「論」も愉しとは、故筑紫哲也氏の言葉である。 近ごろ「論」が浅くなっていると思いませんか。 その良し悪し、是非、正しいか違っているかを問う前に。 そうやってひとつの「論」の専制が起きる時、 失なわれるのは自由の気風。 そうならないために、もっと「論」を愉しみませんか。 ・・・・「論」を愉しむためには、いろいろな事を知っていた方が良いと自分は考える。沢山引き出しを持っていた方が、人生を愉しめるような気がする。
2014年8月11日月曜日
原発利権
関電、歴代首相7人に年2千万円献金 元副社長が証言
藤森かもめ、村山治
2014年7月28日03時41分
関西電力で政界工作を長年担った内藤千百里(ちもり)・元副社長(91)が朝日新聞の取材に応じ、少なくとも1972年から18年間、在任中の歴代首相7人に「盆暮れに1千万円ずつ献金してきた」と証言した。政界全体に配った資金は年間数億円に上ったという。原発政策の推進や電力会社の発展が目的で、「原資はすべて電気料金だった」と語った。多額の電力マネーを政権中枢に流し込んできた歴史を当事者が実名で明らかにした。
• 金を渡すと角さんは「頂いたよ」
• 関電からの2千万円 元首相側「初耳」「わからない」
内藤氏が献金したと証言した7人は、田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘、竹下登の各元首相(中曽根氏以外は故人)。
内藤氏は47年に京大経済学部を卒業し、関電前身の関西配電に入社。62年に芦原(あしはら)義重社長(故人)の秘書になり、政財界とのパイプ役を約30年間務めた。関電の原発依存度は震災前は5割を超え業界でも高く、原発導入を円滑に進めるには政界工作が重要だったという。
内藤氏は2013年12月から今年7月にかけて69時間取材に応じ、11年3月の東京電力福島第一原発の事故について「政府の対応はけしからん」「長年築いてきた政・官・電力の関係に問題があった」と指摘した上、多額の政治献金を電気料金で賄ってきた関電の歴史を詳細に語った。
さらに「関電には芦原さんが直接、総理大臣や党の実力者に配る資金があった。トップシークレットだった」と証言。
首相や自民党有力者らに毎年2回、盆暮れのあいさつと称して各200万~1千万円の現金を運ぶ慣行があったと明かし、授受の様子や政治家の反応を細かく語った。
当時は政治家個人への企業献金は法律で禁止されていないが、電力各社は74年、「政治献金分まで電気料金を支払いたくない」という世論を受けて企業献金の廃止を宣言。内藤氏は当時の業界は「そんなことを出来るわけがない。政治家を敵に回したら何も動かない」という雰囲気だったとし、その後も政治献金を水面下で続けたと証言した。
献金の理由は「一に電力の安泰。二に国家の繁栄」とし、「天下国家のために渡すカネで、具体的な目的があったわけではない。許認可権を握られている電力会社にとって権力に対する一つの立ち居振る舞いだった。漢方薬のように時間をかけて効果が出ることを期待していた」と強調した。
関電広報室は「承知していない」と取材に答えた。(藤森かもめ、村山治)
■元首相側は否定
内藤氏が献金したと証言した7人の元首相側は取材に対し、「そのような事実はないと思う」「わからない」などと答えた。
政治資金規正法は金権スキャンダルのたびに改正を重ねた。ロッキード事件後の1980年に政治家個人が受けた献金の収支報告が義務化され、リクルート事件や東京佐川急便事件を受けて99年に政治家個人への企業・団体献金が禁止された。99年までは政治資金収支報告書に記載していれば問題ないが、記載の有無は取材で確認できなかった。
◇
■痛烈な自己批判、過去に例ない
《歴史の関係者から話を聞き取る「オーラルヒストリー」第一人者の御厨貴東大客員教授の話》
電力を独占供給する巨大公益企業の政界工作を中枢の元役員が明かした衝撃の告白だ。これほど痛烈な自己批判は過去にない。歴史をこの国に記録として残そうとする勇気ある行為だ。
関電は電気料金を使って政治家を値踏みし、政界のタニマチ的存在になっていた。巨額献金が独占支配を強め、自由化を嫌がる自己改革のできない組織にさせたに違いない。内藤氏は電力業界に誤りはないと信じてきたが、原発事故で過信だったと気づいた。関電にとって目指すべきモデルで超えるべき対象だった東電の事故は、裏方仕事が国家のために役立つと信じてきた彼の価値観を画期的に変えたのだろう。
電力を各地域の独占企業が担い続けていいのか。この告白は業界への戒めであり、世論への問いかけだ。
(原発利権を追う)金を渡すと角さんは「頂いたよ」
2014年7月28日03時50分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:1
《関西電力社長・会長を歴任した芦原義重の政治担当秘書を務めた内藤千百里は、田中角栄秘書だった佐藤昭子と長い友人だ。田中の首相在任中の1972~74年に政治献金を持参した場面から、内藤の告白は始まる》
• 関電、歴代首相7人に年2千万円献金 元副社長が証言
• 特集「原発利権を追う」
芦原さんが角さんの事務所で1千万円を渡すと、角さんは「おーい。頂いたよ」と昭さんに伝える。
昭さんは「そうですかー」と受け取りに来る。
1千万円は紙袋や風呂敷で持っていく。大した重さではなかったね。私が昭さんに電話で「行きますよー」と言えば、「いらっしゃーい」と面会を入れてくれた。
芦原さんが直接、総理や党の実力者に渡す資金がありますねん。会社のトップクラスのみ知っている。総理には盆暮れに各1千万円ずつ計2千万円。総理を辞めた後にも同額を渡した人はいた。辞めたからといって800万円に下げるわけにはいかんでしょ。
《盆暮れに政治家に現金を届けるのが芦原と内藤の「務め」だった。電力各社は74年に政治家への献金をやめると宣言したが、関電はひそかに続けたという》
官房長官、自民党幹事長、政調会長ら実力者と野党幹部には1回200万~700万円。年間総額は数億円になると思う。私が政治家の実績を伝えると、芦原さんが金額をパパッと決めた。芦原さんと一緒に運んだのは年間14、15人はおるでしょうな。他の役員が運んだ分もあった。
芦原さんと新幹線で大阪から行き、東京駅に専用車が迎えに来た。私が秘書に面会の約束をとり、政治家の事務所や自宅へ向かう。総理の場合、人目につかない早朝に自宅を訪ねることが多かった。前の晩に芦原さんと東京へ入り、皇居近くの定宿に泊まる。現金は私が枕元に置いて寝た。
《内藤はいま91歳。政界とのかかわりは62年に社長秘書になってからだ。以来25年間、電力業界を代表する政治担当と呼ばれた。福島原発事故とその後の混迷を見て、自らの歩みを実名で語る決心をした。69時間にわたる独白は、戦後電力史の裏側を浮き彫りにするものだ》
(敬称略)
■原発事故機に心境変化、後世へ証言
関電元副社長の内藤千百里氏は、政治献金について「関電のみならず関西財界を東京と同じ地位までレベルアップする」ことを目的とし、芦原義重元会長はその結果、「総理大臣と一対一でいつでも話し合える関係になった」と証言した。
これまで政界工作を明かすことはなかった。政界、官界、電力業界のつきあいは「天下国家のため」と思い、原発に疑いを抱いたこともなかった。今でも芦原氏と自分が果たした役割への自負はあるという。
芦原・内藤両氏は1987年に経営を私物化していると批判され、取締役を解任された。内藤氏は東京電力福島第一原発の事故を機に心境が変化したという。「なぜ今も汚染水をコントロールできないのか。地質調査をしたはずなのになぜ地下水の影響が大きい場所に原発を建てたのか」
「政府の監督の甘さがあった。長年築いてきた三者の関係に問題があった」とも感じ、自らの足跡をたどって戦後の政官電の関係を再考したいと思った。13年に90歳になったことも「実名告白」の背中を押したという。「死を意識するほど自分の歩んで来た道を思い出した。今まで口を割らなかったことを話す気持ちになった時に記者が来た。後世に役立つと思った」
(原発利権を追う)三木さんは「足りない」と言った
2014年7月28日19時06分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:2
盆暮れに現金を渡した総理大臣は、角さん、三木、福田、大平、鈴木、中曽根、竹さんまで。選挙のあるなしは関係なく、1回1千万円で年2回。
• 関電、歴代首相7人に年2千万円献金 元副社長が証言
• 特集「原発利権を追う」
《関西電力元副社長の内藤千百里(ちもり)は、元会長の芦原(あしはら)義重が現職首相に現金を渡す場面に立ち会ってきた。明確に記憶しているのは田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘、竹下登。1974年に電力業界が政治献金の廃止を宣言した後も続いたという》
関電の中でやめようという話は出なかったね。
具体的な目的で渡す汚いカネではないという意識だった。天下国家のためのカネ。一に電力の安泰、二に国家の繁栄。
三木さんは事務所で私のひざを触りながら「足りない」と言ってきたことがあった。芦原さんが現金を渡すとニコニコして「お元気で何より」。福田さんは東京の自宅が多かった。何十羽のごっつい大きな鳥が飛んでくる家だ。天下国家の話をして帰り際にあうんの呼吸で置いて帰る。福田さんは玄関まで見送り「ありがとうー」と言っていた。
大平さんも自宅。現金をもらうと「いやあ、お疲れさん」。鈴木さんは照明の暗い家だった。中曽根さんは事務所。「ありがとうございます」とさっと受け取った。竹さんも事務所やね。ベテラン秘書が一手に仕切っていた。
私が現金の入った紙包みを関電の経理から受け取った。総理の家や事務所に着いて、車を降りる時に芦原さんに「はい、これ」と手渡す。総理との現金のやりとりはトップ同士。代わりがするわけにはいかん。芦原さんも「自分でやる」とプライドをもってやっていた。私はその間、秘書と前室で雑談しながら待っていた。(敬称略)
(原発利権を追う 「関電の裏面史」独白:3)献金、秘書に「領収書を書いて」
2014年7月30日05時00分
《関西電力元会長の芦原義重とともに政治献金を配った内藤千百里の重要な任務は、政治家秘書から領収書をもらうことだった》
角さん(田中角栄)の秘書の昭さん(佐藤昭子)に「領収書を書いてくれよ」と言うと、「そう?」と書いてくれた。中曽根さん(中曽根康弘)にもしっかりした秘書がいて、彼の部下が領収書をくれた。
どの政治家からも必ず領収書は頂いた。後で会社に送ってもらった。会社から着服を疑われないためにね。向こうの都合で領収書は3~5枚(の政治団体名)に分けて届くことが多い。私の秘書数人が経理と処理した。社内で保管して税務署には見せなかった。
《関電は当時、税務申告ではお金の支払先を明らかにせず、使途不明金として処理した疑いがある》
芦原さんと部屋にいた時、木川田(一隆元東京電力会長)さんから「政治献金をやめざるを得ない。協力してくれ」と電話があった。芦原さんが「内藤君、東電が献金を廃止すると取締役会で決めた。どうするかな」と言うので、「表向きは賛成した方がよいけど、取締役会で決めると約束を破った時に法的問題になりうる。常務会決定にしましょう」とアドバイスした。
《1974年に「政治献金分まで払いたくない」として電気料金不払い運動が起き、東電は政治献金廃止を決定。関電を含む8電力が追随したが、内藤に献金をやめる考えはなかった》
関電は木川田さんの考えに反対だった。政治家を敵にしたら何も動きはしません。その後も盆暮れの献金はひそかに続けました。
《中部電力元幹部も1980年代から90年代にかけ自民党有力議員に100万~300万円を渡したと朝日新聞に証言した。電力業界の政治献金廃止宣言は骨抜きだった》(敬称略)
◇
関電広報室は領収書を保管し、税務署に見せなかったとの証言について「承知していない」としている。
(原発利権を追う 「関電の裏面史」独白:4)「献金も宴席代も電気料金から」
2014年7月31日05時00分
政治家に盆暮れのあいさつで渡す献金は電気料金から出てますねん。官僚、政治家、学者との宴席代ももちろん電気料金。本社や支店長の専用車、専用の運転手も、役員のゴルフ会員権の費用も、すべて電気料金。ね、玉手箱。
《関西電力元副社長の内藤千百里は、有力者と関係を築くため使ったお金はすべて電気料金が原資だったと語る。電気料金は電気をつくり届ける費用と電力会社のもうけから算定した金額だ。内藤は当時は費用のチェックが甘いうえ、もうけ計算に使う「事業報酬率」も高く、政治資金や交際費を潤沢に捻出できたと証言した。事業報酬率を関西なまりで「フェアーレターン(Fair rate of return)」と呼んだ》
何でも経費に入れる。フェアーレターンも現在は2~3%に下がったけど当時は7~8%。アメリカの計算をまねしただけや。「こんないい加減なものでよろしいのかな」と思ったけど「アメリカがやっているならそれで行きましょ」と決まった。だから電気料金から献金や宴席代が出る。それじゃなければ、どこからカネが湧いて来ますねん。
《内藤は若い頃、月1回電力各社でつくる電力中央研究所に通い、電気料金の英文資料を翻訳して各社に配る仕事をしていた》
フェアーレターンは「高すぎる」「科学性に欠ける」と議論されてきた。学者も百も承知。ほかに方法がなかったというけど、本当は公益企業としてやったらあかん。フェアー(公正)じゃなかったわけよ。
《内藤は日本の事情に応じた価格を検討すべきだったと言う。事業報酬率は導入時の1960年は8%。改定を重ねて現在は2・9%に下がった》(敬称略)
◇
関電広報室は「交際費は必要な範囲で適正に支出し、ゴルフ会員権は業務に必要な範囲で所有している。少なくとも80年代以降は料金原価に含めていない。それ以前は資料がなくわからない。社用車は業務遂行、情報セキュリティー、安全性確保の観点から利用し、料金原価に含めている」としている。
(原発利権を追う)芦原さんは欲深くまじめな人
2014年8月1日04時16分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:5
《関西電力で政界工作を担った元副社長の内藤千百里は、大阪出身で6人兄弟の末っ子だ。高校で召集されて陸軍に配属された》
• 連載「原発利権を追う」
昭和18(1943)年に学徒兵に召集された。幹部候補生だったけど、中国大陸へ行く前に門限に遅れ格下げされた。終戦の数カ月前に姫路に移された。広島に原爆が落ちた日は、はっきり覚えている。終戦の詔勅を姫路で聞いて「やっと帰れる」と思ったら、連隊がすでに移っていた九州に行くことを命じられた。1カ月ほどで除隊になり、仲間とポンポン船を借りて大阪を目指した。嵐で船が木の葉のようになってしもうて死ぬかと思った。気づいたら船は四国の浜辺に着いていた。ドラマでしょ。
《47年9月に京大経済学部を卒業し、関電の前身の関西配電に入社した》
兄貴が関西配電に入っていたので、軽い気持ちで試験を受けたら採用された。「通訳の勉強をしたい」と神戸支店を希望した。
《東京支社などを経て62年に関電社長だった芦原義重の秘書に就く》
「社長、この男が内藤です。いくらしかりつけても大丈夫です」。これが私の秘書の始まり。身体が丈夫で、ものおじしないから選ばれたと聞いた。芦原さんは一言で言えば非常に欲の深い人。それは生命力の深さでもあった。真面目で頭が良く考えは柔軟だった。
秘書になった時、政治担当という役割はありませんでした。私は東京支社に勤務したことがあるので顔が利いた。秘書をしつつ立地環境本部長や副社長を兼務した。芦原さんは、私をずっと離さなかった。私的な問題もずいぶん助けました。芦原さんは恥ずかしがって自分から頼み事を出来ないので、私が感じ取って対応した。常識を超えた関係は男女の仲に近いかもしれません。
《芦原は内藤と築いた人脈で力を増した。内藤も「関西財界の官房長」と呼ばれた》(敬称略)
(原発利権を追う)政治献金、じわじわ効く漢方薬
2014年8月2日03時00分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:6
《死者171人。世紀の難工事となった富山県の黒部川第四発電所(1963年完成)の発電量は原発1基の半分に満たない。関西電力元会長の芦原義重が抱く原発推進への強い思いを側近の内藤千百里は感じていた。そのために必要なのが政治献金だったという》
• 連載「原発利権を追う」
芦原は電力需要がどんどん増える中、安定した電源として原子力を増やそうと考えた。電力業者はふんだんに電源を持ちたいが、水力は黒四ダムで限界が見えた。火力も石油危機で不安定さがわかった。
世の中は業者、官僚、政治家の三角関係で成り立っている。電力会社は許認可を握る官僚に弱い。官僚は大臣を務める政治家に弱い。政治家は献金と票を集める電力会社に弱い。だから、電力会社は日頃から政治家と仲良くしておく。
政治献金はフレンドリーな関係をじわじわとつくる漢方薬。権力への一つの立ち居振る舞いや。即効性のある頓服薬では(贈収賄で警察や検察に)やられる危険が大きい。政治家がもらったと意識しない程度に時間をかけて渡す漢方薬が大事。これは民間が長い間に学び取った知識なの。
《その効果は、複数案でもめた北陸新幹線のルート決定で出た。福井県は関電美浜原発のある若狭湾沿岸の開発につながる西側ルートを望んでいた》
琵琶湖の西側を通して欲しいと角さん(田中角栄)に頼んだことがありました。当時の福井県知事が周りから責められていて「新幹線を通して欲しい」と頼んできたので、角さんの目白の自宅に芦原と頼みに行きました。私が家の前で待っていると、芦原が出てきて「意見を聞いてもらえた」と。当時の芦原は東京でも通用しました。
《田中は73年、西側ルートを決断する。時は流れて一昨年、金沢市から福井県敦賀市までの延伸がようやく認可された》(敬称略)
(原発利権を追う)若手に100万円「はい、どうぞ」
2014年8月5日03時05分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:7
佐藤内閣の時、歴代総理と関西財界人が定期的に飯を食う「吉兆会」が始まりました。
• 特集「原発利権を追う」
《高級料亭「吉兆」は1930年に大阪市で開業、61年に東京・銀座に出店した。関西電力はここで政治家や官僚と親交を結んだ》
吉兆会に来たのは角さん(田中角栄)、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘、竹下登。芦原は東京に昵懇(じっこん)の料理屋がなく、関西出身の吉兆を可愛がった。財界人が一堂に会するから、大事な話はあらへん。総理と顔をつないで、企業が個別に付き合った。
《「関西財界を東京と同じ地位までレベルアップする」ことを悲願とする関電元会長の芦原義重と元副社長の内藤千百里にとって歴代総理との料亭会合は献金と並んで重要だった。さらに有望株の若手議員に対しても布石を打っていく》
80年代初め、将来性のある若手議員を芦原につなぐ会合もつくりました。知り合いだった自民党の林義郎(元蔵相)に「あんたがいいと思う若手10人を紹介してくれ」と頼み、月1回、東京のホテルで朝食会を開きました。毎月の当番議員を決めて、その議員の話を1時間半聞いた。
彼らにはお盆と暮れの会合で1人100万円ずつ配った。封筒に入れて帰りしなに「はい、どうぞ持って行って」と渡す。アットホームなものですわ。領収書は後で秘書から受け取った。電気料金のおかげ。朝食会は3年ほど続いた。「電力」が名目と言った途端に汚職になるから「天下国家を担う人間との会合」という位置づけ。政情が荒れた時、彼らは非常に芦原の役に立ちました。新進気鋭の彼らの話で政治状況がわかった。(敬称略)
◇
林義郎氏側の事務所は「質問には答えられない」としている。
(原発利権を追う)建設促進「瀬島さんが相談に来た」
2014年8月6日03時33分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:8
《関西電力元会長の芦原義重と元副社長の内藤千百里は、元大本営陸軍参謀で戦後は政財界のブレーンとなった瀬島龍三を招く勉強会も催した。場所は銀座の高級料亭「吉兆」だ》
• 特集「原発利権を追う」
戦は負けたのに大した男がおるぜと聞き、私から瀬島さんに申し入れた。瀬島さんは、芦原さんのお役に立つなら喜んでと。末広がりの八を入れ「八兆会」と呼びました。2カ月に一度で3年ほど続いたと思う。一部高級将校だけ閲覧できた旧日本軍資料「統帥綱領」を講義してもらった。経営学に当てはまる内容で瀬島さんがガリ版刷りのレジュメを作ってきました。
《内藤の手元に残る1978年11月28日の八兆会の案内状には、出席者欄に東京電力社長の平岩外四、通商産業事務次官の濃野滋、翌年大蔵事務次官となった長岡実ら9人の名があった。瀬島は当時、伊藤忠商事会長だった》
メンバーは私が仲間と選んだ。我々は電力会社だから、今の通産次官は誰や、それを入れておくかと。長岡は大蔵省のボス。本当にベストメンバーをそろえたんですよ。政治家も入れた方がいいんですが、いい若手がおらんかった。平岩は忙しくて来なかった。
瀬島さんは(2007年に)亡くなる数年前、「原発の建設促進はどうしたらよろしいか」と相談に来た。私は「それほど安全というなら、大阪湾と東京湾に一つずつ建てれば誘致合戦になる」と。瀬島さんは心を打たれたようで「いいことを聞きました。早速、通産大臣に言います」と帰った。めったに自分の意見も本心も言わない人が賛成した。(敬称略)
◇
長岡氏は取材に「会には参加した。会費は払っていない。電力会社のことが話題になったことはない」と話した。濃野氏の家族は「本人は高齢のため答えられない」とした。
(原発利権を追う)官僚接待「建前は割り勘」だけど
2014年8月7日03時00分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:9
《関西電力元会長の芦原義重と元副社長の内藤千百里は1987年、「経営私物化」と批判され、取締役を解任された。その後の90年代も東京・銀座の高級料亭「吉兆」での宴席は続いた。小沢一郎や田中角栄の秘書だった佐藤昭子が参加したという》
• 連載「原発利権を追う」
小沢や昭さんと2カ月に1回は飯を食った。「あの首相は絵に描いた餅ばかりを言って許し難い」とか、天下国家をさかなにして仲良く話した。
芦原は解任された後も良好な関係を維持したかった。自分を解任した関電の後任者に政治家や官僚とのパイプは譲らなかった。芦原は高齢だったので、途中からは私が内容を報告した。支払いは電気料金や。
《90年代の吉兆での宴席には、霞が関の官僚やOBも参加した》
通産省や建設省の事務次官とも飯を食ってたの。人物本位で一流を選んだ。関電のかの字も言うたことがないが、高いレベルの情報がほしいだけでね。
大蔵省はなかなか警戒が強いが、外すわけにはいかない。他の場所でも局長や課長クラスと飲み食いして天下国家を語りました。大蔵省は通産省に比べてタテ社会なので、事務次官は辞めた後も権力があった。
《官僚側の出席者が接待批判を受けないように、内藤は配慮を欠かさなかったという》
あとから問題が起こった時のために、建前は「割り勘方式」にしてある。あとでまとめて請求しますと。そうしないと危ない。相手に傷がつく。実際は違うし、後で請求しない。向こうもわかっているわけ。こちらがそういう気遣いをしないと、一流の官僚は来ない。(敬称略)
◇
小沢一郎氏の事務所は取材に対して「回答できない」としている。
(原発利権を追う)核のごみ処分「離島を買おう」
2014年8月8日03時08分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:10
《鹿児島県の馬毛島(まげしま)は種子島の西12キロにある小さな島だ。旧平和相互銀行の伊坂重昭監査役(当時)が関西電力の内藤千百里にこの島の売却を持ちかけたのは1980年代初めだった》
• 連載「原発利権を追う」
伊坂が「内藤さん、あの島をいりませんか」と聞いてきました。平和相銀はまとまったカネが必要だから、「島を240億~250億円で買わないか」と言いました。
《馬毛島のほぼ全島を買収した平相銀の関連会社は当時、レジャー基地建設を目指したが頓挫し、売却を急いでいた。伊坂は86年に摘発された平相銀の巨額不正融資事件で中心人物として逮捕、有罪となった人だ》
住民がいない離島なので私は高レベル廃棄物の処分地に適地だと考えた。本土では地下水が流れていると問題だが、離島ではそれもない。レジャーランドにするぐらいの平坦(へいたん)な土地で広さも十分だった。
《原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場は、現在も作られていない。原発が「トイレなきマンション」と批判されるゆえんだ。その候補地探しは電力業界の重要課題だ》
芦原(義重・関電元会長)に「買い取りませんか」と話をした。技術屋の芦原も「それはいい考えだ」と同意してくれた。すぐに東京電力の平岩(外四元会長)さんに連絡し、芦原・平岩会談が開かれた。平岩さんは「電事連(電気事業連合会)で買います」と明言したんです。
《平岩は当時、業界団体の電事連会長でもあった。電力業界の東西トップの会談がまとまり、馬毛島を最終処分場の用地として買収する計画はそのまま進むかに見えた》
ところが、風向きが変わったんです。(敬称略)
(原発利権を追う)「馬毛島買っていたら、楽できた」
2014年8月9日03時03分
■関電の裏面史、内藤千百里・元副社長の独白:11
連載「原発利権を追う」
• 《青森県は核燃施設を受け入れたが、最終処分場は拒否し、国から最終処分地にしない確約を得た。電力業界も青森県での最終処分を表明していない。だが電事連は馬毛島の選択肢を捨てた時点で青森での最終処分場建設をめざしていると芦原と内藤千百里は受け止めた》
• あの時馬毛島を買っていたら、電力業界がどれだけ楽をできたか。売り込んできた伊坂(重昭・旧平和相互銀行元監査役)と私をつないだのは、元右翼の豊田一夫さん。暴力団などの裏社会に顔が利くので、表に出せないトラブルを解決してもらったこともある。電力は立地や送電線下の補償費でしょっちゅうトラブルを抱えていますから。
• 《内藤は一時期、関電のトラブル処理を担った。水面下で処理する人物とのつながりは不可欠だったという》(敬称略)
• ◇
• 関電広報室と電事連はこの経緯を「承知していない」としている。
2013年8月17日土曜日
小沢一郎インタビュー(抜粋)
小沢一郎インタビュー(マスコミで「巨悪」のイメージを作られてしまった小沢だが、田中角栄直系の良質な保守である。
宮崎 あれはどういう判断だったんですか。
小沢 たぶん負けることは分かってたんだと思いますよ。だけど岡田君や枝野君や前原君達は、みんなやれでしょ。彼らはもともと自民党とやりたかったんじゃないですか。
宮崎 自民党と連立を?
