この記事を引越しをしながら、日本の国は本当にやっていけるのか不安になる。2007年3月8日にこの記事がアップされ債権が500兆円あるという。昨年(2009年)11月には国の借金は
864兆円だと騒ぐ。今年の夏(2010年)の参議院選挙では、菅政権が、消費税を口にし敗北をしている。
果たしてどの数字が正しいのか。財務官僚の手のひらで、消費税議論を行う前に政府ははっきりと数字を国民に示す必要があるだろう。
2007年と同程度の債権が国外にあるならば、まずはそれを清算させるべきであり、同時に国の資産を明確にし貸借を明確にし、未来に対して計画を組むべきである。
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債権国である日本は世界一立場が弱い
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/p/52/index.html
日本は現在、世界一の債権大国である。GNP(国民総生産)が500兆円だが、それと同じ500兆円ほどを世界中に貸している。
GNPと同じ規模の債権ということは、それを債務国が返してくれたら、日本人は丸1年間、働かなくてもいいということだ。もし10%ずつの利息をくれたら、年間50兆円も入ってくる。そうなれば、日本国民は税金をいっさい納めなくてもよくなる。
このように、日本は気前よく貸したり投資して、世界一の債権国になっているが、それなのにあらゆる議論でその自覚がなく、日本は貧乏だとか、輸出をして金を稼がなければ生きていけないとか、相変わらずそうした話ばかりが聞こえてくる。
それから、世界各国に金を貸したり投資したり援助したりしているから、みんな感謝しているはずだと日本人は思っているが、これは大間違いで、本当はみんな日本の敵なのだ。金を貸すと嫌われる。そんなことは当たり前であり、どうして日本人は忘れているのだろう。
多くの日本人は、他人に金を貸すときの気持ちがあまり分かっていない。日本人には「何とかお金を借りて、それを真面目に返しました。わたしは立派な人間です」という感覚の人がとても多い。だから、金を貸せば感謝されるだろうと思っているが、外国でそんな感覚を持っている国はない。そのことを日本人は知らなすぎる。
政策研究をしたり、日本国家の将来を考えたりする会合はいろいろなところで開かれている。それらに参加すると、「根本が抜けているな」とわたしはいつも感じる。つまり「金を貸す国はどうあるべきか」という議論がまったくない。貸したら真面目に返してくれる国を想定して議論を進めるのは、根本的に間違っている。
世界一の債権国として、日本は外国に対してどういう態度をとればよいのか。それを考えるには、いくつもの段階を踏んで論理を積み上げていかなければならない。
まず最初の段階は、世界の常識と日本の常識が、まるで違っていることを認識することである。国際金融において、「借りた金はなるべく返さない」のが世界の常識で、「死んでも返そう」が日本の常識だ。外国は返さないのが当たり前だと思っている。
さらに、なるべく返さないだけではなく、国際金融では、外国は踏み倒そうとする。理由は、国際社会には警察も裁判所もないからで、国際金融にはそういう危険があることを、日本は認識する必要がある。
それから、日本政府は外国政府に対して交渉をしない。特に民間債権の取り立てに関しては逃げてしまう。「民間のことは民間でやってください」と、大使館や領事館が逃げてしまう。
そんな政府は世界では珍しい。外国の政府は民間の債権だろうと、一生懸命取り立てに励んでくれる。しかし日本政府は民間債権をかばってくれない。だから民間企業は政府を頼りにしてはいけない。
第二に、債務を踏み倒す国に対しては軍隊を出すのが国際常識である。国家対国家はそれぞれ主権を持っているから、軍事力に対してだけは言うことを聞く。本当に軍隊を出すか出さないかは別として、まずそれが常識である。
それでも債務国が債務を果たさなければ、軍隊が駐留することになる。「返すまでずっとそこいるぞ」と。実際、世界中でそうしたことが行われている。
