2010年5月26日水曜日

【陸山会事件】 上申書 (追記)

 検察審査会が「起訴相当」とした陸山会の政治資金規正法違反事件であるが、検察が不起訴としたことから告発をした市民団体「真実を求める会」が検察審査会に上申書を提出をしたという。それも東京第5、東京第1両検察審査会の両方だという。

ここから見えてくるのは、平成16・17年度分を告発した団体と19年度分を告発をした団体が同一だということである。

追記に、2010年7月3日のブログをそのまま載せておきます。
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市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件 
2010.5.26 18:46
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100526/trl1005261848003-n1.htm

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。

 上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。

 同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。


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小沢氏、近く審査会に上申書提出 収支報告書虚偽記入で
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010063001000377.html

 自身の資金管理団体の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、起訴相当の議決後に再び不起訴となった小沢一郎民主党前幹事長が、2回目の審査をする東京第5検察審査会に対し「虚偽記入への共謀は成立しない」とする上申書を近く提出することが30日、分かった。

 小沢氏の委任を受けた代理人の弁護士が明らかにした。この代理人名で提出する。政界中枢の現職議員が審査会に上申書を提出するのは異例。

 衆院議員石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反の罪で起訴=が04年に小沢氏から借りた4億円が充てられた東京都世田谷区の土地購入費の記載を05年分報告書にずらすと報告し、小沢氏が「そうしてくれ」と応じたとの石川被告の供述調書などについて、「証拠が弱い」などと主張するとみられる。

 審査会は4月、小沢氏と石川被告ら元秘書3人との共謀が強く推認されると指摘し、小沢氏を「起訴相当」と議決。再捜査した東京地検が5月に再び不起訴としていた。

2010/06/30 12:22 【共同通信】

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 つい先日まだで「政治とカネ」一色で小沢・鳩山氏をバッシングをしていた大手既存マスコミであるが、官房機密費がマスコミに渡っていたと暴露され「報道とカネ」が巷にも知られ始めると沈黙をはじめ、参議院選挙の報道一色になってしまった。

そんな中、先日検察審査会に小沢氏が上申書を提出をするという記事が流れていた。最初に流したのが朝日であったと記憶をしている。

小沢氏側、検察審に書面提出へ 「共謀認定可能」に反論

http://www.asahi.com/national/update/0625/TKY201006240573.html

この中では、非常に微妙な言い回しで記事が書かれている。

「ただ、検察審査会法には被告発人や被疑者の立場にある人が、上申書や意見書を提出できるとする規定はなく、審査に反映するかどうかは、審査会の判断に委ねられる。」と書かれている。

ところが、この検察審査会には、被告発人や被疑者の立場にある人かは書かれてはいない(どの事件に関して告発か明確ではないという点)のであるが、5月26日に朝刊フジから次のような記事が出ている。


市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件 

2010.5.26 18:46

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100526/trl1005261848003-n1.htm

 民主党小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。

 上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。

 同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。


つまり、告発した団体が上申書を「とっくに提出」をしているのであって、朝日が書いた「被告発人や被疑者の立場にある人が、上申書や意見書を提出できるとする規定はなく、審査に反映するかどうかは、審査会の判断に委ねられる。」という書き方は、誤解を与えかねないし、もし朝日の記事が正しいとした場合には夕刊フジの記事「告発した団体が上申書を提出」という話の信憑性が問われるのである。

もっと面白いのは、47ニュース(共同通信系)であろうか。

「小沢氏、近く審査会に上申書提出 収支報告書虚偽記入で」とされたタイトル記事にはこう書かれている。政界中枢の現職議員が審査会に上申書を提出するのは異例。

気のついた方もおると思うが、上申書を提出をした政界中枢の現職議員はほかにも存在し、誰あろう鳩山由紀夫前首相である。

鳩山首相の上申書要旨

http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009122401000880.html

この記事は誰が書いて配信をしたかであるが、小沢氏に関しては、「異例」と書いた47news(共同通信)自身である。それも1本だけではなく検索をすると13本も出てくるという「おまけ」までついている。

「鳩山 上申書」での検索

http://47news.popin.cc/index.html?q=%E9%B3%A9%E5%B1%B1%20%E4%B8%8A%E7%94%B3%E6%9B%B8 

同様の報道はテレビでもなされていて、現在の既存の大手マスコミの恣意的ででたらめな体質を垣間見た思いである。

それに触発されたのか、気弱な地上げ屋さんまでブログに書いている(別ルートからの情報なのかは今回は聞いてはいないが)

「いよいよ、やらなきゃならんな・・・」 と言う覚悟を感じます。

ただ・・強制起訴となったら・・・

まぁ~、その後30日の47(共同)の記事へとつながるのであるが、大手既存メディアにとって、この小沢氏側からの上申書は非常にマスコミにとっては不利(不愉快)なものであることが伺いしれる。

そこへ、日刊ゲンダイが面白い記事を書いてきたようである。自分は読んではいないのだが、ゲンダイ的考察日記さんが、其処からの記事を下記のようにまとめられているのでリンクを・・・とも考えたのだが・・・コピーをさせていただく事に勝手に決めちゃいました。


[小沢一郎ネタ] 小沢事件 検察審査会の異常事態

http://octhan.blog62.fc2.com/blog-entry-1524.html

 審議が開けない!? 補助弁護士が決まらない前代未聞

小沢事件を審査している「検察審査会(検審)が“異常事態”に陥っている。一般有権者から選ばれた審査員に事実関係や法律解釈を説明する「補助弁護士」が決まっていないというのだ。補助弁護士の「不在」が本当ならば、今後の審査は一体、どうなるのか。

起訴相当」が一転「不起訴相当」か?

「検審の補助弁護士は、1回目はつけてもつけなくてもいい任意だが、2回目は義務で必ずつけなければいけない。各検審が地元弁護士会を通じて選任する仕組みですが、小沢事件のように1回目に補助弁護士がついた複雑な事件の場合、2回目も同じ弁護士が選任されるケースが多い。事件の概要や法律解釈について、一から把握するよりも早いからです。明石市の花火大会事故を担当し、当時の県警副署長を『起訴相当』と議決した神戸の検審も、1回目、2回目ともに補助弁護士は同一人物でした」(法務省事情通)

小沢事件でも、「慣例」に従えば、1回目に補助弁護士についた米澤敏雄弁護士が“再登板”するのが自然だ。

ところが、米澤氏所属の事務所は「(米澤氏は補助弁護士を)降りたので、一切関係ありません」(担当者)というのである。小沢事件を審査している東京第5検審事務局も「(状況は)答えられない」という。

この時期に補助弁護士が決まっていないとすると、検審の2回目の議決が出るのは、早くても9月以降。議決内容も大きく変わってくる可能性がある。

「東京第5検審は、1回目に『起訴相当』議決をした審査員11人のうち、4月末に6人が交代し、残り5人は7月末に交代するため、再議決は7月中にも出るとみられていた。しかし、いまだに補助弁護士が決まっていないとすれば、7月はとてもムリ。となると、『起訴相当』と判断した1回目の議決に関わった11人すべての審査員が交代し、あらためて審査することになる。1回目の議決の審査員が5人残っていれば、2回目も『起訴相当』になる可能性が高かったが、新メンバーが白紙から審査するとなれば、議決も変わってくる。検察の処分通り、常識的な『不起訴相当』になるかもしれません」(司法ジャーナリスト)

検審が「起訴相当」と判断すれば、小沢は離党するとみられているが、逆に「不起訴相当」になれば一転、9月の代表選に打って出る可能性がある。

(日刊ゲンダイ 2010/07/02 掲載)


 一回目には検察審査会は、「起訴相当」の議決をしているのであるが、この時の補助弁護士であった米澤弁護士には「多くの弁護士の方からも疑問符」がつけられていたし、審議では「やくざの親分子分の事例」を出したり、「検察が出席をした時点では議決」が固まっていたともされ、また審査を担当した市民11人には守秘義務が課せられているにもかかわらず、「11人全員が起訴相当」したことがもれ伝わったり、審議の内容が伝わったりと「もう無茶苦茶な状態」である。