小沢 そう。だから、若い連中はもうみんな死ね、残った連中でやると。それで、自民党はたぶん過半数取れないだろうから自民党と連立を組む。というのが、彼らの考えだったという人がいるが、確かにそうかもしれない。そうでなきゃ解散なんてあり得ないもの。
宮崎 ということは、今回のちょっと意味不明みたいな解散は、野田さんの決断の背景にあったのは、反小沢グループの生き残り策ということなんですね。
小沢 どっちみち解散が年明けになったって負けるだろう、でも自民党もたぶん過半数は獲れないだろう、という中でやったということでしょうかね。
宮崎 (20数%で70%近い議席をとる小選挙区制の問題点を指摘)。
小沢 だけど次の選挙でまた変わりますよ。そういうふうにつくったんだから。
宮崎 小選挙区制をですか?
小沢 そういう選挙制度にしたんですよ。1党で権力を持ち続けるのはいけない。
政権与党がいい加減な政治をすればいつでも野党にとって代わられる。そういう緊張感の中で、政党がお互いに競い合って良い政治を実現する。それが民主主義だということです。だから、ちょっとの得票でもって政権交代できるようにと。その中でだんだん大人になっていけばいいと。
小沢事件の検察捜査については次のように述べている。
「完全に政権交代を防ぐためでしょうね。
阻止するためです。
それ以外に民主主義社会で選挙の5、6ヵ月前に野党の第一党の党首を何の証拠もなしにやるなんて言うことはありえないことです。
民主主義が成熟していないほとんど独裁国家のやることだ」
「青年将校の暴走というのは実は彼らのカムフラージュで、結局、法務・検察全体の意思だと思う。
そうでなきゃできっこない」
「彼らは私を有罪にしたかったんだろうけど、無罪になってしまった。
しかし、結局彼らは成功したんですよ。
だって、3年半も私の行動を束縛できたんですから。
その間に民主党はダメになっちゃったんだから。
恐るべきことですよ。国家権力というのは」
「日本においては、政治家はまったく権力を持っていないですね。
権力を持っているのは、みんな官僚です。
それはシステムがそうだということと同時に、やっぱり資質の問題があります。政治家の資質であり、それはイコール国民の資質です。残念ながらこのレベルが低い。
私に言わせると、自立していない国民が選んだ自立していない政治家だから、役人の権力集団に勝てない」
「イギリスでは、テロが頻発した結果、警察がものすごく強くなっていったわけですが、そうした中で、ある国会議員が十分な根拠もないまま逮捕されました。
その際、英国議会では与野党がすぐ警察に抗議して、結局警察はこの議員を釈放せざるを得なくなったということがありました。
そういう意味で、政治家が見識を持ち、民主主義を理解し、それを国民が支持することが大切なのです。
しかし日本の国民はまだそこまできていません。
自立していないですね、日本人というのは」
「いま永田町では「小沢一郎は終わった」「小沢一郎の時代ではない」という声があるがどう思うか」と聞かれて次のように応えている。
「日本にはまだ民主主義が根付いていない。
日本にはまだ形だけの民主主義しかない。
民主主義の基本的な機能は「政権交代」です」
「国民にも、「政権交代はもうない」と思っている節があります。
でも、いまの状態は、あの2003年に自由党と民主党が合併する前の状態に戻ったようなものです(合併当時の衆院勢力は民主114、自由22)。
必ずしも政界再編に議員の数は必要ない。
要は政策の意思決定が明確で、国民に対して正しいメッセージを訴えることができればよいのです」
「私は、安倍政権はそう長く続かないと見ています。
今のうちに自民党に代わる受け皿をつくっておかないと、日本の政治は究極の大混乱に陥ってしまう」
「次の衆議院選挙の結果、再びいまのようなかたちで自民党政権が続き、野党がバラバラの状態だったら、日本には議会制民主主義が永久に定着しない恐れがある。
自民党のごたごたが行き着くところまで行き、日本は大混乱に陥ります」
「政権与党が少しでも油断すれば政権交代が起こりやすい制度にしたわけです。
かつての自民党も民主党も、国民の期待を裏切る政治をしたので、政権交代が起きた。
第2次安倍政権の政策が国民のための政治ではないと気づかれたら、また自民党政権を失うでしょう。
だから、我々を含め、野党の政治家がしっかりしていれば、3度目の政権交代は決して不可能なことではありません」
「新しい受け皿ができたと国民が感じるのは、数の多少ではありません。
そこに国民が納得できる政策、政治思想が備わっているかどうかが重要です。
かつての自由党も民主党に合流した時は30人にも満たない国会議員しかいなかった。
当時、我々が政権を取るとは誰も思っていなかった。だから、いまの状況は、あの時期にもどったと考えればいい」
「参院選後の早い段階で、安倍政権は持たなくなると思う。
安倍政権の政策では、いつまでたっても国民の生活が良くなりませんからね。
アベノミクスの行き詰まりがはっきりすれば、期待していた国民の数が多いだけに、左記の民主党と同様、自民党に対する国民の失望は大きなものになる。
「自民党には任せられないから、野党はまとまるべきだ」という国民からの声が必ず湧き上がってくる」
70歳の小沢はいまだ政権交代に執念を燃やしているのだ。
小沢の「志」は受け継がれていくだろう。
宮崎 あれはどういう判断だったんですか。
小沢 たぶん負けることは分かってたんだと思いますよ。だけど岡田君や枝野君や前原君達は、みんなやれでしょ。彼らはもともと自民党とやりたかったんじゃないですか。
宮崎 自民党と連立を?
小沢 そう。だから、若い連中はもうみんな死ね、残った連中でやると。それで、自民党はたぶん過半数取れないだろうから自民党と連立を組む。というのが、彼らの考えだったという人がいるが、確かにそうかもしれない。そうでなきゃ解散なんてあり得ないもの。
宮崎 ということは、今回のちょっと意味不明みたいな解散は、野田さんの決断の背景にあったのは、反小沢グループの生き残り策ということなんですね。
小沢 どっちみち解散が年明けになったって負けるだろう、でも自民党もたぶん過半数は獲れないだろう、という中でやったということでしょうかね。
宮崎 (20数%で70%近い議席をとる小選挙区制の問題点を指摘)。
小沢 だけど次の選挙でまた変わりますよ。そういうふうにつくったんだから。
宮崎 小選挙区制をですか?
小沢 そういう選挙制度にしたんですよ。1党で権力を持ち続けるのはいけない。
政権与党がいい加減な政治をすればいつでも野党にとって代わられる。そういう緊張感の中で、政党がお互いに競い合って良い政治を実現する。それが民主主義だということです。だから、ちょっとの得票でもって政権交代できるようにと。その中でだんだん大人になっていけばいいと。
小沢事件の検察捜査については次のように述べている。
「完全に政権交代を防ぐためでしょうね。
阻止するためです。
それ以外に民主主義社会で選挙の5、6ヵ月前に野党の第一党の党首を何の証拠もなしにやるなんて言うことはありえないことです。
民主主義が成熟していないほとんど独裁国家のやることだ」
「青年将校の暴走というのは実は彼らのカムフラージュで、結局、法務・検察全体の意思だと思う。
そうでなきゃできっこない」
「彼らは私を有罪にしたかったんだろうけど、無罪になってしまった。
しかし、結局彼らは成功したんですよ。
だって、3年半も私の行動を束縛できたんですから。
その間に民主党はダメになっちゃったんだから。
恐るべきことですよ。国家権力というのは」
「日本においては、政治家はまったく権力を持っていないですね。
権力を持っているのは、みんな官僚です。
それはシステムがそうだということと同時に、やっぱり資質の問題があります。政治家の資質であり、それはイコール国民の資質です。残念ながらこのレベルが低い。
私に言わせると、自立していない国民が選んだ自立していない政治家だから、役人の権力集団に勝てない」
「イギリスでは、テロが頻発した結果、警察がものすごく強くなっていったわけですが、そうした中で、ある国会議員が十分な根拠もないまま逮捕されました。
その際、英国議会では与野党がすぐ警察に抗議して、結局警察はこの議員を釈放せざるを得なくなったということがありました。
そういう意味で、政治家が見識を持ち、民主主義を理解し、それを国民が支持することが大切なのです。
しかし日本の国民はまだそこまできていません。
自立していないですね、日本人というのは」
「いま永田町では「小沢一郎は終わった」「小沢一郎の時代ではない」という声があるがどう思うか」と聞かれて次のように応えている。
「日本にはまだ民主主義が根付いていない。
日本にはまだ形だけの民主主義しかない。
民主主義の基本的な機能は「政権交代」です」
「国民にも、「政権交代はもうない」と思っている節があります。
でも、いまの状態は、あの2003年に自由党と民主党が合併する前の状態に戻ったようなものです(合併当時の衆院勢力は民主114、自由22)。
必ずしも政界再編に議員の数は必要ない。
要は政策の意思決定が明確で、国民に対して正しいメッセージを訴えることができればよいのです」
「私は、安倍政権はそう長く続かないと見ています。
今のうちに自民党に代わる受け皿をつくっておかないと、日本の政治は究極の大混乱に陥ってしまう」
「次の衆議院選挙の結果、再びいまのようなかたちで自民党政権が続き、野党がバラバラの状態だったら、日本には議会制民主主義が永久に定着しない恐れがある。
自民党のごたごたが行き着くところまで行き、日本は大混乱に陥ります」
「政権与党が少しでも油断すれば政権交代が起こりやすい制度にしたわけです。
かつての自民党も民主党も、国民の期待を裏切る政治をしたので、政権交代が起きた。
第2次安倍政権の政策が国民のための政治ではないと気づかれたら、また自民党政権を失うでしょう。
だから、我々を含め、野党の政治家がしっかりしていれば、3度目の政権交代は決して不可能なことではありません」
「新しい受け皿ができたと国民が感じるのは、数の多少ではありません。
そこに国民が納得できる政策、政治思想が備わっているかどうかが重要です。
かつての自由党も民主党に合流した時は30人にも満たない国会議員しかいなかった。
当時、我々が政権を取るとは誰も思っていなかった。だから、いまの状況は、あの時期にもどったと考えればいい」
「参院選後の早い段階で、安倍政権は持たなくなると思う。
安倍政権の政策では、いつまでたっても国民の生活が良くなりませんからね。
アベノミクスの行き詰まりがはっきりすれば、期待していた国民の数が多いだけに、左記の民主党と同様、自民党に対する国民の失望は大きなものになる。
「自民党には任せられないから、野党はまとまるべきだ」という国民からの声が必ず湧き上がってくる」
70歳の小沢はいまだ政権交代に執念を燃やしているのだ。
小沢の「志」は受け継がれていくだろう。
2013年3月1日金曜日
遺伝子組換え食品
松永和紀氏の記事を残しておこうと思う。
遺伝子組換え食品
海外での
“大事件”が報じられない日本
“大事件”が報じられない日本
「遺伝子組換えトウモロコシに発がん性」?~消費者の『知る権利』だけでは語れない表示制度問題
2013年01月21日(Mon)2013年02月01日 松永和紀 (科学ジャーナリスト)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2498?page=1
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2505?page=4
遺伝子組換え食品について2012年、海外で大きな “事件”がいくつもありました。フランス人研究者によって書かれた「遺伝子組換えトウモロコシに発がん性がある」とする論文をめぐる大騒動、米国カリフォルニア州で行われた表示をめぐる州民投票、米国で遺伝子組換えサケの食品としての認可へ近づいたこと……。
どれも、欧米のマスメディアは大々的に報道しています。今後の遺伝子組換え食品の動向、つまりは、世界の食料情勢を検討するにあたっての重要材料だと思いますが、日本ではほとんど報道されていません。これでは、日本人は井の中の蛙になりかねないではありませんか! 2回にわけてご紹介しましょう。
フランス発
「ついに遺伝子組換えの有害性が明らかに」?
「ついに遺伝子組換えの有害性が明らかに」?
