2009年3月23日月曜日

【雑誌記事】 米TIME(小沢一郎)

表紙:「独りでも闘う男(The Maverick)」

独占インタビューで小沢一郎は、どうやって日本をリードし、チェンジしていくかを明らかにした。ただ、日本は彼についていけるか?

小沢一郎氏:「日本を救いたいと願う男」
米TIME(タイム)誌 マイケル・エリオット国際版編集長、ココ・マスターズ東京支局長(東京)
2009年3月23日付(紹介記事は下記関連記事参照)

 民主党の小沢一郎代表は、実務的な仕事が性に合っていて、「賑々しい表舞台に立つのはそれほど好きではない」と話す。しかし、これからは脚光を浴びることに慣れる必要があるだろう。現在の世論の動向が持続し、もし(大きな「もし」の話だが)日本で最近明らかになった政治献金のスキャンダルで致命傷を負わなければ、小沢代表はもうすぐ日本の次の首相に就任するかもしれない。衆議院の総選挙は、9月10日までには実施されることになっている。しかし、東京の観測筋は、選挙は早ければ5月24日になることもあると見ている。その日は奇しくも小沢代表の67歳の誕生日である。民主党が現実に自由民主党に代わって政権を担うことになれば、それは歴史上、画期的なことと言わなければならない。自民党は日本の戦後政治体制が固まった1955年から(1993年のごく短期間を除いて)常に日本の政治を牛耳ってきた。今回の選挙の結果次第では、単に野党の旧来の指導者ではなく、日本の政界の舞台裏で20年近く辣腕をふるってきた異色の政治家が政権の座に就くことになる。その小沢代表は、自民党をひどく嫌い、日本がその持てる力を十分に発揮するためには、国とその政治の在り方を変えなければならないと従来から主張している人物だ。

 日本人に変化が必要だと納得させるのは、容易なことではない。しかし、国が斬新な理念で政治に取り組む人物を緊急に必要としているという正にそのために、小沢代表はいま、待ち焦がれた政権に手の届きそうなところにいる。世界規模の不況は、他のどの先進諸国よりも深刻な打撃を日本に与えた。輸出は激減し、日本経済は10%以上も収縮し、国内の大企業は浮き足立っている。「現状を維持する」姿勢が解決策として今ほど見当違いである時代は滅多にない。けれども、自民党は信頼するに足る景気回復への取り組みを示すことができないように思われており、国民は金で動く政党のその場しのぎの対策と失策にうんざりしている。

 日本は旧態依然とした政治家をご用済みにすることを切望しているように見える。しかし、小沢代表は見かけほどに、実際に現政治体制のアウトサイダーなのであろうか?小沢代表はまた、そのときが来たら日本をどこに導こうとしているのだろうか?

 まず、今回のスキャンダルである。それは、小沢代表の権力掌握を頓挫させる可能性が十分にある。小沢代表の第一秘書である大久保隆規氏は3月3日、西松建設のダミー団体から違法な政治献金を受け取って虚偽の報告をしたとして、東京地検に逮捕された。これらの献金は同代表の政治資金に組み入れられたとされている。当TIME誌が3月7日に行った取材で小沢代表は、この逮捕に「非常に驚いた」と語り、この種の事件は従来、「政治資金の収支報告書に関する記載ミス」として、記載の修正だけで済まされてきた、と説明した。捜査はその後、西松建設から自民党所属の国会議員への献金疑惑に広がっているが、これまでのところ、焦点は依然として民主党に向けられている。党代表を辞任する気はない、と小沢氏は述べているが、秘書逮捕のニュースが公表されて数日後に行われた日本の三大新聞の世論調査では、回答者の多数が代表を辞すべきだと答えている。


小沢代表のパラドックス

 日本の現首相である麻生太郎氏(同氏は2006年に小泉純一郎氏が退任して以来3人目の首相で、前任者たちと同様に精彩を欠いている)と比較すると、小沢代表に対する支持率の方が上回っている。それにもかかわらず、西松建設の政治献金スキャンダルにおける同代表の位置に関するすっきりしない印象は、日本の政治で小沢代表が占めている立場のパラドックスを反映している。小沢代表は日本の戦後政治体制の最も過激な批判者として抜きんでている(自民党が1993年に政権の座から滑り落ちるきっかけとなったのは、自民党を離党するという小沢氏の決断だった)。同時に、代表自身がそうした体制のこれ以上ない見本でもある。

 日本の非常に多くの政治家たち(もう1人の異色の政治家である小泉純一郎氏も含む)と同様に、小沢代表も政治家の息子として、27歳で衆議院に初当選して政界入りした。ワシントンにある戦略国際問題研究所(CSIS)の日本部長であるマイケル・グリーン氏は20年以上前から小沢氏を知っているが、その当時の小沢氏のことを、本州北部の岩手県にある選挙区に「予算を持ってくることに励む」旧来型の政治家だったと記憶している。小沢代表の政界の指南役は田中角栄氏や金丸信氏である。田中氏は1972年から1974年まで日本の首相を務め、小沢氏を息子のようにかわいがり、結婚のお膳立てまでした。また金丸氏は、副首相と自民党副総裁にまでなった。田中氏や金丸氏は政界の伝説的なフィクサー(黒幕)であり、小沢代表も自民党を離党するまではそうだった。両氏とも結局は汚職事件で失脚した。1980年代になって日本中が好景気に沸いたとき、評論家たちは日本のこのような有様を「経済は一流、政治は三流」であるとしきりに口にした。好むと好まざるとにかかわらず、小沢代表の経歴の大半は、そのように忌み嫌われる政治システムそのものにどっぷり浸かっていたのである。今回のスキャンダルが明るみに出たとたん、小沢代表の支持率が落ちたのは驚くに当たらない。

 しかし、小沢代表は決して政界の内幕にあって細工するだけの人物ではなかったし、今もそうではない。同代表は1990年代初期から、日本は「普通の国」でなければならない、つまり、自国本来の国益を有し、国の目標は選挙で選ばれた政治家たちが定め、官僚は政策を決めるのではなく、政治家の決めた政策の実施をその仕事とするべきだ、というビジョンを明確に打ち出している。東京の永田町にある民主党の質素な党本部で行われた当誌のインタビュー取材で、日本は「普通の国」になるべきだという分析は今でも当たっているかとの質問に、小沢代表は「まったく該当する」と強く肯定し、「政治が官僚によって主導されている今日の在り方を、私たちは根本的に変えなければならないし、それを、政治家が政策を立案して自分たちの責任で実行していくという政治体制に変えていかなければならない」と述べた。現在の自民党政権に対する小沢代表の侮蔑感には、きわめて根深いものがある。代表は「与党の中には、全面的に官僚に依存しきっていて、まったく無為に過ごしている人々がいる」と話した。

 最近の自民党政治の実績がお粗末に過ぎることは、確かにほとんど議論の余地がない。小泉首相後の3人の後継リーダーたち(安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の各氏)は、後になるほど見劣りしてくるように思える。先月、麻生内閣の中川昭一財務大臣は、重要な国際会議の後で開かれた記者会見の席で、酒に酔っていたように見える応答ぶりを披露し、辞任を余儀なくされた。タンタロン・リサーチ・ジャパンCEOのイェスパー・コール氏は「従来なら、概して不況は自民党にとって追い風になっていた。しかし、今回は情けない状況である。政府はまったく信用されていない。打ち出されてくる政策は、あくび交じりの対応どころか、全くの無関心で迎えられている」とコメントした。

 また、日本はとてつもなく大きな課題に直面しているという小沢代表の指摘も、まったくその通りである。日本国内では人口の急速な高齢化が進む一方で、出生率は低下し続けている。65歳以上の高齢層は現在の2800万人から2025年までに3500万人へと飛躍的に増加し、人口の35%近くに達すると見込まれている。この人口構造の変化は、日本の企業に働き手の激減という重圧をかけるものであり、政治指導者たちが真っ正面からこの問題に向き合おうとするならば(そのような人物はこれまでに見当たらないが)、多数の移民を受け入れることでしか事態の改善策にはならない。そのためには、これまで閉鎖的だった社会を外に向かって開く準備をしなければならない。さらに、高齢化社会は医療保障と年金に対する要求で大混乱に陥るであろう。

 海外においては、日本は東でよみがえりつつあるライバル国と張り合わなければならない。わずか20年前には、「日本はやがて米国をしのぐ世界一の経済大国となるだろう」と予言する日本関連の書籍が多く出版された(いま読み返すと今昔の感に唖然とする)。日本がかつてそうであったように、現在では中国の経済モデルが世界でもてはやされている。これまでアジアでは、日本と中国が同時に強力な経済力を誇り合ったことはない。それは、そうした状態が起きるのは不可能だということを意味するのではなく、どちらの国も、お互いに苦々しいライバル国同士として競い合わないようにするためには、賢明なリーダーが必要であることを意味する。(米国もまた、東アジアのこの2大国がどちらも米国にとって重要なパートナーであることを、双方に納得させる賢明さが必要である。)

