2011年5月23日月曜日

小出裕章教授

5月23日、参議院行政監視委員会に京大・小出裕章教授が参考人として出席をしている

この中で、一部画像が見辛い部分があることから、過去(平成17年12月25日)に京大・小出裕章教授と東大・大橋弘忠教授のシンポジュウムで用いた図をはさみこむで理解しやすいようにしてみた。


「今日はこれまで原子力をすすめてきた行政に一言いいたいと思ってうかがいました。私は原子力に夢を持って原子科工学科に入った人間です。なぜそうなったかというと原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。原子力は無尽蔵にあるが、石炭や石油は枯渇してしまうから将来は原子力だと信じて入ったのです。」

「しかし、入ってみて分かったのは原子力は大変貧弱なエネルギーだと気が付きました。今このスライドに再生不能エネルギーというものの量を順番にあげていこうとおもいます。」

「まず1番多い資源は、石炭です。大変膨大に地球上に大変たくさんあることがわかっています。ただし今書いた四角は、究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れるとわかっているのは確認埋蔵量と言われてるものなわけですが。この青い部分だけだということになっています。」




「ではこの四角がいったいどれくらいのことを意味しているかというと、右の上に今、ちいちゃな四角を書きましたが、これは世界が一年ごとに使ってるエネルギーの総量です。ということは石油の現在の確認埋蔵量だけで言っても、あそうですね、数字で書きますとこんなことになりますが、60~70年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば、800年ちかくあると。いうほど石炭はたくさんあると。いうことがすでにわかっている、わけです」

「その次に天然ガスもあることがわかっている。石油もある。そして、オイルシエール、タールサンドといった現在はあまり使ってない資源もあるということがすでにわかっている、わけです。」

「そして私自身は、はこういう化石燃料と呼ばれているものが、いずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかない、のです。石油に比べても数分の一、石炭に比べたら数十分の一しかないという大変貧弱な資源であった、わけです。」

「ただ私がこれを言うと原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いやそれはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂製のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思ってるのは、核分裂性のウランではなくて、プルトニウムなんだと、言うわけです。」

「つまり非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うから、エネルギーとして意味があることになると。いうことを言っているわけです。」

「どういう事かというとこういうことです。」

「まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工とかいう作業を行って、原子力発電所で燃やすと。これが現在やっていることなわけです。しかしこれをいくらやったところで、今聞いていただいたように、原子力はエネルギー資源にならない、のです。

「そこで原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。」



「ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉と言う特殊な原子炉を作ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。でそれを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだ、と言ったわけですね。で最後は高レベル放射線廃物と言う大変厄介なゴミがでてきますので、それをいつか処分しなければいけないと、いう仕事を描いた、わけです。」

「ただプルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので、しかたないので、現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想をねった、わけです。」




「しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉御は実はできない、のです。」

「日本の高速増殖炉計画がどのように、計画されて破綻して行ったこと言うことを今からこの図に示そうと思います。」



「横軸は1960から2010まで書いてありますが西暦です。何をこれから書くかというと原子力開発利用長期計画というものができた年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は1980から2060まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。」



「原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは第3回の長期計画1968年でした。その時の長期計画では高速増殖炉は1980年代の前半に実用化すると書いてあります。」

「ところがしばらくしましたらそれは難しいと、ということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では1990年前後にならないと実用化出来ないというように書き換えました。」

「それもまたできなくて5年経って改訂されたときには高速増殖炉は、2000年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところがこれも出来ませんでした。」



「次の改訂では、2010年に実用化すると、書きました。これも出来ませんでした。」



「次は2020年台に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したい、というような目標に変わりました。ところがこれも出来ませんでした。」

「次には2030年には技術体系を確立したい、ということになった。」

「では次の長期計画でどうなったか、というと実は2000年に長期計画の改訂があったのですが、とうとうこの時には年度を示すこともできなくなりました。私はしかたないのでここにバッテンをつけました。」



「そしてまた5年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改訂では2050年に1機目の高速増殖炉をとにかく作りたいというような計画になってきた、わけです。」


「みなさん、この図をどのようにご覧になる、でしょうか。私はここに1本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていく、ことが分かっていただけると思います。」



「横軸も縦軸も1マスが10年。で、この線は何を示しているかというと、10年経つと、目標が20年先に逃げるということ、なのです。」



「10年経って目標が10年先に逃げたら、絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて、10年経つと20年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなモノには辿りつけないと、いう事を分からなければいけないと、私は思います。」

「ところがこういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らない、いうことで今日まで来ている、わけです。」



「日本はもんじゅという高速増殖炉の原型炉だけでも、既に1兆円以上のカネを捨ててしまい、ました。現在の裁判制度で行くと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです。では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑を喰らわなければいけない、でしょうか。1万年、です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省、等々、行政に関わった人のなかでもんじゅに責任のある人はいったいなんにんいるのか、私はよく知りません。でも仮に100人だとすれば一人ひとり100年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて、結局誰も未だに何の責任もとらないままいるという、そういう事になっている、わけです。」



「えー、原子力というばというのは大変異常な世界だと私には思えます。」


「次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。」


「皆さんご存知だろうと思いますけれども、原子力発電というのは、大変膨大な放射能を取り扱うというそういう技術です。いまここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私はちいちゃい四角を書こうと思います。」



「書きました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。800グラムです。みなさんどなたでも手で持てるというそのくらいのウランが燃えて広島の町が壊滅した、わけです。」



「では、原子力発電。この電気も原子力発電所から来てるわけですけれども、これをやるためにいったいどのくらいのウランを燃やすかというと、」



「1つの原子力発電所が1年動くたびに、1トンのウランを燃やすと、それほどのことをやっている、わけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくりだしながらやってるということに、なります。」



「原発は機械です。機会がときどき故障をおこしたり事故を起こしたりするのは当たり前、のことです。動かすのは人間、です。人間は神ではありません。時には誤りをおかすと。当たり前のこと、なわけです。」



「私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないと言うことになっている、わけです。そこでじゃあ、原子力を推進する人たちはどういう対策をとったかというと。破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと。」



「だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにした、わけです。」

「どうやって破局的事故が起きないかと言うと、これは中部電力のホームページからとってきた、説明の図ですけれども、たくさんの壁があると。放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが。」



「このうちで特に重要なのは、第4の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄性の容器ですけども、これが、いついかなる時でも放射能をとじこめるというそういう考え方にした。わけです。」



「原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大仮想事故という、ま、ま、かなり厳しい事故を考えてると彼らはいうわけですけれども、そういう事故では、格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は、ゼッッタイ(※かなり大きな声で発言)に壊れないという、そういう仮定になってしまっている、のです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがない、いうことになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと。放射能が漏れてくるような事故を考えるのは、想定不適当と。そして想定不適当事故という烙印を押して無視することにした、わけです。」



「ところが実際に、破局的事故はおきて、今現在進行中です。たいへんな悲惨なことが、今、福島を中心に起きているということは、多分みなさんも御承知頂いていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかと、言う事についても、大変不適切な対応が、わたくしはたくさんあったと思います。」



「防災というものの原則は。危険を大きめに評価してあらかじめ対策をとっていく。住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、あ、これは課題だった。でも住人に被害を与えないで良かったと胸をなでおろすという、それが防災の原則だとおもいますが。」


「実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で、当初レベル4だとか、いうようなことを言って、ずーっとその評価を変えない、まぁレベル5といったことは有りましたけれども、最後の最後になって、レベル7だと。あまりにも遅い対応の仕方をする。」



「それから避難区域に関しても、一番初めは3キロの住人を避難指示だす。これは万一のことを考えての指示です、と言ったのです。しかししばらくすると今度、10キロメートルの人たちに避難指示を出しました。その時も、これは万一の時を考えての処置ですと、言ったのです。ところがそれからしばらくしたら20キロメートルの人たちに避難の指示を出す。その時も、これは万一を考えての指示です、と。いうようなことを言いながらどんどんどん後手後手に対策がなっていった。いう経過をだどりました。」