まずは、発がん性研究の顛末。フランスCaen大学の分子生物学教授Gilles-Eric Séralini (セラリーニ)らが昨年9月19日、「除草剤耐性トウモロコシNK603を2年間にわたってラットに与えたところ、乳がんや脳下垂体異常、肝障害などになった」とする論文を学術誌で発表し、一般メディアでも大々的に報じられました。
このトウモロコシは既に米国やEU、日本でも安全性評価が行われ、「問題がない」として認可されています。それが発がん性あり、というのですから、本当なら非常に深刻な問題です。2年というのはラットのほぼ寿命にあたる期間で、こうした長期試験はこれまでほとんど行われた例がなく、「ついに遺伝子組換えの有害性が明らかとなった」と、EU内のメディアの多くがおどろおどろしい写真と共に報じました。
実は問題山積の研究だった
しかし、発表後、すぐさま多くの研究者から反論が上がりました。実験がさまざまな条件を満たしておらず、信用に値しない、というのです。「食べさせたら、がんができたのだから、証拠は明白ではないか」と思う人が多いでしょうが、そうとは言えません。じつは、この手の食品の安全性を評価する動物実験をきちんと実施するのは難しいのです。
食品はそもそも、非常に多くの物質を含みます。栄養成分や未知の成分があるほか、土壌中にある重金属や化学物質等も吸収し、栽培中にカビがつくとカビ毒が多くなり、農薬が使われれば残留します。そして、品種や栽培方法や気象条件、貯蔵方法等で、それぞれの含有量は大きく変わります。
こうした試験では通常、安全性の評価対象となる食品を与えるグループと、そうではない食品を与えるグループとを同じ条件で飼って比較します。今回の場合、遺伝子組換え技術が導入されているかどうか以外はすべて同じトウモロコシを2種、揃えないと、遺伝子組換え技術の影響を見る比較試験はできません。
しかし、「同じ条件に揃える」というのは極めて難しいので、この手の発表が行われた時には、科学者たちは真っ先に、どのようにしてエサを調製し、どんな実験系を組んだかを吟味します。
ところが今回の場合、論文にそもそも、飼料の詳しい情報が掲載されていませんでした。成分組成や貯蔵方法、含まれる可能性のある有害物質の含有量など、なにも書かれておらず、各々のマウスがどれだけの量を食べたかも不明です。まともな研究者の論文ではありえないことです。
しかも、比較に必要なグループ数を満たしていません。また、こうした発がん性を検討する試験においては、一つのグループにおけるラットの数は最低50匹必要というのが国際的なガイドラインなのに、各グループのラット数はわずか10匹でした。これでは、統計学的に妥当な解析をすることはできません。
そのほかにも問題が山積している研究でした。科学者らが次々に欠陥を明らかにして、最初は騒いだマスメディアも急にトーンダウン。最終的に、EUで食品の安全性についてリスク評価を行う「欧州食品安全機関」(EFSA)が11月、「実験設計と方法論の深刻な欠陥があり、許容できる研究水準に達していない。したがって、これまでのNK603のリスク評価を見直す必要はない」という見解を明らかにしました。6つのEU加盟国も独自に評価して同じ結論に達し、これにより騒動は終息しました。
「第三者には取材しない」というとんでもない条件
これだけなら、おかしな科学者のおかしな実験結果で済むところ。しかし、この問題は、欧米でより深刻にとらえられています。それは、発表したセラリーニ氏にマスメディアやフランス政府が当初、やすやすと手玉にとられてしまったからです。
学術論文は通常、掲載の少し前に報道関係者には公開され、掲載日までエンバーゴ、つまり「報道してはいけませんよ」という縛りがかけられます。報道関係者はその間に執筆した科学者に取材し、第三者にその研究に対する評価などを聞き、論文がオープンになったその日に、一般市民にもわかりやすい記事やニュースにして報じます。ところが、セラリーニ氏は記者に事前に論文を見せる条件として、第三者には取材しないことを約束させたのです。
実は、セラリーニ氏は、遺伝子組換えにこれまでもずっと反対して来た研究者で、しかも、「遺伝子組換えが危険」と主張する論文や報告書を何度も発表し、そのたびにEFSAなどに「ずさんな研究」と批判されて来た経緯があります。
セラリーニ氏は、取材する記者が論文を吟味し批判する力がないことを見越して、「第三者には取材しない」というとんでもない条件と引き換えに、記者たちに論文を見せました。そして実際に、新聞等にはおどろおどろしい写真と共に「遺伝子組換えに発がん性」という見出しが大きく出ました。フランスの首相も「研究が確かなら、欧州全土での禁止措置を要請したい」と発言しました。
センセーショナルに報じられたのはわずか数日の話。でも、その後に、いくら「批判する科学者が多い」という続報が出たところで、それが最初のニュースの爆発的な拡散力に比べて小さく、影響力を持ちにくいことは、本欄読者も思い当たるところが多々あるのではないでしょうか。つまり、セラリーニ氏は「遺伝子組換えは危険」という宣伝に大成功したのです。
メディアの取材力の低さ、エンバーゴの悪用、学術誌による掲載審査の甘さ、EUの中でも強硬な遺伝子組換え反対国であるフランス政府の軽率さ等々、さまざまな問題が、今回のセラリーニ氏の騒動で露になりました。
興味深いのは、アメリカの経済誌「Forbes」。同誌は、セラリーニ氏の研究を一貫して批判し、マスメディアの一部が手玉にとられた顛末を報道しました。つまり、これは、一部メディアの科学報道の稚拙さ、という問題に留まらず、社会的、経済的に影響がある重大事だ、というのが、この雑誌の見解です。遺伝子組換え作物を全世界に売ってゆきたいアメリカ農業界、経済界の思惑が当然、反映されているでしょう。
一連の議論を知らない日本の一般市民
ところが、日本のメディアはこの騒動をほとんど報じませんでした。セラリーニ氏が発表した時と、それに対する批判を「時事通信」がごく短く伝え、AFP通信の配信ニュースを翻訳し掲載するAFPBBNewsも伝えた程度です。
遺伝子組換え作物は日本に大量に輸入されています。ISAAA(国際アグリバイオ事業団)によれば、日本は年間1800万トンの遺伝子組換え作物を輸入し、主に食用油や異性化糖などの原料、飼料として消費しています。日本の米の消費量が年間約860万トン(農水省まとめ)なのですから、遺伝子組換え作物の動向を無視はできないはず。なのに、今回の問題を社会的な事件として報じたマスメディアは、日本にはなかったのです。
日本の食品安全委員会は、今回の研究結果について見解を表明しています。また、市民団体「サイエンスメディアセンター」日本支部は、セラリーニ氏の発表の翌日には、批判する科学者のコメントを翻訳してメディア関係者に流しましたし、「食品安全情報ネットワーク」もウェブサイトで、一般財団法人残留農薬研究所毒性部長の青山博昭氏のコメントを掲載しました。国立医薬品食品衛生研究所の安全情報部第三室長の畝山智香子氏も、ブログで解説しました。
ちなみに、私が運営している消費者団体「Foocom」のウェブサイト「Foocom.net」でも、10月はじめには有料会員向けのメールマガジンで「疑わしい研究」と報じ、どなたでも読めるウェブサイトでも10月末、宗谷敏氏が詳細な解説をしています。
しかし、一般市民はこの欧米で大騒ぎだった事件を知りません。メディアが取り上げなかったのはこの時期、政局がらみの報道や原発問題、アメリカの大統領選などニュースが多く、細かくややこしい、この手の科学にまつわる動きを伝える必要性などなかったからだろう、と推測します。
「みんなが政局がらみの取材をしているわけではないだろうに」と思われるかもしれませんが、新聞、週刊誌にしてもテレビニュースにしても、掲載される記事量や放送時間は限られるので、ほかの話題が食い込む余地はそれほど大きくはないのです。
科学報道の受け止め方
経験なしには“免疫力”もつかない
経験なしには“免疫力”もつかない
その結果、「遺伝子組換えに発がん性」という間違った情報が日本の市民には伝わらず、よかった、という意見も、食品メーカーや組換え作物関係者にはあります。でも、世界から取り残された感は否めません。こうした経験は、市民が科学報道の受け止め方を学ぶ機会でもあるのですが、経験なしには“免疫力”もつきません。
それに、遺伝子組換えの反対運動を繰り広げる市民団体などは、やっぱり断片的にセラリーニ氏の研究結果を利用しています。市民団体だけならよいのですが、民主党所属の参議院議員が11月末、参議員会館内で開かれた「映画を観て遺伝子組み換えとTPPを考える院内集会」を自身のブログで紹介した際、文頭で「フランスでGMトウモロコシの発がん性に関する衝撃的な実験結果が公表されました。GM作物は安全性が確認されていない事と、雑草も害虫も耐性を持ち結局農薬の使用は増え農業が破綻してしまうという問題があります」などと記しています。
11月末の時点で、セラリーニ氏の研究を持ち出して「GM作物は安全性が確認されていない」とするのは、参議院議員としては不適切でしょう。それに、「雑草も害虫も耐性を持ち結局農薬の使用は増え農業は破綻してしまう」という内容も、誤解を招きます。前半の「雑草や害虫も耐性を持ち」の部分は、米国で実際にそうした現象が指摘され、同国ではたびたび報道されています。しかし、「農薬の使用は増え農業は破綻してしまう」という証拠はなく、同国の農業関係者は、問題点を踏まえ遺伝子組換え作物を上手に利用していくためのさまざまな対策を講じています。でも、日本ではどちらの動きも一般市民には伝わらないのです。
遺伝子組換えはやっぱり革新的な技術ですから、人によって賛否が分かれるのは当然です。が、賛成するにせよ、反対するにせよ、科学的な根拠、妥当性がなければ建設的な議論とはなりません。ところが、科学的な議論どころか、その前段階の、新しい情報、世界が白熱して議論している情報が市民に届かない、という状況に、日本は陥っているのです。
アメリカ合衆国では2012年、大統領選で熱い闘いが繰り広げられ、オバマ大統領が11月6日圧勝しました。実はこの時、カリフォルニア州では遺伝子組換えの表示義務化の是非を問う州民投票も行われました。
合衆国政府は、遺伝子組換え作物は非組換え作物と食品として同等である、という理由で、表示を義務づけていません。そこで、カリフォルニア州で独自の表示制度の立法運動が起こり、州民投票にまで持ち込まれたのです。そして、「表示イエス派」と「表示ノー派」が激しい運動を繰り広げました。
日本では、食品としては同等であっても消費者には区別して選ぶ権利があるとして、検査で組換えと非組換えを識別できる食品については、表示が義務づけられています。
カリフォルニア州法案も、消費者の「知る権利」を尊重すれば当然と見えます。ところが、法案の中身や解説文書をよくよく読んでみると、じつはそれほど単純な話ではありません。
有機食品を優遇する表示制度案
消費者の知る権利、と言いながら、制度案の細部は矛盾だらけで、消費者の知りたいことがわかる、という制度にはなっていませんでした。制度案の中で目立ったのは、有機(オーガニック)食品を優遇する項目。世界の遺伝子組換え生物(GMO)の動向について詳しい宗谷敏氏は、FOOCOM.NETのコラム「GMOワールドII」の中でこう解説しています。
『要するに、この表示制度はGM嫌いでこの世からどうしても抹殺したい一部の消費者運動活動家と、訴訟頻発による収入目的の弁護士たちと、シェア拡大を目論む有機食品のグループに、もしかしたら有機農産物の拡販に熱心な州政府も荷担しての「消費者の知る権利」をお題目にしながら、実は市場での一人勝ちを画策する「有機食品の、有機食品による、有機食品のための表示制度」でしかないのだ。』
(提案された制度の細部については、宗谷さんのコラムをお読みください。複雑怪奇なこの案が、4回にわたって詳細に解説されています)
有機食品については、FAO(国連食糧農業機構)とWHO(世界保健機構)が設置した食品の国際規格を決める組織「コーデックス委員会」で、ガイドラインが定められています。その中で、遺伝子組換え技術と技術を利用して作られた生物は利用しない、と決められています。
そのため、有機農業関係者と遺伝子組換え関係者は常に対立してきました。カリフォルニア州は、アメリカの中でももっとも有機農業が盛んな州であり、これまでも郡や地区単位で、遺伝子組換え作物の商業栽培禁止を求める市民運動が起こされてきた経緯があります。
カリフォルニア州はさまざまな環境運動、市民運動が盛んで、ハリウッドなども抱えてとかく目立つ州。市民団体の中には、カリフォルニア州で運動を仕掛け映画人を巻き込んでPRに努め、全米への波及効果を狙うところもあります。遺伝子組換えの表示制度は、他州の中にも検討中のところがあり、カリフォルニア州の州民選挙でもし制度が成立すれば、影響は小さくありません。
州民投票の結果は……
表示義務化イエス派の1位は、Dr.Joseph Mercolaの企業。「天然」などをうたうサプリメント を販売し、FDAから違法な表示や宣伝を止めるように何度も警告されているシカゴの有名医師。2位は有機農業を推進する活動家。3位以下にも、有機関係の企業や団体等がずらりと並ぶ。一方、表示ノー派には、遺伝子組換えの開発メーカーのほか、大手食品メーカー等が寄付をした。州民投票が「知る権利」というよりも、利害をめぐる闘いという側面が大きかったことが伺える (出典:MapLight)
http://votersedge.org/california/ballot-measures/2012/november/prop-37/funding
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http://votersedge.org/california/ballot-measures/2012/november/prop-37/funding
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こうしたことから、この州民投票は全米の注目を集めることに。「表示イエス」運動は有機食品の生産や販売関係者が後押しし、「表示ノー」は遺伝子組換え開発メーカーや大手食品メーカーなどが中心となり主張を展開しました。それぞれ、920万ドルと4600万ドルの資金を投入してPRし、全米のマスメディアがたびたび報道しました。表示制度が義務化されると、消費者の金銭的な負担が増えるという研究結果も、コンサルタント企業から公表されました。また、学術誌「Science」を発行している学術団体The American Association
for the Advancement of Science(AAAS)は、10月に反対意見を表明しています。
さて、州民投票の結果は?
ロサンゼルス・タイムズはじめ主要各紙が、こぞって反対への投票を勧める社説を掲げたこともあってか、「表示ノー」が僅差で勝利をおさめました。
日本人にとっての注目ポイントは、一見「知る権利」論争に見えて、内実は自らの利害を冷徹に計算し尽くした壮絶な攻防戦がカリフォルニア州で繰り広げられた、という事実でしょう。他州でも、遺伝子組換えの表示制度や栽培禁止を模索する運動が出てきています。前述の宗谷さんは、日本の食品製造や価格に影響を与える可能性を指摘しています。
日本でも、組換え反対派(そこには、多くの有機農業者が含まれます)が表示制度の変更を求めており、一部の評論家などはカリフォルニア州の州民投票の結果が出る前は、「アメリカでもうすぐ、すばらしい表示制度ができる。それに引き換え日本は…」などと発言していました。そうした際には必ず、消費者の「知る権利」が引き合いに出されました。
実態は、そのような“きれいごと”ではない。ところが、このカリフォルニア州の州民投票も、日本のマスメディアは簡単に結果を報じたのみで、その内実に踏み込む報道はありませんでした。
「フランケンフィッシュ」?
遺伝子組換えサケの行方
遺伝子組換えサケの行方
最後に、遺伝子組換えサケについて。遺伝子組換え作物はこれまで、トウモロコシや大豆など、飼料や油の原料などとして主に使われてきました。どこの国でも、消費者が直接食べる食品、いわゆるテーブルミートに組換え技術を導入することへの抵抗感は強くあります。そのため、組換え小麦等の開発もアメリカやEUなどで行われながらも、まだ遅々とした歩みです。
ところが、アメリカで年末も押し詰まった12月21日、食品医薬品局(FDA)が環境アセスメントにおいて、組換えサケが環境に重要な影響をもたらさない、とする結果を発表したのです。FDAは、すでに食べても非組換えサケと同等に安全とする評価を公表しています。今後は、環境アセスのパブリックコメントを経て、食品として認可するかどうか、最終ステップに差し掛かる、ということになります。
同年齢の遺伝子組換えサケ(大きい個体)と、非組換えサケ。開発したAquaBounty 社は、1950年代から60年代にかけて農業が飛躍的に生産性を高めた「緑の革命」にならい、海洋資源を守るための「青の革命」と位置づけている
(出典: Aquabounty社) http://www.aquabounty.com
(出典: Aquabounty社) http://www.aquabounty.com
この組換えサケは、別種のサケが持つ成長ホルモンの遺伝子が導入されており、成長スピードが2倍程度早いとされています。よく、組換えされた大型のサケと、同年齢の小さい非組換えサケが並んだ写真が掲載されるため、組換えサケはばかでかい、と思っている人が多いようですが、成魚の大きさ自体は変わりません。
少ない飼料で育ち、しかも海ではなく内陸のタンクで養殖します。こうすることで、環境、消耗が激しい海の資源も守ることができるというのが、開発した企業の主張。たしかに、魚は中国の人口増で消費量が増えているうえ、欧米でもDHA等体によい成分が含まれ肉に比べて健康と推奨され、人気を集めています。今後も消費量は増えるとみられ、養殖にも期待がかかります。
FDAは、環境アセスを行った結果、内陸で養殖され、しかも不妊化されたメスを飼育するので、逃げ出して野生のサケと繁殖して自然に影響を及ぼすリスクはきわめて低い、と結論づけました。しかし、遺伝子組換えには比較的寛容なアメリカ人であっても、食卓の皿の上に乗る魚が……と考えると抵抗感を覚えるのか、「フランケンフィッシュ」などと表現するメディアもあり、2013年のアメリカはおそらくこの問題で、大揺れになるはずです。
そもそも、FDAのこの環境アセス案は、2012年5月4日の日付。FDAはこの内容の公表を何カ月も“塩漬け”にしていたのです。この行動は、賛成派、反対派の双方に波紋を呼んでおり、「今年は大統領選の年だったからね」とコメントしている市民団体もあることを、Natureニュースも伝えています。食は身近な問題で関心が高く、なおかつ、だれでも一家言持っているもの。オバマ大統領が選挙前の論戦を避けた、というのは、あながち外れていないだろう、と思えます。
この問題、日本では朝日新聞が2012年12月22日、報じました。しかし、G-searchの新聞・雑誌記事横断検索で調べても13年2月1日現在、ほかのメディアはこの環境アセス案をまったく取り上げていません。
アバウトな情報ばかりで
是非を論じることもできない日本
是非を論じることもできない日本
主な“事件”を駆け足で追いかけてきました。2012年が遺伝子組換え技術を巡って世界が大きく揺れた年であったことを、わかっていただけたと思います。
2013年も年明け早々、英国の英国環境・食料・農村地域省のOwen Paterson大臣が「オックスフォード農業会議」の席上で、遺伝子組換え技術は農薬やエネルギーの使用量を減らし、リスクとベネフィットのバランスを検討すると、ベネフィットが非常に大きい技術だとして、支持を明確にしました。英国はこれまでも、遺伝子組換え技術を食料増産の一方策と位置づけ、近年はリスクコミュニケーションに力を入れています。改めてその姿勢を明確にしたのです。また、これまで過激な反対運動を続けてきた活動家が同じ会議で「科学的に検討した結果、これまでの活動をお詫びする」と謝罪し、遺伝子組換え推進の姿勢を明確にしました。この“転向”は英国だけでなく米国や他のEU各国、アジア、アフリカ等でも、大きな話題となっています。
では、日本は?
日本人も前篇で書いたように、遺伝子組換え作物を食用油や清涼飲料水などの糖分などとして大量に摂取し、家畜の飼料に用い、その家畜の肉や卵、乳などを食べています。なのに、世界の動きが一般市民には伝えられず、報道されるのは、「TPPに参加すると、アメリカの制度と同じになるに決まっている」というような、あまりにもアバウトな話ばかり。これでは、是非を論じることもできない。この危機をこそ、皆さんに気づいてほしいのです。
参考文献>
・FOOCOM.NET「GMOワールドII」バックナンバー
http://www.foocom.net/category/gmo2/
・コーデックス委員会の有機食品ガイドライン(農水省訳)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/codex/standard_list/pdf/cac_gl32a.pdf
・Los Angeles Times社説
http://www.latimes.com/news/opinion/endorsements/la-ed-end-prop37-20121004,0,2668604.story
・ScienceInsider 「Scientists Spar Over Wisdom of California Ballot Effort to Require Labeling of Genetically Modified Foods」
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/11/s
・FDAの遺伝子組換えサケにかんするページ
http://www.fda.gov/AnimalVeterinary/DevelopmentApprovalProcess/GeneticEngineering/GeneticallyEngineeredAnimals/ucm280853.htm
・Naturenews「Transgenic fish wins US regulatory backing」
http://www.nature.com/news/transgenic-fish-wins-us-regulatory-backing-1.12130
・The Guardian「GM food: British public 'should be persuaded of the benefits'」
http://www.guardian.co.uk/environment/2013/jan/03/gm-food-british-public-persuaded-benefits?INTCMP=SRCH
・FOOCOM.NET 編集長コラム「遺伝子組換えサケ、あなたはどう思う?」
http://www.foocom.net/column/editor/8459/
・英国オックスフォード農業会議
http://www.ofc.org.uk/
・FOOCOM.NET「GMOワールドII」バックナンバー
http://www.foocom.net/category/gmo2/
・コーデックス委員会の有機食品ガイドライン(農水省訳)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/codex/standard_list/pdf/cac_gl32a.pdf
・Los Angeles Times社説
http://www.latimes.com/news/opinion/endorsements/la-ed-end-prop37-20121004,0,2668604.story
・ScienceInsider 「Scientists Spar Over Wisdom of California Ballot Effort to Require Labeling of Genetically Modified Foods」
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2012/11/s
・FDAの遺伝子組換えサケにかんするページ
http://www.fda.gov/AnimalVeterinary/DevelopmentApprovalProcess/GeneticEngineering/GeneticallyEngineeredAnimals/ucm280853.htm
・Naturenews「Transgenic fish wins US regulatory backing」
http://www.nature.com/news/transgenic-fish-wins-us-regulatory-backing-1.12130
・The Guardian「GM food: British public 'should be persuaded of the benefits'」
http://www.guardian.co.uk/environment/2013/jan/03/gm-food-british-public-persuaded-benefits?INTCMP=SRCH
・FOOCOM.NET 編集長コラム「遺伝子組換えサケ、あなたはどう思う?」
http://www.foocom.net/column/editor/8459/
・英国オックスフォード農業会議
http://www.ofc.org.uk/
2013年2月2日土曜日
グアム移転費用
①沖縄海兵隊のグアム移転経費は、グアム協定によって総見積額102億7千万ドルのうち60億9千万ドルを日本が負担するが、そのうち28億ドルは直接的に提供する資金(いわゆる真水まみず)。これは、既に昨年(H.21年度)から始まっており、その額は約346億円。つづく #futenma
②日本の防衛省の平成21年度予算の沖縄海兵隊グアム移転経費約346億円の内訳は、フィネガヤン地区基盤整備事業(第一段階)約129億円、アンダーセン空軍基地北部地区基盤整備事業約28億円、アプラ地区基盤整備事業約174億円、『設計費』約16億円。つづく #futenma
③H.21年度グアム移転経費の中の設計費・約16億円の内訳は、消防署(フィネガヤン地区)、下士官用隊舎(フィネガヤン地区)、港湾運用部隊司令庁舎(アプラ地区)、診療所(アプラ地区)。この段階での在グアム米海兵隊は10名!日本の税金で一から建設が始まったのだ。続く #futenma
④H.22年度のグアム移転経費の真水は約468億円。内訳はフィネガヤン地区基盤整備事業(第二段階)約290億円。建設工事:消防署(フィネガヤン地区)約24億円、港湾運用部隊司令部庁舎(アプラ地区)約23億円、診療所(アプラ地区)約90億円。設計費:約41億円。続く#futenma
⑤④の設計費の内訳は、基地本部庁舎、海兵後方群司令部、警察署、複合体育施設、下士官用庁舎、下士官用複合隊舎(全てフィネガヤン地区)。もし報道通り米議会でグアム移転経費が7割削減されるなら、日本側の予算も執行停止し、早急に普天間の危険性除去の措置をとるべきだ。終 #futenma
2013年1月27日日曜日
Atlantic Charter
The President of the United States and the Prime Minister, Mr. Churchill, representing His Majesty's Government in the United Kingdom, have met at sea.