 とりわけ日本は、その戦後の繁栄と社会の安定をもたらした経済モデルが破綻したことに対応しなければならない。日本の輸出志向産業は目覚ましい成功を収めて、日本が世界第2位の経済大国に成長する原動力となったし、終身雇用という企業方針は気前のよいいろいろな手当制度とあいまって、西欧諸国ではお馴染みの包括的な社会セーフティネットを不要なものにしていた。そして、バブル経済が訪れた。1980年代に金融市場が自由化された後、日本は、現代のアメリカ人がアーミッシュ〔訳注:キリスト教プロテスタントの一派。規律から現代文明を拒否して自動車や電気を用いず質素な生活様式を保持する〕の農民一家ほどにも思えるような、借金をして浪費する経済に突入した。株価は成層圏に届くほどに高騰し、不動産価格は狂乱的に跳ね上がったので、東京の中心に位置する皇居近くの地価は、カリフォルニア全土のそれをも上回るという比喩がはやった。

 このようなバブル経済は、当然ながら弾ける。バブル(泡)は弾けるものなのだ。日本の官僚たちが金融システムの危機に直面して術なく右往左往する間に、日本経済は「失われた10年」と称される長いトンネルに入った。株式市場は急落し、ある時期に下げ止まったのち、さらに落ち込んだ(日経指数は1989年のピーク時から82%も失われ、最近、26年ぶりの底値を記録した)。かつて世界中が瞠目した日本の諸銀行に、公的資金の注入が行われた。新しい世紀に入ると、中国と米国の需要に引っ張られ、日本の経済成長はようやく勢いを盛り返しかけた。しかし、それも新たな世界不況と外需の不振のために再び打ちのめされた。この2月、日本の輸出は前年比で実に46%も落ち込んでいる。


生活保障の模索

 何をしなければならないかについて、小沢代表の分析は明快である。代表は「従来のやり方に立ち戻ることはもとより論外である。(中略)私たちは市場原理と自由競争を、終身雇用制度にうまく組み込まなければならない」と認識している。成功への鍵は、輸出依存度を低くし、もっと国内需要に頼るようにすることである。これは、民主党の政策文書が「すでに20年も前から言われてきたことである」と辛辣に指摘する処方箋である。しかし、日本人にお金を金庫にしまっておかないでせっせと買い物をするよう説得するのは、口で奨励するだけでは全く効果がないことを、小沢代表はよく認識している。同代表は「生活が保障されているという安心感を国民に与えなければならない」と述べた。その点で、人口問題に難題を抱えている現状では、医療保険制度と年金制度で真の改革が必須となる。小沢氏は「若い世代ですら、将来は年金が受給されないのではないかと不安に思っている」と指摘する。前述のコール氏はさらに、「日本人に『定年後の生活は心配ない』と請け負うためにできる施策があれば、必要とされる分まで国内需要を押し上げることに大いに役立つだろう」と説明している。

 これに対して懐疑的な人々もいる。長年にわたり日本についての研究成果を発表してきた米コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授(政治学)は、民主党がセーフティネットを強化しようとしていることを認めつつも、オバマ米大統領が数週間のうちに米議会で可決させたような景気刺激策を提案する決意が同党にあるだろうか、と疑問を呈している。小沢代表は、政策を注意深く考え抜く人というよりも、カーティス氏の言葉を借りれば「自分自身がカール・ローブ氏〔訳注:ブッシュ前大統領の首席補佐官〕になっているように見える」。

 しかし、首相となった場合には、小沢代表はまさに政策を注意深く考え抜かなければならなくなる。これまで、日本は自らの国益を意識する「普通の国」でなければならないという小沢氏の決意が、「米国にとっては同氏が付き合いにくいパートナーとなりそうだ」と思わせる時が何度かあった。例えば、小沢氏は最近、民主党政権のもとでは、東アジアにおける米国のプレゼンスは横須賀を基地とする第7艦隊だけで「十分だろう」と述べた。これは、日本にある他のすべての米軍基地は閉鎖されるべきだという含みのあるコメントである。米国との関係が「日本にとって最も重要な国際関係である」と言う一方で、小沢代表は米国と距離を置いている。同代表はTIME誌に「米国が単独で決め、あるいは実行する軍事行動には、日本は追従することはできない。しかし、国際紛争の解決が国際社会の協力を得て国連の枠組みの中で取り決められるならば(中略)日本は最大限の積極的な協力を惜しむべきではない」と語っている。

 CSISのグリーン氏は、小沢氏の「エイハブ船長〔訳注:復讐の念にとりつかれた『白鯨』の船長〕のような自民党潰しの執念」は、時として反米的な口調も辞さない態度になって現れ、日米同盟関係に巻き添え的な被害を及ぼすという。しかし、日本のどんなリーダーも世の中の現実をわきまえている。小沢氏は首相になれば、権力を維持するためにも「米国との強い結びつきを求めるであろう」と、グリーン氏は見ている。


怖じ気を克服して

 目下のところ、日本が直面している最大の課題は国内問題である。バブル経済の崩壊後、怖じ気づいてしまった日本人は、物事がかつてのままではならないということを知っている。「日本人は根本からの変革を望んでいる。しかし、そのために一票を投じる候補者が誰もいない」と、東京の日本大学で政治学を教える岩井奉信教授は言う。コール氏は「真の問題は、政治が再び若い世代にとって魅力あるものとなるかどうかだ。つまり、自分の今の生活だけでなく、将来に影響するのだから、実際に政治に関わる必要があるのだと意識させ得るかどうかだ」と分析する。

 問題の核心はそこにある。時に日本の将来に関する明快な分析に加えて、自民党に取って代わるという強い気概を持ち合わせて行動しているように見える小沢代表ほど、日本の政治文化のなかに深く浸ってきた人物が、変化を推し進める魅力ある担い手になり得るかどうかに、問題はとどまるものではない。21世紀が要求している経済と社会の在り方に向かって、身を切るような変革を成し遂げる意欲が日本にあるかどうか、ということである。

 確かに、日本には脱皮する能力がある。この国は現代に入って2度、それを成し遂げた。1度目は19世紀後半の明治維新以降のことだ。長年にわたって鎖国されていた社会を徹底的に近代化し、欧州列強の1つであったロシアとの戦争で勝利した。2度目は、敗戦の灰燼から新たな経済を立ち上げた1945年以後である。

 しかし、日本にはいつも、予測できない未来よりも、分かりやすいと思われる過去へのノスタルジアがある。東京の太田記念美術館では3月、楊洲周延〔訳注:ようちゅう・ちかのぶ。明治期に活躍した浮世絵師。憲政資料室所蔵の『枢密院会議之図』も周延の作品〕による見事な浮世絵展〔訳注:『生誕170年記念 楊洲周延展』〕が催されている。これは、西洋の音楽、軍服、鉄砲、フープスカートのドレスといった西洋の風俗が、日本古来のものに取って代わり始めた明治時代を偲ばせる作品の展示だ。

 古典的な浮世絵という枠の中に描かれている近代の様子は、奇妙で落ち着かない気持ちをかき立てる。まるで、浮世絵師が新しい世界にあっさりと溶け込むことができなかったかのようであり、おそらくはそれを嫌がっていたのであろう。例えば、ある浮世絵作品では、伝統的な着物姿で髪をつややかに結った女性が、下ろした髪を後ろになびかせて楽しそうに自転車に乗る少女を物憂げに見つめている。

 日本は自転車にまたがり、敢然と未来に乗り出そうとペダルをこぐのだろうか?多くの人がその答えを知りたいと望んでおり、それは日本人だけではない。

取材協力:オダ・ユキ記者(東京)
日本語訳:民主党国際局

2009年3月12日木曜日

【記者クラブ問題】 漆間発言と記者クラブ

 前日(3月11日)に、産経新聞が漆間発言に関し、情報源の秘匿という部分で記事を書いているのだが、フリージャーナリストの上杉隆氏は、根本的な問題として記者クラブの存在が「大きな問題」の一因だとし、ダイヤモンドオンラインに寄稿をしている。


漆間発言で思う、「オフレコ」を当然と思う日本メディアの甘さ
2009年3月12日

漆間巌・内閣官房副長官のオフレコ懇談が話題になっている。

 首相官邸で開かれている週1回の定例懇談会の席上、「政府高官」として、西松建設の政治資金規正法違反事件に絡んで、「自民党議員への波及はない」と語ったのが騒動の発端だ。

 それを共同通信が報じて、「国策捜査」を裏付けるものとして野党が批判し、続いて、記者クラブ各社が「政府高官」の氏名の公表を迫ったというものだ。

「政府高官」の発言内容そのものは、まったくもって論外であり、もはや是非で論じるレベルのものでもない。また、漆間氏の政治的な志向については、拙著『官邸崩壊』と『宰相不在』で指摘しているので、ここでは改めて言及しない。

 今回論じるのは、漆間氏の発言そのものではなく、彼を取り巻く記者クラブメディアのオフレコ懇談への対応の酷さだ。

海外とは「オフレコ」の意味が大きく異なる

 結論から言えば、今回の漆間氏の発言は、日本特有の記者クラブの中ではいざ知らず、少なくとも、全世界のジャーナリズムのルールでは、「オフレコ」の要件を満たしていない。

 まず、「オフレコ」の概念が日本と海外では大きく異なるのでそれを説明する。

 海外での「オフレコ」とは、文字通り「オフ・ザ・レコード(off the record)」であり、記録することは出来ず、原則的に記事にすることもできない。日本の記者クラブの「オフレコ」は、「政府高官」や「政府筋」などの匿名で報じることができる点を考えると、おそらく「バックグランド・ブリーフィング(background briefing)」を指しているようだ。