「私は、パニックを避ける唯一の手段は正確な情報を常に公開するという態度、だろうと思います。そうして初めて、行政や国が住民から信頼をうける。そしてパニックを回避するのだと、私はおもってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して危機的な状況でないということを、常に言いたがるということでした。」



「えー、SPEEDIという100億円以上のお金をかけて、25年もかけて築きあげてきた事故時の計算コード???。それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやった、わけです。」


「それから現在、まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に、犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被ばくの限度量をひきあげてしまったり、あるいは住民に対して強制避難をさせる基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引きあげてしまうと、言うようなことをやろうとしている。」



「本当にこんなことをやっていていいのだろうかと、私は思います。」



「現在進行中の福島の、原発事故の本当の被害って、いったいどれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと、途方に暮れます。」



「失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域といってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなく、なるとおもいます。それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども。そうすれば住民たちは被ばくを強要させるということになります。」



「一次産業は、多分これからものすごい苦難に陥るだろうと思います。農業漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。」



「そして住民たちは故郷を追われて、生活が崩壊してくことになるはずだと私は思っています。」



「東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、私は出るのだろうと思っています。」



「本当に賠償するなら。ということです。」

「最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っている、のだそうです。」



「1番始めは「理念なき政治」です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、えー、十分にこの言葉をかみしめて頂きたいとおもいます。」



「そのほかたくさん、『労働なき富』、『良心なき快楽』、『人格なき知識』」

「『道徳なき商業』。これは多分、東京電力始めとする電力会社に私は当てはまると思います。」



「そして『人間性なき科学』と。これは私も含めたアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたと、いうことを私はこれで問いたいと思います。」


「最後は献身なき崇拝。宗教お持ちの方はこの言葉もかみしめて頂きたいと思います。えー終りにしますありがとうございました。」



平成17年12月25日のシンポジュームの画像です


























元駐スイス大使の村田光平氏が2002年4月26日、27日にスイス、バーゼルにて開催された「核戦争防止のための国際医師団」(IPS/IPPNW)主催のシンポジウムにおける発言を載せておく。

             
                             
「9月11日以後の原子力政策と民主主義のあり方」


 原子力政策の決定過程に関するこのセッションの議長を務めさせていただくことは、私にとって大変光栄であり、嬉しいことであります。

 まず、原子力政策に対する私の立場を述べさせて頂きます。

 1997年1月、私がスイス大使をしていた時、私は日本の指導者に対して、スイスが2,3ヵ月以前に実施したように、日本でも原子力事故のシミュレーションを行って欲しいと訴える私信を発出しました。このことにより私は言わばタブーを犯したわけです。

 つまり、日本では、原子力の危険性を述べることは、反原発の立場をほのめかすこととなり、厄介な問題や不利な結果を招くので避けなければならないと思わせる独特の風潮があります。

 その2ヶ月後、東海村の再処理工場で爆発事故がありました。そしてさらに一年半後には皆さんご存知の通り、再び東海村で、JCOウラン加工工場で1ミリグラムのウランが誤った作業手順により臨海に達し、大変な事故となりました。

 そうして私は大使を辞めた2年半前から、国内外で地球の非核化、つまり軍事利用、民事利用を問わないすべての核エネルギー利用の禁止を唱えて参りました。

 同じ主張を2年前にインドのTATAエネルギー研究所の25周年記念国際会議で発表した際、出席していたロバート・マクナマラ元米国国防長官は、人的ミスにより破局的事故が惹起される危険性が大変高いことを強調しつつ、核兵器の一日も早い廃絶を熱烈に訴えました。

 9月11日の同時多発テロ、米原子力潜水艦と訓練船「えひめ丸」との衝突事故、台湾海峡上空における米・中戦闘機の衝突事故などは、いずれもこうした議論が正しいことを示していると思われます。ニューヨーク市議会が、今年3月19日に、満場一致でインディアンポイント原子力発電所の閉鎖を検討することを決めたこともうなずけます。

 日本の原子力政策の現状について見ますと、日本は多くの重大な事故から教訓を学んだとは言えず、依然原子力推進政策を続けております。日本という唯一の原爆被曝国が、このようなことをしていることは大変な皮肉と言わざるを得ません。現在53基の原発を抱えた日本は、国家の安全保障の観点からも、最も脆弱な国となってしまいました。

 一年前に私は著書を出版しました。本のタイトルは「新しい文明の提唱―未来の世代に捧げる」です。核の軍事利用の犠牲国である日本が、今度は核の民事利用の犠牲国になる道を進んでいると指摘しました。「日本病」という言葉をこの本で初めて使い、このような特殊な現象を説明しました。

 私は倫理と連帯に基づき、環境及び未来の世代の利益を尊重する新しい文明を提唱しています。このような新しい文明は、物質から精神の優先順位の転換を求めるものであり、エネルギー消費がより少ない社会を生むでしょう。

 また、1ヶ月後には朝日新聞社から2冊目の本を出します。この本のタイトルは、「原子力と日本病」です。日本病は三つの感覚の欠如から生じたものであると書いています。つまり、責任感、正義感、倫理観です。世界も日本ほどではないかもしれませんが、同じ病に苦しんでいると言えるでしょう。私はこのような現象は全て思いやりや想像力などの源泉となる感性の欠如に起因すると思っています。

 さらには、原子力と日本病が世界を破滅することもあり得ると論じています。特に私は2つの具体例を挙げました。一つは国の公的機関によりマグニチュード8クラスの地震の発生が予測されている震源域のど真ん中に建設されている4基の浜岡原発です。もう一つは、青森県六ヶ所村の再処理工場です。この工場では、広島原爆の実に100万発分もの放射能が蓄積される予定です。

 もし最悪の事態が生じれば、先の戦争での被害を遥かに上回ることになるでしょう。しかしながら日本の社会においては、この問題を報道することに関して暗黙裡に課せられた自主規制のために、かくも恐ろしい危険に対する認識は全くありません。

 この風潮は、先の戦争が始まる以前の日本を彷彿させるものであります。本の中で、私は浜岡原発の即刻閉鎖を求めております。現在、この問題に関して世論を目覚めさせるため、影響力のある人々と連名の声明を用意しています。

 日本の原子力政策は、エネルギー源の不足に対処するために貢献してきました。しかし、この巨大技術の致命的な欠点を目の当たりにし、政策転換の必要性についての認識は高まりつつあります。しかしながら原子力政策の変換は至難であり、そのため計り知れない危険に日本は晒されているのです。

 ここ数年、私は指導層に原子力の危険を警告するために、あらゆる機会をとらえ個人的な手紙を送り続けてきました。しかし、その成果には失望を禁じ得ず、私は原子力政策の転換を図るには市民社会の関与が不可欠であるとの結論に達しました。幸いに、私は最近いくつかの市民グループから協力の申し出を受けました。これら小市民グループが浜岡原発に関して声明を出すよう示唆してくれたのです。

 現状における最良の方策は、市民グループが地方自治体に働きかけ、これを受けて地方自治体が国会を動かすようにすることではないかと思っています。政府もこのような動きがあれば、影響を受けざるを得ないでしょう。近々発表する声明は、世論を動員することをも目的としており、これによって地方自治体が正しい方向にむけてイニシアティブを開始することを期待するものであります。

 私は市民社会が、原子力政策の決定過程において不可欠な役割を果たすと確信しています。このことは人間社会の決定要因に変化が見られ出したことを反映しています。つまり、知性から感性へ、権力から哲学へ、技術から直観へ、専門家から市民への重要性の転換です。

