。

 このところ、生き残り策として有名大学の傘下入りする私学が増えている。しかし、現実は甘くない。今春から「早稲田摂陵高校」に校名を変更する学校法人大阪繊維学園・摂陵高校(茨木市)には2月5日の入学願書締切時点で募集人員275名に対して応募が37名しかなかった(注:追加募集あり。別に摂陵中学から約90名入学予定)。早稲田ブランドといえども不況には勝てなかったか。地方から東京の私立大学に子供を送り出した場合、家庭の負担額は4年間で約1,200万円。一方、自宅通学なら約500万円で済み通学生と下宿生にかかる費用は700万円もの差がある。今、それだけの負担などもってのほかという家庭が大半で、遠くの有名私大に行かせるよりも地元大学で十分とする考えが主流だ。

 また、今春から「近畿大学泉州高校」になる飛翔館高校。こちらは労使紛争が訴訟に発展するなど波乱含み。募集240名に対して応募は683名。その他に、関大北陽は募集が360名、応募606名、初芝立命館は募集400名、応募565名、常翔啓光学園は募集245名、応募340名。通常、入学者(歩留り率)は応募者の25%程度が目安なので、系列中学からの入学者を加えても採算分岐点を上回るか微妙。

 助成金削減→値上げ→生徒減少の悪循環に陥っている状況で、有名大学の看板の効果にも疑問符がつくとなると、まさに打つ手なしの様相だ。出口の見えない不況下、私学離れが当分の間続くことは必至。それでも役所は冷たい。私学助成金の削減は、庶民へのシワ寄せそのもの。「税金は取りやすい庶民から取る」という発想と同じく、「予算は削減しやすいところから削減する」という発想がまず浮かぶのが役所。投資効果がすぐに現れない教育予算は格好の標的になった。かたや、大阪府は、公立小学校の校庭芝生化について約2憶7千万円を09年度予算に計上し、現在議会で審議中。校庭芝生化は橋下知事の公約。担当部局は約5700万円の予算要求をしていたが、知事の指示で予算をなんと約5倍に増やした。私学より芝生のほうが大事ということか。

2009年03月14日(土)

朝日放送「ムーブ」打ち切りの舞台裏

 大阪「朝日放送」の情報系番組「ムーブ」が3月6日放映で終了した。当初、三月末打ち切りと伝えられていただけに関西のテレビ業界では突然の打ち切りは驚きを持って受取られたようだ。在阪のあるテレビ局幹部はこういう。「4月の番組再編で視聴率の取れない番組が終了することは普通にあるが、それでも三月末が常識。そされが、なんで、中途半端な6日なのか。三月末を待たずにすぐに打ち切らざるを得ない事情が生じたか、一日でも早く打ちりたかったところへ、代わりの番組が出てきたのでこれ幸いとばかりに切ったのて゜はないか。実のところ、私も番組が6日で終わったことはしらなかった・・・」。

 もともと、ムーブ打ち切りの話が出てきたのは昨年秋。最大の理由は、ご多分にもれず、広告費の激減だ。月に10憶円ともいわれるほどの減収で、新社屋を建てたばかりの朝日放送も三月期決算で赤字計上となった。そのムーブは周知の通り、東京のタカ派評論家やタレントジャーナリストを揃え、コメントさせるのが目玉だった。その出演料は馬鹿にならない。そして、なんとそのコメンテーターの発言が訴訟沙汰になるわ、週刊誌の記事をそのまま読んで垂れ流すわでトラブルが続いた。

たとえば、経済ジャーナリスト須田慎一郎が「農林中金は破たんするかもしれない」と発言し、農林中金から抗議され番組で謝罪。また、別のコメンテーターが堺市選出の府会議員の親族の事業をめぐり、不適切発言をしたとして番組で二度謝罪した。決定的だっのは、植草元教授の手鏡事件。週刊誌の記事をそのまま読み上げ、紹介したところから植草元教授に訴えられ、敗訴した。自社で検証せず、他社の報道をそのままたれ流すという安易な番組づくりの落とし穴にはまったということだが、こうした一連のトラブルに朝日新聞出身の役員が激怒、番組打ち切りを主導したといわれている。もともと、朝日新聞嫌いのタカ派の論客・勝谷氏をレギュラーにして言いたい放題にさせてきたこともあり、朝日新聞出身関係者にとっては、気に食わない番組だったようだ。

 そうして、昨年秋もともと番組を立ち上げたプロデューサーとスタッフが番組を外され、打ち切りは既定路線となり、いちのまにか、3月末打ち切りが伝えられようになっていた。そこへ、昨年12月3日、橋下知事の幹部職員らへのメールの公開をめぐり、市民グループ「見張り番」の情報公開請求を巡り、虚偽報道したばかりか、同グループを誹謗・中傷する番組を放映。このため、同グループが年明けの1月20日、BPO放送倫理・番組向上機構放送倫理検証委員会に「情報公開制度を歪曲化し、公開請求する行為を悪として、知事に余分なことを押しつける非常識な市民団体として印象付け、世論誘導した悪質な番組」と、朝日放送を提訴した。

ムーブもまた、ほかの放送局の情報系番組と同様、橋下賛美のヨイショ番組だが、知事を擁護するあまり、情報公開制度まで否定するというとんでもないことをやってしまったというわけである。ムーブの主張通りであれば、マスコミ各社が請求した知事のメール公開も「悪」ということになり、メディアとしての存在価値はゼロどころか、市民の知る権利も否定する暴論番組だった。