They have been accompanied by officials of their two Governments, including high-ranking officers of their Military, Naval, and Air Services.
The whole problem of the supply of munitions of war, as provided by the Lease-Lend Act, for the armed forces of the United States and for those countries actively engaged in resisting aggression has been further examined.
Lord Beaverbrook, the Minister of Supply of the British Government, has joined in these conferences. He is going to proceed to Washington to discuss further details with appropriate officials of the United States Government. These conferences will also cover the supply problems of the Soviet Union.
The President and the Prime Minister have had several conferences. They have considered the dangers to world civilization arising from the policies of military domination by conquest upon which the Hitlerite government of Germany and other governments associated therewith have embarked, and have made clear the stress which their countries are respectively taking for their safety in the face of these dangers.
They have agreed upon the following joint declaration:
Joint declaration of the President of the United States of America and the Prime Minister, Mr. Churchill, representing His Majesty's Government in the United Kingdom, being met together, deem it right to make known certain common principles in the national policies of their respective countries on which they base their hopes for a better future for the world.
First, their countries seek no aggrandizement, territorial or other;
Second, they desire to see no territorial changes that do not accord with the freely expressed wishes of the peoples concerned;
Third, they respect the right of all peoples to choose the form of government under which they will live; and they wish to see sovereign rights and self-government restored to those who have been forcibly deprived of them;
Fourth, they will endeavor, with due respect for their existing obligations, to further the enjoyment by all States, great or small, victor or vanquished, of access, on equal terms, to the trade and to the raw materials of the world which are needed for their economic prosperity;
Fifth, they desire to bring about the fullest collaboration between all nations in the economic field with the object of securing, for all, improved labor standards, economic advancement, and social security;
Sixth, after the final destruction of the Nazi tyranny, they hope to see established a peace which will afford to all nations the means of dwelling in safety within their own boundaries, and which will afford assurance that all the men in all the lands may live out their lives in freedom from fear and want;
Seventh, such a peace should enable all men to traverse the high seas and oceans without hindrance;
Eighth, they believe that all of the nations of the world, for realistic as well as spiritual reasons, must come to the abandonment of the use of force. Since no future peace can be maintained if land, sea, or air armaments continue to be employed by nations which threaten, or may threaten, aggression outside of their frontiers, they believe, pending the establishment of a wider and permanent system of general security, that the disarmament of such nations is essential. They will likewise aid and encourage all other practicable measures which will lighten for peace-loving peoples the crushing burden of armaments.
FANKLIN D ROOSEVELT
WINSTON S CHURCHILL
(The Ministory of Foriegn Affairs "Nihon Gaiko Nenpyo Narabini Shuyo Bunsho : 1840-1945" vol.2,1966)
WINSTON S CHURCHILL
大西洋憲章
(一九四一年八月十四日大西洋上ニテ署名)
アメリカ合衆国大統領及ヒ連合王国ニ於ケル皇帝陛下ノ政府ヲ代表スル「チャーチル」総理大臣ハ会合ヲ為シタル後両国カ世界ノ為一層良キ将来ヲ求メントスル其ノ希望ノ基礎ヲ成ス両国国策ノ共通原則ヲ公ニスルヲ以テ正シト思考スルモノナリ
- 一、両国ハ領土的其ノ他ノ増大ヲ求メス。
- 二、両国ハ関係国民ノ自由ニ表明セル希望ト一致セサル領土的変更ノ行ハルルコトヲ欲セス。
- 三、両国ハ一切ノ国民カ其ノ下ニ生活セントスル政体ヲ選択スルノ権利ヲ尊重ス。両国ハ主権及自治ヲ強奪セラレタル者ニ主権及自治カ返還セラルルコトヲ希望ス。
- 四、両国ハ其ノ現存義務ヲ適法ニ尊重シ大国タルト小国タルト又戦勝国タルト敗戦国タルトヲ問ハス一切ノ国カ其ノ経済的繁栄ニ必要ナル世界ノ通商及原料ノ均等条件ニ於ケル利用ヲ享有スルコトヲ促進スルニ努ムヘシ。
- 五、両国ハ改善セラレタル労働基準、経済的向上及ヒ社会的安全ヲ一切ノ国ノ為ニ確保スル為、右一切ノ国ノ間ニ経済的分野ニ於テ完全ナル協力ヲ生セシメンコトヲ欲ス。
- 六、「ナチ」ノ暴虐ノ最終的破壊ノ後両国ハ一切ノ国民ニ対シ其ノ国境内ニ於テ安全ニ居住スルノ手段ヲ供与シ、且ツ一切ノ国ノ一切ノ人類カ恐怖及欠乏ヨリ解放セラレ其ノ生ヲ全ウスルヲ得ルコトヲ確実ナラシムヘキ平和カ確立セラルルコトヲ希望ス。
- 七、右平和ハ一切ノ人類ヲシテ妨害ヲ受クルコトナク公ノ海洋ヲ航行スルコトヲ得シムヘシ。
- 八、両国ハ世界ノ一切ノ国民ハ実在論的理由ニ依ルト精神的理由ニ依ルトヲ問ハス強力ノ使用ヲ抛棄スルニ至ルコトヲ要スト信ス。陸、海又ハ空ノ軍備カ自国国境外ヘノ侵略ノ脅威ヲ与エ又ハ与ウルコトアルヘキ国ニ依リ引続キ使用セラルルトキハ将来ノ平和ハ維持セラルルコトヲ得サルカ故ニ、両国ハ一層広汎ニシテ永久的ナル一般的安全保障制度ノ確立ニ至ル迄ハ斯ル国ノ武装解除ハ不可欠ノモノナリト信ス。両国ハ又平和ヲ愛好スル国民ノ為ニ圧倒的軍備負担ヲ軽減スヘキ他ノ一切ノ実行可能ノ措置ヲ援助シ及助長スヘシ。
- フランクリン・ディー・ローズヴェルト
- ウィンストン・チャーチル
2013年1月22日火曜日
バックエンド総事業費
バックエンド総事業費約19兆円とは?
バックエンドとは、原子力発電が終わった後に生じる後始末に関わる部分。
約19兆円というのは、電気事業連合会が2003年11月11日に開かれた総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)電気事業分科会の小委員会に報告した数字。
六ヶ所再処理工場を40年動かすとして、その建設・操業費と、工場の廃止措置(2078年まで)が合わせて約11兆円。海外からの返還分も合わせた高レベル廃棄物の貯蔵および処分、輸送、中間貯蔵など他の「バックエンド」事業も合わせた総額が約19兆円との計算。
六ヶ所で再処理されると想定されているのは、2004年度までに生じている1.4万トンと2005年度から2036年度までに生じる分のうちの1.8万トン(残りは中間貯蔵)の使用済燃料。この合計3.2万トンを2046年度までの40年間で再処理するとの想定(年間800トン)。2046年度までに中間貯蔵が3.4万トン生じる計算。
業界 18兆8000億円と試算
負担の合意形成が課題
核燃料サイクル政策の見直し論で焦点となっているのがバックエンド費用の取り扱いだ。電気事業連合会の試算では十八兆八千億円。このうち約十兆円は既に電気料金で回収する仕組みができているが、残る約九兆円の回収の仕組みづくりはこれからである。いずれにせよ、その大半は国民の負担が避けられず、徹底した論議が求められる。
試算は、再処理工場が二〇〇六年から四十年間運転することを前提に、その後に解体・処分に必要な七八年ごろまでの期間が対象。内訳は、再処理工場の操業や廃止などが十一兆円と最も多く、次いで再処理した際に出てくる高レベル放射性廃棄物の輸送・処分が二兆七千四百億円。プルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料の加工工場の操業や廃止で一兆千九百億円、使用済み燃料の中間貯蔵も一兆百億円かかると算定された。
再処理関連だけで十一兆円もかかることから、次期長計の策定に当たっては、米国などのようにウラン燃料を一回しか使わずに処分するワンススルー方式も検討すべきだという「柔軟路線」への変更を求める声が出ている。
ただし、ワンススルー方式にも多くの欠点がある。再処理では廃液をガラス固化した高レベル放射性廃棄物を地中深く埋めるが、使用済み燃料をそのまま処分するとなると容量が大きいため、処分コストが高くつき、処分場の選択も難しくなる。放射能レベルもガラス固化体より強い。
さらに、一回の使い捨てだとウラン資源が約六十年しかもたないため、最低でも千年単位で動かせる高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルと比べてエネルギーの安定供給に不安を抱える。
一方、バックエンド費用で鍵を握るのが費用負担の問題である。十八兆八千億円のうち、既に十兆千億円については電力会社が引当金制度を設け、電力料金から回収する仕組みがあるが、残る八兆七千億円については制度が未整備だ。
これについて、経済産業相の諮問機関である総合エネルギー調査会が現在、費用負担の枠組みづくりを検討中。年内にはまとまる見通しだ。
今月二十二日に開かれた同調査会電気事業分科会では、MOX燃料の加工費など約四兆円は燃料コストに当たるとして除外し、残る約五兆円について家庭に負担してもらう仕組みを了承した。
試算では標準世帯で月額約五十円程度の負担増となる。これまで制度化されていた分も合わせると、バックエンド費用全体の国民負担額は月額約百七十円という。
ただ、これもあくまで現時点での想定だ。
再処理工場の建設費が当初計画の三倍に膨れ上がったように、費用が今後、さらにかさんで国民負担が増す可能性があると指摘する声もある。
原子力発電の後処理(バックエンド)費用(電気事業連合会)
事業内容 費用(兆円)
再処理工場の操業や廃止など 11.00
海外から返還される高レベル放射性廃棄物の輸送や貯蔵など 0.30
海外から返還される低レベル放射性廃棄物の輸送や処分など 0.57
海外返還分以外の高レベル放射性廃棄物の輸送や処分など 2.74
再処理・MOX燃料工場などで発生する超ウラン元素(TRU)の地層処分 0.81
使用済み燃料の輸送 0.92
使用済み燃料の中間貯蔵 1.01
MOX燃工場の操業や廃止など 1.19
ウラン濃縮工場の後処理 0.24
合計 18.80
【注】端数処理の関係で合計は合わない
出典:業界18兆8000億円と試算 負担の合意形成が課題 中国新聞2004年5月30日
再処理の費用は最初はどのくらいと考えられていたか。
ゼロ。
回収されたウランとプルトニウムの価値が大きく、それによって再処理費用はまかなえると考えられていた。だから料金原価上も再処理費用を費用の中に入れていなかった。それが途中で、再処理費用の方が回収核物質の価値を大きく上回ることが分かって、あわててこの費用を電力消費者から取り立てることにしたと次の文書にある。
電気事業審議会料金制度部会中間報告(1981年12月2日「原子力バックエンド費用の料金原価上の取扱いについて」(pdf)
【問題の所在】
原子力バックエンドのうち、使用済核燃料の再処理は、減損ウラン及びプルトニウムの回収と高レベル放射性廃棄物の分離、凝縮との両面の性格を併せ持っている。現在の電気事業会計は、回収されるウラン及びプルトニウムの価値により再処理費用を賄えるという前提に立って設定されており、料金原価上も、再処理費用を費用とせず、資産としてレートベースに算入することとしている。しかしながら、最近に至って再処理費用が回収されるウラン及びプルトニウムの価値を大幅に上まわることが明らかになってきており、現行の取扱いを継続していくことは、電気の消費者の世代間の負担の不公平を招くという問題が生ずる。したがって、現行の取扱いの改善につき検討が求められている。また、再処理費用以外の原子力バックエンド費用についても、将来確実に発生することが明らかであるので、これについても将来の消費者に負担させることの適否が問題となっており、同様に検討が求められている。
【結論】
(1) 原子力バックエンド費用のうち、高レベル放射性廃棄物のガラス固化費用を含む使用済核燃料の再処理費用については、炉内で燃焼している時点で引当金を積立てる方式により、料金原価に算入することが適当である。なお、引当金方式の採用に伴い、企業会計及び税制上の取扱いとの整合性が図られることが望ましい。
(2) 放射性廃棄物の処分及び廃炉の費用については、現時点では、処分方法等につきなお不確定な要素が多く、将来の費用を合理的に見積もることが困難であるので、引続き内外の事態の推移を見極めながら、その取扱いを検討していくことが適当である。
六ヶ所再処理工場の建設費は?
1999年日本原燃は、建設費の見積もりをそれまでの「1兆8,800億円」から「2兆1,400億円」に変更した。1989年に事業許可申請が出されたときの建設費見積もり額は7600億円だった。
工事費について
ア.総工事費
再処理工場の総工事費については、現在の「1兆8,800億円」から「2兆1,400億円」に変更します。
バックエンドが問題になってきたのは?
18.8兆円のうち、六ヶ所再処理工場建設・操業費や高レベル廃棄物処分費用などの10.1兆円については回収する仕組みがあったが、工場の廃止措置費用など残りの8.7兆円を誰がどう負担するかが問題になった。
東奥日報2004年7月3日(土)
核燃料直接処分は再処理の半分以下/政府が試算を公表せず
原発から出る使用済み核燃料を地中深く直接埋めて捨てれば、再処理方式に比べて半分以下と大幅に安くなるとの政府試算がありながら、公表していなかったことが二日明らかになった。核燃料サイクル見直し論議が高まるのを政府が恐れたためとみられる。重要な情報開示を怠っていたことで、核燃サイクル政策の是非を検討する原子力委員会の議論にも影響を与えそうだ。
試算は一九九四年と九八年に実施し、再処理方式が直接処分方式の二―四倍割高となる。当時の議論で電力会社側が「割高との試算が公表されると、サイクル事業が成り立たなくなる」などと主張。政府は、今年三月の国会でも「試算はない」と答弁していた。
経済産業省資源エネルギー庁は二日、試算があったことを認め、原子力委員会に資料を提出することを明らかにした。
総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)は六月、再処理の総費用は十八兆八千億円との試算をまとめており、一部は電力料金に上乗せする計画。
三月の参院予算委では、直接処分の費用に関する福島瑞穂(ふくしま・みずほ)社民党党首の質問に、日下一正(くさか・かずまさ)資源エネルギー庁長官(当時、現経済産業審議官)が「再処理しない場合の試算はない」と答弁した。
これについて日下審議官は二日、「試算があることは知らなかった」と述べた。エネ庁の柳瀬唯夫(やなせ・ただお)原子力政策課長は「当時の経緯は分からないが、議論は非公開なので、公表しなかったのは不思議ではない」としている。
九八年三月に通産省(当時)の外郭団体、財団法人原子力環境整備センター(同)が行った試算は、直接処分の場合は約四兆―六兆円、再処理後に処分する場合は約三・四兆―五兆円としている。処理期間など前提条件は違うが、現在、再処理工場の操業や解体などのコストとされている約十一兆円を加えると、再処理方式は十四・四兆―十六兆円となり、直接処分の二―四倍程度になる計算だ。
◇
重大な問題
鹿内博県議(無所属) 試算しておきながら政府が公表をしなかったことは重大な問題である。再処理ありきの前提で、政策の選択肢の提示を意図的に抑えてきたことになる。情報がきちんと示されていない以上、六ケ所再処理工場のウラン試験は実施すべきでない。
◇
推進変わらず
滝沢求自民党県連政調会長 核燃サイクルを推進する立場に変わりはない。このたびの報道に関しては事実関係が分からないのでコメントしようがない。
バックエンド措置についての電力会社の言い分は?
既に原発の電気を使った顧客が、2005年から本格化する電力自由化のために、特定規模電気事業者(PPS=Power Producer & Supplier)から電気を買うようになった場合に、その顧客から既発電分について回収しておくべきだった分をどうやって回収するかが問題になるから、制度を完備する必要があったというもの。
原子力事業本部原燃計画グループ
チーフマネジャー 小田英紀
原子力発電の「バックエンドコスト」に注目が集まっている。原子燃料を繰り返し有効利用するリサイクル路線を堅持する一方、電力市場の自由化も加速度的に進むなか、バックエンドコストは誰が、どのように負担すべきなのか──原子力事業本部原燃計画グループの小田英紀・チーフマネジャーに訊いた。
──そもそも「バックエンド」とは何か? //////////
バックエンド(後処理)とは、原子力発電所でウラン燃料を燃やした後の工程のこと。使用済み燃料を再処理し、燃え残ったウランや新たに発生したプルトニウムを取り出してMOX燃料に加工したり、再処理工場などから出る放射性廃棄物を処理処分したりすることをいう。
これらの工程全般を指して「バックエンド」と呼ぶが、実際の工程は発電後すぐに行えるものではないし、短期間で終わるものでもない。例えば使用済み燃料は再処理前に数年間の冷却期間が必要だし、高レベル放射性廃棄物は最終処分までに30~50年間冷却して放射能レベルを下げる。さらに最終処分(地層処分)した後も、何十年間もモニタリングする。つまりバックエンドとは、100年オーダーの長々期にわたる事業だということをまず知ってほしい。
──そのバックエンドコストとして電気事業連合会は2003年末、再処理工場を40年間運転した場合、総額約18.8兆円が必要との試算を公表した。非常に莫大な費用という印象だが? //////////
18.8兆円という数字は、再処理工場やMOX燃料加工工場の操業費から、これらの工場が運転終了した後の廃止措置に関わる費用、さらにはその際に発生する放射性廃棄物の処分費用まで、バックエンド事業全般を網羅したもの。これらの中には、今までの電気料金に含まれていたものもあれば、含まれていなかったものもある。確かに巨額だが、今後「新たに」18.8兆円必要ということではない。今回改めてバックエンドコストを──これまでにプールしたものも、していないものも含めて──全部積み上げたら18.8兆円かかる計算になった、ということだ。
──具体的には、今までの電気料金には何が含まれており、何が含まれていなかったのか? //////////
代表的なものを挙げると、含まれていたのは、使用済み燃料の再処理費用、高レベル放射性廃棄物の最終処分費用など。これらは再処理引当金制度や、NUMO法(特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律)に基づく積立金制度に則り、電気料金に織り込まれている。一方、含まれていなかったものには再処理工場の廃止措置費用や、TRU廃棄物(超ウラン核種を含む放射性廃棄物―燃料集合体の被覆管など)の処分費用などがある。
バックエンド事業は非常に長期にわたるため、不確定要素も多い。だからこれまでは見積が可能なものから、あるいは制度の整ったものから、順次電気料金に織り込むという方法でやってきた。結果、本来は過去の電気料金に含まれるべき費用も、未回収になってしまっているものもある。
──その「未回収分」はどうするのか? 電気料金に上乗せされるのか? //////////
未回収分がどれくらいあり、どのような措置を講じるかは、今後、経済産業大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会電気事業分科会で議論されることになっており、現時点では未定だ。ただ、電事連としては、自由化範囲の拡大に伴い、過去に原子力発電による電気を使用したお客さまから回収することが現実的には不可能となるため、これまで原子力の恩恵を受けてきた国民の方々に「広く薄く」負担していただきたいと主張している。
なぜなら未回収分とは「過去の発電」に起因するコスト。つまり自由化拡大以前の、すべてのお客さまが原子力発電所でつくった電力会社の電気をお使いいただいていた時点で、本来回収させていただくべきだったものだ。合理的見積もりができない等の理由により、電気料金として回収することが適当でなかったため回収が遅れてしまったが、だからといって電力会社のお客さまだけから回収したのでは、新規参入者に乗り換えたお客さまが過去に使った電気のコストを、一般家庭など自由化対象外のお客さまに強いることにもなりかねず、公平性を損なう。従って過去の発電に起因する未回収分だけは、なんらかの形で「広く薄く」国民のみなさんにご負担いただきたいと考えているのである。ただ、広く国民のみなさんにと言っているのは、あくまで自由化拡大以前の発電に起因する部分で、18.8兆円のすべてではない。
また、エネルギーセキュリティや環境適合性といった原子力のメリットは、特定地域や特定のお客さまだけでなく、国民誰もが享受しており、その意味でも「広く薄く」負担していただくことが公平性に適っている。
──ただ、それでは国民は、未回収分を負担したうえ、さらにバックエンドコストを上乗せした高い電気を買うことになる。そもそも原子力は経済優位性もメリットのひとつだったはずだが、その優位性が崩れるのでは?
