2010年6月24日木曜日

【法人減税】 優遇減税 (追記あり)

「しんぶん赤旗」の記事の転載なのだが、ここまで調べられる能力がありながら、検察関係の記事は、リーク情報をそのまま他の大手既存メディア同様の報道がなされていた事を思えば、この新聞も検察だけには逆らわないと言うことなのだろう。

平成22 年度税制改正大綱
http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/pdf/211222taikou.pdf



 

法人税 「40%は高い」といいながら実は…

ソニー12% 住友化学16%

 日本のトップ大企業の利益にかかる法人課税の実際の負担率が優遇措置によって30%程度であることが本紙の試算でわかりました。日本経団連は現在40%の法人実効税率が高すぎるとし、減税を要求していますが、大企業が払っている税金ははるかに低いのが実態。法人税減税の財源を消費税増税に求めるのは身勝手すぎます。


優遇税制で大まけ

平均3割

 試算は大企業に対する優遇税制が一段と強まった2003年度から09年度の7年間を対象にしています。経常利益の上位100社(単体)で負担率は平均33・7%でした。

 財界は法人税の実効税率を25%に引き下げるよう政府に要求していますが、日本経団連の会長企業、住友化学が払っている法人課税の負担率はわずか16・6%でした。前会長の企業、キヤノンは34・6%です。

 自動車メーカーでは最大手のトヨタ自動車が30・1%、本田技研工業は24・5%でした。電機ではパナソニックが17・6%、ソニーが12・9%。鳩山由紀夫前首相が大量の株式を保有していたブリヂストンは21・3%でした。

 大企業は研究開発減税で大幅な恩恵を受けるほか、海外進出を進めている多国籍企業には外国税額控除などの優遇措置があり、40%の税率は骨抜きにされています。

 法人実効税率は国税である法人税に地方税である法人住民税、法人事業税を加えた税率です。この試算では、景気変動の影響を除くため各社の決算データから7年間の税引前当期純利益と法人3税の合計額で実際の負担率を計算しました。銀行・証券・保険業と純粋持ち株会社は除きました。

日本経団連の税制担当幹部

「法人税は高くない」

 「日本の法人税はみかけほど高くない」と財界の税制担当幹部自身が認めています。

 阿部泰久・日本経団連経済基盤本部長は税の専門誌『税務弘報』1月号で、法人税について「表面税率は高いけれども、いろいろな政策税制あるいは減価償却から考えたら、実はそんなに高くない」との見解を表明。「税率は高いけれども税率を補う部分できちんと調整されている」と説明しています。

 阿部氏はまた別の専門誌『国際税制研究』(2007年)で、大企業の実際の税負担率が高くない理由について二つの要因を指摘。一つは、研究開発減税や租税特別措置などの政策減税。製造業では「実際の税負担率はおそらく30%台前半」。もう一つは、大企業は「税金の低い国でかなりの事業活動を行って」いることから、「全世界所得に対する実効税率はそれほど高くない」。そして、「他の国がもっと税率を下げてしまったので、調整が必要だというのは建前的な発言」だと、明かしています。

 研究開発減税 企業が製品開発や技術改良のために支出した試験研究費の一定割合を法人税額から差し引ける制度。研究開発費の多い大手製造業に得な制度です。減税額の9割程度が資本金10億円以上の大企業。2007年度決算データから推計するとトヨタ自動車は822億円、キヤノンは330億円の減税です。

 外国税額控除 海外に進出した日本企業が外国で法人税を払う場合、その分を日本で払う法人税から差し引く制度。外国企業に優遇税制を敷いている途上国で法人税の減免措置を受けた場合でもその分を払ったとみなして控除される場合があります。

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「日本の消費税率は低い」は大ウソ
【政治・経済】
2010年6月26日 掲載
http://gendai.net/articles/view/syakai/124824

財務省の論法にダマされるな!!
●税率を単純比較するのはナンセンス

 菅首相が突然ブチ上げ、参院選の争点に急浮上してきた消費税率の引き上げ論議。財務省がよく使うのが、「世界でも日本の消費税率は低い」という“解説”だ。しかし、これにダマされたらダメだ。とんでもないカラクリがあるのである。

 消費税を導入している国は現在、145カ国。財務省のホームページを見ると、日本と主要国の消費税を比較する資料があり、日本の5%に対して、フランス19.6%、ドイツ19%、イギリス17.5%、スウェーデン25%――などとなっている。数値を見れば、日本の税率が低く見えるが、そんな単純な話ではないのである。

「主要国の多くは、食料品など生活必需品の税率を軽くしています。イギリスでは食料品、国内旅客輸送、医薬品などの税率はゼロ。フランスも新聞、医薬品の税率は2.1%です。アイルランド、オーストラリアも食料品の税率がゼロ。日本のようにすべての国民を対象に、日用品も贅沢品も関係なく一律に分捕る制度ではないのです」(経済ジャーナリスト)

 一概に比較できない数値を“喧伝”して「増税やむなし」の雰囲気をつくろうとする財務官僚には注意した方がいい。税収(国税)に占める消費税の割合を比べると、日本の36.3%に対して、イギリスは38.4%。日本の2倍の消費税(10%)のオーストラリアは26.8%だから、日本国民の消費税負担が極端に軽いワケではない。

「『日銀貴族』が国を滅ぼす」の著者で、旧日本長期信用銀行出身の経済評論家・上念司氏はこう言う。
「米国・カリフォルニア州では家の売買に消費税はかからない。課税対象が限定されている国と、すべてに課税される日本を比べて消費税率を論じるのはおかしいのです。これは『日本の法人税率は高い』という言い方にも当てはまる。ナフサ原料の非課税(約4兆円規模)などの税制優遇があるのに、法人税だけを見て、日本の企業の税負担は大きいというのは乱暴です」

 仮に消費税増税の方向に向かうとどうなるのか。

「増税で財政再建した国はどこもありません。EU統合の際、財政赤字を減らすために各国が取った方法には『歳出削減』と『増税』の2通りあったが、増税を選んだのは(事実上破綻した)ギリシャとイタリアの2カ国でした。デフレ下の日本で増税すれば、さらにモノが売れなくなり、税収も落ち込む。官僚たちの言い分を信じてはいけません」(上念司氏)

 菅首相にはもっともっと説明を求めなければダメである
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税理士 今村 仁
ITに関する税制知識に定評のある税理士・今村 仁氏がマネジメント層が知っておきたい最新のIT税制について、解説を行なう。

第5回 中小企業に手厚い平成20年度税制改正大綱のポイント

 2007年12月13日、自民党が「平成20年度税制改正大綱」を発表しました。この税制改正大綱は2008年4月に改正する予定の税制の基本プランであり、これを読み解けば、今後の税制が企業活動にどのような影響を及ぼすか推測できます。今回は、この税制改正大綱の中で、特にマネジメント層が知っておくべき項目に焦点を絞り、解説します。

 ただし、注意点が1つ。例年ならば、税制改正大綱は閣議決定後、国会審議を経て、ほぼ素案どおりのものが決定されます。しかし、今年は衆議院と参議院でそれぞれ第一党が違う「ねじれ国会」となっているため、発表された税制改正大綱がそのまま4月の税制改正に反映されるかが不透明です。そのため、今回の解説する内容が4月以降、実際の税制として施行されるかどうかは現時点では不明である点をご理解下さい。

適用枠が拡大される情報基盤強化税制

 まず、注目すべきは「情報基盤強化税制」に関する改正です。この税制は優れたセキュリティ機能を搭載した情報システムへの投資を企業に促すもので、今年度いっぱいで終了される予定でしたが、その期間が2年間延長され、その内容も以下の3つの点から見直されています。

(1)中小企業の適用条件の緩和
(2)新たな情報システムが対象に
(3)SaaS・ASP事業者への適用
 まず、(1)の中小企業の適用条件の緩和についてです。これまでこの税制が資本金1億円以下の青色申告法人で適用されるためには、ITシステムへの投資が「年間300万円以上」必要でしたが、この改正案では「年間70万円以上」に引き下げられています。たとえば、これまで年間250万円ほどのシステム投資を行なっている中小企業では、この税制の恩恵を受けられませんでしたが、今回の改正が行なわれれば、投資額の約7%にあたる年間17万5000円の税額控除が受けられます。

 ただし、資本金10億円を超える大企業に対しては逆に条件が厳しくなり、年間200億円を超えたIT投資に関しては、この税制の対象から外れます。

 次に(2)の対象となる情報システム追加ですが、新たに「部門間・企業間で分断されている情報システムを連携するソフトウェア」を対象資産として追加するようです。政府は日本企業におけるIT利用の実態として、個々の部門で最適化されたシステムを導入していながら、全体最適を促すような部門間の情報システムの連携が不足していると考えているようです。そのため、部門間連携を図るためのミドルウェアのようなソフトがこの税制の適用対象に加えられるでしょう。