なかでも、えせ人権派ジャーナリスト・大谷昭宏氏に至っては、「なんでもかんでも請求されたら、メールどころか、電話も文書も残すことができなくなって北朝鮮のようになる」と、市民団体や新聞社が請求し、府も条例に基づき公開基準に当てはまるものとして正式に公開された知事メールの公開請求を「北朝鮮化」と中傷・誹謗した。大谷氏は、情報公開制度のなんたるかについて自らが、無知であることを世間にさらけ出したようなものだが、読売府警ボックス時代から、「反人権報道記者の最たる人物。なんで彼が人権派と呼ばれるのか。人権派気取りでテレビでしゃべっている彼を見て、現役時代を知っている読売記者はみんな、そんな馬鹿なと、失笑しているよ」(元読売社会部記者)。

 この知事メールをめぐり、ムーブが「見張り番」を誹謗・中傷する番組を流したため、実際、見張り番代表に「テレビでコメンテータがいってたように、なんで情報公開をするのか。私らは知事を応援している。知事の邪魔は許されん」との嫌がらせ電話が30分近くもかかっている。橋下知事の府政運営批判は絶対許さない、という、それこそ番組そのものが北朝鮮化していたのではないか。こうした翼賛報道には、一方的なたれ流しが多いので、トラブルが起きるのは必然的。それが、放送局の信用まで無くしてしまうようになったわけだから、即、打ち切りも当然の帰結だったのだろう。

2009年03月13日(金)

本命は小沢、ダミーの二階

 西松建設がらみの政治献金事件で、東京地検特捜部は12日、元秘書の石川衆院議員から事情聴取、小沢包囲網を一歩縮めた。狙いは、小沢氏の民主党代表辞任で、総選挙体制崩しにあるようだ。一方、二階経産相の六千万円裏献金問題は、やはり、「国策捜査」批判逃れのため、バランスを取るための特捜部のリーク情報だった。

12日、二階氏の地元・和歌山県御坊市の二階事務所前に陣どっていた東京のマスコミは一斉に引き揚げた。また、政策集団・新しい波の事務所がある東京・平河町砂防会館からも、マスコミは引き揚げた。小沢氏も二階氏も同じ穴のムジナだが、今回の特捜部の狙いはあくまで小沢代表だ。引責辞任するまで、あれやこれやとリーク情報が出て来るだろう。また、世論の動向を見ながら、二階情報も出すだろう。二階氏が関西の拠点にしているのは大阪駅前第三ビルにある「関西新風会」。実弟が陣どり、パーティー券売りなどゼネコンなど企業からの金集めをしているといわれている。

2009年03月12日(木)

大阪府庁移転跡地開発めく゜り笹川グループの名前

 大阪府の橋下知事が今議会での議決に必死になっている大阪府庁大阪・南港WTC移転問題で、背後に大阪市住之江区で競艇場を運営するあの笹川グループの名前が浮上している。というのは、橋下知事の側近中の側近議員として知られている大阪府八尾市選出の自民党・松井一郎府議は、競艇場の照明など電気設備の利権を一手に握っている笹川グループの一員で、今回のWTC移転問題ではだれよりも急先鋒になっているからだ。

もともと、競艇利権は、松井議員の父親である元府議会議長の松井良夫元府議から引き継いだもの。その良夫元府議会議長は、知る人ぞ知る故笹川良一の直系の子分だった人物。現職府議時代には笹川良一払い下げの超豪華なキャデラックを乗りまわしていた。

WTCも住之江競艇場も同じ南港。大阪市の中心部の大手前の超一等地の府庁跡地と大手企業が抱える南港の空き地が同時に巨額の利権に変わるわけだから、仕掛ける側もそれなりの背景がなければできない。ここで笹川グループの名前が登場してきたことで、なんとなく話が見えてきた。そういえば、先ごろ、「公務員はけしからん」と橋下応援団の日本刀男が府庁に乗り込み逮捕された事件あった。いずれにせよ、橋下知事はこのまま続投すれば利権知事の悪名を轟かせる大阪・迷物知事になることは請け合いだ。

2009年03月11日(水)

二階氏と西松建設の長くて深い関係

 西松建設から六千万円の裏献金疑惑が明るみに出た二階経産相と西松建設との関係は、実は、長くて深いのだ。

時代は1960年代までさかのぼる。西松建設は二階氏の地元和歌山県南に流れる日高川の県営椿山ダムを受注する。工事は1966年着工で、二二年後の1988年に完成した。

この間、二階氏は、故遠藤三郎元建設大臣の秘書を経て、75年から83年まで和歌山県議を務めた。

当時、建設のための西松建設日高川総合事務所の所長をしていたのが、のちの社長、会長となった金山良治氏である。金山氏は、東京地検特捜部が摘発した外為法違反事件でこの1月、参考人聴取された。金山前会長は、今回の政治資金規正法違反事件で逮捕された国沢前社長の前任の社長で、会長就任後も院政を敷くなど、事実上の経営トップとして君臨。

十数年間で約10憶円の裏金づくりに最初に手を染めた人物とみられている。その金山前会長は文字通り、二階番だった。そのあとを受け継いだのが後任社長の国沢前社長で、同社長は二階氏とは中央大学で同級生だった。付け加えれば、椿山ダム建設当時の日高川総合事務所の会計責任者が現在の和歌山支店長なのだ。つまり、二階氏と西松建設との関係は、昨日、今日のことではなく、四〇年近くにわたるものだ。

 大阪地検特捜部が〇六年から七年にかけて長年の慣習だった官製談合事件を全国各地で摘発。関西でも和歌山県知事、大阪府枚方市長が逮捕された。地検がターゲットにしたのは、関西のゼネコンの雄、大林組だったが、ほどんとのゼネコン各社関西支店幹部が地検の事情聴取を受けた。そのうちの一人がこう漏らす。「検察は、請負額の数パーセントが政治家にわたっていたことを各ゼネコンの受注ごとに調べてあげていた。和歌山のトンネル工事で事件にはならなかったものの、他ゼネコンがチャンピオンと決まっていたのに、突然、西松が落札したケースがあった。その件で二階さんの名前を検察が出したので驚いたことを覚えている」。