そんなことはない。実際、今回のバックエンドコスト試算と同時に電源別の発電原価も試算したところ、運転年数40年、割引率3%の場合、原子力は5.3円、石炭火力が5.7円、LNG火力6.2円、石油火力10.7円(いずれもkWh当たり)。発電所建設コストの低減などもあり、前回試算の5.9円よりさらに安くなる。確かに石炭火力との差は接近しているが、長期的に見れば依然として最も割安な電源といえる。
もちろんこの5.3円は、バックエンドコスト0.81円を含んだ数字。0.81円の中には、これまで電気料金に含まれていなかった再処理工場の廃止措置費用なども入っている。つまりバックエンドコスト18.8兆円の項目をほぼ網羅して、これを織り込んだ発電原価が5.3円だ。従って巷間囁かれている「バックエンドコストを加味すれば割高になる」というのは間違い。バックエンドコストを含めても、原子力の経済性は他の電源との比較において遜色はない。
──とはいえ今後の政策如何によっては、原子力を取り巻く情勢が大きく変わる可能性もある。電力会社は相当のリスクを抱えることにならないか?
確かにそうだ。もちろん今回試算した18.8兆円は、絶対的・確定的なものではなく、ある程度の変動幅も見込んだ数字。規制の見直しや設計・施設の合理化など、合理的範囲内での環境変化には対応できるが、大きな政策転換までは考慮していない。従来の規制下なら、原価主義に基づくコスト回収が可能だった面もあるが、将来の自由化拡大に伴い、いかに経営努力を重ねようと大きな政策変更による増分コスト回収は困難になる。
そうならないためにも、リサイクル路線を進める中での官民の役割を明確化してほしいと要望しており、これについても今後、電気事業分科会で議論される予定だ。
──審議の予定や制度設計の見通しなど、今後のスケジュールは?
契約電力50kW以上のお客さまにまで自由化対象が拡大される2005年がひとつのポイントになる。それまでになんらかの制度をつくっておかないといけないから、2004年1月下旬からの電気事業分科会で審議が行われ、2004年中には結論が出ることになるだろう。議論の結果がどうなるかはまだ分からないが、我々としては、1)バックエンドコスト18.8兆円の試算は、相応の合理性をもって算出したものであること 2)バックエンドコストを含めても原子力の経済性は、他の電源と比較において遜色はないこと 3)自由化拡大以前の発電に起因する未回収分については、公平性の観点から「広く薄く」負担していただくのが望ましいこと──この3点を主張し、公平かつ妥当な制度設計を要望していきたいと考えている。
電力自由化との関係とは?
2005年度から50kWの顧客まで自由化の範囲を広げることを盛り込んだ電気事業法改正案が2003年に衆(5月)参(6月)両院を通過した際、次のような附帯決議がなされていた。
我が国のエネルギーセキュリティと環境保全等の両立の観点から、原子力発電を中核的な電源と位置付け、原子力発電の開発・利用を推進するため、優先給電指令制度の整備など電力供給システムの一層の整備を図ること。
バックエンド事業については、国の責任を明確化した上で、徹底した情報開示と透明性の高い国民的議論の下で、官民の役割分担の在り方、既存制度との整合性等を整理し、経済的措置等具体的な制度・措置の在り方について早急に検討を行い、平成16年末までに必要な措置を講ずること。
なぜ未手当のものがあったのか。
電気事業連合会は次のように説明する。
これらの費用が将来発生することは以前から予見できていましたが、費用を明確に見積もることができなかったため、これらを総括原価制度(適正な原価に適正な事業報酬を加えたものが、総収入に見合うように料金を設定する方式)の料金原価に含めることは政府に認められていませんでした。
この19兆円に関する「上質な怪文書」とは?
「19兆円の請求書─止まらない核燃料サイクル─」(pdf, 416kb)
再処理に批判的な官僚が書いた文書とされる。
核燃料サイクル路線を正当化するものは何もないと説明し、最後は次のように結んでいる。
ちょっと待った!サイクル!
この核燃料サイクルを巡る構図は、古くは国鉄、住専、最近では道路公団、年金問題と同じ
(問題の先送りによるツケが国民に回ることに)
──>
核燃料サイクルについては一旦立ち止まり、国民的議論が必要ではないか
19兆円の中身を示した詳しい表は?

資料1
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/bunkakai/cost/rireki/1st/cost1--1.pdf
資料3
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/bunkakai/cost/rireki/1st/cost1--3.pdf
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/bunkakai/seido_sochi/2th/shiryo4.pdf
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/bunkakai/seido_sochi/1th/shiryo5.pdf
再処理施設の操業費用
再処理施設の廃止措置費用について
MOX燃料加工事業費用について
返還廃棄物管理費用について
高レベル放射性廃棄物の輸送・処分費用について
TRU廃棄物の地層処分費用について
使用済燃料輸送費用・中間貯蔵費用について
ウラン濃縮工場バックエンド費用について
バックエンドコスト算定に係る共通補足事項資料
バックエンド事業費の海外との比較
バックエンドコスト算定における主な変動要因について
モデル計算による各電源の発電コスト
バックエンドコストと今後のバックエンド事業
2005年に定められたバックエンド事業制度・措置は?
2005年5月11日に成立し、10月1日に施行となった法律で定められたのは:
電力料金に上乗せして徴収していた対象を拡大する。
これまでの対象
再処理操業本体費用
高レベル放射性廃棄物のガラス固化費用
追加される対象
ガラス固化体貯蔵
返還廃棄物管理
TRU廃棄物の処分
再処理施設の廃止等
これまでは電力会社内部で積み立てていたものを外部積立とする
既に内部で積み立てられている分については、15年以内に外部積立に移す。
既発電分に関する上の追加対象については、15年に渡って分割回収する。自由化で特定規模電気事業者(PPS=Power Producer & Supplier)から電力を購入するようになる消費者からも回収する。電力会社(一般事業者)の送電線を使って特定規模電気事業者の電力を運ぶ「託送」制度を利用し、送電線使用量に上乗せして回収する仕組み。
これまでは、発生する使用済燃料すべてについて準備金を積み立てていたが、新制度では、六ヶ所再処理工場で再処理される分についてのみ積み立てる。2010年以後中間貯蔵が始まった場合、そこに送られ、その後第二再処理工場か直接処分に向かうものについては、当面、準備金の積立を行わない。

2012年12月2日日曜日
日本未来の党1次候補者&大地・真民主
【北海道】1区 清水やすみろ▽3区 町川ジュンコ▽4区 とまべち英人▽7区 鈴木たかこ▽8区 北出美翔 ▽10区 あさのタカ貴博▽11区 石川ともひろ▽12区 松木けんこう
【青森】1区 横山北斗▽2区 中野渡詔子▽3区 山内卓
【岩手】1区 達増陽子▽2区 畑浩治▽3区 佐藤奈保美▽4区 小沢一郎
【宮城】1区 横田匡人▽2区 斎藤恭紀▽5区 阿部信子
【秋田】1区 高松和夫▽3区 京野公子
【福島】1区 石原洋三郎▽2区 太田和美▽5区 松本喜一
【茨城】1区 武藤優子▽3区 小泉俊明▽6区 栗山天心
【栃木】4区 山岡賢次
【群馬】1区 後藤新▽3区 長谷川嘉一
【埼玉】7区 小宮山泰子▽8区 西川浩▽9区 松浦武志▽10区 松崎哲久 ▽15区 小高真由美
【千葉】2区 黒田雄▽3区 岡島一正▽4区 三宅雪子▽5区 相原史乃 ▽6区 白石純子▽7区 内山晃 ▽8区 姫井由美子▽9区 河上満栄 ▽11区 金子健一▽12区 中後淳
【東京】1区 野沢哲夫▽3区 池田剛久▽5区 丸子安子▽7区 岡本幸三 ▽9区 木内孝胤▽10区 多ケ谷亮▽11区 橋本久美▽12区 青木愛 ▽13区 本田正樹▽14区 木村剛司▽15区 東祥三▽16区 初鹿明博 ▽18区 杉村康之▽19区 渡辺浩一郎▽21区 藤田祐司▽23区 石井貴士 ▽25区 真砂太郎
【神奈川】3区 岡本英子▽5区 河野敏久▽7区 山崎誠▽12区 阿部知子 ▽17区 露木順一▽18区 樋高剛
【新潟】1区 内山航
【石川】1区 熊野盛夫
【長野】4区 三浦茂樹▽5区 加藤学
【岐阜】1区 笠原多見子▽2区 橋本勉
【静岡】4区 小林正枝▽6区 日吉雄太▽7区 野末修治
▽8区 太田真平
【愛知】1区 佐藤夕子▽2区 真野哲▽3区 磯浦東▽4区 牧義夫▽5区 前田雄吉 ▽6区 水野智彦▽7区 正木裕美▽8区 増田成美▽9区 井桁亮▽10区 高橋一 ▽12区 都築譲▽13区 小林興起▽14区 鈴木克昌
【京都】4区 豊田潤多郎▽5区 沼田憲男
【大阪】1区 熊田篤嗣▽2区 萩原仁▽6区 村上史好▽7区 渡辺義彦 ▽15区 大谷啓▽17区 辻恵▽18区 中川治
【兵庫】3区 三橋真記▽6区 松崎克彦
【奈良】2区 中村哲治
【広島】1区 菅川洋▽6区 亀井静香
【山口】1区 飯田哲也
【愛媛】2区 友近聡朗
【福岡】2区 小谷学▽4区 古賀敬章▽5区 浜武振一
【長崎】3区 山田正彦▽4区 末次精一
【熊本】2区 福嶋健一郎
【大分】1区 小手川裕市
【宮崎】1区 外山斎
【鹿児島】1区 渡辺信一郎
【沖縄】3区 玉城デニー
2012年6月27日水曜日
虚偽報告書問題
<虚偽報告書問題>検察幹部 組織的関与の否定に追われる
毎日新聞 6月27日(水)22時4分配信
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「田代政弘元検事の捜査報告書は虚偽とは言えない」「上司らが不適切な取り調べを指示したことはない」。小沢一郎元民主党代表が強制起訴された陸山会事件を巡る「虚偽」報告書問題で、最高検は27日、処分内容を公表した。フリージャーナリストも受け入れ2時間余の「説明会」で、検察幹部は組織的な関与の否定に追われた。【山田奈緒、吉住遊】
説明会には林真琴・最高検総務部長ら4人が出席。報告書について「誤解を受けかねないが、意図的な虚偽記載ではない」とし、問題の根幹を「衆院議員の石川知裕被告の供述を維持することに固執した田代元検事の個人の判断」と強調。佐久間達哉・前特捜部長ら上司については「再捜査にあたり、具体的にどういう調べをするのか検事同士に共通の認識がなかった」と田代元検事に対して特別な指示をしていなかったとの認識を示した。
また、11年1月の段階で報告書と実際の取り調べ内容に食い違いがあることを認識していたにもかかわらず、公表しなかった点を問われると「発覚時に調査したが、石川被告の裁判が進行中で影響を与えたくなかった」と釈明した。
一方、元代表の弁護団も同日夕、東京・霞が関で記者会見を開いた。弘中惇一郎弁護士は「田代元検事の弁解をうのみにし、刑事責任を追及せず、懲戒処分も軽い。他人に厳しく自分の組織に寛大で検察の威信を下げた」と批判した。
★田代政弘検事 98年任官。45歳。横浜、甲府地検などを経て05年4月~06年3月と09年4月~11年3月の計3年間、東京地検特捜部に在籍。06年4月から3年間、証券取引等監視委員会にも出向した。「優秀で熱心な『調べ検事』。先輩や部下の信望も厚い」(元同僚)との評もあり、2度目の特捜部時代は主に陸山会事件で小沢一郎・民主党元代表の元秘書、石川知裕衆院議員の取り調べを担当。元代表の関与を認める供述を引き出した。
★捜査報告書問題 小沢一郎・民主党元代表が強制起訴された陸山会事件で、東京地検特捜部(当時)の田代政弘検事が元秘書の石川知裕衆院議員を再聴取した際、実際にはなかったやりとりを捜査報告書に記した問題。石川議員の「隠し録音」で発覚した。報告書は検察審査会に送られ、2度目の起訴議決に影響したとして市民団体が刑事告発、東京地裁も元代表への判決(4月)で検察に調査を求めた。
◇「処分が軽い」石川被告
小沢元代表の元秘書で衆院議員、石川知裕被告(39)は毎日新聞の取材に「田代検事の思い違いはあり得ない」と最高検の調査結果を批判。大阪地検特捜部の証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件と比較し「処分が軽い。田代検事だけに責任を押しつけているからではないか。これではトカゲのしっぽ切りだ」と話した。
また、刑事告発した市民団体は「検察は動かぬ証拠があるにもかかわらず不起訴とし、非常に軽い行政処分のみで終わらせようとしている。容認できるものではなく、強く抗議する」とのコメントを出した。【鈴木一生】
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毎日(自前)
虚偽報告書問題:検察幹部 組織的関与の否定に追われる
毎日新聞 2012年06月27日 22時04分(最終更新 06月27日 22時08分)
「田代政弘元検事の捜査報告書は虚偽とは言えない」「上司らが不適切な取り調べを指示したことはない」。小沢一郎元民主党代表が強制起訴された陸山会事件を巡る「虚偽」報告書問題で、最高検は27日、処分内容を公表した。フリージャーナリストも受け入れ2時間余の「説明会」で、検察幹部は組織的な関与の否定に追われた。【山田奈緒、吉住遊】
説明会には林真琴・最高検総務部長ら4人が出席。報告書について「誤解を受けかねないが、意図的な虚偽記載ではない」とし、問題の根幹を「衆院議員の石川知裕被告の供述を維持することに固執した田代元検事の個人の判断」と強調。佐久間達哉・前特捜部長ら上司については「再捜査にあたり、具体的にどういう調べをするのか検事同士に共通の認識がなかった」と田代元検事に対して特別な指示をしていなかったとの認識を示した。
また、11年1月の段階で報告書と実際の取り調べ内容に食い違いがあることを認識していたにもかかわらず、公表しなかった点を問われると「発覚時に調査したが、石川被告の裁判が進行中で影響を与えたくなかった」と釈明した。
関電株主総会
関西電力(1)「原発いらない!」会場前に反対派が占拠…株主の関心は橋下市長の発言
2012.6.27 09:57 (1/2ページ)[株式・株主]
関西電力の株主総会の会場前で、株主に原発再稼働反対を訴える人たち=27日午前、大阪市北区
関西電力の株主総会が27日午前10時から、大阪市北区の梅田芸術劇場で開かれる。大飯原発3、4号機の再稼働に加え、筆頭株主の大阪市の橋下徹市長が直接会場入りするとあって関心は高く、午前8時ごろから続々と会場に向かう株主たちの姿がみられた。会場前の広場は反原発グループで埋め尽くされ、拡声器で「原発はいらない」などと叫び声を上げるなど騒然とした。
発言ブレてるけど…橋下市長に注目
京都市伏見区から来た無職の男性株主(75)は「原発には反対だけど、夏場の電力供給を考えると運転は仕方ないと思う」。会場に来る予定の橋下市長については「最近の橋下さんは発言がぶれているのが気になる。今日はどうなるのだろう」と話した。
大阪市東淀川区の無職の女性株主(84)は「原発が良いか悪いかなんて神様しかわからないと思う。地震は怖いけど、電気がなければ始まらないでしょ。橋下さんが来ているので興味があって来た」。
大阪市天王寺区の無職の女性株主(44)も「知り合いに株主がいるので、橋下さんを見に代わりに来た」と話した。
会場入りする一般株主からは橋下市長の発言に注目が集まっている。
関西電力(2)静寂のなか総会スタート 混乱前の静けさ
2012.6.27 10:53 [株式・株主]
株主に報告を行う八木誠・関西電力社長=27日午前、大阪市福島区のプレスルームで画面複写(彦野公太朗撮影)
関西電力の定時株主総会が27日午前、大阪市北区の梅田芸術劇場で始まった。株主の大阪、神戸、京都の3政令市は「脱原発」関連の計13議案を提案。大阪市の橋下徹市長らは自ら出席して持論を唱える構えだ。これまで「物言わぬ大株主」だった地元自治体の異変で“大荒れ”の様相も。関電と橋下市長らの攻防に注目が集まる。
《午前9時過ぎから続々と集まる株主。9時58分に会場内の音楽が消され、森詳介会長ら役員が登壇。株主に向かって一礼し、着席する。10時、議長の森会長が発言》
森会長「ただいまから第88回定時株主総会を始めます」
《事務局職員から「議決権888万9868個のうち本日出席者と前日までに行使された議決権が計609万4個。株主総会が成立する」と報告される》
《前面の大型スクリーンで平成23年度の事業報告がビデオ上映された。原子力発電所の稼働率低下、火力発電用の燃料費増加などで連結最終損益が2422億円の大幅赤字だったことが説明されたが、ここまでで役員陣が頭を下げる場面はなかった》
関西電力(3)「原子力は重要」八木社長の発言に拍手とヤジ
2012.6.27 11:44 (1/3ページ)[株式・株主]
株主に報告を行う八木誠・関西電力社長=27日午前、大阪市内のプレスルームで画面複写(彦野公太朗撮影)
《ビデオ上映が終わり、八木誠社長が「対処すべき課題」について報告を始めた》
八木社長「平成23年度は東日本大震災の影響で原発プラントが再稼働できず、過去最大の赤字を計上し、非常事態の1年となりました。この夏の電力需給安定に向けて全力尽くしています。大飯3、4号機の再稼働の判断をいただいたが、節電のご協力をお願いする事態になってしまいました。深くおわび申し上げます」
《一礼した後、報告は続く》
「さまざまな課題が山積し、厳しい状況が続いております。24年度は原発再稼働、電力安定供給に全力を尽くします。足下をしっかり固め、成長軌道への回帰を目指している。社会的要請に対し、全部門をあげて原発の保全計画、東京電力福島第1原発事故を踏まえた安全対策、信頼回復、地震、津波、台風など大規模災害に備える対策も強化します。低炭素社会に向けて、火力、太陽光、風力発電の導入、スマートグリッドの構築に取り組みます。厳しい状況が続きますが、この難局を乗り切るため、新たな期待やニーズを真摯(しんし)にうけとめ、誠実に対応し、使命を果たしたい。株主の皆様におかれましては今後もご指導、ご鞭撻(べんたつ)たまわりたい」
《時折、株主からやじが起きるが、八木社長の報告に会場から拍手が起こる。この後、株主からの事前質問に対する一括回答を開始。まず、八木社長が経営全般について回答した》
八木社長「まずは原子力について。現在、エネルギー源の多様化などの観点から議論が進んでいます。再生可能エネルギー、化石燃料への依存度を高めれば、コストが高く、原子力は引き続き重要なエネルギーだと考えています」
《会場からは、やじが起きるが、八木社長の回答は続く》
「電気料金の値上げは今のところ考えておりません。財務体質が悪化し、安定、安価な提供が難しくなれば、あらゆる対策を講じなければなりません。さらなる効率化、原子力の再稼働に全力を尽くします。再生可能エネルギーについては電力会社間で協力し、さらなる導入を考えています。しかし、エネルギー自給率の向上、導入に伴うコストへの影響についても考えなければなりません」
《ピーク抑制のための需給計画や、環境対策、液化天然ガス(LNG)の輸入問題、役員報酬などについて、八木社長の回答は続く》
「ピーク抑制のための需給計画については、需給調整契約に多く参加していただけるよう、割引幅を拡大しています。環境問題では中長期的に地域の低炭素化を進めています。再生可能エネルギーについては福島第1原発事故の影響で、お客さまからの問い合わせは増えており、営業所を通じて説明しています」
「燃料調達について。わが国では天然資源の埋蔵量が少なく、パイプラインも整備されていません。将来の北米からの輸入について、調達先のひとつとして検討します。役員報酬の総額は事業報告書で開示しています。個別の開示を義務づけられている(1億円以上の)役員はいません」
関西電力(4)「静粛にしてください」激しくなるヤジ 騒然とする会場
2012.6.27 12:27 (1/4ページ)[株式・株主]
関西電力が株主総会=27日午前、大阪市内(モニター画像の複写)
《開会から約1時間が経過、書面による事前質問への回答が続く。経理に関して廣江譲常務が説明に立った》
廣江常務「平成23年度の有利子負債残高は3兆8649億円、支払い利息は513億円。使用済み核燃料は資産として計上していますが、処理方法によって価値が左右されるものです」
《原子力発電所を廃止した場合の財務的影響についての質問も》
廣江常務「原子力発電所設備の帳簿価格は3666億円、解体費総見積もり額は5278億円となっています。原子力発電は引き続き重要と考えており、現時点で廃止する予定はございません。仮に廃止すると、これら帳簿価格や引当金が一時的に費用として発生する可能性があります」