今、参議院選挙で忙しい方も多いとは思うし、選挙の結果も大事ではあるが、選挙後は小沢氏の動きにかかっていると思う。そのためにも、今は期日前投票を済ませ、いち早く検察審査会と検察の動きを監視しまた大手既存のマスコミの報道をチャックする必要があると自分は考える。


2010年5月23日日曜日

【吉野勉強会】 佐藤優

 第三回「一滴の会」吉野勉強会(主催・月刊日本)が、5月21日(金)~5月23日(日)の日程で、吉野山に於いて行われている。

元参議院議員・村上正邦氏、石川知裕衆議院議員も参加している。検察・マスコミに対しての疑問そしてマスコミの情報操作の意図を察知し公正公平なものの見方が必要であるとともに、新聞社がどんな意図を持って記事にしているのかを読み取らなければならない。



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優 「統帥綱領」導入部分・国体の危機



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優 (抜粋)密約問題と非核2.5原則



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優 葦津珍彦の国体論と左翼構築主義



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優(抜粋)「統帥綱領」外国軍の指揮下



一滴の会 第3回吉野勉強会 佐藤優(抜粋)「統帥綱領」口伝 統帥と官僚



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一滴の会 第3回吉野勉強会の一行と吉水神社 佐藤素心宮司



一滴の会 第3回吉野勉強会 村上正邦「どうなる」から「どうする!」へ

2010年5月22日土曜日

【検察審査会】 日経の記事 追記(26日の産経の記事)

日本経済新聞が、陸山会事件とされるものに対して検察審査会が「起訴相当」とし、検察が再度不起訴としたことについて、この検察審査会の問題点を記事にしている。

この中に書かれている事が事実であれば、非常に恣意的な審議が行われたと思われても仕方がないだろう。

追記(7月5日、共同通信47news 小沢民主党前幹事長の上申書要旨)
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市民11人が最終判断、2度不起訴の 小沢氏側、上申書を検討
2010/5/22

検察審査会の起訴相当の議決からわずか3週間余り。政権与党の最大実力者と検察当局との”延長戦が”21日、幕を下ろした。民主党の小沢一郎幹事長の早期の不起訴は、検察内部では当初から既定路線。強制起訴につながる可能性のある今後の2回目の審査では、小沢氏は検察審に「上申書」の提出を検討しており、その内容や、元秘書らの供述の評価などが焦点だ。

●意見聴取カギ 不起訴を受け、再び審査に当たるのは前回全員一致で「起訴相当」を議決した東京第5検察審査会。今度は11人中8人以上の同意で、小沢氏は強制的に起訴される。

 焦点は証拠をめぐる評価だ。関係者によると、1回目の審査では、議決書の作成を補助する「審査補助員」の弁護士が、暴力団組長が銃刀法違反(共同所持)罪の共犯に問われた裁判例などを紹介され、議決に影響を与えたという。

 慎重さを期すため、検察審査会では、2回目の審査で補助員の弁護士と検察官からの意見聴取を義務付けている。1回目の審査で補助員を務めた弁護士が続投するのか、別の弁護士に交代するのか。選任は補助員を選んだ弁護士会の判断だが、「それにより正反対の結論が出る可能性もある」(法曹関係者)

 1回目の審査で説明に訪れた特捜部の主任検事は「すでに(起訴相当の)結論で決まっていたそうで、聞く耳を持たなかった」と漏らしたという。検察側の説明をどう受け止めるかで、結論も変わってきそうだ。

●審査開始時期も影響 もう一つの焦点は、2回目の審査が始まる時期だ。前回「起訴相当」を出した11人のうち、6人は5月1日に交代。残る5人が交代する8月1日にまでに審査がどれだけ進むかが、結論に影響を及ぼす可能性は大きい。

審査入りの時期の既定は検察審査会にはなく、原則申し立て順。新制度導入後の1年間で東京の6つの検察審査会は計200~300件を審査しており「件数が多ければ、開始は遅くなる」(検察審関係者)

 過去、強制起訴に至った兵庫県明石歩道橋事故とJR福知山線脱線事故は、いずれも不起訴から強制起訴の議決までに4ヶ月近くかかった。小沢氏の弁護団は事件の関与を否定する上申書の提出を検討、「結論ありきではなくもう一度最初から議論してほしい」などと訴えている。

●問われる閉鎖性 検察審は、公開の法廷で審議される裁判員制度と異なり、非公開。審査の回数や議論の内容、審査員の経歴、議決までの経緯などは明らかにされず、恣意(しい)的な審査になる恐れはぬぐえない。強大な権力が適正に行使されたのかを第三者が法的に監視する仕組みもなく、「権力が強まったのだから、議論の過程をオープンにすべきだ」(法務・検察幹部)との意見も出ている。

 しかも、重大事件に限定された裁判員制度に比べ、検察審はあらゆる事件が対象。市民感覚で検察の判断に「ノー」を突き付ける判断は「検察の起訴独占主義に風穴をあけた」との評価の反面「無罪でもいいから疑わしきは法廷に引っ張りだせということなら、制度自体が持たなくなる」(別の検察首脳)との懸念も聞かれる。
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市民団体が上申書提出 小沢氏の陸山会事件 

2010.5.26 18:46

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100526/trl1005261848003-n1.htm


 民主党小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、小沢氏を政治資金規正法違反罪で告発した都内の市民団体「真実を求める会」は26日、東京地検特捜部が小沢氏を再び不起訴処分としたことは承服しがたいとして、東京第5、東京第1両検察審査会に上申書を提出した。


 上申書では、ボディーガードの暴力団組員の拳銃所持について指示していない組長の共謀を認めた判例を示し、「小沢氏と元秘書の間で暗黙の指示は十分認められ、共謀は成立する」としている。


 同会の審査申し立てを受け、第5検審は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載について小沢氏を「起訴相当」と議決、再度の不起訴処分を受け、再審査に入っている。第1検審は19年分の虚偽記載について審査を続けている。


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小沢民主党前幹事長の上申書要旨 

http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070501000492.html


 小沢一郎民主党前幹事長の代理人弁護士が、東京第5検察審査会に提出した上申書の要旨は次の通り。


 【告発事案の評価】


 告発事実は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が2004年に購入した土地について、同年分の収支報告書にその代金の支出と土地の取得を記載せず、05年分の収支報告書にそれを記載したことを問題にしているが、これは、いわゆる「期ずれ」処理ということだ。


 証拠に基づいて冷静に事実をみると、小沢氏が自己資金を自己が代表者となっている資金管理団体に貸し出し、秘書らの宿舎用地を購入した事柄について、現実の出金および不動産の売買契約の時期と収支報告書の記載について約3カ月のズレがあることが厳しく指弾されてきたというのが、これまでの経緯だ。


 小沢氏の当時の秘書が建設会社から5千万円を受け取り、それが土地購入原資の一部になっているなどと喧伝され、それ故、悪質だという主張がなされたが、このことに関する一連の証拠関係を全体的に検討すれば、そのような見立ては合理性に欠けることが分かるはずだ。あくまで告発事実自体について冷静に判断すれば、資金管理団体の代表者たる政治家本人の刑事責任を問うような事案ではない。


 【直接的証拠の評価について】


 04年10月、担当秘書が土地購入資金4億円を小沢氏から借りたことを隠すとともに土地購入時期を翌年にずらすことを報告したところ、小沢氏は、これを了承したとの供述調書が存在するとのことだ。


 ところが、収支報告書には「借入金 借入先 小沢一郎 ¥400000000」と記載されている。これでは、小沢氏から借りたことを隠したことにならない。小沢氏から借りた4億円を隠す意図があったとの供述は信用できない。


 そもそも、04年10月の会話をもって、翌年3月に提出する収支報告書の虚偽記入について「犯罪を共同して行う意思を通じ合っていた」とはいえない。


 【小沢氏の立場と判例について】


 前回議決では、小沢氏に絶大な指揮命令権限があるとの前提で、共謀に関する諸判例から考えて、小沢氏を共謀共同正犯に問えるとのことだ。


 収支報告書への記載については、小沢氏は担当秘書らに任せているので、収支報告書の記載の仕方という分野では、小沢氏には絶大な指揮命令権限などない。多忙な日常の中で、小沢氏が事務仕事の細部にまで関心を持ち、指揮するなどとは想像できない。


