2010年7月9日金曜日

【安全保障】 日米安全保障条約と日米同盟

 外務省が、公文書の公開を7日(2010年7月)から行われ、産経が下記のような記事を書いている。基本的に、この備忘録では個人的な意見は書きたくはないのだが、どうもこの安保での対象範囲が同盟では広げられている事実に気がついていない方が多いように見うけられることから、一部意見も混じってしまうと思う。

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「朝鮮、台湾の巻き添え困る」安保改定時に対象範囲拡大を拒否 岸元首相
2010.7.8 18:06
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100708/plc1007081807007-n1.htm

 昭和35年に改定された日米安全保障条約をめぐる日米交渉で、米側が適用範囲を「太平洋地域」とする案を示したのに対し、当時の岸信介首相が賛同しなかったことが、外務省が公開した外交文書で明らかになった。この結果、現行の安保条約の対象範囲は改定前と同じ「極東」となった。

 文書は「覚」と記された手書き資料で、安保改定の文書ファイルに含まれていた。

 それによると、米側は33年10月4日に東京で始まった改定交渉で、適用範囲を「太平洋地域」とする草案を提示。また、外務省は「極東及び太平洋」とする試案をまとめた。山田久就外務事務次官(当時)が18日に岸首相を訪ね、これらの報告を行った。

 この際、岸首相は「沖縄、小笠原について米国とともに渦中に投ぜられることは覚悟しなければならないが、朝鮮、台湾の巻き添えになることは困る」と語った。

 34年5月には藤山愛一郎外相(当時)がマッカーサー駐日米大使(同)に「『太平洋地域』の問題は議会関係では極めて重要」と削除を求め、米側も応じた。

 当時は社会党などが激しい安保改定反対闘争を繰り広げており、対象範囲を拡大すれば国会承認がより困難になると判断したとみられる。

 政府は35年に極東の範囲について「韓国、台湾地域を含む」とする見解を出している。
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日米安保交渉で米側が適用範囲を「太平洋地域」とする案を示したという。しかし、岸総理が拒否をし、範囲を「極東」とし、「韓国、台湾地域を含む」という形で落ち着いたということである。

しかし、昨年(2009)春に、元駐イラン大使であり現防衛大学校教授の孫崎享氏が、「日米同盟の正体~迷走する安全保障 」を上梓してから、この日米安保の正体が見えてきた。

孫崎享氏の著書『日米同盟の正体』には、この日米安保の範囲が広げられていることが書かれている。
安保条約は1年ごとの自動延長なのだが、(いつでも、双方とも1年後に解消可能)、2005年10月29日に日本の町村外務大臣・大野防衛庁長官と米国のライス国務長官・ラムズフェルド国防長官がサインした文書「日米同盟 未来のための変革と再編」で内容ががらりと変わってしまったというもの。

外務省の文書では、相変わらず(仮訳)と書かれ、細部の微妙な言い回しをわざと隠しているのでは無いかとさえ思えてしまう。(英文は→こちら

「日米同盟 未来のための変革と再編」のポイントは下記の部分であると思われる。

========(日米同盟 未来のための変革と再編)==================

 日米安全保障体制を中核とする日米同盟は、日本の安全とアジア太平洋地域の平和と安定のために不可欠な基礎である。同盟に基づいた緊密かつ協力的な関係は、世界における課題に効果的に対処する上で重要な役割を果たしており、安全保障環境の変化に応じて発展しなければならない。

日本及び米国は、日米同盟の方向性を検証し、地域及び世界の安全保障環境の変化に同盟を適応させるための選択肢を作成するため、日米それぞれの安全保障及び防衛政策について精力的に協議した。
(中略)

安全保障環境に関する共通の見解を再確認した。また、閣僚は、アジア太平洋地域において不透明性や不確実性を生み出す課題が引き続き存在していることを改めて強調し、地域における軍事力の近代化に注意を払う必要があることを強調した。この文脈で、双方は、2005年2月19日の共同発表において確認された地域及び世界における共通の戦略目標を追求するために緊密に協力するとのコミットメントを改めて強調した。
(中略)

自衛隊要員及び部隊のグアム、アラスカ、ハワイ及び米本土における訓練も拡大される。

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この中で、2005年2月19日の共同発表において確認された地域が問題となる。

2005年2月19日にワシントンで共同発表された「日米安全保障協議委員会」の記事にこの地域(範囲)が書かれているのであるが、地域(範囲)は「アフガニスタン、イラク及び中東全体」「アジア太平洋地域において」という文言の後に地域が書かれている。

地域における共通の戦略目標には、以下が含まれる。
*日本の安全を確保し、アジア太平洋地域における平和と安定を強化するとともに、日米両国に影響を与える事態に対処するための能力を維持する。
*朝鮮半島の平和的な統一を支持する。
*核計画、弾道ミサイルに係る活動、不法活動、北朝鮮による日本人拉致といった人道問題を含む、*北朝鮮に関連する諸懸案の平和的解決を追求する。
中国が地域及び世界において責任ある建設的な役割を果たすことを歓迎し、中国との協力関係を発展させる 。
*台湾海峡を巡る問題の対話を通じた平和的解決を促す。
*中国が軍事分野における透明性を高めるよう促す。
アジア太平洋地域におけるロシアの建設的な関与を促す。
*北方領土問題の解決を通じて日露関係を完全に正常化する。
*平和で、安定し、活力のある東南アジアを支援する。
*地域メカニズムの開放性、包含性及び透明性の重要さを強調しつつ、様々な形態の地域協力の発展を歓迎する。
*不安定を招くような武器及び軍事技術の売却及び移転をしないように促す。
*海上交通の安全を維持する。

ここ会見に出てくる、アジア太平洋地域とは、APECの範囲(地域)とも読み取れる。つまり、非常に広い範囲をこの会見では示唆をしている事になる。

APECのメンバーマップ

つまり、このAPECにアフガニスタン、イラク及び中東全体を含む範囲が日米同盟の守備範囲とも取れるのある。日米安保の範囲であった「韓国、台湾地域を含む」極東地域であったものが、2005年から一気にアメリカによりアジア太平洋地域&中東まで引きずり出されてしまったという事になる。もう少し懐疑的に共同会見の範囲を考えると、「海上交通の安全を維持する。」と書かれていることから、範囲(地域)は広がる可能性さえ見えてくる。

この点を孫崎享氏は、指摘をしているのである。

昨年(2009年)4月東京新聞が孫崎氏のこの本について社説を書いている。
 
筆洗  2009年4月20日

日米安保条約にとって代わった文書が存在する。こんな話をされたら「いつの間に」と不思議がる人もいよう。外交上の秘密文書ではない。二〇〇五年十月二十九日、日米の外務・防衛担当閣僚が署名した文書である▼正式な題は「日米同盟・未来のための変革と再編」という。今春、防衛大学校の教授を退いた孫崎享(うける)さんが著書『日米同盟の正体』で指摘している。外務省の国際情報局長や駐イラン大使を歴任した情報分析の専門家である▼肝心なのは冒頭部分の<緊密かつ協力的な関係は、世界における課題に効果的に対処する上で重要な役割を果たしており…>というくだり。国民の側に意識がなくとも、これで<日米の安全保障協力の対象が極東から世界に拡大された>とある▼アフリカ東部ソマリア沖の海賊対策で、海上自衛隊の哨戒機P3Cに派遣準備命令が出された。周辺に展開される自衛隊は、やがて陸海空合わせて千人規模になる。世界の課題に日米で対処する一つの事例に見える▼自衛隊の海外派遣が際限なく拡大していくのではないか。こんな危惧(きぐ)を持つ。日本から米国に対し、新たな日米安保共同宣言の策定に向けた協議を提案していたとの報道があるから、なおさらである▼自衛隊の海外派遣を、いつでも可能にする恒久法制定の布石とも分析できる。「いつの間に」とならぬよう、心していよう。

国会審議など記憶にない。こんな事でいいのか。航空自衛隊総体の司令部がこともあろうに外国軍基地である横田基地内に移るのだから常人から見れば、この世のことともおもえないことも小泉時代にはおおありなのだろう。著者孫崎氏は外務省の出身。国際情報局長の後防衛大学教授の経歴をもつ。外務省には、91年ごろまで日本の国益を第一に考える真っ当な空気があったが、その後、巧妙で執拗な米国の間接的な人事介入で米国におもねる気風が一般的になったようだ。「影響力の代理人」は日本の各界にいる。孫崎氏もその毒牙にかかったのか。私などあまり米国大使館の工作が小泉時代うまくいきすぎて、シャー時代の駐イラン米大使館とおなじユーフォリアに浸っていると警告しているのだが、はたして効くものか。日米関係への著者の懸念は本書147ページに要約されているが、第8章の核武装に関する見解も参考になる。講談社現代新書 本体価格760円
この書籍内容紹介は次のように書かれている。

アメリカの戦略が大きく変わったことをどれくらいの日本人が知っているのか?
「核の傘」は本当にあるのか?
ミサイル防衛は本当に有効なのか?
なぜ日本はいつも北朝鮮外交でアメリカに振り回されるのか?
専門家による衝撃の書!!