 優れた直観と哲学の感覚を持った市民なら専門家に立ち向かい、1500kmに及ぶ配管と40万ヶ所に及ぶ溶接部を有する再処理工場の長期的な安全を確保することは全く不可能であると断言出来るはずです。

 最後に、国際社会が取り組むべき3つの課題につき、述べたいと思います。

一つ目は原子力エネルギーに関する基本的な事実、即ち安全確保のために必要な全てのコストを計算に入れる価格の内部化が実施されれば、原子力利用は商業的に成り立たないということを周知させることです。そのような原子力に依存し、大変な危険を犯す理由はどこにもないはずです。原発の輸出などは言語道断です。

二つ目は既存の原発に対する国際的な管理強化の必要性です。国家主権は、必要な調査を受けることを拒否する口実にはもはやなり得ません。破局的な事故が起きれば、それは一国にとどまらず、世界を破滅することにもなり得るからです。

 三つ目の点は文明間の対話に関することです。原子力の問題はエネルギー消費を減らすような我々の生活スタイルの変化を視野に入れて対処していかねばなりません。この問題は文明間の対話の枠組みの中で扱うのが最も適していると思われます。

 原子力事故の深刻な影響に鑑みれば、核施設を持たない国も、関係国が取るべき安全対策について関与し、協議を受けるべきだと思います。これも文明間対話にとり、大変時宜を得た話題だと思います。

 原子力の問題は倫理と責任の問題に集約されると思います。危険であり、商業的にも採算に合わないものであると知りながら、原子力施設を他国に輸出することは倫理にかなっているでしょうか?危険やコストの問題を承知の上で、政策決定者がこのような施設を輸入する側に加担することは倫理的でしょうか?

 核廃棄物の処分の仕方も知らずに、また何十万という人員の動員を必要とする事故を鎮圧する備えもなくして、36カ国において430基以上もの原発を稼働させ続けることは責任感の欠如ではないでしょうか?

 そして誰にとっても自明な悲惨な破局の種を取り除くために何もしないでいるということは、正義感の欠如であると断じざると得ないと思います。 私は、良識ある医師の方々が組織した今回のシンポジウムが、世界が患っている病気を癒し、3つの感覚―倫理観、責任感、正義感を取り戻すことに貢献することを期待してやみません。

 我々には二つの選択が残されています。
 一つ目は地球の非核化を開始すること、二つ目は破局的な災害により、一つ目の地球の非核化を選ばざるを得なくなることであります。








北スウェーデン地域でのガン発生率増加はチェルノブイリ事故が原因か?
マーチン・トンデル (リンショーピン大学病院、スウェーデン)


プルトニウムの毒性はアルファ線によるもの。吸いこんだ場合に、大きな影響が出る。
プルトニウムが放出するアルファ線は、短い距離しか体内を透過しない。飲みこんだ場合は、ほとんど排泄されてしまう。しかし、吸いこんでしまうと長い間、肺に付着し、徐々に血液中に入る。
■放射線の毒性
プルトニウムの毒性には、放射線の毒性と化学的な毒性が考えられる。
 放射線の毒性は、プルトニウムが放出するアルファ線によるもので、このアルファ線は人体の中を極めて短い距離しか透過しない(組織の中で約40ミクロン、骨では約10ミクロン)。 この短い距離の間に、アルファ線は細胞や組織、器官に全部のエネルギーを与え、それらの機能を損なわさせる。プルトニウム1g当たりの放射能の強さは、同じようにアルファ線を放出するウランに比べてかなり高くなるので、放射線の毒性も強くなる。
 プルトニウムは、半減期が長いことも毒性に関係している。一番存在量の多いプルトニウム239の半減期は、約2万4000年で、長い間にわたってアルファ線を出し続けている。しかし、人体は異物を排除する排泄機能があるから、プルトニウムを体内に取り込んでも一生体内にとどまっているわけではない。プルトニウムが体内にとどまる時間を表す生物学的半減期は、骨では50年、肝臓で20年と評価されている。
■化学的な毒性
 プルトニウムは、ウランと同様に腎臓に対する化学的な毒性が考えられる。しかし、化学的な毒性は放射線の毒性よりもはるかに小さいと考えられている。
■ほとんど排泄される経口摂取
 プルトニウムは無傷の皮膚からは体内に吸収されない。傷があると、そこから侵入し、比較的長い時間その場所にとどまり、ゆっくりとその部分のリンパ節に集まる。また、血液の中に入ったものは、肝職や骨に付着する。
 プルトニウムが体内に取り込まれるのに、飲食物などを介して口から入る(経口接取)か、呼吸を通して吸入される(吸入摂取)かの二通りが考えられる。
 飲み込んだプルトニウムは、消化管にほとんど吸収されずに排泄されてしまう。消化管から吸収される割合は、年齢や化合物の種類で異なり、大人の場合、酸化プルトニウムで約0.001%、硝酸プルトニウムで約0.01%とごくわずかである。
■肺に付着する吸入摂取
 一番影響が大きいのは吸い込んだ場合だ。吸い込まれたプルトニウムは、長い間、肺に付着する。しかし、人体は、器官に生えている繊毛という毛がチリなどの異物をつかまえ、粘液と一緒に食道に送り排泄するメカニズムを持っている。吸い込まれたプルトニウムもこの働きによって体外へ排泄されるから、肺に付着するのは4分の1程度。肺に付着したプルトニウムは、徐々に血液の中に入り、リンパ節や肝臓、骨などに集まり、排泄されずに長くとどまる。






日本では現在1機たりとプルサーマル実施について地元の了解の得られている号機はない。地元が二の足を踏む最大の理由は安全性の問題である。中でも使用済MOX燃料の存在だ。 使用済MOX燃料については、危険性が数倍になることを電力会社や国も認めている。


日本では現在1機たりとプルサーマル実施について地元の了解の得られている号機はない

 地元が二の足を踏む最大の理由は安全性の問題である。中でも使用済MOX燃料の存在だ(※編集部注)。もちろん事故や労災などの危険性も増大するが、仮にそうした恐れが高まるとして、それが絶対とは誰も言えない。ウラン燃料でも大事故や大労災は起こり得る。しかし、使用済MOX燃料については、危険性が数倍になることを電力会社や国も認める。100%疑いようの無い事実だ。しかも原子炉から取り出した後の使用済MOX燃料の始末は不透明で、何の見通しも無い。

 プルサーマル計画の申入れを受けた地元としては、確実に危険性の増すことへの了解を求められているということだ。安全性の向上を常に求めてくる県民の命・財産を預かる県が、容易にゴーサインを出せないのは当然であろう。

 こうした問に対して電力・国から返ってくる答は、「2010年ころから第2再処理工場の建設を検討する」というものである。再度再処理して再々利用するかのように思わせるのだ。ところがこれが偽装・欺瞞なのである。なぜなら・・・・・

ここに格好のモデルがある

 何かにつけプルサーマル先進国として引き合いに出されるフランスの例だ。出典は核燃料サイクル開発機構(現独立行政法人日本原子力研究開発機構)の2004年度契約業務報告書「プルトニウム利用に関する海外動向の調査(04)」。発行は昨年3月、委託先はアイ・イー・エー・ジャパンとしてある。

 1/3を図表で占め、300ページほどもある労作だ。わが国の推進側資料としては珍しく比較的客観的な表現に終始している。プルトニウム利用としてあるが、話題はほとんどプルサーマル、海外とはヨーロッパ、すなわち「ヨーロッパのプルサーマル動向調査」といったところである。

 その報告書の中に、フランスにおいて使用済MOX燃料は、「約100 年間貯蔵され、その後に再処理するか、再処理しないかの判断を下す」(2001年6月28日発表の国家評価委員会(CNE)の第7回レポートより)とあるのだ。