 また、この改正案では(3)のように、政府が力を入れているSaaS・ASP事業者を、この税制の適用対象に含めると明記しています。

 これまでの情報基盤強化税制は、あくまで自社の情報システムに対する投資に限られていました。そのため、SaaS・ASP事業者がユーザーに提供するサービスのためのシステム投資には適用されませんでした。SaaS・ASP事業者はこの税制を活用することで、セキュリティ面を強化したシステム基盤を構築できます。政府はこの改正によって、SaaS・ASP事業者だけでなく、サービスを利用するユーザー企業に対するセキュリティ強化も目的としているのでしょう。

適用のハードルが低くなった人材投資促進税制

 教育訓練費に対する税制上の優遇措置である「人材投資促進税制」も適用条件が緩和され、企業のさらなる活用が期待できそうです。現在の税制が適用されるには、企業の教育訓練費の金額が、「過去2年分の教育訓練費の平均」より上回る必要がありました。しかし、改正案では、教育訓練費が「労働費用」の0.15%を超えれば、この税制が適用されるようになります。労働費用とは、企業が労働者を雇用する上で支払うものすべてを指し、給与だけでなく、健康保険や教育訓練費などを含んだものです。

 税額控除率は労働費用における教育訓練費の割合に応じて、8%~12%までとされています。たとえば、従業員500人の企業が1人あたり年間3万円を人材教育に投資したとします。この企業が労働者1人当たりに支払う労働費用を450万円とすると、労働費用における教育訓練費の割合は450万円÷3万円で0.67%となり、0.15%を超えているので税額控除が適用されます。

 具体的な控除率は以下の計算式で求められます。

控除率=8%+(教育訓練費÷労働費用-0.15%)×40

 上記の例をこの式にあてはめてみると、

8%+(3万円÷450万円-0.15%)×40=28.8%

となりますが、控除率の上限は12%ですので、一人当たりの控除額は

3万円×12%=3600円

となります。これだけだと、あまり大きな減税には思えませんが、社員が500名いれば年間180万円が税額控除されるわけです。従業員一人あたり年間2~3万円の教育訓練費用を投じる企業は珍しくないため、多くの企業で活用できる税制になるでしょう。

 なお、現行の税制では企業の規模に関係なく適用されていましたが、この改正案では資本金1億円超の企業は対象外とされているため、4月以降この税制を利用できなくなります。

中小企業の競争力強化を狙う平成20年税制改正大網

 ここまで見てきてわかるように今回の税制改正大綱は、大企業に対しては、情報基盤強化税制の適用上限を設定したり、人材投資促進税制の適用が受けられなくなるなど、優遇措置を大きく見直しています。その一方で、中小企業が今まで以上に利用しやすい税制に変わっています。

 このような中小企業優遇の動きは他の税制でも見られます。この3月で終了するはずだった中小企業を対象とした減税措置である「中小企業投資促進税制」や「少額減価償却資産の特例」についても期限が2年間延長される予定です。

 大企業が軒並み最高益を達成していながらも、中小企業はまだまだ十分な成長軌道に乗っていないという日本経済の実態を踏まえ、政府は中小企業の投資を促すための優遇措置を準備しています。こういった政府の動きを捉えながら、適切な投資を行なっていくことが今の経営者に求められているといってよいでしょう。

2010年6月23日水曜日

【日米同盟】 天木直人

鳩山内閣は米国の意向に潰された
(ゲンダイ)
960年に改定された日米安全保障条約はきょう(23日)、発効から50年を迎える。くしくも「対等な日米関係」を目指した鳩山前首相は、沖縄の普天間基地移設問題でメディアの猛バッシングにさらされ、わずか9カ月で退陣してしまった。

バトンを受け継いだ菅首相はきのう党首討論会で「日米同盟をいかに維持、発展させるかという視点が必要」と強調していた。そんな「対米従属」回帰を真っ向から否定するのが、鳩山政権退陣を受けて緊急出版された「さらば日米同盟!」(講談社)だ。

昨今、やたらと日米同盟「深化」が叫ばれる。しかし、「日米同盟とは日米『軍事』同盟。日本は常に米国の軍事協力要求に悩まされ、最後は日本国民の利益を犠牲にしても米国の要求に従わざるを得ない」とバッサリ。

まさに、この象徴が「国外、県外移設を叫ぶ沖縄県民の悲願よりも、米国の意向に従い、軍事協力を優先する決断」に至った普天間基地移設問題だったと指摘する。「対等」外交を掲げた鳩山前首相は結局、自民党政権から連綿と続いてきた「日米同盟」の前に退陣を余儀なくされたのだ。

一方の米国側のかたくなな姿勢についてはこう言い切る。「在日米軍は日本防衛のためではなく米国の戦争のために存在する。好きなだけ、好きな場所に米軍を駐留させる。これが米国の揺るぎない一貫した方針であり、だから普天間基地移設問題も決して譲歩しない」国際情勢が激変し、米国による一国支配は崩壊。これまでの「対米従属政策」の正当性も奪われた。

今こそ、この政策を見直さないと、日本は永久に自立できない。最大の政治問題「日米同盟」を考えるきっかけになる一冊だ。

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天木 外務省には35年間いましたが、そのなかで私が最も日米同盟を意識したのは、中曽根総理のときでした。内閣安全保障室というところに出向したことがあったんです。そのときに防衛予算を決定する閣僚会議の準備などにも携わりましたが、会議では承認印が押されるだけで、実際の予算は当時の防衛庁が決めているということを知ったのです。

つまり、防衛庁が決めた予算を、ほかの省庁が追認していたわけですね。で、それを見て「この国の防衛政策というのはイカサマだ」と感じ、日本の安全保障政策、日米安保条約を勉強しようと思い、いろいろ資料を探してみたんです。

外務省の関係資料を漁るなかで、天木氏は驚くべき資料を目にすることになる。新刊の一部を引用しよう。

〈(私は、外務省の)条約課長が書いたという安保条約についての解説書というものを先輩から手渡された。これさえ読んでおけばほかの解説書を読む必要はない、むしろ有害だ、と言われて。
解説書といっても、それは日米安保条約を担当する職員への心得のような小冊子だった。
その中の次の箇所だけは忘れることができない。そこには次のようなことが書かれていたのだ。
すなわち、米国が日本を守ってくれるかなどという疑念を持つこと自体、米国に対し失礼である、と。あらゆる説明なしに、ただ無条件で米国を信じ、日米安保条約を受け入れろ、というのである〉
天木 この内容が書かれた小冊子は、たまたま渡されたものでしたが、それを見たときには「やっぱりこんなものか」と思いました。要するに日米同盟ありき、アメリカ追従で一切の議論がなかったということを、原体験として知りましたね。

-その後天木さんは、外交官としていろいろな国に赴任されていますが、当時、各国での日米同盟はどのように認識されていたのでしょうか。

天木 日米同盟という日本とアメリカとの軍事協力関係を、他国の外交官と議論することはありませんでした。他国の国民や一般的な有識者は、そんなことに関心がありませんから。しかし話をしてみると、言葉の端々から「日本は要するにアメリカの属国だ」と捉えられていることを知りました。

-そういった背景があって今回の出版につながったのですね。執筆の直接のきっかけは何ですか?

天木 日本の外交はことごとく行き詰まっています。拉致問題に始まり、日中関係、中東関係、対米関係、すべてがね。

外務省にいたってはもう“崩壊”したような状態です。過去に起きた機密費横領事件から立ち直れていないだけではない。最近では、もう外務省は組織として崩壊しています。本来なら身内を庇うはずの外務省OBが、現役批判をしたり、対立を始めなきゃいけないくらいひどい状態になってしまった。

そんななか、「外交について本を書いてくれ」という人はいたのですが、もう私は、本を書くつもりはなかったのです。「今の日本の対米従属外交はこのままでいいのか」という意識はありましたけれども。

ところが、日米安保50周年を迎えるにあたり、「安全保障問題について、天木さんが常日頃言っていることを本にしないか」という誘いをいただきました。

日本は政権が代わっても日米同盟と言い続けている。この機会に、「日米同盟はなくなるときがくる」とはっきり言っておきたかったので、本書の執筆にとりかかったのです。

私はこの本を、日米同盟をなくしたいという思いで書いたわけです。日本の外交は、この日米同盟がある限り、変わらないし、変われない、という非常に強い確信がありましたから。

私が鳩山民主党政権でいちばん落胆したのは、「対等な日米同盟関係」という言葉が出てきたことなんです。それはありえないことです。アメリカの軍事政策はどの国の影響も受けません。ヨーロッパの国々でさえ、「対等はない」と言っているほどです。

それほど強力な軍事力を誇るアメリカと、日本が対等になれるわけがありません。だから日米同盟が存在する限り、日本はアメリカの意向にしたがうしかありません。だから「対等」なんて言葉を聞いた途端、「これは必ず失敗する」と思いましたね。

日本の安全保障と今後の政局

-日米同盟を否定した場合、日本の安全をどう守るか、という問題が出てきますよね。

天木 そうです。一番大きな問題点だと思ったのが、どうやって日本を守るかということです。

単純に戦争反対だとか、憲法を守るとか、そんなことを言う論者は大勢います。しかし、誰一人として「だったら、どうやって日本を守るんだ?」という問いには答えられない。

例えば、この日米同盟にいちばん反対しているのは共産党です。それから、かつての社会党ですね。しかし彼らには、日本の安全を保障するうえで、国民を説得できるだけのポリシー、つまり防衛政策を明確に提起できていません。