ずっと金を借りている国では、やがてどこかの国の軍隊が軍事基地を持つことになる。日本も昔は米国から金を借りていたから、その名残で今も軍事基地がある。
本来なら、今は米国に金を貸しているのだから、「帰れ」と言えばいい。そして「ちゃんと返済するかどうか心配だ」といって、逆に日本が米国に軍隊を駐留させていいのだ。
そんなことは国際関係論のイロハの「イ」である。だが日本でそれを言っても、だれも賛同しない。ワシントンで言えば、「それはそうだ」と賛同してもらえる。
かつて日米貿易摩擦のころに、わたしはワシントンで米国人にこんな話をした。「米国は日本に国債を売りつけている。とめどもなく日本から借金をしている。やがて米国がその金を返さなくなったら、日本は取り立てるために、ホワイトハウスの横に日本の「債権取立回収機構」というビルを建てるだろう。そのビルの名前は“イエローハウス”になるだろう」と。
そんな話を聞いても、米国人は怒らなかった。ユーモアも通じたのだろうが、「理屈で言えばそうだ」と言って、笑っていた。
その“イエローハウス”が建ったとき、日本の軍隊が米国に駐留すると言うと、これは無用な制裁になるが、しかし、相手が米国ではなくもっと小さい国であれば、そういうことになるだろう。
金を借りている国が「軍隊の駐留を認めない」と言えば、日本は自然に、もう金を貸さなくなる。返してくれるかどうか心配だから、当たり前のことだ。
すると相手国は困って、結局、「どうぞ駐留してください」となる。だから国際金融をやっていると、必ず軍事交流になってしまう。債務国は軍事基地を提供し、債権国は軍隊を海外派遣するようになる。これは当たり前のことで、世界では珍しくもなんともない。
もしそれを避けようとするならば、「保障占領」という前例がある。つまり担保を取る。例えば、第一次世界大戦が終わったとき、ドイツはフランスに対して弁償金を払う約束をした。しかし、ちゃんと払うかどうか分からない。そこでフランスは、ルール地方の工業地帯に軍隊を入れて占領した。
これは侵略でも占領でもない。担保に取っただけ。ドイツがちゃんと払えば、いずれ軍隊は引き上げると、フランスは約束した。これが保障占領という制度である。
だから米国がもっと金を貸せと言うのなら、日本は米国のどこかを保障占領しなければいけない。これは全然おかしくも何ともない。
日本の会社は世界各国で、担保も取らずに数千億円も投資して石油を掘ったり、プラントを造ったりして、没収された。日本人は大変お人よしだという例だが、そういう前例は枚挙にいとまがない。
次に、債権国と債務国の仲が悪くなって戦争になったとき、周辺の関係国や利害関係国はどちらの味方をするのだろう。これについても日本と外国では、常識がまったく違う。
日本では、関係国は当然、債権国である日本に味方をしてくれると思っている。しかし現実はまったく逆である。
今、日本が中国に「貸した金を返せ」と言い、中国は返さないと言って、戦争が始まったとしたら、周辺国はどちらに味方するだろう。日本が正しいのだから周辺国は日本に味方をしてくれると、日本人は思っている。だがわたしはその逆だと思う。周辺国はみんな中国の側について、日本に宣戦布告すると思う。日本から金を借りている国は、全部中国について、日本に宣戦布告する。
それはなぜか。どうやら中国が勝ちそうだからだ。もしも中国が勝つなら、中国に味方しておけば、自分たちの日本からの借金をチャラにしてもらえる。それだけでなく、日本の財産をみんなでもらって山分けしてしまおうというわけだ。
前例はたくさんある。例えば、第一次世界大戦のときに、ドイツと英国・フランスが戦争をした。そのときに米国は英国・フランスの方に付いた。その理由の一つは、米国が英国とフランスにたくさん金を貸していたからだ。
米国はドイツには金を貸していなかった。だから米国中の財閥や銀行、資本家は、英国とフランスに勝ってほしかった。ドイツが勝ったら、自分が英国やフランスに貸していた金がパーになる恐れがある。それは困るから、財閥や銀行、資本家は当時の大統領に英国・フランスの側に付けと、強力な圧力をかけた。