 フランスと同様に日本でも、今回の原子力利用長期計画見直し(原子力政策大綱と改め)において、原子炉から取り出した使用済MOX燃料は再処理するかそれとも直接処分するか、決められていない。発熱量だけ考えても、地下に直接処分するには表面温度が100度より低くならなければならないが、使用済ウラン燃料でも50年位もの時を経なければその条件を満たさないというのに、使用済MOX燃料ではその10倍、すなわち500年の時間がかかると見積もられているのだ。(グラフ参照)

 再処理するにしても、ウランの使用済核燃料で数年のところ、MOXの使用済核燃料ではその何倍もの期間冷却する必要がある。プルサーマルとは、借金を解消しようとしてさらに借金を増やしてしまうような話ではないか。

人類にとって未経験、発熱し続ける物体

 われわれの生活圏の中での冷却というのは、一定の有限な量の熱を取り去ることである。ところが原子核による発熱は有限ではなくて、核反応の続く限り、何年、何万年と発熱し続けるのである。火が消えないと考えればわかりやすいだろうか。それも恐ろしく長寿命で、早く冷ましたりゆっくり冷ましたりと調節することもできない。

 核反応には2種類ある。原子炉の運転を止めれば「核分裂」の方はほぼ収まるが、「核崩壊」は原子核の種類ごとに自然の理によって定められた時間をかけて、それぞれのスピードでしか消えていかない。寿命の早いものは早々に消えてしまうが、原子炉の中には恐ろしく長寿命の原子核が大量に生まれているからだ。この熱を「崩壊熱」と呼ぶ。

 核をいじる・・・原子力の利用、とはこういうことを承知の上でなければできないはずだが、そんなことは聞いたことも無い人々までが、推進だ、事前了解だ、と判断してきた。知っている側は知っている側で、都合の悪いことは隠し、偽装と欺瞞によってここまで引っ張ってきた。

都合の悪い情報は公開されない

 フランスのこのような大失策を筆者が知ったのは、この報告書によってであり、昨秋、すなわち原子力政策大綱が確定した直後であった。もちろん、長期計画策定論議の中で海外の事例はレビューされたのだが、実績ばかりが強調され、この報告書の存在はおろかフランスの失策は紹介された形跡もない。まして、プルサーマル論議の繰り広げられている原発立地地域で紹介された例など皆無であろう。

 こうしたきわめて重要な、しかし推進側にとって不利な事実を隠してプルサーマルは進めようとされてきた。プルサーマルに限らない。そうした不誠実とご都合主義は一連の不正事件を通して、国や電力に対する大きな不信に成長している。原子力発電推進に熱心であった立地自治体関係者らが、いったん了解したプルサーマル地元了解を白紙撤回し、そのまま未だに固い対応を崩さないのも故なしとしない。

 これまで政府の旨い言葉に釣られてきたものの、時が経つにつれ深刻な現実が姿を現しクローズアップされてきた。後続の県もやがてそうしたことに気がつくだろう。

 「2010年ころから第2再処理工場の建設を検討する」と何遍繰り返しても、もうその手には乗らない。原子力政策大綱には、「使用済MOX燃料の処理の方策は2010年ころから検討を開始する」(p.38)とある。それまでは検討もしないと言っているではないか。さらに付録の資料p.134には、「2050年度頃までに相当規模の再処理施設が必要」とあり、いきなり2050年頃に跳んでしまうのである。

 奇妙なのは、先に紹介した「プルトニウム利用に関する海外動向の調査(04)」なる資料が現在お蔵入りなのである。というのは、昨年10月1日に新機構に改組してからずっとデータベースが準備中のままなのだ。2ヶ月ほど前に問い合わせた時には2~3ヶ月かかると言われた。それもとうに過ぎた。独立行政法人たるもの、そんな怠慢は許されない。

 

原発マネーに群がった政治家・学者・マスコミ

週刊現代の記事です。

2011年05月16日付けです。これとほぼ同内容の記事を過去に読んだ記憶もあり、自分のブログで書いた内容もこれに近いものになったことから公開をしないで下書き状態で捨て置かれています。

記事をそのまま転載しておきます。

 なぜ原発がこの地震列島に54基も作られたのか。巨額の「反原発」対策費が政・官・財・学・メディア・地元に投下され、「持ちつ持たれつ」「あご足つき」で骨抜きにされていった過程を暴く

永田町は原発推進派だらけ

 政府の原子力関連予算が、1年間で約4556億円。

 主に原子力関係の促進・研究などに使われる電源開発促進税の税収が、年間およそ3500億円。

 福島第一原発がある福島県に、1974年から2002年までに支払われた交付金の累計が、約1887億円。

 敦賀原発と高速増殖炉「もんじゅ」がある福井県に出された交付金は約3246億円(1974~2009年)・・・。

 現在、日本国内で稼動している原子炉は、54基に及ぶ。国=歴代政権、官僚機構と電力会社は、一体となって「原子力は日本に必要不可欠だ」とのキャンペーンを数十年にわたって繰り返し、世界で第3位の「原発大国」を作り上げてきた。

 ちなみに、原子力安全委員会の委員長・委員らの年俸は約1785万円。学者たちを多く輩出してきた東京大学には、東京電力から「寄付講座」として計6億円の寄付金が支払われている。

 これまで「原子力」のため、いったいどれほどのカネが費やされてきたのか。マネーの奔流は「利権」となり、「原子力絶対主義」に繋がり、関係者たちの正気を失わせてきた。そして、その結果起きたのが、福島第一原発における、破滅的な大事故である。

 当事者の一人として原発問題と向き合ってきた、前福島県知事の佐藤栄佐久氏は、こう語る。

「日本の原子力政策は、次のようなロジックで成り立っています。『原子力発電は、絶対に必要である』『だから原子力発電は、絶対に安全だということにしなければならない』。

 これは怖い理屈です。危ないから注意しろと言っただけで、危険人物とみなされてしまう。リスクをまともに計量する姿勢は踏み潰され、事実を隠したり、見て見ぬふりをしたりすることが、あたかも正義であるかのような、倒錯した価値観ができてしまう」

 政府と東電は現在、数兆円以上に及ぶ賠償金を捻出するため、なんと電気料金の大幅アップを画策している。これも国民の意思から乖離した〝倒錯〟だ。

 この国はいったい、どこでおかしくなったのか。周期的に必ず巨大地震や大津波が襲ってくることを知りながら、なぜ54基もの原発を作ってしまったのか。そもそもレールを最初に敷いたのは、言うまでもなく「政治」である。

 自らが原発誘致にも関わったことがある自民党の長老議員は、その〝発端〟についてこう語る。

「原発というと、初代原子力委員会委員長の正力松太郎氏(元読売新聞社主)と、その盟友の中曽根康弘元首相の名が挙がる。ただその背景には、かつての米ソ冷戦構造下における『日本の核武装化』への布石があった。それが'70年代のオイルショックを経て、『資源のない日本における原子力の平和利用』と大義名分がすり替わり、政官民が一体となって原発を推進した」

 1基あたりの建設費用が5000億円以上とされる原発の建設は、政治家にとっては巨大な公共事業であり、利権となってきた。

「原発を地元に誘致すれば、交付金はじゃぶじゃぶ入って来るし、選挙も安泰になります。東京電力の役員が個人名で自民党に献金をしていたことが発覚しましたが、一方で民主党も、労組側、つまり電力総連の支持を受けた議員がいる。そうやって原発は、これまで60年以上も乳母日傘で国の厚い庇護を受けてきたわけです」(社民党・福島瑞穂党首)

 昨年1年間に、電力各社が会長・社長ら役員の個人名義で自民党の政治団体「国民政治協会」に行った献金の総額は、およそ3500万円に上る。

 原発利権を、いわゆる土建屋的な見地で利用したのが田中角栄元首相だ。地元の新潟に柏崎刈羽原発を誘致する際、田中氏は土地取引で4億円の利益を上げたことが知られている(『原発と地震—柏崎刈羽「震度7」の警告』新潟日報社特別取材班・講談社刊)。