「戦争は悪だ。したがって、日本の軍事政策を語ることは悪だ」「自衛隊を語ることは悪だ」あるいは「違憲だ」と、こんな意見ばかりでは議論が進まない。日本の国民を説得できないから、いつまでたっても日米同盟がなくならないわけです。

いっぽう、「アメリカに従属するのはもうまっぴらだ」という日本人は多いが、大半は自主防衛論者で、憲法を改正して強い軍隊をもてと主張する。しかし、その行きつく先は核防衛しかありません。そして核を持つのは現実的に不可能なことです。

ではどうするか。日米同盟なしで日本を守るには、専守防衛の自衛隊、平和外交、集団安全保障政策の三位一体の自主防衛策の確立です。

自衛隊は専守防衛の、日本を守るための自衛隊にせねばなりません。国民はすでに現実のものとして自衛隊を受け入れているし、憲法は専守防衛を認めている。ところが今の自衛隊は、アメリカの戦略に組み込まれて、その意のままに動いています。それを本来の姿に戻さねばなりません。平和外交と集団安全保障については、東アジア全体で連帯する必要があります。

-東アジア全体での集団安全保障体制の重要性について、天木さんは、著書のなかで幾度も強調していましたね。

天木 はい。ところが日本は、かつても今もアジアでの集団安全保障には非常に消極的です。私が外務省にいたときの話ですが、ASEAN地域フォーラムでアジアの国々が集まって、安全保障について話し合いがおこなわれたことがありました。しかし日本は乗り気ではなかった。なぜかというと、結局それが進んでいくと、日米安保条約が必要なくなるからです。

外務省は昔も今も日米同盟しか見ていない。そればっかりなんですよ。実際、この本を書き始めたときは、鳩山さんが言い出した「対等な日米同盟」などありえないことを説明するつもりだったんですが、鳩山内閣は倒れてしまった。その後は菅さんが首相になって、自民党よりももっと対米従属的なことをやり始めています。図らずとも本書は、菅政権の対米追従外交を非難するものとなりました。

-天木さんが期待を寄せている政治家はいないのでしょうか?

天木 私は、小沢一郎さんの動向に関心をもっています。

私は菅さんも鳩山さんも、たいていの人とは現役の外交官だったときに、多少なりとも接触があるのですが、小沢さんとはありません。小沢さんを非常に高く評価する人もいるが、正直なところ、私の彼に対する評価は定まっていません。

小沢さんがもし、もういちど表舞台に“復権”するのであれば、恐らく唯一、正当化される方法は、国民に目を向けた政治をやることしかないと私は思っています。

で、そんな政治とは何かと言ったら、私は消費税を上げないことと、沖縄を見捨てないこと、この二つだと思うのです。小沢さんが沖縄の基地反対の声を受けて、今の民主党を割るくらいの覚悟で対立軸に立ってくれれば、という期待はありますね。その時のキーワードは、私が本書で提唱する“自立した平和外交”です。それしかない。

2010年6月22日火曜日

【小沢一郎】 高嶋良充氏インタビュー

民主党・高嶋良充参院幹事長(インタビュー)
【小沢が執念を燃やす在宅介護の同居手当】

 偽メール問題を経て代表になった小沢さんは98年の時の信念通り、自公政権に対決姿勢をとった。衆参「ねじれ」の中で自民の体力を消耗させる一方、議員立法を「法案の嵐作戦」と名づけて提案することで民主党にも政策力があるという印象を与え、政権交代の原動力となった。小沢さんは政権交代の功労者ですよ。

 小沢さんとの出会いは自治労役員時代の93年12月で、新生党代表幹事だった当時に消防職員の団結権問題を話したのは最初です。感心したのはこの問題を事前調査していたこと。彼はよく「剛腕」だと言われますが、緻密で誠実な人。小沢さんは小泉(純一郎元総理)さんと同じ新自由主義だと思っていましたから、民・由合併(2003年9月)で民主党に来て「国民の生活が第一」とのスローガンを作り、社会民主主義的な「政治は弱者のためにある」という考えに変わったことは驚きでした。だから民主党とうまく解け合えた。

 小沢さんが今も執念をもやしているのは「同居手当」。お年寄りを在宅介護する人を補助するものです。介護費用の減少につながり家族の絆も強まる。小沢さんと私は同世代で、言い訳しない、泣き言を言わない、他人のせいにしない....が共通していますね。

今になって、小沢さんから離れた人たちがなぜ不満だったかが分かる。あの人は側近だからといって優遇しない。側近からすれば「何のためにつくしてきたんだ」となる。一方、小沢さんの政治信念が好きな人は離れない。もし今後、菅さんがダメだとなれば、自分が出馬するか他の候補を担ぐか。すべては参院選の結果にかかっています。(検察審査会の決議が再び「起訴相当」になり、小沢氏が「強制起訴」された場合に)菅さんが小沢さんに離党勧告 ? そんなこと言わせませんよ。小沢さんのグループが離党したら菅政権は崩壊しますから。

サンデー毎日から

追記7/2

「10%、マニフェストには書いていない」民主・高嶋氏
2010年7月2日21時19分
http://www2.asahi.com/senkyo2010/news/kotobaTKY201007020526.html

◇高嶋良充・民主党参院幹事長

 ◆2日、山梨県南アルプス市の演説会で

 政治改革、行政改革、地域主権改革の三つの改革がまだ道半ば。全力でやったあとに消費税を議論するのが正しい方向ではないか。消費税問題でいろいろとご迷惑をかけているようだが、マニフェストをつくった党側の責任者は私だ。消費税10%とは一言も書いていない。

2010年6月19日土曜日

【原子力発電】 福島第1原発:2号機トラブル

福島第1原発:2号機トラブル 原子炉水位が低下 11年半ぶり自動停止 /福島
6月18日12時19分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100618-00000142-mailo-l07

 運転中の福島第1原発2号機(大熊町)が17日、発電機の故障で自動停止したトラブルは、原発を安全に停止するために必要な外部からの代替電力の供給が行えず、原子炉の水位が約2メートル低下する深刻な事態だった。東京電力は同日、県と原子力安全・保安院にトラブルを報告したが、復旧のめどは立っていない。

 東電によると、同日午後2時50分ごろ、タービン建屋内の主発電機を制御する「界磁遮断機」が故障し、発電機とタービンが停止。タービンを回す蒸気の発生を止めるため、原子炉も停止した。原子炉本体に問題はなく、放射能漏れなど外部への影響はないという。同原発の自動停止は98年11月の3号機以来、約11年半ぶりだった。

 原子炉が止まった場合、外部の送電線から発電所内の電力を供給するが、切り替え装置が機能せず、2号機全体が停電。このため、原子炉内に冷却水を給水するポンプが動かなくなった。十数分後に非常用のディーゼル発電機が起動し、代替ポンプで水位を回復させた。

 水位の低下は炉心の燃料棒を露出させ、原発にとって最も危険な空だき状態を引き起こす恐れがある。原子炉は停止しても、停止直後の燃料棒には熱が残っているため、重大な事故になる可能性がある。今回も水位の低下が止まらなければ、緊急炉心冷却装置が作動していた。【関雄輔】

6月18日朝刊

福島第1原発:2号機トラブル 原子炉水位が低下 11年半ぶり自動停止 /福島
毎日新聞 2010年6月18日 地方版
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20100618ddlk07040183000c.html

 運転中の福島第1原発2号機(大熊町)が17日、発電機の故障で自動停止したトラブルは、原発を安全に停止するために必要な外部からの代替電力の供給が行えず、原子炉の水位が約2メートル低下する深刻な事態だった。東京電力は同日、県と原子力安全・保安院にトラブルを報告したが、復旧のめどは立っていない。

 東電によると、同日午後2時50分ごろ、タービン建屋内の主発電機を制御する「界磁遮断機」が故障し、発電機とタービンが停止。タービンを回す蒸気の発生を止めるため、原子炉も停止した。原子炉本体に問題はなく、放射能漏れなど外部への影響はないという。同原発の自動停止は98年11月の3号機以来、約11年半ぶりだった。

 原子炉が止まった場合、外部の送電線から発電所内の電力を供給するが、切り替え装置が機能せず、2号機全体が停電。このため、原子炉内に冷却水を給水するポンプが動かなくなった。十数分後に非常用のディーゼル発電機が起動し、代替ポンプで水位を回復させた。

 水位の低下は炉心の燃料棒を露出させ、原発にとって最も危険な空だき状態を引き起こす恐れがある。原子炉は停止しても、停止直後の燃料棒には熱が残っているため、重大な事故になる可能性がある。今回も水位の低下が止まらなければ、緊急炉心冷却装置が作動していた。【関雄輔】


東京電力:福島第1原発で原子炉緊急停止、放射能漏れなし
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100618k0000m040065000c.html
 東京電力は17日、福島第1原発2号機(福島県大熊町)の発電機にトラブルが発生、原子炉が自動で緊急停止したと発表した。原子炉本体に問題はなく、放射能漏れなど外部への影響はないという。

