2008年10月20日月曜日

【メモ】 政治資金

自由連合、徳洲会側から72億円借り入れ 
2008.10.20 12:47

 徳田虎雄前衆院議員が代表を務める政治団体「自由連合」(東京)が、徳田氏が理事長の医療法人「徳洲会」グループ(大阪)から約72億円の借入金があることが分かった。自由連合は大きな資産を持っておらず、昨年には政党資格を失うなど、返済する見通しは立っていないもようだ。政治資金規正法には借り入れに関する規制がないが、徳洲会側が債権放棄をした場合、借入金は寄付とみなされ、同法違反(量的制限)にあたる可能性がある。

 平成19年分の自由連合の政治資金収支報告書によると、徳洲会グループの2社とその役員から計約72億円を借り入れている。

 自由連合は規正法や政党助成法などで定める政党として認められていたが、昨年に政党要件を失い、政党交付金や企業献金を受けられなくなっていた。

 総務省は「貸し付けた方が債権放棄すれば、献金したとみなされ、違法になる可能性がある」としている。

 自由連合は「法的な問題はない。借入金の返済は協議中」としている。

 徳田氏は「借入金の処理についてはすべての責任は自分個人で取る」とのコメントを出した。



日本経団連、献金総額4億増、民主は横ばい 政治資金収支報告
2008.9.13 00:27

 日本経団連は12日、平成19年の政治資金収支報告書に基づく、経団連会員企業の政治献金額を公表した。それによると、献金総額は前年比3億9000万円増の29億9000万円に伸びた。ただ、自民党向けが29億1000万円と大半を占め、民主党への献金はほぼ横ばいにとどまった。

 個別企業ではトヨタ自動車が前年と同額の6400万円でトップとなった。大手企業では前年より献金額を増やした企業が多く、新日本製鉄が1200万円増やしたほか、キヤノン、三菱重工業などが1000万円積み増した。また、政治資金規正法改正を機に献金を取りやめていた日産自動車が9年ぶりに復活し、2400万円を献金した。

 ただ、民主党に対する献金では、大和証券グループ本社が新規で100万円の献金を行ったものの、大半は横ばいにとどまった。政治献金を行う際の指標として経団連が公表している政策評価で、横ばいだった自民に対して、民主は評価を下げており、評価に準じた内容となった。

 献金額が増加したことについて、経団連の御手洗冨士夫会長は「社会貢献の一環として寄付を行う企業が増えた」と評価した。


事務所費は過去最低の98億円 平成19年分政治資金収支報告書
2008.9.12 19:54


 総務省が12日に公表した平成19年分政治資金収支報告書(中央分)によると、各政党本部を含む政治団体の収入総額は1278億2000万円で前年より0・8%増え、支出総額も1441億9000万円と27・7%増加した。

裏金づくりの温床とも指摘される事務所費は2・4%減の98億1000万円で、記録が残っている平成5年分以来、過去最低となった。安倍晋三前内閣での赤城徳彦元農相らの閣僚辞任などが影響したとみられる。

 収入で最も多いのは政治資金パーティーを含む事業収入で、455億3000万円(4・2%減)。

このうちパーティー収入は12億5000万円減って計114億3000万円だった。

次いで政党交付金の319億4000万円(0・7%増)。

政治献金は8・5%増の238億9000万円に上り、うち企業・団体献金は38億6000万円で9・1%増加した。

2008年10月15日水曜日

【郵政民営化】 米国政府要望書

 日本の郵政民営化は、海外でも気になるようである。郵政民営化に関して、この記事を引越しをさせてから在日米国大使館に下記のような記事が出ていた。


追記(2010年5月24日)

米国とEUが日本郵政に関する懸念を表明
 米国通商代表部次席代表のマイケル・パンクWTO大使と欧州連合(EU)のジョン・クラーク臨時代理大使は5月21日、北島信一在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使に対し、保険、銀行、宅配部門において日本郵政と民間企業の間で公平な競争が損なわれていることへの米国・EUの長期にわたる深刻な懸念を表明した。

United States, European Union Raise Shared Concerns on Japan Post

Geneva – Today, U.S. Ambassador to the World Trade Organization (WTO) Michael Punke and European Union (EU) Chargé d’Affaires John Clarke met in Geneva with Japanese Ambassador Shinichi Kitajima to express long-standing and serious concerns that are shared by the United States and the EU regarding the lack of a level playing field between Japan Post and private sector companies in the insurance, banking, and express delivery sectors.

“We met jointly with Japan to underscore the deep level of concern that we both share regarding Japan’s preferential treatment of Japan Post in light of Japan’s national treatment commitments under the WTO,” explained Ambassador Punke.

Ambassador Punke and Mr. Clarke stated that both the United States and the EU remain neutral on whether Japan Post should be privatized, believing this to be a decision for Japan to make. However, they expressed disappointment that the draft postal reform legislation submitted to the Diet does not address U.S. and EU concerns about the preferential treatment that Japan Post currently receives compared to private sector companies. They also raised common concerns regarding provisions in the draft legislation that give Japan Post additional competitive advantages, including less rigorous regulation of Japan Post operations.

In addition, Ambassador Punke and Mr. Clarke cautioned that they are troubled by provisions that open the door for the Japan Post insurance and banking companies to expand the scope of their businesses before a level playing field is established.

“We strongly urge Japan to address our shared level playing field concerns and to live up to its WTO obligations as it proceeds with its postal reform legislation,” Mr. Clarke said. The two diplomats emphasized that the United States and the EU both look forward to continuing to work together with Japan to address these concerns.

BACKGROUND

Neither Advocating nor Opposing Privatization, Concerns about a Level Playing Field

The United States and the EU remain neutral on whether Japan Post should be privatized. However, reforms to Japan Post could have serious ramifications for competition, so both the United States and the EU continue to call on the Japanese government to take all necessary measures to achieve a level playing field between the Japan Post companies and private sector participants in Japan’s banking, insurance, and express delivery markets, consistent with its World Trade Organization (WTO) obligations.

Long-Standing Concerns Regarding Japan Post

The United States and the EU have for many years raised the issue of advantages conferred upon Japan Post’s insurance, banking, and express delivery operations as compared to private sector suppliers of the same services. We are concerned that these advantages have tilted the playing field in favor of the Japan Post operations in a way that is harmful to private companies, including foreign companies. For example, Japan Post Insurance’s preferential access to the postal network gives it a tremendous advantage over private financial companies. The critical objective is to establish equivalent conditions of competition between the Japan Post companies and the private sector, in a manner consistent with Japan’s WTO obligations.

New Concerns Regarding Japan’s Draft Legislation on Postal Reform

The United States and EU are deeply concerned that proposals in the draft legislation will give Japan Post new competitive advantages that would further tilt the playing field in favor of Japan Post companies. One example is a provision that may allow less stringent auditing and reporting requirements for Japan Post.

Further and separately, we have also urged Japan to retain existing limitations on the Japan Post entities’ insurance and banking operations until there is a level playing field. The draft legislation makes it easier for Japan Post to expand the scope of its business. Allowing Japan Post to issue new or modified products without first eliminating its competitive advantages would make the current problems worse and cause direct harm to private companies that currently sell competing products.

WTO Concerns

Under the WTO’s General Agreement on Trade in Services, Japan has full national treatment commitments for insurance services. The United States and the EU urge Japan to address our shared level playing field concerns and to abide by its WTO obligations as it proceeds with its postal reform legislation.


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日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書
2008年10 月15日

民営化

米国は、郵政の民営化と改革が完全に市場志向型で実施されるならば、日本経済にとって多くの潜在的利益があるプロセスであるとの認識から、引き続き重大な関心を払っている。さらに、米国は、このような改革が透明性を持って進められ、銀行、保険、エクスプレス便市場で、日本郵政株式会社およびその子会社(日本郵政グループ各社)と民間の競争相手との間に対等な競争条件が整備されることが重要であると考える。従って、米国は日本に対し、対等な競争条件を担保するために必要なあらゆる措置を講ずることを引き続き求める。

提言の要点

対等な競争条件-貯金と保険:新しい郵政金融機関が民間企業と同じ納税義務、法的義務および規制義務を満たし、また同じ監督基準の適用対象になることを確保する。他の市場参加者と同等に内国民待遇原則に従う規制を郵政金融機関に課す。

公平な競争条件-エクスプレス便:EMSに対しての「申告納税」方式の適用など、同様の業務に関して民間エクスプレス貨物輸送会社に適用されているものと同じ通関手続きを、日本郵便が取り扱う貨物にも適用する。競争力のあるサービスとそうでないサービスの間で相互補助が行われていないことを示すために、事業内容を開示する。

競争条件と新商品:郵政金融機関に対して、新たな、または変更された自社の保険商品の引き受けや、自社の新たな貸付業務や他の金融商品の元売りを認可する前に、日本の銀行および保険分野において対等な競争条件を確立する。

透明性:郵政改革の実施過程において、利害関係者に意見表明や意見交換の有意義な機会を与えるなど、高い透明性を確保する。郵政民営化の3年ごとの見直しがオープンな形で行われ、銀行、保険およびエクスプレス便の各分野における競争の対等性について取り上げるよう担保する。


民営化詳論

I. 郵政民営化
米国は、日本が郵政民営化を実施するに当たってさまざまな努力を続けていることを認識しており、市場原理や透明性との整合性を確保するためのすべての取り組みを歓迎する。民営化のプロセスが続く中、米国は日本に対して、郵政民営化法と整合性が取れるよう、日本郵政グループ各社と民間会社との間の対等な競争条件の確保のために必要なあらゆる措置を引き続き講じるよう求める。
I-A. 郵便貯金と郵便保険の対等な競争条件 2007年10月より、日本郵政グループ会社は民営化のプロセスを開始し、これをもってゆうちょ銀行とかんぽ生命は政府保証付き商品の提供を停止すること、民間企業と同じ納税義務、法制上の義務および規制義務を満たすこと、また同じ監督および開示基準の適用を受けることが義務付けられている。郵政民営化法と整合性が取れるよう、日本郵政グループ会社と民間企業との間の競争条件の対等化を図るため、米国は日本に対して次の手段を講じるよう求める。

I-A-1. 金融庁が、他の市場参加者と同等に内国民待遇原則に従い、民間企業と同じ方法で郵政金融機関を適切に規制できるよう、金融庁の通常の監督部門職員から十分な要員およびその他の資源が提供されるよう確保する。

I-A-2. 郵便局会社とゆうちょ銀行、かんぽ生命との間の関係が、民間会社に適用される規則や規制と整合性が取れるよう、公平かつ商業ベースの方法で築かれることを確保するための措置を講じる。

I-A-3. 民営化前の旧勘定および旧契約と、2007年10月1日以降に成約した新勘定および新契約との完全な分離と財務情報の開示を行い、また、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(公社承継法人)と新しい郵政金融機関の間で内部相互補助を行うことのないよう、預金と再保険にかかわる契約が商業ベースであることを引き続き確保する。

I-A-4. かんぽ生命とゆうちょ銀行の実際の販売方法を注意深く監視し、2007年10月1日以降の契約に政府保証があるかのように偽って伝えることがないようにするとともに、郵政金融機関が政府との関係を利用して市場の競争相手より優位な地位を獲得するようなことがないようにする。
I-A-5. 公正取引委員会は、適切な場合には、民営化プロセスが自由な競争と競争政策の効果的な実施を促すような方法で進められるよう引き続き保証する。

I-B. 競争条件と新商品の導入 郵政金融機関と民間の金融機関の間に対等な競争条件を整備することは、民営化プロセスにおいて要となる部分である。対等な競争条件は、効率的な市場を促進し、日本の金融サービス産業の競争力向上に寄与する。
I-B-1. 米国は日本に対して、かんぽ生命による新たな、または変更された保険商品の導入、ならびにゆうちょ銀行による新たな貸付業務および他の金融商品の元売りなどが郵政金融機関に認可される前に、郵政金融機関と民間金融機関の間に対等な競争条件が確保されるよう引き続き求める。

I-B-2. 米国は、民営化プロセスおよびその実施が、日本の世界貿易機関(WTO)上の義務、特にサービスの貿易に関する一般協定(GATS)の内国民待遇原則と相反しないことを引き続き確保するよう、日本に求める。
I-C. エクスプレス貨物サービスの公正な競争 米国は日本に対し、郵政民営化法第2条にある「対等な競争条件」を現在政府所有の郵便事業会社と民間のエクスプレス貨物輸送会社の間に確保するために、以下の措置を講じることを求める。