 ここで、用語の違いをとやかく言うつもりはない。問題は、漆間氏のオフレコ懇談の環境が、「オフレコ」の条件をまったく満たしていないことにある。

 海外で「オフレコ」(以下BBもオフレコに統一)が認められるのは、情報源を明示することによって生命の安全が脅かされる可能性のある場合、あるいは氏名公表によって著しい不利益を蒙る可能性が高い場合に限定される。

 よって、公人中の公人である権力側の「政府高官」のオフレコは、基本的には認められない。国民の税金で口を糊する権力者の発言は、政治利用の恐れがあるため、実名が原則だ。それが事務次官会議を主宰し、官僚トップの官房副長官ならばなおさらだ。いかなる言動についても、公人としての説明責任が伴うのである。

 さらに、今回の懇談は、首相官邸という高い公共性を帯びた建物の中で、定例の記者懇談という形で行なわれている。当然、生命の安全を脅かされることも、不利益を蒙ることも考えられない。

 本当に、私的なオフレコ懇談が必要ならば、ホテルなどのプライベートな空間で開けばいいだけの話だ。そもそも複数の記者の前で、「オフレコ」が完全に通じると思う「政府高官」の認識が甘い。逆に、そうした「談合」を許し続けてきた記者クラブ側の意識の低さも今回の騒動の遠因にもなっている。実際、記者クラブ記者たちのそうした認識の低さは、きょうの産経新聞の斎藤勉・編集担当のコラムに顕著だ。

〈記者懇に対しては政権側との「談合」「癒着」などといった批判も聞かれる。しかし、現場の政治記者にとっては国民の「知る権利」に応えるべく、建前論に流れがちな記者会見から一歩も二歩も踏み込み、政局の真相の一端に迫るため長年かけて編み出した取材の知恵といってよい〉(「漆間発言」とメディア 取材源 安易に暴露していいのか/3月11日付)

 取材源の明示は「知る権利」の中の最重要の要素だ。誰が語ったかということは、その発言の真偽を判断する上で不可欠の材料となる。筆者の所属したニューヨーク・タイムズでは、すでに10年前でも「政府高官」の匿名コメントは一切認められなかった。ところが、この産経コラムはこう書く。

〈米国でも、例えば国務省で報道官が公式会見を行ったあと、同じ報道官との懇談は取材源を「国務省高官」として発言の引用が許される慣例がある〉(同前)

 念のため、ニューヨーク・タイムズのアーカイブを探したのだが、筆者はこの種の記事を見つけることができなかった。もしかして見落としたかもしれない。だが、こうした取材方法と記事は、もはや米国の新聞ではほとんど認められていないことを付記しておく。

 1970年代、すでに「政府高官」の取り扱いについてはひとつのルールが定まっていたという。ワシントン・ポストとキッシンジャー国務長官の間で発生した「政府高官」をめぐるエピソードは次のニューヨーク・タイムズの同僚の言葉を紹介すれば十分だろう。少し長いが拙著より引用する。

〈その時に、日本人スタッフのひとりが教えてくれたのが、ワシントン・ポストのブラッドリー編集主幹とキッシンジャー国務長官(ともに当時)の「戦い」である。ベトナム戦争当時、ワシントン・ポストの国務長官担当記者が、キッシンジャーから国務省に関する機密情報を教えてもらった。だが、記事にするには条件が付帯されている。それはソースがキッシンジャーであることを伏せるというものであった。

 当時のワシントン・ポストではすでに公人のクレジットについては、明確にすべしという指針が存在していた。ブラッドリーは掲載すべきかどうか悩む。情報はのどから手が出るほど欲しいものだが、なにしろウラが取れない。しかし発言者は国務省のトップで当事者である国務長官だ。ブラッドリーはその記者をキッシンジャーの元に行かせ、氏名の掲載許可を求めた。

 ところがキッシンジャーは頑として許可をしない。怒り狂ってその記者を罵倒したという。だが記者も引き下がるわけにはいかない。粘りに粘った末に引き出した条件が、「政府高官」というクレジットならばいいというものであった。

 だが、それでもブラッドリー編集主幹は納得がいかない。そこで自らもう一度交渉を試みるが、キッシンジャーの提示条件は変わらなかった。

 ついにブラッドリーは「政府高官」での掲載を認める。記事中のソースはすべて政府高官の情報によると、と書かれている。キッシンジャーの氏名は約束通り、一切使用されていない。ただ、記事中にはひとりの男の写真が掲載されていた。そのキャプションには「政府高官」とあり、写真はキッシンジャーのものだった。

 これが米国のジャーナリズムだ〉(拙著「ジャーナリズム崩壊」から引用)

 仮に、現在、米国の「政府高官」が匿名でのコメントを求めたら、ほとんどの記者が席を立って、その場からいなくなることだろう。なぜならば、政府高官の「オフレコ」がジャーナリズムの精神として許されないばかりか、仮に、取材済みの情報と重なってしまったら、それこそ信義上、記事にできなくなるからだ。

 こうした傾向は米国だけに限らない。世界中のジャーナリズムが、政治権力との距離感については、すでに30年以上前からずっと気を遣い、頭を悩ませ、そして戦い続けているのだ。

〈米国のジャーナリズムでは犯罪や犯罪組織を利するようなケースを除き、取材源の秘匿は徹底して守られるべきだとの空気が根強い。

 かつてニクソン米大統領を失脚させた「ウォーターゲート事件」で、スクープを放ったワシントン・ポスト紙の情報源(ディープ・スロート)だったマーク・フェルト元FBI副長官は30年後に自ら名乗り出るまで、名前は秘匿され続けた。

 今回のケースと一概には比較できないが、「取材源の秘匿」の重さには変わりがない。取材源の安易な暴露はジャーナリズムの自殺行為になりかねない〉(同前)

 確かに、ジャーナリズムに携わる者がもっとも重視しなくてはならないのは取材源の秘匿である。仮に、投獄されても、暗殺されても、記者ならばそれは守り抜かなければならない――。ニューヨーク・タイムズで筆者が繰り返し教えられたのはそうだった。

 だからこそ、ワシントン・ポスト記者のウッドワード氏とバーンスタイン氏は、フェルト元長官を守り続けたのだろう。

 とはいえ、斎藤氏のいうような無制限の取材源の保護には賛成しかねる。氏はこうも言う。

〈不文律ではあっても「取材源の秘匿」という原則をメディア側、政権側ともあまりに軽々しく考えてはいまいか。せっかく積み上げてきた「取材現場の知恵」が傷ついたことで、政府各機関の記者懇にも負の影響が出ることが懸念される〉

 ジャーナリズムの守るべき取材源は、相対的に、社会的な弱者である。強者の保護は限定されるべきではないか。だからこそ、政治家や権力者などの公人のコメントは、原則としてオフレコが解除されて当然だと考える。

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3月12日の産経は、前日の常務の記事で漆間発言の幕引きを図りたかったのであろうか。しかし、フリージャーナリストの上杉氏の寄稿分で、記者クラブ問題に火がついてしまった形である。この記者クラブ問題が、民主党政権、つまり政権交代が起きた時にどのような影響が出てくるのか期待をせずにいられない。

現実には、12日の記事を読むと、記者クラブ問題よりは小沢氏が党首を続けるかどうかがカギのような書き方であるが、だとしたらはじめから小沢氏の影響力を削ぐためにこの西松事件が起きたのではないだろうかとさえ思えてくる。

小沢氏、打つ手なし? 代表退けば浮上できぬ…
2009.3.12 00:23

 政治資金規正法違反事件で公設秘書が逮捕された民主党の小沢一郎代表は、党内でくすぶり続ける「小沢降ろし」や世論の反発を受けても、代表に当面はとどまる意思を変えていない。小沢氏が代表にこだわるのはなぜなのか。生き残りをかける小沢氏の執念が透けて見える。

 小沢氏は11日、党本部で、自身に近い同党中堅・若手議員らと会談し、代表続投を求められ、「何としても次期衆院選で勝つ。オレは悪いことはしていない。いずれ真実が分かれば国民も理解してくれる」と述べた。事件についても、潔白を訴えながら「検察批判」を展開し、代表続投への意欲をにじませた。

 また、東京地検特捜部による石川知裕衆院議員の事情聴取報道に関しては、「参考人聴取は内々にやるものだ。半年以内に衆院選があるのに、こんなことが報じられたら、選挙妨害以外の何ものでもない」と憤りを隠さなかった。

 小沢氏の胸中をめぐっては、さまざまな憶測が党内で飛んでいる。「事件が秘書の政治資金規正法違反にとどまれば、世論の風向きが反転すると読んでいる」(中堅)との見方がある一方、周辺からは「次期衆院選で勝つためには、代表を退く腹を決めているのだろう」との声もある。

小沢氏が代表にとどまるのは、退いた場合、政治的に後がなくなることを危惧(きぐ)しているためだ。小沢氏はこれまで、節目の際には必ずその後の政局を見越して「返り咲き」を果たしてきている。自民党幹事長辞任後は、旧竹下派の会長代行に就任。同党を離党してからは、細川連立政権誕生の立役者になった。旧新進党が解体し、旧自由党党首に就いたときも、小渕政権で連立を組んだ。

