小沢一郎と田中・金丸・竹下の関係 』
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多くのマスコミは小沢一郎を田中角栄元首相、竹下登元首相、金丸信元自民党副総裁の政治的後継者とし、政治手法もそれを発展させたと報道している。これは誤ったものだ。たしかに田中元首相に目をかけられていたし、金丸元副総裁は猫かわいがりしていた。竹下元首相とは縁戚関係であったが、感性が合わず、両方から私に調整をしばしば頼まれていた。
かく申す私は衆院事務局に勤務していたことで、田中・金丸・竹下の三政治家とは、小沢さんより10年近く古くからの付合いだった。第一次佐藤栄作内閣の頃、竹下内閣官房副長官、金丸議運理事とは国会運営でアドバイスを求められたりした。特に園田直衆院副議長秘書時代、竹下・金丸両氏とは毎日会っていた。田中さんは園田副議長の使いで行くと、よく説教をされた。
私が小沢一郎という政治家と仕事を超えた人間関係となったのは、ロッキード事件の後政治倫理制度をつくる時代である。小沢議院運営委員長に就任してからだ。よく政治家としてのあり方を聞かれたが、「マスコミに迎合していては、良い政治はできない」と私の人生の師である故前尾繁三郎衆院議長の考えを伝えたことがある。その後の小沢さんの政治活動をみると、かなり影響を与えたようだ。
ロッキード事件の田中元首相の裁判を全部傍聴したことで知られている。これについて2つの見方がある。1つは被告の田中元首相と同じ発想で、検察憎しという姿勢だ。もう1つは点取り虫で良く思われたいからだろうというものであった。いずれも誤った見方である。
私には「総理までやった人間が、苦境に立ったとき、どのような生き様をするのか、これを学んで おきたかった 」と、語ってくれたことがある。朝日新聞のコメンテータをやっている早野透氏は、政治部記者で活躍している頃、「小沢一郎は田中角栄の内在的批判者だ」と論じたことがあるが、これが正しい見方である。
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『 小沢一郎の政治資金に不正なものがない 』
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自民党単独政権で、47歳で幹事長まで登りつめた小沢一郎について、世間では「さぞかし汚れた資金に手を染めているだろう」との風評がある。これが根本的に間違っている。田中角栄、金丸信、竹下登の3人については、問題のある政治資金に手を汚していたことについて、私も否定はしない。小沢一郎については、それがないことを私は証明できる。
私は国会運営の裏側で、さまざまな仕事にかかわり、昭和40年代から平成初期までの田中・金丸・竹下の3人は、小沢一郎を大事にしすぎて、問題のある政治資金について関わらせていなかったのだ。政治資金について苦労をさせていないのである。もっぱら、政治資金の透明化と政治倫理制度の確立について、衆院事務局職員の私と共に制度づくりの仕事に励んでいたのだ。
そのことを証明する話だが、私が参院議員となり平成5年6月、宮沢内閣不信任案を可決し、衆院総選挙となる。羽田・小沢グループは「新生党」を結成する。綱領と基本政策の政策を担当した私は、念のため羽田・小沢両氏の政治活動での資金問題を、法務検察首脳に調査してもらった。回答は自民党時代の2人の政治資金について、問題なし二重丸だとの返事であった。私はこれで真の政治改革ができると確信した。自民党離党した後の小沢一郎の政治資金に不正なものがないことは、私がもっとも知っている。
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