《答弁に会場から拍手が起きた。続いて原発関連の質問について答えるため、豊松秀己副社長が登壇した》
豊松副社長「原子力に関する質問についてお答えいたします。東京電力福島第1原子力発電所の事故により、皆様に大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、同じ原子力を扱う者として重く受け止めております。当社は二度と同じ事故を起こさない固い決意を持ち、緊急対策を直ちに実施してまいりました」
《福島事故について緊張した様子で話した後、大飯原発の安全性について言葉に力を込めた》
豊松副社長「政府においても、大飯3、4号機について福島事故のような地震、津波が起こったとしても、事故対策は整っており、炉心損傷に至らないことが確認されています。当社は規制の枠組みにとらわれず、安全性向上の対策を自主的かつ継続的に進めることが不可欠と考えており、今後も新たな知見への対応、諸外国の動向をふまえた対策を着実に実施してまいります」
《女性のやじが飛び、さらに豊松副社長の声に力が入る》
豊松副社長「6月8日、政府から再稼働のご判断を賜りました。大飯3、4号機が再稼働に準備作業を進めております」
《大飯の安全対策について技術面の説明を続けるが、ヤジはどんどん激しくなる。豊松副社長は大飯原発が加圧水型原子炉で、福島第1原発の沸騰水型原子炉とは違うことを説明》
豊松副社長「漏洩した水素は廃棄設備を用いて滞留することなく排出されるため、爆発しない」
《豊松副社長は、やじに立ち向かうように言い切った。大飯の社員常駐態勢、事故時態勢や現場へのアクセスルートも、陸路だけでなく船やヘリを確保していることを強調。大飯3、4号機は中央制御室の会議室において十分な広さ、耐震性、津波回避できる高さ、空調設備を備えているとした》
豊松副社長「事故時の対応に問題はありません。免震事務棟を着実に実行します。運転期間については、技術的に運転開始後60年の長期的安定運転が可能であることを確認しており、この内容は国にも審査、了承を得ております。しかしながら、美浜1号機および今後、40年を超える原子力プラントの運転については原子力規制法の改正をふまえ対応します」
《説明から約10分、会場が騒然とする中、議長が「静かにお聞きください」とヤジをいさめた》
豊松副社長「耐震安全性に関しては『止める』『冷やす』『放射能物質を閉じこめる』ため、万全の地震対策を行っています。耐震向上にも自主的に取り組んでいます。活断層の連動も想定したうえで、耐震安全性を評価しています」
《話が高速増殖炉に及ぶと、ヤジもヒートアップして会場が混乱している様子。議長「静粛にしてください」とおさめる。豊松副社長の約15分の答弁が終わると、会場は大きな拍手が起こった》
関西電力(5)「原発に依存しないエネルギーの構築が求められる」神戸市長迫る
2012.6.27 12:46 (1/3ページ)[株式・株主]
株主に報告を行う八木誠・関西電力社長=27日午前、大阪市内のプレスルームで画面複写(彦野公太朗撮影)
《午前11時現在、昨年の1・6倍にあたる3673人が会場に詰めかけた。多くの株主のお目当ては筆頭株主である大阪市の橋下徹市長だ》
森詳介会長「ご出席の皆様の質問をおうかがいします。質問は簡潔に3分以内でお願いします。質問は原則1問、最大2問とします」
《「はい」という声が会場内のあちこちから聞こえる》
女性株主「去年、東京電力福島第1原発で想定外の事故が起きました。大飯原発における想定外の事故はどんなことなのか。いま原発を動かすのは危ない」
豊松秀己副社長「若狭湾には(太平洋側にあるような)海溝型プレートがなく、想定される津波は2~3メートルと考えています。関電では福島と同じような津波、そこからプラス9メートルほどの津波を想定して安全対策を進めています。再稼働の判断について、昨年7月に国によるストレステスト(耐性検査)導入が決まって以降、外部有識者による検討の結果、追加の安全対策を含め福島と同じ津波が来ても安全上問題がないとされました。福島での知見を踏まえ、さらなる安全対策30項目について、法制化を先取りするかたちで対応を進めています。福井県、おおい町の了解の下、安全性の確保を踏まえた上で再稼働を判断しています」
《場内から拍手が起こる》
森会長「続いて新聞を持った男性株主、どうぞ」
《男性がマイクを持つ。神戸市の矢田立郎市長だ》
矢田市長「この総会では大阪、京都両市と一部共闘しながら6つの議案を提案しています。質問は2つ。原発事故が起きれば広範囲に影響が出ます。再生可能エネルギーなど多様な代替電源を確保し、原発に依存しないエネルギー体系の構築が求められています。御社には経営の透明化、市民への説明責任を図り、日々の安心安全の確保と電力の安定供給をお願いしたい」
「質問ですが、原発の依存度低減、エネルギーミックスのあり方が国から示されていますが、関電においても原発依存度の引き下げ、代替電源確保に関するロードマップの作成が必要となります。そして、その作成には市民の理解が求められます。どうやって取り組むかを伺いたい」
八木誠社長「エネルギーミックスについて、現在、国の国家戦略室エネルギー環境会議で議論が進められています。経済性、地球温暖化への対応などから多様なエネルギー源の導入が議論されています。関電でも火力発電所の高効率化、原発の安全性の確保など多様なエネルギー源に向けた導入を考えています。そして自治体からの理解や協力は不可欠。再生可能エネルギーの導入、スマートコミュニティー導入にも自治体や市民の皆様とも連携を深めることは重要です」
関西電力(6)橋下徹市長ほえる「関電はこのままではつぶれる」
2012.6.27 12:59 (1/4ページ)[株式・株主]
関西電力の株主総会で発言し、会場を出る大阪市の橋下徹市長=27日午前、大阪市北区
《矢田立郎・神戸市長の質問に対する関電側の回答が終わった》
森詳介会長「次に発言を求めます。2階席の男性の方どうぞ」
《大阪市の橋下徹市長だ》
橋下市長「大阪市長の橋下です。関電はこのままではつぶれると危惧(きぐ)しています」
《拍手が場内に響き渡る》
橋下市長「(関電は)衰退産業が歩んだ道を歩んでいます。関電経営陣は経営上の将来リスクに関する株主への説明が不十分。2つについて質問しますが、細かな事実に積み重ねてうかがいます」
「核燃料サイクル、核燃料の再処理事業は今後も継続するのですか。中間貯蔵施設は増設するのですか。高放射性廃棄物の最終処分地はいつまでに作るのですか。このような状況で関電管内の使用済み核燃料をいつまでもたせるのですか」
「将来の経営上のリスクについてうかがいます。家庭用電力の自由化は2年後ですか。発送電分離は実現するのですのか。原発について、国際標準の安全基準が議論されていますが、コスト上昇分はいくらなのでしょうか。国は発電電力量に占める原子力依存度を15%と打ち出すつもりですが、関電として何%を想定しているのですか。2030年の時点で関電の原発依存度は何%なのですか。そして、原発は何基止まれば赤字になるのですか。これから…」
《一気にまくし立てる橋下市長》
森会長「3分を超過しています」
橋下市長「あと少し。政権が変わりエネルギー政策が変わり、依存度がゼロになったとき、関電はどう対応するのですか」
《「早く質問を終わらせろ」などの怒号が出始める》
橋下市長「今は転換点。そのリスクを念頭に置いて新たなエネルギー供給体制を築いてください」
《質問を終えた市長。会場から大きな拍手を浴びる》
白井良平常務「わが国はエネルギー自給率が低いため、さまざまなリスクがあります。原子燃料サイクルは安定供給のためには重要と考えています。6月21日に国の会議で、全量処分再処理などの選択肢が示されましたが、使用済み核燃料を再処理し、原子燃料サイクルが必要とされています。日本原子力発電は安全と品質確保を最優先し、再処理工場稼働開始に向け試験を進めています」
「中間貯蔵について、当面は利用可能となる範囲で再処理を行い、それ以上は中間貯蔵するとしています。ただ、関電として中間貯蔵施設について具体的に話できる段階ではありません。最終処分の実施を円滑に実施のために国民の理解強力が不可欠です」
《再び怒号が大きくなる》
岩根茂樹副社長「まず家庭向け電力の自由化について、小売りの自由化を全顧客に拡大する場合、電力の安定供給の確保、公益性を確保しないとお客さまの利益が損なわれる可能性もあります。制度設計にあたっては検討が必要と考えています」
「発送電分離は国の審議会で検討されています。広域的な視点が重要と考えており、逼迫(ひっぱく)時には協調し合って融通するようにしています。公平なネットワークの構築が議論の目的と思われる一方、これまで発送電一体で効率的な運営がなされたこともあり、目的と手段とをしっかり分けて議論していきたい」
「将来的な原発比率ですが、大事なのは安全の確保と長期的なセキュリティーの確保。すべての課題を克服しながら安定で安価な電気を提供するといった観点から検討していきます。現時点で何%が適正かは言えません。原子力が何基止まれば、赤字が解消するかについて、平成23年度は原子力の利用率が38%程度でしたが、その前年は80%あり、利用率半減で代替火力の燃料調達費など5千億円のコスト増となりました。今後、原発の稼働がなければさらに4千億円コストが増えます。すべての原発が止まれば9千億円のコスト増となり、原発の再稼働がなければ継続的な経営が難しいと思っています。関西に電気を安価に提供することで企業価値を高めていきたい」
《会場から拍手が起こる》
関西電力(7)株主「原発ゼロ考えられぬ」、関電副社長「安住することなく安全向上」
2012.6.27 13:13 (1/3ページ)[株式・株主]
関西電力が株主総会=27日午前、大阪市内(モニター画像の複写)
《大阪市の橋下徹市長への答弁が終わった後、聞き取れないほど騒がしいやじが飛ぶ。そんな中で、株主と経営陣の質疑応答が続いた》
男性株主「原発については、客観的な情報を広く知らせるのが重要だ。ベトナム、トルコは日本の原発技術を高く評価しているが、国内では原発に対するヒステリーが蔓延(まんえん)している。22世紀には化石燃料が使えなくなる。そういう中で、原発ゼロというのは考えられない」
岩根茂樹常務「資源の乏しいわが国では、電源のベスト構成が重要。すべての電源に長所があり、課題もあります。長所を生かして検討するのが重要です。化石燃料は価格が高く、CO2(二酸化炭素)の排出量が多い。再生エネルギーもコストがかかる。原子力は安全性向上が必要。それぞれの強み生かし、ベストミックスで考える必要があります」
《この後、京都市の門川大作市長が発言。3つの提言を行った》
「第1に持続可能な電力供給体制構築のため、脱原発依存を明確に経営方針に記してほしい。第2に分散電源、省エネ、創エネのための環境作り。3点目は発送電分離です。関電はこれまで関西の市民生活と産業の発展に尽力してきたが、福島第1原発事故を教訓とした転換が必要だ」
《森会長は「貴重なご意見としていただきます」と応じ、株主からの質問を受け付けた》
男性株主「先ほど豊松(秀己)副社長が縷々(るる)と述べられたが、今までの安全神話から一歩も出ていない。原発大国フランスでは過酷事故のためにフィルターベントを設置している。こうした中で大飯再稼働に着手したのは世界では通用しない。鴨長明の『方丈記』が記された800年前、琵琶湖では大津波が起きた。そういうことについて、それを検討したのか」
豊松副社長「福島第1原発と同じレベルの事故が起きても炉心損傷しないのかが重要なポイント。そこに安住することなく、安全向上に取り組んでおります。シビアアクシデントも着々と進めております。フィルターベントは、米国の加圧式軽水炉では不要としているが、われわれは採用します。前倒しで対策を立てております」
橋本徳昭常務「耐震に対応するため、周辺の活断層や過去の地震は徹底的に調べています。地震、津波を検討していないわけではありません」
《株主からの質問は、社外取締役の選任についても及んだ》
男性株主「大阪府市特別参与を務める村上憲郎氏の社外取締役の選任するとの株主提案を取締役会が反対しているが、その理由は」
八嶋康博常務「村上氏は大飯原発3、4号機の再稼働に反対している立場。原子力の停止を求める方が取締役に就任したら、株主様の利益に反すると判断しました」
関西電力(8)会場騒然!議長不信任動議を提案
2012.6.27 13:52 (1/5ページ)[株式・株主]
株主に報告を行う八木誠・関西電力社長=27日午前、大阪市内のプレスルームで画面複写(彦野公太朗撮影)
《株主質問が続く。議長の挙手を促す声に「はーい」「おーい」と声が上がり、会場ではうちわやノートを手に、盛んに手が上がる》
女性株主「大飯原発の破砕帯調査に関してですが、すぐできるはずのトレンチ調査さえしないのですか。安全対策をしてから動かすというなら、石橋をたたいてたたいて、それくらいしないと原発再稼働はしないでほしいです。質問に関しては具体的に回答を。橋下徹市長への回答も具体的ではありませんでした。事故や津波が起きたとき、橋が落ちたとき、どのように現場に行くのですか。それと…」
議長「質問は2問にしてください」
女性株主「では、意見を言います。福島事故の調査結果が完全には出ていないのに、原因を結論づけるのはおかしいです。それについてお答えください」
議長「ただいまのご発言は意見として承ります。質問は2問までと申し上げました」
《「2問なんていっていた?」と女性株主は不服そうだが、答弁が始まった》
橋本徳昭常務「大飯3、4号機の調査ですが、私どもは徹底した調査をした上で先生方にみていただいたわけです。これは当時の新聞記事でも『審議会では活断層問題でしっかりとした議論が行われた』と高い評価もされています。私どもはこれ以上の調査をする必要はないと考えております」
豊松秀己副社長「発電所のアクセスについてご説明いたします。事故が起きた場合、別の陸路がございます。まず第一は、54人が現地に常駐しており、対策は十分です。あとの人員は橋が落ちても他のヘリや船のルートで向かうなど万全の対策をとっています」
《議長が第2会場に質問を振った》
男性株主「原子力損害賠償支援機構法について、関電はいくら費用負担しているのでしょうか。福島事故は東電と国の責任なのに、なぜ関電が費用負担するのですか」
岩根茂樹副社長「原子力損害賠償支援機構について、機構法は被災者への迅速かつ適切な賠償を行うものです。電気の安定供給や原子炉の運転など円滑な運営に資すること、将来にわたり原子力損害賠償の支払いに対応できる相互扶助スキームで、一定の合理性はございます。当社は23年度に157億円を支払っております。今後、国との役割分担は機構法が成立してから見直しをすすめていくということでございます」
《議長が質問をあと2人受け付ける、と宣言した》
男性株主「社外取締役の選任についてですが、その基準は? 井上礼之さんは9年任期を続けています。玉越良介さんは融資をしている金融機関の担当者です。株主の利益と金融機関の利益は対立します。独立性の観点から適切ではないのではないですか。また、日本生命との取引関係は? 白紙で議決権行使するのは日本の資本主義にとって問題ではないかと思います」
八嶋康博常務「役員の選任にあたりましては、年齢、就任年数、特定の企業という画一的基準で選んでいるわけではありません。総合的に勘案し、提案しています。それぞれ経営者としての経験や識見を当社経営に生かしていただくため、候補者とした次第です。玉越取締役は融資関係にある三菱東京UFJ銀行の関係者ですが、借入額全体が大きな割合を占めるものでなく、当社営業に影響を与える重要な関係はなく、特別な関係には当たらないと考えています」
廣江譲常務「日本生命は重要な融資先です。これからも引き続きしっかりと取引を願いたいと考えています。委任状については、複数の株主からいただいておりますが、個別の議決権行使にかかわる事項になるので、ここでの回答は差し控えたいと思います」
男性株主「議長解任の動議をしたいと思います。社外取締役の案件は議案の時に討議されるべきです。それなのに質問を2人に限っています。そうでないですか、みなさん。だから議長不信任動議です」
《会場から一部拍手が起きる》
議長「ただいま、株主から議長不信任の動議が提出されました。私としては心外ではございますが、一応採決を行います」
《反対多数で動議は否決されたが、会場はざわめいた状態が続く。議長は「静かにしてください」としきりにいさめ、関電側関係者が「これは株主総会ですよ、退場、退場」と声を張り上げる》
男性株主「原子力の安全対策について、新聞やテレビでもっと広報してほしい。これを聞いたら国民は関電を信用すると思います」
八嶋常務「震災をふまえた原子力の対策について、随時記者会見をひらいたり、ホームページなど丁寧な説明に努めて参りたい。社会の皆様によりご安心いただける広報に努めて参りたいと思います」
《12時46分、議長が質疑を打ち切り、議案の審議に移った》
関西電力(9)「関電の皆さん、悪徳商売やめて」福島の女性株主辛辣提案
2012.6.27 14:02 (1/4ページ)[株式・株主]
株主に報告を行う八木誠・関西電力社長=27日午前、大阪市福島区のプレスルームで画面複写(彦野公太朗撮影)
《議長の森詳介会長が発言する》
「質疑が十分尽くされましたので、議案審議に移りたいと思います。いかがでしょうか」
《会場から拍手が起こる》
森会長「賛成多数と認められましたので、議案審議に移ります」
《「おい、勝手にとめるな」のヤジが飛ぶ中、森会長は会社から2議案、株主から28議案、計30議案について、関連性のある議案の一括審議を提案し、拍手多数で認められる》
森会長「まず、会社側の1号議案と株主さまからの12号議案を一括審議します。1号議案は剰余金の処分案です。安定的な配当の維持、財務体質の健全性確保を前提として、配当金は1株あたり30円としたい。一方、株主さま提案の12号議案は、配当金を会社提案より10円高くするというものです。取締役会としては、配当維持のためには1号議案の剰余金処分案が最適と考えており、12号議案には反対します」
《森会長は、12号議案の提案者に趣旨説明を求める》
女性株主「福島から参りました」
《会場から拍手》
「元中学校教師で定年退職して10年目です。原発の危険さ、安全神話のうそを30年前から知っていましたが、昨年3月11日、恐れていたことが現実になった。子供たちに申し訳ない気持ちでいっぱいです。一時帰宅した被災者が、命を絶ったという新聞記事も載っています。甘い汁を吸っている原子力村の皆さん。関電の皆さん、悪徳商売はやめてください。私たちはふるさとを失った。第2、第3の福島をつくらないでください」
森会長「それでは、1号議案と12号議案の採決をお願いします。賛成の人は挙手をお願いします」
《拍手はぱらぱら》
森会長「反対の人は挙手をお願いします」
《拍手多数》
森会長「反対多数で否決されました。次に1号議案の採決を行います」
《拍手多数》
森会長「賛成多数で可決されました」
《続いて、森会長は、定款変更を求める株主提案の5号、27号議案を提案。5号議案は取締役を12人以内、27号議案は同10人以内とする内容》
森会長「取締役会は両議案とも反対であります。それでは、提案者は趣旨説明を3分以内でお願いします」
男性株主「株主総会の招集通知では、5号議案に対する取締役会の意見として、多岐にわたる課題に対処するため、議案に反対すると書かれているが、まったく課題に対応できておらず間違っている。社会のニーズにこたえているのか。まったく逆だ。株主であることを情けなく思う。関電の取締役の報酬額は4千万円から5千万円。これでは従業員と労働者に犠牲を求める態度なので、経営陣の削減を強く求めます」
《続いて、27号議案を提案した大阪市の代理人弁護士が趣旨を説明する》
弁護士(男性)「取締役会は招集通知に書かれた反対理由で『原子力発電の自主的かつ継続的な安全性向上のため』としているが、あきれる。現経営陣は無用。関電の役員報酬は日本一高いといわれ、東京電力より高いといわれています。関電の取締役は東電の半分程度で十分。取締役の削減に踏み切ってもらいたい。自ら身を切る覚悟なくして、どうするのでしょうか」
《ここで、5、27号議案が一括審議され、ともに賛成の拍手は少数》
森会長「反対多数で、否決が確定しました」
関西電力(10)社長解任、大阪市提案の社外取締役人事案 反対多数で否決
2012.6.27 14:48 (1/4ページ)[株式・株主]
関西電力が株主総会=27日午前、大阪市内(モニター画像の複写)
《午後1時を回ると、会場の株主から「動議」の声が響く》
男性株主「長丁場なのでこのへんで食事休憩はいかがでしょう」
《緊張した空気が和み、拍手と笑い声が起きる》
森詳介会長「議事運営に関わるため、動議としては取り上げないことにします」
《大阪市が提案した議案の審議に入り、同市の代理人である男性弁護士が、取締役の人事などについて発言する》