 検察は、和歌山ルートでネタはたっぷり持っているというわけである。一見、大林組の独占ぶりが目立つが、和歌山県内の国の事業をよくよく見ると西松が結構仕事を取っている。それも、落札率90数%の談合見え見えの工事だ。
 ところで話は変わるが、ことし一月一五日、関空の対岸部の大阪府の埋立地、りんくうタウンのりんくうゲートタワービルで、二階派の政策グループ「新しい波」の名前入りのハッピを着た男たちが、訪れる後援者を迎え入れるためあわただしく動いていた。二階氏の子分・松浪健四郎衆院議員の新年パーティーが開かれていたのだ。二階氏とその子分である松浪氏は、中国コネクションが強いことで知られている。そのパイプの強さを示すエビソードがいくつかあるが、今回は本筋ではないので、またの機会に紹介する。

 最後に蛇足ながら、松浪氏とあの橋下大阪府知事がこれまた親しい関係にあることもついでに紹介しておく。首相官邸で開かれた全国知事会議を欠席してまで、再三、中国訪問を繰り返し、上海万博への出展など異常なほど中国にこだわる橋下知事の魂胆は、案外、誰かさんルートなのかも知れない。

2009年03月10日(火)

小沢固めで元秘書の石川衆院議員を聴取

東京地検特捜部は10日、小沢代表の元地元秘書で、現比例北海道ブロック選出の石川知祐衆院議員を参考人として事情聴取を始めた。今朝の日記で「岩手ルートの地元関係者」としていたのは、石川議員のこと。

逮捕説も飛び交っているが、国会会期中のため許諾が必要。石川議員は秘書時代、さきに逮捕された公設第一特秘書の大久保容疑者を補佐する立場にあった。特捜部の狙いは小沢代表で、今回の聴取は周辺部をかためるためのものとみられる。

二階経産相ルートで金庫番の秘書ら二人浮上

西松建設からの六千万円の裏金問題で東京地検特捜部の強制捜査の対象になっている二階経産相ルートで、金庫番の秘書ら二人の名前が取りざたされている。

一方、小沢代表の岩手ルートでも地元関係者の名前があらたに取りざたされ、永田町では事件は県政界のトップにまで及ぶのかどうかという話までとびかっている。東京地検特捜部は、小沢代表の「国策捜査」批判と国民の反発を前に、自民党現職閣僚ルートの強制捜査でバランスを取りつくろう戦術に転換したが、今回の事件は政権取りを目前に控えた民主党に壊滅的打撃を与えるものになった。

元特捜検事でさえ、「検察捜査の常識をはずれた異例の捜査・逮捕」と驚くほどの今回の事件は、権力の恐ろしさを国民に改めて見せつけた。


校庭芝生化の背後に同和利権

 大阪府は、公立小学校の校庭の芝生化について約2憶7千万円を09年度予算に計上し、現在議会で審議中である。校庭芝生化は橋下知事の公約の一つ。担当部局は約5700万円の予算要求をしていたが、知事の指示で予算を約5倍に増やした。

知事は、土の運動場と比較してけがをしにくくなることや、ヒートアイランド現象緩和などの効果を強調するが、背後に見え隠れするのは、05年秋、大阪地検特捜部が摘発した大阪市の街路樹維持管理事業めぐる競売入札妨害事件と同様の、「同和」利権だ。大阪市の事件では、大阪府同和建設協会加盟業者が街路樹維持管理業務を独占的に受注できる、いわゆる「同建協」方式が慣例化していたことが地検特捜部の捜査で判明した。芝生化工事は街路樹と同様、将来の維持管理費も加わるので美味しい利権だ。入札の行方が注目されるところだ。

 ところで、昨年10月、地元住民も公園の管理を委託されている民間の管理運営業者も知らないところで、府立住之江公園の樹木60本を伐栽(当初100本伐栽する予定だったが、住民の抗議で40本残す)したことはとどう説明するのか。

これなど知事の一声で府の土木事務所がその日のうちに「駐車場をつくるため」と100本の伐栽を起案し、実行したものだが、これはヒートアイランド対策に逆行するのではないのか。なんともご都合主義で知事の裁量次第でどうにでもなる独裁的府政運営なのだ。しかも、駐車場建設にかかる費用は4千万円強で、入札に参加した業者はわずか2社でうち1社は辞退し、事実上の独占受注という、生臭いものだった。地元住民によると住之江公園には戦前からの樹木もあるという。緑の少ない大阪市内にあっては貴重な公園で市民の憩いと散歩の場でもあった。橋下府政の正体とは、それこそ生木を裂くように府民の安らぎを切り刻む残酷なものだ。しかも、そこには絶えず利権の臭いがぷんぷんなのだ。


2009年03月09日(月)

「年次改革要望書」のとんでもない中身

毎年10月、米国政府が日本政府に対して「年次改革要望書」を突きつけてくる。これは、正式には「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく要望書」といい、93年7月の日米首脳会談で決まったものとされている。イニシアティブは主導権のこと。なぜか米国が主導権を握るらしい。

要望書は、実に細々と日本の政策に注文をつけており、完全な内政干渉といえるシロモノだ。日本は事実上それを拒否できないというから情けない話だ。不況に苦しむ米国は、日本市場を収奪の対象として見ており、米国の要求はエスカレートしていくこと必至。しかし、日本の行く末さえ左右する要望書の中身について日本の政府、政治家、マスコミはなぜか殆ど触れない。国民には知らしむべからずということだ。