I-C-1. 民間のエクスプレス貨物輸送業者に適用されているものと同等の通関手続きを、郵便事業会社が取り扱う貨物に適用する。具体的には、以下の措置を取る。
I-C-1-a. EMSで送るすべての貨物に対し、現在日本の規則により適用されている「賦課課税」方式ではなく、通関情報処理システム(NACCS)の使用を含む「申告納税」方式を適用する。

I-C-1-b. すべてのEMS貨物に同等の措置を講じることができるまで、2009年3月31日までに発効する予定になっている、20万円以上の国際郵便物に課される「申告納税」方式の導入が、次の条件を満たすような形で実施されるようにする。(i) 民間の事業者が輸送する国際郵便物と同種なものに対して適用されるものと同等の取り扱いをする。 (ii) 申告金額にかかわらずすべてのEMSにこの方式を適用するようできるだけ促す。

I-C-2. 民間会社に課されているものと同じ基準で事業別に情報を開示することを義務付ける等、EMSを含む郵便事業会社の事業間および他の日本郵政グループ各社との間で内部相互補助が発生しないことを示すに足る、日本郵政株式会社とその子会社との間の取引を含む郵便事業会社の事業に関する情報を開示するために必要なあらゆる措置を講じる。

I-C-3. 例えば、十分な専門性と中立性のあるしかるべき機関が、実際にアームズ・レングスの関係が存在することを独自に検証し、結論を下すことができるように、コストや事業情報を提供する等により、郵政民営化委員会の提言に沿い、郵便事業会社がアームズ・レングス・ルールに基づいた取引を行うことを確実にする。郵政民営化委員会の提言に沿う措置を監視する際の郵政民営化委員会の役割を明確にする。

I-C-4. すべての民間会社に郵便ネットワークへアクセスする平等な機会を確実に提供する。

I-C-5. 日本郵政公社の業務等の承継に関する実施計画で承認されていて、さらなる承認申請や調査審議の必要性はないと考えられる場合は、郵便事業会社が民間会社と競合して行うことが可能な新規事業の範囲を明確に公表する。

I-D. 透明性 米国は、これらの改革が完全に透明な形で実施されることを確保するため、金融サービスとエクスプレス便サービス分野における競争環境に影響がある事項も含めた最終決定がなされる前に、利害関係者の意見が考慮される十分な機会を提供するなど、日本が必要なすべての措置を講じることを求める。米国は日本に対して、具体的に以下の措置を取るよう求める。

I-D-1. 民間企業に影響を及ぼす可能性のある郵政改革について、民間の利害関係者に日本政府の関係職員と意見交換をする有意義で時宜を得た機会を提供する。

I-D-2. 郵政改革にかかわる事項について整備される規則、ガイドライン、政令その他の命令、およびその他の措置の素案について、パブリックコメント手続き、ならびにその他の手段によって一般の意見を求める。また、提出された意見が十分に考慮され、適切であれば、措置案が最終決定される前にその意見を反映させることを保証する。

I-D-3. 郵政民営化委員会を含め、日本政府が招集する委員会またはその構成要素が、民間部門に影響を及ぼす可能性のある問題について議論を行う際、米国系企業を含む民間の利害関係者が積極的に貢献する有意義な機会が提供されるよう確保する。さらに、日本は、郵政民営化の進捗状況について郵政民営化委員会が2009年3月までに取りまとめる3年ごとの見直しが包括的であること、そしてこの見直しが、銀行、保険、エクスプレス便市場における改革の影響および新しい日本郵政グループ会社と民間会社との間の対等な競争条件に関することを含め、利害関係者が意見を述べる機会を含むことを確保するべきである。

I-D-4. 政府が招集する関連の諮問機関における審議資料や議事録など、郵政改革の計画と実施に関する情報を、ウェブサイトへの掲載や記者会見、その他の手段で、引き続き適時一般に公開することを確保する。



VI. 保険の窓口販売
2007年9月、金融庁は銀行の保険販売手法に関する弊害防止措置ついて、「深刻な法令違反はない」との結論に至り、2007年12月22日に銀行の窓販チャネルの全面自由化を実施した。それに応じて、米国は、日本が速やかに第1分野および第3分野商品の販売規制および顧客データの取り扱い(保険業法施行規則第212条を含む)を含めた市場行為規制の見直しを行い、銀行窓販チャネルの有効性が制限されたり顧客の利便性が妨げられたりしないことを確実にするよう求める。金融庁はこのような見直しを3年以内に行うことを約束しているが、情勢はより速やかな見直しを求めている。市場行為規制のさらなる改正は、顧客の選択肢の拡大を促し、消費者利益を最大化する。これは、金融競争力の増強という目標を達成するための鍵であるとともに、消費者の商品へのアクセス拡大と、外資系その他の金融サービス提供者の市場へのアクセス拡大を確保するための鍵でもある。

VII. 保険契約者保護機構(PPC)
米国は、現行制度が失効する前に、より効率的で持続可能なセーフティーネット制度を確立する手助けとなるよう、生命保険と損害保険のPPCを改善する以下のような措置を日本が講じることを求める。

VII-A. 事後拠出方式へ移行することにより、柔軟な手法を利用して、市場ベースの解決策を奨励するインセンティブを強化すると同時に、金融システムの健全性と信頼性を確保するためにPPCを利用するような措置を講じる。

VII-B. PPCへ資金拠出することによる「制度共済」のためのセーフティーネットの整備を検討する。日本の保険市場において保有契約の大きなシェアを占めている「制度共済」は、金融庁に規制されている保険会社と違い、PPCへの拠出を義務付けられていない。

VII-C. 外国保険会社を含む民間の利害関係者に対し、PPCの見直しに関する情報とともに、金融庁の関連する審議会においてプレゼンテーションを行うなど、意見を表明し交換する有意義で時宜を得た機会を提供するとの日本の約束を、引き続き守る。

VIII. 外国保険会社の事業の日本法人化
米国は、日本において支店方式で営業を行っている外国保険会社が日本法人に事業を移行したいと希望した場合、保険契約者および債権者を保護する一方で事業の継続性を維持するような途切れのない形での移行が可能となるよう、日本が措置を講じることを提言する。具体的には、保険業法の包括移転規定および業務譲渡規定を次のように改正する。

VIII-A. 保険契約販売停止規定を廃止する、またはこれに例外規定を設けることにより、「即日」組織変更を認める制度を新設する。

VIII-B. すべての債権者に対する情報開示、公告およびみなし承認についての法定手続きを整備する。

VIII-C. 金融庁の認可と債権者の承認を受けた取引において、譲受会社が、譲渡会社のすべての資産と債務を承継することを認める。

VIII-D. 金融庁による譲渡取引審査において、譲受会社が譲渡完了後に譲渡前と同一の健全な条件と取引方法を履行できると証明することを条件に、許認可の「みなし免許」を認める。

IX. 独立代理店
米国は、直販の場合には(課税)対象とならない独立代理店と金融機関の間の取引に対する課税の影響を軽減する措置を講じるなど、保険商品の第三者販売チャネルの競争力を強化するための新たな措置を、日本が検討するよう求める。

2008年10月8日水曜日

【八ッ場ダム関連】 草津・八ッ場ダム・原子力研究開発機構

2008年10月8日
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/gunma/081008/gnm0810080246001-n1.htm

「日本原子力研究開発機構」などは希少金属(レアメタル)がとけ込む草津温泉(草津町)から、スカンジウムを回収することに成功したと発表した。同機構では「液体からスカンジウムだけを採取する技術は恐らく世界初。平成25年には、スカンジウムの販売先などビジネスプランを整えたい」としている。スカンジウムは、アルミニウムに混ぜると耐熱性や硬度が上がり、燃料電池にも使用されるなど、利用方法の拡大も注目される希少金属。現在では1キロ約200万円で取引されているという。同機構では、酸性溶液中の低濃度スカンジウムに対し、親和性の高いリン酸基を付着させた金属捕集布を用いた装置を、民間企業などと共同開発。1トンあたり約17ミリグラムのスカンジウムが含まれている万代(ばんだい)源泉が流れる湯川に、1分あたり40リットル処理できる装置を設置し、95%以上の回収率でスカンジウムを捕集したとしている。今後は金属捕集布の耐久性を高めるなどして実用化に向けた研究を進めるほか、他の希少金属の回収にも応用していく方針。


2008年10月7日元記事
独立行政法人日本原子力研究開発機構
日本カーリット株式会社
株式会社アンザイ
株式会社群馬分析センター
財団法人群馬県産業支援機構
http://133.188.30.70/02/press2008/p08100703/index.html
草津温泉から希少金属の回収に成功
-放射線グラフト重合で開発した金属捕集布でスカンジウム回収を実証-

独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 岡﨑俊雄 以下「原子力機構」)、日本カーリット株式会社(R&Dセンター所長 山本秀雄)、株式会社アンザイ(代表取締役社長 安斉康宏)、株式会社群馬分析センター(代表取締役 浅川千佳夫)、財団法人群馬県産業支援機構(理事長 下山 博)は、新産業・新事業の創出に向けた共同事業で開発した「金属捕集布1」を用いて草津温泉2の温泉水に含まれる高価な希少金属3であるスカンジウム4を、溶け込んでいる様々な元素の中から選択的かつ効率的に回収することに成功しました。

強い酸性の草津温泉の温泉水1トン(1m3)中には、産業上注目され、今後需要の伸びが期待される希少金属であるスカンジウムが約17mgと低濃度ながら溶け込んでいます。この資源を有効利用するためには、スカンジウムのみを温泉水に溶け込んでいるバナジウム等の様々な元素の中から分離・捕集でき、高温かつ強酸の温泉水に耐える高性能の「金属捕集布」が必要でした。

本研究開発事業では、酸やアルカリに強いポリエチレン不織布5基材に、原子力機構が開発した「放射線グラフト重合技術6」でスカンジウムと親和性の高いリン酸基を導入した「金属捕集布」を製作し、草津温泉の温泉水が流れ込む湯川に、流量の千分の1の温泉水が処理できる装置を草津町の協力を得て設置し、「金属捕集布」の性能評価を行いました。

その結果、捕集布は、温泉水から連続的に95%以上の回収率でスカンジウムを捕集可能なことを実証しました。この装置を1,000倍にスケールアップすることにより、約200kg/年のスカンジウムが捕集可能です。この技術は金属捕集布の化学構造を変えることにより、ウランなどの回収にも応用可能であり、日本では採れない鉱物資源の回収技術として大きく期待されております。

http://133.188.30.70/02/press2008/p08100703/all.html

八ッ場ダムニュース : 「『建設推進』重ねて強調 八ッ場ダム 県議会一般質問で大沢知事」(東京新聞)
投稿日時: 2008-09-27 (44 ヒット)
2008年9月26日 東京新聞群馬版より転載

『建設推進』重ねて強調 八ッ場ダム 県議会一般質問で大沢知事
2008年9月26日 東京新聞群馬版(47NESで掲載、現在リンク切れ)
http://www.47news.jp/localnews/gunma/2008/09/post_160.html

 国が長野原町で建設を進めている八ッ場ダムについて、大沢正明知事は二十五日の県議会一般質問で、関口茂樹氏(リベラル群馬)の「下流域の『不要論』は根強い」とする指摘に激しく反論。熊本県の蒲島郁夫知事が建設反対を表明した川辺川ダムとの環境の違いを挙げ、「首都圏の治水・利水に大きく貢献するとの考えはまったく変わらない」として、建設推進の姿勢を重ねて強調した。 (中根政人)

 大沢知事は、川辺川ダムについて「流域の自治体には反対意見もあり、建設に関する十分な合意形成がされていない」と指摘。治水効果が熊本県内のみに限定されることも合わせて、建設反対の意見が妥当性を持つことに一定の理解を示した。

 一方、八ッ場ダムについては「水没地区の住民も含め、地元や下流域の自治体などが建設に同意している。ダム建設による治水・利水効果も県内に限らず、利根川水系全体に波及する」として、早期完成が不可欠との認識をあらためて示した。