構成

第一章 戦略思考に弱い日本
日本に戦略思考がないと明言するキッシンジャー/シーレーン構想の真の目的/
統幕議長ですらシーレーン構想の意図を理解できなかった/上兵は謀を伐つ

第二章 二一世紀の真珠湾攻撃
ブッシュ政権はテロ予告情報になぜ反応しなかったのか/
陰謀は悪ではない/北方領土の利用価値

第三章 米国の新戦略と変わる日米関係
ソ連の脅威が消滅するショック/ソ連崩壊後の最大の脅威は日本/
米国が警戒した樋口レポート/新たな日米安全保障関係の構築

第四章 日本外交の変質
日本外交はいつから変質したか/「同盟の非対称性」をどう見るか/
日本はなぜ「日米共通の戦略」の道を邁進するか/日米関係を変える中国という要因

第五章 イラク戦争はなぜ継続されたか
米国の各種戦略とイラク戦争/駐留長期化は治安維持に寄与しない/
戦争が継続された二つの要因

第六章 米国の新たな戦い
オサマ・ビン・ラディンの戦いの目的/コーランの教えは過激か/
ハマス・ヒズボラへの対応が中東和平への道/

第七章 二一世紀の核戦略
核兵器の限定的使用を模索したブッシュ政権/ジョセフ・ナイの論理/
戦争に勝利する手段としての核兵器/一九六〇年代の核戦略に学ぶ

第八章 日本の進むべき道
核兵器保有は日本の安全保障拡大に利さない/米国の北朝鮮政策を読み違える日本/
ミサイル防衛は有効か/グローバリズムと抑止効果/国際的に高い評価を得る日本

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この東京新聞の記事にすぐに反応をしたのが、天木直人氏であった。氏のブログには次のように書かれている。氏の個人的な考えもあろうと思われることから、あえて一部を引用せず全文を転載しておこうと思う。http://www.amakiblog.com/archives/2009/04/21/

ついに東京新聞が「日米同盟の正体」を取り上げた


 ついに大手新聞が取り上げた。4月20日の東京新聞は一面の社説「筆洗」で孫崎享氏の著書「日米同盟の正体」(講談社新書)について書いた。しかもその著書の核心部分である「日米安保条約は外務官僚の手で国民の知らない間に書き換えられていた」という事を正面から指摘した。

 東京新聞の社説はこういう書き出しで始まっている。

 「日米安保条約にとって代わった文書が存在する。こんな話をされたら『いつの間に』と不思議がる人もいよう。外交上の秘密文書ではない。2005年10月29日、日米の外務・防衛担当閣僚が署名した文書である。正式な題は『日米同盟・未来のための変革と再編』という・・・」

 問題はこの社説の意味をどこまで読者が、国民が、理解できるかということである。

 そのためにも、この社説がきっかけとなって他の大手新聞、メディアがこの問題を次々と取り上げられていかなければならない。
 
 外交・安保問題を専門とする学者や評論家が「日米同盟の正体」の著書の内容の是非について正面から論ずるようにならなければならない。

 その事によって、結果として何も知らなかった国民の頭の中に問題意識が芽生えるようにならなければならない。

 果たしてそうなるだろうか。残念ながらそうはならないだろう。政府・外務省、防衛省は孫崎氏の「日米同盟の正体」が論議されるようになって困るのだ。だから必死に押さえ込むだろう。朝日新聞などは決して孫崎氏の著書を持ち上げはしないだろう。

 孫崎氏の著書「日米同盟の正体」が正しく評価される日本にならなくてはならない。すべては国民の覚醒にかかっている。

 
 朝日新聞の劣化は目を覆うばかりだ

 たとえば4月19日の新聞各紙を読み比べでみて、今更ながら朝日新聞の劣化を痛感した。

 東京新聞は、今年の7月末に、韓国が(北朝鮮ではない。念のため)、人工衛星搭載のロケット打ち上げを計画していること、それが日本の領海上空を通過することで日韓両国が最終調整していることがわかった、とスクープしている。政府は、北朝鮮のミサイル発射で大騒ぎする一方で、韓国のミサイルが領海上空を飛ぶ事については口をふさいで国民に隠していた、ということだ。

 産経新聞は、北朝鮮がミサイル発射前の3月に、米政府がカーター前大統領を極秘裏に訪朝させて北朝鮮に発射実施を思いとどまらせようとしていた事を教えてくれている。 やはり米国は米朝協議を重視していた。これからも米朝協議を模索するだろう。ますます日本は蚊帳の外に置かれることになる。

 日経新聞は、訪米中の安倍元首相が、ワシントンでの講演会で、同行した民主党の前原誠司副代表の名前を出して、「前原さんが民主党政権で首相になれば、自民党とほとんどかわらない」、などという発言をしたことを報じていた。その発言の内容もさることながら、政権を投げ出した安倍元首相はどの面をさげて訪米できるのか。

 毎日新聞は、東京で開かれているパキスタン支援会議に出席中の米国特別代表ホルブルック氏が、東京の外国特派員協会で会見し、「アフガニスタンとパキスタンのテロリストたちが東京など世界主要都市への攻撃を計画しているのは間違いない」と発言したと報じている。 とんでもないウソの脅迫発言だ。他の主要都市はいざ知らず、日本が反米、反イスラエルのテロに狙われるはずはない。狙われるとしたら米国に加担させられたからだ。

 これらの記事の一つ一つは重要な問題を含んでいる意味のある記事だ。

 それにくらべ朝日新聞には興味ある記事がまったくない。それどころか一面トップで報じられている記事といえば、家電販売大手「ベスト電器」の郵政不正事件であり、舟橋洋一主筆とガイトナー米財務長官とのインタビュー記事である。

 前者は西松事件と同じ構図の民主党叩きであり、後者は舟橋主筆の宣伝インタビューでしかない。内容はまるでない。そもそもガイトナー米財務長官で米国の金融危機が乗り切れるのか。

 朝日新聞はもはや購読に値しない新聞になりさがりつつある。毎日熱心に大手新聞を読み比べている私がそう思うのだから間違いない。


 朝日新聞の経営陣は読者の声に謙虚に耳を傾けるべきだ


 朝日新聞の劣化について書いたところ複数の読者から、自分もそう思っていた、ながらく愛読してきたがついに購読を止めることにした、などなどの意見が寄せられた。

 朝日の愛読者だからこその意見であろう。朝日新聞の経営者はそのような貴重な読者の声に謙虚に耳を傾けるべきだと思う。

 われわれが新聞に期待するのは、迅速で正確な事実の提供である。しかしそれだけであれば新聞は一つでいい。

 われわれが新聞に期待するのは、同時にその事実の背後にある解説であり、論評である。そしてその解説、論評記事の中にこそ、各新聞社の存立意義があるのだ。その拠って立つ主義、主張が失われればどうなるか。