 民主党幹部は「小沢氏は、代表を降りたら『次の一手』がないと思っている。今までなら、すぐに代表を辞めていたはずだ」と語る。二大政党下での政権交代が現実味を増す中、政界再編の機運は盛り上がっていない。代表職をほうり投げては、二度と政界で浮上できなくなる-。事件のあおりで小沢氏はギリギリの状況に追い込まれている。

 自民党を離党後、政権交代を自らの手で実現したい悲願に加え、選挙対策や国会運営などで指導力を発揮し、麻生太郎政権を追い込んだという強烈な自負もある。次期衆院選の候補者擁立を取り仕切り、新人候補者を発掘してきた小沢氏にすれば、選挙後には多くの「小沢チルドレン」が当選し、党内で影響力を保持できる。

もっとも、小沢氏周辺では、公設秘書が勾(こう)留(りゆう)期限の切れる24日にも起訴されれば、早期辞任に追い込まれるとの見方が多い。土俵際に追い込まれた小沢氏に劣勢挽回(ばんかい)の策はあるのか。旧知のベテラン議員は「小沢氏はもともと本音では首相になりたくないはずだ。代表を辞めて、幹事長や選挙対策責任者に就けばいい」と話している。

2009年3月11日水曜日

【西松事件】 政府高官の発言

 漆間発言で、大揺れになってしまった。結果、産経新聞では常務が記事を書いているのであるが、少なくても、常務が記事を書かなけばならないような異常事態であったということであろう。
つまり、民主党政権が小沢氏の手によって行われ、小沢氏が総理の座について一番困るのが既存の大手マスコミ、すなわち記者クラブであることを明確に知らしめたという事いなる。


「漆間発言」とメディア 取材源、安易に暴露していいのか
2009.3.11 12:09
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090311/stt0903111210006-n1.htm

 ジャーナリズムは、取材形態がどうあれ、取材源との約束事を守る信頼関係の上に成立している。その信義が崩れた時、ジャーナリズムは堕落する。

 漆間巌(うるま・いわお)官房副長官が西松建設の政治資金規正法違反事件にからんで、自民党議員への波及を否定したと受け取れる発言をしたのは、5日の首相官邸での定例記者懇談の場だった。通称「記者懇」あるいは「オフレコ懇」と呼ばれ、メモも録音もとらず、取材源の副長官は「政府高官」と匿名にする代わりに、発言の中身は報道してよいとの不文律の取り決めがある。

 記者懇に対しては政権側との「談合」「癒着」などといった批判も聞かれる。しかし、現場の政治記者にとっては国民の「知る権利」に応えるべく、建前論に流れがちな記者会見から一歩も二歩も踏み込み、政局の真相の一端に迫るため長年かけて編み出した取材の知恵といってよい。

 米国でも、例えば国務省で報道官が公式会見を行ったあと、同じ報道官との懇談は取材源を「国務省高官」として発言の引用が許される慣例がある。

 漆間氏は記者懇の慣例に従い、背景説明の一環として「一般論」という形で「自民党議員…」の発言を行ったとされる。記者懇の内容はまず共同通信が配信し、民主党を中心に「検察と内閣の連携だ」「やはり国策捜査だ」といった声が政界に一気に広がった。

 問題はこの後のメディアの対応である。漆間氏は匿名を前提に「背景説明」を行ったのだが、朝日新聞は7日付の朝刊1面で「『自民側は立件できない』発言の高官 民主、漆間氏とみて追及」との見出しで「6日夜、…この高官に身分を公表するよう求めたが拒まれた」と報じた。

 これは2つの点で記者懇ルール違反の疑義がある。1つは、記者懇で朝日の記者は懇談後、漆間氏に対し氏名の公表を要求していないのに、翌6日、政界が事態を重大視し始めるや一転、高官に名前公表を迫った点だ。第2に、朝日は「民主党の見方」に転嫁する格好で漆間氏の実名を一方的に明かしてしまった点だ。双方が合意した時にのみ取材源の公表は認められるべきではないか。

 翌7日、今度はTBSテレビが「内閣記者会として高官の氏名公表を求めたい」との提案を行ったが、全社の賛同は得られず(産経新聞は拒否)、結局うやむやになった。

 ところが、河村建夫官房長官が翌8日のフジテレビとNHKの報道番組で問題の発言をした高官は漆間氏だったことを自ら認めてしまったのだ。「このままでは国会を乗り切れないと事態の収束を図って名前を出してしまった」(政界筋)との見方が強い。これを機に全メディアが漆間氏の実名公表に雪崩を打った。

 不文律ではあっても「取材源の秘匿」という原則をメディア側、政権側ともあまりに軽々しく考えてはいまいか。せっかく積み上げてきた「取材現場の知恵」が傷ついたことで、政府各機関の記者懇にも負の影響が出ることが懸念される。

 米国のジャーナリズムでは犯罪や犯罪組織を利するようなケースを除き、取材源の秘匿は徹底して守られるべきだとの空気が根強い。

 かつてニクソン米大統領を失脚させた「ウォーターゲート事件」で、スクープを放ったワシントン・ポスト紙の情報源(ディープ・スロート)だったマーク・フェルト元FBI副長官は30年後に自ら名乗り出るまで、名前は秘匿され続けた。

 今回のケースと一概には比較できないが、「取材源の秘匿」の重さには変わりがない。取材源の安易な暴露はジャーナリズムの自殺行為になりかねない。
 (常務取締役編集担当 斎藤勉)

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代表取締役会長 清原武彦
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【西松事件】 各大手既存メディアの役割

 3月11日になると、産経の西松事件そのものの記事もめっきり減り、小沢氏をバッシングするためだけの記事や報道一色になっている。

いつも政治家の献金、つまり政治家のお金にまつわる事件が報道をされ始めると「事件の内容より、政治家そのものへの思い込み評価」を刷り込む作業が行われているように思えてならない。

たとえば、今日の産経新聞の記事であるが、一見すると小沢氏側の言い分を載せているように思えるが、対する東京地検の見解を載せない限りは公平性に欠く。なぜなら、一度逮捕をされたら、どんなに正しい事を述べたとしても「ずうずうしい」・「開き直っている」とみられる傾向が強いのである。それに対し、東京地検特捜部の見解を載せる事で初めて公正な記事となる。つまり、大手既存マスコミの一方的な報道によるラベル貼りは、このようにして作られるのである。

同時に読売新聞は、かつて小沢氏と近い間柄であった二階氏を引き合いに出し、小沢氏のイメージを落とす役割を果たしている。この今回の事件は、読売と産経も東京地検にとって重要なプレィヤーを担っているように思える。しかし、今回は、この2社だけではなく、すべての大手既存のマスコミがプレィヤーとして動いているようにさえ思える。

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【西松献金】小沢氏、石川議員聴取は「選挙妨害以外の何ものでもない」
産経新聞2009.3.11 11:52

民主党の小沢一郎代表は11日午前、党本部で自身に近い同党の中堅・若手議員らと会談し、西松建設による違法献金事件で東京地検特捜部が小沢氏の元秘書の石川知裕衆院議員に事情聴取する方針を固めたことについて、「選挙妨害以外の何ものでもない」と述べた。さらに、「権力を乱用する者に権力を持たせてはいけない。だから政権交代しなければいけない」と地検の捜査を批判した。

 出席者によると、小沢氏は議員から代表続投を求められ、「何としても衆院選で勝つ。オレは悪いことはしていない。いずれ真実が分かれば国民も理解してくれるだろう」と意欲を示したという。

 石川氏は次期衆院選で、中川昭一前財務・金融担当相の地元、北海道11区からの立候補を予定している。




西松献金、小沢氏・二階氏へ途切れなく…転籍後も提供先変え
 準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)が、ダミーの政治団体を使うなどして、個人や派閥の政治団体に多額の資金を提供していた小沢一郎・民主党代表と二階俊博・経済産業相。

 かつて二人は共に自民党を離脱し、その後、たもとを分かって現在に至るが、西松建設は、二人の足取りをたどるかのように、資金提供先も変えていた。

 同社が長年にわたり、小沢氏側と二階氏側を手厚く支援していた実態が浮かび上がる。

 小沢氏と二階氏は1993年6月、一緒に自民党を離脱して旧新生党を結成。その後、旧新進党、旧自由党と2000年まで行動を共にした。二階氏は小沢氏の側近とも言われた。

 二階氏は同年4月、旧自由党を離れて、旧保守党の結党に参画。さらに03年11月、自民党に合流し、二階グループ(現在の二階派)を率いることになった。

 一方、小沢氏の旧自由党は、03年9月に旧民主党と合併。小沢氏は副代表などを経て、06年4月から民主党の代表を務めている。

 政治資金収支報告書などによると、西松建設は、二人が旧新進党や旧自由党に所属していた95~99年の5年間、両党の献金窓口だった政治資金団体「改革国民会議」に、同社や子会社の松栄不動産、ダミーの政治団体「新政治問題研究会」の名義で、総額約1億円を献金していた。

 二階氏が旧保守党を結党した00~02年の3年間には、西松建設は同党の政治資金団体「保守政治協会」に計約330万円を同社名義で献金した。

 西松建設は改革国民会議への献金を00年以降も続けていたが、小沢氏の旧自由党が旧民主党と合併した03年以降は、新たに小沢氏の資金管理団体「陸山会」を献金の提供先の一つにするようになった。以後、陸山会への献金は06年まで続く。すべて「新政治問題研究会」など二つのダミーの政治団体経由だった。

