2003年7月30日水曜日

【自由党】 日本一新 11法案(国民生活充実基本法案)

[社会保障]
3.社会保険料を絶対上げさせない法案(国民生活充実基本法案) 

社会保障制度に対する国民の不安感を解消するために、消費税は全額、基礎年金・高齢者医療・介護などの財源にします。社会保険料はいまの水準以下に抑えます。

性別、年齢等に関係なく、誰もが安心して、生きがいを持って経済・社会活動を行えるよう、基本的な国民生活の保障と充実を図ります。
社会保険料は現行水準以下に抑えるとともに、消費税は全額、基礎年金、高齢者医療、介護といった基礎的社会保障経費の財源に充てます。また所得控除に替えて、児童手当の増額や、親と同居している人たちへの手当を新設します。


国民生活充実基本法案

自 由 党

 (目的)
第一条 この法律は、我が国における急速な少子化及び高齢化の進展が経済社会の変化と相まって、国民生活に広範な影響を及ぼしている状況にかんがみ、すべての国民が豊かな家庭生活を営みつつ生涯にわたって生きがいを持って働き、安心して生活することができるようにするため、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策の基本となる事項を定めることにより、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策を総合的に推進し、もって豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

 (基本理念)
第二条 基本的な国民生活の保障及び向上については、すべての国民が、社会を構成する重要な一員として、豊かな家庭生活を営みつつ、意欲と能力に応じ、生涯にわたって生きがいを持って働き、失業、加齢、疾病、障害等の場合にも、人間としての尊厳を重んじられ、安心して生活することができる社会を構築することを基本として施策が講じられなければならない。

 (国の責務)
第三条 国は、前条の基本理念にのっとり、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)
第四条 地方公共団体は、第二条の基本理念にのっとり、基本的な国民生活の保障及び向上に関し、国と協力しつつ、当該地域の社会的、経済的状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (法制上の措置等)
第五条 政府は、この法律の目的を達成するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

 (完全雇用の実現)
第六条 国は、国民経済の健全な発展に関する諸施策と相まって、民間の事業活動に係る規制の撤廃、新たな事業の創出の促進、労働力の需給の不均衡の是正等の施策を総合的に講ずることにより、雇用機会の着実な増大を図り、完全雇用の実現を目指すものとする。

 (労働条件の改善)
第七条 国は、勤労者が充実した職業生活を営むとともに、家庭生活において家族の一員としての役割を円滑に果たし、多様な社会的活動に参加することができる豊かでゆとりのある生活を営むことができるようにするため、賃金、休暇その他の労働条件の改善の促進に必要な施策を講ずるものとする。

2 国は、前項の施策を講ずるに当たっては、勤労者が豊かでゆとりのある生活を営むことを妨げるような雇用慣行の是正が図られるよう配慮しなければならない。

 (多様な就業形態における雇用の安定の確保等)
第八条 国は、勤労者が主体的に多様な就業形態を選択することができるようにするため、短時間勤労者その他の通常の勤労者以外の勤労者の雇用の安定を確保し、これらの者について、職務の内容、経験、能力等に応じ、かつ、通常の勤労者との均衡のとれた適正な待遇を確保する等必要な施策を講ずるものとする。

 (高齢者、障害者及び女性の就業の促進)
第九条 国は、高齢者、障害者及び女性が、年齢、障害の有無又は性別により差別されることなく、職業生活においてその能力を有効に発揮し、充実した職業生活を営むことができるようにするため、国、地方公共団体及び事業主が雇用する者に占める高齢者、障害者及び女性の割合について適正な水準を確保するための施策その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (求職者に対する支援)
第十条 国は、最近における経済社会の急速な変化に対応して、求職者の職業選択の機会の拡大を通じて、勤労者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするとともに、労働力の需給の不均衡を是正するため、求職者の求職活動に関する相談に応じ、個別に助言、指導その他の援助を行う事業を民間に委託して実施し、民間の主体が運営する職業訓練施設と連携した多様な能力開発の機会を提供する等民間の能力の活用によりきめ細かくかつ総合的に就職を支援する体制を整備するものとする。

2 国は、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)に基づく勤労者に対する給付について、勤労者の生活及び職業の安定のために十分な水準を確保するものとする。

 (年金制度の改革)
第十一条 国は、基礎年金の保険料が現行の水準を上回らないようにしつつ、高齢期の生活の安定に資する適正な給付水準を確保するために、基礎年金の給付に係る費用の財源の不足に消費税を充てることによって、将来にわたり安定的に運営することが可能な基礎年金に係る年金制度を確立するものとする。

2 国は、年金の支給開始年齢を六十五歳とすることを基本としつつ、その多様化の促進等によって、国民がその必要に応じた年金給付を受けることができる制度を整備するものとする。この場合において、高額の所得を有する高齢者については、年金給付を制限するものとする。

3 国は、年金制度について、少子化、就業形態の多様化、生活様式の変化等に対応したものとなるよう、長期的視点に立って見直しを行うものとする。

 (医療制度の改革)
第十二条 国は、診療記録の開示及び診療報酬明細書の交付の義務付け等、患者への情報提供のための制度の整備を行うことにより、患者の理解と選択に基づいた医療を確立し、及び個人情報の保護に留意しつつ、診療記録の電子化、診療報酬明細書の電子計算機による処理等、電子情報処理組織を使用する情報通信の利用等を推進することによって、効率的かつ質の高い医療を提供する体制の整備を図るものとする。