 かつての朝日新聞は、権力を監視し、平和、人権を尊重するリベラル紙を標榜していた。その考えに共感するからこそ読者は朝日新聞を購読していたのだ。その基本的な軸が、いつの間にぼやけ、ついに権力側に与するようになってしまった。

 読者が離れるのも無理はない。朝日新聞を購読する意味はなくなったと多く読者が思うゆえんである。
 それにしても、朝日新聞は変わった。変わっただけでなく紙面がおどろくほどに劣化した。朝日に一体何が起こったのであろうか。

 
 政治の軸にならない貧困問題

 東京新聞に時々掲載されるロナルド・ドーア氏の「時代を読む」という論評がある。彼の肩書きは英国ロンドン大学政治経済学院名誉客員である。その論評に私は共感を覚える事が多い。4月19日の「政治の軸にならない貧困」という見出しの論評もそうであった。

 彼は、先日発表された麻生首相の緊急経済対策について、小泉・竹中路線から転向し、供給面の規制撤廃より、総需要刺激策のほうが景気対策にとって必要だ、やっと麻生首相はそれに気づいたか、めでたい、めでたい、と皮肉交じりに一応は歓迎してみせる。

 私が注目したのは、その後に続く次のくだりだ。

 彼は56.8兆円のうち、雇用対策費は4.4兆円、金融対策費はその十倍の44.8兆円である、と指摘した上で、『麻生政権の関心の優先順位はそんなもんか』と失業者は怒らなければならないと言う。

 他の先進国、特にアングロサクソンの国でも、新自由主義に基づく「制度改革」による不平等化は見られるが、日本で不思議な事は、この不平等の問題が政党政治の重要な軸にならないことだ、と言う。

 貧困関係の本が書店にあふれ、メディアの関心も外国に比べ強いにもかかわらず、日本では貧困・再配分の問題が政治論争の主要軸にならないという。

 ドーア氏はその理由については何も書いていない。それどころか、この論評を、「なぜだろう」という問いかけで終えている。

 なぜだろうか。その答えは勿論私にもない。しかしいくつかの問題提起はできる。

 労働組合をバックに持つ社民党や共産党は、湯浅誠を自らの政党の候補者としてなぜ取り込もうとしないのか。彼を政治家にさせ、この国の雇用問題、所得格差問題について政治の場で活躍させれば間違いなく雇用、失業問題は政治の中心課題となるだろう。

 もし湯浅誠がそのような誘いを受けているのならば、みずからのライフワークを完成させるためにも、彼の支持者と一緒に政治の場で活躍すべきだ。もし湯浅が社民党や共産党のような既存政党に飽き足らないのであれば、湯浅新党を立ち上げて政治に風穴をあけるべきである。

 もし社民党や共産党が湯浅誠とその背後にいる派遣労働者を政治の中に取り込もうとしないのなら、社民党や共産党の雇用対策、失業対策は口先だけと言うことだ。政治を、貧困問題の真の解決よりも、自分たちの組織存続、拡大を優先しているということだ。

 そしてもし湯浅誠が、あくまで政治から距離を置き、貧困問題の解決は政治家の仕事だ、と突き放しているのなら、政治の力を過小評価しているということだ。自らが政治家になったときに及ぼしうる影響力に気づいていないということだ。

 貧困問題が政治の軸にならないようでは、その真の解決はおぼつかない。これだけははっきりしている。

  政治の軸にならない平和問題と国民新党の役割


 私は、ロナルド・ドーア氏の論評を引用して、この国では貧困問題が政治の軸にならない、政治家は誰も本気になって貧困問題を政治の場で解決しようとしない、国民もまたそれを政治に要求しない、と書いた。

 同様のテーマはもう一つある。それは平和の問題である。平和もまた政治の対立軸になっていない。

 政治家は憲法9条を踏みにじる政府・官僚を本気になって追及できない。国民は平和の問題を政治の主要テーマにしない。

 これは由々しい事だ。我々の生活の基本である憲法9条(平和)と25条(生存権)が、政治の軸にならないのである。

 ここ数ヶ月間、与野党は解散・総選挙絡みの駆け引きばかりに終始し、国会において、平和の問題もまた放置してきた。

 米海兵隊のグアム移転協定しかり。海賊対策法しかり。いずれも重大な憲法9条違反の法案であるにもかかわらず、まともな審議が行なわれないまま急いで成立させられようとしている。

 しかも政府は国民に嘘をついてまで成立を急いでいる事が明るみになったと言うのに、である。

 たとえば沖縄からの米海兵隊削減計画である。我々は8000人削減されると繰り返し聞かされてきた。そのように報道されてきた。しかし4月3日の衆院外務委員会で、外務省の梅本和義北米局長は、社民党辻元清美氏の質問に対し、それが嘘である事を認めた(4月9日朝日新聞)。07年9月時点での在沖縄海兵隊の実数は1万3200人という。その数が1万人になるだけなのだ。わずか3200人の削減に過ぎない。その見返りに膨大なグアム移転費を負担させられようとしている。国民に十分な説明がないままに国民の税金が使われようとしている。

 海賊対策法の嘘もまた明らかになった。4月19日の東京新聞は、ソマリア沖に派遣されている海上自衛隊がこれまでに警護した日本関係船舶は、政府が説明していた数の3割程度しかなかったことをスクープしている。不景気によって航行する日本関係船舶が急減しているのだ。

 本来ならば派遣そのものを見直さなければならないのに、現実は逆だ。政府は海賊対処法の成立を強行しようとしている。

 政治は何をしているのか。護憲政治家は何をしているのか。共産党や社民党の政治家が怠慢だとは言わない。圧倒的に少数なのだ。非力なのだ。そして雇用問題と同様に、野党第一党の民主党が動かないのだ。

 そのような中で、私は国民新党の動きに注目している。4月21日の新聞各紙は、国民新党の亀井久興幹事長が横浜市で記者会見し、一旦受け入れた民主党の海賊対処法修正案にもとづく与党との修正協議から、国民新党は離脱する方針を決めた、と報じた。海上自衛隊の海外派遣に反対する社民党との連携を重視して方針転換したという。

 国民新党は平和の政党になったのか。そういえば国民新党の亀井静香代表代行の最近の発言を聞いていると、平和外交の重要性を言い出し始めた。国民新党は平和の政党に脱皮しようとしているのだろうか。そうだとすれば私はそれを歓迎する。

 やがて国会で海賊対策法案をめぐる審議が始まる。私は国民新党が民主党より憲法9条に忠実な立場を取ろうとしている事に注目している。

 保守的な国民新党が平和を標榜する政党になれば、より幅広く国民に訴える事が出来るのではないか。護憲・平和問題が左翼イデオロギー政党の独占物でなくなった時こそ、護憲・平和問題が政治の軸になる時かもしれない。国民新党の活躍に期待したい。


先日も、朝日新聞や産経が日米同盟を50年と書いていたのだが、新聞社自体が「日米安保」と「日米同盟」をごちゃ混ぜにしているのであろうか。日米安保では極東アジアが範疇であったものが同列で日米同盟という言葉を用い「錯覚のうちに」世界中に自衛隊が派遣できるとした「日米同盟」を根本から見直さなければならないように思えてならない。

【財政債権】 増税・減税論議

岩上安身氏の呼びかけで「国民財政会議」なるものが開催され、Ust中継もされていた。ゲストスピーカーに経済アナリストの菊池英博氏、ほか元国会議員・二見伸明氏、税理士・荒川氏。

当日の様子は、岩上氏のHPでも確認ができるし、Rolling Bean 女史がブログにアップをしている。
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10581753057.html

このシンポジュームの中で、菊池英博氏が産経新聞に寄稿(インタビュー)をしていると語っていた。下の記事は、その産経の記事である。
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【金曜討論】消費税率引き上げ 菊池英博氏、伊藤元重氏
2010.7.9 08:42
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100709/plc1007090846003-n1.htm