 旧自由党が国会議員30人の小所帯で「小沢色」が強かったのに対し、旧民主党との合併で200人を超す大所帯となった。このため、関係者によると、献金先を小沢氏個人の資金管理団体に変更したという。

 一方、二階氏が自民党に合流すると、西松建設は04~06年にダミーの二つの政治団体名義で、自民党二階派の政治団体「新しい波」から計838万円分のパーティー券を購入した。また、06年以降も、二階氏の政党支部「自民党和歌山県第3選挙区支部」の口座に、同社社員や家族計60人の名義を無断で使い、毎年計300万円を振り込んでいた。

(2009年3月11日09時58分 読売新聞)

2009年3月10日火曜日

【西松事件】 大久保秘書逮捕から一週間

 3月10日になるとめっきり西松事件の実際の内容は話されず、小沢バッシング一辺倒である。

いつも「政治とカネ」の問題が起きると、入りの部分や出の部分だけを取り上げて騒ぐのが常であった。今回の小沢氏の西松建設の問題も形の上では入りの部分の問題である。

政治資金規正法は、入り出を透明化しろというのが主眼とされているように思えてならない。事務所費に関しても結局は、出の部分を架空経費にした事で事務所費問題なども起きているのである。また日歯事件は、寄付金を明らかに受け取っていながら、記帳をしなかった事からおきた事件である。

その部分で考えた場合に、小沢氏の場合は、明らかに違うと言う事になる。さて、東京地検特捜部は、どんなお年どころを考えているのであろうか。

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【主張】小沢民主党代表 有権者が疑念突き付けた
産経新聞2009.3.10 03:19
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090310/stt0903100319001-n1.htm

民主党の小沢一郎代表はこの数字をどう受け止めるのか。西松建設をめぐる政治資金規正法違反事件を受けて行われた各種世論調査で、小沢氏が説明責任を果たしていないとの回答が圧倒的多数を占め、代表を辞任すべきだとの意見も多数に上った。

 民主党支持率や小沢氏個人の評価も低下した。事件や小沢氏の対応によって、民主党に期待した多くの人が、裏切られたとの印象を抱いたからだろう。

 党内からも「国民に説明できない」と現状を懸念する声が出始めている。だが、党独自の調査を行うなどの自浄努力の具体的な動きはまだみられない。国民の疑念を払拭(ふっしょく)し、信頼を取り戻す機会ととらえるべきだ。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査によると、麻生太郎首相と小沢氏の「どちらが首相にふさわしいか」で、小沢氏は15ポイント近く支持を失った。事件により小沢氏のイメージが「以前より悪くなった」と思う人も6割を超えた。

 次期衆院選での投票先(比例代表)や、民主党を中心とする政権への期待値も下がった。数字の上で次期衆院選に対する事件の影響が鮮明になっている。

 世論調査結果に対し、鳩山由紀夫幹事長は説明責任が不十分だと受け止められていることは認め、「新事実が判明すれば新たな展開になる」と小沢氏の代表続投に影響が出るとの見方も示している。しかし、逮捕された小沢氏の公設第1秘書の起訴や新たな容疑の浮上など、状況の変化を待っているだけでは問題は解決しない。

 民主党は平成19年参院選での政権公約(マニフェスト)で、政治資金規正法の改正により、迂回(うかい)献金の禁止や企業団体献金を受ける政党支部の制限などを行い、政治とカネの透明化を図る必要性を訴えていた。

 その考え方と照らし合わせ、西松建設側からの資金提供に問題がなかったかどうか、党として調査することくらい、やる気になればすぐにできるだろう。

 麻生内閣の支持率はやや上向いたとはいえ、低迷を脱したといえる状況ではない。首相としては、引き続き諸懸案への取り組みに全力を挙げるしかない。

 献金疑惑が自民党議員に波及しているのに、党執行部が静観を決め込んでいるのも、政治不信を助長しかねない。
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小沢氏、改めて説明へ 進退問題への言及が焦点
産経新聞2009.3.10 10:28
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090310/stt0903101028004-n1.htm

民主党の小沢一郎代表は10日午前の党役員会・常任幹事会で、公設秘書が逮捕された政治資金規正法違反事件について、自身の見解や今後の対応などを改めて説明する。報道各社の世論調査で、代表の自発的辞任を求める声が大勢になっていることを踏まえ、進退問題に関し、どう言及するかが焦点だ。

 小沢氏は秘書の逮捕後に行われた4日の記者会見で、東京地検特捜部の捜査を批判するとともに、献金の違法性を全面否定した。10日の役員会などでも同様の説明を行い、理解を求めるとみられる。

 ただ、党内には、小沢氏が謝罪の意を表明しなかったことに不満が出ているほか、次期衆院選への影響を懸念し、小沢氏が自ら辞任を表明することに期待する向きもある。

 常任幹事会メンバーの岡田克也、前原誠司両副代表は、東南アジア歴訪中のため、欠席する。


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小沢氏「迷惑をかけた」と陳謝 民主「現体制」での結束確認
産経新聞2009.3.10 12:12
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090310/stt0903101212010-n1.htm

民主党の小沢一郎代表は10日午前、党本部で開かれた常任幹事会に出席し、自身の公設秘書が逮捕された政治資金規正法違反事件について、「党員のみなさん、わが党に好意をもって政権交代実現に期待しているみなさんに迷惑をかけた」と陳謝し、引き続き代表として党運営にあたる考えを表明した。常任幹事会では反対や批判は出ず、小沢氏のもとで結束していく方針が確認された。
 小沢氏はこれに先立つ党役員会で、「ご迷惑をおかけしている」としたうえで、「政治資金規正法通りきちんとやっている」と、違法性がないとの認識を改めて強調した。

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「私の不徳、衆院選控え申し訳ない」と小沢氏 党内から進退問う声なし
産経新聞2009.3.10 13:26
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090310/stt0903101331012-n1.htm

民主党の小沢一郎代表は10日午前、党本部で開かれた役員会と常任幹事会に出席し、自身の公設秘書が逮捕された政治資金規正法違反事件を陳謝するとともに、秘書と自らの潔白を強調。そのうえで、引き続き代表として党運営に当たる考えを表明した。出席者から進退を問う声は出なかった。同党は今後、小沢氏のもとで結束していく方針。ただ、東京地検特捜部の捜査の進展次第で、代表交代論が再び噴出する可能性もある。

 小沢氏は冒頭のあいさつで、「仲間のみなさん、国民のみなさん、期待をしていただいているみなさんに、多大なご迷惑をおかけした。私の不徳の致すところであり、衆院選を控え、大変申し訳ない」と陳謝した。

 そのうえで、「議会制民主主義の実現には、政権交代しかない。国民サイドに立って行動し、政治生命をかけて、大目標に向かって私の主張を続けさせていただきたい」と、代表を続ける意向を示した。

 事件に関しては、「事務的な処理の問題だ。政治資金規正法通りきちんとやっており、一点の曇りもない」と、違法性がないとの認識を改めて強調した。

 常任幹事会では、鳩山由紀夫幹事長が「党の結束が一番大事だ。小沢氏の思いが国民に伝わるように頑張っていきたい」と表明した。

 もっとも、FNN(フジニュースネットワーク)が7、8両日に行った合同世論調査で、小沢氏が辞任すべきだとの回答は47・4%となったほか、民主党のイメージが悪化したとの受け止めは50・9%に上り、政党支持率も自民党に逆転された。報道各社の世論調査でも、民主党の支持率は下落しており、党内で「小沢氏が代表のままでは衆院選を戦えない」との声がくすぶっている。

 このため、秘書が起訴されるなど、東京地検の捜査が新たな展開を迎えた段階で、小沢氏の交代論に火がつく可能性がある。二階俊博経産相側に対する西松建設の献金疑惑で、二階氏が閣僚を辞任する事態になり、辞任論が小沢氏に飛び火することも想定される。


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小沢氏「最終的な結論出るまで進退考えない」
産経新聞2009.3.10 15:39
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090310/stt0903101543013-n1.htm

民主党の小沢一郎代表は10日、党本部で記者会見し、公設秘書が政治資金規正法違反容疑で逮捕された事件に伴う自らの進退について、「(事件の)最終的な結論が出るまで、(辞任は)まったく考えていない」と述べ、辞任する考えがないことを改めて強調した。

 また、「政治収支報告書の事務処理の問題以外、何も明らかにされていない。ほかのことも含めて(新事実が)明らかになれば、その時点で、国民の判断をいただく」と説明した。

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西松との関係を否定 献金問題で増田前知事
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090310_1
(現在は、リンク切れ)
【東京支社】西松建設の巨額献金事件で、前知事の増田寛也氏は9日、岩手日報社の取材に答え、知事在職時代について「関係者との面識や付き合いは全くない。(公共工事をめぐり)働きかけを受けたこともない」と全面否定した。
 同社は1996年度から2005年度にかけて県内で14件の国・県発注工事を受注している。当時現職知事だった増田氏は「会社関係者や、(公設第一秘書が逮捕された民主党代表の)小沢一郎氏の関係者から、働きかけや照会を受けたことはない」と説明。
 「個別の工事で知事のもとになんか来ないだろうし、県は(発注業者の選定過程で)入札を実施しているから(便宜を図るのは)無理だ」と述べた。
 逮捕された小沢氏の公設第一秘書、大久保隆規容疑者とは「秘書になってから、会ったり、話をしたことはないんじゃないか」とし、小沢氏との関係は「知事の2期目からぎくしゃくして、話す機会はほとんどなかった。そもそも、行政運営には関与しない-というスタンスだったと思う」と語った。(2009/03/10)

2009年3月9日月曜日

【西松事件】 漆間発言の影響

  ブログの引越しのために3月9日の新聞記事一年以上経てから、再度読み直しているのだが、よくこれで堂々と「マスコミでございます」と言えるものである。ふと思ったのは記事を書いたら、記者は二度と自分で書いた記事を読み返すことはないのであろうか?