 前回議決にいう諸判例の一つは、暴力団組長が外出する時に拳銃を所持するボディーガードに守られるのを常としていた状況下では、拳銃所持につき直接指示を下さなくても共謀共同正犯の責任を問うことができるとの判例と思われる。しかし、これは事案の性格が全く異なり、本件における共謀関係の判断になじまないものだ。本件の事案のような場合に担当秘書らと共謀したというためには、黙示的ではなく、明示的で具体的な意思の連絡が必要と考えねばならない。


2010/07/05 17:51 【共同通信】

2010年5月21日金曜日

【陸山会】 検察審査会

【小沢氏再不起訴】検察審査会、7月までに再議決も
2010.5.21 21:17
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100521/crm1005212119033-n1.htm

 小沢一郎氏が、再度の不起訴処分となったことで、今後の焦点は「起訴相当」と議決した東京第5検察審査会の再審査に移ることになる。

 再審査は改めて告発人らの申し立てがなくても同じ検審が自動的に始める。第5検審では1回目の議決をした審査員11人のうち6人が5月で交代しており、再審査は残り5人と新たに加わった6人が行う。このうち8人以上が「起訴すべきだ」と判断した場合には、小沢氏は東京地裁指定の弁護士に強制起訴される。

 再審査で検討される証拠は、最初の審査とほぼ変わらない。ただ、小沢氏は再聴取で事件への関与を否定した調書1通を取られ、その後「検審の結論を受け、より分かりやすく、丁寧に話した」とコメントしている。「小沢氏の供述は信用できない」と議決した検審が新しい調書や、小沢氏の姿勢をどう判断するのかに注目が集まる。

 審査員のうち5月に残った5人は8月に交代することから、再議決は7月までに出される可能性もある。

 再審査の対象は平成16、17年分の政治資金収支報告書への虚偽記載だが、東京第1検審が小沢氏について19年分の虚偽記載の審査を担当しており、こちらも動きがありそうだ。

 4月27日の「起訴相当」議決後、小沢氏は東京地検特捜部からの再聴取要請にすんなり応じ、さらに衆院政治倫理審査会に出席する意向をも示した。小沢氏の態度を一変させた第5検審の判断。次は強制起訴に至る可能性もあり、これまで以上に注目されそうだ。

【小沢氏再不起訴】大鶴次席検事「捜査尽くした。短すぎということにならない」
2010.5.21 19:15
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100521/crm1005211917025-n1.htm

 「小沢議員について、起訴済みの会計責任者らと共謀し、犯罪行為を実行したと認めるに足る確証は得られなかった」。東京地検の大鶴基成次席検事と佐久間達哉特捜部長は21日午後5時すぎから、東京・霞が関の検察合同庁舎で、小沢一郎民主党幹事長を不起訴処分とした会見を行い、大鶴次席検事は処分理由をゆっくりと2度繰り返した。

 会見で再捜査当初から不起訴に傾いていたのでは-との質問が出ると、大鶴次席検事はやや声を強め「議決を参考に、それまでの証拠と再捜査で得た証拠でもう一度判断した」と厳正な判断を強調した。

 平成21年3月の西松建設違法献金事件から小沢氏側への捜査指揮を担ってきた佐久間部長は「再捜査の結果も踏まえたが、証拠に変わりはなかった」と語った。

 捜査終結かとの問いには大鶴次席検事が「前回も捜査すべき事項は捜査したと申し上げた。それでお分かりいただきたい」とした。

 最後に、起訴相当議決から再処分まで約3週間だったことを問われると、大鶴次席検事は「第1次処分でも捜査を尽くした。今までの捜査があり、短すぎということにはならない。十分判断できると考えて処分した」と淡々と語った。


【小沢氏再不起訴】「疑惑がないこと明確にして頂いた」と小沢氏がコメント
2010.5.21 19:33
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100521/stt1005211936013-n1.htm

 民主党の小沢一郎幹事長は21日、自身の政治資金規正法違反事件について、東京地検特捜部が不起訴処分としたことを受け、コメントを発表した。全文は以下の通り。

 先ほど、検察当局が私に対する再聴取の結果、私を再び不起訴にするとの報に接しました。
 一般の方々によって構成される検察審査会の結果を受けて、先週、検察当局から再度、事情を確認したいという要請がありました。

 私はその要請に直ちに応じて先週末に4時間以上をかけて検察の担当者に事実をありのままにご説明申しあげました。

 今回の説明で特に留意したのはこれまで以上にどなたにも理解していただけるように説明するということでした。

 既に検察当局では長い時間をかけた捜査の結果でも私にかけられた疑いについて不起訴であるという結果が出ていたわけですが、一般の方々で構成されている検察審査会では違った結果が出たからです。

 もちろん、事実関係はこれまでと何も違わないのですが、そうした思いを強くして話したということです。

 これまでの捜査に加えてその結果を含めて、本日、検察当局が再び不起訴とすると判断されたことは、私の関与や疑惑がないという事実を明確にしていただいたものと受け止めております。衆議院議員 小沢一郎

【日本郵政】 米国と欧州連合が日本郵政に関する懸念

米国と欧州連合が日本郵政に関する懸念を表明
(プレスリリースおよびその背景説明 英文はこちら)
2010年5月21日、ジュネーブ

 米国のマイケル・パンク世界貿易機関(WTO)大使と欧州連合(EU)のジョン・クラーク臨時代理大使は本日(5月21日)、日本の北島信一・在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使とジュネーブで協議し、保険・銀行・宅配部門において日本郵政と民間企業との間で対等な競争条件が欠如していることへの、米国とEUの長期にわたる深刻な懸念を表明した。

 「米国とEUは日本と協議し、WTO協定の下で日本が履行を約束した内国民待遇(輸入品・サービスに適用される待遇が、同種の国内産品・サービスと比べて差別的であってはならないという原則)規定に照らし、日本政府による日本郵政への優遇措置について米国とEUが深く懸念していることを強調した」とパンク大使は説明した。

 パンク大使とクラーク臨時代理大使は、日本郵政の民営化の是非は日本が決定すべき事項であり、米国とEUは中立的立場を維持すると述べた。しかし、国会に提出された郵政改革関連法案が、日本郵政が民間企業に比べて有利な待遇を受けることへの米国とEUの懸念に対処していない点については、落胆の気持ちを表明した。また、日本郵政の業務に民間よりも緩やかな規制が課せられる等、日本郵政が競争上さらに有利となる条項が法案に盛り込まれている点でも共通の懸念を示した。

 さらにパンク大使とクラーク臨時代理大使は、対等な競争条件が確立される前に、日本郵政の保険会社および銀行の事業範囲拡大を認める規定についての憂慮を伝えた。

 「日本が郵政改革関連法案の国会審議等を進める際に、対等な競争条件に関する米国とEUの懸念に対処し、WTO(協定の)義務を果たすことを強く要請する」とクラーク臨時代理大使は述べた。パンク大使とクラーク臨時代理大使は、こうした懸念に対処するために、米国とEUは日本との協力を続けていくと強調した。

背景説明
民営化については賛成でも反対でもなく、対等な競争条件の欠如に関する懸念
 米国とEUは、日本郵政の民営化の是非については中立的立場を維持している。しかし、日本郵政の改革は競争条件に深刻な影響を及ぼす可能性があることから、米国とEUは日本政府に対し、WTO協定の義務に沿って、日本の銀行、保険、宅配市場において日本郵政各社と民間競合企業との間に対等な競争条件を確立するために必要なあらゆる措置を取るよう、引き続き要請していく。

日本郵政に関する長期にわたる懸念
 米国とEUは長年にわたり、日本郵政の保険、銀行、宅配業務が、同一のサービスを提供する民間企業と比較して優遇されている問題を指摘してきた。我々が懸念しているのは、こうした優遇措置が、外国企業を含む民間企業に悪影響を及ぼす形で、日本郵政の業務に有利な競争条件を提供してきた点である。例えば、かんぽ生命は、郵便局ネットワークを優先的に利用できるため、民間金融機関に比べ非常に有利な立場に立っている。極めて重要な目標は、日本のWTO協定の義務と整合する形で、日本郵政各社と民間業界との間に対等な競争条件を確立することである。