 菅直人首相が「消費税10%」に言及したことにより、消費税率の引き上げ問題が参院選(11日投票)の大きな争点になっている。今度こそ政治は増税問題に正面から向き合えるのか、有権者の関心も高い。「日本の財政は危機的な状況にあり、一日も早く消費税率引き上げに向けた議論を始めるべきだ」という東京大学大学院教授の伊藤元重氏と、「まず景気対策を実施し、『強い経済』を復活させれば税収は自然に増える」と主張する日本金融財政研究所長の菊池英博氏に聞いた。(喜多由浩)

 ≪菊池英博氏≫
 
「強い経済」復活で税収増
 --菅首相が「消費税10%」に言及したが
 「菅首相が掲げた3つの柱(強い経済、強い財政、強い社会保障)には基本的に賛成だ。ただし、順番を間違えてはいけない。日本の経済は平成13年以降、小泉構造改革・自公政権のデフレ政策によって、税収が激減してしまった。今や日本の経済力は20年前、財政力は25年前の水準に戻っている。まずは景気対策をしっかりやってデフレを解消し、『強い経済』を復活させることが先決だ。そうすれば名目GDP(国内総生産)が上昇し、税収は自然に上がる。逆に『財政』健全化と称して、先に消費税を上げると経済が落ち込みマイナス成長になる。(菅首相は)財政出動をしたくない財務省や増税派の政治家に取り込まれてしまったのではないか」

 ●デフレには需要喚起策

 --消費税の問題点は
 「消費税は、すべてにかかわる大衆課税であり、波及が大きい。生鮮食料品から運賃、石油…とみんな上がってしまう。実際アメリカは1930年代のデフレの際に消費税を新設したためにGDPがデフレ前の半分になってしまったことがある。一方、昨年就任したオバマ大統領は就任早々、約70兆円の緊急補正予算を組んで景気対策を取り、同時に法人税、所得税の最高税率引き上げを実施した。日本の民主党政権も、3年間で100兆円規模の緊急補正予算を組んで積極的な投資を行い、需要喚起政策を取るべきだ。デフレは『財政』を使わねば解消しない」

 --90年代から2000年代初めの100兆円規模の財政出動は、「効果がほとんどなかった」と批判されたのではなかったか

 「その評価自体が間違っている。これによって、約100兆円のGDPの押し上げ効果があったことは、平成16年の参院予算調査室の報告にも書いてある。この対策がなければGDPは400兆円程度にまで落ち込むところだった。それをムダにしてしまったのが小泉構造改革の緊縮財政だ」

 ●財政「危機的」ではない

 --積極的に公共投資を行おうにも今の財政状況では難しい

 「そもそも日本の財政は『危機的な状況』などではない。財務省が掲げる『GDP比180%以上』などという債務は実態を表していないからだ。正しくは、(国民の負債ではない)特別会計の債務と社会保障基金の積立金を引いた『純債務』で見るべきで、これなら債務は半分になってしまう。財源もいくらでもある。特別会計のいわゆる“埋蔵金”は昨年度決算で約70兆円。また、日本は世界最大の『債権国』であり、昨年末現在で官民合わせて267兆円の対外債権を保有している。この利息と配当だけで年10兆~15兆円、預金の純増分が10兆円もあり、建設国債の原資になるのだ」



≪伊藤元重氏≫
 
「財政健全化」へ議論急げ

 --「消費税」は「選挙には鬼門」と言われてきた。菅首相が参院選前に「消費税10%」に言及したのは評価できるか

 「(消費税10%は)自民党も掲げているし、持ち出しやすい環境にあったのは確かだろう。日本の財政問題は、過去の積み上がった借金よりも、少子高齢化社会において、今後毎年1兆円規模で膨らんでいく医療や年金などの社会保障費をどう抑え込んでいくかが、より深刻な問題だ。確かにまだまだムダも多いのだが、『歳出カットができるまで増税をしない』としばってしまえば、たぶん永遠にカットできないであろう。日本の財政は危機的な状況であり、『しっかり財政健全化に取り組む』という明確なメッセージをマーケットに向けて出すことが大事だ」

 ○日本の債務は世界2位

 --財政危機といわれても国民にはあまりピンとこない

 「日本の債務(GDP比180%以上)はジンバブエに次いで世界2位だ。他国の例をみれば、だいたいGDP比100%ぐらいの水準で破綻(はたん)している。もっと危機感をもってほしい。『日本は外国に借金がないではないか』という人もいるが、これは持続性はあるが、いったん問題(日本国債の暴落など)が起これば一番危ない。グローバルマネーの選別は厳しく、マーケットは注視している」

 --消費税増税が景気に悪影響を与えるという声が消えない

 「確かに景気の波のタイミングを誤ればそうなるだろうが、経済学の教科書には、増税をしても全部歳出に回せば有効需要は増える、と書いてある。つまり、何に使うのかが大事だ。今の日本は、医療、介護、教育といった分野で財政的に閉塞(へいそく)感があり、そこへ資金を流して刺激してやる必要がある。国民がお金を使わないのはこうした分野に不安があるからだ。そこが安定すれば消費に回るだろうし、地域の雇用も生まれる。それに消費税は今すぐ上がるわけではない。上げるにしても、税率をどうするか、段階的に上げるのか…いずれにしても簡単な話ではない。10年先20年先の国家の計を考えて、できるだけ早く『議論』を始めておくべきだ」
 
○法人税増税では失速

 --消費税は、逆進性(収入が少ない者に負担率が高い)への批判がある。むしろ、法人税や所得税の最高税率を上げるべきだという意見もあるが

 「所得税のフラット化(所得にかかわらず同率を負担)は世界の流れであり、逆進性を問題にしているのは日本ぐらいだ。格差を税で修正するのではなく、歳出面で医療、年金、教育など『平等なサービス』を受けるのが一般的だ。経済のグローバル化が進むなかで、ゆがんだ形の累進課税や法人税増税をやれば、経済そのものが失速してしまうだろう」

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【プロフィル】菊池英博
 きくち・ひでひろ 昭和11(1936)年、東京都出身。東京大教養学部卒。東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。ミラノ支店長、豪州東京銀行取締役頭取などを歴任。平成7年、文京女子大(現文京学院大)教授。専門は国際金融、日本経済。19年から、日本金融財政研究所長、経済アナリスト。
                   ◇
【プロフィル】伊藤元重
 いとう・もとしげ 昭和26(1951)年、静岡県出身。東京大経済学部卒。米ロチェスター大大学院経済学部博士課程修了。東京大経済学部教授、同経済学部長、同大学院経済学研究科長などを歴任。財団法人総合研究開発機構理事長も務める。専門は国際経済学、ミクロ経済学。

2010年7月7日水曜日

【沖縄密約】 有効な抑止力

沖縄の核撤去 抵抗 政府が外交文書公開
米、68年復帰交渉で 外務省幹部 「本土並み」に消極的
2010年7月8日 10時01分

 【東京】1972年の沖縄返還をめぐる交渉で、米側が「核抜き」に強い難色を示していたことが、7日公開された日本側の外交文書で裏付けられた。記録によると1968年5月、当時の三木武夫外相とジョンソン駐日大使の会談で、大使は在沖米軍基地を置く目的を日本のほか韓国、台湾、フィリピン地域での「抑止」であると説明し、「核を含む豊富な対応措置をとりうる」ことが抑止力だと強調していた。

 三木外相は、会談前に別の極秘文書で「核抜き・本土並みをぶつけたい」と外務省幹部に漏らした記録があるが、幹部は「慎重な再検討」を求め消極姿勢を示した。

 しかし、外相は大使との会談で、国内世論が「圧倒的に『核抜き・本土並み』に固まりつつあるようだ」と言及。日本としては世論などを踏まえ対応を決める必要があるとし、核撤去を求める意向を示唆した上で、核撤去が「極東の安全保障にどれほどの支障があるのか軍事技術的な観点から説明を聞きたい」としていた。

 これに対し、大使は北朝鮮が「米国の反撃力を常に注視している」とし、核能力を備えた現状戦力の維持が必要だとの考えを示した。さらに「日米間の明確な合意で沖縄に核がないと共産側に知られれば、戦争抑止力を低下させる」とけん制し、日本側に再考を促した。