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【西松献金】二階氏、直接献金は否定
産経新聞2009.3.9 16:43
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090309/stt0903091649008-n1.htm

 二階俊博経済産業相は9日の参院予算委員会で、西松建設の違法献金事件に関連して、西松側からの直接の政治献金の有無について「西松に限らず政治資金を受け取ったときは政治資金規正法にのっとって報告しており、西松からそうした資金を受け取った記憶はない」と否定した。共産党の山下芳生参院議員の質問に答えた。

 また、麻生太郎首相(自民党総裁)は、同事件をめぐり複数の自民党議員に不正献金授受の疑惑があるとの一部報道について、「報道の情報源は不正確なので、それに基づき調査はしない。関係者が報道に生々しくしゃべろうと、苦々しくしゃべろうと、ただちに嫌疑があるとは考えない」と述べ、自民党として調査は行わない考えを示した

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小沢、小泉両氏は金総書記と同じ独裁-山崎氏
産経新聞2009.3.9 21:36
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090309/stt0903092140013-n1.htm

自民党の山崎拓元副総裁は9日夜、都内の集会であいさつし、民主党の小沢一郎代表と自民党の小泉純一郎元首相の名を北朝鮮の金正日総書記と並べて挙げ「1942年生まれの同年代で、独裁的体質を持っている」と批判した。

 同時に小沢、小泉両氏に関し「いずれも政界から一歩後退している」と指摘した。
 また、自民党の森喜朗元首相は沖縄県沖縄市で、小沢氏の自民党離党後の政治経歴に触れながら「言うこととやっていることがまったく違う」と疑問を呈した。

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【小沢氏秘書逮捕】小沢氏周辺にも「自発的辞任」の声
産経新聞2009.3.9 22:10
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090309/stt0903092216015-n1.htm

民主党の小沢一郎代表の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、小沢氏に近い議員の間から小沢氏の自発的な代表辞任を求める空気が出始めた。だが、潔白を主張する小沢氏は10日の役員会で、これまで通り代表職にとどまる意向を示す方針で、党内の反応が注目される。

 同党の渡辺周衆院議員は9日、民放のテレビ番組に出演し、「小沢氏の言葉を信用するが、新たな局面を迎えれば、小沢氏自らが決断するだろう」と述べ、東京地検特捜部の捜査の進展次第で、小沢氏が辞任表明するとの見方を示した。鳩山由紀夫幹事長も8日に同様の考えを示したが、9日には「挙党態勢でこの難局を切り抜けていくことが一番望ましい」と述べた。

 小沢氏は9日、都内のホテルで過ごし、記者団の前には現れなかった。同氏周辺は「小沢さんは今でも代表を退く意思はない。二大政党制が定着した今、辞めれば次の展望がない」と小沢氏の心情を代弁する。

実際、小沢氏は前日の8日夜、国民新党の亀井静香代表代行に電話し、メディアの世論調査で「辞任すべきだ」とか、「説明責任を果たしていない」との意見が多いことについて怒りをぶちまけた、という。

 こうしたいきさつについて亀井氏は、9日夜のBS報道番組で「小沢氏は自分の説明を国民が理解してくれていないという気持ちが非常に強い。小沢氏は潔白で、自分の秘書も逮捕されるようなことをしていないという確信を持っているようだ」と述べた。

 ただ、「小沢氏は今の時点で政治責任をとなければならないという気持ちはないと思う」と強調する一方で、「今後、潔白であることとは別に、政治家として全体的な判断をする可能性は私には分からない」とも述べた。

 民主党内にも各種世論調査で小沢氏の辞任を求める声が多いことから、「挽回(ばんかい)は難しい。永田町の論理で代表を続ければ、次期衆院選でしっぺ返しを食らう」(幹部)との懸念が出ている。

 ここ数日、小沢氏に近い議員にも辞任論がくすぶり始めており、「進退問題で党内がゴタゴタすれば嫌気がさして辞める可能性がある」(中堅)、「党に迷惑をかけたという形でやめるのが一番いい」(幹部)との声も出始めている。この場合、「選対本部長について選挙を仕切ればいい」との意見もある。

 代表辞任論の動きが出ている背景には、東京地検が近く、二階俊博経済産業相側に強制捜査を行う観測が出ている事情もある。強制捜査で二階氏が閣僚を辞任すれば、小沢氏への世論の風当たりがさらに強まることが予想されるためだ。

 民主党執行部がどこまで「小沢擁護」論を堅持できるかは流動的だ。
【】

2009年3月8日日曜日

【西松事件】 報道の異様さを感じる事件

  3月8日の産経新聞であるが、構想日本・志田玲子氏が「小沢ショックに見る政治とカネ」と言う記事を6日に書いて記事としてWEB上に流れている事から、大久保秘書が逮捕をされて、1日2日おいて書かれたものであろうか。

驚くのは、彼女の記事の中に「捜査関係者」を情報源にした報道が続々!」と書かれていて、いかに普通の状態で新聞・テレビの報道のされ方が異様であったのかを知る事ができる。


2009年03月06日
http://focus.allabout.co.jp/contents/focus_closeup_c/jijiabc/CU20090306M/index/?from=dailynews.yahoo.co.jp

「捜査関係者」を情報源にした報道が続々!

小沢氏の秘書逮捕で、続報が続々! 3月3日、西松建設から違法献金を受け取ったとして、民主党の小沢代表の公設第一秘書(大久規容疑者)らが逮捕された事件。その額は、十数年間で総額約3億円に上るとされていますが、ここで焦点になるのは、秘書や小沢氏が、同社OBを代表とした政治団体からの献金を、同社からのものだと知っていたかどうか、です。これについて、秘書も小沢氏も否定。しかし、連日のニュースでは、「秘書が西松建設に対し、小沢代表側の3つの政治団体への献金を分散するよう、献金額を個別に指示していた」など、秘書が知っていたかのような報道が目白押し! 各紙の報道では、情報源として「捜査関係者」なる人物が大活躍……。

西松建設絡みのカネは、与野党に浸透!

一方、自民党も、西松建設絡みの「政治とカネ」については、「対岸の火事」とはいかないようです。二階氏を会長とする二階派は、同社に購入してもらったパーティー券代計838万円の返金方針を決定。山口首相補佐官や加納国土交通副大臣も、献金・パーティー券代の返却を表明。また、献金300万円とパーティー券代100万円を受け取った森元首相は、弁護士を通じて「返還の方策を検討する。道義的観点からであり、違法性を認める趣旨ではない」。西松建設と言えば、昨年6月以降、東京地方検察庁の強制捜査を受け、今年1月には、海外から裏金を持ち込んだ外国為替法違反の容疑で、前社長らが逮捕されています。道義的観点を言うなら、なぜもっと早い段階で返金しなかった? 「政治とカネ」この古くて新しい問題からは、与野党議員とも自由ではいられないようです。

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小沢氏監督責任も 起訴なら失職の可能性 政治資金規正法
産経新聞2009.3.8 01:39
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090308/crm0903080140001-n1.htm

小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が小沢氏本人にも規正法違反の疑いがあるとみていることが7日、捜査関係者の話で分かった。規正法は政治団体の代表者に、会計責任者への監督責任について罰則を設けており、これに違反する疑いがある。特捜部は政治資金収支報告書の虚偽記載への関与の有無の解明と並行して、監督責任についても調べを進めるもようで、監督ミスが認定され、起訴された場合には、小沢氏は最終的に衆院議員を失職する可能性も出てくる。小沢氏への参考人聴取でも、監督責任について確認するとみられる。

 地検によると、西松建設がダミーにしていた政治団体は、「新政治問題研究会」(新政研)と「未来産業研究会」(未来研)。陸山会の会計責任者で小沢氏の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)は平成16年3月~19年3月、西松から受領した2100万円を新政研と未来研からの献金とする虚偽の記載を、政治資金収支報告書にするなどした疑いが持たれている。

 規正法は、政治団体の代表者が、会計責任者の選任と監督について相当の注意を怠っていた場合、50万円以下の罰金を科すと規定している。起訴されて規正法違反罪で罰金刑になると、裁判官の判断によっては公民権が停止され、被選挙権を失う。国会法の109条は、現職の衆院議員が衆院議員選挙の被選挙権を失った場合、自動的に失職すると規定している。