 東電によると、同日午後2時50分ごろ、タービン建屋内の主発電機を制御する「界磁遮断機」が故障し、発電機とタービンが停止。タービンを回す蒸気の発生を止めるため、原子炉も停止した。

 原子炉が止まった場合に外部から電力を供給するための切り替え装置も機能せず、2号機全体が停電した。このため冷却水を送るポンプが動かず、原子炉内の水位が約2メートル低下。緊急炉心冷却装置が稼働する可能性もあったという。【関雄輔】


福島第1原発:2号機が緊急停止
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100618ddm041040085000c.html

 東京電力は17日、福島第1原発2号機(福島県大熊町)の発電機にトラブルが発生、原子炉が自動で緊急停止したと発表した。原子炉本体に問題はなく、放射能漏れなど外部への影響はないという。東電によると、同日午後2時50分ごろ、タービン建屋内の主発電機を制御する「界磁遮断機」が故障し、発電機とタービンが停止。タービンを回す蒸気の発生を止めるため、原子炉も停止した。


福島第1原発・2号機緊急停止 東電「発電機に不具合」
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/06/20100618t63025.htm

 東京電力は17日、福島第1原発2号機(福島県大熊町、78万4000キロワット)の発電機にトラブルが生じ、同日午後2時50分ごろ、原子炉が緊急停止したと発表した。ほぼ同時に2号機全体への送電もストップしたため、東電が関連を調べている。復旧のめどは立っていないが、周辺に放射性物質の影響はないという。
 東電によると、タービン建屋内の発電機に電流を流す回路のスイッチに相当する「界磁遮断器」に不具合が生じ、警報が鳴った。発電機が最初に止まり、接続しているタービンも停止。原子炉からタービンに蒸気を送り込めなくなり、原子炉内に制御棒が自動挿入され、緊急停止した。

 ほぼ同じ時間に、2号機のプラント全体を動かす電気の供給もストップ。本来は東北電力からの送電に切り替わるはずだが、非常用のディーゼル発電機が起動した。原子炉の給水ポンプが作動しなくなったため、炉内の冷却水の水位が一時的に低下したという。

 東電は「発電機のトラブルと、2号機のプラント全体への電気の供給停止の因果関係はまだ分からない。原因究明を急いでいる」と説明している。東電は福島県と地元自治体、経済産業省原子力安全・保安院にトラブルの経緯を報告した。

 第1原発では1998年11月、3号機が原子炉内のトラブルで緊急自動停止しているという。

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いわき市議会議員 佐藤かずよし氏のブログから
http://skazuyoshi.exblog.jp/12828796/

あわやメルトダウン、福島第一原発2号機電源喪失水位低下
2010年 06月 19日

今日19日から、東京電力は福島第一原発3号機の定期検査に入り、9月23日までの間に、安全審査の想定外のMOX燃料を装荷しプルサーマルをはじめようとしています。

しかし、17日午後、第一原発2号機であわやメルトダウンの事故が発生しました。発電機の故障で自動停止したものの、外部電源遮断の上に非常用ディーゼル発電機がすぐ作動せず、電源喪失となり給水ポンプが停止、原子炉内の水位が約2m低下、約15分後に非常ディーゼル発電機が起動し隔離時冷却系ポンプによる注水で水位回復するという、深刻な事態でした。東京電力は事実経過を明らかにしておらず、真相はまだ闇の中ですが、この事故は誠に重大です。

原子炉緊急停止後、電源喪失が長引けば、燃料の崩壊熱を冷却する冷却水が給水されず、水位がさらに低下し、むき出しの燃料棒が崩壊熱により溶け、炉心溶融=あわやメルトダウンという、スリーマイル原発型の最悪の事態に至る可能性があったのです。

本来、冷却材喪失事故時に緊急炉心冷却装置により原子炉への注水を行い、燃料の露出による破損を防止し、冷却材喪失事故と外部電源喪失事故が同時に発生した場合でも、非常用ディーゼル発電機が起動し緊急炉心冷却装置への電源供給を確保することになっていますが、今回の事故では、非常用ディーゼル発電機の起動が大幅に遅れました。

保安規定上は外部電源の喪失信号を受け、非常用ディーゼル発電機は10秒以内で自動起動し、緊急炉心冷却装置ポンプへ電源を供給することになっていますが、今回は約15分との報道もあります。外部電源喪失を模擬した柏崎刈羽1号機系統機能試験のデータでは発電機起動が7,6秒とされています。これは誠に由々しき事態です。

東京電力は当初、発電機が停止した原因を「発電機そのもののトラブル」と説明していましたが、18日になり「外部からの電源の供給が何らかの原因でストップしたため保護装置が働いて発電機が止まり、その結果、原子炉の自動停止に至った」と福島県に報告したといいます。しかも東京電力はこの件を報道機関に発表していませんでした。

東京電力は事実経過を明らかにすべきです。今なお隠蔽的対応をすることは福島県民を冒涜するもので、許されるものではありません。福島県と県議会は事態を深刻受け止め、東京電力に厳正に対応しなければなりません。

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定期検査中の福島第一原子力発電所2号機の発電開始について



                             平成20年5月21日
                             東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所2号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、平成20年3月12日以来、第23回定期検査を実施してまいりましたが、5月21日
午後3時50分、発電を開始いたしましたのでお知らせいたします。
 今後、出力を定格出力まで上昇させ調整運転を続けたのち、6月下旬に経済産業
省の総合負荷性能検査を受け、定期検査を終了する予定です。

 今回実施した主な工事は、以下の通りです。

(定期検査中に実施した主な工事)

1.燃料集合体の取替え
   燃料集合体548体中120体を取り替えました。

                                  以 上

<参考>当社原子力発電所の現況

福島第一・1号機( 46万キロワット)   運転中
     2号機( 78万4千キロワット) 5月21日から発電開始
     3号機( 78万4千キロワット) 運転中
     4号機( 78万4千キロワット) 定期検査中
     5号機( 78万4千キロワット) 定期検査中
     6号機(110万キロワット)   運転中

福島第二・1号機(110万キロワット)   運転中
     2号機(110万キロワット)   運転中
     3号機(110万キロワット)   運転中
     4号機(110万キロワット)   調整運転中

柏崎刈羽・1号機(110万キロワット)   定期検査中
     2号機(110万キロワット)   定期検査中
     3号機(110万キロワット)   定期検査中
     4号機(110万キロワット)   定期検査中
     5号機(110万キロワット)   定期検査中
     6号機(135万6千キロワット) 定期検査中
     7号機(135万6千キロワット) 定期検査中

 これにより、停止中のプラントは、9基、合計978万キロワット、運転中のプラ
ントは、8基、合計752万8千キロワットとなります。


【鳩山内閣】 藤井辞任から半年

 ブログの中で、他人を罵倒するのはり好ましいものではない。なのだが、流石に藤井財務相が辞任をした翌日には、平野官房長官を罵倒しないではいられなかった。

原因は、藤井財務相を留任し続けたとの情報が入っていたからである。「引き際」を上手に演出をしてあげられない人物は後々恨みを買うことが多い。平野官房長官は、それが不得意な人物なのであろう。

そんな中、6月19日に神奈川新聞から「藤井財務相辞任の真相」というタイトルの記事が出ていた。そこで、藤井氏が辞任直後に書かれた、「田原総一郎氏」・「雑感」・「毎日新聞」の3つの記事を並べて保存をしておこうと思う。

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小沢氏と確執「虚報」、藤井氏が財務相辞任の真相を詳述
2010年6月19日

 通常国会が閉会し、政界は参院選に向け事実上の選挙戦に突入した。「政治とカネ」の問題、社民党政権離脱、そして首相交代など、2010年上半期も政界は大きく揺れたが、新春早々の激震は、藤井裕久の財務相辞任だった。「体調不良」という説明にもかかわらず、小沢一郎との確執が原因では、などという憶測の報道が相次いだ。真相は何だったのか。藤井が詳述した。

 09年12月23日、天皇誕生日。宮中行事に出席後、藤井は官邸に出向き、官房長官の平野博文と相対した。

 「もう、体が持たない」。初めて辞意を明かした藤井に、平野は「今辞められたら、困ります」「総理には、言えません」。

 藤井はその後、周囲のごく一部にも辞意を伝えた。「ギリギリやった。これ以上は無理だ。民主党は役人と敵対するんじゃないかとか、バラマキじゃないかという指摘への、答えは出せる。この予算で、軟着陸できる」。1人は、涙を流しながら慰留をした。

 10年度予算編成作業が大詰めを迎えていた。鳩山内閣が秋に決めた年内編成方針は日程的にタイトになっていたが、藤井は「25日に絶対できる自信があった」。それゆえ、このタイミングで辞意を伝えたのだった。