 その上で、軍事技術の進歩で沖縄の核は撤去しうるとの当時の日本国内世論に対し「(そうなれば)戦略核使用に至らない対応措置はとれなくなり、抑止力の有効性を損なう」が、日本はそれでよいかと厳しい表現で三木外相に迫っていた。

 日米両政府は翌年11月に「核抜き」返還で合意。一方で有事には核兵器を沖縄に再持ち込みする秘密合意を両国首脳間で交わしたことが明らかになっている。

 7日に公開されたのはこれら沖縄返還交渉のほか、沖縄の軍用地接収・返還や補償について収集した日本側資料など29冊と、日米安全保障条約改定交渉関係の文書8冊、計約8000ページ。外務省は30年以上経過した文書は原則自動的に公開する制度を5月にスタートさせており、今回はその第1号となる。同省は残り約2万2000冊についても順次公開していくとしている。

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日本の安全「沖縄犠牲も」 外交文書公開
2010年7月8日

 【東京】沖縄返還交渉当時の1968年、外務省の情報分析部局が日本の安全保障をめぐり、「わが国自体の安全からいえば、沖縄の住民の犠牲においてでも従来どおりの米軍の沖縄保有が当面のぞましかった」との見解をまとめていたことが、7日に公開された外交文書で明らかになった。併せて返還後の沖縄の米軍基地の在り方には「沖縄の返還は基地の自由使用(核の持ち込みをも含めて)を前提として考えざるを得ない」と指摘していた。

 文書は、返還交渉が進む68年5月23日付で、外務省国際資料部調査課(現在の国際情報統制官組織)が「わが国の安全保障について」と題して作成した。本土の「捨て石」にされた沖縄戦の論理が戦後も生き続けていた実態を示すものだ。

 同文書では、前年に佐藤栄作首相が表明した非核三原則についても「三原則を守って核攻撃を受けない保証はゼロだ。純粋に抑止力という見地から言えば、独(西)の如(ごと)く自国に核を持ち込ませることが有効だというのがむしろ論理的結論だろう」と指摘し、沖縄への核搬入容認論も展開した。

 併せて公開された文書では、沖縄の基地の使用について米側が日本側に対し、軍事的必要性ではなく政治判断の必要性を指摘していたことも明らかになった。

 68年5月27日に外務省内で行われた「沖縄の地位に関する第一回日米継続協議」の場で、ジョンソン駐日米大使が三木武夫外相に対し、沖縄の核基地の是非をめぐり「軍事技術の問題ではなく、高度の政治判断の問題であり、政治的決定がなされた後、はじめて軍事技術的にそれをどう実施するかという問題が生ずるものだ」と指摘した。

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非核三原則に異論 核持ち込みは抑止力として「有効」 外務省が外交文書を公開
2010.7.7 23:50

 佐藤栄作首相(当時)が昭和42年に表明した「非核三原則」をめぐり、外務省が翌年、三原則を守った場合でも日本が核攻撃を受ける可能性があることを指摘し、米軍の核兵器持ち込みは抑止に有効であるとの内部文書を作成していたことが7日分かった。外務省が公開した外交文書で明らかになった。三原則の表明直後、冷戦下の日本を取り巻く安全保障環境を踏まえ、政府内に異論があったことが浮き彫りになった。

 当時の外務省国際資料部が作成した43年5月23日付の「極秘」指定文書は、三原則に関し「守る理由は主として、それが国内の不安定要素を生み、日米の摩擦の種となるということにつきる」として、国民感情などから見直しは得策ではないと認めながらも、三原則を守った場合に「日本が核攻撃を受けない、あるいは紛争に巻き込まれないという保証はゼロである」と疑問を示した。

 その上で、米軍による日本への核持ち込みがあった場合、「ソ連、中共(中国)を刺激することは疑いないが、といって著しい緊張増大をもたらすとは考えられない」と指摘。抑止力維持の観点から「自国に核を持ち込ませることが有効であるというのが論理的結論であろう」と主張した。

 さらに47年の沖縄返還について「沖縄の返還は米軍による基地の自由使用(核の持ち込みをも含めて)を前提として考えざるを得ない」と記している。

 7日に外交史料館(東京都港区)で一般公開されたのは、30年7月~35年1月に作成された日米安保条約改定に関する関連文書のファイル8冊と、27年4月~47年8月作成の沖縄返還に関連する交渉記録関連ファイル29冊で計約8100ページ。外交史料館でCD-ROMに記録したファイルをコンピューター画面上で閲覧できる。

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米、「核抜き」に難色=抑止力低下を懸念-外交文書
(2010/07/07-19:51)

 1972年の沖縄返還をめぐり、日本側が求めていた「核抜き」返還米側が交渉の最終局面まで難色を示していたことが、外務省が7日に公表した外交文書で裏付けられた。68年6月に当時の三木武夫外相とジョンソン駐日米大使の会談録では、沖縄からの核兵器撤去を求めた三木氏に対し、米側は「基地の有効性を減殺する」などと抑止力への悪影響を懸念して強く反論していた。

 ベトナム戦争を背景に、米軍内では沖縄の戦略的重要性から核撤去への抵抗感が強かった。日米は69年の首脳会談で核抜き返還で合意したが、その際も佐藤栄作首相とニクソン大統領が、有事の場合は核再配備を認める内容の合意議事録を秘密裏に交わしていたことが明らかになっている。公開された文書によると、三木氏は会談で「世論は圧倒的に核抜き・本土並み(返還)に固まりつつある」と指摘。しかし大使は「日米間のはっきりした合意により沖縄に核兵器がないということが共産側に知られれば、沖縄の戦争抑止力を低下させることになる」などと切り返している。 

 一方、70年の下田武三駐米大使とマケルロイ米国務省日本部沖縄担当官の会談録では、返還に伴い日本国内で沖縄基地の整理縮小を求める声が高まっていたことについて、マケルロイ氏が「米側の極東戦略はますます沖縄を基点にして考えられることとなる。期待を掛けられたら将来失望することになる」などと否定的見解を示したことが記録されている。

 60年の日米安全保障条約の改定に関しては、日本の憲法問題などを理由に条約対象地域から当時米国の施政下にあった沖縄と小笠原を除外した経緯などが記されている。

 7日に公開されたのは、安保改定と沖縄返還に関する文書ファイル37冊で、計約8000ページ。作成から30年を経過した文書を原則公開するとした外務省の新規則が初めて適用された。東京・麻布台の外交資料館で閲覧できる。

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外務省、非核三原則の変更模索=持ち込み「抑止に有効」-68年文書
(2010/07/07-20:37)

 7日公開された外交文書によると、核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とする非核三原則が打ち出されてから約半年後の1968年5月に、外務省は「純粋に抑止力の見地から言えば、西ドイツ(当時)のように自国に核を持ち込ませるほうが有効だ」として、三原則の変更を模索していた。

 記されているのは、同省国際資料部調査課が68年5月23日付で作成した「わが国の安全保障について」と題する極秘文書。中国の核兵器保有などアジアの情勢変化を踏まえ、核政策見直しや自衛力強化といった課題について、47ページにわたりまとめたものだ。

 この中で、当時の佐藤栄作首相が67年12月に表明した非核三原則に関し、「自分で自分の手を拘束した」と暗に批判。当時のソ連や中国が核を保有している状況を踏まえ「非核三原則を守った場合、日本が核攻撃を受けない、あるいは紛争に巻き込まれないという保証はゼロだ」と断じた。

 さらに、米軍による核兵器の持ち込みを認めた場合、「ソ連、中共(中国)を刺激することは疑いないが、著しい緊張増大をもたらすとは考えられない」と分析。核兵器に抵抗感を持つ国民感情を認めながらも、「核について冷静、かつ科学的な検討を行う雰囲気をつくることが重要だ」との認識を示している。

 一方、日本自身の核武装に関しては「取るべき方策とは考えられない」と指摘。その理由として
(1)日本がより安全になる保証がない
(2)米国が歓迎しない
(3)経済的負担が大きい-の3点を挙げた。