年次改革要望書の前身は、20年ほど前の日米構造協議。当時もやはり米国は不況だった。そこで、米国政府が「商売はルールを守り、もっと公正にやれ」と注文をつけた。

米国は対日赤字の原因は日本の閉鎖的な制度だと考えた。不可解な商慣行、系列囲い込みの流通機構、談合や独禁法違反を何とも思わない政官民の癒着など、日本の社会構造には、米国企業を参入させない障壁がある、とねじ込んだ。以降、毎年米国は日本の各分野に対して機構改革や規制緩和などの要求を事細かに連ねるようになった。米国は、この文書を “要望”でなく日本への”命令“と思っている。

米国の要求は日本の各省庁の担当部門に割り振られて実行されていく。そして要求が実行されたかどうか、日米の担当者が定期的に会合を持ちチェックする仕組みになっている。さらに要望を毎年、日本政府に命令する米国通商代表部は米国議会から勤務評定を受ける。通商代表部は、日本が実行しないと自分達の評価が下がるので、日本に実行を求めて様々な圧力をかける。この圧力を撥ね退けることができる政治家は今の日本にはいない。

過去の要望書で日本はどうなったか。郵政・司法制度・医療制度改革や、金融自由化、商法改正、労働者派遣法改正など、近年の日本の制度改革の多くが、米国のしつこい要望に沿ったものであることがわかる。ようするに、米国が市場参入しやすいように市場開放を迫り、新自由主義を浸透させたのだ。郵政民営化は小泉さんが言い出した、とされているがそれは大間違い。言い出しっぺは明らかに米国だとわかる。日本人は政府・マスコミにだまされているのだ。その結果が今の日本の姿である。

2月24日、麻生総理がオバマ大統領と会談した。オバマ氏からホワイトハウスに最初に招かれた外国首脳、などと浮かれている場合ではない。オバマ氏の対日重視というのは、自国経済だけを考えてのことだ。

なお、2009年版要望書の概要は、
NTTの弱体化による、米資本の参入
米国の薬品や医療機器の早期の承認
現年金制度の破壊と確定拠出年金の制度(労働者の自己責任による年金制度)の推進
国境を越えるM&A促進の法律制度改革
外国人弁護士が活動しやすい司法制度改革
留農薬基準を緩める農産物の輸入規制の緩和
共済の破壊による米保険会社の参入斡旋
日本郵政公社改革による市場開放
通関手続きの標準化と免税輸入限度額の引き上げ、

といったことを命令している。

よくもまあ、これだけあからさまに他国に介入できるものだ。日本は今もGHQによる占領が続いているのか。年次改革要望書というのは、それほどとんでもない中身である。しかし、フジテレビ「サキヨミLIVE」が唯一これを取り上げただけで、大手マスメディアは全く取り上げようともしない。この要望書は別に極秘文書でなく、米国大使館のHP(http://japan.usembassy.gov/pdfs/wwwf-regref20081015.pdf)に堂々と公表されているのでぜひご覧いただきたい。読めば今後の日本がどうなるのか、よくわかる。


2009年03月08日(日)

府庁移転候補地は重金属汚染地帯

 開会中の大阪府議会二月定例会の最大の焦点である大阪府庁の大阪・南港WTC移転問題で人気絶頂の橋下知事が苦境に陥っている。

説得力ゼロの「まず移転ありき」のWTCへの移転を、府議会で「自分の妻へのプロポースの時と同じでタイミングがすべて」と、私生活と百年の大計である府庁舎移転を同列に論じて、失笑と怒りを買ったが、あらたに関空から現府庁舎よりもWTCへの鉄道での所要時間が長いこと、現地耐震構造地化より移転の方が二百億円安いとされているが、現庁舎売却の際には文化財の発掘調査費に29億円必要なこと、埋立地であることから最大で年間13・8センチ地盤沈下していることなど移転に不利なデーターを隠していたことが次つぎ露見、地方自治法で定められた庁舎の場所は府民に便利な場所であるとの原則を逸脱するばかりか、近未来に予測されている震度6弱の東南海地震など災害時の司令塔となるべき府庁舎がWTCでは防災の拠点どころか、危険な場所になることがあきらかになった。

 ところで、WTCのある一帯は埋めた地だが、ただの埋めた地ではない。もともと大阪市のごみ捨て場で、ありとあらゆるものが捨てられていた。大阪市内の産廃業者はこう言う。「六価クロム、pcb、ヒ素、アスベスト、セレン、総水銀など猛毒を含んだ産廃も捨て放題だつた。どの業者もやっていた。大阪市は表土を入れ替えるだけで、ボーリング調査は絶対にはない。恐ろしいものが出てくるからだ」。

 阪神・淡路大震災級の地震が起きれば、液状化するといわれているWTC一帯。地中にある重金属汚物質が露出することはあきらかで、極めて危険な、それこそ立ち入り禁止地帯なのだ。

 ここで思いだすのは、USJの重金属汚染問題だ。
USJはもともと住友金属の工場跡地で、自社の産業廃棄物処理場が併設されていた。開業前の年、住友金属専属の産廃業者が「猛毒のPDBや六価クロムなどを大量に含んだ七〇万トンの産廃を埋めた」と内部告発。

メディアがこれを取り上げたころから、大阪市も立ち入調査を余儀なくされた。結局、重金属汚染物の徹去を迫られたが、その一部一〇万トンは、USJの駐車場地下にセメントで固められ埋められたり、大阪湾の埋め立て処分場「フェニックス」で処理することになって、オープンにこぎつけた。

そして、なんとその産廃で有害物質と指定されている湯気がのぼっている状態の油泥などを産廃での埋め立てが禁止されているWTCのある咲洲地区に船でこっそり運んだいたのだ。この重金属汚染がいかに恐ろしいものか、地下水汚染の恐れがあると地元住民から訴訟を起こされた住友金属側が提出した書面に添付されていた現地調査の現場写真コピーを筆者は見たことがある。住友金属金属側の調査員は、まるで細菌テロのような防毒マスクをつけ、足の先まで覆われた宇宙服のようなものを着て、不法投棄の穴の中に入っていた。死者を出した茨城県東海村で起きた原子炉の臨界事故の時と格好はそっくりだった。つまり、住金側も恐ろしいものが埋まっていたことを知っていたわけである。