男性弁護士「関電は当社の取締役としてふさわしい能力や経験などを勘案しているから問題ないと言いますが、今のままでは国民のための必要なエネルギー政策の展開が出来ません。さらに就職の世話などを持ちかけて、反対派を取り込み、切り崩すことも行われてきました。官民癒着をここで止めないといけない。関電は役所から人材をもらわないとやっていけないのでしょうか。このままでは関電の体質がおかしくなります。これを阻止するには厳しい人事のルールが必要だと思います」
森会長「左側のブロックで紙を上げる株主様、発言をどうぞ」
男性株主「この提案、大賛成です。天下りがこれだけ言われているのに関電はまだやっている。ぜひ株主の皆さん、賛成してほしい。ところで議長、総会での議決についてだが、本当に賛成多数なのか。最後の1個の数まで言えとは言わないが、どの程度の賛成多数かをはっきりさせてほしい。大株主もきているのだから、それくらい説明がほしい」
森会長「ご意見として承ります」
《「採決」「議事進行」という男性の声が響く》
森会長「採決に移ります。この議案に賛成の方、挙手をお願いします。
《「おら」などの怒号が飛ぶ》
森会長「反対の方、挙手をお願いします」
「反対多数により否決されたこととします。続いて八木誠社長の取締役解任の議案について、趣旨説明をお願いします」
男性株主「福島の原発事故の原因は明確には分からない。調べようにも調べられない、これが実態です。放射能が出続けています。原発事故はそういうものです。どうして福島と同じ事故が起きないと言えるのでしょうか。電力不足を理由に再稼働を強弁するのは原発サギだ。詐欺師を取締役に置くことは許されません。これまでは運が良かっただけです。ギャンブルだ。福島の事故で原発事故はもはや仮定のものではなくなった。再稼働にあたっては責任の所在を明確にするのは当然だと考えます」
森会長「それでは採決を行います。賛成の方の挙手をお願いします」
《しんと静まりかえる》
森会長「反対の方の挙手をお願いします」
《場内から「はーい」の声が聞える》
森会長「反対多数のため否決されたとします」
《続いて会社提案の取締役選任案が審議される。森議長が予定者を読み上げられ、賛成多数で可決された。再び大阪市の代理人である男性弁護士が大阪府、大阪市の特別参与である村上憲郎氏を社外取締役に選任するよう求める提案の趣旨説明を行う》
男性弁護士「村上氏は大阪府、大阪市のエネルギー戦略会議の委員で高い見識と経験を持っています。この人(の取締役選任)に対して関西電力は拒否回答しています。大阪市も過去には天下りをやっていました。遺憾だと思います。市のOBを関電の役員に入らせていました。橋下徹市長はそれをやめました。その代わりに(見識を持った)ちゃんとした人ということで推薦しています。取締役会がなぜ拒否しているのかというと、脱原発という会社にとって不利な意見を持つ人を入れたくないという排外的な理由です。そこに原子力は絶対やると言う鉄の意志が感じられます」
森会長「3分を超過しています」
男性弁護士「大飯再稼働を見切り発車して、事故が起きた場合どうするのか。皆さんの賛同をお願いしたいと思います」
森会長「採決します。反対の方の挙手をお願いします。反対多数で否決しました」
《この後も議案の審議が続く》
2012年6月20日水曜日
核のごみ 地層処分ムリ
核のごみ 地層処分ムリ 日本学術会議でも解決見えず
2012年6月18日 07時04分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012061890070441.html
原発から出る核廃棄物の処分場はいまだに受け入れ先が白紙だ。原子力委員会の依頼で、日本学術会議(会長・大西隆東大大学院教授)が解決の糸口を探るため二年前に議論を開始。だが今月上旬に出した結論は、地下深くに埋める現行の処分方針では安全性の確保も受け入れ先を見つけるのも難しく、方針転換が必要との内容で、一から考え直すことを提起した。近く報告書をまとめるが、将来に負の遺産をつけ回す原発の最大の問題点があらためて浮かんだ。 (榊原智康)
毎時一五〇〇シーベルト(一五〇万ミリシーベルト)と人がわずか二十秒で死に至る放射線を放つ高レベル放射性廃棄物は、処分がやっかいだ。国は二〇〇〇年に関連法を制定し、廃棄物をガラスで固め、地下三百メートル以上の地層に埋める「地層処分」方式を採用した。しかし、処分場の受け入れ先はまったくめどが立っていない。
何とか打開策を見いだそうとした原子力委は一〇年、学術会議に知恵を出してもらうよう頼んだ。
「研究者の国会」とも呼ばれる日本学術会議は、人文、社会、自然科学などの研究団体から選ばれた会員でつくる。今回の「核のごみ」問題では、原子力工学や地質学、歴史、社会、経済などさまざまな分野の研究者で検討委を組織し、議論を続けてきた。
核のごみの放射線レベルが十分に下がるまでには約十万年という想像もできないような時間がかかる。
日本はもともと地震や火山活動が活発なことに加え、議論を始めた後、東日本大震災が発生し地殻変動も活発化している。
検討委は、そんな現実の中で、十万年間安全だと説明しても住民の理解は得られないとみて、地層処分からの方針転換を議論。五十~数百年にわたって暫定的に貯蔵し、その間に抜本的な解決策を探る、と先送りの案も浮上した。
「将来世代にごみを送り続けるのは現代人のエゴだ」「未来の人類の知恵にすがらなければ、最終的な決定ができないとわれわれの限界を認めなければならない」
今月七日の検討委でもさまざまな意見が出た。結局、一致したのは、地層処分では住民理解は進まず、行き詰まりは解消されない-ということだった。
検討委は八月下旬にも報告書をまとめ、原子力委に提出する予定。検討委員長の今田高俊東京工業大教授(社会システム論)は「脱原発を進めても核のごみ問題の議論は避けられない。われわれの検討結果が、国民的な議論を呼び起こすことを期待している」と話している。
(東京新聞)
2012年6月15日金曜日
小沢一郎「妻からの「離縁状」全文
小沢一郎「妻からの「離縁状」全文 週刊文春6月21日号
「愛人」「隠し子」も綴られた便箋11枚の衝撃 (ジャーナリスト松田賢弥+本誌取材班)
政局が俄かに緊迫してきた---。野田首相が政治生命を懸ける消費増税法案の採決が迫り、小沢グループの動向が最大の焦点となっている。そんな中、小誌は政治姿勢に決定的な疑問符を突きつける文書を入手した。和子夫人が支援者に宛てた悲痛な手紙を公開する!
まだ強い余震がある中、お変わりございませんか。
この度の大震災ではさぞご苦労があったと思います。ご家族・ご親類はご無事でいらっしゃったでしょうか。何のお手伝いもできず申し訳ありません。被害の余りの大きさに胸がつぶれる思いです。長年お世話になった方々のご不幸を知り、何もできない自分を情けなく思っています。
このような未曾有の大災害にあって本来、政治家が真っ先に立ち上がらなければならない筈ですが、実は小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げだしました。岩手で長年お世話になった方々が一番苦しい時に見捨てて逃げだした小沢を見て、岩手や日本の為になる人間ではないとわかり離婚いたしました。お礼の手紙にこのようなことを申し上げるのは大変申し訳なくショックを受けられると思いますが、いずれお話しなければと思っていましたのでこの手紙を差し上げました。お聞き苦しいと思いますが今迄のことを申し上げます。
八年前小沢の隠し子の存在が明らかになりました。●●●●●といい、もう二十才をすぎました。三年つきあった女性との間の子で、その人が別の人と結婚するから引きとれといわれたそうです。それで私との結婚前からつき合っていた●●●●という女性に一生毎月金銭を払う約束で養子にさせたということです。小沢が言うには、この●●●●という人と結婚するつもりだったが水商売の女は選挙に向かないと反対され、誰でもいいから金のある女と結婚することにしたところが、たまたま田中角栄先生が紹介したから私と結婚したというのです。そして「どうせ、お前も地位が欲しかっただけだろう」と言い、謝るどころか「お前に選挙を手つだってもらった覚えはない。何もしていないのにうぬぼれるな」と言われました。あげく「あいつ(●●●●)とは別れられないが、お前となら別れられるからいつでも離婚してやる」とまで言われました。
その言葉で、三十年間皆様に支えられ頑張ってきたという自負心が粉々になり、一時は自殺まで考えました。息子達に支えられ何とか現在やってきましたが、今でも、悔しさと空しさに心が乱れることがあります。
お世話になった方々に申し訳なく、又、説明もできず、もしお会いしてやさしい言葉をかけていたゞいたら、自分が抑えられず涙が止まらなくなるのがわかり岩手に帰れなくなりました。選挙の時には、皆さんがご苦労されているのに、どうしても「小沢をお願いします」とは言えず、申し訳なさに歯をくいしばって耐えていました。
隠し子がわかって以来、別棟を建てて別居しています。SPさんや秘書の手前、料理や洗濯は変わらずやっていました。用事の時は、小沢は私に直接言わず、秘書が出入りしていました。
それでも離婚しなかったのは、小沢が政治家としていざという時には、郷里と日本の為に役立つかもしれないのに、私が水をさすようなことをしていいのかという思いがあり、私自身が我慢すればと、ずっと耐えてきました。
「なんですぐ岩手に帰らないのか!」
ところが三月十一日、大震災の後、小沢の行動を見て岩手、国の為になるどころか害になることがはっきりわかりました。
三月十一日、あの大震災の中で、お世話になった方々の無事もわからず、岩手にいたら何かできることがあったのではと何一つできない自分が情けなく仕方がありませんでした。
そんな中、三月十六日の朝、北上出身の第一秘書の川辺が私の所へ来て、「内々の放射能の情報を得たので、先生の命令で秘書たちを逃がしました。私の家族も既に大阪に逃がしました」と胸をはって言うのです。
あげく、「先生も逃げますので、奥さんも息子さん達もどこか逃げる所を考えてください」と言うのです。
福島ですら原発周辺のみの避難勧告しかでていないのに、政治家が東京から真っ先に逃げるというのです。私は仰天して「国会議員が真っ先に逃げてどうするの!なんですぐ岩手に帰らないのか!内々の情報があるならなぜ国民に知らせないか」と聞きました。
川辺が言うには、岩手に行かないのは知事から来るなと言われてからで、国民に知らせないのは大混乱を起こすからだというのです。
国民の生命を守る筈の国会議員が国民を見捨てて放射能怖さに逃げるというのです。何十年もお世話になっている地元を見捨てて逃げるというのです。
私は激怒して「私は逃げません。政治家が真っ先に逃げ出すとは何事ですか」と怒鳴りました。川辺はあわてて男達は逃げませんと言いつくろい、小沢に報告に行きました。
小沢は「じゃあしょうがない。食糧の備蓄はあるから、塩を買い占めるように」と言って書生に買いに行かせました。その後は家に鍵をかけて閉じこもり全く外に出なくなりました。復興法案の審議にも出ていません。女性秘書達と川辺の家族は一ヶ月余り戻ってきませんでした。二日遅れで届いた岩手日日には三月十五日国会議員六人が県庁に行き、知事と会談したとありました。
彼らに一緒に岩手に行こうと誘われても党員資格停止処分を理由に断っていたこともわかりました。知事に止められたのではなく放射能がこわくて行かなかったのです。
三月二十一日「東京の水道は汚染されているので料理は買った水でやって下さい」と書生が言いに来ました。しかしそのような情報は一切発表されていませんでしたので、私が「他の人と同じ様に水道水を使います」と言いましたら、それなら先生のご飯は僕達で作りますと断ってきました。
それ以来、書生達が料理をし、洗濯まで買った水でやろうとしていました。東京都が乳幼児にはなるべく水道水を避けるようにと指示したのはその二日後です。すぐにそれは解除になりました。
三月二十五日になってついに小沢は耐えられなくなったようで旅行カバンを持ってどこかに逃げだしました。去年、京都の土地を探していたようですのでそこに逃げたのかもしれません。
その直後、テレビやマスコミが小沢はどこに行った?こんな時に何をしているかと騒ぎだし、自宅前にテレビカメラが三、四台置かれ、二十人位のマスコミが押しかけました。それで、あわてて避難先から三月二十八日に岩手県庁に行ったのです。ご存知のように被災地には行ってません。四月に入ってからも家に閉じこもり連日、夜岩手議員を集めて酒を飲みながら菅内閣打倒計画をたて始めました。菅さんが放射能の情報を隠していると思ったらしく相談を始めました。自衛隊幹部や文科省の役人に情報収集をしたようですが、発表以外の事実は得られず、それなら菅内閣を倒し、誰でもいいから首相にすえて情報を入手しようと考えたようです。この結果、不信任決議がだされ政治が停滞したことはご存知と思います。
この大震災の中にあって何ら復興の手助けもせず、放射能の情報だけが欲しいというのです。
本当に情けなく強い憤りを感じておりました。実は小沢は、数年前から京都から出馬したいと言い出しており後援会にまで相談していました。
もう岩手のことは頭になかったのでしょう。
放射能をおそれて魚や野菜を捨てた
こんな人間を後援会の皆さんにお願いしていたのかと思うと申し訳なく恥づかしく思っています。
更に五月には長野の別荘地に土地を買い設計図を書いています。
多くの方々が大切なご家族を失い何もかも流され仮設住宅すら充分でなく不自由な避難生活を送られている時に、何ら痛痒を感じず、自分の為の避難場所の設計をしています。●●●という建設会社の話ではオフィス0という会社名義で土地を買い、秘書の仲里が担当しているということでした。
天皇・皇后両陛下が岩手に入られた日には、千葉に風評被害の視察と称し釣りに出かけました。
千葉の漁協で風評がひどいと陳情を受けると「放射能はどんどんひどくなる」と発言し、釣りを中止し、漁協からもらった魚も捨てさせたそうです。風評で苦しむ産地から届いた野菜も放射能をおそれて鳥の餌にする他は捨てたそうです。
かつてない国難の中で放射能が怖いと逃げたあげく、お世話になった方々のご不幸を悼む気も、郷土の復興を手助けする気もなく、自分の保身の為に国政を動かそうとするこんな男を国政に送る手伝いをしてきたことを深く恥じています。
長い間お世話になった皆さんにご恩返しができないかと考えています。せめて離婚の慰謝料を受け取ったら岩手に義捐金として送るつもりです。今岩手で頑張っている方々がすばらしい岩手を作ってくれることを信じています。
ご一家には、本当に長い間お励ましお支えを頂きましたこと心から感謝しております。ありがとうございました。
七月には別のところに住所を移しました。
ご一家のご多幸を心より祈り上げております。
小澤和子
(注・受取人が特定される記述は一部省略。伏せ字は原文では実名である)
和子夫人の手紙を支援者はどう読んだか 松田賢弥
「この手紙が表に出たら、小沢一郎はもう終わりだ」
この五月、私は「和子の手紙」を求めて、数週間、小沢の地元・水沢(現岩手県奥州市)を歩き続けた。
年初から永田町では、「小沢一郎がすでに離婚したらしい」とか、「奥さんが離婚したと手紙にしたため、後援会幹部らに送ったらしい」などと囁かれていた。だがいずれも真偽不明の断片的な情報だった。私も一月以降、手紙を求めて取材を始めたが、多くの支援者や後援会関係者は、「そんなものはもらっていない」と頑なに否定するばかりで、真相はわからなかった。
そもそも、二人の結婚は、小沢の師・田中角栄が仲介したものだ。角栄の後援会「越山会」の大幹部だった新潟の建設会社「福田組」の社長・福田正(故人)の長女・和子を角栄が秘蔵っ子に娶らせた、いわば政略結婚である。しかも二人の間には三十代の三人の息子がいて、積み重ねた四十年近くの歳月がある。七十歳の小沢と六十七歳の和子が今さら離婚するなど、にわかには信じ難い話だった。
一方で、今年三月に新たな事実も明らかになった。私は本誌三月二十九日号で、「小沢一郎『完全別居』次男と暮らす和子夫人を直撃!」と題した記事を寄稿した。和子は小沢邸から徒歩三分ほどの秘書寮に次男と暮らし、自分宛の宅配便や手紙も、すべて秘書寮に届くように手配していた。その光景は、夫婦間に大きな異変が起きた事を物語っていた。
そしてこの五月、「この人なら手紙を受け取っているのではないか」と思われる長年の支援者らを、再び私は訪ね始めたのだった。
ある三十年来の支援者の家を訪ねたときのことだ。
玄関口で訝しげな顔をする支援者に、私が三月に小沢夫妻の別居を報じたこと、四月末には本誌(五月三日・十日号)で「小沢一郎に隠し子がいた!」と題し、今や二十一歳になる小沢の隠し子について報じたことなどを告げると、こう語りだした。
「あぁ、あの記事は読んだ。間違ったごどは書いてないよな」
そう言い、私を居間に招き入れた。率直に「和子さんからの手紙は来てないですか」と尋ねる私に、その人はこちらの目を見据えながら、間を置いてポツリポツリと語るのだった。
和子に泣きながら電話した
「来たよ。去年の十一月だ。長い手紙でなぁ。小沢が被災地に行かないごとに和子さんが怒ったとか、小沢が放射能を怖れて『東京から逃げろ』『水飲むな』と言ったことが情けないと思った、ど書いであっだ」
さらに、こう続けた。
「私は手紙の内容に仰天して、和子さんに泣きながら電話したんだ。『一郎でない。和子さんがいるがらごそ、(小沢の支援を)やってきたんだ』と伝えだんだ。和子さんは『息子たちは私についているから。息子たちが、別居したら、と言ってくれたの』と話していだ。
和子さんは昔から演説がヘタでなぁ。いつもまわりから怒鳴られでいだ。それでも一生懸命だった。演説の帰りに、『息子たちが楽しみにしているから』と三人分の線香花火を買っていった姿が忘れられねぇ・・・」
やはり手紙は実在したのだ。私は驚愕し、何度も「手紙を見せてほしい」と頼んだ。だがその人は、現物を見せる事を頑なに拒んだ。その理由として、冒頭の台詞を語ったのだった。
別の支援者を夜遅くに訪ねると、その人は門扉の前で言葉少なにこう語った。
「和子さんからの手紙は確かに来ました。小沢が被災地へ行かないことへの不満の他に、『離婚』と書いてあった。手紙を読んで、和子さんと電話で話をしました。『水沢に来たら』声をかけたけど、『ありがとう』としか言わなかった。一郎が和子さんを、これほど苦しめていたとはな・・・。私はもう、一郎からは離れました」
私はさらに別の支援者を何度も訪ねた。何度目の訪問だったか、早朝に訪ねると、その支援者は意を決したのか淡々と語りだした。
「和子さんの手紙は去年の十一月の初め頃に来た。『離婚しました』とあった。原因は、あなたが隠し子の記事で書かれていた通り、小沢の女性問題だ。小沢がそこまで和子さんをないがしろにしたとあっては、もう許せない。小沢は次の選挙に出られない。もし出たとしても落選だろう」
その後も取材を重ね、和子の手紙は去年の十一月頃、十名近くの支援者に送られていたことがわかった。ただ、彼らは取材に応じてくれたとはいえ、手紙の提供は拒み続けた。
協力者を守るために詳細は伏せるが、私は手を尽くして手紙のコピーをようやく二通入手することができた。そのうちの一通が全文公開したものだ。もう一通も筆跡は同じで、冒頭と末尾に、その支援者や家族を気遣う文言などが書かれている以外は、内容もほぼ同一といっていい。念のため元秘書らに筆跡を確認してもらったが、間違いなく和子のものである。
いうまでもなく、これは「小澤和子」が支援者に送った私信である。和子には手紙で再三取材を申し入れたが未だ果たせていない。私信を公開することに逡巡がなかったわけではない。
だがこれは単なる私信ではない。大げさに言えば、後に平成の政治を振り返る上でも、極めて重要な意味を持つ一級の資料である。
私が本格的に小沢を取材し始めたのは、平成元年。この年の八月に小沢は弱冠四十七歳で自民党幹事長となった。以降の平成政治史において、時に政権与党の影の支配者、時に大野党のリーダーとして、今日に至るまで政局の中心に座り続けてきた。それは消費増税をめぐる目下の政局で野田政権を揺さぶり続けていることでも明らかだろう。
その小沢一郎が、未曾有の大震災に際していかなる行動を取ったのか。その実像を、最も近くにいた人物が書き記した、極めて公共性の高い文書だと考え、公開に踏み切った。
また、これだけ多くの人に手紙を出し、隠し子の実名まで記した十一枚の便箋を、何通も書き上げた和子の心情を思った。小沢の真の姿を支援者のみんなに広く知って欲しい。そうした和子の思いが行間から滲み出ているように感じられたことも、公開を後押しした。
隠し子を養子にした愛人
いくつか、手紙の文面だけではわかりにくい箇所を補足したい。一つ目は「隠し子」についてである。
〈八年前小沢の隠し子の存在が明らかになりました。●●●●●といい、もう二十才をすぎました〉とある。
これがまさに私が「健太君」という仮名で四月末に報じた男の子のことだ。
実はもう一通の手紙には、〈九年前〉とあった。これが書かれたのが二〇一一年十一月だとすれば、二〇〇二年から〇三年にかけてのどこかの時点で、和子は隠し子の存在を知ったことになる。
奇しくも私は、前述した別居報道(三月二十九日号)でこう書いていた。