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米側、沖縄基地の抑止力強調 返還巡り、三木外相に
2010年7月8日1時46分

 外務省が公表した沖縄返還に関する日米交渉の記録で、1968年当時、米側が沖縄に配備されていた核兵器や米軍基地の「抑止力」を強調し、日本側が求める「核抜き本土並み」返還に強く難色を示していたことがわかった。

 公表された文書は、68年5月の、当時の三木武夫外相とジョンソン米大使による会談の記録など。67年に日米が返還に向けた継続協議に合意したことを受けて行われた。

 会談記録によると、沖縄の核について説明を求めた三木外相に対し、ジョンソン大使は「沖縄に核がないと共産側に知られれば、核による反撃の可能性を除外して行動しうることになり、戦争抑止力を低下させる」と主張。中国や北朝鮮を例に挙げ、「沖縄米軍基地にどの程度の抑止力を期待するか」と質問している。

 一方、会談の直前に外務省国際資料部調査課が行った内部検討の記録には、「わが国自体の安全からいえば、沖縄の住民の犠牲においてでも従来どおりの米軍の沖縄保有が当面のぞましかったことは疑いを容(い)れない」との記述がある。沖縄返還は「基地の自由使用(核の持ち込みをも含めて)を前提として考えざるを得ない」とも記されており、省内にも「核抜き返還」に異論があったことを示している。(川端俊一、谷津憲郎)

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核持ち込み「抑止に有効」、外務省文書

 いわゆる「非核三原則」が打ち出された翌年の1968年、外務省が抑止力の観点から、「核を持ち込ませることが有効」と記した内部文書を作成していたことが分かりました。

 この内部文書は、外務省が30年を経過した外交記録は原則、自動的に公開するという新しい制度の第一弾として、7日、公開したものです。

 文書は、1968年5月に外務省の国際資料部調査課が作成し、「非核三原則を守った場合、日本が核攻撃を受けないという保証はゼロである。純粋に抑止力という見地から言えば、西ドイツの如く、自国に核を持ち込ませることが有効である」と記されています。

 佐藤栄作総理が「非核三原則」を打ち出した翌年に、この三原則の変更が模索されていたことを示す内容で、文書ではさらに、「政府は国民の大多数の共感を作り出していくための説得に力を傾けるべき」と、世論形成の必要性も訴えています。(08日01:59)

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外務省「三原則で核攻撃防げず」 抑止力確保に持ち込みを

佐藤栄作首相が非核三原則を表明した翌年の1968年、外務省の情報分析部局が「三原則を守って核攻撃を受けない保証はゼロだ」と指摘、抑止力確保の観点からは日本国土への核持ち込み容認が「有効」とする内部文書を作成していたことが、7日公開の外交文書で明らかになった。文書はまた、返還後の在沖縄米軍基地の在り方について「自由使用(核の持ち込みをも含めて)を前提として考えざるを得ない」と記載していた。

 被爆体験を踏まえ、その後「国是」となる非核三原則をめぐり、表明直後から外務省内に異論があったことを示す内容。沖縄への核搬入についても容認論があった実態を浮き彫りにしている。核艦船寄港を認める核密約などを通じその後、三原則を空洞化させていく日本政府の「核抑止信仰」の根深さが読み取れる。

 文書は68年5月23日付で国際資料部調査課(現在の国際情報統括官組織)が作成した「わが国の安全保障について」。外務省が7日午前、一般公開した60年の日米安全保障条約改定と72年の沖縄返還に関するファイル計37冊の一部。公開は、作成後30年が経過した文書の原則自動公開を定めた新制度で初の取り組み。

2010/07/07 18:43 【共同通信】
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雑感ブログから

 沖縄問題で鳩山内閣から菅内閣へと移行し、所信表明が昨日行われていた。形の上では「政治とカネ」「普天間問題」マスコミは「政治とカネ」の問題を先に持ってくる。ところが、鳩山氏の辞任を発表をした両議院総会では、「普天間問題」を先に持ってきていてその後に「政治とカネ」の問題を話しているのである。

自分は、その話の後先の違いに非常に違和感を覚えていた。その後は普天間の問題を隠すかのように「普天間問題」は表に出ず、「政治とカネ」の話だけになってしまっている。同時に野党である自民党もあんなに「普天間問題」を騒いでいたものが鳴りをひそめたばかりかマスコミでも取り上げず相も変わらず「政治とカネ」である。

そこで、自分なり仮説ではあるが今回の「普天間問題」と「政治とカネ」の問題を整理をして見ようと思う。と言っても、今回は辺野古に何人の海兵隊が残ってローテーション部隊がどうのこうのという心算は一切なく、密約という部分で辺野古と抑止力を考えてみようと思う。

このブログでも何回も書いたのであるが、沖縄密約というものは下記の4つをさす。

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(産経の記事から引用

(1)60年の安保条約改定時の核持ち込みに関する密約-核兵器を搭載した米軍の艦船や航空機の日本通過や寄港について、事前協議の対象とする

(2)60年安保改定時の朝鮮半島有事の際の戦闘行為に関する密約-米軍は事前協議なしに在日米軍基地から出撃できる

(3)72年の沖縄返還時の有事の際の核持ち込みに関する密約

(4)72年の沖縄返還時の現状復帰保障費を日本が肩代わりするとの密約


(1)は、調査で、1968年1月27日付の外務省北米局長の極秘メモが発見されている。結果この文書は歴代の首相や外相に説明をする際に用いられており、首相らが説明を受けたことを示す記載もあるとされた。ゆえに有識者委員会は、これは「密約の証拠とは言えない」ものの、「暗黙の合意による広義の密約があった」とした。(広義の密約)

(2)は、非公開の議事録の写しが発見されたことから、これは「密約」と認定されている。(狭義の密約)

(3)は、佐藤首相とニクソン大統領の署名入り合意議事録が佐藤家から見つかった、1969年11月の日米共同声明の内容を超えるものではないという見解から、「密約とは言えない」とされてしまった。(密約にあたらない)

(4)は西山裁判でもわかるように「肩代わり」はあったと認めていて、「広義の密約」にあたるという結果である。(広義の密約)

そもそも何ゆえに岸・佐藤元首相たちは、密約を結ばなければならなかったのだろうか。それを考えていたら鳩山氏の、「昨年12月に辺野古に決めていればどんなに楽だったか」という言葉がどうしても引っかかるのである。

アメリカ側と旧政権で取り決めた合意文書遂行と国外・最低でも県外とする鳩山氏から沸き起こった国内世論の板ばさみにあった鳩山氏だが、昨年12月というのが非常に重要なポイントだと自分は思っている。

確かに昨年12月に官邸で自民党時代に「辺野古」に取りまとめた岡本行夫氏と会っている。岡本氏とて国外・県外移設を唱え自分の過去の仕事をひっくり返されて面白いわけはない。

岸氏や佐藤氏であればどうしたであろうか。アメリカ側の要求、すなわち辺野古移設を受け入れながら、国民に都合の悪い部分を密約としたであろうと思われる。しかし、鳩山氏はしなかったのであろうと思われる。なぜ言い切れるかというと「密約」とされない部分を出せばいいのである。

ここまで書くと自分が何を言おうとしているのか気づかれた方もおられると思う。

もう一度、密約とされなかった部分、つまり密約にあたらないと岡田外務大臣が会見で語った佐藤家から見つかった「佐藤首相とニクソン大統領の署名入り合意議事録・・・これを利用をしたように思えてならない。

佐藤首相とニクソン大統領の署名入り合意議事録は、下記のようなものである。


一九六九年十一月二十一日発表のニクソン米合衆国大統領と佐藤日本国総理大臣との間の共同声明についての合意議事録

    米合衆国大統領

 われわれが共同声明で述べたとおり、米国政府の意図は、実際に沖縄の施政権が日本に返還されるときまでに、沖縄からすべての核兵器を撤去することである。そして、それ以降は、共同声明で述べたとおり、日米安全保障条約と関連する諸取決めが沖縄に適用される。