 年明け、1月5日午前、首相官邸。検査のための入院先から出てきた藤井は、閣議後に首相の鳩山由紀夫と2人だけで約15分間向き合った

 「威一郎先生(鳩山の父)は75歳でお亡くなりになり、一郎先生(鳩山の祖父)は76歳でお亡くなりになりました。私は、77歳ですよ」

 「官房長官を呼んで、もう一回相談をしましょう」

 午後。2人は再び会い、平野が加わった。慰留に対し、「ここで続けて途中で倒れたら、鳩山内閣に、もっと失礼なことになる」と藤井。「財務相を辞めても必ず鳩山内閣を支えます」と続けた。

 が、「体調不良」という藤井の説明にもかかわらず、小沢や菅直人との確執、鳩山への失望があったのでは、などといった報道が相次いだ。藤井は「いずれも、うそ。完全なる誤報で、虚報だ」。

 マニフェストの一部変更などを盛り込んだ予算要望を小沢が行ったことへの反発が要因ではとの憶測に対しては、「党内にあるいろんな意見を小沢さんが抑えてくれた。あの要望は天の助けだった。おかげでいい予算ができた」と全否定。むしろ、ある関係者は予算編成の過程について、「(小沢、藤井の2人の間に)意思の疎通があったのではないか」と指摘する。

 それでは、藤井は一体いつ、辞意を固めたのか。実は、9月の財務相就任前から、高齢ゆえに短期間で辞任する意向だった。

 「昭和2(1927)年、金融恐慌の中で首相となった田中義一は、自由人になっていた高橋是清=当時(72)=を蔵相に任命した。是清は恐慌を打開するための基本的な方向付けを果たし、40日余りで辞職した。当時の内閣書記官長は鳩山さんの祖父、鳩山一郎さんだったんだよね」

 高橋是清の例を引き合いに出すことを「あまりにも、おこがましい」と思いながらも、藤井は鳩山側近にこう言い、短期間で辞職する意思を示唆。身を引く時機を計っていた。そして、期せずして体調を崩した。予算編成など過度の緊張の下では、血圧が急速に上がる状態になってしまった。

 09年12月25日、鳩山内閣は10年度予算案を閣議決定。公約通りに年内編成を果たした。「一つの区切りがついた」(藤井)

 4カ月弱で閣内を去り、静養を続けていた藤井は今月18日、活動を再開した。今後も、民主党政権を支え続けていく意向だ

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小沢VS検察、藤井財務相辞任の真相 (田原総一郎)
2010年1月8日

 今、この国で死に物狂いの攻防戦が繰り広げられている。戦っているのは小沢一郎・民主党幹事長。相手は東京地検特捜部だ。これはもう、すさまじい戦いである。
その権勢を見せつけた私邸での新年会

 元日に小沢さんは東京・深沢の私邸で恒例の新年会を開き、菅直人副総理ら閣僚を含め国会議員が過去最高の166人出席した。これは大賑わいで、新聞は「権勢の頂点にある」と表現し、彼の実力者ぶりを書きたてた。

 記事の脇には笑みを浮かべる小沢さんの写真があった。

 それを見て、私はロッキード事件の田中角栄さんを思い出した。当時の状況と似ている。これは、「俺の政治力を見よ」とばかりに誇示する、小沢さんの懸命なデモンストレーションだと感じたのである。

 小沢さんが前代未聞の新年会を開いた元日に読売新聞が、そして3日に日本経済新聞が小沢さんの資金管理団体「陸山会」の土地購入問題を報じた。これらは検察側のリークによるものと思われ、検察はひたひたと小沢さんに迫っている様子が感じられる。

 その検察は、小沢さん以上に必死である。なぜか。
 東京地検特捜部は昨年3月、小沢さんの公設第一秘書の大久保隆規氏を政治資金規正法違反(虚偽記載など)の疑いで逮捕した。このとき、私もそうだったが、誰もが大変驚いた。なぜこのようなことが起きるのか、と。
「この奥に、何かが隠されている」

 当時、小沢さんは民主党代表で、総選挙がいつあってもおかしくないような状況にあった。明らかに、民主党にダメージを与える、つまり小沢さんに代表を辞めろとプレッシャーをかけているように思われた。結局、小沢さんは5月に入って代表を辞任する。

 元東京地検検事の郷原信郎さんは、「全くの不当逮捕である」とさえ言っていた。

 私は何人かの元検事や弁護士に取材したが、誰もが口をそろえて言ったのは、「この奥に、何かが隠されている」だった。彼らの口ぶりからは、西松建設をさらに追及すれば限りなく収賄に近い事件に発展するのではないかということがうかがえた。

「検察の正義」で攻め込む東京地検特捜部

 検察には、「検察の正義」というものがある。罪を犯した。人を殺した。政治家でも悪質な罪を犯している……。そうした者を取り締まる。そして罰する。これが「検察の正義」である。

 ところが、小沢さんの第一秘書逮捕に関する限りは、「検察の正義」は全くうかがえない。極めてアンフェアだと見られた。おそらく検察は、相当焦ったことだろう。

 その後、東京地検特捜部の事情聴取に対し、水谷建設の水谷功・元会長が小沢幹事長側に「1億円を渡した」と供述したことが新聞に報じられた。しかし、水谷氏は脱税をやっていて、脱税問題を穏便に済ませてほしいために供述したものとされ、このときもあまり客観性がないとされた。

 そして、世田谷の土地購入問題である。土地の購入原資4億円、最近では14億円とも言われているが、そのお金は小沢さんが持っていたものなのか。いったい、どこから手に入れたのか。特捜部は昨年末、陸山会の事務担当者で元秘書の石川知裕衆議院議員(民主党)を事情聴取した。

 このあたりから検察の意地が見え始めた。「小沢氏の第一秘書を逮捕し、民主党の代表辞任に追い込んだ。今度は土地購入問題に斬り込む。我々は『検察の正義』のためにやっているのだ」。必死の検察は、そう国民に訴えているのである。

 検察はこれまでに、ゼネコン各社の一斉捜査をやっている。当然、小沢がらみである。水谷建設では不発に終わったので、各ゼネコンから小沢氏との関係を探ろうとする、なりふり構わぬ検察の戦いだ。私はそう捉えている。
検察の動きを牽制するデモンストレーションか

 現在、東京地検特捜部は小沢さんに任意での事情聴取を要請し、小沢幹事長側が聴取に応じる意向を示しているという。通常国会が召集される18日よりも前、近々、事情聴取は行われるだろう。

 私は、はっきり言えば、検察の現場は小沢さんを逮捕したいと考えていると思う。それを牽制するかのように、小沢サイドは前代未聞の新年会を開き、「俺にはこんなに政治力があるのだ」と必死にデモンストレーションしているように思えてくる。

 検察の上部は法務省とつながっている。検察上層部に対して、政治力はある程度効力を発揮するだろう。だが検察の現場は、小沢さんのデモンストレーションがあればあるほど、意地になる。だから今、検察上層部と現場との間に、相当な軋轢(れき)が生じているに違いない。

小沢氏と鳩山首相に「キレた」藤井氏の辞任

 こうしたすさまじい戦いが繰り広げられるなか、藤井裕久財務大臣が6日に辞任した。この辞任の背景にあったのは、小沢さんとの軋轢だ。

 昨年末、民主党のマニフェストについて、小沢さんがその政策内容を変えるように要請した。たとえば、子ども手当には所得制限を設けろ、ガソリン暫定税率の廃止を撤回しろ、といった申し入れだった。

 そのとき小沢さんは報道陣が去ってから、「民主党は政治主導と言いながら、そうなっていないじゃないか」と怒鳴りつけた。その相手は、藤井さんだったという。「もうついていけない」と藤井さんは思ったことだろう。

 藤井さんはもともと、予算を組む際にガソリン暫定税率を維持しようとした。しかし鳩山首相から、それではマニフェストと食い違うので、せめて「半額はなくす」ということにしてくれと頼まれたため、その線で予算編成を始めた。

 それなのに、鳩山さんは小沢さんの要求を全面的に受け入れ、藤井さんを捨てて裏切ったのだ。つまり、小沢さんと鳩山さんに対して、藤井さんは二重に「キレた」のである。これが今回の辞任につながったと私は見ている。
 だが逮捕後、検察は大久保秘書を攻めたが、何も出てこなかった。つまり、空振りだ。

小沢VS東京地検特捜部、戦いの本番が始まる

 新聞・テレビなどのメディアは、「体調が悪いため検査入院をしている」とだけ報道していた。だが、それは表面的な理由でしかない。

 藤井さんは財務大臣に就任した当初、死んでもその職務を全うする考えだったと思う。だが、ここに来て、天皇会見の「1カ月ルール」問題をはじめ、小沢さんはどんどん強気に出てきている。「もう我慢できない。これ以上ついていけない」と藤井さんは思い、一種の宣戦布告をしたのである。

 小沢VS東京地検特捜部の戦いは、これから後半戦に入る。検察は事情聴取をして、その後どうするのか。小沢さんは徹底的に戦うだろう。だから、この戦いは、これからますます激しくなる。

 小沢さんが粘り勝つか、検察が小沢さんをねじり倒すのか。戦いの本番が始まる。


ブログ:雑感 

2010/01/07

http://udonenogure.iza.ne.jp/blog/entry/1402710/


  藤井裕久氏が財務大臣を辞任をした事で、昨日は大騒ぎであった。9月16日に鳩山内閣が誕生をする前に、藤井裕久氏が財務大臣になるのならないの、やれ小沢氏が反対しているだのと大騒ぎをしていたのを思い出した。