 原発立地の地元にカネを落として住民を懐柔する、電源三法(電源開発促進税法、特別会計に関する法律、発電用施設周辺地域整備法)交付金の仕組みを作ったのも、自民党の有力者だった田中氏である。

「原発建設はゼネコンや地元の土建業者に大きな利益をもたらし、それがそのまま選挙における票田になる。選挙の際には、電力会社やメーカー、建設会社の下請けや孫請けの業者が、マシーンとして作用してきた。そういう田中氏の手法を引き継いだのが、その弟子である竹下登元首相らであり、さらに渡部恒三元衆院副議長や、小沢一郎元民主党代表らに受け継がれていった」(自民党閣僚経験者)

 原発推進に関して言えば、政界には右も左も、大物議員もそうでない議員も、まったく区別がない。中曽根氏の直弟子で日本原子力発電出身の与謝野馨経財相。身内の警備会社が原発警備を請け負っている亀井静香・国民新党代表。日立製作所で原発プラントの設計に携わり、日立労組や電力総連から絶大な支持がある大畠章宏国交相・・・。

 ちなみに菅首相にしても、有力ブレーンの笹森清元連合会長は元東京電力労組委員長だ。仙谷由人内閣官房副長官や前原誠司前外相も、原発プラントの輸出を進めてきた経緯があり、原発推進派に数えられる。社民党や共産党を除き、政界で原発の危険性を訴えてきた政治家は、数えるほどに過ぎない。

マネーに「感電」していく

 国策決定に大きな責任がある政治家がここまで一色に染まっているのだから、日本が容易に原発推進の渦から抜け出せないのも当然だ。一方で、そんな政治家と結びつき、ある時には無知な政治家たちを操ってきたのが官僚機構である。

「政治と電力会社を結びつけ、橋渡し役をしていたのが官僚です。官僚にしても、どっぷり〝原発マネー〟に漬かっているんですよ」

 そう語るのは、経産省キャリアの一人だ。

「たとえば自民党の電源立地調査会というのがあるのですが、経産省内では調査会の議員を原発推進への貢献度に応じ、A~Cにランク分けをしていました。

 選挙の際にはランクに応じて、Aの議員なら50万円、Bなら20万円という具合に、電力会社から〝政治資金収支報告書に載せなくていいカネ〟を届けさせる。そういうことをする官僚は電力会社の接待漬け。完全に〝あっち側〟に行ってしまい、有力議員に頼まれ、その息子のパリ旅行に際して、電事連(電気事業連合会)のパリ事務所にアテンドさせたりしていました」

 一方で電力会社のほうも、常に官僚の動きをウォッチして、対策に余念がない。別の経産省元キャリアはこう証言する。

「役人が少しでもおかしな動き、例えば電力のライバルであるガス会社に有利なことを発言したら、電力会社の担当者がすっ飛んできて『ご説明を』となる。その際には、説明資料にビール券が挟まれたりしています。省内では、それらを集めて年末の忘年会や課内旅行の資金にしていました。

 他にも生まれ年のワインをもらったり、子どもの誕生日に豪華プレゼントをもらったり・・・。仲間内では、接待漬けで電力会社寄りになった奴を『感電した』、逆にガス会社寄りの奴を『ガス中毒になった』と言って区別していたくらいです」

 経産省と電力会社の癒着の象徴が、5月2日に明らかになった「電力会社への天下りリスト」だ(次ページ表参照)。経産省の発表によれば、過去50年に68人の官僚が電力会社に天下りしていた。東京電力に天下った石田徹前資源エネルギー庁長官は4月末に辞任を余儀なくされたが、現在も13人が役員や顧問として電力会社に在籍している。

「石田氏などはエネ庁長官時代に電事連の意を受け、再生可能エネルギーでなく原発を推進するエネルギー基本計画を立てた張本人です。彼らは、いったん政府系銀行などに天下り、そこをクッションにして電力会社に再就職する。そして東電副社長などの〝指定席〟に収まるのです」(天下り問題を国会で提起した共産党の塩川鉄也代議士)

 官僚と電力会社が〝ズブズブ〟だったのは、何も経産省だけではない。原子力関連予算4556億円のうち、資源エネルギー庁や原子力安全・保安院を抱える経産省の取り分は1898億円だが、日本原子力研究開発機構を管轄する文部科学省は2571億円、原子力安全委員会が所属する内閣府には17億円の予算が計上されている。

 いま政府は、福島県内の子どもの被曝量の許容値を年間1ミリSvから20ミリSvに引き上げるなど、「放射能は危険がない」との正気を疑うキャンペーンを張っているが、原発を監視し、安全性を確保すべき立場の監督官庁が電力会社と一蓮托生なのだから、政府内でのまともな議論など、ハナから望むべくもないわけだ。

 そして、この政官財一体となった原発推進キャンペーンに、資金や研究環境の便宜供与を受けて加担しているのが、いわゆる〝御用学者〟たちだ。

 事故発生後、「原発は絶対に爆発しません」と菅首相に吹き込んでいた原子力安全委員会の班目春樹委員長(元東大工学部教授)を筆頭に、空疎な〝安全神話〟を唱える学者たちの存在が表面化した。端から見たら非常識としか思えない、こうした御用学者が居並ぶ理由を、元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏はこう説明する。

「電機や機械と違い、原子力の場合は研究におカネがかかり過ぎるのです。国や電力会社がカネを出さなければ研究ができない異質の分野が原子力なのです。だから研究の裾野が広がらず、異なる価値観が共存することもない。したがって原子力村には相互批判がなく、いつでも『原発は安全』になってしまう」

 原子力村では、准教授になった途端に国から声がかかり、各種委員会など原子力関連の政府組織に名を連ねることができるようになる。すると、より詳しい研究資料の入手もできるようになり、学生の指導もしやすくなる。電力会社から多額の謝礼で講演の依頼なども入るようになり、定年後には各社が運営する研究所所長などのポストも用意されるという。





 しかし、正直に原発や放射線の危険性を指摘して、〝ムラ〟に反逆したと判定されてしまうと、御用学者とは正反対の恵まれない学究生活が待ち受けているのだ。東京大学工学部原子力工学科の1期生で、立命館大学名誉教授の安斎育郎氏はこう語る。

「大学院生だった1960年代後半、日本科学者会議などの場で原子力行政を批判したところ、たちまち学内で干されました。その後、米国製軽水炉の欠陥を指摘したり、原発予定地の住民の相談に乗って反対運動に加わると、『反原発を扇動している』などと言われるようになり、各電力会社に〝安斎番〟の社員まで置かれるようになりました」

 その当時、安斎氏が講演すると、必ずそうした〝番〟の社員が内容チェックにやってきて、彼らや公安関係の刑事から尾行されることもあったという。

「東電の社員から、『3年くらい海外に行ってくれないか。カネは用意するから』と言われたこともあります。もちろん断りましたが、私に消えてほしかったのでしょうね。東大には17年間勤務しましたが、最後まで助手のままで、その間、補助金はほとんどもらえませんでした」(安斎氏)

 原発は絶対に安全だという〝宗教〟を信じない者は、「偏ったイデオロギーの持ち主」などと言って、研究費も与えずパージしてしまう。それが、官僚と電力会社の手口だ。そして、自分たちに都合のいい学者を出世させて権威として持ち上げ、原子力安全委員長などの重要ポストに据える。

 本来、委員長は「原子力行政に絶大な権力を持っていて、原子炉メーカーが視察を受ける際、かつては工場の入り口に赤じゅうたんを敷いたほど」(大手電機メーカー社員)の存在だという。だが、委員長を指名するのはスポンサーである役所。産官学が同じ「原子力推進」で染まってしまっているのだから、そこには批判や反省が存在する余地はまったくない。