しかしながら、日本を含む極東諸国のため米国が負っている国際的義務を効果的に遂行するために、米国政府は、極めて重大な緊急事態が生じた際、日本政府との事前協議(A)を経て、核兵器の沖縄への再持ち込みと、沖縄を通過させる権利を必要とするであろう。米国政府は、その場合に好意的な回答を期待する(B)。

 米国政府は、沖縄に現存する核兵器貯蔵地である、嘉手納、那覇、辺野古、並びにナイキ・ハーキュリーズ基地を、何時でも使用できる状態に維持しておき、極めて重大な緊急事態が生じた時には活用できるように求める。

    日本国総理大臣

 日本政府は、大統領が述べた前記の極めて重大な緊急事態の際の米国政府の諸要件を理解して、かかる事前協議が行われた場合には、遅滞なくそれらの要件を満たすであろう。

 大統領と総理大臣は、この合意議事録を二通作成し、一通ずつ大統領官邸と総理大臣官邸にのみ保管し、かつ、米合衆国大統領と日本国総理大臣との間でのみ最高の機密のうち取り扱うべきものとする、ということで合意した。

一九六九年十一月十九日

ワシントンDCにて

リチャード・ニクソン

佐藤栄作


この合意文書が、密約か密約ではないという部分にばかり目が奪われてしまっているのであるが、1969年11月の日米共同声明の内容を超えるものではない。つまり、日米共同声明にヒントが隠されている事になる。

日米共同声明をよく読むと次のような記述が見られる。

http://udonenogure.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-f989.html


米国が、沖繩において両国共通の安全保障上必要な軍事上の施設および区域を日米安保条約に基づいて保持することにつき意見が一致した。

7.総理大臣と大統領は、施政権返還にあたつては、日米安保条約およびこれに関する諸取決めが変更なしに沖繩に適用されることに意見の一致をみた。

これに関連して、総理大臣は、日本の安全は極東における国際の平和と安全なくしては十分に維持することができないものであり、したがつて極東の諸国の安全は日本の重大な関心事であるとの日本政府の認識を明らかにした。総理大臣は、日本政府のかかる認識に照らせば、前記のような態様による沖繩の施政権返還は、日本を含む極東の諸国の防衛のために米国が負つている国際義務の効果的遂行の妨げとなるようなものではないとの見解を表明した。大統領は、総理大臣の見解と同意見である旨を述べた。

8.総理大臣は、核兵器に対する日本国民の特殊な感情およびこれを背景とする日本政府の政策について詳細に説明した。これに対し、大統領は、深い理解を示し、日米安保条約の事前協議制度に関する米国政府の立場を害することなく、沖繩の返還を、右の日本政府の政策に背馳しないよう実施する旨を総理大臣に確約した。


英文での表現が和訳をされたものと同一なのかは、明確には述べられないが、米国政府の立場を害することなくとは、米国政府を怒らせない・不愉快にはさせませんよ。と言う事であろうか。となれば、佐藤首相とニクソン大統領の署名入り合意議事録の中に書かれている、好意的な回答を期待するという部分は、「おい、分かっているだろうな。日本よ」と言う事である。

では、どのように解釈ができるかというと、辺野古の基地にある核兵器貯蔵地を何時でも使用できる状態に維持しておき、極めて重大な緊急事態が生じた時には活用できるように求め、日本が了解をしたことは1969年11月の日米共同声明の中で明らか(密約ではない)であり、共同声明は現在も生きていると言う事になる。

つまり、緊急事態と米国が言えばいつでも沖縄に核を持ち込めることになる。北朝鮮の騒動を煽ってみせ、辺野古キャンプシュワブに核を持ち込むと米国が鳩山氏に迫ったらどうなるだろう。

鳩山氏は過去の合意文書と共同声明により、「好意的な回答を期待する」米国に対し「米国政府の立場を害することなく」了解をするしかないと言う事になる。

この、いつでも米国が緊急事態だということで核を沖縄に持ち込めることが「抑止力」だとしたならば、鳩山氏が「学ぶと学ぶほど」と言う言葉の意味も理解ができる。ただし、鳩山氏が、この核持込を当初は知らなかったと言う事が前提ではあるのだが。

現実に岡田外務大臣は、早くから国外は無理だとし嘉手納統合案を口にし、北沢防衛大臣は辺野古。国民新党の下地議員は、キャンプ・シュワブ案を口にしている。つまり、みな核兵器貯蔵地なのである。

あくまでも想像であり仮説でしかないのだが、鳩山氏と平野だけが、核兵器貯蔵地であることを教えられなかったのではないだろうかとさえ思えてくる。

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「核持ち込み」など3密約を認定 首相、非核三原則堅持を表明

2010.3.9 19:33

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100309/plc1003091538018-n1.htm

 外務省の「密約」問題に関する有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)は9日、日米間の4つの「密約」を検証した報告書を岡田克也外相に提出した。焦点となっていた昭和35(1960)年の日米安保条約改定時に、核兵器搭載艦船の寄港・通過を事前協議の対象外とする了解の有無について、「暗黙の合意」による「広義の密約」があったと結論付けた。

 注目されていた44年の沖縄返還決定時の有事の際の沖縄への核再配備の「合意」の評価は、政府内で引き継がれていないことなどを理由に、密約と認定しなかった。しかし、岡田氏は同日の記者会見で、「一般的に考えると密約だ」と述べ、報告書と食い違う見解を示した。

 また報告書は、35年の安保条約改定時の、朝鮮半島有事での在日米軍の自由出撃容認は合意文書に基づく「狭義の密約」と認定。47年の沖縄返還時の原状回復費肩代わりは「広義の密約」とした。

 核兵器搭載の米艦船の寄港を容認する事実上の政府方針は、佐藤栄作内閣から海部俊樹内閣までの10内閣で引き継がれていたことが、同日に開示された日米の「核持ち込み密約」の関連文書で示された。

 鳩山由紀夫首相は同日、非核三原則の扱いについて「三原則は従来通り堅持する。何も変える必要はない」と語った。さらに「(米軍の)核を含む抑止力は日米安保やアジア太平洋地域に必要だ。過去の密約が明らかになったことで、日米関係に影響を与えないように対処することが必要だ」と語った。

 岡田氏は記者会見で、米国が艦船からの戦術核兵器撤去を表明した平成3年以前の日本への核持ち込みを「可能性は排除できない」とし、否定してきた歴代政権の見解を修正した。

 報告書は、核搭載艦船寄港による「核持ち込み」に関し、35年の安保改定時、「寄港は持ち込みにあたらない」との米側解釈を日本側が認識しながら「意図的に明確化を回避した」と判断。昭和38年に大平正芳外相がライシャワー駐日米大使から米側解釈を説明されてから「広義の密約」として確定していったとした。

 一方、沖縄への核核再持ち込みは、佐藤栄作元首相が署名した非公表の「合意議事録」が同氏邸から発見されたが、「(日米両首脳の)共同声明を大きく超える負担を約束するものではなく、密約とはいえない」とした。

 日米密約有識者委員会のメンバー

 北岡伸一東大教授(座長)=日本政治外交史▽波多野澄雄筑波大教授=近代日本外交史▽河野康子法政大教授=戦後日本政治史▽坂元一哉大阪大教授=日米関係論▽佐々木卓也立教大教授=米国外交史▽春名幹男名古屋大大学院教授=国際報道論

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【久保田るり子の外交ウオッチ】密約検証が「同盟破壊の爆弾になる」の恐れ

2010.1.30 12:00

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100130/plc1001301202006-n1.htm

 核持ち込みなど日米のいわゆる「密約検証」が2月末に公表される。対象の「4つの密約」は今回、その存在が裏付けられるのがほぼ確実で、有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)が存否の検証に加え、当時の時代背景を踏まえた「歴史的な評価」を表明する。問題はその後の措置、つまり日米同盟の根幹をなる拡大抑止に関する戦略が鳩山政権下でいまだに定まっていないことだ。扱い次第でこの問題は、「普天間」で傷ついた日米の信頼関係を危機に追いつめる「同盟破壊の爆弾」となる恐れが指摘されている。

  (久保田るり子)

■朝鮮半島有事の基地使用問題をどうする?