 だからといって、USJの重金属汚染問題が解決されたというわけではない。「重金属汚染物質を含む産廃を埋めたところは、ジュラシュッパーク再現のクライマックス、恐竜の森を通った観客の乗ったボートが高さ四〇メートルから一気に下るところにある」という先の内部告発者は、「まだ安全とはいえない、かなりの産廃が残っているはず」と今だに警告しているのだ。もともと、親から引き継いだ事業だが、その親は、「結核を患い、死ぬ10年ほど前から両手がどんどん細くなった。私にも同じことが起こっている。手足の痺れで字が書けなくなったり、足の神経の感覚がなくなったり・・・。会社の従業員に白血病や結核で亡くなった人もいる。有害物質を吸ってきたことが原因なのか・・・」。

 こうみてくると、WTCのある咲洲地区は、大阪市内でも有数の重金属汚染地帯と言っていい。まずボーリング調査をして汚染調査を先にやるのが筋だろう。「時限爆弾」を抱えたWTCやATCは今でも危険なのだ。ましてや、再三指摘しているように、大地震でも起きればビルの倒壊のもならず、猛毒が地下水を汚染し、一帯が一大汚染地帯になる可能性が高いのだ。

ところで、買収予算確定はあす9日がタイムリミットと、窮地に追い込まれた橋下知事が起死回生策としてもちだしたのが、橋下知事が大阪市議会で、平松市長が大阪府議会で「府庁移転のお願い」演説。奇策と言えば奇策だが、裏を返せば、橋下知事は、「説明責任」を放棄したのも同然。それほど、説得力のない移転案なのだ。

 最後に、大阪府政史上最悪の知事をいまた゜援護する「朝日」について触れおこう。

同紙は今月3日、4日と二回連載・大阪地方面でWTC問題の企画記事を掲載したが、登場した街づくりプランナーも経済学者も移転賛成派。いまだに、失敗したベイエリア開発の夢にしがみつく財界の御用学者の古びた開発至上主義は、もはや世界はもとより、日本の論壇からも、「カジノ資本主義」「新自由主義の失敗」として、烙印を押されたもの。

いまごろ、こんな論を張るとはアナクロ二ズムそりものだが、まちづくりプランターとして登場してた高田昇元立命館大学教授の言い分は支離滅裂で読むに堪えないものだ。かって高田氏は、いまから38年前の1971年5月、大阪市が市役所を建て替えることを口実にして明治・大正期建築物である大阪市役所、中之島公会堂、府立中之島図書館といった歴史的建造物を取り壊し、中之島一帯を再開発し、超高層ビル群をつくることが明るみにでた。この時、歴史的建築物と景観を守る運動のリーダーの一人だつたのが、高田氏なのだ。それが、どうしたことか今回は一転して、WTCへの移転賛成論をぶっているのだ。

日本最古の都道府県庁舎である大阪府庁は、映画のロケにもつかわれる風格のある建物だ。大阪城と一体となった歴史的景観をもつ場所でもある。本来、現府庁を守れと叫んぶはずの高田氏がなにゆえ、府庁の取り壊しに賛成なのか。どうやら、金儲けが根源にあるようだ。というのも、あの阪神・淡路大震災での神戸復興で、崩壊した建物の建て替えなどを主張する住民の反対を押し切り、この際、千載一遇のチャンスとばかりに、区画整理で街づくり計画を強行した神戸市の復興事業計画づくりに参画。いまでは「高田さんが神戸を歩くと石を投げられる」と建築業界でいわれるほど、地元神戸で恨みを買っている人物なのだ。その高田氏、今度はWTC移転がらみのまちづくりビジネスのチャンスとばかり、紙面に登場したことは想像に難くない。また、WTC移転問題で窮地に陥った橋下知事の助っ人として朝日がチョイスした人物と考えれば、不思議ではない。

 いつまでも、嘘で塗り固めたホピュリズム報道にしがみつていても部数は増えるわけではない。読者が求めているのは真実なのだ。究極の構造改革である道洲制も「分権」という名の地方自治破壊、いいかえれば、住民生活破壊の道を突っ走る朝日新聞は、自ら足元の読者を踏みつけにして、読者離れを引き起こしていることを自覚すべきである。

2009年03月07日(土)

西松建設和歌山事務所と6千万円献金の二階事務所

 きょう3月7日、報道された西松建設から10年以上らわたり六千万円り裏献金を受取っていたと報道された二階経産相の地元和歌山の二階俊博事務所・自民党和歌山県第三選挙区支部、同代議士の政策グループ「新しい波」事務所は、和歌山県庁近く、和歌山市広道20 第三田中ビルの2階にある。同階には、参院議員鶴保庸介和歌山事務所もあるが、同ビル5階には西松建設和歌山事務所がある。

懲りない大阪市の公費天国

元毎日放送アナウンサーの平松邦夫氏が市制刷新を掲げて大阪市長選挙に当選してから二年四カ月。市民が期待寄せた大阪市の公費天国ぶりは相変わらずだ。昨年発覚した事実上の同和対策事業である人権推進事業に絡み、職員が裏金で風俗遊びをしていたことがわかったが、平松市長は未解明のまま調査を打ち切り、真相は闇の中に葬りさられた。その大阪市でもっとも腐敗がすすでいるといわれている環境局でも、相変わらず勤務時間中の入浴が続いている。たとえば、平野区の環境局東南センター。以前から勤務中に入浴していることが続いている。早い場合は午後3時から台から。4時過ぎには多くの職員が2階のロッカー室で準備をして四階の浴場へ。其のあと、風呂上りの私服に着替えた職員らは3階の休憩室で退庁時間までくつろいでいるのだ。