特捜部は15年、元参院議長で埼玉県知事だった故土屋義彦氏の資金管理団体の虚偽記載事件で、会計責任者だった土屋氏の長女が起訴された際に、土屋氏から事情聴取。土屋氏は監督責任を認め、特捜部は土屋氏の監督ミスを認定した。ただ、土屋氏は知事を辞職したことなどから、特捜部は「反省の情がみられる」として起訴猶予処分とした。

 捜査関係者によると、特捜部では、大久保容疑者が西松側に直接、献金を要求した上、金額などを具体的に指示していた悪質性を重視。12年から長期間にわたり、大久保容疑者に会計責任者を任せていた小沢氏の監督責任は、決して軽くはないとみているもよう

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「内閣のど真ん中と検察との間でやりとりがあった」政府高官発言で、民主・鳩山幹事長
産経新聞2009.3.8 13:21
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090308/plc0903081322003-n1.htm

西松建設の違法献金事件に関する捜査は、自民党議員に拡大しないとの見通しを示した政府高官が、漆間巌官房副長官であることを河村建夫官房長官が8日午前のフジテレビ系列の「新報道2001」で明らかにしたことについて、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日、「やっぱり内閣のど真ん中と検察との間で会話のやりとりがあったとしか思えない。大いに問題がある。何らかのやりとりがあったと思われても仕方がない」と厳しく批判した。都内で記者団に語った。

 その上で鳩山氏は「あす(9日)予算委員会があるから、そこで委員から、この問題はお尋ねしたい。必要に応じて、官房副長官にお出ましを願うということはあり得る」として、参院予算委員会に参考人招致して、漆間氏に対し、事実関係を追及する考えを示した。

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「未来研」小沢氏側への献金専用か 西松建設
産経新聞2009.3.8 16:24
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090308/crm0903081628013-n1.htm

西松建設が小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」に企業献金を行う際、ダミーに使っていた2つの政治団体のうち「未来産業研究会」(未来研)は、主に小沢氏側に献金するためのものだったとみられることが7日、捜査関係者の話で分かった。東京地検特捜部は、事実上の小沢氏側“専用”だった疑いがあるとみているもようだ。

 西松は与野党の政治家側に対し、平成7年に設立したダミーの政治団体「新政治問題研究会」をトンネルにして企業献金をしていたが、小沢氏側とは当初から、年間2500万円前後を献金するように取り決めていた。
 政治資金収支報告書によると、未来研は16~18年、陸山会と小沢氏が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」、小沢氏が最高顧問についている「民主党岩手県総支部連合会」の3つの政治団体に、総額900万円を献金しているが、ほかに献金先はなかった。

 12年1月以降、政治資金規正法の規定で資金管理団体への企業献金が禁止されることになっていたことから、西松は年2500万円前後の献金を維持するため、11年に未来研を総務省に届け出たとみられる。

 小沢氏側は、献金を受ける際、西松に請求書を出しており、特捜部はこれを押収。規正法違反容疑で逮捕された陸山会の会計責任者で小沢氏の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)が、西松による献金と認識していた事実を裏付ける証拠とみているとみられる。

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61%が小沢氏に「代表辞任」求める 共同通信世論調査
産経新聞2009.3.8 17:04
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903081707003-n1.htm

各社の世論調査で民主党の小沢一郎代表に「代表辞任」を求める声が強まっている。共同通信社の全国電話世論調査(7、8日実施)では、西松建設の献金事件で「小沢氏が党代表を辞めた方がよい」との回答が61.1%と6割を占め、続投支持の28.9%を大きく上回った。毎日新聞の調査(6、7日実施)でも「辞めるべきだ」は57%で、民主党は強い逆風にさらされることになった。

 共同通信の調査では、公設秘書逮捕をめぐる小沢氏の説明を「納得できなかった」との答えが78.4%と約8割に達し、「納得できた」は12.4%で、小沢氏の説明への不満が広がっていることが分かった。

 フジテレビの「新報道2001」の世論調査(5日実施)でも、小沢氏の検察批判を「支持しない」との回答が72.6%で、「支持」は16.2%だった。

 この調査では、民主党の支持率も先週より9ポイント減の26.0%で、逆に麻生内閣の支持率は、同4.4ポイント増の18.2%と上向いた。

 共同通信の調査では、望ましい政権の枠組みは「民主党中心」が2月17、18両日の前回調査より9.9ポイント下がって43.5%となり、「自民党中心」の31.6%との差が縮まった。麻生太郎首相と小沢氏の「どちらが首相にふさわしいか」では、小沢氏は同12.8ポイント減の33.6%で、麻生氏が同5.2ポイント増の25.6%だった。政党支持率は自民28.6%、民主27.4%と逆転した。麻生内閣の支持率は16.0%と同2.6ポイント微増し、不支持率は70.8%だった。

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西松献金で「解散時期は左右されず」自民・菅氏
産経新聞2009.3.8 17:42
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090308/plc0903081744005-n1.htm

自民党の菅義偉選対副委員長は8日、千葉県船橋市内のホテルで講演し、衆院解散について「麻生太郎首相が5月から9月の間に景況感を見て判断する。西松事件で左右されることはない」と述べ、西松建設に絡む違法献金事件が解散時期の判断に影響を与えることはないと強調した。追加経済対策を盛り込んだ平成21年度補正予算案の提出については「厳しい(経済)状況の中で大型補正予算案は当然提出されるだろう」の見通しを示した。

 一方、漆間巌官房副長官が同事件の捜査が同党に及ばないとの見通しを示したことについては、「(警察庁出身との)色眼鏡で見られる。不用意な発言は絶対にすべきじゃない」と、講演後、記者団に語った。

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【新報道2001】西松事件で激論(8日放送)
産経新聞2009.3.8 19:33
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903081934004-n1.htm

8日放送されたフジテレビ系の「新報道2001」では、自民党の山本一太参院議員、民主党の細野豪志衆院議員、無所属の江田憲司衆院議員らが、西松建設の違法献金事件や政治とカネの問題について議論した。

 --世論調査で多くの人が小沢一郎代表の説明に納得していないが

 細野氏「国策捜査だとは思いたくないが、漆間巌官房副長官の発言を含め政府側にどうなんだということは突き付けていかなければならない」

 --漆間発言は

 山本氏「極めて不適切な発言で、非常に怒りを感じる。いらぬ誤解を与える発言を、ああいう立場の方がすべきではない」

 --事件の構図は

 山本氏「こういうことがあったのならば当然厳しく罰せられるべきだが、背景には政治に金がかかるという問題がある。企業側には政治家へ献金して口利きしてもらおう、政治家側も見返りを提供して資金を集めようという感覚があるが、この政治文化を変えないといけない」

 江田氏「自民も民主も『資金の流れを透明化すればいい』というが、きれい事では済まない。政党助成金で税金が政党に入っているのに、政党支部をたくさん作って企業献金を受け入れるのは、明らかに国民への裏切りだ」

 --民主党は平成15年のマニフェストで公共事業受注企業からの政治献金全面禁止を訴えているが

 細野氏「批判は承るが、チェックする仕組みがないのも事実だ。仕組みそのものを作るところまでなかなか行けていない」

「新報道2001」世論調査結果は以下の通り。

【問】麻生内閣を支持するか
支持する18.2%
支持しない75.8%
その他、分からない6.0%

【問】首相にふさわしいのはどちらか
麻生太郎首相23.6%
小沢一郎民主党代表32.4%
その他、分からない44.0%

【問】次の総選挙後にどういう政権を期待するか
自民党中心の政権15.0%
民主党中心の政権24.8%
自民、民主両党による大連立政権37.2%
自民、民主以外の新たな第三勢力による政権17.0%
その他、分からない6.0%

【問】秘書逮捕で検察を批判した小沢氏の発言を支持するか
支持する16.2%
支持しない72.6%
その他、分からない11.2%

【問】次の衆院選はどの政党に投票するか
自民党21.0%
民主党26.0%
公明党2.2%
共産党2.4%
社民党1.4%
国民新党0.2%
新党日本0.0%
無所属・他1.4%
棄権1.2%
未定44.2%

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「政府高官」は漆間副長官 河村長官が明言 民主党は国会で追及へ
産経新聞2009.3.8 19:55
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903081043000-n1.htm

 西松建設の違法献金事件をめぐり、政府高官が「自民党には波及しない」との見通しを示したとされる問題で、河村建夫官房長官は8日の報道番組で、政府高官を元警察庁長官の漆間巌官房副長官であることを明らかにした。河村氏は「発言は極めて不適切だ」として漆間氏を厳重に注意したことを明かし、「漆間氏はあくまで刑事手続きの一般論を説明しただけだ。(検察との情報交換は)あり得ない」と強調した。

 民主党は「内閣と検察が通じ合っていたとしか思えない。逆指揮権ではないか」(鳩山由紀夫民主党幹事長)と反発しており、9日の参院予算委員会で麻生太郎首相らを追及する。漆間氏を参考人として国会に呼ぶことも検討している。

 問題の端緒は、漆間氏が5日夕に首相官邸で行った定例の記者懇談会。西松建設の違法献金問題が話題になり、漆間氏がオフレコを前提に話した内容を一部メディアが「政府高官が『捜査が自民党に及ぶことは絶対にない。額が違う』と述べた」と報じた。