 昨夏の総選挙前から民主党が公言してきた「4密約の検証」の鳩山政権の狙いは、「日米同盟のレビュー」である。いわく『自民党歴代政権は米国に遠慮し日本からの要求をタブー視してきたのではないか』『「非公開の密約」部分を米国が公表しているにもかかわらず、日本でその存在すら政府が否定してきたのは、対等とはかけ離れた片務性ゆえではなかったか』『国民に対してうそをついてきた結果ではないか』-との責任の所在追及だ。

 このレビューの結果、密約が確認された場合に予想されるのは、第一に60年代から現在までの政府・外務省の秘密事項の引き継ぎの実態検証だろう。外務官僚が時の政治家にどう引き継いだのか改めて問われることになろうが、過度の「真実追究ムード」は、今後の日米戦略対話の足かせにならないか懸念される。

 次に、「密約」の現時点での効力も問題となろう。国際安全保障環境は「密約」当時と大きく変化している。核持ち込み密約(注(1))はブッシュ(父親)政権で米国は1991年末、戦術核撤去宣言ですでに過去の事例だが、では、朝鮮半島有事の基地使用(注(2))はどうなのか。日米両国の協議が必要となってくる。

 専門家は「朝鮮半島有事は即座に日本有事となる可能性もある事態だが、この“密約”を解消し『今後は(有事の事前協議なしの)基地使用は不可とする』となったら、米側から『それでも日米は軍事同盟か』と不信は最高潮になるだろう。実は密約の本質とは同盟の根幹にかかわっている」と指摘する。

■鳩山政権の「同盟観」はいまだ不明

 岡田克也外相は、密約検証が日米関係に及ぼす影響について「必要に応じ米側と協議する」と述べる一方で、検証後の政策については「あえて考えないことにしている。まず事実をしっかり出して、そして検証することが重要で、その上で今後のことを考えればいいと基本的に考えている」(21年11月27日、定例会見)と考えを明示してこなかった。

 また、検証で明らかにすべき事項に関して、「当時の総理がどういう背景でどういった決断をしたのか、そこに苦渋の決断があったか」(同)を有識者委員会に評価させ、今後の外交文書の公開のあり方の提言も受けるとしているが、「一定年限がたてばオープンにするのが基本」(11月24日、定例会見)としてきた。

 こうした検証はもちろん必要である。また歴史の研究として有意義だ。しかし、いま国民が知りたいのは、「では、民主党政権は非核三原則をこれからどうマネージするつもりなのか」との問いへの答えではないのか。

 鳩山由紀夫首相は、昨年の衆院選前、「北朝鮮の脅威がある。将来を見据えて日米間で徹底的に協議していく」と非核三原則の見直しを示唆した。ところが、原爆犠牲者の式典では「法制化の検討」に言及して、原理原則がブレ続けた。

 鳩山氏は「オープンな議論の中で結論を出す」というが、米国は核抑止力について「核の存在を肯定も否定もしない」(NCND)をどう理解しているのか、非核三原則との整合性をどこまで明文化するのかには、全く言及してこなかった。 

 「検証の今後は、日米関係が健全であれば常識的には大きな問題はない。将来的に米軍再配備に関する協議も予想されるが、喫緊のことではないため同盟関係が堅持されていれば協議を進めればよい。しかし現政権は必ずしも常識にとらわれない。核密約検証後に、現政権下で政策的に何が出てくるかが予想できないのだ」という専門家もいる。

 われわれの前には過去より未来、理想より現実が広がっている。5月末に向け普天間問題の時限が迫る。密約の事後処理で日米関係がこれ以上の不協和音を奏しないよう、細心の管理が必要であることを鳩山政権は肝に銘じてほしい。

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 先日(6月8日)、フォーラム神保町で開催をされた、「嵐の中の⇒嵐の中だった小鳩政権!! ~ニッポンは何を守ろうとしているのか!?」の中で、田原総一郎氏が元大臣官房総括審議官・東郷 和彦氏とのやり取りの中で、岡田外相が核持込容認発言をしていると語っているのである。岡田外相は、核密約の結果発表の際には、明言は避けてはいても、佐藤元総理の合意文書は、密約だとしていたのであるが・・・・・・。トーンダウンだけではなく、非核2・5原則となってしまったようである。

沖縄の海兵隊が持つ力が抑止力なのではなく、核兵器を沖縄へ持ち込めると言う事実が「抑止力」なのではないだろうか?と思えてしまう。その中で、国是である非核三原則を堅持しようとした鳩山を笑う事は誰もできないと自分は思う。

駐留なき安保」というと「あほこけ」と言われそうであるが、この言葉を最初に口にしたのは、東西冷戦下での米国であったと記憶をしている。日本も駐留なき安保と非核三原則。そして「自分の国くらい自分で守ろうよ」という気になったら少しは別の方法も見えてくるような気がする。

自分のブログを読まれた方のメールのより毎日新聞の専門編集委員金子秀敏氏が、同様に核施設への再持ち込み疑念記事を書いている事を知った。

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木語:辺野古の核貯蔵施設=金子秀敏

http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20100527ddm003070112000c.html

 

<moku-go>

 鳩山由紀夫首相の言葉を軽く感じるのはなぜだろう。

 むかし「ぶりっこ」という言葉があった。男の気を引くためにわざと女らしい仕草をするのは「かわい子ぶりっこ」。いつもいい子になるのは「いい子ぶりっこ」。

 鳩山首相は、いい子ぶりっこだ。普天間飛行場の移設先は「最低でも県外」だし、オバマ米大統領に会えば「トラスト・ミー」と英語が出る。沖縄の海兵隊は「学べば学ぶほど抑止力」で、沖縄の海を埋め立てるのは「自然への冒〓(ぼうとく)」である。

 それが行き詰まると、沖縄に出向いて「辺野古付近にお願いせざるを得ないとの結論に至った」と「断腸の思い」の謝罪をした。

 首相の言葉はどれをとっても非常に重い。その重い言葉がぺらぺらひらひら飛び交うから、軽く感じるのである。

 あっさり頭を下げるいい子に向かって、沖縄県の知事も市長も振り上げたこぶしのやりばに困る。

 野党自民党谷垣禎一総裁もやりにくいだろう。「職を賭すと言った首相は、辞めるか国民に信を問うべきだ」と語ったものの、本気で解散に追い込む気迫は感じない。

 そもそも普天間飛行場を辺野古に移設するというのは自民党政権下でできた案である。それを鳩山政権が採用するというのだから、これに反対して解散に追い込むのは筋が通らない。

 自民党は発想の転換をしたらどうだろう。民主党を差し置いて辺野古移設で地元沖縄を説得し、日米安保体制を支えるのは自民党という軸を明確にするチャンスだ。これができれば政権奪取に活路が開ける。

 それにつけても、米国はなぜ辺野古にこだわるのか。今年の春、佐藤栄作元首相の机の引き出しの中から発見された「沖縄核密約」にはこのようなやりとりがあった。

 「(米国政府は)沖縄に現存する核貯蔵施設の所在地である嘉手納、那覇、辺野古及びナイキ・ハーキュリーズ基地を、いつでも使用可能な状態で維持し、重大な緊急事態の際には実際に使用できるよう求める」

 「(日本国政府は)そのような事前協議が行われた場合には、これらの要件を遅滞なく満たすであろう」

 末尾に最高機密の指定とニクソン大統領、佐藤首相の署名がある。

 辺野古には核貯蔵施設があり、有事には核兵器をまた運びこむ密約である。貯蔵施設が今でもあるなら、沖縄の「抑止力」の正体はこれではないか。それなら米国が辺野古に固執する理由も見える。(専門編集委員)

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後日、岡田外相が現在は持ち込みの密約は生きてはいないと発言をしている。しかし、持込に関しては容認発言を田原総一郎氏にしている。