 八ッ場ダム建設計画では、国土交通省が二〇〇九年度予算の概算要求で同年度から本体工事を開始することを明記し、完成予定を一五年度に定めた。一方、ダム計画の見直しを求める市民団体などは「首都圏では新たな水源確保は不要」などとして、ダム建設に疑問を投げかけている。

2008年9月9日火曜日

【沖縄密約】 沖縄密約裁判 国賠訴訟 2008

2008年09月09日13時53分
 「沖縄密約」国賠訴訟 最高裁が上告棄却、西山氏の敗訴確定 新証拠の判断を回避 


  1970年代の沖縄返還・日米交渉での「密約」を報じ、国家公務員法違反(秘密漏洩の教唆)に問われた西山太吉氏(元毎日新聞記者)が「不当な逮捕、起訴で名誉を傷つけられた」として国に謝罪と3300万円の慰謝料請求を求める訴訟を提起したのは2005年4月25日。西山氏が提訴に踏み切ったのは、2000年と02年の米外交文書公開で「密約の存在」が明らかになり、さらに06年の吉野文六・元外務省アメリカ局長発言が動かぬ〝証拠〟として浮上したからだ。

 その後の裁判経過は周知のことなので詳述は避けるが、東京地裁・高裁の一、二審とも「不法行為から20年過ぎれば損害賠償請求の権利が消滅するという『除斥期間』」を適用して訴えを棄却した。西山氏側はそれを不服として08年4月最高裁に上告したが、最高裁第三小法廷は9月2日、実質審理に入らぬまま一、二審と同様の理由で上告棄却を決定し、原告らに通告した。
 まるで〝意表を衝く〟ように「西山氏敗訴」が確定してしまった。国民が最も知りたい「密約の存在」には一切触れず、「上告理由に当たらない」との冷徹きわまる判決文だった。

 晦渋な法律用語のため、一片の「判決骨子」が新聞等に報じられただけなので、参考資料として「最高裁決定」の原文をそっくり紹介しておく。

         決    定
   北九州市小倉北区神岳1丁目1-19-711号
   上告人兼申立人    西山 太吉
   同訴訟代理人弁護士  藤森 克美
   被上告人兼相手方   国
   同代表者法務大臣   保岡 興治
   同指定代理人     五十嵐 徹

 上記当事者間の東京高等裁判所平成19年第2494号謝罪文交付等請求事件について、同裁判所が平成20年2月20日に言い渡した判決に対し上告人兼申立人から上告及び上告受理の申立てがあった。よって、当裁判所は、次のとおり決定する。

      主    文
    本件上告を棄却する。
    本件を上告審として受理しない。
    上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。

      理    由

1 上告について
民事事件について最高裁判所に上告することが許されるのは、民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲及び理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に認定する事由に該当しない。
2 上告受理申立について
本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。よって、裁判官全員一致の意見で、主文の通り決定する。

平成20年9月2日
         最高裁判所第三小法廷
           裁判長裁判官   藤田 宙靖
              裁判官   那須 弘平
              裁判官   田原 睦夫
              裁判官   近藤 崇晴

▼注=民訟法第312条は[上告の理由]、同318条は[上告受理の申立て]を規定した条文。

▽最高裁決定〝抜き打ち的〟な通告

 この「最高裁決定」が示された9月2日は、「沖縄返還に伴う日米の合意文書・情報公開請求の会」(共同代表・奥平康弘東大名教授ら)が、外務・財務両省に密約文書の開示を要求する日だった。「情報公開請求の会」メンバーが会議を開いていた席に、「最高裁上告棄却」の一報が突然もたらされたので、最高裁が〝抜き打ち的決定〟を下したと勘繰られている。この点につき某弁護士ブログがリアルに分析しており、核心を衝いていると思われる内容の一部を紹介しておきたい。

 「いやぁ、挑戦状を叩きつけるつもりが見事に先制攻撃されちまった。9月2日、沖縄返還の際日本が米国に裏金を払うという密約の存在を裏付ける合意文書の公開請求を行った。ところが、当日の午後1時、密約情報を入手した元毎日新聞西山記者のもとへ、西山さんが起こした損害賠償訴訟の上告が棄却されたとの知らせが届いた。(私たちが)沖縄密約についての文書提示を求める直前に、最高裁が上告を棄却したことは偶然とはとうてい思えない。
 奥平教授らが『午後2時弁護士会集合、午後2時15分外務省に情報開示請求書提出』という情報を数日前からマスメディアに配布していた。最高裁は、その2時集合をあざ笑うかのように、午後1時に上告棄却を伝えてきたのだ。そのタイミングの良さは、東京地裁・高裁の裁判官に『いいか、密約文書について訴訟になっても最高裁は動じない。これまでどおり無視しろ』というメッセージを伝えるためのものとしか思えない」。

▽「除斥期間」を防波堤に、「密約」を隠蔽

 「沖縄密約」は30数年前の事件だが、1998年以降の資料発掘によって真相の核心に迫る証拠が洗い出されてきた。2000年5月と02年6月に発掘された米外交文書によって、「密約の存在」が交渉相手国の米外交文書に記載されていることが確認された。次いで06年2月には、「密約の日本側サインのイニシャルは自分だ」という「吉野証言」が明るみに出るなど、原告・西山氏側の主張を裏付ける新証拠発掘が続いた。
 これに対して、歴代自民党政府や外務省・財務省は一貫して「密約はなかった」との主張を繰り返し、すべてをベール奥深くに隠蔽したままだ。

 「機密漏洩」刑事裁判で有罪が確定した西山氏が、民事の「国家賠償請求訴訟」を決意した背景には、密約資料の発掘に刺激され「国家的犯罪を許せない」との公憤が倍加したからに違いない。ところが、法の番人である司法が、下級審から上級審に至るまで「除斥期間」をタテに〝門前払い判決〟で幕引きし、結果的に政治権力に寄り添う判断を示したことに、〝司法の崩壊〟を痛感させられた。

 いずれにせよ、「除斥期間」を隠れ蓑に、「密約の存在」論議に一歩も踏み込まなかった司法判断に、在野法律家から批判と失望の声が上がっている。

 「除斥期間」は、民法はもとより、その他の法律にも明文規定のない制度で、「法令用語辞典」(学陽書房)には「権利関係を確定することを目的として一定の期間内に権利を行使しなければ、その権利が消滅することを法が定めている場合に、その期間を『除斥期間』という」と記されていた。

 除斥期間というハードルのあることは分かるが、「沖縄密約」裁判のケースに、安易に適用すべきでなかったと思う。それは、2000年を挟んで続々発掘された新資料によって、事実認定の根拠が変わってきたのに、日本の司法は条文解釈にすがるのみで、「真相に迫る」意気込みが欠落しているからだ。過去の最高裁判例に当たったところ、「除斥期間の起算点をずらした判例」もあり、「除斥期間」に固執した最高裁決定は、新資料についての公正な判断を回避したと思えるのだ。

 西山氏は、敗訴確定の一報を受けた直後の9月2日、「行政と司法はこの問題に関する限り一体化している。極めて高度な政治的決定だ。(密約を認めることは)国家権力にとって存在基盤を揺るがしかねないという認識を持っているからだ。密約は米公文書で明らかになり、当時の交渉責任者の吉野文六・元外務省アメリカ局長も語った。それでも政府が嘘をつくのは政治犯罪だ。それを司法が擁護するのは自らの権威を壊すことだ。日米同盟が重要ならば、実相を国民に知らせ、理解と協力を得なければならない」と記者団に語った。
「敗訴」の無念は残るが、西山氏が投じた一石はズシリと重い。

▽有識者が結束、政府に「情報公開」を迫る

 「沖縄返還に伴う日米の秘密合意文書・情報公開請求の会」は9月2日午後、外務省と財務省への情報公開請求に踏み切った。請求した文書は、①1969年12月2日付で柏木雄介大蔵省財務官とアンソニー・ジューリック財務省特別補佐官が交わした「秘密合意議事録」 ②1971年6月12日付で吉野文六外務省アメリカ局長とスナイダー駐日アメリカ公使との「400万㌦(軍用地復元補償)に関する秘密合意書簡」 ③1971年6月11日付で吉野、スナイダー両氏が交わした「1800万ドル在沖縄VОA施設海外移転費用の秘密合意文書」の3通。
 原則として30日以内に回答があるはずだが、「文書不存在」との回答が予想されるため、請求者らは、行政処分取り消しを求めて東京地裁への提訴も視野に入れているようだ。

 請求者の共同代表は奥平康弘・東大名誉教授、原寿雄氏(ジャーナリスト)筑紫哲也氏(同)の3人で、有識者60人が名を連ねている。奥平氏は9月2日の記者会見で「情報公開請求は、日本の民主主義の根幹を問うものであり、政府が『不存在』という回答をしても、追及の手を緩めてはならない」と強調、原氏も「日本のジャーナリズムとして放置できない問題だ。新しい戦い方として情報公開請求した」と決意を語っていた。

 「沖縄密約」追及にこれだけ多彩な有識者が同調して、市民組織を立ち上げた意義は大きく、同調者名を紹介しておく(50音順)。
   飯室勝彦、池田恵美子、石塚聡、岩崎貞明、植村俊和、魚住昭、江川紹子、大田昌秀、大谷昭宏、大橋真司、岡本厚、桂敬一、加藤剛、加藤義春、金平茂紀、我部政明、苅田實、北岡和義、清田義昭、小中陽太郎、是枝裕和、斉藤貴男、佐野真一、澤地久枝、篠田博之、柴田鉄治、神保哲生、臺宏士、高村薫、竹田昌弘、田島泰彦、辻一郎、土江真樹子、堂面雅量、仲宗根悟、仲本和彦、新崎盛暉、西村秀樹、西山太吉、春名幹男、藤田博司、藤田文知、松田浩、松元剛、丸山昇、三木健、水島朝穂、宮里邦雄、宮里政玄、宮台真司、元木昌彦、森潤、森広泰平、山口二郎、由井晶子、吉原功、米倉外昭、米田綱路、利元克巳 綿井健陽

 情報公開請求と同時に、「密約文書不存在」の回答に備えて清水英夫・青山学院大名誉教授を団長とする弁護団が結成された。弁護団には清水氏、梓澤和幸、飯田正剛、紀藤正樹、木村晋介、日隅一雄氏ら32人の弁護士が代理人登録している。

 最後に、目に止まった新聞4紙の論説から一部を抜粋、参考に供したい。

[北海道新聞9・5社説=沖縄密約訴訟 歴史の『真実』を葬るな]
 「訴訟は西山氏にとって単なる名誉回復の戦いではない。本当の狙いは法廷で密約の存在を証明することにあった。だが最高裁も密約問題には踏み込まなかった。完全な門前払いである。極めて残念な結果だ。
 当時の佐藤栄作首相は沖縄返還に政治生命を懸けた。『沖縄の祖国復帰が実現しない限り、戦後は終わっていない』という言葉は有名だ。その実現に際し、軍用地の復元費用以外でも『核の再持ち込み』などさまざまな内密の約束をしていたと研究者たちは指摘している。…西山氏の敗訴が決まった日、ジャーナリストや学者のグループが関連の文書を公にするよう外務省と財務省に情報公開請求した。
 政府はこれ以上、国民の『知る権利』を侵してはならない。民主主義の根幹にかかわる問題である。一日も早い公開を強く求めたい」。

[朝日新聞9・5社説=沖縄密約 政府は文書を公開せよ]
 「密約を明かせば、これまで国民に嘘をついていたと認めなければならない。だから、どんな証拠が出ようと無理を承知でシラを切り続ける。そうだとすれば、国民の知る権利を政府自らが侵害していることになる。
 30年以上も前のことだ。関係者はみな退職したり亡くなったりしているから、重大な責任問題にはなるまい。なのに政府がこうまで頑ななのは、ほかにも密約があるからだろう。日本への核持ち込みや朝鮮半島有事の際の在日米軍基地からの出撃などに関して、もっと重大な密約があることが、公開された米外交文書で明らかになっている。それも認めなければならなくなる、というわけだ。
 しかし、この国の主人公は国民であり、公文書は国民のものである。機微に触れる外交交渉の記録でも、後に公開されるという原則が守られてこそ、政治に緊張と責任感が生まれる。透明性は民主主義の根幹にかかわるのだ。今回請求された外交文書3点はすべて米側で公表されている。存在しないという回答は通用しない」。