 漆間氏は6日夜、記者団に「私は『自民党に捜査が及ぶ』等の表現は使っていないし、『絶対にない』とは一度も言っていない。『捜査がどこに及ぶかは検察が決めることだ』と断ったはずだ。私は検察の情報が入る立場ではなく、一般論として違法性の認識の立件がいかに難しいかを説明しただけだ」と述べた。

 河村氏は8日のフジテレビの新報道2001で、すでに漆間氏から事情を聴いたことを明らかにし、「漆間氏は『一般論を述べただけで特定の議員への影響や捜査の帰趨(きすう)に関する説明をした覚えはない』と話している」と説明。その上で「警察庁長官の経歴を持つ人なので極めて不適切な発言だ。厳重に注意し、もう少しはっきり説明した方がよいと言った」と述べ、漆間氏に何らかの形で経緯を説明させる考えを明らかにした。漆間氏の処分は「一切ない」と否定した。

また、河村氏はNHKの番組で、政府と検察が情報交換した可能性について「法治国家の根幹を崩しかねない話であり、まったくあり得ない。言われなきことを言われ理解に苦しむ」と強く反発。「検察は厳正中立、不偏不党で、法と証拠に基づき捜査していると確信している。それを私の方がとやかく言う立場にない」と述べた。

 首相は7日夜、この問題について河村氏と対応を協議。事態収拾に向け、「漆間氏にも説明責任を果たしてもらう必要がある」と判断したという。

 漆間氏は8日、取材に対し、9日の定例記者会見で自らの発言の真意を説明する考えを示すとともに、「国会に呼ばれれば誠実に対応する」と述べた。 

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自民、民主「共倒れ」 ほくそ笑む共産
産経新聞2009.3.8 21:12
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903082113005-n1.htm

民主党が小沢一郎代表をめぐる違法献金疑惑で揺れる中、共産党が好機到来とばかりにほくそ笑んでいる。同党は「蟹工船」ブームで若者を中心に関心を集めるなど元気だが、「自民党もダメ、民主党もダメ」という世論が高まれば、次期衆院選で“確かな第三極”の姿が明確になり、行き場のない無党派層の支持が集められるのではないか計算する。果たして…。

 近年の国政選挙で民主党は「反自民・公明票」の受け皿として野党では独り勝ちし、次期衆院選で政権交代を果たすのは確実ともみられていた。だが、小沢氏側の疑惑で民主党がつまずきつつあり、共産党は「麻生政権迷走で民主党に緊急避難的に流れていた支持層の一部をわが党が取り込める」(共産党関係者)とにんまりだ。

 同党が5日の幹部会で「金権腐敗政治」の一掃に向けた「共産党の役割」をアピールする方針を確認したのも、その戦略上にある。

 共産党は平成19年10月以降、新規入党者数は16カ月連続で増加(対前月比)し合計1万6000人に上るなど人気を呼んでいる。格差や「派遣切り」問題に取り組んできたほか、志位和夫委員長の「メディア露出作戦」も奏功している。その中で、目の上のタンコブの民主党を襲った「小沢ショック」は共産党にとって渡りに船というわけだ。

 小沢氏が秘書の逮捕翌日の4日に行った「釈明記者会見」について、他の野党が「一応の説明責任は果たした」(福島瑞穂社民党党首)、「事実関係がはっきりしてくるまで何とも言えない」(亀井久興国民新党幹事長)などと批判を避けた。だが、志位氏は「国民に対する説明責任を果たしたとは、とうてい言えない」と糾弾してみせた。

小沢氏側の事件について、共産党の市田忠義書記局長は5日の記者会見で「自民も民主も基本路線や金権腐敗政治という点で同質同類ということが、非常に分かりやすい形で出た」と述べ、従来の主張である「企業・団体献金の禁止」を訴える考えを強調した。

 ただ、党内に「浮かれたことは慎むべきだ」(共産党関係者)との空気が強く、市田氏は、自民、民主への批判や不満の受け皿になる可能性については「共産党の立場や考え、路線、政策を丸ごと知ってもらう努力なしには、自動的に共産党に来るということはない」と慎重だった。

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「代表交代論」に勢い 逆風強まり民主結束ほころぶ
産経新聞2009.3.8 21:15
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903082117006-n1.htm

民主党の小沢一郎代表の公設秘書逮捕に対し、世論から「代表辞任」を求める声が強まり、民主党の「続投への結束」がほころび始めた。鳩山由紀夫幹事長が8日、小沢氏の責任論について「新たな事実が判明すれば、新たな展開になる」と述べ、進退問題に発展する可能性に言及し始めた。小沢氏が代表にとどまれば世論が民主党から離反しかねないとの声は次第に大きくなりつつある。

 鳩山幹事長は8日のNHK番組で、進退問題に発展する可能性を示唆したが、その中で「進退問題が浮上しないと言い切るつもりはない」と述べ、世論の反発を強く意識してみせた。

 同党幹部は、この発言の真意を「『新たな事実』とは収賄容疑などだが、そうした事実はないという前提だ」と解説して、辞任論の拡大回避に躍起だが、代表辞任を完全否定できなくなったのは明らかだ。

 鳩山氏ら党執行部や小沢支持派には、小沢氏の陣頭指揮で、国会運営や次期衆院選の準備を進め、麻生政権を追い込んできただけに、代表交代に消極的な空気が強い。小沢氏自身も代表を辞任する考えがないことを強調している。

だが、反小沢勢力を中心に「潔く辞任すべきだ」(幹部)との声があるのも事実だ。事件で民主党への追い風が弱まり、「小沢代表のままでは次期衆院選で単独過半数がとれなくなる」(同)との危機感も強まっている。実際、仙谷由人元政調会長は7日、「これからは本物の政権を担う政党をつくらなければならない」と、代表交代の可能性に言及しており、箝口(かんこう)令の下で表面化してこなかった「辞任やむなし」の声が抑えきれなくなっている。

 小沢氏は献金は適切に処理したと強調しており、今後の捜査で、発言と食い違う事実が明らかになれば、反小沢勢力の勢いが増すのは確実だ。中堅議員は「代表を辞めてくれという感じが党内で広がれば、小沢氏は察するだろう」と、小沢氏が党内情勢を見極めて自身の進退を最終判断するとの見方を示している。


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小池氏「小沢批判」テコに存在感 政権批判は封印
産経新聞2009.3.8 22:59
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090308/stt0903082302007-n1.htm

自民党の小池百合子元防衛相が「ポスト麻生」をにらみ、動き出した。昨年9月の総裁選で応援を受けた議員の地元を中心に全国遊説を始めており、8日には千葉県船橋市で小泉チルドレンを応援した。スタイルは「鋭い小沢批判」。政権批判は封印し、かつて行動をともにした民主党の小沢一郎代表を舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り捨てることをテコに、民主党との最終決戦に臨む「自民党の顔」としての存在感を示したいようだ。

 小池氏は船橋市内のホテルで、まだ使いこなす議員が少ないプレゼンテーション用ソフトを使い、ライフワークの環境政策を中心に1時間近く講演した。「政策を中心に話す」といいつつも、旧新進党などで行動をともにし、その後決別した小沢氏への批判は痛烈だった。

 「生活が第一といいながら、『政局が第一』という人。政権交代さえすればすべてうまくいくと言った方の秘書が逮捕され、この混乱が国民生活に不安を与えるのではないか。この十何年を振り返ると、小沢さんの、小沢さんによる、小沢さんのための政治がずっと続いてきた」

自民党内では、「麻生太郎首相では選挙を戦えない」という声が広がり、首相に批判的な中堅・若手が次々とグループを結成している。昨年9月の総裁選で小池氏を推した中川秀直、武部勤両元幹事長が後見役と目されるが、小池氏は最近、あえて両氏と距離を置き「麻生批判」は封印している。

 講演でも「100年に一度の危機で政治混乱のヒマはなく、首相にはしっかりリーダーシップをふるってもらいたい。私どもにも麻生政権を実現させたPL法的な製造物責任がある」と支持を明確にした。

 ただ、内閣支持率の低迷で小池氏を「ポスト麻生」にとの声は出始めている。

 「われわれは麻生首相をリリーフ投手として選んだ。次の選挙では新しいリーダーを立てて新しい日本を目指す。『他にいない』というが、小池さんとかがいるじゃないか」

 武部氏は講演後のパーティーでこう語り、目の前の小池氏を持ち上げた。総裁選で麻生氏を推した町村派中堅でさえ「10%台の支持率で選挙するより、少しでも高い支持率で戦いたい。小池さんは嫌いだが、生き残るためには眼をつぶる」と言うほどだ。

小池氏はこうした声に無関心を装うが、2月のテレビ番組では「一度は総裁選に出て首相を目指した私ですから…。どういう形がいいかはこれからの政治環境次第ですね」と意欲をにじませた。最近は足場固めをするかのように、愛知、山梨両県、北海道などを訪れ、総裁選で小池氏を支持した議員を応援した。

 しかし、経済危機の中で首相を批判することが、自民党員である自らへの批判に跳ね返ってくることは十分に自覚している。党内には小池氏の政治遍歴に対する不信感もある。

 「今はコップの中の争いをしている場合じゃないでしょ。敵は外にいるのよ」

 小池氏は4日夜、都内の居酒屋で親しい議員にこう語りかけた。民主党と戦う姿勢をみせながら、機が熟すのを待っているようだ。(加納宏幸)