2 地方公共団体は、地域医療支援病院の整備、救急医療の確保、医療従事者の確保等により良質かつ適切な地域医療を確保するため、地域の実情を踏まえて医療計画の見直し等を行い、地域医療を支える基盤の整備を図るものとする。

3 国は、医療技術を適正に評価すること、患者の医療についての理解及び選択を重視すること等の観点から診療報酬及び薬価基準を体系的に見直すものとする。

4 国は、高齢者について独立の医療保険制度を創設することとし、その対象者は、七十歳以上の者とする。この場合において、高齢者に対する療養の給付等に係る費用の財源の不足には、消費税を充てるものとする。

5 国は、医療保険制度について、就業形態の多様化に対応したものとなるよう見直しを行うことにより、医療保険の運営の安定化を図るものとする。

6 国は、保険診療と保険外診療の併用を認める等医療保険制度に関する規制緩和を推進するものとする。

 (介護サービス等提供制度の改革)
第十三条 要介護者等が人間としての尊厳を保ちつつ自立した生活を送ることができるよう、国、地方公共団体、民間事業者、ボランティア等が、それぞれの役割に応じて、一体となって要介護者等を支援することによって、質の高い介護サービス等を効率的に提供する制度を確立するものとする。

2 国は、要介護者等に基本的な介護サービス等を提供するための指針を策定し、市町村がその介護サービス等を提供するための費用について必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとする。この場合において、その財源には、消費税を充てるものとする。

3 市町村は、基本的な介護サービス等を担う人材の確保及び基本的な介護サービス等を提供するための施設の計画的整備を図るとともに、地域の特性に応じた独自の介護サービス等を提供する体制を整備するものとする。

 (高齢者及び障害者に対する支援)
第十四条 国及び地方公共団体は、第九条に規定する施策のほか、高齢者及び障害者の社会参加を促進するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

2 国及び地方公共団体は、あらゆる公共的施設についてのバリアフリー化(これらの施設の構造及び設備を高齢者及び障害者の円滑な利用に適するように整備することをいう。)を促進するために必要な措置を講ずるものとする。

3 国及び地方公共団体は、生涯学習の推進、地域における老人クラブ活動その他の高齢者の社会的活動の推進等の施策により、高齢者が生きがいを持って豊かな生活を営むことができるよう支援するものとする。

4 国及び地方公共団体は、障害者に対する給付の充実、障害者に対する福祉サービスの多様化の促進等の施策によって、障害者が人間としての尊厳を保ちつつ安定した生活を送ることができるよう支援するものとする。

 (職業生活と家庭生活の両立支援)
第十五条 国は、勤労者が安心して子の養育又は家族の介護を行うための休業(以下「育児等のための休業」という。)をすることができるようにするため、勤労者が育児等のための休業をすることのできる期間の延長、育児等のための休業をしている勤労者の生活の安定を図るための手当の増額、育児等のための休業をしている勤労者の職業能力の開発及び向上の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 国は、勤労者が就業しつつ子の養育又は家族の介護を行うことを容易にするため、子の養育又は家族の介護を行う勤労者について、勤務時間の短縮の促進、当該勤労者に係る始業及び終業の時刻を当該勤労者の決定にゆだねることとする制度の導入の促進、事業主による託児施設の設置の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

3 国は、妊娠、出産若しくは育児又は介護を理由として退職した者(以下「育児等退職者」という。)の再雇用を促進するため、当該退職に係る事業の事業主による育児等退職者の積極的な再雇用の促進、育児等退職者の職業能力の開発及び向上の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (次世代育成支援)
第十六条 国及び地方公共団体は、子どもを生み育てる者の多様な需要に対応した保育サービス等の充実、母子保健医療体制の充実、地域社会における次世代育成支援体制の整備等次世代育成を積極的に支援するために必要な措置を講ずるものとする。

 (児童手当の拡充)
第十七条 国は、子どもを育てる者の経済的負担の軽減を図り、安心して子どもを生み育てることができるようにするために、児童手当の支給対象児童の範囲を拡大するとともに、その支給額を子どもの教育費等の相当部分を賄うことができる額に引き上げるものとする。

 (父母等同居手当制度の創設)
第十八条 国は、父母等と同居し、その生活を助ける者の経済的負担の軽減を図り、家族が安心して生活することができるようにするために、父母等と同居する者に対して父母等同居手当として父母等と同居することによる経済的負担の相当部分を賄うことができる額の手当を支給する制度を創設するものとする。この場合において、父母等同居手当は、父母等又は父母等と同居する者の所得が一定額以上であるときは、その全部又は一部を支給しないものとする。

 附 則

この法律は、公布の日から施行する。

 理 由

我が国における急速な少子化及び高齢化の進展が経済社会の変化と相まって、国民生活に広範な影響を及ぼしている状況にかんがみ、すべての国民が豊かな家庭生活を営みつつ生涯にわたって生きがいを持って働き、安心して生活することができるようにするため、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本的な国民生活の保障及び向上に関する施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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