[琉球新報9・4社説=密約の上告棄却 敗訴でも事実は消せない]
 「上告不受理は、国民が期待する司法の在り方とは懸け離れている。除斥期間を採用したとしても、司法として密約の事実関係を判断することは十分可能である。それを避けたということは、西山さんが言うように『行政と司法は完全に一体化している』ことの表れである。
 …罪を問われるべきは西山さんではなく、政府の側である。事実を隠蔽することは、国民への裏切り行為である。その自覚が政府にない。密約は存在しないとしてきた政府が公開に応じる可能性は低い。事実を隠蔽する政府が国民から信頼されることはあり得ない。公開請求への政府回答は、その最後の分岐点になる」。

[沖縄タイムス9・4社説=密約裁判棄却 歴史に虚偽は許されず]
 「これだけの状況証拠と証人の声にも耳を傾けず、司法が果たすべき役割に背を向け、実質的な真理を怠ったことは、西山さんの言葉を借りれば『行政と司法が一体化した高度な政治判断で、司法の自滅』である。密約を裏付ける文書が見つかったのもここ10年に満たない。原告が求めた除斥期間に当たらないとする主張にこそ説得力がある。
 …過去に誠実に向き合い、同じ過ちを防がねばならない。歴史に『虚偽』があってはならない。それが次世代へのわれわれの務めでもある。米軍基地をめぐる『密約』は枚挙にいとまがない。政府の外交に対する国民の目線はすでに『疑念』を通り越している。
 …ジャーナリストら有志が、密約訴訟に関する文書の開示を求めた。西山さんらの問題提起は終わったわけではない。私たちはその本質をしっかりと問い続けなければならない」。

2008年05月03日10時58分掲載  
沖縄密約

「西山・国賠訴訟」最高裁へ上告 沖縄返還をめぐる「密約」を争点に 


  沖縄返還〝密約〟をめぐる「西山太吉・国家賠償訴訟」は、いよいよ最高裁へ舞台を移すことになった。2008年2月20日の東京高裁判決は、東京地裁判決に続き「除斥期間」を盾に、密約への判断を示さぬ〝門前払い〟。アメリカ外交文書公開、吉野文六発言などで明らかになってきた「密約の存在」をあくまで否定し、本格論議を避け続ける歴代内閣と司法の姿勢は許し難い。
 原告の西山太吉氏と代理人・藤森克美弁護士は2月27日付で「上告状」と「上告受理申立書」を提出。最高裁の受理を経て、4月16日付で正式な上告手続きを行なった。

 一過性のマスコミ報道では、「西山・国賠訴訟」の重大性や政治的背景が分かりにくいため、これまでも裁判の節目々々にリポートしてきたが、最高裁への上告を機に、「上告理由」の重要部分をピックアップして紹介、今裁判の意義を考える資料を提供したい。
 沖縄返還交渉の実務を担当した吉野文六・元外務省アメリカ局長の〝爆弾発言〟(2006年2月)の衝撃は大きく、その信憑性は極めて高い。既に各種メディアがインタビューを掲載・放映してきたが、事件の本質を率直に語ったナマの言葉を改めて提示し、事実関係再検証の素材を整理してみた。(外務事務官の佐藤優氏が、2時間半にわたるインタビューで引き出した『吉野発言』=月刊現代06・11号=から引用)

▽吉野文六・元外務省アメリカ局長の核心に迫る告白

 「西山事件が起きたために、米軍が使用していた土地の復元費用を肩代わりする『400万ドル』の密約だけが大写しになりましたが、これは機密のごく一部にすぎない。問題なのは、沖縄返還に当たって3億2000万ドルという、国際法上、初めは日本が払わなくてもいいと思っていた巨額が協定に載るような結果になったということです(沖縄返還協定第7条に明記)。その内訳は大蔵省が先方の担当官と交渉した結果ではあるけれども、一つ一つ積み上げて精査されたような額ではありません。要するに、400万ドルの復元費用の肩代わりは機密のごく一部に過ぎない。
 公表されていない沖縄返還交渉の内容の中には、もっと重要で、もっとカネのかかった問題がたくさんあっただろうと僕は思っています。例えば、アメリカの政府系ラジオ局「ボイス・オブ・アメリカ」(ⅤOA)の移転については、僕にとっては土地の復元交渉よりも、ずっと大きな交渉でした。沖縄は主権国家の一部になったんだから、5年間のうちにⅤOAをどこかに移転してくれ、と要求しました。しかし、あちらは、まず第一にカネがない、第二にどこに移転させるんだ、第三に、沖縄に中継地を置いておくことが地理的に都合がいい、とさまざまな言い分を言ってきました。
 結局アメリカは移転を承諾しましたが、他国へ移転するための費用は日本が持てということになった。しかし、この負担額については協定に書かれていません」。

 「もう一つ、大きな問題があります。それは3億2000万ドルの内訳に明記されていた『核の撤去費用』です。本当はカネを出す必要なんてないですよ。アメリカの武器なんですから…。けれども、核を撤去したというカネが協定上に出てくれば、野党を黙らせることができる。米国側が費用を請求したらしいから、それはいいと考えたのでしょう」。

 「沖縄協定は氷山の一角で、外務省にはまだ公表していない、あるいは公表すると差し支えあると思うような、協定がほかにもあるでしょう。外務省がアメリカ式に30年ごとに公表することができないセット・アップであるならば、現段階では僕はそれでいい、仕方がないないことだと思います。しかし、いずれは日本も30年とはいわないまでも、40年、50年を経た文書は公表されていくだろうと思っていますがね。歴史の真実を伝えるためにそういうことをしていかなければならないだろうと、僕は思うんです」。

 以上引用した「吉野発言」に、沖縄密約の核心部分が含まれており、これを予備知識として以下の「上告理由書」を精読すれば、原告側の主張に理があることは明らかである。

                ――■――

最高裁判所 御中
                  2008年4月16日
上告理由書(要旨)

           上告人代理人  弁護士 藤森 克美

[事案の概要]
 本件は、日米間の沖縄返還交渉に係る秘密文書の漏示をそそのかしたとして国家公務員法違反の罪により有罪判決を受けた上告人が、米国公文書の公開等により数々の密約の存在が明確になったこと、有罪判決の決め手となった当時外務省アメリカ局長の吉野文六証言が偽証であったとする2002年2月以降の吉野告白によって、上告人を有罪とした刑事事件判決が誤判であったことは今や公知の事実であるなどとし、検察官の公訴提起その他の刑事手続上の行為、検察官が再審請求をしない不作為、密約の存在を否定する政府高官の発言などが不法行為に当たると主張して、被上告人に対し、国家賠償法に基づき、謝罪文の交付並びに損害賠償として慰謝料3000万円、弁護士費用300万円の合計3300万円及びこれに対する1972年4月15日(上記刑事事件の起訴日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

[上告理由]
1.密約の存在、佐藤栄作政権の権力犯罪、1034号電信文が法の保護に値しない違憲違法秘密であったので上告人は無罪であるべきだったこと、検察官が佐藤政権の権力犯罪を隠蔽するために上告人を起訴し、外務省と共謀して吉野文六・井川克二の偽証を法廷で引き出し、真実(密約の存在)を隠して公訴追行して有罪確定に追い込んだことは、数々の米公文書の発掘や吉野文六告白によって今や公知の事実である。

(1)上告人は原審の2007年7月19日付準備書面添付の「請求原因骨子のチャート」で整理したものを本書面にも添付するが、請求原因の骨子は、
▼ア.1969年11月の柏木雄介・ジューリック間の財政取り決め5億2000万ドルで主要アイテムは全部合意した。
イ.上記に加算されたのが、復元補償の400万ドルとVOA移転費の1600万ドル計2000万ドルで、協定化の作業を大蔵省が外務省へ押し付けた。
▼上記数々の密約の存在は、佐藤政権の権力犯罪であり、違憲行為であり、佐藤政権は権力犯罪(虚偽公文書作成・同行使、偽計業務妨害、詐欺ないし背任)を犯した。
▼本件1034号電信文は権力犯罪の証拠そのものであり、本件刑事最高裁決定に則すれば、法の保護に値しない文書であり、構成要件該当性がなく、又は違法性が阻却されるので上告人は無実、無罪であるべきだった。
▼イ.検察官は、上記チャートの事実を知っていたか、知るべきであるにも拘らず真実義務を果さず上告人を逮捕起訴し、嘘の主張・立証をなし、真実を法廷に顕出することなく隠蔽して高裁判決、最高裁決定の誤判を導いた。
ロ.検察官は佐藤政権の権力犯罪を見て見ぬ振りをして放置し、巨悪の訴追を放棄免責し、上告人が辿り着いた権力犯罪追及の芽を摘んだ(ジャーナリストとしての真実追及を妨害)ばかりでなく、
ハ.権力犯罪を隠蔽するために無実の上告人に罪をかぶせて起訴するという公務員職権濫用の犯罪を犯した。
ニ.検察官は、吉野文六、井川克二が法廷で偽証することを知りながら、偽証を引き出した(偽証の共同正犯)。
ホ.上告人の起訴に当って、起訴状に男女スキャンダルを表現して上告人の名誉を毀損した。
▼検察官が違法行為を重ねた下では除斥期間適用の抗弁は著しく正義と公平に反し許されない。
▼検察官の先行違法行為によって無実・無罪となるべき上告人を有罪確定に追いやった責任があるのであり、検察官の再審申立権限の不行使は違法である。
▼ア.上記チャートの事実は検察官のみならず、総理大臣、外務省高官・外務大臣、政府高官は皆知っていることである。
イ.沖縄密約は「外務省機密漏洩」にすりかえることによって、上告人を有罪確定に追い込んだものであるが、機密漏洩イコール西山太吉の犯罪と沖縄密約イコール佐藤政権の犯罪は表裏一体の関係にある。2000年以降、裏面(沖縄密約イコール佐藤政権の犯罪)に数々の証拠の発掘という光が当てられ、表面にあった国家機密なるものは、佐藤政権の権力犯罪を隠蔽するまやかしで、1034号電信文は犯罪の証拠であることが明らかとなり、上告人の冤罪性が明らかとなった。
ウ.従って、「密約はない」とする小泉純一郎首相以下の発言は、表面である「西山は機密漏洩した」というのと世間的社会的には同意語であり、原判決のいうような、「行政活動に関する一般的なものにすぎず」という判断は、失当である。
▼上告人の請求原因は、尽きるところ密約の存在と内容に帰結する。除斥期間の抗弁に対する再抗弁にしても、検察官の再審申立権限の不行使の違法性の根拠となる検察官の先行違法行為も、密約の存在と内容に収斂されていくものであり、密約の存在と内容の判断をしなかった原判決は判断の遺漏があったことは明白である。

(2)河野洋平外相の吉野文六への口止め工作が奏功したことによる吉野の密約否定発言が、その後の政府の密約否定の唯一の根拠であるが、吉野告白によって2006年2月翻えされた以上、一連の政府の「否定」はウソであることが完全に立証された。
今や米公文書の密約の存在と内容を否定する日本の政治家、官僚、ジャーナリスト、研究者は誰一人いない。また、吉野告白は嘘であると否定する政治家、官僚・ジャーナリスト・研究者も誰一人いない。退職した国家公務員も守秘義務を負っているが、吉野を告訴・告発したり、摘発する動きは政府、外務省、検察庁から一切ない。
尚且つ、被上告人は1・2審を通して、上告人の言う数々の密約の存在を否定していないのである。また、吉野告白の内容も否定していないのである。ということは弁論の全趣旨からして被上告人は数々の密約の存在と内容及び吉野の刑事公判廷における偽証を認めているということに外ならない。よって、今となっては、数々の密約の存在と吉野偽証、1034号電信文の記載内容は総額3億2000万ドル(対米支払い)及び400万ドル(原状回復補償費)問題がほとんどで、これらが全て密約の所産である以上、保護に値しない違法秘密であることは明らかである(文中の「せっかくの320がうまくいかず316という端数となっては対外説明が難しくなる」という部分は、権力犯罪の証拠そのものである)。被上告人の冤罪性は公知の事実であるといって過言ではなく、被上告人も弁論の全趣旨上、争わず認めているということになる。

(3)数々の密約の存在と内容が公知の事実であることになれば、偽証と河野外相の口止め工作を認めた吉野告白と相俟って、1034号電信文は法の保護に値せず、逆に権力犯罪の証拠であることは即導かれることであり、本件起訴は佐藤政権の犯罪を隠蔽するための起訴であったことが一気に認定できる。