 城東区の西北センターも、勤務中の入浴が多い。一階の事務所裏に風呂場があるので、事務所横から湯気が出ている。ここは四時台から入浴している。

 早飯が問題になっていタ昼はさすがに12時15分から13時に間にとるよう厳しいチェックすが入るようになった。しかし、午後5時ともなると一斉に門を出る。カードリーダーで午後5ジャストの退庁が記録されるのだ。私服に着替えた職員が午後5時に雪崩のように事務所から出てくる様は、一種壮観である。

 関前市長時代に左遷した元市長室長の森下氏を副市長に取り立てるなど、土崎元助役の復権と院政がささやかれていが、同じ京大閥の佐々木元助役(現鴻池組顧問)は、その土崎の後ろ盾だった。大失敗したベイエリア開発の張本人たちでもあった。

関西財界の意向を受けててWTCの大阪市第二庁舎への府庁舎移転の正面突破を図ろうと、必死の橋下知事。ともに財界の意向を受けた首長にはかわりはないが、土咲派の操り人形のような平松市長は、一方でまた橋下知事の使い走りのようで、まるで陽炎のように陰の薄い260万市民の市長である。


2009年03月06日(金)

小沢一郎元秘書の暴露メモ

2年前の07年3月のちょうど今頃のことである。小沢一郎氏を震撼させたあるメモが永田町にでまわった。小沢氏の元金庫番で「趣味は小沢一郎」と公言するほどの側近中の側近、元公設第一秘書の高橋嘉信氏が書いたとされるいわゆる「高橋メモ」である。小沢氏と同じ岩手県胆沢町(現奥州江市)出身の高橋氏は、同氏の秘書を約20年間務め、漫画「票田のトラックー」のモデルにもなった人物。新進党が保守党と分裂直後におみなわれた2000年の総選挙で小沢氏率いる自由党の比例東北ブロックに出馬し、当選。民主党との合流後の03年総選挙には出馬せず、政界を引退。以後、地元岩手で会社役員を務めているが、昨年5月、次回総選挙で小沢氏と同じ選挙区である岩手4区から自民党岩手県連の要請で同党公認候補として出馬することを表明、現在、選挙活動中である。

 今回事件の舞台になった小沢氏の政治団体の内情のすべてを知る立場にあった高橋氏は、メモ(資料参照)を書いた当時、「自民党の国対委員長の二階俊博(現経済産業相)と元保守党党首の熊谷弘の二人に囲われていた」(政治部記者)といわれた。同年三月末には、文藝春秋社から小沢暴露本を出版するとの情報も流れたが、どうした理由からかお流れになった。「〇七年度政府予算案の衆院通過に際して、二階がこの高橋情報を用いた」(同)ともいわれた。

 今回逮捕された大久保秘書は、その高橋氏の後任の金庫番である。これまでの小沢氏とその元側近の決別と対立の経緯からして事件のネタ元が「票田のトラクター」こと高橋嘉信氏であっても少しもおかしくないのである。

2009年03月05日(木)

豪華マンションの施工ミス

今年6月、50階建ての高層マンション「ザ・千里タワー」(豊中市新千里東町1丁目2番1号)が完成する。豊中市などが進めている千里ニュータウン再整備事業のシンボルに位置づけられ、販売価格は4,300万円台~、高層階は1億円以上の高価格にもかかわらず北大阪急行千里中央駅から徒歩1分という好立地条件がセレブたちの人気を呼び、総戸数356戸はほぼ完売、6月の完成・7月の入居開始を待つばかりだった。しかし、欠陥疑惑が浮上して購入者の間に動揺が広がっている。

橋本・大阪府知事が入居するという噂も立った(本人は否定)この豪華マンションで施工ミスが発覚したのは昨年11月14日のこと。順調に進んでいた建設現場で突然、「ドン」という音と揺れがあった。施工業者の竹中工務店が建物内を調べたところ、19階の南側の柱(約90センチ四方)のタイルなどが継ぎ目から上下約15センチずつ、最大で厚さ5センチほどひび割れて、はがれていた。工場でつくられた柱の部材を現場で組み立てる際、接合するために高強度の充填材を2回に分けて注入すべきところを1回しか入れず、継ぎ目から差し込む6本の鉄筋の穴のうち2本分しか埋まっていなかった。何とも単純な施工ミスだ。竹中工務店は「安全性に問題はない」と説明。補修工事をして、予定通り6月末までに完成させるとしていた。販売担当の住友商事は、契約者には事故の概要を通知。「補修で同じ安全性能を持った物件とし、資産価値は変わることはない」と説明した。

ところが12月6日にも、39階の窓ガラスが割れ、ガラス破片が100メートル下の敷地外を含む地上に落下するという事故が発生した。姉歯事件以降、日本中のマンション居住者の間で建物の強度に対する疑心暗鬼が広がったのは記憶に新しい。杜撰と言われても仕方が無い施工振りを目の当たりにした「ザ・千里タワー」の購入者たちは、一斉に浮き足立ち中には契約解除に動く人もいるようだ。


2009年03月04日(水)

朝日、毎日悩ます給付金広告掲載拒否

一人一万二千円の定額給付金が今日衆院で再議決され、明日5日から実施されることになった。この定額給付金について政府は、メディアに大々的に広告を出すことにしているが、なぜか、朝日と毎日には出稿しないという。理由は定額給付金を「バラマキ」と紙面で批判したためだが、両社とも赤字決算で記者給与の削減など経営が苦しい。毎日は割安だが、朝日の場合、一面全面広告ともなると千万円単位の収入になる。のどから手が出るほど欲しい広告だが、いかんともしがたい状態だ。