「クスリ」はすぐ切れる

 国策として巨額の国費=税金を投入し、原発建設を推し進めてきた政治家と官僚機構。彼らの庇護を受け、原発運用で巨額の利益を上げ続けてきた電力会社と関連企業。そして、そこに「安全だから」とお墨付きを与えてきた学者たち---。

 この渦の中で、原発マネーに翻弄されてきたのが、原発を誘致してきた「地元」である。

 冒頭で触れたように、原発が稼動する地域では、住民懐柔の手段あるいは〝迷惑料〟として、国費から多額のカネが交付されてきた。福島県の場合、電源三法による交付金は'08年度で約140億円に達しており、そのうち56億円が、福島第一原発、第二原発が立地する浜通りの4町(双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町)の収入になっている。

 これらの町の周辺には、原発マネー由来の健康施設や、運動公園、野球場が立ち並ぶ。東電が出資して運営し、現在は事故対策の現地本部が置かれているスポーツ施設「Jヴィレッジ」(楢葉町)もその一つだ。

 原発マネーにより、こうした地域の一部の人々は、確かに恩恵を受けてきた。双葉町議を8期務めた、丸添富二氏がこう話す。

「第一原発ができた当時は、ほとんど皆もろ手を挙げて賛成していましたね。政府や県、東電は、明るい未来・安全な原発を喧伝した。歴代の町長は地元で建設会社や水道工事会社、商店などを経営していましたから、原発の恩恵をずいぶん受けたはずです。一般住民も、漁業関係者で1億円もらったような人もいた」

カネが落ちるとともに地域には雇用が生まれた。学校では子どもたちが原発の素晴らしさを教え込まれ、「なぜ原発を批判する人がいるのか信じられません」などと、作文に記した。

 だが実際には、町々は事故の以前から、原発マネーによる〝バブル〟の後遺症に苦しんでいたのだった。

「最初は大きなおカネが落ちても、10年も経つと交付金の額も下がってきて、今度は作りすぎたハコモノ施設の維持費でクビが回らなくなってしまった。クスリの効果が切れるようなものです。よその人から見たら相当のおカネで潤ったように見えるのでしょうが、実際には当初いた原発長者の大半が消滅したのですよ」(富岡町の元郵便局員で原発問題に40年取り組んできた石丸小四郎氏)

 原発が落とすカネで、過疎地だった町はしばらくの間、賑わったように見えた。だが、やがて原発の出入り業者の決定が入札制に変わり、地元業者は弾き出されるようになった。夢の町になるはずだった双葉町は、'08年度には原発のある町で全国唯一、財政の早期健全化団体に転落している。

 結果的に、これらの町の住民の多くが、原発の事故によって帰る家と土地すら失いつつある。関係のない人々が「カネをもらったクセに」と批判するのは簡単だが、そう仕向けて地元を骨抜きにしたのは国であり、電力会社なのだ。住民の信頼を裏切り、「想定外」という言葉の連発で責任逃れをする者たちの罪は、あまりに大きい。

 環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏は、「産官学が一体化した原子力村を解体しなければならない」として、こう語る。

「原発推進によって利益を得るごく一部の人間たちのために、消費者も世界一高い電気料金を払わされているのが現状です。今後は原子力安全委員会など、官僚と電力会社にとって都合のいい人たちだけのクローズド・コミュニティを解き、第三者や市民の目が行き届く組織に変えていかなければなりません」

 前出の佐藤氏もこう語る。

「私はいまある原発をすべて止めてしまえ、とは言いません。しかし、有名無実化している原子力安全委員会を独立した存在にするなど、信頼できる組織に作り直す必要があります。安心とは、信頼です。そうしないと、日本は世界からの信用も失うでしょう。すでに失って三流国になりつつあるかもしれないのに、四流国へと成り下がってしまうかもしれません」

 福島第一原発の爆発は、原子力村が作り上げて来た虚構を同時に吹き飛ばした。日本の未来にとって、原発は必要なのか否か。いま国民全体が問われている。

2011年4月26日火曜日

「チェルノブイリの教訓」の消滅


「原発はクリーン」不適切と裁定 電事連広告にJARO裁定

 電気事業連合会(電事連)が雑誌に掲載した「原子力発電はクリーンな電気のつくり方」という広告のコピーについて、日本広告審査機構(JARO)が「原子力発電にクリーンという表現を使うことはなじまない」と裁定し、電事連に表現の再考を促していたことが30日、分かった。
 裁定は昨年11月25日付。JAROが原発の広告について、再考を求めるのは異例という。
 JAROは神奈川県の男性の苦情申し立てを受け、学識経験者7人でつくる審査委員会で審議。「安全性について十分な説明なしに、発電時に二酸化炭素(CO2)を出さないことだけをとらえて『クリーン』と表現すべきではない」と結論づけ、電事連に通知した。
 申し立てによると、広告は昨年4月発行の雑誌に掲載された。男性は翌月、JAROに「事故時の放射能汚染の危険性があり、到底クリーンとは言えない」と申し立て。電事連は「発電の際にCO2を出さないという特長をクリーンと表現した」と説明していた。
 裁定には法的拘束力はなく、広告内容を変更するかは広告主の判断に任される。電事連は「裁定を受けたのは事実だが、中身についてはコメントできない」としている。

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

http://diamond.jp/articles/-/12075

「原子力はクリーンエネルギー」と、いつだれが言い出したのだろうか。

最初に聞いたのはいつだったか、どうしても思い出せないのだが、チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)の3、4年後だったと思う。  

はじめは悪い冗談だと聞き流していたが、1990年代に入ると地球温暖化の危機が国際的な大問題となり、発電時に炭酸ガスを排出しない「原発はクリーンエネルギー」として再登場したのである。

チェルノブイリの教訓で脱原発を図ったのは、イタリア、スウェーデン、ドイツ、スイスなど、欧州の限られた国だった。

  原発はたしかに炭酸ガスを排出しないが、放射性物質を出し、核廃棄物の最終処分をどうするか、まったく見通しが立っていない。

大事故が起こればチェルノブイリ事故のように国境を越えて被害を与える。常識をもって考察すれば、クリーンだとはとうてい思えないのだが、いつのまにかクリーンエネルギーになっていた。

  史上最悪の環境破壊はチェルノブイリ原発事故である。25年後の現在も半径30キロ圏内は立ち入り禁止だ。どうして「地球に優しいクリーンエネルギーの主役」に化けたのだろう。これは原子力産業と推進国政府によるPR作戦の勝利だった。

  この3月29日の衆院予算委員会で、菅直人首相は「太陽エネルギー、バイオなどのクリーンエネルギーを世界の先頭に立って開発し、大きな柱とする」と答弁している。筆者が聞いた首相の発言の中で、もっとも明確なビジョンである。

  この首相発言は、原発推進からの大転換と聞こえたが、はっきり言っていないので、あとで再転換するかもしれないが、少なくとも「クリーンエネルギー」の中に原子力は入っていない。

  一方、米国のオバマ大統領は3月30日の講演で、「2035年までに電力の80%をクリーンエネルギーでつくる。原子力は風力や太陽光発電と同様、クリーンエネルギーである」と語っている。オバマ大統領は「クリーンエネルギー」に原子力を入れている。

 「クリーンエネルギー」の言説をさかのぼっていくと、「炭酸ガスを排出しないからクリーンだ」という根拠に行き着く。

地球温暖化防止の国際会議のたびに「クリーンエネルギー原子力」のPRが増えた。  このPRの中では、核廃棄物問題はまったく出てこない。「原子力は安全ならばクリーンだ」というわけだ。当たり前である。「問題を考えなければ問題はない」と言っているだけだった。