日本の郵政改革関連法案に関する新たな懸念
 米国とEUは、郵政改革関連法案の内容が日本郵政に新たな競争上の優位を与え、競争条件がさらに日本郵政各社に有利なものになると深く懸念している。一例として、日本郵政の監査・報告義務を民間に比べ緩やかにする条項が挙げられる。

 また、これとは別に、我々は日本に対し、対等な競争条件が確保されるまで、日本郵政の保険・銀行業務に対する既存の制限を維持するよう要請してきた。現行法案は日本郵政の事業範囲の拡大を容易にしている。先に競争上の優位を取り除くことなく、日本郵政に新商品もしくは改訂商品の発売を認めることは、現在の問題を悪化させ、競合商品を販売している民間企業に直接悪影響を与えることになる。

WTO協定上の懸念
 WTOの「サービスの貿易に関する一般協定(GATS)」の下で、日本は保険サービスに関して内国民待遇規定の完全な履行を約束している。米国とEUは日本に対し、郵政改革関連法案の審議等を進めるに当たり、対等な競争条件に関する米国とEUの懸念に対処し、WTO協定の義務を順守するよう要請する。


United States, European Union Raise Shared Concerns on Japan Post

Geneva – Today, U.S. Ambassador to the World Trade Organization (WTO) Michael Punke and European Union (EU) Chargé d’Affaires John Clarke met in Geneva with Japanese Ambassador Shinichi Kitajima to express long-standing and serious concerns that are shared by the United States and the EU regarding the lack of a level playing field between Japan Post and private sector companies in the insurance, banking, and express delivery sectors.

“We met jointly with Japan to underscore the deep level of concern that we both share regarding Japan’s preferential treatment of Japan Post in light of Japan’s national treatment commitments under the WTO,” explained Ambassador Punke.

Ambassador Punke and Mr. Clarke stated that both the United States and the EU remain neutral on whether Japan Post should be privatized, believing this to be a decision for Japan to make. However, they expressed disappointment that the draft postal reform legislation submitted to the Diet does not address U.S. and EU concerns about the preferential treatment that Japan Post currently receives compared to private sector companies. They also raised common concerns regarding provisions in the draft legislation that give Japan Post additional competitive advantages, including less rigorous regulation of Japan Post operations.

In addition, Ambassador Punke and Mr. Clarke cautioned that they are troubled by provisions that open the door for the Japan Post insurance and banking companies to expand the scope of their businesses before a level playing field is established.

“We strongly urge Japan to address our shared level playing field concerns and to live up to its WTO obligations as it proceeds with its postal reform legislation,” Mr. Clarke said. The two diplomats emphasized that the United States and the EU both look forward to continuing to work together with Japan to address these concerns.

BACKGROUND

Neither Advocating nor Opposing Privatization, Concerns about a Level Playing Field

The United States and the EU remain neutral on whether Japan Post should be privatized. However, reforms to Japan Post could have serious ramifications for competition, so both the United States and the EU continue to call on the Japanese government to take all necessary measures to achieve a level playing field between the Japan Post companies and private sector participants in Japan’s banking, insurance, and express delivery markets, consistent with its World Trade Organization (WTO) obligations.

Long-Standing Concerns Regarding Japan Post

The United States and the EU have for many years raised the issue of advantages conferred upon Japan Post’s insurance, banking, and express delivery operations as compared to private sector suppliers of the same services. We are concerned that these advantages have tilted the playing field in favor of the Japan Post operations in a way that is harmful to private companies, including foreign companies. For example, Japan Post Insurance’s preferential access to the postal network gives it a tremendous advantage over private financial companies. The critical objective is to establish equivalent conditions of competition between the Japan Post companies and the private sector, in a manner consistent with Japan’s WTO obligations.

New Concerns Regarding Japan’s Draft Legislation on Postal Reform

The United States and EU are deeply concerned that proposals in the draft legislation will give Japan Post new competitive advantages that would further tilt the playing field in favor of Japan Post companies. One example is a provision that may allow less stringent auditing and reporting requirements for Japan Post.

Further and separately, we have also urged Japan to retain existing limitations on the Japan Post entities’ insurance and banking operations until there is a level playing field. The draft legislation makes it easier for Japan Post to expand the scope of its business. Allowing Japan Post to issue new or modified products without first eliminating its competitive advantages would make the current problems worse and cause direct harm to private companies that currently sell competing products.

WTO Concerns

Under the WTO’s General Agreement on Trade in Services, Japan has full national treatment commitments for insurance services. The United States and the EU urge Japan to address our shared level playing field concerns and to abide by its WTO obligations as it proceeds with its postal reform legislation.

【沖縄基地問題】 北部振興策

沖縄担当相、前名護市長らと接触 新たな北部振興策提示
2010年5月21日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-162387-storytopic-53.html

【名護】名護市の島袋吉和前市長と市経済界の有力者2人が19日に都内で前原誠司沖縄担当相と会談し、米軍普天間飛行場の同市辺野古沿岸部への移設計画に関して意見を交換していたことが20日、複数の関係者の話で分かった。会談は政府側からの要請に基づくもので、普天間移設問題に関連して島袋氏らは沿岸部を埋め立てる現行計画を引き続き容認するとの立場を説明。前原担当相は従来の北部振興策に代わる新たな地域振興施策について提案したという。

 政府側が移設問題の決着期限としている5月末を前に、辺野古移設を明確に拒否する稲嶺進名護市長の頭越しに、新たな振興策を条件として地元関係者に揺さぶりを掛けたとも取られかねない対応で、名護市や県内世論の一層の反発を招きそうだ。

 関係者によると、意見交換では前原氏から
(1)市内の移設容認派、反対派についての現状確認
(2)新たな振興策の提案
(3)今後の調整継続―などの話が出たという。
島袋前市長ほか県建設業協会前副会長の仲泊弘次氏、市商工会会長の荻堂盛秀氏が同席した。

 政府は普天間移設問題で、現行計画と同様の埋め立て方式を軸に調整を進めており、従来、沖合への移動を条件に埋め立てを容認してきた島袋氏らに新たな振興策を提示することで、地元の移設受け入れへの道筋を付けたい考えがあるとみられる。

 前原担当相と島袋氏らが意見交換した一方、市には20日現在、移設に関して政府から公式な連絡はない。市長周辺によると、政府が市の頭越しの対応をした場合、稲嶺市長は自ら政府に抗議するなどの対抗手段を取る考えも示しており、市の反発はさらに強まりそうだ。23日に予定される首相との会談にも影響する可能性がある。

 荻堂氏は「島袋、仲泊両氏と東京で会ったが、政府関係者とは会っていない」と面談について否定している。(外間愛也)


北部振興並びに移設先及び周辺地域振興のこれまでの経緯

平成7年11月
「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」の設置

平成8年4月   
SACO中間報告発表

平成8年12月  
SACO最終報告発表
○合意事項:普天間飛行場に関し、5年乃至7年以内に十分な代替施設が完成し、運用が可能になった後、
全面的に返還すること。代替施設として海上施設を沖縄本島東海岸沖に建設すること等について合意

平成9年11月
 政府が普天間飛行場代替「海上ヘリポート基本案」を沖縄県、名護市、沖縄県漁業協同組合長会へ提示

平成9年12月
 地元名護市での海上ヘリポート建設の是非を問う市民投票で建設反対派が多数となり、比嘉市長は海上建設へリポート受け入れを表明し、市長を辞職。その後行われた市長選挙において、前市長の押す岸本氏が当選。

平成10年2月
 大田前知事が政府の示した「海上ヘリポート基本案」について、名護市長選挙中に受入拒否を表明(注:政府は,橋本首相の退陣まで事実上大田知事との会談を拒否)

平成10年11月
 任期満了に伴う県知事選で軍民共用空港案を公約に掲げた稲嶺知事が当選
注)沖縄政策協議会の再開により沖縄特別調整費の活用や沖縄経済21世紀プランの策定等が示される

平成11年12月2日
「沖縄県北部地域の振興に関する」の要望
【沖縄県知事+北部12市町村長】

平成11年12月13日
「普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興に関
する」の要望  【沖縄県知事】