小沢氏自身は、現実には組閣に口出ししていないというのが、本当のところであるが、周りが小沢氏に気を使ったものまで小沢氏のせいにされたのではたまらない。

まぁ~、中には居酒屋で小沢氏の悪口を言って新聞にスッパ抜かれた「間抜け」もいたのだが、それも小沢氏が「あいつは入閣をさせるな」と言った訳ではなく、周りの思い込みでしかない。

そんな中で、藤井裕久氏の財務大臣起用には、ひとつの思惑があったのではないかと思えてならない。9月16日以降に何度かこのブログでも書いたのだが、彼・藤井裕久のアルコールの問題である。つまり、アルコールの問題が一番心配であった。故にはじめから長くは続かない考え、小沢氏も藤井裕久氏の財務大臣起用に異を唱えなかったのではないかと思っている。

「激務に耐えられるなら、どうぞ頑張ってください」というのが、小沢氏の考えだったのではないだろうか。まぁ~、「一度だけ予算を組んで若い衆に教えてやってくれや」と言ったところだと思っている。

何よりも、今日テレ朝のワイドスクランブルに渡部恒三が出演をしていた。その時に藤井・管・仙谷・野田氏が写しだされていたのであるが、はじめに藤井氏の画面が流された時に、渡部恒三氏が酒をあおる仕草をした事に気がついた方がおったろうか。その後の話は、いつものように当の本人を大きく見せたいような素振りの話ばかりであった。

元々財政規律派とみられていた藤井氏であるが、9月7日の常任幹事会で「財源にはそこまで触れなくていいんだ。どうにかなるし、どうにもならなかったら、ごめんなさいと言えばいいじゃないか」と。それに対して鳩山氏は、これ以上赤字は増やさないという趣旨の発言をしているのである。

テレビや新聞で、小沢氏が党の要望を突き詰けたことから、「嫌気」がさしたなんて話はトンでもない話である。確かに、一時期鳩山氏と藤井氏の話の内容が間逆になったこともあるのは事実ではある。

しかし、小沢氏は一貫してマニフェストを重視をし、財源が足らなくなくなり予算が組めない状態で「暫定税率」を言い出し財源を作ったのである。あえて言うと、財務省が最後に信じたのは藤井氏ではなく小沢氏だと言うことになる。その時点で藤井氏の存在価値は無くなったに等しいのである。

まずは、断っておきたいには、財政規律派が良いか開放派というか景気重視派が良いかを論ずるつもりはない。どうせ、規律派の論をとれば、成長やなにやらができないとほざくだろうし、開放派の論を書いたら、孫・子の代まで借金を残すのかと吼える輩が出てくることだろう。そんなものに一々付き合ってはいられない。現に自民党内でも財政規律だ!と叫ぶ議員もいれば、景気が優先!だと騒ぐ議員もいる。

話を、藤井氏の話に戻そう。
小沢氏と衝突してまで鳩山氏が藤井財務相に固辞をしたのとはどうも様子が違うと自分は思っていた。同時にやけに高橋是清を持ち出すのも変な感じがしていた。ところがよく考えると高橋是清は過去に7度だったかな?の大蔵大臣をつとめてはいるのだが、短期(40日・実際には45日だったかな)での大蔵大臣を受けているのである。つまりこの度も、22年度予算を組むまでと鳩山との約束であったのではないかと思えてしまう。

同時に、藤井氏は間違いなく次の選挙には出馬はしないであろう。その時に藤井氏と同い年の渡部恒三氏の先は見えたと言うことになる。渡部恒三氏の顔を見ていて、仙谷由人氏や野田佳彦氏の顔が映し出された顔と小沢氏・菅氏・鳩山氏の顔が映し出された時の顔の表情の違いに気がついた人間はかなりいるはずである。まぁ~、好きにさせておこう。

一見、ガチガチの緊縮財政派(実際は?)だと考えられていた藤井が菅直人へ財務相の座を譲ったことで、必ずしもマイナスにはならないとの意見が多いのも面白い話である。

これからは、テレ朝・朝日新聞&産経が生き死にの総攻撃をかけてくると思われる。しかし、マスコミは視聴者・新聞の購読者がかなり今のマスコミ報道を懐疑的な見方というより信用をしていない事に気がつくべきであろう。


幻の仙谷財務相(その1) 鳩山首相、「小沢氏配慮人事」で一転
http://mainichi.jp/select/seiji/choice/news/20100111ddm001010084000c.html

 「仙谷由人財務相、枝野幸男行政刷新担当相がいいと思うんだ」。藤井裕久財務相が辞意を伝えた翌日の6日昼過ぎ、鳩山由紀夫首相は後継人事について側近議員に腹案を漏らした。菅直人副総理兼国家戦略担当相に財務相を打診したが、菅氏が「今のまま副総理と国家戦略がやりたい」と固辞。首相の次なる一手だった。

 「事業仕分け」を手掛け、脚光を浴びた行政刷新担当相の仙谷氏を横滑りさせ、後任に「仕分け人」統括役の枝野氏をあてる「仕分けコンビ」案。内閣支持率が下降する中、攻勢に打って出るのに最適の布陣との判断があった。

 一方、菅氏は断った際、首相に「野田さんはどうか」と野田佳彦副財務相の「昇格」を提案した。野田氏は、平野博文官房長官も起用を薦め、藤井氏も推挙した。首相の「仙谷案」と菅氏らの「野田案」がテーブルに載ったが、首相はまだどちらにも打診していなかった。

 藤井氏が診断書と共に正式に辞表を首相あてに提出したのは同日午後3時ごろ。平野氏は経済団体の会合を中座して官邸に戻り、首相と対応を協議した。

 菅氏は小沢一郎民主党幹事長と良好な関係だが、仙谷氏は09年、小沢氏の秘書が西松建設献金事件で逮捕された際、党代表の自発的辞任を要求し、枝野氏も「説明責任を果たすべきだ」と批判。野田氏は予算編成で省内から評価されたことで逆に党内に「取り込まれた」との懐疑心を植え付けた。

 小沢氏周辺からは「菅氏はいいが、仙谷、野田両氏の起用は望ましくない」との声が伝えられた。党側の抵抗は予期していた首相だが、パフォーマンス人事で党との関係をこじらせるのは得策ではないと最終的に判断したようだ。

 同日夕、内閣府で政務三役会議中だった菅氏を電話で呼び、官邸に着くなり「財務相をお願いしたい」と要請。「野田氏か仙谷氏」と思い込んでいた菅氏は驚いたが、首相は揺るがず、続いて仙谷氏を呼び国家戦略担当の兼務を求めた。

 だが首相の「小沢氏配慮」の人事はしこりも生んだ。

 「この部屋は使えるんだよな?」。同日夜、首相官邸の副総理執務室。菅氏はテレビ中継で流れる首相の記者団とのやりとりを見ながら、同席していた官邸関係者に尋ねた。鳩山首相から「財務相起用」を申し渡されたばかりにもかかわらず、まず気にしたのは、今後も自らが副総理として官邸を拠点に活動できるかどうかだった。(肩書は当時)


幻の仙谷財務相(その2止) 藤井氏、12月に漏らした辞意
http://mainichi.jp/select/seiji/choice/news/20100111ddm003010176000c.html
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>

 ◇もう、やれない 「重圧」の陰に小沢氏
 「体調不良」を理由にした藤井裕久前財務相の辞任。鳩山由紀夫首相に辞意を伝えたのは5日だったが、年末から「辞意」を周辺に漏らしていた。その陰には、小沢一郎民主党幹事長の存在が浮かび上がる。

 先月16日、10年度予算編成での党の重点要望提出のため首相官邸に乗り込んだ小沢氏は「財務省は予算編成を急げといっているようだが、国民の要望を踏まえて決定してもらいたい」と露骨に批判し周囲を驚かせた。

 小沢氏は申し入れ前、党幹部に関係閣僚だけでなく副大臣や政務官も同席させるよう指示し、「政治主導になっていないと、はっきり言う」といきり立った。党幹部が「やめた方がいい」と説得しても聞かず、重ねて反対する側近の細野豪志組織・企業団体委員長を「お前は若い!」と怒鳴りあげるほどだった。

 藤井氏は旧大蔵省出身。就任後、事務方には「菅直人国家戦略担当相(当時)、仙谷由人行政刷新担当相に協力しなさい」と指示。「脱官僚」より「官僚活用」に力点を置き、小沢氏側には「財務省寄り」と映っていた。

 ある閣僚は「財務省をコントロールできてない」との小沢氏のぼやきを聞いている。小沢氏の発言を党幹部は「藤井さんへの批判だった」と語る。この夜、藤井氏は関係者に「もう大臣をやってられない」と漏らした。

 予算編成後の同28日に検査入院。親しい人には「体力の限界」と打ち明け、翌29日の与党3党幹事長らの忘年会で小沢氏が「検査入院なんかじゃない」との見方を示すに至って「辞意」に現実味が帯びた。続く30日の記者会見では予算編成について「相当な重圧」「しんどかった」「相当疲れた」と連発。公然と「弱音」を吐いた。