  クリーンエネルギーという言葉は、エイモリー・ロビンズ(★注①)の名著『ソフト・エネルギー・パス』(1977)で初めて登場する。スリーマイル原発事故(1979年)の直前、チェルノブイリ事故の10年前である。

  ロビンズは再生可能な自然エネルギーをソフトエネルギーとして、原子力や石油、石炭火力に対してクリーンエネルギーだとした。ロビンズによるクリーンエネルギーの定義は、生態系に適応する自然エネルギーのことである。もちろん原子力は入っていない。

  チェルノブイリ事故は世界に衝撃を与えたが、わずか3年後の1989年、原発先進国のフランスが、炭酸ガスを排出しない原子力というコンセプトを打ち出す。

前年の1988年、米国NASAのジェームズ・ハンセンが上院公聴会で「地球は温暖化しており、原因は炭酸ガスにある」として世界的な反響を呼ぶ。地球温暖化=炭酸ガス=炭酸ガスを出さない原子力=クリーンエネルギーという図式が登場したのである。

  当時フランスではミッテラン大統領自ら原子力は炭酸ガスを出さないクリーンエネルギーだと主張し始めている。日本でも1988年版「原子力白書」(原子力委員会)で、原発は温暖化への抑止になる、と初めて記述している。

  この時点から原子力村(産官学の利益集団)は積極的に「炭酸ガスを出さないエネルギーは原子力」をPRするようになった。つまり、国民の頭に「クリーンエネルギー」を刷り込みはじめたのである。

  この議論は世界で急速に普及し、地球温暖化防止の重要な役割が原発にある、と多くの人々が思うようになった。喉もと過ぎればなんとやらである。チェルノブイリのわずか2年後のことだ。

  原子力推進の総本山IAEA(国際原子力機関)のハンス・ブリックス事務局長(★注②)の面白い発言が当時の新聞に掲載されているので紹介しよう。

 「『大気汚染問題がこんなにホットになって、驚いている』――国際原子力機関(IAEA)のH・ブリックス事務局長は、複雑な思いを味わっている。つい最近までソ連のチェルノブイリ原発事故の後遺症で世論の冷たい風にさらされていたのが、一躍大気を汚さないクリーンエネルギーとして原子力に関心が集まったからだ。」(「日本経済新聞」1989年7月21日付)

  原子力の平和利用推進と監査機関であるIAEAのトップも驚くほど、急速に原子力はクリーンだという言説が広がっていた。ハンス・ブリックス自身は眉にツバをつけて聞いていたわけである。あまりにも面白く、20年以上経っても忘れられない記事となった。

  1990年2月、通産省(現在の経産省)は1990年から2000年までの10年間を「省エネルギー推進期間」、2000年から2010年までの10年間を「クリーンエネルギー推進期間」とする「地球再生計画」を発表した。クリーンエネルギー推進のための方策が原子力推進である。

  1990年5月、環境庁(現在の環境省)は「環境白書」を発表し、この中で「環境への負荷の少ないエネルギー源としては、適切な範囲内での天然ガスの導入、また安全性の確保を前提として国際的にも原子力の重要性が認識されている」としている。

  大事故から4年、1990年に日本では完全に「チェルノブイリの教訓」は消滅したのである。  米国では1979年のスリーマイル島原発事故以来、原発の新設はストップしていた。「スリーマイルの教訓」である。しかし、湾岸戦争(1989年)によって原油の中東依存が問題視されると、ブッシュ(シニア)大統領は1991年2月、原発の新設を含む新エネルギー計画を発表する。現在も新設は進んでいないが、計画だけは出ている。

  米国ではクリントン政権をはさんでブッシュ(ジュニア)大統領、現在のオバマ大統領とも、「クリーンエネルギー原子力推進」政策を打ち出している。とくにブッシュ(ジュニア)政権時代には強く推進し、これをもって「原子力ルネサンス」と呼ばれ、日米欧の原子力産業は新興国への原発輸出競争を開始し、現在にいたっている。

  この20年間、東海村の臨界事故を除いて決定的な重大事故がなかったため、「クリーンエネルギー原子力」は人々の脳裏に焼きつくことになった。途中1997年の京都議定書をめぐる地球温暖化防止国際会議をはさみ、温暖化対策としての「クリーンエネルギー原子力」は定着していった。 

 事故から25年経過し、40歳代以下の世代はチェルノブイリ原発などまったく知らない。福島原発事故の直後、20歳代の知人5人に感想を聞いたところ、「それでも原発はクリーンですからねえ」というので仰天した。炭酸ガス排出と放射性物質の飛散は別物らしい。炭酸ガスを出さなければクリーンだというわけだ。 「いま、福島の環境は強く汚染されているんだよ」というと、「あ、そうか」とすぐに気づくのだが。

  この20年を振り返ると、日本社会党の路線転換の影響も大きい。チェルノブイリ以後、脱原発を政策として掲げていた大政党は社会党だけだったのだが、1993年2月、原発容認へ180度転換した。その後、紆余曲折を経て社会党の大多数は民主党に合流し、民主党は政権奪還後、自民党以上に新興国への原子炉輸出促進に動いている。

 はたして福島原発事故で「クリーンエネルギー原子力」の呪縛は解けるのだろうか。菅首相の「本来のクリーンエネルギー推進」のビジョンは徹底されるのだろうか。

  少なくとも、わずか4年で消滅した「チェルノブイリの教訓」とは異なり、「福島の教訓」は4年では消えそうもない。4年後、溶融した燃料棒の一部でも搬出できているかどうか、まったくわからないのである。 

★注①エイモリー・ロビンズ(1947-)は米国ロッキーマウンテン研究所所長、物理学者。ハーバード大学を経てオックスフォード大学へ。のちに米国で物理学者、エネルギー学者として「ソフトエネルギー」の推進を訴えている。 ★注②ハンス・ブリックス(1928-)はスウェーデンの政治家。同国外務大臣を経て、1981年から1997年まで国際原子力機関事務局長をつとめた。

2011年4月25日月曜日

4/23・パックインジャーナル

反原発・脱原発がさけばれている中で菅内閣が東電を守ろうとしている姿がありありと見えてくる。
国民の声を無視し続ける大手既存マスコミに対しては「あきらめ」と同時に怒りさえ覚えてしまう



愛川欽也パックインジャーナル4/23(土)「原発事故20キロ以内封鎖」1/3


愛川欽也パックインジャーナル4/23(土)「原発事故20キロ以内封鎖」2/3


愛川欽也パックインジャーナル4/23(土)「原発事故20キロ以内封鎖」3/3

2011年4月4日月曜日

上杉隆

http://www.timeout.jp/en/tokyo/feature/2776/Takashi-Uesugi-The-Interview

Takashi Uesugi: The Interview
Time Out meets the journalist who TEPCO love to hate

In the immediate aftermath of the March 11 earthquake and tsunami, the Japanese media stayed remarkably calm. While overseas news outlets fretted about nuclear meltdown and terrified expats stranded in a 'City of Ghosts', their Japanese counterparts generally hewed closer to the official line: stay calm, go about your business as usual. And, yes, you can still drink the tap water.

But that was only part of the picture. While the mainstream media presented a reasonably united front, a group of freelance and internet journalists were openly dissatisfied with the explanations being given at Tokyo Electric Power Co.'s seemingly endless stream of press conferences. Why wasn't the company mentioning levels of plutonium around the stricken Fukushima Daiichi power plant? What had happened to TEPCO's president, Masataka Shimizu – last seen on March 13?

One of the most influential members of this group of dissenters is Takashi Uesugi, a former New York Times journalist and, in an earlier incarnation, aide to Liberal Democratic Party bigwig Kunio Hatoyama. The author of books including The Collapse of Journalism, Uesugi is a vociferous critic of Japan's 'Kisha Club' system – a network of exclusive press clubs that, he says, nurtures excessively close relationships between reporters and the organisations they are supposed to cover.