平成11年12月17日 【第14回沖縄政策協議会】 内閣官房長官発言
〔北部地域の振興策〕
○北部振興事業が確実に実現されることを担保するため、法制、予算、制度の各観点から確固と
  した枠組みを確保する。
○概ね10年間で1,000億円の「特別の予算措置」を確保する。
  ・非公共500億円は「北部振興事業制度」を創設し、市町村事業を中心に強力な支援を行う。
  ・H12年度の「特別の予算措置」として、「北部振興事業制度」に50億円、「公共事業推進費」と
  して50億円、計100億円を措置する。
○国、県、地元の3者での「協議機関」の設置。
○「北部振興基金」は、現行の「北部産業振興基金」を拡充・発展させ、H12より取り組む。
〔移設先及び周辺地域の振興〕
○8つの基本方向
○5つの枠組み
 ①協議機関の新設 ②振興事業の具体化への取組 ③新たな法制の整備
 ④財源の確保(「北部振興事業制度」、SACO、各種交付金等)
 ⑤事務局体制の確保

平成11年12月27日
 名護市(岸本市長)は「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」を条件付きで容認

平成11年12月28日 【閣議決定】
☆「沖縄県北部地域の振興に関する方針」
☆「普天間飛行場移設先及び周辺地域の振興に関する方針」

平成12年2月10日
「北部振興協議会(第1回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第1回)」合同会議
○協議会の設置について〔北部振興協議会及び移設先及び周辺地域振興協議会の両要綱〔案)〕
○政府、県及び地元の取組体制について
○振興事業の具体化に向けた今後の取組について

平成12年8月24日
「北部振興協議会(第2回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第2回)」合同会議
○「北部振興並びに移設先及び周辺地域振興に関する基本方針」の了承
○H12年度の振興事業採択  ・非公共事業 1件 (1件)  ・公共11件

平成12年10月3日
「北部振興協議会(第3回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第3回)」合同会議
○H12年度の振興事業採択  ・非公共9件 (2件)

平成12年10月31日
北部振興協議会(第4回)
○H12年度の振興事業採択  ・非公共2件

平成12年11月29日
北部振興協議会(第5回)
○H12年度の振興事業採択  ・非公共1件

平成13年6月8日
「北部振興協議会(第6回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第4回)」合同会議
○両協議会設置要綱の改正
○北部振興事業に係る国の相談窓口の設置の報告
○H13年度の振興事業採択  ・公共22件 ・非公共11件(1件)
○移設先地域を中心とした地域振興について

平成13年9月4日
北部振興協議会(第7回)
○H13年度の振興事業採択  ・非公共7件

平成13年12月27日
「北部振興協議会(第8回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第5回)」合同会議
○H13年度の振興事業採択  ・非公共9件(4件)

平成11年12月27日
 名護市(岸本市長)は「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」を条件付きで容認

平成14年7月29日
「北部振興協議会(第9回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第6回)」合同会議
○H14年度の振興事業採択・公共20件 ・非公共11件(4件)

平成14年12月6日
「北部振興協議会(第10回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第7回)」合同会議
○平成14年度の振興事業採択  ・非公共8件(1件)

平成15年8月4日
「北部振興協議会(第11回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第8回)」合同会議
○平成15年度の振興事業採択  ・公共19件 ・非公共15件(4件)

平成15年12月18日
「北部振興協議会(第12回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第9回)」合同会議
○H15年度の振興事業採択  ・非公共4件(1件)

平成16年7月30日
「北部振興協議会(第13回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第10回)」合同会議
○H16年度の振興事業採択 公共事業21件 ・非公共11件(5件)

平成16年11月30日
「北部振興協議会(第14回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第11回)」合同会議
○H16年度の振興事業採択  ・非公共6件(1件)

平成17年7月26日
「北部振興協議会(第15回)」並びに「移設先及び周辺地域振興協議会(第12回)」合同会議
○H17年度の振興事業採択  ・公共事業25件 ・非公共14件(4件)


北部振興並びに移設先及び周辺地域振興の地域概念

移設先振興地域
[名護市久辺3区]

周辺振興地域
[名護市、東村、宜野座村]

北部振興地域
[北部12市町村]

2010年5月17日月曜日

【司法】 最高裁の人事統制のカラクリ

ヒラメ裁判官を生む人事統制のカラクリ
2010 年 5 月 17 日 魚住 昭
http://uonome.jp/read/940

先日、拙宅に分厚い資料が届いた。元大阪高裁判事の生田暉雄弁護士(香川県弁護士会所属)から送られてきたもので、こんな手紙が添えられていた。

「最高裁の人事統制がおかしな裁判、不当判決の原因で、怨嗟の的になっています。最高裁はこの統制で浮いた金をウラ金にしています。この不正義を正していただきたく、失礼を省みず、書面をお送りする次第です」
 裁判と縁のない読者には何のことだかさっぱり分からない話かもしれない。だが、司法を取材してきた私にとってこんなに嬉しい便りはない。同じ問題を追及する元裁判官がいたんだと躍り上がりたい気分になった。

 経歴を調べると、生田さんは一九七〇年に裁判官になり、九二年に退官。各地の教科書裁判などに関わりながら、最高裁の人事統制のカラクリを解き明かそうと孤軍奮闘してきたのだという。

 なぜ最高裁の人事統制に生田さんがこだわるかというと、そこに日本の司法を歪める根本原因があるからだ。例えば刑事裁判の有罪率99・9パーセントという数字を見ていただきたい。これは検察庁に起訴されたら、奇跡でも起きない限り有罪になることを意味している。

 裁判所は被告に有罪の烙印を押すベルトコンベア装置に成り下がっている。足利事件の菅家利和さんのように冤罪で人生を台無しにされた人や、死刑になった人は数知れないだろう。

 それも裁判官が真実を見ようとせず検察や最高裁の鼻息ばかりうかがっているからだ。
 裁判官は良心に基づいて行動できるよう憲法で手厚く身分を保証されている。その彼らがなぜヒラメ(上ばかり見る)裁判官になってしまうのか。

 生田さんは自らの経験をもとに、その原因は「月給(報酬)」と「転勤」をエサにした人事統制にあると断言する。

「裁判官の報酬は、ある時期から急上昇する者と、停滞したままの者に分かれ、65歳の定年までに『億』単位の差ができます。また『陽の当たる場所』にばかり転勤する者と『ドサ回り』の者とに分かれます。この二つの操作によって正義とは無縁の裁判がまかり通るのです」

 もう少し詳しく言うと、判事の報酬には1~8号の区分がある。8号から4号までは誰もがほぼ平等に昇給する。問題はその先だ。任官後20年を経たころに3号以上に上がっていく者と、4号のまま据え置かれる者とがふるい分けられる。

 4号で地方都市勤務者の年収は1382万円。1号で大都市勤務者は2164万円。その差は800万円近くで、これが10年以上続くと1億円の開きになり、退職時の報酬をもとに算定される退職金や恩給も加えたら莫大な差ができる。

 裁判官にとっては転勤も重大事だ。東京勤務のまま最高裁事務総局・最高裁調査官・司法研修所教官を歴任(三冠王と言われる)して1号に駆け上る者があるかと思えば、地方支部を転々として、子供の進学等のため単身赴任を余儀なくされる者もある。それもすべて最高裁の胸三寸で決まるから、ゴマスリ判決が横行するようになる。

 問題は、こうした裁判官の昇給や転勤を誰がどのような基準で決めるのか、一切明らかにされていないことだ。そのため疑心暗鬼が生まれ、裁判官は余計に保身に走ることになる。

 そのうえで生田さんはさらに重大な指摘をする。

「裁判官を4号から3号に昇給させるための予算配布を受けながら、一部の昇給を遅らせると予算が余る。たぶんそれは年間数億円の裏金になり、学者連中が最高裁批判をしないようにするための工作費になっている」
 この推測は的を射ていると思う。最高裁は日本の伏魔殿である。生田さんの情報開示請求の成果で、その扉が少しずつ開かれようとしている。

 私も微力ながら生田さんのお手伝いがしたい。情報をお持ちの読者がおられたら、是非ご連絡を!(了)
(これは週刊現代5月22日号『ジャーナリストの目』の再録です。一部修正してあります) 