 藤井氏は菅直人副総理、仙谷由人行政刷新担当相、平野博文官房長官と「四人会」と称する秘密会合を開いている。最近の会合でも「この4人がしっかりまとまれば、政権はもつ」と熱意を語ったばかりだった。

 旧知の渡部恒三元衆院副議長は今月10日、民放テレビ番組で「『心身ともに疲れてしまいました』と電話で言っていた。この人がもっとおれを理解してくれてもいいはずなのにという苦労があったと思う」と裏話を披露。個人名こそ避けたが、「この人」と称した小沢氏との関係に疲れたのではと心中を察してみせた。

 後継に推した野田佳彦副財務相は52歳。「親分肌」で約30人のグループを率いる次期リーダーの一角で「反小沢」であるのは承知の上だ。辞任劇は「ポスト小沢」もにらんで世代交代を促そうとした思惑も透けて見える。

 ◇菅氏、成長戦略の主導権手放さず 財務相、快諾なんかしてない
 突然の藤井氏辞任は、鳩山政権内に新たな火種も生んだ。

 「菅さんが成長戦略の取りまとめをやると首相指示書にはあるが、スタッフは国家戦略に残っている。できるんですか」

 7日午後、首相官邸。仙谷国家戦略兼行政刷新担当相は鳩山由紀夫首相から辞令を交付された後、そのまま菅氏と2人で1時間ほど話し込んだ。菅氏が国家戦略担当相として先月30日にまとめたばかりの「成長戦略」を今後どちらが担当するのかが焦点だった。

 仙谷氏は7日朝、内閣府で行われた事務方との打ち合わせで、古川元久副内閣相から成長戦略の現状について説明を受けていた。国家戦略担当を菅氏から引き継いだ時点で、成長戦略も当然のごとく引き受けるつもりでいたからだ。

 菅氏は財務相を引き受けた直後の6日夜、鳩山首相が記者団に「快諾いただいた」というのを聞き、周辺に「快諾なんかしてない」とこぼした。「国家戦略室はこれまでさんざん機能不全などとたたかれた。ようやく本格的に動ける態勢が整い、これからが本番だ」との思いだ。当然、自らが国家戦略担当相としてまとめた成長戦略には強いこだわりがある。

 国家戦略担当の荒井聡首相補佐官も、仙谷氏ではなく引き続き菅氏の下で働くことになる。仙谷氏の周辺は「鳩山首相が菅、仙谷両氏を官邸に呼んで後任人事を決めた6日の時点であまり詰めていなかったのではないか」と戸惑いを見せる。

 その時点で詰められたのは「経済財政担当は引き続き菅氏」との役割分担。菅氏が自ら「経済財政は私がやりますから」と宣言した。周辺はその理由を「財務省だけに閉じこめられたくないからだ」と解説する。

 菅氏は「脱官僚依存」の急先鋒(せんぽう)だ。「官僚の中の官僚」とされる財務省とのバトルを前に独自の防衛策を講じてもいる。財務相としての初の閣議後会見を首相官邸で従来と同じように副総理として行った。これまでも公務で使用する車に財務省出向の秘書官を同乗させておらず、「財務省に取り込まれまい」とする

2010年6月18日金曜日

【取調べ可視化】 千葉景子法相

取り調べ可視化:対象を「限定」へ 法相が方針
毎日新聞 2010年6月18日 11時58分(最終更新 6月18日 12時09分)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100618k0000e040051000c.html?inb=ra

 千葉景子法相は18日の閣議後会見で、取り調べ可視化の対象事件を限定して法制化を進める方針を発表した。検察の取り扱う事件は年間約200万件に上り、交通違反、事故など供述の任意性が争いとならない事件が対象に含まれるほか、コスト面の負担が大きすぎると指摘。「実務上の課題を踏まえると、全事件の可視化は現実的ではない」と結論づけた。

 民主党は昨年衆院選で作成したマニフェスト(政権公約)で全事件・全過程の録音・録画の実施を明記。千葉法相も昨年の就任時には「基本的には全面可視化」と発言していた。だがその後、省内の勉強会で「可視化は真相解明に程遠くなる」などと捜査現場から反発を受け、現実的な路線に方針転換した。

 18日発表した中間報告は、検察受理事件の約75%が道交法違反や自動車運転過失致死傷など交通事件で、起訴される事件は約6%にとどまると指摘。「供述の任意性が問題とならないものも含まれ、可視化で実現しようとするメリットに見合わない多大な負担やコストとなる」とした。

 また、暴力団など組織的犯罪では報復の恐れなどから容疑者が真実の供述をためらったり、容疑者に知的障害がある場合は容疑者が取調官に迎合する可能性もあるとして、全過程にこだわらない方法も検討するとした。

 勉強会は来年6月をめどに調査を進める。法制審議会への諮問手続きを踏む可能性があり、早ければ12年通常国会への法案提出を見込んでいる。7月からは国家公安委員会との協議を進める。

 一方、全事件・全過程の可視化導入を求める民主党の「取り調べの全面可視化を実現する議員連盟」は17日、全面可視化を早期に実現する法案提出を法相に要請した。日本弁護士連合会も同様の主張をしており、方針転換への反発も出そうだ。

 検察は現在、全国で原則として自白した裁判員裁判対象事件で録音・録画を試行している。【石川淳一】

2010年6月17日木曜日

【菅政権】 小野理論 21日追記

経済オンチ菅首相が学んだ
「小野理論」と消費税増税
(AERA 2010年6月21日号掲載) 2010年6月17日(木)配信


新内閣は、懸案の消費税シフト。引き上げに積極的な顔ぶれが並ぶ。
参院選の結果次第では、早ければ来年4月。慎重なはずだった新首相の転換点は?

「苦手」とされる経済政策をめぐり、菅直人首相の強気の発言が続いている。発言の裏を探っていくと、「苦手」ゆえの悪戦苦闘ぶりと微妙なバランス感覚が浮かび上がってくる。

 今年初め、副総理兼財務相だった菅氏は、日銀に対し、しきりにインフレターゲットの導入を促していた。適度な物価上昇率を目標にすることでデフレからの脱却を目指す狙いだ。

 このインフレターゲットの考え方を伝授したのは、本人は認めたがらないが、「霞が関埋蔵金」を暴露した財務省OBの高橋洋一・嘉悦大学教授。菅氏は何度も接触していたが、高橋氏は財務省出身としては異端中の異端で、財政再建のための増税には賛成していない。

「経済成長で再建したほうがいいに決まっている。3%の成長率があれば、ほんの少し歳出削減するだけでいい。自然増収があり、増税の必要はない」

 と高橋氏。インフレターゲットによるデフレ脱却という理論に、菅氏は強い関心を示した。

 しかし、それは2月まで。同月なかばには、反対に増税の可能性を語り始めた。この「転身」に、高橋氏は「財務省に取り込まれたのではないか」と見るが、事情はそれほど単純ではないようだ。

経済数学も勉強し

 インフレターゲットをめぐる菅氏の発言を追ってみると、目標の成長率については1%から2%の間に置き、高橋氏の言う「3%」は慎重に避けている。

 このころ菅氏は、経済学者の小野善康・大阪大学教授と、マクロ経済に関して集中的に勉強会を開いていた。2月から5月まで月に2回ほどの間隔で、合計6回ほど開いた。

 菅氏と小野氏は、出身の東京工業大学時代に数年間重なっているが、互いに面識はなく、10年ほど前、月刊誌の対談で初めて顔を合わせた。

 勉強会は、小野氏の著書『金融』の内容の解説で始まった。過去に何十人もの政治家を「生徒」にしてきた小野氏は、最初は初心者向けの簡単な話をしていたが、すぐに経済数式を展開するレベルに入っていった。

 菅氏は一生懸命ノートを取り、「ちょっと待ってくれ」「もう一度レクチャーしてくれ」と繰り返した。理学部出身の菅氏には経済数学に対する違和感はなかったようだ。

 勉強会では何度も議論を繰り返した。両氏とも納得しなければ引っ込まなかった。

「自分の頭で考える、政治家としては稀有な存在」

 というのが小野氏の菅氏評だ。その議論の果てに、最初は、

「増税かあ。選挙に負けるなあ」

 と言っていた菅氏の姿勢が、転身した。

 菅氏に増税路線を促した小野氏の理論はシンプルだ。

「増税して、その分をすべて何かの事業の給料で支払い、人々に働いてもらう。そうすれば、人々のお金は減らずに失業率が減り、消費が増えて税収も増える。デフレは消えますよ」

「雇用が消費を決める」

「増税すれば消費が冷え込む」とするのが一般的な見方で、菅氏も当初、その見方にこだわったが、小野氏は「消費が冷え込む原因は増税ではなく、その裏で実施する財政緊縮政策だ」と答えた。

「今日の所得だけでは消費は決まらない。明日の雇用が確保されているかどうかで決定的にちがってくる。だから、一番大事なことは雇用を増やすことだ。まず借金を返すための増税ではなく、経済をよくして税収を増やし、その分で借金を返すということです」