(4)日本人記者によって首相の権力犯罪が発見されたことは、日本の歴史上初のことである。国民や納税者にとって本件事件のもっている憲法上の意義は、本件訴訟は「主権在民か主権在官か」、「日本は民主主義を建前としている国か官治主義の国なのか」、「裁判所は行政権力の違憲違法をチェックする機関なのか行政追随し行政の救済機関に堕すのか」が正に問われる歴史的重大事件である。佐藤栄作首相とそれを取り巻く権力中枢と政府高官の権力犯罪の成否、その権力犯罪を隠蔽するために検察官が上告人を起訴有罪確定に陥しめた本件で、まず裁判所が果たすべき役割は、憲法上の意義すなわち憲法を根拠とする法の支配を問われる裁判なのであるから瑣末な法技術である除斥期間から判断に入るのではなく、核心部分である「密約の存否」の判断から入るのが憲法解釈上当然の判断プロセスというべきであり、その判断から逃げた原審も又、一審同様憲法解釈を誤り、かつ「判断の遺漏」を犯したものであって、民事訴訟法312条2項6号の理由不備の違法があることは明らかである。

(5)上告人は控訴理由においても一審判決の「判断の遺漏」を一番強く主張した。しかるに、原判決も同じ誤りを犯した。原審裁判官も、佐藤政権と密約の存在を否定して来た歴代の政権を庇い、刑事高裁判決と最高裁決定の誤判の認定を回避することによって司法の権威を取り繕おうとし、堀籠現最高裁判事の調査官「解説」に水を差すこともせずに済み、上告人を起訴し公判追行した検察庁の権力犯罪も庇うことのできる判決として、除斥期間を適用し、「検察官が再審請求しないというだけで、有罪の言渡しを受けた者の法的保護に値する利害は侵害されない」という論理を持ち出して来たりしているのである。
裁判長はじめ陪席裁判官は、本件が歴史上初の首相の権力犯罪とそれを隠蔽するために検察官が権力犯罪を犯したという、日本史上初の巨大な権力犯罪という歴史認識には立たず、逆に権力犯罪との対峙から逃げ出し見て見ぬ振りをし、また「憲法機構を瓦解ないし崩潰させる」重大事件という認識を持たず、請求原因の中核たる密約の存否の判断から逃げ、除斥期間という小手先の法技術を駆使して門前払いをしたのであり、憲法を根源とする法の支配を問うている本訴裁判の本質への無理解、目先の利害にとらわれ、子孫に恥ずかしくない立派な判決を遺すという歴史認識の欠如、社会通念を欠く判断遺漏は明らかであり、破棄を免れない。

(6)尚、2008年2月23日(朝刊)の朝日新聞は社説で「日米密約裁判 政府のウソはそのままか」というタイトルで取上げ、「今回の裁判でも除斥期間を適用せず、密約がなかったのかどうかを正面から判断すべきであった」「東京高裁は政府側の証人調べも拒んだ。これでは真相解明から逃げていると批判されても仕方あるまい」「政府がいつまでもウソを言い続けていいわけがない」「政府が間違ったことをすれば、それを正すのが裁判所の役目だ」と厳しく批判している。最高裁はこの批判に向き合い、正しく受け止めるべきである。

[違法行為に関する原判決の判断の誤りと審議不尽]

(1)原判決は違法行為に関する判断で、河野外相からの吉野への“口止め”について、「政府の公式見解に沿って、外務省OBである吉野に対し、『密約はない』という政府の公式見解に沿って、報道に対応してほしいという働きかけをしたものに過ぎないことは明らかであり、(この働きかけが控訴人のことを念頭においてなされたものであったとは考え難い。)、これが控訴人の名誉回復の機会を奪うことを積極的に企図して、あるいはそういう結果が生ずることを認識して故意にされたものであるとは認め難いものである」と判示している。

(2)しかしながら、甲7号証の朝日新聞2000年5月29日付朝刊の1,2,3面に及ぶ記事を素直に読解しておれば、このような誤った認定はあり得ない。
原審裁判官は、ほとんどあの記事の重点がどこにあったかを理解していなかった。甲7の朝日新聞1面トップには“6段のタテ見出し”で「外務相否定の原状回復補償費も」とあり、それに並べてやはり“5段タテ見出し”で「米公文書密約裏付け」とある。つまりこの記事の中心は、それまで上告人以外誰1人のジャーナリストも提起しなかった400万ドル問題についての外務省のウソでありそれが実に“タテ6段”、“タテ5段”の並列というセンセーショナルな形で報道されているのである。新聞で6段,5段の“タテ見出し”を並べて1面トップで報道する例はあまり見当たらないといってよい。いわば土地原状回復費の肩代わりの“密約”がこの記事の中心テーマになっているのである。
先にも述べたように、それまでの経過からこの問題を提起したのは上告人以外の何者でもなく、刑事裁判でもこれが秘密問題の核心を成していた。だからこそ朝日新聞も一面トップ記事の「本文」の中で「毎日新聞記者」という文言を2度も記し、「原状回復の密約は『外務相公電漏洩事件』のきっかけとなり、外務省は国会や法廷で密約の存在を否定してきた。今回の文書に盛られた事実は外務省の見解と大きく食い違い、国会答弁や証言の信憑性が崩れることになった」と記述した。つまり、上告人が追及した事実は米公文書によって立証され、外務省の偽証の疑いが濃くなったという趣旨が記述されているのである。ということは、上告人の冤罪性も色濃く示唆しているのである。
そして朝日の記事の中に吉野のイニシャル(スナイダーとの)の入った「秘密書簡」も出ていた関連上、外務当局の要請に応じて河野外相があわてて吉野に“口止め”を依頼したわけである。
さらに朝日は次ページで上告人の刑事裁判を取り扱った沢地久枝(「密約」の著者)の批評文をくわしく掲載しているが、この点でも同紙の重点、狙い所が、外務省が国会や法廷でウソをつき通したことと、上告人の冤罪性にあったかがよく分かる。つまり口止め工作の狙いの一つには上告人の冤罪性への世論の波及を避けたいという意図があったことは明らかである。然るに原審は「この(河野外相による)働きかけが控訴人のことを特に念頭においてなされたものであったとは考え難い」という全く誤った認定を下しているのである。
朝日の報道の重点と狙いが叙上のものであった以上、河野の“口止め”工作は上告人の問題を意識して行われたといても過言ではない。吉野が北海道新聞に告白した2006年2月以降“密約”について上告人の刑事事件と直結する形で吉野が論評を続けているのも数々の提出証拠によって明らかである。
したがって河野外相・外務省職員の吉野への口止め工作は、上告人の名誉回復の機会を故意又は過失により奪ったことは明らかであり、上告人への名誉毀損となると云うべきである。その点に関し原審は経験則ないし採証法則を誤ったものとして上告理由に該る。

3.仮に上記の主張が認容されないとしても、原審で控訴人は吉野文六と河野洋平を人証申出しているにも拘らず、その採用をせず、上記誤判を犯しており、審理不尽であることは明らかであって、破棄を免れない。
                              (2008・5・1 記)

008年03月06日15時24分掲載  
沖縄密約

「沖縄返還密約」への判断を示さず 西山・国賠訴訟控訴審、またも門前払い 


  沖縄返還交渉〝密約問題〟に端を発した「西山太吉・国家賠償訴訟」控訴審は2008年2月20日東京高裁で開かれ、大坪丘裁判長から判決が言い渡された。
 判決主文「1、本件控訴を棄却する。2、控訴費用は控訴人の負担とする」

 午後4時開廷、2分間の報道写真撮影のあと、わずか10秒足らずで閉廷。争点の「沖縄返還密約」への判断を一切示すことなく、一審(東京地裁)に続いて、木で鼻をくくったような〝門前払い〟判決だ。報道陣を含め50人余の傍聴人は一様に息を呑み、国家権力の厚い壁と司法の弱さに思いをめぐらすばかりだった。

 米国の公文書公開や元外務省アメリカ局長・吉野文六証言などで、「密約」を裏づける新証拠が次々明らかになってきたのに、日本政府は終始「密約はなかった」と主張し続けるばかり。その強大な政治権力の下で、司法(一審と控訴審)は明確な判断を回避し、幕を引いてしまった。「法治国家とは…、司法の独立とは…」を問い続けなければならないテーマであり、西山氏が最高裁への上告を決意したのは当然である。

 佐藤栄作政権が命運をかけた「沖縄返還協定」は1971年6月17日調印されたが、その中に「米国側が負担すべき軍用地復元補償費400万ドルを日本側が肩代わりする」との「密約」があったことを西山氏(当時、毎日新聞記者)が暴露したことが事件の発端。政府側は、西山氏が外務省職員を通じて「極秘電信文」を入手したとして「国家公務員法違反」で立件。西山氏は一審無罪判決のあと、二審、最高裁判決で逆転有罪となった事件である。
 西山氏が2000年以降の新証拠に基づき、「違法な起訴や政府高官の密約否定発言で名誉を傷つけられた」として、国に3300万円の賠償を求めたのが、「西山・国家賠償訴訟」一連の経緯である。

▽「密約を交わし、履行した権力犯罪」

 控訴審判決に当たって東京高裁が公表した「事実及び理由」を参照し、その一部を引用して今回の判決の問題点を探っていきたい。『控訴人の主張』に論点が要約されていると思われるので、忠実に紹介しておく。

 「昭和44(1969)年11月の日米共同声明において、沖縄返還交渉の主要アイテムは全部合意に達しており、共同声明発表の1週間前には、柏木雄介大蔵省財務官とジューリック財務長官特別補佐官との間において5億2000万ドル弱の日本の支払は全部決まっていた。しかし、これを共同声明に盛り込むと総選挙を目の前にして困るとの佐藤政権の思惑から、絶対に隠してくれと米国に懇請して日米共同声明8項には嘘を書いてもらったものである。そして、後記の柏木・ジューリック秘密覚書に加算されたのが復元補償400万ドルとⅤОAの移転費1600万ドルの計2000万ドルであり、この総額の中味を国内で説明できるように、編成し直した上で、協定化する作業が、大蔵省から外務省に押し付けられ、昭和45(1970)年から46年前半にかけて行われたものである」。

 「沖縄返還交渉で、佐藤政権は、数々の密約を交わし、その履行をした。これは権力犯罪であり、違法行為である。本件第1034号電信文案(注=西山氏入手の機密電文)は、上記違憲行為の証拠であり、本件刑事最高裁決定に従えば、法の保護に値しない。したがって、控訴人の行為は、構成要件該当性がなく、又は違法性が阻却され、無罪であるべきであった」。

 「検察官は上記の事実を知っていたが、又は知るべきであったにもかかわらず、真実義務を果たさず控訴人を逮捕、起訴し、嘘の主張立証をなして、刑事高裁判決及び最高裁決定の誤判を招いた。すなわち、検察官は、柏木・ジューリック間で交わされた秘密覚書(沖縄返還協定に明記された対米支払額3億2000万ドルに含まれる民生用・共同使用資産買取費1億7500万ドル以外に基地移転費等の名目で2億㌦を米側に提供することや、社会保障費として3000万ドル、通貨交換に伴う最低6000万ドルの25年間無利子預金についての合意が明記されており、総額4億6500万ドルを米側が受け取ることについて記載がされている。)、吉野とスナイダー駐日米公使との会談の議事要旨が記載された秘密書簡(吉野が、沖縄返還協定4条3項では米側が『自主的に支払う』となっていた返還土地の原状回復補償費400万ドルを日本政府が『確保する』と明言し、外国政府から受け取った資金を国務長官の権限で支出できるという米信託基金法を使い、日本政府が拠出する仕組みとすることが記載されている。)及び5本の密約の存在とそれらの内容を知りながら、若しくは当然に知り得る立場にあったにもかかわらず、捜査せずに見て見ぬ振りをした」。