(追記)池田弁護士からの手紙
▼バックナンバー 一覧2010 年 6 月 25 日 魚の目編集部
初めてお目にかかります。弁護士の池田眞規(まさのり)です。
 
「ジャーナリストの目」第21回「日本の伏魔殿最高裁判所人事のカラクリ」を拝読し、早速ご連絡したいと思いながら、遅れてしまって申し訳ありません。

実は、同様な事実を知って、日本の司法の堕落と言いましょうか、後進性と言いましょうか、最高裁の人事権を利用した実に巧妙な全国の裁判官の思想的独裁支配体制に危惧している者として、賛同する趣旨でご連絡を致します。

私が担当した憲法9条関係の自衛隊違憲訴訟である百里基地訴訟、長沼ナイキ基地訴訟、90億ドル戦費支出違憲訴訟などの明らかな憲法違反事件において,長沼ナイキ訴訟の第一審札幌地裁での福島判決を除いて、すべて敗訴し続けた苦い経験を持っています。

この信じられない露骨な許し難い下級審裁判所裁判官の支配体制、つまり憲法9条の適用を拒否する政治的な判決を人事権を利用して強要する支配体制の根本原因を確認出たのは、1980年代にギリシャを訪問し、裁判官を紹介してもらった場所が裁判所内の「裁判官組合」の事務所だったのです。
 
日本の司法の実情からは想像も出来ない裁判官組合とは、私にとって衝撃的でした。私が「裁判官組合の目的は何か」と尋ねたところ、その返事は「司法の独立を守るためだ。

司法の独立は裁判官個人では守れないのだ」と平然と答えられたのには驚きました。彼らに日本の実情を紹介すると「信じられない」という返事。「日本の裁判官は基本的人権はないのか」と不思議そうに尋ねられる始末。

「自分の基本的人権も守れなくて、どうして国民の人権を守れるのか?」というのです。その後、私は、法律家の国際会議でフランス、ドイツ、オランダ、北欧三国の裁判官の実情を知る機会があり、そこで認識できたことは、これらのヨーロッパの主な国の裁判官は「裁判官組合」は常識なのでした。

フランスに至っては、左翼系、右翼系、中立系の3つの裁判官組合があるというのです。その左翼系裁判官組合の役員に最高裁の裁判官がいるのです。ギリシャでは、裁判官の9割は裁判官組合に属しており、「司法の独がを侵害された場合にはどうするか」という私の問いに「ストライキ以外の闘争手段がいろいろある。団体交渉や最近ではデモ行進などがある」というのです。

だから、最高裁が人事権を利用して、3年に一度の全国の裁判官の「人事異動を指示」する制度が固定化して、最高裁の意向に沿わない裁判官、典型的なケースは憲法9条違反の政府の行為に対し違憲判決を出すような裁判官(典型的な例は福島裁判官、伊達裁判官、安倍裁判官)は、容赦なく行政事件や刑事事件担当から外して「地方の家庭裁判所」(いわゆる「ドサ回り」)に配転するという懲罰人事を強行する。

他の裁判官への「見せしめ」なのです。裁判官にとっての最大の関心事は「自分の人事そのもの」です。話せば切りがありません。私は折にふれては在野の法曹に呼び掛けていますが、余り効果はありません。

現在の最高裁の強力な支配体制を崩すには国民的な支持がない限り、困難という現実があります。日本の司法の現状は後進国並みのレベルの低さであることに認識をどう克服するか、という問題であります。魚住さんの問題提起は非常に重要です。日本の司法の堕落は人権救済の貧困に直結しています。
 
 魚住さんの「ジャーナリストの目」でようやく、マスコミに登場してこれたことに感謝します。
私の自己紹介は、インターネットで検索してください。年齢81歳、憲法9条裁判を主に担当、反核法律家協会、国際法律家協会、民主法律家協会、原爆症認定集団訴訟弁護団など。実務はそろそろ引退です。

2010年5月14日金曜日

【沖縄基地問題】 普天間移設〜朝まで徹底生激論

http://www.qab.co.jp/asanama/

出演者 三上智恵 謝花尚(QABキャスター)パネリスト 阿部とも子(社民党政策審議会長) 伊波洋一(宜野湾市長) 大田昌秀(元沖縄県知事) 岡留安則(元噂の真相編集長) 川村晃司(テレビ朝日コメンテーター) 佐藤学(沖縄国際大学教授) 田岡俊次(軍事ジャーナリスト) 玉城デニー(県選出衆議院議員 民主党) 橋本晃和(桜美林大学大学院 客員教授) 森本敏(拓殖大学大学院教授) 山崎拓(自民党前衆議院議員)※(五十音順) 

番組開始より終了までを5〜6クリップに分割して配信いたします。順次番組の進行に合わせて部分ごとに掲載して参ります(番組の進行とはタイムラグがあります)。またアクセスが集中した場合ご覧頂けない場合もございます。あらかじめご了承下さい。

■ ダイジェスト版(05/17 ステーションQ)
□ 自己紹介 /「ズバリ!普天間問題をこう解決する」
□ テーマ1「抑止力とは,海兵隊とは…」
□ テーマ2「アメリカ軍再編・グアム移転の誤解」
□ テーマ3「沖縄この14年を振り返る」
□ テーマ4「鳩山総理語録を一気に!」
□ テーマ5「マスコミの役割とは… ヘリ墜落事故」
□ テーマ6「アメリカの世界戦略と日本の国防」
□ ギャラリー質問タイム
□ 普天間基地移設の解決は・・・


2010年5月6日木曜日

【地検特捜部】 陸山会(石川議員)

“粉飾捜査”

ホリエモンこと堀江貴文さん(元ライブドアCEO)は、特異な才能の持ち主である。複雑な事象の本質を的確に捉え、それを誰にも分かるよう噛み砕いて表現する力を持っている。

昨年春、六本木ヒルズでその堀江さんに会ったら、彼はいきなりこう言った。

「検察が捜査から起訴・裁判・刑の執行まですべての権限を持っている制度を変えなきゃいけない。そうして特捜部をなくすべきですよ。そう思いませんか?」

「ウーン。それは……」

私は答えに詰まった。特捜検察システムの解体なんて考えてみたこともなかったからだ。

しかし、言われてみれば、日本の検察ほど強大な権限を持つ国家機関は世界でも例がない。検察本来の役割は警察の捜査をチェックして裁判にかけることだが、日本の特捜部は独自捜査して、外部のチェックも受けずに起訴している。これではサッカーの審判がプレーヤーを兼ねるようなものだ。オフサイドもファウルも何でもありの一方的なゲームになってしまう。

その典型がライブドア事件だろう。堀江さんが証券取引法違反の罪に問われた粉飾決算は、仮に検察の主張通りとしても、会社の資産総額をごまかして株主を欺いたわけではない。儲けた金を「資本」でなく「売り上げ」の部に計上したという会計処理上の技術的な問題にすぎない。それをあたかも悪質な犯罪のように特捜部が“粉飾”したのである。

昨年三月の西松建設の献金事件もそうだった。従来の検察には政治資金規正法違反で強制捜査するのは「一億円以上の裏献金」に限るという暗黙のハードルがあった。ところが、小沢一郎・民主党代表(当時、現幹事長)の大久保隆規・公設秘書の逮捕容疑は政治資金収支報告書にちゃんと記載された「表献金」で、額も二千百万円にすぎなかった。

近年の特捜部は法律を拡大解釈して立件のハードルを下げる“粉飾捜査”を繰り返してきた。私はそれを捜査能力やモラルの低下が原因と考え、特捜の再建は可能だと見ていたのだが、甘かったようだ。

今年一月、特捜部は小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入事件で小沢氏を被疑者として事情聴取しながら起訴できなかった。

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大阪地検特捜部も郵便不正を巡る虚偽公文書作成事件で厚生労働省の村木厚子元局長を起訴したが、一月から始まった公判では呆れるほどズサンな捜査の実態が明るみに出た。

東でも西でも特捜部は醜態をさらした。これは尋常な事態ではない。私は自分の認識不足を恥じるようになった。堀江さんが言うように、特捜検察システムそのものを見直さなければ犠牲者は増えていくばかりだろう。

西松建設の裏金疑惑では〇八年二月、事情聴取を受けていた長野県知事側近が縊死した。ライブドア事件でも関連会社の副社長が自殺した。ここ二十年間、特捜事件絡みで自殺した人は二十数人に上る。