「私には、和子が自身の名義で小沢邸敷地内に別棟を建てた〇二年頃を境に、小沢と和子が後戻りのできないほど、冷え切った関係になったように見える。和子が水沢に姿を一切見せなくなるのもこの頃からだ」
東京地裁は昨年九月、小沢の元秘書三人に政治資金規正法違反で有罪判決を下した。その公判で、安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)の元女性嘱託職員が検察側証人として出廷したことがあった。その証言によれば〇二年三月、和子から電話でこう言われたという。
「現金を払い戻しするから、(深沢の)自宅に来て。私と息子の名義の預金を解約し、六千万円を払い戻してもらいたい」
この時、用途について別棟の建設費用だと和子は言っている。手紙を読んだ今思えば、隠し子の存在を知った和子が、小沢のカネに頼るのではなく、自分と息子のカネで自分たちだけの城を作ろうとしたのではなかったか。登記簿によれば、その「城」が完成したのは〇二年十二月のことだ。
また、小沢の隠し子を養子として預かった愛人についても説明しておきたい。この女性は、有名料亭の若女将だった裕子(仮名)で、これまで私は、幾度も彼女について言及してきた。
例えば、九二年九月。金丸信元自民党副総裁の東京佐川急便ヤミ献金事件の処理に関する責任を取って、小沢が経世会会長代行の辞表を出した頃のことだ。東京地検特捜部の捜査の手が、小沢にまで伸びるのではなかと言われていた頃のある出来事を、元側近が私にこう明かした。
「小沢先生に言われて、資料類を段ボール箱四~五箱に詰めて、裕子さんの住むマンションに運びました」
二人の関係は続いている。陸山会事件が起こってから、小沢支持者らが開いている勉強会がある。そこではごく少人数で、陸山会事件について様々な角度から話し合われているのだが、熱心にメモを取る裕子の姿が目撃されている。
和子との結婚前から四十年以上も続く異様な関係は知悉したつもりでいたが、その背後に〈一生毎月金銭を払う約束〉があったとは驚きである。現在二十一歳の健太君を二歳半から裕子は預かっている。この約十九年間で一体どれだけのカネが裕子に渡されたのか。
次に放射能を恐れる小沢の言動にも触れておきたい。
大震災以降、小沢がことあるごとに原発について言及してきたのは周知の事実だ。例えば昨年三月二十八日、達増拓也岩手県知事との会談後に小沢は、「原子炉の制御不能状態が2週間以上放置されるのは世界で例がない。最悪の事態を招けば日本沈没の話になる」などと語っている(「岩手日報」三月二十九日付)。このような言動に違和感を持った人は少なからずいた。当時、ある岩手県議は私にこう不満を露わにしていた。
「小沢さんは被災地が逼迫した状態にあるのに、現地に行こうともせず、なんであんなに原発事故のことばかり語るのか」
昨年五月、私が陸前高田や大船渡などの被災地を訪ねた時の悲惨な光景が蘇ってきた。ある地元民が目に涙を浮かべてこう語ったのだ。
「いまでも、田園の中がら泥だらけの遺体があがってくる。いちばん政治の力が欲しい時に小沢さんは何もしてくれながった。オラたちはよう、見捨てられたのがぁ・・・」
結局、小沢がはじめて岩手の被災地に足を運んだのは、今年一月のことだった。
長野の別荘と小沢側近の会社
なお、手紙に書かれている出来事の時系列はいずれも正確だ。例えば手紙には、昨年三月二十一日に、「東京の水道は汚染されているので料理は買った水でやってください」と書生が言いに来て、その二日後に、東京都が乳幼児にはなるべく水道水を避けるように指示した、と書かれている。
事実、三月二十三日に東京都は、「金町浄水場の水道水から一キロ当たり二百十ベクレルの放射性ヨウ素を検出」と発表している。日記などを付けていたのか、他の諸々の記述も日時などが正確に記されている。
長野の別荘についても補足しよう。
取材班は、長野県蓼科の別荘地を訪れた。地元不動産業者に聞くと、
「去年の震災以降、別荘を新築しようという方は割りと多いんです。東京や名古屋などから。放射能の関係もあるでしょうし、地震の際の避難場所としてですね」
そこで長野県諏訪地方事務所を訪ね、昨年以降提出された建築計画概要書を閲覧すると、建築主がオフィスゼロ(0)という物件がひとつ見つかった。同社を調査すると、実質的には川島智太郎衆院議員の会社であることがわかった。小沢の元秘書で、今も側近の一人として数えられる人物だ。
川島氏に聞いた。
「あれは私の別荘にするんです。小沢さんがあの近辺で土地を探していると聞いたので、私も近くに別荘が建てられたらいいなと思って契約しました。仲里(貴行)秘書はその辺のことは詳しいので、色々アドバイスをもらいました。小沢さんはまだあの界隈で土地を探していると思いますよ」
一方、小沢事務所は、
「(別荘の件は)小沢とは全く無関係です。離婚の事実も慰謝料を払った事実もありません。(川邊嗣治秘書は)大阪での法事の為に家族を帰らせたことがありますが、周囲に避難を勧めたことはなく、京都からの出馬を検討したこともありません」と回答した。
長年小沢に仕え「懐刀」と呼ばれながら、〇三年に小沢と袂を分かった元大物秘書高橋嘉信は和子の手紙を読み、こう語った。
「私がなぜ小沢と決別し、闘うことになったのか。この手紙を読めば岩手の方々にも分かっていただけるのではないでしょうか。小沢には政治家以前に人間として問題があります。政治を志す若い人たちの魂を食い殺すなど、なんとも思っていない人間なんです。ましてや、岩手のことなど小沢の胸中にありません」
小沢は当選三回(七六年)頃から、ほとんど地元に帰らなくなった。高橋は、和子とともに水沢の地盤固めをし、支え合った時代を振り返り、こう述懐した。
「小沢は蕗の薹を生のまま刻んで味噌汁に入れたのが大好物なんです。私と奥さんは北上川の土手まで行って、頭を出したばかりの蕗の薹を摘み、袋に詰めて奥さんは東京へ持って行ったものです。そうやって必死であの人の為に働いてきた。でも、小沢には結局何も通じなかった」
小沢からは高橋のような秘書が離れ、数々の側近と呼ばれた議員が離れ、そして今、地元後援者も、三人の息子と妻さえも離れた。
和子の手紙を読めば、その理由は痛いほどわかる。小沢一郎は政治家としての終わりを迎えたのではないだろうか。(文中敬称略)
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〈来栖の独白2012/6/15 Fri. 〉
一読し、不審な個所は多くある。「せめて離婚の慰謝料を受け取ったら岩手に義捐金として送るつもりです。」などは、大きくリアリティを欠く。信じがたい。が、小「澤」和子との署名(写真)に、考え込まざるをえない。消費税増税修正協議の期限を控え政局のヤマ場のこの時にこのような記事を出すタイミングも、恐ろしさに身震いしないではいられない。強制起訴裁判は企まれたもの、事実無根のものだったが、こんなところに伏兵がいた。この伏兵は、小沢氏の命を奪うに足る十分な力を持つ。選挙になれば、勝てないだろう。小沢氏は「小沢一郎」であるから、これは単なる夫婦喧嘩、別れ話では済まないのだ。大して能力があるとも思えないこのジャーナリスト、大それたことをしでかした。(少しでもリアリティを持たせようと思ってか、和子夫人の手紙文のフォントは教科書体である)
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◆小沢氏の地元・奥州で30年間選挙支援 「水和会」解散へ 2012-04-17 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
河北新報ニュース2012年04月17日火曜日
民主党の小沢一郎元代表の地元・奥州市で、小沢氏の選挙を長年支援してきた女性組織「水和会」が、活動目的が薄れてきたとして、解散する方針を決めたことが16日、分かった。
水和会によると、会は小沢氏の妻和子さん(67)を支えようと、約30年前に結成した。市町村合併前の旧水沢市の「水」と和子夫人の「和」にちなんで名付けた。
会員は、小沢氏が立候補する衆院選のほか、各種選挙に備えて活動を展開。和子さんとともに地元を精力的に回り、女性を中心に支持者を拡大し、強力な地盤をつくり上げた。
この十数年は、和子さんが地元に入ることがなくなったという。水和会幹部は和子さんが地元に来なければ、活動を続けられないと判断。及川幸子会長(岩手県議)によると、和子さんに電話で確認したところ「もう地元に行くことはないです」との返事があり、解散の了承が得られたという。
メンバーは解散しても、小沢氏を後援会内で支える方針。及川会長は「メンバーも高齢化が進み、当時の勢いはなくなっていた。(選挙全体の)態勢には全く影響はない」と強調している。
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◆ 小沢氏、初の沿岸被災地入り 岩手で民主県連役員会出席
民主党の小沢一郎元代表は3日、岩手県陸前高田市で開かれた党岩手県連の役員会に出席し、「東日本大震災が発生した非常事態の中でも旧態依然の中央集権支配が続き、地方への予算配分も十分でない」と政府の震災対応を批判した。小沢氏が震災後、岩手県の沿岸被災地に入ったのは初めて。
小沢氏は役員会後、記者団の取材に応じ、昨年末に消費税増税の「政府案」が決まったことについて「自分の主張は変わらない」と述べ、消費税引き上げに反対する立場をあらためて強調した。
役員会では約80人を前に「皆さんの生活を一日も早く取り戻さないといけない。被災地の要望に応えられるよう努力したい」とあいさつした。
小沢氏は陸前高田市のほか、久慈、宮古、釜石、大船渡各市で開かれた党県連役員会にも出席。首長らから復興に関する要望書を受け取った。陸前高田市では仮設住宅を訪れて被災者を激励した。
河北新報2012年01月04日水曜日
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小沢・民主元代表:東日本大震災後、初の沿岸訪問 「頼もしい」「今更」 住民、期待や不満 /岩手
震災後初となった小沢一郎・民主党元代表の3日の沿岸訪問。被災地の住人からは「頼もしい」といった期待や、「今更来ても遅い」といった不満が入り交じる声が上がった。
小沢元代表はこの日、達増拓也知事や県選出の国会議員らと共に、久慈から陸前高田まで沿岸5市で開かれた同党県連の緊急役員会に出席。宮古市では「私たちの主張した地域主権が(政権交代から)2年余たっても、まだ緒にも就いていない」と持論を展開。「皆さんの抱えた課題を解決するには、本来我々の掲げた政策理念を実行しなければいけない」と訴えた。
夫婦で参加していた、宮古市大通の無職、伊藤隆さん(75)は「小沢さんのように力のある政治家がいて頼もしい。予算を確保して、復興が進むよう国に働きかけてほしい」と期待を込めた。
小沢元代表は夕方には、陸前高田市竹駒町の仮設住宅を訪問。集会場に集まった約30人の住人を前に「皆さんの生活を一日でも早く元に戻せるよう全力で頑張っていく」と力を込めると、記念写真を求められるなど歓迎を受けた。
一方で、住人の女性(58)は「今更来ても遅い。震災直後の惨状を見れば、党内で足の引っ張り合いをしてる場合じゃないと気づいてもらえたはず」と不満を漏らした。【宮崎隆】
毎日新聞 2012年1月4日 地方版
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◆『誰が小沢一郎を殺すのか?』の著者カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と小沢一郎氏が対談〈全文書き起こし〉2011-07-30 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア より抜粋
■お悔みを申し上げるのが政治家の仕事なのか?
上杉: まずは「3.11」の震災について、その震災後のことについてお話を頂ければと思う。今ウォルフレンさんからお話いただいたので、小沢さんの方から。「3.11」の国を揺るがすような大震災以降、どうも既存メディアでは小沢さんの影が見えなかったのでは、何もしていないのではないか、という声もあった。果たして小沢さんはどのような活動をされていたのか。「3.11」の発災以降のことも含めて、お話をいただければと思う。
小沢一郎衆院議員(以下、小沢) : 今度のいまだかつて経験したことのないような大災害、私も被災県の岩手県の出身だけれども、特に福島県の原発の損壊と放射能汚染の問題、それが非常に深刻な事態だと、私は当初から機会ある度に訴えてきた。このような時にあたって、今ウォルフレンさんが指摘されたが、世界でも非常に評価されるような日本人の長所が発揮されていると同時に、日本人の欠点も露呈されているというのが、正直なところではないかと思っている。長所というのは、それは一般的に言われているように、こんな大災害にもかかわらず、みんな一生懸命力を合わせて復興のために頑張っていること。その忍耐と努力と、そして能力というのは、当然日本人として誇っていいことだと思っている。
ただ、放射能汚染といういまだかつて(ない)、ある意味においてはチェルノブイリやスリーマイル以上に、非常に大きな危険性を秘めているこの原発の事故と放射能汚染の拡大――。これほどの大きな深刻なことになると、単なる個人的な力の発揮ということ以上に、本来もっと国家として前面に立って、そして英知を集めて思い切って対策を講じていく仕組みと姿勢が必要だと思う。けれども、どうもその意味において、政治の面だけではなくて、一般の国民の中からもそういった強い要求というか、動きというものがなかなか出てこない。まさに非常に日本的な現象だと思っている。ほかの国ならば、こんなに黙って現状を見過ごしているような国民は多分ないだろうと思う。大きな大きな国民運動にまで広がりかねないと思うが、そういう(大きな運動にならない)ところがちょっと日本の国民性というか不思議なところであって、「まあまあ」という中で個人が一生懸命頑張っている。
上杉さんがマスコミの話をしたけれども、マスコミ自体も、政治が何をすべきか、政治家が何をすべきか と(報じない)。お見舞いに現地を歩くのが政治家の仕事なのか? お悔やみを申し上げるのが政治家の仕事なのか? というふうに私はあえて憎まれ口をきくけれど、やはり政治の役割というのは、そういうことではないと思う。このような深刻な事態をどのようにして克服していくか、そのためには政治の体制はどうあるべきなのか、政治家はどうあるべきなのかと考えるのが、本当に国民のための政治家のあり方だと私は思っている。そういう意味で、今後もいろいろとご批判は頂きながらも、私の信念は変わらないので、その方向で頑張りたいと思う。
■財源があろうがなかろうが、放射能を封じ込めろ
上杉: 引き続いて、お二方に質問を。自由報道協会の面々は発災直後から現地に入り、取材活動をずっと行ってきた。その取材の中で相対的に、結果としていま現在、県単位で見ると岩手県の復興が意外と進んでいるという報告が上がってきている。おべんちゃらではなく。(小沢氏の)お膝元の岩手県の復興が進んだという見方もできるが、一方で岩手県だけがそういう形で支援が進めばいいのかという疑問もある。そこで、これはウォルフレンさんと小沢さんお二方に伺いたい。仮に現在の菅政権ではなく、小沢一郎政権だったらどのような形で国を復興させたのか。また、もし小沢一郎総理だったら、具体的な方法としてどのような形で今回の震災に対応したのか。ご自身のことでお答えにくいかもしれないが、まず小沢さんから。
小沢: 岩手県の震災復興の進捗具合が大変良いとお褒めいただいているが、別にこれは私が岩手県にだけ特別何かしているということではない。ただ、それぞれの国民あるいは県民の努力と同時に、地域社会を預かっている知事はじめ、それぞれの任務にある人たち、トップが先頭に立って、そしてその下で皆があらゆる分野の活動で一生懸命やっている。岩手県が他の県に比べて良いとすれば、そういう体制がきちんとされているので、復興の進捗状況が良いと言われている理由ではないかと思っている。
私の場合は、かてて加えて原子力ということ、放射能汚染ということを強く主張している。これはもちろん東京電力が第一義的に責任を持っていることは間違いのないことだけれども、日本が政府として国家として、原子力発電を推進してきたことも事実だし、原発の設置運転等については許認可を与えている。そういう意味から言っても、また今日の放射能汚染が依然として続いているという非常に深刻な事態を考えると、東京電力が第一義的責任者だといって済む状況ではないのでは。東京電力にやらせておいて、政府はその後押しをしますよ、支援しますよというシステムでは、本当に国民・県民の生活を守っていくことはできないのではないか。
やはり政府、国家が前面にその責任をもって、最も有効と思われる対策を大胆に(行う)。これはお金がいくらかかる、かからないの問題ではない。メディアも含めてすぐ財源がどうだなんていう話が、また一般(財源)の時と同じような繰り返しの話ばかりしているが、そんな問題ではない。極端な言い方をすれば、財源があろうがなかろうが、放射能汚染は何としても封じ込めなければいけない話で、それは国家が政府が、前面に立って全責任でやる。私はそういうシステムを、仕組みをもっともっと早く、今でも遅くないから構築すべきだと思っている。今なお、東京電力が第一義的責任というやり方をしていたのでは、多分解決しないのではないかと思っている。
■菅さんは一人で何でもできると思い込んでいる
上杉: ウォルフレンさん、同じ質問だが、もし菅総理ではなくて小沢一郎総理だったら、この震災に対してはどうなっていたか。
ウォルフレン: いろいろな面があると思うが、まず3月11日にあの災害が起きた当時、私は阪神・淡路大震災の時と比べて政府の対応はどうだったかと、直感的に思った。当時の政府の対応と比べて、今回はずっと早く迅速に動いたという気がした。私はそのストーリーを書き、世界中に報道された。その時に私が言ったことは、「半世紀続いた一党体制が崩れて、新しい民主党という政党のもとに政権が建った。その政権は本当に国民のことを、人のことを大事に考えて中心に置いている」という書き方をした。ところが、せっかくの初動後の時間が経過するに従って、壮大な画期的な改革をする機会が与えられたにも関わらず――それはキャリア官僚の体制の上に政治的なコントロールを敷くということだったが――そこに至らないでズルズル時間が経ってしまった感じがする。
なぜ、そうなってしまったのかを考えたわけだが、1993年という年以降、政治の改革をしようと集まった政治家たちが、新しい民主党という党をつくった。そして官僚体制に対して、政治がきちんとコントロールしよう、今までなかった真摯な政府をつくろうという人たちだったのに、どうなってしまったのかと思った。何が起きてしまったのか、正直いって私自身は分からない。ただ、ひとつ考えられるのは、首相が一人で何でもできると思ってしまっているのではないか、ということ。数日前に日本に来て、その間多くの方々といろいろ話をして感じたのは、どうも菅さんは、時々いいアイデアもあるのかもしれないが、それを自分一人でやるだけの政治力があると思い込んでしまっているのではないか、ということだ。
菅さんにしても、誰であっても、一人ではとてもできないことではないか。災害に対処しながら、また原発事故に対処しながら、今までの官僚体制に政治がコントロールしていく――それを同時にやるのは大変なことだ。細かいことは存じ上げないが、原発事故が起きたということは、多くの人たちが新しいところで生活を始めなければならない。再定着が必要になってくるわけだから、政治家一人ではとても負えるものではない。民主党をつくった人たちが、官僚制度の上に政治的なコントロールを敷こうと、そして本当に政府をつくろうと、同じ志を持った民主党の政治家たちがお互いに、一緒に協力をしていかなければできないことなのだ。
災害が起きる前年、去年の秋だったけれど、少なくとも三人(小沢氏、鳩山由紀夫氏、菅直人氏)のトロイカ体制という話を聞いた時に、ある意味では当たり前だが、私はすごく良いアイデアだと思った。明治維新ひとつをとってみても、一人で誰がやったというわけではない。志を同じくした人たちが、一緒にやったことだった。戦後の復興にしても同じ。皆で一緒にやって初めてできたこと。半世紀に渡って一党支配の体制を崩した新しい政党が、新しいシステムをつくる。それにはトロイカであれ、グループであたっていかなければならないと、私は去年思ったものだ。
小沢政権ができた場合に、この災害にあたってどう対応されたかのは分からない。けれども、私は小沢さんは「官僚を制する」というよりは、「官僚と一緒に仕事をする」能力がある方だと思っているし、権限の委譲もできるし、官僚の下に置かれることは絶対にない方だと思っている。小沢政権ができた場合には、きちんと然るべき人たちと協調体制のとれた対応をとっていかれるのではないかと思う。
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