 「検察官のみならず、総理大臣、外務大臣及び外務省高官等は、みな沖縄密約の存在を知っていた。しかし、検察官は、沖縄密約を『外務省機密漏洩』問題にすりかえことによって、控訴人を有罪確定に追い込んだのである
 このように、機密漏洩イコール控訴人の犯罪と、沖縄密約イコール佐藤政権の犯罪とは、表裏一体の関係にあったのである。平成12(2000)年以降、この裏面(沖縄密約イコール佐藤政権の犯罪)に数々の証拠の発掘という光が当てられ、表面にあった国家機密なるものは、佐藤政権の権力犯罪を隠蔽するまやかしでしかなく、本件1034号電信文案が犯罪の証拠であることは明らかとなり、控訴人の冤罪性が明らかになったのである。『密約はない』とする小泉純一郎総理以下の発言は、控訴人が機密漏洩したということを言っていることと同じであって、控訴人に向けられたものなのである。密約にたどり着いたジャーナリストは控訴人のみであり、控訴人の功績である。これを国務大臣らは、密約はないと切り捨てたのであるから、控訴人の社会的評価を公然と否定したことになる。
 平成18(2006)年2月24日、麻生外務大臣は、密約の存在を否定するとともに、河野洋平外務大臣が吉野への密約否定を要請した事実をも否定したことにより、真実義務に違反して、控訴人の名誉を毀損したものである」。

▽「刑事再審で争うべき事案」と高裁が言及…

 この『控訴人の主張』は、公開された米公文書など発掘資料をもとに、「沖縄返還密約」の経過と問題点を指摘していると思われるが、東京高裁は控訴人が求めた吉野氏や河野元外相、当時の検察官らの書面尋問も行わず、「密約」の存在を審理の対象としなかった。そして、賠償請求権が消滅する民法の除斥期間(不法行為から20年)を適用して、損害賠償の訴えを退けたのである。
 除斥期間についても、控訴人側は「本件において控訴人の権利行使が事実上可能な状況になった時点は、沖縄返還協定発効後の昭和47(1972)年6月に作成された米公文書が発掘され、控訴人がTBSワシントン支局からその写しを入手できた平成14(2002)年6月というべきである」と主張しているが、見向きもされなかった。

 高裁が〝門前払い〟した根拠は「除斥期間」にあったが、その点を強調した「判決理由」末尾で、「仮に、控訴人が国家賠償請求の行使が平成14年ころまでにおよそ不可能であったとしても、本件訴えが提起されたのは、それから2年以上が経過した平成17(2005)年4月25日であるから、権利行使の不可能な状況が解消された後速やかに権利を行使したともいえないというべきである。なお、控訴人の主張に従えば、本件は、本来、刑事確定判決に対して再審請求をして争うべき事案でもあるということになる。そして、刑事確定判決に対する再審請求については、期間の制限はない。」と述べている。

 さらに高裁側は「控訴人は、朝日新聞の米公文書発見報道に対して、外務省職員と河野外務大臣は、平成12(2000)年5月24日ごろ、吉野に電話して『(報道の問い合わせに対して)〝密約はない〟と否定してほしい。』と懇願し、控訴人の名誉回復の機会を奪ったが、これは控訴人に対する不法行為を構成すると主張する。しかしながら、仮に河野外務大臣らが吉野にそのような要請をしたとしても、それは、外務省のОBである吉野に対し、上記のような政府の公式見解に沿って対応してほしいという働きかけをしたものに過ぎないことが明らかであり(この働きかけが控訴人のことを念頭においてなされたものであったとは考え難い。)これが控訴人の名誉回復の機会を奪うことを積極的に企図して、あるいはそういう結果が生ずることを故意になされたものであるとは認め難いのである。」と、牽強付会な論理を展開している。

 要するに、本件控訴のいずれにも理由がないから「棄却する」ということだ。ただ、「民事裁判ではなく、刑事確定判決に対する再審請求で争うべき事案だ」と言及したのは、「刑事再審を提起したら…」という、被告人へのせめてもの〝気配り〟なのだろうか。

▽三権分立――司法への信頼を落とす

 控訴審判決後、記者会見に臨んだ西山太吉氏は「政府が密約はなかったとするのは、吉野氏の当初の証言だけの薄っぺらな根拠だ。今では、吉野氏が密約の存在を認めているのに…。組織をあげて違法秘密を守ろうとしている国が、(司法の場では)除斥期間を使って守ろうとした。密約の存否について、今の裁判所が判断を示せないだろうと思っていたが、案の定その通りだった。裁判の土台そのものが崩れている」と、厳しく批判した。

 また、藤森克美弁護士は「司法への期待、信頼をまたも裏切る不当判決だ。密約の存否についての判断を避けては、違法行為の判断、除斥期間の適用の是非や、法的評価などできるはずもない。今回の高裁判決は、公正な判断と到底いえないので、西山さんの名誉回復のため最高裁に上告して闘いたい」と、コメントした。

 「権力犯罪」の厚い壁とその罪深さを痛感するばかりだが、総じてメディアの取り上げ方に問題意識の欠如を感じた。「西山氏敗訴」を伝えた2・21朝刊を点検すると、社会面で相応の扱い(3段見出し)をしていたのは、朝日・毎日・東京の在京3紙と沖縄県2紙。社説で判決の意味を論じたのが朝日と沖縄2紙だった点に、権力を監視する言論機関の無気力を反映しているように思えてならない。

 「確かに西山氏が訴えた部分に時効が付いてまわるのはわかる。しかし、国民が知りたいのは、西山氏の裁判を通して政府に『協定の偽造』がなかったかどうかである。つまり、国の調印の在り方に違法性はなかったかどうかということである。もしあるとしたら、一審、二審の判決は違法性に目を閉ざし、結果として政府の罪を黙認したことになる。言うまでもないが、二国間の問題であれ法的に関連があれば司法として法的立場から毅然と判定しなければならない。それが民主主義国家の三権分立の在り方であり、責任だろう。国民を欺いてきた事実が当事者の証言や公文書で明白なのに、司法がそれを無視するのは責任の回避と言わざるを得ず、司法への信頼を落とす」(沖縄タイムス2・21社説)との分析は、的を射ている。

 「司法は、行政の前にひざまずいている。そんな姿が、沖縄返還密約訴訟控訴審で浮き彫りになった。日本はもはや法治国家たり得ないのか。名ばかりの『三権分立』の前に、国民の権利と人権が危機にさらされている。……30年の時を超え、国民の知る権利と名誉回復、国家賠償を求める訴訟は、最高裁で争われる。引き続き司法判断を注視したい」(琉球新報2・22社説)という指摘も評価したい。

 朝日2・23社説は「政府のウソはそのままか」と、沖縄2紙と同様厳しい筆致だったが、特に除斥期間につき「たしかに西山さんが控訴した時点で、起訴や刑事裁判での政府側の証言からすでに20年が過ぎていた。しかし、そうした公務員の行為に除斥期間を適用すべきなのだろうか。最高裁は昨年、自治体が在外被爆者に健康管理手当を支給しないのは違法と認定した。その際、『行政が国民の権利の行使を違法に妨げた場合には、時効を主張できない』との判断を示した。法令を守るべき公務員が不法行為をしたときは、時効や除斥期間で責任を逃れることはできないということだろう。この考え方でいけば、今回の裁判でも除斥期間を適用せず、密約がなかったのかどうかを正面から判断すべきだった」と、問題提起した点に注目した。

 この「在外被爆者訴訟」の最高裁判決は2007年2月6日。時効を理由に健康管理手当支給を拒否されたブラジル在住の日本人被爆者3人が広島県に未受給分約290万円の支払いを求めた訴訟で、最高裁は上告を棄却。「被爆者が訴訟提起などの権利を容易に行使できたような場合を除けば、行政による信義則に反して許されない」との初判断を示し、原告勝訴が確定した。同手当の受給権について厚生省は1974年通達で、海外に移住すると失権扱いにしていた。しかし、その後訴訟が相次ぎ、2003年に通達は廃止。ところが、広島県側が過去未払い分の給付を求める権利は5年で消滅時効が成立するとの地方自治法を盾に5年分しか払わず、時効の扱いで争っていた。
 明らかに違法な通達を出しながら「時効だから支払わない」と主張した行政の非情さに、司法がはっきりと「ノー」を突きつけた判決で、当日の夕刊各紙は1面トップで「時効認めず、救済拡大」と、大きく報じていた。

 西山・国賠訴訟とは異なる事案ではあるが、朝日の指摘は今回の控訴審判決に疑念の一石を投じたものと言えよう。「除斥期間」を盾にして、控訴側の証人調べなどをすべて拒絶した東京高裁の姿勢には、釈然としない感慨を抱く国民は少なくあるまい。

▽刑事裁判一審で「無罪判決」を下した元裁判長の弁

 控訴審判決につき考察してきたが、朝日2・19夕刊3版の一部に掲載された記事が興味深い内容だったので、紹介しておきたい。当日の夕刊作業時にイージス艦と漁船衝突事故発生のあおりで、収容スペースがなく最終版に掲載されなかったが、西山・刑事裁判一審裁判長の貴重な〝証言〟との印象を受けた。
 刑事裁判一審を担当した山本卓・元東京地裁裁判長(現在は高知市で弁護士)にインタビューして構成した記事で、「あす控訴審判決」の見出しで第二社会面に掲載されていた。

 <自分が担当と知って、あぜんとしました。国家機密と報道の自由が問われる初のケース。前例がなかったですから』。――証人の外務官僚たちはかたくなだった。交渉経過について『証言には上司の許可が必要』と拒み、『覚えていない』とかわす。……1974年1月、701号法廷。山本さんは、西山さんを無罪としたうえで『(密約が成立したことを)日本国民の目から隠そうと日本側交渉担当者が考慮していたという合理的疑惑が存在』すると厳しく批判した。外務省アメリカ局長だった吉野文六氏は『密約はない』と証言していたが、『合理性を欠く部分が随所に存在する』と退けた。だが、無罪判決はその後、東京高裁で覆され、最高裁で確定。いずれも密約については、ほとんど触れられなかった。吉野氏が、実は密約は存在したと朝日新聞の取材に明かしたのは2006年。『国会でも法廷でも忘れたという以上、忘れなきゃいかん。意識的に記憶から消そうとしてきた』と述べた。
山本さんは信じられぬ思いだ。『まさか偽証とは。真実を語っていれば、その後の判決は違ったかもしれないのに』。密約を裏付ける米公文書も見つかり、かつて指摘した『合理的疑惑』は、いまや疑惑でなくなった。だが、一つだけ疑問が残っている。『なぜ政府はいまだに密約はないと言うのか。その理由は、誰にもわからん』>

 無念の思いを込めて語った82歳の硬骨弁護士の言葉はズシリと重い。

▽米国並みの情報公開と政府の説明責任

 「日本政府はなお密約を否定し、今回の判決で司法も密約の有無に触れなかった。一つ密約を認めれば、日米安保体制構築にまつわる他の多くの秘密交渉プロセスも連鎖的に露見し、信頼性が揺らぎかねない。それが、否定を続ける国側の事情だ。……吉野元局長は『密約は当時政府全体の方針だった。西山さんが真実と名誉のため裁判を闘う姿勢は尊敬するが、国が隠そうとする姿勢にも真理がある。日米以外にも、日ソも日韓も、外交交渉には表に出せないプロセスがたくさんあるからだ』と語る。だが、外交には世論の理解と支持も欠かせない。機密の名の下に国民の知る権利をどこまで制約され得るのか。日本の外交文書は30年経過後に公開を原則としているが、『判断は外務省ОBと現職幹部が秘密裏に行い、根拠はかなり恣意的なのが実態』(大使の1人)という。司法の場で賠償請求が棄却されても、政府が説明責任を免れるわけではない」と、毎日2・21朝刊が指摘していたが、米国などの情報公開に比べ、日本の情報公開が不十分なことが隠蔽体質を温存し、〝機密保持〟の名の下に権力乱用につながっていくのだ。

 沖縄返還密約裁判の経緯を検証してみて、40年前の日米交渉の不手際が尾を引いていることが分かる。なお未解決の沖縄基地問題が示すように、日米軍事同盟強化の行方は波高しだ。普天間基地移転、海兵隊のグアム移転などの裏にも不透明な駆け引きがつきまとっており、メディアの権力監視がますます重要な時代になってきた。  (2008・3・5記)

2008年9月1日月曜日

【自民党政権】 福田辞任の裏側

 このような、裏側やインサイダー情報は、マユツバで読まなければならない。しかし、色々な情報の中に真実がまぎれている場合もないわけではない。点と点をつなぎ合わせるといつか本当の姿が見えてくる場合もあるだろう。

