2009年3月3日火曜日

【産経新聞】 民主党解剖 3月3日

3月3日の産経新聞の記事

【民主党解剖】第1部 政権のかたち(2)「綱領」なき政党
産経新聞2009.3.3 00:00

昨年10月下旬、民主党の若手衆院議員、長島昭久は国会内の廊下で同党政調会長、直嶋正行に詰め寄られた。

 「あれはどういう意味なんだ」。数日前、長島は衆院テロ防止特別委員会でソマリア沖の海賊対策で海上自衛隊艦艇による民間商船の護衛を首相、麻生太郎に提案していた。自衛隊の海外派遣につながることを懸念する直嶋が、長島に真意をただしたのだ。

 長島は、安全保障はじめ国家の根幹にかかわる基本政策で路線が異なる国会議員と同居する同党の実態を思い知らされた。

 「長島案」にとびついた政府・与党はトンビが油揚げをさらうごとく、ソマリア沖への海自派遣をとんとん拍子で決めた。

 民主党は平成8年に旧社会党と旧新党さきがけの一部が合流して産声を上げた。10年には民政党、民主改革連合などと合流し、15年に代表、小沢一郎率いる自由党と合併した。しかし、党の追求すべき理念や目標を明記した基本文書たる「綱領」をまとめたことがない。

 10年の合流直前に当時の民主党の枝野幸男、民政党の岡田克也、新党友愛の川端達夫ら政策担当者が合併に向け基本政策の調整を行ったときのことだ。
「綱領をつくるのはやめよう」と切り出した枝野に異論は出なかった。結局、「最低限の共通項」(同党関係者)を確認する「基本理念」を作成するにとどめられた。

もともと結党の原点は、自民党に対抗する二大政党の一角となるための「プロジェクト政党」だった。このため、民主党はいまも憲法や教育、安保、外交など足並みのそろわない基本政策は事実上、棚上げにされてしまっているのだ。

 政権を担う政党として、あるべき国家像をどう描いているのか-。最後のとりでの基本理念でも「地球社会の一員として、自立と強制の友愛精神に基づいた国際関係を確立し、信頼される国をめざす」と書かれているだけだ。

 党中堅はこう言う。「原則を言い始めるとバラバラになる。理念で集まっているわけではなく、何が何だか分からない政党だ。綱領なんかない方がいい」

 綱領なき政党のひずみは、個別政策の一貫性のなさに如実に表れている。

 終身刑創設、永住外国人への地方参政権の付与、人権侵害救済機関の創設…。民主党の基本政策を網羅した「政策INDEX2008」について党内の保守系議員から「第2社会党とみまがうような政策が並んでいる」という批判も聞こえてくる。

 小沢の変化も激しい。小沢は平成5年に上梓(じょうし)した自著『日本改造計画』には、規制緩和や自己責任、「小さな政府」を志向する政策を打ち出し、少子高齢化の到来に備え、消費税率を10%に引き上げ社会保障費に充てるべきだと訴えていた。

 ところが小沢はいま、「国民の生活が第一」と唱え、消費税率の「現行5%の維持」や「子ども手当」と農業者戸別所得補償制度の創設など社会的弱者に配慮する政策を掲げる。かつての持論は吹っ飛び、「バラマキ」路線をひた走っている。内政だけではない。

 「第2次大戦において歴史、民族、言語、文化などまったく異にする2つの国が死力を尽くして戦い、戦いが終わると太い絆(きずな)で結ばれた。その太い絆が日米安保条約だ」

 日米同盟について『日本改造計画』でこう力説していた小沢は、米国が主導するテロとの戦いに背を向け、「米国の極東での存在は米海軍第7艦隊だけで十分だ」とまで言い放った。

11年に小沢が党首を務めていた自由党が自民党との連立を組む際にも、小沢の変化を象徴する出来事があった。関係者によると、自民党サイドが事前に「自由党の安保政策はのめない」と小沢に通告したら、小沢は「いいよ」とあっさり受け入れたという。

 新進党時代に小沢と一緒に行動をともにした自民党閣僚経験者はこう振り返る。「小沢の口癖は『公約は膏薬(こうやく)。張り替えれば効き目がでる』だった」。友党の国民新党代表代行、亀井静香も「小沢にとって政策はアメのごとしだ」と指摘する。

 「民主党は政党ではなく『選挙集団』。小沢にとって政策は二の次だろう。100年に1度といわれる世界不況の中で、このまま政権交代となれば国民は小沢に白紙委任状を渡すようなものかもしれない」

 民主党中堅は自戒を込めてこう漏らした。

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しかし、民主党には綱領がないのだが、小沢氏が作った自由党には綱領がありその内容は、自分もよく知っているのである。


自由党綱領
 
 私たちは、自由主義を基調とし、互いの尊厳を大切にして、自らの能力や個性を発揮できる国や社会を実現する。
 私たちの自由主義は「自律した個人が多様な選択肢と公正なルールのもとで、自らの生き方を創造的かつ自由に追求できる創造的自由主義」である。そのためには、国民の生命や生活の維持、発展に必要な仕組みを政治の責任で整備しなければならない。また、人類存続の基盤である地球環境の保全に全力を尽くさなければならない。
 私たちは、国際社会において自由と平和を求め、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないという憲法の理念を実現する。
 
一、私たちは、国や社会に安易に依存するのではなく、自立を重んじ、自己を律し、家族の絆を大切にし、国を愛する国民が自ら目標を定め、行動する「国民が主役の社会」をつくる。

また、国民主権を形骸化している中央集権を地方分権体制にあらため、真の地方自治を確立し、「住民が主役の地域社会」をつくる。

一、私たちは、「小さな政府」を目指し、自由で公正で透明度の高い社会を作る。市場ルールを整備し、消費者の安全と選択が優先する「消費者主権の社会」をつくる。

一、私たちは、「結果の平等」を重視するより、性や年齢、障害・財産のあるなしにかかわらず国民の誰もがフェアなルールのもとで、お互いがフェアな競争をする「機会の平等」が保証される社会をつくる。

一、私たちは、国防、治安、災害などに対応する危機管理体制を確立し、国民の安全を守るとともに、老後や疾病などから国民の暮らしを守る社会保障の仕組みを整え、「安心・安全な社会」をつくる。また環境を守り、「自然と共生する社会」をつくる。

一、私たちは、特定の者、特定の政治勢力の利益をはかる利権型の政治ではなく、「国民全体の利益を実現する公明正大な政治」を行う。

一、私たちは、一国平和主義・一国繁栄主義・一国独善主義を排除し、「国際社会との共生」の理念の下に、世界の平和と繁栄のための諸活動に積極的に参加する。
 
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民主党の綱領は基本理念と基本政策をもって綱領とするようである。

基本理念
基本政策


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