同じ悲劇を繰り返させぬためにも特捜検察システムをどう変えたらいいのか。その答えを見出すのがこのレポートの狙いである。まずは初めて公表される石川知裕衆院議員の「獄中日記」を手がかりに陸山会事件の深層を掘り起こしてみよう。それを足がかりに冤罪の構造を明らかにしていけば、自ずから答えは浮かび上がってくるだろう。

監視システム

私が、作家の佐藤優さんの紹介で石川議員に会ったのは昨年十一月。新聞が三重県のゼネコン・水谷建設から小沢氏側へのヤミ献金疑惑を報じた直後のことだった。

報道によれば、水谷建設の水谷功・元会長(脱税の罪で服役中)らが〇四年十月と〇五年四月の二回にわたり計一億円を小沢氏側に渡したと、特捜部に供述したという。石川議員は〇四年当時、小沢事務所で小沢氏の秘書として献金の事務処理を担当していたから疑惑のど真ん中にいた。私はこう訊いた。

―水谷元会長らは石川さんと大久保さんに五千万円ずつ渡したと供述しているそうです。心当たりはありますか。

石川 まったくありません。なぜ、あんな記事が出るのか驚きです。私はその水谷元会長と会ったことすらないんです。新聞記事を見て、念のため名刺入れを調べてみたんですが、水谷建設の別の元幹部の名刺がありました。でも、その元幹部とどこで会ったのか記憶がありません。懇親会や新年会で大勢の人と名刺交換しますから、そのうちの一人だったんでしょう。

―あなたがもらっていなくとも、大久保さんがもらった可能性はないですか?

石川 ないです。小沢事務所では献金の窓口になる秘書と、口座を管理する秘書が分けられ、悪いことをしないよう互いに監視し合うシステムになっている。当時、私が口座を管理していましたが、そんな入金はありませんでした。

佐藤優さんを交えての石川議員とのやりとりは計二回、約四時間に及んだ。私は彼のプライバシーにも踏み込んだ。不都合なことを隠す人間かどうかを見極めたかったからだ。しかし彼は率直に内情を語った。

やがて私は彼の人間性に信頼感を抱いた。彼がきっぱり否定するヤミ献金は幻だ、少なくも彼が五千万円を受け取った事実はないだろう。

とすれば、水谷元会長側の証言に問題があることになる。服役囚は仮出所の誘惑に駆られて検察に迎合しがちだが、彼には佐藤栄佐久・前福島県知事の汚職事件での“前科”もある。

前知事は親族会社の土地を水谷建設が時価より一億七千万円高く買ったのが賄賂にあたるとして起訴された。その有力根拠となったのが元会長の供述だったが、一審で賄賂額は七千万円に減らされ、二審では「ゼロ」と認定された。実質的な無罪判決である。二審では元会長が「自分の脱税事件で実刑を回避しようと検察の言うままに供述をした」と前知事の弁護人に告白していたことが明らかになった。

アトリウムラウンジ

水谷献金疑惑に関する私の心証は後に確信に変わる。石川議員が五千万円を受け取ったとされる場所が六本木の全日空ホテルの喫茶店アトリウムラウンジと分かったからだ。

アトリウムラウンジには東京中のマスコミや政界関係者が頻繁に出入りする。そのうえロビーやエスカレーターの上からも内部が見渡せる、広々としたオープンスペースだ。日本で最も人目につきやすい場所だと言っても過言ではない。わざわざそんなところで五千万円もの後ろ暗いカネを受け渡す馬鹿はいない。もし全日空ホテルでなければならぬ事情があったとしたら、個室で渡すのが人間の心理というものだろう。

だが、小沢立件を目指す特捜部に常識は通用しない。昨年末、特捜部は石川議員の聴取を始めた。容疑は、〇四年十月に陸山会が世田谷区の土地を約三億四千万円で購入したのに、その支出を〇四年分の政治資金収支報告書に記載しなかったという政治資金規正法違反だった。

この容疑はある種のトリックだ。〇五年分の収支報告書には土地購入の事実が記載されていて、しかも土地の登記は〇五年一月に行われている。登記をもって売買行為の完了とみなすなら、収支報告書の記載は間違っていないことになる。特捜部は単に代金支払いと登記の間の三ヵ月のズレに言いがかりをつけているだけだ。

特捜部の真の狙いは水谷建設からのヤミ献金を立件することだ。その入り口として土地購入と登記のズレが利用されたにすぎない。それを理解していただくため、捜査で判明した土地購入前後の経緯を簡単に説明しておこう。

〇四年九月、秘書寮を建設するための用地取得の話し合いが小沢氏と大久保秘書の間で進められた。大久保秘書から資金繰りの相談を受けた石川氏は「政治資金をかき集めれば何とかなりますが、運転資金が足りなくなるので小沢先生から借りましょう」と答えた。小沢氏に相談すると「ちゃんと返せよ」と言われ、石川氏は小沢氏の個人事務所で四億円を受け取った。

石川氏はそのカネを①陸山会などの関係口座に五千万円、三千万円などに分散して入金したうえで十月二十九日、土地代金として三億四千万円を一括して支払った。②同時期に石川氏は関連政治団体の口座から計四億円を集めて定期預金し、この預金を担保に四億円を借り出した。

巨額の資金が動いているので怪しげに見えるが、石川氏が分散入金した①のカネがすべて小沢氏の個人資産なら、単に陸山会の運転資金が不足せぬよう土地代金を小沢氏に立て替え払いしてもらったにすぎない(実際、四億円は〇七年に小沢氏に返済された)。②のように預金を担保に運転資金を借り出すのは企業では日常的に行われていることだ。何の不思議もない。

政治資金規正法は、政治活動の資金がどんな団体や企業・個人から集められ、どう使われたのかをオープンにする法律だ。一年間の収入と支出が収支報告書にきちんと記載されていればよく、政治家本人が一時的に立て替えたカネや口座の入出金を逐一報告する必要はない。

それでも特捜部が固執するのは・の分散入金された四億円に水谷建設のヤミ献金五千万円が含まれていると見立てているからだ。水谷建設は〇四年秋に胆沢ダム(岩手県)建設工事を下請受注している。五千万円はその謝礼(事実上の賄賂)だったことになり、小沢立件の大義名分を得られる。裏返せば、水谷献金がなければ、この事件の犯罪性は雲散霧消するということだ。

人権派とヤメ検

年明けの一月十三日、特捜部は陸山会事務所などを家宅捜索し、石川議員の二回目の聴取に踏み切った。検事は「明日の調べで故意に虚偽記載したことを認めないと、君が逮捕される可能性は五分五分だ」と石川議員に揺さぶりをかけ、翌日も八時間にわたって聴取した。石川議員は頭が朦朧として時間の感覚もなくなり、「もう政治家をやめてもいい」と口走ったという。

十五日夜から十六日にかけ、石川議員と大久保・池田光智の両秘書に対する逮捕状が執行された。この夜の模様は石川議員が拘置所で大学ノートに綴っているので、それを紹介しよう。以下、引用の( )内は筆者の補足とする。

pm7・00頃に南(裕史)弁護士(小沢事務所側の弁護士)と帝国ホテル3016で落ち合った際に、木村主任検事がどうしても連絡がほしいとのことであったので電話をしてみたところ、どうしても今日会って話を聞きたいとのことだったので逮捕かと考える。昨日まで南弁護士は、どうにかまとめる事が出来そうな話をしていたが、私としては13日の強制捜査の後なので、もう甘い考えは捨てなければと思っていたので覚悟を決めていた。

田代検事がホテルロビーまで迎えに来た。ワゴンに乗車して東京地検9Fへ。そこで受けた取り調べは、水谷建設からの5000万円の受け取りについてのみ確認された。その後、逮捕。弁解録取書にサインした後に、安田(好弘)弁護士と岩井(信)弁護士が接見に来たが、戸惑う。

ここに登場する安田、岩井両氏は佐藤優さんらの要請で石川議員についた人権派の弁護士である。小沢事務所からはヤメ検の木下貴司弁護士らがついた。同じ弁護士でも人権派とヤメ検は水と油の関係だ。これから石川議員は弁護方針の異なる弁護団の板挟みになりながら検事と渡り合うという希有な体験をすることになる。