「私は自分自身は客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」――福田康夫首相が9月1日夜に辞任を表明した記者会見の最後に述べた言葉が妙に引っかかるのは事実である。その裏になにがあったのだろう。

引き出しのひとつに仕舞い込んで、追記を重ねる事で、いつか事実に近づいた時に、何かがひらめく時もある。今は答えを出す必要はない。

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福田首相は辞任の直前まで続投する気だった。

辞任を決めたのは、金融庁の渡辺案

「米政府が必要とすれば日本の外貨準備を公社救済のために米国に提供する」
との報告書をまとめ上げ、提出する直前だった。もし、福田首相が9月1日に辞任しなければ、9月14日に破綻したリーマンブラザースの救済に日本の1兆ドルの外貨準備金が使われていたかも知れない。

>7月16日、渡辺喜美金融担当相は訪ねてきた米政府元高官に語りかけた。
>「米政府が必要とすれば日本の外貨準備を公社救済のために米国に提供するべきだと考えている」
>渡辺案は、米国の自力による住宅公社再建には限界があるとみて、この6月末で1兆ドルを超えた
>日本の外貨準備を米国の公的資金注入の資金源として提供する思い切った対米協調である。

周囲との調整を得意とする福田では、金融庁と渡辺喜美の暴走を止められない。仮に止められたとしても、首脳会議でブッシュから直接持ち込まれたらノーと突っぱねられない。そう思った福田は、全国民から卑怯者として非難される事を承知の上で、日本を守るためにまさに体を張って辞任した。

ドル建てなので一部を運用するとドル不安が増幅されて、残りの目減りが懸念される。結局は動くに動けずに辞任という行動だったのだろうか。

アメリカ政府から、しつこく「ドルを融通してくれ」との圧力を福田は受けていたともいわれている。その金額もじつに、日本が保有する全外貨準備高にあたる1兆ドル(当時の円換算で約100兆円)の提供を求められたという。これは、アメリカ政府が今回の金融パニックを封じ込める目的で投入を決めた7000億ドルを上回る金額である。アメリカ自身の失敗の尻拭いを日本に押し付けようとした、アメリカのムシのよすぎる話に福田前首相はキレてしまったという話であるが、裏づけは取れてはいない。

幹事長の麻生には全てを話し、内閣総理大臣を禅譲した。麻生首相は、外圧に対抗するために財務・金融を兼務した大臣に同じくタカ派の中川昭一を据えた。G7で会合を開けば、『金融機関に直接融資する基金を国際的に作ろう』と持ち掛けられる。それは実質的にダメージのない日本国民の貯金を、海外金融機関の負債穴埋めに放出しろ、という事でもある。

だから、麻生首相は解散を匂わせて、のらりくらりと時間を稼いでいる。この週末、ワシントンで行われるG7財務相・中央銀行総裁会議では、必ず日本は資金提供を要請されるだろう。中川昭一財務・金融担当大臣の挙動に、全ては懸かっていた。

麻生太郎首相は7日夜、中川昭一財務・金融相と白川方明日銀総裁を首相官邸に呼び、米国発の金融危機を打開するため、ワシントンで10日開かれる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、日本がバブル崩壊後に不良債権を処理した経験を説明するよう指示した。公的資金注入で金融機関の自己資本を増強した成果を訴えることで、米国に同様の対応を促すのが狙いとみられる。

首相は会談後に記者団に対し、日本のバブル後の対応について「あの時は13兆円もの資本投入をやって、結果として(金融危機を)くぐり抜けた」と説明。その上で「他国には全然迷惑を掛けずにくぐり抜けたというのは、堂々と日本の経験として語れることの一つだ」と語った。

福田が辞任をしたことで麻生が首相の座を射止めるのだが、結果日本側にアメリカも強くは言えなくなった。結果、リーマンの破綻という現実の部分につながってしまう。

既に述べたが、日本の外貨準備高は約100兆円である。この約100兆円という額は、小泉時代に異常に高く積み上げられている。つまりこれはドルが下落したとき、円売りドル買い介入を行う資金として使い、その買ったドルで米国債を買うということなのだが、米国はドルの下落を予想をしていたともとれる。
米ブッシュ政権は、2007年の夏の時点で現在のような状況になることを察知し、ポールソン財務長官やチェイニー副大統領が対応策を練り始めていたことが今ならわかる。

そのために、「日本は米国との関係を機軸」するといい続け、日本近郊の対アジア関係を国内外から「危機」を煽り続けなければならなくなっていた。本来であれば、この外貨準備高は、非常事態において日本を救うための資金である。

アメリカを救わなければ、日本がつぶれる(危険)という一部マスコミ論調により日本の外貨準備高は、米国を救うための資金の様相を呈してきたのであった。これは福田時代から鳩山内閣へと持ち越されている。
福田内閣時、ドルを十分貯め込んでいる中国と日本から資金協力を強制するという方針が決められ、福田首相に対して何回も何回も1兆ドル(100兆円)の提供を要請していたのです。結果中国が外貨準備高で日本を抜くことになる。

ところが、中国は日本と違いきわめて外交に長けてい。そのために外貨を利用して米国の投資銀行や住宅公社に資本注入を積極的に行い、差し押さえられた不動産物件のかなりの債券は中国が保有しているのです。

つまり、同じ投資をしながらも日本の場合とまったく逆の手法をとっていたこととなる。また日本の場合は、国ではなく、郵政民営化をし個人資産で米国の投資銀行や住宅公社に資本注入資金にあてようとする考えである。ここに竹中の意図がみえる。これは実施をさせるために米国は年次調書を用いている。
 
同じ米国に協力する場合でも、中国の場合は自らイニシアティブをとって積極的に先手を打って動いたのに対し、日本は完全に受身であったということである。、度重なるブッシュ政権の圧力に屈した金融庁の金融市場戦略チームは、対米支援の目玉としての「100兆円提供」を決定する寸前まで行ったのです。
 
そして2009年、政権交代が起こり郵政民営化で西川が辞任をした。竹中を取り調べるくらいの強行策をとり、ここは一度対米方針を再検討の必要だろう。

「日本郵政はアメリカに出資せよ」と言う竹中は明らかにアメリカからの息がかかっているということだろう。保守と自認をしている連中らは日本を守るという言葉で、本来ならば日本のために使われなければならない税金をアメリカに渡し、国民の虎の子である郵政資金をアメリカに投資をせよと言うのだろうか。

米国が日本に与える「安心」というものを見せてほしいものである。

福田は、9月1日に辞任をし、リーマンは9月14日破綻をしている。

2008年8月1日金曜日

【道州制】 経団連(軽井沢フォーラム)

 経団連の道州制提言は、机上の空論ですね。地方広域経営ができる人材は、現実の自治体職員を見る限り、皆無に等しいでしょう。ほとんどが「楽な人生」を求めて地方公務員になっています。

道州制にもっていく段階的な道筋を考えないで、抽象的な理想論を唱えても、単なるポーズになってしまうでしょうね。

うがった見方をすれば、できそうにもないテーマを取り上げて、はやしたて、経団連は国のために考えているとアピールできれば、それで一定の目的を達成できると考えているのではないかという気もします。

自民党も、霞ヶ関も、地方分権を道州制議論にすりかえたほうが、首長の反対も強く、課題への取り組みををずっと先送りできるという思惑があるのではないでしょうか。

地方分権をスピードアップしようと思うなら、経団連・橋下連合より、民主党案のほうが現実的だと思います。

2008年の年頭の経団連の挨拶で(ロイターによると)道州制による、税制などの事業環境の整備の推進という項目があり引っかかっていました。

道州制の導入に向けた第2次提言
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/081.pdf

(2)ー②真の住民自治を実現するために必要な権限と財源もあわせて備えるというものである。
(3)道州制の導入は、国と地方の役割や統治のありかた

13Pに
財源の少なくとも7割程度を、地方税を中心とした自主財源で賄うことができるよう、国・地方を通じた抜本的な税財政改革を行う。とあります。

先日の、軽井沢の夏季フォーラムでも参加メンバー(29人)の中の一人(名前は記憶していませんが)が、道州制と絡ませ、法人税率の下げで「ゴルフクラブの一本も買えるようになる」と話していたことが、本能的に「この道州制」には裏があるのではと感じてしまいました。

地方財源の作り方に財界が絡むとするならば、法人税率の低い所へ企業が集まるとも取れます。

一次提言

2008年5月14日水曜日

【東京地検特捜部】 朝鮮総連本部ビル売却問題(安倍晋三) 

非常に不可解であろう。
産経の記事が消えているのである。
それも、総連事件の初公判の記事が全てである。

簡単に言えば、この総連事件は、安倍が総連の土地を手に入れるためにはじめたことであり、実態が表に出そうになり逃げるために、地検を使って事件をでっち上げたというのが、真実だろう。



07年6月、安倍晋三政権下で社会的耳目を集めた「朝鮮総連本部ビル売却問題」。

 この事件は当初、東京地検特捜部が電磁的公正証書元本不実記録などの疑いで関係先を家宅捜索したことから、朝鮮総連およびその代理人弁護士らを含む「競売妨害」事件として立件されるのではないか、と見られた。ところが、ご存じのように、事件はいつの間にか朝鮮総連を被害者とする詐欺容疑に切り替えられ、元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)、元不動産会社社長の満井忠男被告ら3人が逮捕・起訴された。

こうして詐欺罪に問われた緒方、満井両被告の公判は37回を重ね、今月17日に結審した。その中で緒方被告は「(中央本部を差しおさえられそうだった)朝鮮総連の窮状を見かねて取引を行った。利得目的ではない」と無罪を主張。弁護側も「大声で脅迫するなど異常な取り調べを行い、検察側が思い描いたストーリーに沿うように供述を作り上げた」と批判したという。一方、検察側は「公安調査庁長官などの経歴を利用した巧妙かつ悪質な犯行」として両被告にそれぞれ懲役5年を求刑した。

ここで改めて、検察側が描く「事件の構図」を簡単に振り返っておきたい。緒方被告らは総連側から、購入代金35億円を提供する投資家がいるかのように装い、所有権移転登記をして総連中央本部の土地・建物をだまし取り、実体のない事業の違約金名目で総額4憶8400万円を詐取した、というものだ。

ところが最近になって、この取引のスキームをつくったとされる元銀行員の河江浩司氏(=有罪確定)が上申書(=左写真)を出していたことが分かった。その中で河江氏は、総連本部ビル買収の資金調達先として「富士薬品」(さいたま市)に話を持ち込み、同社役員らと複数回にわたる具体的な交渉を続け、「富士薬品でも『非常に面白い』と取引に強い関心を示し」た、との驚くべき証言をしている。

ところが、総連本部ビル事件が発生したため、社会的信用の失墜を極端に畏れた富士薬品側は態度を豹変させ、「その話は確かにあったが、すぐにお断りした。従って交渉ごとなどは一切無かった」の一点張りで検察の事情聴取に対応したという。河江氏は上申書の最後を次のように締めくくっている。

<正直私は呆然としました。今にも取引を成立させるといった勢い、意気込みを見せていたのは他ならぬ富士薬品だったからです。それをひた隠しにして「何もなかった」と検事の前で言を繰り返したことで、私は裏切りそのものだと実感を持つと同時に、無実の証が潰えたと落胆しました。私は交渉が間違いなくあったことを何度も繰り返し申し述べたのですが、取調べ検事に受け入れられなかったことが今でも悔しくてなりません。> 

もっとも、この上申書が公判で証拠として採用されたかどうかは今のところ不明だ。MSN産経ニュース(=左写真)を見る限り、緒方被告の弁護人最終弁論でも、「自己の虚偽供述により、被告人や満井を陥れてでも、巧みに立ち回り最小限の責任しか取らずに逃げ切るべき強烈な動機も存在したことも見逃されるべきものではありません」と、二転三転した河江氏の供述、証言は「任意性がない」と断じている。しかし、この上申書は河江氏の有罪が確定した後に作成されたもので、すでに「逃げ切るべき強烈な動機」も存在しない。したがって、真実が含まれている可能性は非常に高いのではないか。仮に河江氏の言うことが本当なら、具体的な資金調達の交渉は存在し、総連本部ビルなどを詐取する目的だったという検察側の構図は大きく崩れることになる。