つまり、みんな自分が投資した国がかわいい。そう動くのがお金の世界の論理だ。だから周辺国はまず武力が強くて勝ちそうな側に付く。それから、自分が金を貸している方に付く。金を借りた国には付かない。正義なんかは後回しである。
日本は今、世界中に一番たくさん貸している国である。それは、世界で一番立場が弱い国ということだ。世界中から「日本が負けて借金がパーになってほしい」と思われている。
中国の側について日本に宣戦布告して、中国が勝ったら自分たちも戦勝国だと乗り込んで来て日本から財産をぶんどる。それが国際常識である。これからの日本について考えるなら、現在のそうした状況を大前提としなければいけない。
(追記)
国の借金864兆円に 国民1人あたり680万
[社会]
2009年11月11日 09:01 更新
http://www.data-max.co.jp/2009/11/864680.html
10日、財務省は国債や借入金など「国の借金」が過去最高の864兆5,226億円になったことを発表した。前回発表の6月末から4兆2,669億円増加している。国民1人あたり約680万円の借金を背負っていることになる。
長期、中期、短期を会せた普通国債残高が563兆2,530億円。財政投融資特別会計国債(財投債)が126兆6,884億円。借入金56兆2,036億円のほか政府短期証券114兆208億円などとなっている。
膨れ上がる一方の国の借金に対し、鳩山政権がどのような対応をとっていくのか注目される。
国の借金は過去最高の864兆円! 赤ちゃんにも678万円!
2009.11.10 22:02
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/091110/fnc0911102203030-n1.htm
財務省は10日、国債や借入金などの国の債務残高(借金)が9月末時点で864兆5226億円になったと発表した。前回公表時の6月末から4兆2669億円増加し、過去最大を更新した。10月1日時点の人口で割ると、国民1人当たり約678万円の借金を背負っている計算になる。
内訳は普通国債が563兆2530億円で最大。借入金が56兆2036億円、政府系機関などへの貸付金に回す財投債が126兆6884億円、一時的な資金不足を補う政府短期証券は114兆208億円だった。また、主に税金で返済する普通国債に借入金の一部を加えた国の長期債務残高は590兆円となった。
21年度の国債発行額は、景気対策のための財政出動や税収の落ち込みで過去最大の50兆円に達する見込みで、来年3月末に900兆円の大台を突破する可能性がある。
11月10日の財務省の発表で、わが国の債務残高が864兆5226億円と発表した。これを受け大手メディアでは国民一人当たりの「国の借金」が約678万円 となったと報じている。だが現実的に考えてみれば、この数字は何の意味も持たない。「国の借金」の貸し手や「国の資産」のことを考えなければ、「国の借金」の現実は見えてこないのだ。実際に計算してみれば、一人当たりの借金など存在しないのだ。
まず、貸し手を考えてみよう。わが国の国債の約93%は国内保有、言い換えれば国民の資産である。つまり、678万円のうち630万円は国民の資産だということにほかならず、仮に国民が政府の借金を返済しなければならないとするなら、その部分は相殺されるため、残額、すなわち海外に対して返済しなければならない額は一人当たり48万円となる。
一方で、政府が保有している金融資産が約475兆円(今年6月末速報値)であるから、一人当たり372万円の「国の資産」を保有する計算である。つまり、この両者を相殺すれば最終的に国民は一人当たり324万円得ることができる。
もっとも、国家の借金をすべて返済する、つまり国家を清算するなどという事態が発生することはまずありえないことであるし、そうなった時点でのわが国の財務状況は現状とは異なる訳だから、現状を基にしたこういった計算の意味は極めて小さい。第一、他国と比べればわが国の状況はまったくもって問題はないのだ。