逮捕翌日の一月十六日、石川議員は勾留尋問のため東京地裁に護送された。

前日の逮捕の時は手じょうをかけられたものの片方を長岡検察事務官、片方が自分にかけられたので両手にかけられた訳ではなかった。しかしこの時は両手にかけられ、腰ヒモまでまわされたので自分が本物の犯罪者なんだと自覚する。

小沢一郎の呪縛

田代検事の本格的な取り調べは逮捕三日目の一月十七日から始まった。石川議員のノートを見ると、彼が徹底抗戦論の安田弁護士らと、特捜部との妥協点を探る小沢事務所側弁護団の間で揺れ動いているのが分かる。

(十九日)午後は野口先生(小沢事務所側)13:00、岩井先生が16:00からそれぞれ接見であった。野口先生からは小沢先生サイドの意向として木下、野口、高木(勉)で弁護団を組みたいとの意向があったので岩井先生に伝えるが承諾得られず。安田先生や岩井先生は頼りになるが小沢先生サイドの意向は尊重しなければならない。(検事が)ゼネコン・サブコンからの裏金をしきりにほのめかしている。しかし全く身に覚えがない、何なのか?

(二十日)水谷建設の件。田代検事とかなり水谷のことで言い合う。アリバイを証明してこの件については断固戦うことを宣言する。

一月二十三日午後二時から小沢幹事長が都内のホテルで特捜部の事情聴取に応じた。聴取の焦点は四億円の原資と、収支報告書の虚偽記載への関与の有無だった。その日のノートに石川議員はこう記している。

(人権派の)安田先生の接見。小沢先生聴取の件について話す。最悪の事を考えて行動すべきとのこと。14:00からの説明が無事に終わる事を願う。

仮にここを出たらどんなことになるのかと思うと不安で一杯だ。政治家を続けられるのか?続けていくのはもう厳しいと承知しているが、その場合には何をしていくべきなのか?しかし応援をしてくれている十勝の有権者の期待を裏切ることになりはしないのか?様々な事が自分の胸に去来する。先日の木下先生の接見の際にはもう自由にして下さいと言った。現実逃避でしかないとわかっていてもそう願わざるを得ない。昼も夜も弁当であった。

疲れた
疲れた
疲れたなあ~~

(二十四日)午前中は取り調べがなかった。いつも刑務官の「チャリ、チャリ」という鍵の音がする度にまた来たのかとうんざりするが、来なければ来ないでなにかあったのかと心配になるものである。まあいつもは「ほれ出番だぞ」と言われて舞台へ上げられる猿回しの猿のような心境だが……夜の取り調べの冒頭に4億のことについて検事から小沢先生の対応について聞かされる。全くわからないとのことだという。検事から佐久間(達哉・特捜)部長から石川への伝言だということで伝言を聞く。

特捜部長からのメッセージは「小沢一郎はあなたを守ってくれない」だった。小沢氏との紐帯を切り離し、石川議員から供述を引き出そうという作戦である。

(二十五日)ここのところの取り調べは、小沢一郎からの呪縛から逃れるべきだという田代検事の説得が一番きつい。自分の人生のうちの大半を小沢一郎とともに過ごしてきた。自分が小沢一郎と縁を絶つというのは自分の半生を否定するのに等しい。私は、小沢一郎に気に入られているとは、決して思っていないし、これからもそうだろう。小沢先生は非情な人だということもよくわかっているので、小沢一郎に切られたとか、捨てられたと言われても何にも思わない。ただし、十勝の有権者は、小沢一郎にではなく石川知裕に期待して投票したといわれるのがつらい。検事も痛いところをついてくるものだ。佐藤優さんからのFAXで田代さんの人間性にひきこまれるなというメッセージを安田先生から見せられたがその通りだと感じる。

夜の調べはきつかった。水谷での再逮捕もほのめかされる。特捜部長と副部長が来たそうだ。正念場だ。

逮捕から十日、特捜部側にも焦りの色が目立ち始める。小沢氏を立件するには最低限二つのポイントをクリアしなければならない。土地代金・約四億円のなかに水谷建設からのヤミ献金五千万円が含まれていたことと、収支報告書への虚偽記載が小沢氏の指示で行われたということだ。だが、石川議員は二つとも認めない。

特捜部は石川議員の周囲に圧力をかけた。標的になったのは石川事務所の女性秘書だ。彼女は三歳と五歳の子供を保育園に預けて働いているのだが、二十六日午後一時から東京地検に呼ばれ、延々十時間にわたり“監禁”された。「必ず戻ってくるから、保育園のお迎えだけは行かせてほしい」という懇願も無視された。

副部長の暗示

(二十六日)U(女性秘書)が呼ばれたと高木勉弁護士から告げられた。彼女に申し訳ない。急に疲れが出てきた。いったいどこまでやれば気がすむのだろう。
昨日から再逮捕が頭をよぎる。やはり検察としては徹底的にやってくる腹なのだろうか。
しかし、もらっていない水谷まで認めさせようというのは納得できない。
安田弁護士の接見。政治の道を続けることを強く言われる。しかしもうこの苦しみから逃れたい。

(二十七日)午後の呼び出しは早く、13:20だった。今日の午後はやけに早いなと思ったら(特捜部の)吉田(正喜)副部長が取り調べに来ていた。現場は混乱の極みだと、世論が納得する説明をしてもらいたいと言われた。水谷についても立証できると言われた。本当にとんでもないことだ。検察は事件を作ると言われているが本当だ。
夜も吉田副部長が18:40~20:20まで取調べ。コストをかけて行った政権交代をつぶしてもいいのかと言われる。帰り際には関西弁で凄まれた。

これ以後、取り調べの主役は吉田副部長に替わり、五千万円受領を認めるよう石川議員を執拗に責め立てた。「証拠は揺るがない。あなたは水谷建設から五千万円を預かったことを、忘れているだけだ。それを思い出せばいいんだ」。

特捜部の拠り所は〇四年十月十五日にアトリウムラウンジで五千万円を渡したという水谷建設側の怪しげな供述と、その直後に陸山会の口座に同額が入金されたという事実だけだ。この前後に石川議員は小沢幹事長から受け取った四億円を五千万円や三千万円などに分けて何回も入金しているから、特定の五千万円だけをヤミ献金だと決めつける証拠にはならない。

見込み捜査の失敗

しかし、身に覚えがないことでも否認を貫くのは容易ではない。石川議員の疲労は極限に達したらしく、ノートにも空白が目立つ。

(一月二十九日)何も書く気がおきない。

(一月三十一日)もう疲れた。副部長はなぜ信じ込んでいるのかわからない。

(二月一日)今日も吉田副部長の登場だ。とにかくせっかくコストをかけて作った政権をつぶしてもいいのかと。小沢事務所が何千万円もゼネコンからもらったと思い込んでいる。何を言っても無理だ。

最後の一週間の苛烈な調べに石川議員が耐えられたのは、毎朝の接見で安田弁護士が見せてくれた十勝の有権者や鈴木宗男衆院議員、佐藤優さんからのファックスに励まされたからだったという。

(二月四日)地獄の20日間がようやく今日で終わる。しかしこれからはもっと地獄なのかもしれない。長い長い20日間であった。昨年の中川(昭一)先生のローマでの会見、西松事件、中川先生の死、そして今回の事件と本当に何が起きるかわからない一年であった。大きな流れの中で生かされているのか。殺されているのか。

二月四日、特捜部は石川議員と大久保秘書を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で起訴、小沢氏は嫌疑不十分で不起訴とした。小沢氏不起訴の理由を「収支報告書の虚偽記載を具体的に指示した証拠が得られなかった」と説明したが、真の理由は水谷建設のヤミ献金を立証できなかったからだ。

典型的な見込み捜査の失敗である。証拠をきちんと検証し、石川議員の釈明に耳を傾けていれば、幻のヤミ献金話に振り回されずに済んだはずだ。だが、特捜部は証拠不足を石川議員の自白で埋めようとした。なぜ、彼らはそうまでして小沢立件に拘ったのだろうか。その理由を知るには法務省・検察庁の歴史を振り返らなければならない。