大阪毎日放送がこれまでの禁を破って創価大学のCMを流しはじめたのはつい最近のことだ。社内でも創価学会のCMに反対する報道と推進する営業との間で激しい対立があったという。しかし、同社も急激な広告減で、背に腹は代えられないということで、創価大学のCM解禁に踏み切った。派遣切り批判報道にトヨタの奥田前経団連会長がそれこそ切れて、広告を出さないと圧力発言をしたが、これからも、経営難のメディアに対する政府広報という名の無言の圧力が強まるだろう。


小沢事件の陰にもう一人の大物代議士と政商

民主党・小沢一郎代表の「金庫番」でもある公設第一秘書の大久保隆則被告が3日、同代表の資金管理団体・陸山会への準大手ゼネコン・西松建設からの献金に絡んで、政治資金規正法違反(虚偽記載など)の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。もともと西松の小沢代表への資金のルートは故金丸信自民党副総裁にある。金丸の次男が西松の社長だった杉本三吾氏の娘と結婚。金丸は、竹下派の七奉行の一人だった小沢を人一番かわいがり、「後見人」となった。そうして四七歳の若さで小沢を自民党幹事長に抜擢した。つまり、小沢はドンである金丸の資金ルートである西松を引き継いだというわけである。

 この西松建設をめぐっては、もう一人の大物政治家と政商の名前が登場するのだ。和歌山県選出の大物政治家・二階自民党経済産業相のことで、手元にバブル期の8年地元の和歌山県由良町のゴルフ場「シーサイド由良カントリークラブ」の発起名簿ある。。代表発起人は金丸信氏で、二階氏も理事の一人として財界人とともに名前を連ねているが、地元町長と連名で地元住民に手紙を出して土地買収に協力を促すなどことのほか熱心に推進の動いた。

このゴルフ場は、大阪泉州の政商として知られている辻野源治氏の「辻野産業」(泉南市)が計画したもので、道路は大林道路、コース造成し西松が請け負うことなっていた。辻野氏は、二階氏のタニマチとして地元では有名だ。しかし、バブル崩壊で計画は挫折し、山林のままになっている。ところで、なぜ、和歌山の片田舎のゴルフ場に金丸氏かといえば、田中人脈を引き継ぐ竹下派の重鎮で、当時、関西の大プロジェクトたった関西空港の建設を仕切った人物で、公共事業に多々な影響力を持っていたことと、さきの政商・辻野源治氏との関係があるからである。辻野氏は、日ごろから「二階に頼まれ、金丸邸に女を世話した。それで東京に行けば、金丸邸には裏口から出入り自由だ」と自慢していたほどの昵懇の間柄にあった。

 その後の98年辻野社長自ら理事を務める地元大阪府のJA泉南市の巨額不正事件で大阪地検察特捜部に逮捕されることになる。この時の不正融資の多くが、さきのゴルフ開発資金に充てられていたことがのちに判明する。事件は当時の尾崎和歌山市長逮捕事件にまで発展する。

 いずれにせよ、解散・総選挙を目前に、有利な民主党壊滅のために与党が仕組んだそれこそ起死回生の国策捜査であることは明白だ。東京地検特捜部も、金丸が残した資金ルートを徹底的に暴き、不正であれば与野党を問わず厳正に捜査を行うことを世論は求めている。最強の捜査機関が与党を支える政治検察に堕落してしまっては、またぞろ金丸脱税事件の時のように国民の検察不信の声は高まり、再び、権威失落となるだろう。

2009年03月02日(月)

「諸君」が廃刊へ

文芸春秋社発行のオピニオン雑誌「諸君」が5月1日発売の6月号で廃刊することになった。廃刊の理由は、昨年秋からの急激な広告収入の減で、前年比20億マイナスを記録したこと。日本の右翼論題を代表する「諸君」の廃刊は、そのまま「文芸春秋」の衰退を象徴するようなものと社内では受け止められている。さきの中川前財務大臣の泥酔問題は、世界にタイタニックジャパンと打電されたが、100年に一度といわれるこの大不況に日本を代表する大出版社もまさに錐揉み状態に追い込まれ、ない袖は振れぬということだろうか。

ナイーブな中川前財務相の不安

中川前財務・金融相は2月27日、地元選挙区の後援会総会に出席し、そのあと、議員辞職を否定する記者会見を行った。地元後援会の要請でみそぎ選挙といったん決意を固めていたようだが、結局、バッヂを外して選挙を戦うことを恐れたようだ。もともとがナイーブな性格の持ち主。

ただでさえ、次回の選挙は危ないといわれているところに、バッヂなしの選挙に不安を覚え、議員辞職を踏み止まったようだ。そして、もう一つ、党本部からの陰に陽にプレシャーがかかったようだ。事実、金曜日には自ら担当大臣としてつくった本格予算の議決本会議への出席を同党国対委員会の指示で欠席させられた。しかも、いま一議席の重みが増している状況にある。議案が参院で否決されても、憲法の規定で衆院の再議決で三分の二以上の賛成があれば、成立する。

現在の与党の議席数で余りは一六議席。ここで中川が議員辞職すれば、15議席と余裕が少なくなる。そこへ、小泉元首相が定額給付金に反対し、本会議を欠席することを公言しており、これに小泉チルドレンが同調すれば、議案成立はたちまち危うくなる。300を超える議席を有しているとはいえ、いまの与党は現時点では一議席は貴重な一票なのだ。だから、中川前財務相の辞職見送りの背後に、自民党執行部から待ったがかかったのではないかとの憶測も流れている。次から次へと湧き出すスキャンダルに、衆院の解散日はますます特定しづらくなくなってきた。