 小野氏によると、菅氏はじっと耳を傾けていた。菅氏が増税路線を示し、記者会見のたびに口にした「強い経済、強い財政、強い社会保障」という言葉。このうち「強い経済と財政」は、小野氏の理論によるようだ。

 増税分を使ってどのような種類の雇用を増やしていくか。小野氏は、どんな種類の事業も経済効果は同じだと見ている。

 菅氏が「成長分野」として挙げる介護や医療などの社会保障、環境、教育の分野は、菅氏の独自の考えのようだ。

 菅氏は、小野氏の理論を聞く一方で、財務省主税局の官僚には、その理論の現実性などについて意見を求めている。主税官僚は、増税を打ち出す小野氏の論理を否定はしないが、「少数派」という見方をあげた。

まずは所得税で

 財政再建を第一に考える主税官僚にとっては、小野氏の増税論はうれしいが、入ってくる税収はそのまま財政再建に充てたい。このため、「まず借金を返すための増税ではない」という小野氏の論理がじゃまになる。「少数派」と位置づける報告の裏には、菅氏と小野氏の間を遠ざけておく財務省の深謀遠慮が見える。

 菅氏は、小野氏と財務省の考えを見据えながら、微妙にバランスを保っている。その上で菅氏が真っ先に手をつけたい税制改革は、所得税の累進性強化だろう。

 現在の所得税は、課税所得に応じて、5%から40%までの6段階の税率構造になっている。1986年当時の15段階(最高税率70%)に比べると、格段にゆるやかになり、高所得者優遇の税率になっている。

 市民運動家から出発して総理にまで上り詰めた菅氏は、まず、金持ち優遇のこの構造を変えたい。圧倒的に人数の多い低所得者に加えて、連合組合員の多い中所得者の支持を集めるうえでは効果的な政策だ。高所得者を束ねる圧力団体もなく、比較的容易な改革でもある。

参院選後に動く

 しかし、高所得者が少ないため、この改革で上がる税収は小さい。最低税率の5%を6%に上げれば7千億円弱の税収が入るが、40%を41%に上げても400億円弱しかない。

 このため、1%の税率アップで2兆5千億円が転がり込んでくる消費税の増税が早い機会に日程にのぼってくることはまちがいない。

 その際、税率アップが低所得者に痛い消費税の逆進性をゆるめるために、民主党の政策集に入っている消費税額控除制度が導入されそうだ。低所得者に限り、あらかじめ決められた消費税額分を還付する仕組みだ。民主党の支持基盤に極力配慮し、「市民派・菅総理」のイメージを保つ戦略だ。

 ただ、「増税によって家計の可処分所得が減ると、消費を冷え込ませる」(上野泰也みずほ証券チーフマーケットエコノミスト)という心配は、依然として経済界には根強い。

 菅氏は、11日の衆院所信表明演説で「税制の抜本改革に着手することは不可避」と明言し、参院選のマニフェストにも税制改革の与野党協議機関設置が盛り込まれることになった。参院選後、早ければ来年度の増税を目指して政局が動いていく公算が強い。

編集部 佐藤 章、山下 努

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インタビュー:失業率3%へ消費税上げも=小野・阪大教授
2010年 06月 21日
http://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-15903920100621

 [東京 21日 ロイター] 菅直人首相の経済ブレーンで、内閣府参与を務める小野善康・大阪大学教授はロイターのインタビューに応じ、菅氏が提唱する「第三の道」とは雇用創出を起点に需要拡大やデフレ克服、財政再建を進める政策と説明し、そのために資金が必要であれば増税も構わないと語った。

 雇用創出に向けて「消費税は来年からすぐにでも上げたほうがいい」とし、現在5%程度の失業率を「3%に下げるまで人を雇えるお金が必要だ」との見解を示した。

 また、増税分は借金返済に充てるのではなく、雇用創出とその所得支払いにまわすべきだと主張するとともに、税収の使途は、福祉目的税のように限定しないほうがいいとの見解を示した。

 デフレ克服については、デフレギャップを残したまま「お金の発行量を増やしてもデフレはなくならない」と指摘するとともに、日銀にデフレの責任を押し付けるべきではないと述べた。その上で、日銀は金融緩和をすでにかなりの程度やっており「これまで通りの金融緩和の姿勢を保ってほしい」と語った。

 インタビューは18日に行った。概要は以下の通り。

 ――菅首相の目指す「第三の道」という経済財政政策はこれまでの政策とどう違うか。

 「過去の自民党政権下で取られた第一の道は、消費者にお金をばらまけばいいというオールド・ケインジアンの発想であり、無駄な公共事業や減税、補助金を指す。第二の道は構造改革そのもので、1990年代以降に生産能力が余っているにもかかわらず生産能力を上げようとした小泉・竹中改革。双方に共通するのは、労働資源を活用することが頭になく、お金を使うか倹約するしかないこと。これでは需要と雇用は生まれない」

 「第三の道は、人に働いてもらうことが目的。そのために資金が必要なら、増税しても構わない。そうすれば当初の増税分は家計に所得として返るので、その時点で家計負担はないし、サービスや設備も提供される。雇用が増加してデフレも雇用不安も緩和されるため、消費が刺激され、経済も成長して税収が増え、財政も健全化していく」

 ――大きな政府になるとの懸念がある。

 「日本の公共部門の対GDP比の財政支出、人口1人当たりの公務員数は、OECD(経済協力開発機構)加盟国中でも最低水準。その意味で1990年代から最小政府だった。そもそも私が言っているのは公務員を増やせということでなく、あくまで余った労働資源を活用するということであり、民間へのサポートを政府がするということ。たとえば介護士の待遇をよくして雇用を増やせば、若い福祉職員の所得が上がり、デフレも緩和され消費も増えて税収も上がる。逆に民間に任せきりで政府が活動を減らせば、かえって失業者が増える。それは小泉構造改革で明らかになった」

 「財政支出を行う際、お金を渡すだけでは家計に埋もれて需要に結びつかない。また、必需品を供給しても、それまで買っていた分を減らすだけ。必需品ではなく、政府が何もしなければ十分に供給されないが、全くの無駄ではない分野に配分する。例えば介護や教育、壊れそうな橋の修繕や自転車道の整備など社会資本整備がよい。私は規制改革や公共事業反対論者ではない。人を働かせて雇用と新しい需要を創ることこそが重要だ」

 ――具体的に政府がすべき支援策は。

 「雇用などの助成金がわかりやすいかもしれない。政府が必要施設を作って無償で提供し、あとは民間で自由に競争してもらってもいい。介護ロボットの支給でもいい。どれも公務員を増やさず、民間の需要や雇用を増やすことができる」

 「子ども手当の現金支給は愚策。必需品を配るのも意味がない。あったらいいが、何もしなければ買われない物やサービスなら、その分の便益が増え、新たな雇用も生まれる」

 ――菅首相は消費税の増税を含む税制改革について2010年度内に取りまとめたいと表明。当面の消費税率は10%を1つの参考にするとしている。

 「消費税は来年からすぐにでも上げたほうがいい。数字については示せないが、失業率を3%に引き下げるまで人を雇えるお金が必要で、そうであればかなりの増税が必要となる。私は消費税が特にいいと言っているのではない。本来なら所得税を引き上げ、特に最高税率を上げて累進性を高めればいい。高所得者はお金を使わないからだ。また相続税の増税でもいい」

 「要は増税分を借金返済ではなく、雇用創出とその所得支払いにまわすということだ。それによって増税分の雇用が生まれる。低所得者の収入が増えれば、消費も増えて税収も上がる。増税による税収の使途は、福祉目的税のように限定しないほうがいい。使途は国民が意見を出して政治家が判断すべきことだ。目的税化してお金を配るだけでは雇用は生まれない」

 ――菅首相は2011年度までのデフレ克服を重要課題に挙げているが、これに対して日銀の政策をどう評価するか。

 「デフレギャップを残したままでは、お金の発行量を増やしてもデフレはなくならない。デフレの克服は総需要と雇用の拡大によってデフレギャップを減らすことでしか達成できない。バブル以前の需要不足でなかった時代には、ハイパワードマネー拡大が物価上昇につながったが、バブル以降はまったく効いていない。日銀も財務省も、それぞれ貨幣と国債という金融資産によって、最大限の信用拡大を行っている。国債への不安の高まりも、これが限界に近づきつつあることを反映している」

 「いま日銀ができるのは、貨幣の信用を維持できる範囲で、できるだけ金融緩和をすることだが、すでにかなりやっている。したがって、これ以上、日銀に責任を押し付けるべきではなく、これまで通りの金融緩和の姿勢を保ってほしいと言うべきだ」

 *小野氏の略歴は以下の通り。

 小野善康(おの・よしやす) 東工大卒、東大大学院博士課程修了。経済学博士。菅首相とのつき合いは10年前に雑誌で対談して以来。菅氏が前任の財務相就任後は、本格的に政策立案について助言を行っている。59歳。

 (ロイターニュース 梶本哲史記者、竹本能文記者、伊藤純夫記者)