例えば、アメリカを見てみよう。連邦政府の借金は7.20兆米ドル、約644兆円相当である。米国の人口3億406万人で割れば、一人当たり212万円相当となるだろう。だが、米国債の国内保有比率は40%弱であるため、一人当たりの負担額は127万円相当となる。一方米国政府の保有資産は1.92兆ドル、すなわち172兆円相当であるからにして、米国民一人当たりでは50万円相当に過ぎない。つまり、ここで一人当たり70万円相当以上のマイナスとなっている。
イギリスはどうだろうか。DMOのデータによれば、国債発行残高は8550億英ポンド、約128兆円相当である。人口は6097万人となっているので、一人当たり210万円で、国内保有比率が65%前後であるから一人当たりで73万円前後である。英国政府の資産が1430億英ポンド程度であるから、こちらは一人当たり35万円、つまりこちらも一人当たり40万円近いマイナスである。
このように、わが国の額面上の一人当たり債務額が大きいとはいえ、真に返済義務のある分、つまり国外で調達されている額ベースで考えればわが国は極めて小さく、またさらにいえば一人当たりの政府資産額はけた違いに多い。というより、政府資産が莫大(ばくだい)で、かつ政府の債務の大半が国内で調達されているわが国は世界的に見て異例の好状況なのだ。
そのわが国において、あたかも政府の借金を国民が背負っているかのような誤解を与え、いたずらに財政危機を煽(あお)ることは明らかに誤りであるといわざるを得ないであろう。【了】
まず、貸し手を考えてみよう。わが国の国債の約93%は国内保有、言い換えれば国民の資産である。つまり、678万円のうち630万円は国民の資産だということにほかならず、仮に国民が政府の借金を返済しなければならないとするなら、その部分は相殺されるため、残額、すなわち海外に対して返済しなければならない額は一人当たり48万円となる。
一方で、政府が保有している金融資産が約475兆円(今年6月末速報値)であるから、一人当たり372万円の「国の資産」を保有する計算である。つまり、この両者を相殺すれば最終的に国民は一人当たり324万円得ることができる。
もっとも、国家の借金をすべて返済する、つまり国家を清算するなどという事態が発生することはまずありえないことであるし、そうなった時点でのわが国の財務状況は現状とは異なる訳だから、現状を基にしたこういった計算の意味は極めて小さい。第一、他国と比べればわが国の状況はまったくもって問題はないのだ。
例えば、アメリカを見てみよう。連邦政府の借金は7.20兆米ドル、約644兆円相当である。米国の人口3億406万人で割れば、一人当たり212万円相当となるだろう。だが、米国債の国内保有比率は40%弱であるため、一人当たりの負担額は127万円相当となる。一方米国政府の保有資産は1.92兆ドル、すなわち172兆円相当であるからにして、米国民一人当たりでは50万円相当に過ぎない。つまり、ここで一人当たり70万円相当以上のマイナスとなっている。
イギリスはどうだろうか。DMOのデータによれば、国債発行残高は8550億英ポンド、約128兆円相当である。人口は6097万人となっているので、一人当たり210万円で、国内保有比率が65%前後であるから一人当たりで73万円前後である。英国政府の資産が1430億英ポンド程度であるから、こちらは一人当たり35万円、つまりこちらも一人当たり40万円近いマイナスである。
このように、わが国の額面上の一人当たり債務額が大きいとはいえ、真に返済義務のある分、つまり国外で調達されている額ベースで考えればわが国は極めて小さく、またさらにいえば一人当たりの政府資産額はけた違いに多い。というより、政府資産が莫大(ばくだい)で、かつ政府の債務の大半が国内で調達されているわが国は世界的に見て異例の好状況なのだ。
そのわが国において、あたかも政府の借金を国民が背負っているかのような誤解を与え、いたずらに財政危機を煽(あお)ることは明らかに誤りであるといわざるを得ないであろう。【了】
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