郵便不正事件

 企業のダイレクトメール広告の発送をめぐり、障害者団体の発行物を格安で郵送できる制度を悪用し、正規料金との差額約6憶5千万円を免れたとして大阪地検特捜部は2月26日、大阪市西区の広告会社「新生企業」(現伸び正)の社長・宇田敏代容疑者と元取締役の阿部徹容疑者を郵便法違反と脱税容疑で逮捕したが、宇田容疑者に対して障害者団体を紹介した人物として二人の政治家が報道された。匿名報道だが、この二人の政治家とは、大阪府議会副議長で公明党所属の鈴木和夫府議(枚方市選出)と吹田市議会の市民クラブ所属の生野英昭市議。

2009年02月27日(金)

中川前財務大臣が議員辞職へ

 中川昭一前財務・金融大臣が今日の新年度予算案衆院可決後、議員辞職することになった。主要7ヶ国財務・中央銀行総裁会議(G7)後の泥酔記者会見問題で引責辞職することになった。地元北海道の後援会から議員辞職の声が強まり、「すぐに選挙があるので、いま辞任し、出直し方がいい」と判断したもので、財務大臣として予算案の衆院通過を見届け、その責任を果たしたというのが理由付けになる。

2009年02月26日(木)

豪華なマンションの住人

一昨年3月、JR天王寺駅から徒歩5分のJR跡地に、大阪市南部地区では最高層マンション「シティタワーグラン天王寺(246戸)」が完成した。43階建てのこのマンション、高価格にもかかわらず、売れ行きは好調だった。カネはあるところにはあるものだ。そしてこの高級マンションに、橋下・大阪府知事が出入りしている姿を目撃したといううわさが広がり、地元で大きな話題となった。

知事の自宅は豊中市なのに何故天王寺でそのような話題がもちあがったのか。そのマンションを訪れたところ、周囲の建物を圧倒する威容だ。マンションの住民や通行人に話を聞いたところ、うわさは、近所の子供たちの、マンションに入る橋下氏を目撃したという話がきっかけで、そのうわさはすぐに広まり、マンション住民たちの間でも一時その話題で持ちきりになった。しかし、その後実際に知事の姿を目撃した人がいないため、最近は噂が沈静化しているという。

大阪府議会議員たちの間でも話題になりある議員が知事に「マンションを買ったんだって?」と冷やかしたところ、知事本人は笑って否定したという。タレント弁護士時代の橋下氏の年収は3億円ともいわれており、マンションの1つや2つは大した負担ではなく、働いて得たカネで別荘を買うことは別に非難されることではない。

 このマンション、郵便ポストに表札を出していない住民が大半なので外から見ても誰が何処に住んでいるのか分からない。特定するには不動産登記簿を確認するしかない。だが、苦労して246戸全ての登記簿を取得したものの、知事本人名義での所有権記載はなされていなかった。やはり単なるうわさか人違いに過ぎなかったのか。

 話はまったく変わるが、全室の登記簿を取得した結果、ある1室の所有者に気になる会社が登場する。その物件に抵当権の設定はなく、キャッシュで購入したリッチな会社だ。同社はもともと病院乗っ取り専門グループの1社だった。グループの首謀者は3年ほど前に逮捕されている。

グループが乗っ取ったある病院は、大阪のフィクサー系企業が不動産の所有権を取得、その間の病院の運営は乗っ取りグループが担った時期もあり、両者のただならぬ関係を嗅ぎ取ることができた。そのフィクサーも後に逮捕されて、2人仲良く塀の中の住人になったが、逮捕されてもフトコロはあまり痛まなかったということかもしれない。


2009年02月23日(月)

夕刊紙とスポーツ紙の危機

ある日の夜9時頃、電車に乗ったときのこと。結構すいていて、40人ほどの乗客は全員座っている。乗客の約9割がサラリーマンだ。一昔前なら多くのサラリーマンがタブロイドの夕刊紙やスポーツ新聞を読んでいた。しかし、この日の光景は全く違っていた。数えてみると新聞を読んでいるのは2人だけ。半数の乗客が携帯電話を操作している。宅配の一般新聞でさえ苦境にあえぐ中、駅売り中心の夕刊紙やスポーツ新聞の多くは今、売れ行きが激減して経営危機に陥っている。

 スクープの連発で読者をひきつけて、最盛期には公称100万部という発行部数を誇った夕刊紙やスポーツ紙もあるが、今はおしなべてその10分の1の部数と言うから見る影もない。部数減少の要因はいくつもある。若者の活字離れの影響につれて収益を支えてきた広告スポンサーもネット広告へとシフト。人手不足による駅ホームの売店廃止の加速、フリーペーパーの台頭、中心購読者層である団塊世代の大量リタイア。加えて昨年来の不況が大きく影響して各紙とも部数減に歯止めが掛からない状況に陥っている。最近はコンビニでの販売も行っているが焼け石に水。すでに地方では廃刊の動きが現実となっており、昨年11月、夕刊紙「名古屋タイムズ」が62年余の歴史に幕を閉じた。

そしてこのところ、かなり真実味のある?噂として新聞業界をかけめぐっているのは、夕刊紙2紙と、派手さが売りのスポーツ紙廃刊の噂。いずれも業績向上の打開策はなく、広告出稿も大幅ダウン、リストラは限界で経営は火の車だ。これらがすぐに廃刊するかどうかは別として、駅売り中心のメディアの中で将来的に生き残るのは、大手新聞社系のスポーツ紙2つ程度というのが当然の成り行きかもしれない。


2009年02月11日(水)

コンフィデンシャル OSAKA インターネット版開設のご挨拶

ごあいさつ
ますます閉塞感が強まる今の日本。
過去、政治・経済・社会のウラに蠢く面々を著書で告発することにより、間違った方向へ進もうとする日本に警鐘を鳴らしてきました。

この度、「コンフィデンシャル OSAKA インターネット版」として当ブログを開設するに至りました。
今後とも、精力的な取材活動を通じて、ウラ情報を皆様へお伝えいたします。どうぞ宜しくお願いいたします。