Gadfly to some, hero to others, Uesugi is a much-sought commentator. He makes weekly appearances on Tokyo FM and Asahi Newstar, and is a regular contributor to the Diamond Weekly business website, along with various weekly tabloids. However, he's most prolific on his own website and via Twitter, where he commands a following of 177,000 and counting. One place place he won't be appearing any more is TBS Radio, who booted Uesugi from his regular weekly guest slot this month (more on that later).

Time Out caught up with Uesugi last Monday, during a brief lull between press conferences at the TEPCO head office in Shimbashi. We'd gone expecting to have a nice chat about tweets and microsieverts, but smalltalk apparently wasn't an option. What followed was a eye-opening, if occasionally paranoid tirade against TEPCO, the government and the mass media, delivered in rapid-fire Japanese.

Obviously a lot has happened over the past couple of weeks, but what are the main things you've learned?

Basically, something that I knew from the beginning, but has become more blatant yesterday and today [March 27-28], is this terrible situation where the government and TEPCO are suppressing information. To be more specific, I thought it was strange that there was nothing written about plutonium when the data about reactor 3 was given out at the TEPCO press conference on the 27th, so I asked them if it was true that no plutonium had been detected in reactor 3, and for how long it had not been detected. TEPCO answered: 'Plutonium hasn’t been detected.' To confirm what they were saying I asked if perhaps it wasn't that none had been detected, but that they hadn't actually taken any measurements. They were alarmed, and it turned out that it wasn't even that they hadn't taken any measurements, but that they didn't have the instruments to do so in the first place.

That's one example. Another is the question of where exactly has the TEPCO company president gone? There was a rumour doing the rounds a while ago that he had been hospitalised, when actually he had been away because of fatigue. This time they're using the pretence of hospitalisation for the same situation. All of it's lies. It's emblematic, isn’t it? [Note: TEPCO president Masataka Shimizu was hospitalised on March 29, and subsequently resigned.]

Two weeks ago I told someone in the government that TEPCO was lying. I called a friend from back when I was a governmental aide directly on their mobile phone and said that the government was being deceived, but I didn't get any response at all. On top of that, even though I was able to attend the Chief Cabinet Secretary’s press conferences before the earthquake, after the quake, all the freelance journalists, foreign media and Internet reporters were kicked out. So I took on the role of representative for those media outlets, and tried to negotiate by constantly badgering the official residence – like a stalker – saying, ‘If you don’t let in the foreign media too, there won’t be any way for information to be conveyed abroad, will there?’

Ever since the [nuclear] trouble started, I’ve been saying again and again via the different media and radio programs that I appear on that TEPCO are concealing things about the accident, that they're lying, and that the government is being fooled. I’ve been saying that TEPCO is a client of the media and the press clubs, being one of their biggest advertisers – so the press won’t be able to say certain things, and will be holding back, won't they? But then, at the end of one of the programs, the producer came to me and asked me to stop doing the show at the end of the month, and I was dropped. When I criticized TEPCO on a different program, they also wanted to get rid of me. But the producer of that particular program is a strong person, and actually went ahead and did it without a sponsor.

TEPCO are such an important advertiser that the television and newspapers are completely silent. Even now, they're running TEPCO commercials on the television, aren’t they? This week, there are also full-page advertisements in the newspaper. Despite the fact that they've caused such a scandal, TEPCO are still putting ads in the newspaper. If they have such enormous sums of money, they should send it to the areas hit by the disaster.

It's like the false announcements made by the Imperial General Headquarters 70 years ago [during World War II] are happening all over again. I’m shocked that something I've seen in history textbooks, and had thought was completely implausible, is happening right before my eyes. I never thought that I'd become a party to anything like this. [Laughs]


Have you been following reports in the foreign media, then?

Yes, all the time.

Would you say that they've been overdoing it?

No, I wouldn’t, because the foreign media was just reporting what was possible. I think the correct way to report about the events at the nuclear power plant is to assume the worst case and write about it, and then also add what the current situation is in relation to that. Newspapers and television shouldn't say, 'Don't worry, it's safe. You don't need to run away,' like Japan's have. There's absolutely no problem with the way the foreign media has covered this news. It's not fanning people's fears if we report by saying it's possible for things to reach such and such a point, but at the moment the situation is like this, so you don't need to worry. There's also nothing wrong with the foreign media referring to the examples of Chernobyl and Three Mile Island. After clarifying the source, I have also talked about those kinds of things in my email newsletter and in my regular reports for websites, as well as on radio shows and satellite TV programs where I'm a regular guest. Except recently, the more I talk about those topics, the more complaints I get after the program has finished – in incredible numbers. People say things like, 'Don't lie!' or 'It's safe!' But they've got no grounds to say that. Japanese people want to believe that it's safe, don't they? They just don't want to look at how things really are. It's like an ostrich burying its head in the sand.

We've read a lot of opinions from scientists recently, and the majority of them seem to fall in line with what the government's saying: that this isn't another Chernobyl, and Tokyo isn't at risk from radiation…

That’s because at the moment, any scientists who say that the current situation is dangerous are being removed from the mass media. Ultimately, the most dangerous situation is one where the only information available is what suits the government and TEPCO. From the outset, the mass media haven’t been using the people who are reporting that the worst possible outcome could happen. And yet the evacuation area was changed from 2km to 3km, and then to 10km, and to 20km, and finally to 30km. America has specified a 50 mile (80km) evacuation zone, but Japanese people still say that things are OK as they are...

Then the next week I said [to Chief Cabinet Secretary Edano], ‘You were wrong, weren’t you? Radioactive material has been found in the area outside the 30km line, and even though you said radioactive material would never reach Tokyo, it has, hasn’t it? The government is responsible for the consequences of what it says so you should make a proper apology. Correct your mistakes.’ He replied, ‘That is not the case.’ When I said that, far from being within the 30km radius, radioactive material was found 40km away, and that he should correct the mistake, he told me to ‘Submit that properly in writing.’ I asked a question in the middle of a press conference, and he actually told me to put it on paper. [Laughs] At that point I just couldn’t believe it any more. It’s the first time that has ever happened to me – to be asked to submit a question in writing in the middle of actually asking it. Basically, it’s hopeless, isn’t it? Something in the minds of the government has burst.

When The New Yorker interviewed you recently, you talked about how the Japanese public were 'brainwashed' by the media. Can you tell us a bit more about that?

From a young age Japanese people become convinced that newspapers and the television are correct, and that magazines and the Internet are full of lies. But the information in the newspapers and on the television is just what the government is giving out through the press clubs. Even if it's different from the information and data that reporters have gathered themselves, they just accept what the government announces. So the people here who think that the newspapers and television are right always believe the information given to them, and it’s why the same kind of brainwashing is happening now too. But one thing that's a little different from how things have been up until now is that people, mostly the younger generation, are starting to realise what's going on, and using the Internet to say, ‘Hang on, there’s something that’s not right, isn’t there?’ Even my Twitter timeline has been incredible since this morning, with messages like, ‘What the newspapers and television are saying is not the truth!’ It’s just like Egypt and Tunisia. That’s where we can clearly see changes happening.

2011年4月2日土曜日

汚された大地で ~チェルノブイリ 20年後の真実

何をどこまで、信じていいものなのか。
枝野官房長官の「ただちに健康に影響はない」がしかし「20年後にはこのビデオのようなことが起こりうる可能性がある」ということなのでしょうね。

人命を蔑ろにしているとは敢えて言わないが、福島原発事故に起因し日本国内でも同様の問題が起こりうる可能性を秘めているのであれば、今から早々に出来うるすべての対処方法に着手すべきだと考えるのだが・・・はたして政府は・・・・。











http://udonenogure1.blogspot.com/2006/04/20.html