しかも、「富士薬品」という会社は資金量も豊富で、調達先として非常に有力だった。同社は未上場ながら、従業員4082人(=09年3月末現在)を抱える配置薬販売の最大手で、民間調査会社の資料などによると、08年3月期の売上高は1367億円に達する。同社は高柳一族が支配しているが、現在は2代目の高柳昌幸氏が社長に就任している。

「先代の貞夫氏は昨年、体調を崩し、経営の一線から身を引いた。実は、この貞夫氏は仕手筋の金主として有名な人物で、不動産投資にも相当のめり込んでいた。河江の総連本部ビル売却話に飛び付く素地は十分にあったと思う。貞夫氏が抱え込んでしまった不良債権は200億円を超えるとさえ言われている。その中にはいわゆる事件物も少なくない」(関係者)

この間、本誌は、河江氏の上申書の内容を「富士薬品」社長室に伝え、事実確認などを求めてきたが、現在に至るまで回答は一切ない。しかし、朝鮮総連本部ビルの他にも、同社の不動産投資案件は反社会勢力と思われるフロント企業、事件屋などが数多く関わっている。すでに本誌は、その個別案件を複数把握しており、詳細が分かり次第お伝えしたい。

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2008年05月14日(水) 15時58分
【法廷ライブ】総連事件初公判(2)罪状認否で独演「元総理の指示で国策捜査」満井被告(産経新聞)

 《罪状認否を求められた緒方被告は、用意していた紙を手に取った》

 緒方被告「朝鮮総連の土地・建物に関与した経緯を説明します。整理回収機構(RCC)からの競売を、合法的に回避するために加わりました」

 「動機は以下の通りです。1番。総連会館は関係者においては活動拠点で、大使館機能もあります。それを失えば、在日の方々は棄民の状態に置かれる。私は旧満州から命からがら帰国し、祖国との絆の大切さを身をもって感じました。いかなる理由があろうと、絆を阻害してはいけないと」

 《自らの原体験を披露し、行動の合理性を説明した緒方被告。声は大きく、主張は明確だ。さらに読み上げは続く》

 「2。わが国と北朝鮮の国交は回復していないが、国交の回復はいずれありうることです。権益を擁護する動きがあることを北朝鮮が認識することは有用と考えました」

 「3。公安調査庁長官の地位にもあった経験から、朝鮮総連を見守る上では、拠点が固定されていた方が国益にかないます」

 「4。弁護士10年の節目で、社会に役立つことをしたいと考えていましたところ、この案件がもたらされました。意味のある仕事であり、絶好の機会と考えました」

 《こう4点を挙げた後、緒方被告は「しかし」と述べた》

 「結果的に遺憾な結果となりました。だまし取ったり、現金を詐取できる案件ではなく、刑事事件として取り上げること自体が間違いです。捜査には強い疑問を感じます」

 《緒方被告はさらに「資金調達が可能だったと信じて疑っていなかった。だましたという詐欺の犯意、共謀については否認します」「4億8400万円の授受についても、昨年6月11日ごろ、事務所に総連の男性から教えてもらうまで知らなかった」と補足した。2件の起訴内容を完全に否定したことになる》

 「審理を通じ、遠からず無実が証明されると確信しています」

 《緒方被告の罪状認否は終了。続けて満井被告も用意してきた紙を読み上げようとするが、廷吏から渡された紙の厚さに裁判長はやや驚いた様子だ》

 裁判長「これは相当(長い)ですね…。今日は概略的に言いたいことを言う手続きなので、5分でどうですか」

 満井被告「エー、5分じゃ無理です!」

 《大声が法廷に響いた。終始落ち着いた様子の緒方被告とは対照的だ》

 裁判長「それでは(2時)35分までに終わってもらえますか。あと12分ほどありますので…」
 《やや不満そうだが、満井被告はめがねをかけ、紙を読み上げ始める》

 満井被告「まず、私は生まれたときから国を愛し、男として、正義を持って育てられました。今日まで変わることのない原点です。今回の事件の構図は、安倍(晋三)元総理対緒方元長官と私。元総理の指示で検察がやった国策捜査です」

 《一連の事件を「国策捜査」と位置づけた満井被告。少し興奮気味の口調で、検察への批判をさらに続ける》
 「事件は被害者なき詐欺罪と位置づけられました。逮捕は現行犯のごときスピードで実行、勾留(こうりゅう)されました。40日間の取り調べは、事件にするための虚偽の組み立てによる事実に反する調書です。『これにサインしろ』と脅迫、強要され、物心ついてから初めて拷問を受ける体験をしました。毒を飲むか、恥を飲み込むかの闘いでした」

 《続いて満井被告は、昨年9月に安倍晋三前首相あてに自分が書いた手紙の「あとがきを読みます」と宣言。なかなか罪状認否の本題に入らない》

 「朝鮮総連の敷地が『更地になったら見に行く』と言ったことが事実なら、指導者の要諦を得ていない。両国の関係を考えれば、権力の恐ろしさを感じた」

 「誰もいさめる国会議員はいないのか。拉致問題などの外交政策は正しかったのか。私は違うと思います」

 《読み上げが始まり7分ほど経ったが、満井被告の「独演会」の様相になってきた。手前の検察官は、時折、法廷後方の時計をチラチラ見ている》
    =(3)に続く


2008年05月14日(水) 16時21分
【法廷ライブ】総連事件初公判(3)朗々と読み上げ…「まったくそういう事実はない」満井被告(産経新聞)

 《満井忠男被告は眼鏡をかけ、下を向いたまま、ときおり言葉に詰まりながらも、力を込めて安部晋三前首相にあてたという手紙を読み続ける》

 満井被告「6カ国協議が進められる中、国会議員団は早期に拉致被害者を救出するべく力添えをするべきなのです。なのにこの権力の政治感覚は何なのでしょうか。緒方(重威被告)の自宅、事務所を強制捜査し、さらに私に対する強制捜査が行われました。検察庁の(東京地検)特捜部組織を動員して、緒方と私を悪人に仕立て上げました。私は自宅に帰られず、逃亡の日々を強いられました。人権を無視した、天を恐れぬ行いです。私の人権を蹂躙し、おもちゃのように扱ったのです」

 「今日の、人権問題に厳しい世界の趨勢(すうせい)に反していることを、時の権力者は重く感じるべきなのに、国費を私物化する行為を国民が許すはずがありません。私は国を愛しています。健全な国家運営のために命をかけることにしました。己の悔しさをかみしめ、命を尽くして戦うつもりです。この法廷は国民の太陽です」

 《ここで、満井被告はさらに言葉に力を込める》

 満井被告「最後に特捜部への認識を示します。特捜部は、時の権力者の意思で盲動することがあってはなりません。国民国家のために熟慮のうえに行動すべきなのです」

 《ここで、裁判長が言葉をはさみ、満井被告の手紙朗読は中断する》

 裁判長「予定の時間ですが、あと少しですか」
 満井被告「はい、すみません」
 《満井被告は、こう言って、さらに手紙を読み始めた》

 満井被告「国民のため、民主国家が崩壊するのを防ぐため、行動すべきなのです。最後に裁判官に申し上げます。このたびは私の熟慮が足りないために、このようなことになり、裁判長、裁判官、北朝鮮のみなさん、朝鮮総連、私のことを心配してくださる方々にご迷惑をかけましたこと、おわびを申し上げます-。これが私の手紙の後書きです」

 裁判長「公訴事実については…」
 満井被告「はい。まったくそういうような事実はございません」

 《満井被告は、証言台から被告人席に戻った。眼鏡を外して、上を向く。隣では、顔を紅潮させた緒方被告が、検察側や裁判長の席を見つめている》

 裁判長「では弁護人の意見を」
 緒方被告の弁護人「まず、総連本部の売買契約についてですが、本件取引は所有権の移転に関わるものではなく、被告にそもそも詐欺の犯意も共謀もなく、犯罪は成立しない。無罪を主張します。また(約4億8400万円詐取の詐欺罪での)追起訴についても、緒方被告は平成19年6月11日に初めて知っており、(満井被告から)預かっていた1億円についても、総連とどういうやりとりがあったか知らなかったので、無罪を主張します」

 満井被告の弁護人「まず登記移転が行われたのはこの(起訴状)の通りですが、所有権移転が伴うものではなく、犯罪が成立しない。追起訴事実については、緒方被告は総連から金を受け取った事実は知らない。満井(被告)についても、総連に対してしかるべき説明をして受け取ったもので、詐欺罪は成立しない。詳細は追って、説明いたします」

 《両被告の弁護人は、ともに無罪を主張した》
 《次いで、検察の冒頭陳述読み上げが始まった。検察官は早口で読み上げてゆく》
 検察官「検察官が証明しようとする事実は次の通り。まず被告の身上について。緒方被告は昭和35年4月に検事に任官し…。満井被告は昭和35年ごろから不動産取引に携わり…》

 《詐欺事件は来年から始まる裁判員裁判の対象事件ではないため、検察側冒頭陳述は従来通り「である」調で、かなり聞き取りにくい。その冒頭陳述の読み上げを、緒方、満井両被告は表情をほとんど変えずに、じっと聞き入っている》
    =(4)へ続く


2008年05月14日(水) 17時07分
【法廷ライブ】総連事件初公判(5)「犯行背景に六本木の幽霊ビル」…満井被告はなぜか不敵な笑み(産経新聞)

 《検察側は、両被告が東京・六本木で「幽霊ビル」と呼ばれていた「TSKビル」の地上げに苦労していたことをさらに強調する。緒方被告は目を閉じて耳を傾ける》

 検察官「平成16年2月ころ、空手団体総裁は配下を使ってTSKビルの一部を不法占拠して管理組合を結成し、TSKビルのテナントの管理を事実上始めました。平成17年10月下旬ごろ、緒方被告は満井被告とともに、TSKビルの一部を所有する会社社長に会った。緒方被告は経歴を利用して会社社長の信用を得て、売却に関する代理人になりました。しかし、満井被告が売却代金の引き下げ交渉をしたことから、被告2人は会社社長に不信感を持たれ、代理人契約も終了しました」

 《検察官は時折、「ですます調」の読み上げにもなった》

 検察官「その後、会社社長が所有するTSKビルの一部を都内の商社社長が経営する会社に転売する話がまとまり、その中で2人は2億5000万円の利益を得ました。しかし、空手団体総裁が不法占拠を続けていたため、地上げ事業はそれ以上進まないままでした」

 《検察側は、地上げ事業の中で両被告がどうしても資金を必要としていたことを指摘する》

 検察官「19年に入り、両被告は空手団体総裁に金を支払って立ち退かせることにし、明け渡しの交渉を始めました。空手団体総裁とは5億4000万円を支払うことで合意しましたが、そのうち2億9000万円の調達のメドが立たないまま交渉を続けました」

 「空手団体総裁は2億9000万円について契約書を作成・締結するよう求めました。緒方被告は『私が満井に約束を守らせますから。私が保証します』などと言いましたが、資金調達のメドが立たない状況では署名できないと考え、契約書への署名を拒否しました。しかし、署名を拒否し続ければ、せっかく合意したのに、明け渡しに応じなくなる恐れがあったため、両被告は資金調達に迫られていました」

 「また、両被告はTSKビルのマンション棟の2室を買い取って、転売を考え、19年2月ごろ空手団体総裁に交渉を依頼しました。3月下旬になっても交渉はまとまりませんでしたが、空手団体総裁が手付け金を支払って交渉をまとめる可能性もあったため、両被告は1、2億円程度の手付け金を準備する必要に迫られていました」

 《検察側の冒頭陳述は、いよいよ両被告と朝鮮総連の関わりについて触れることになる》

 検察官「総連と整理回収機構(RCC)の和解交渉が19年2月19日に打ち切られ、RCCとの訴訟に全面敗訴して、総連の土地・建物が強制競売にかけられる可能性が現実化したことから、許宗萬・総連副議長らはかつて、総連の土地を高値で買い取ってくれた満井被告に土地・建物の買い取りを依頼することにしました。趙孝済・総連常任委員は3月上旬ごろ、東京都千代田区のホテルで、総連としては土地・建物を30億円で売却して、競売を適法に回避した後、売買後も使用損害金として年3億円を買い主に支払い、5年後には5億円のプレミアムを加えた35億円で買い戻そうと考えていると説明、買い取りを持ち掛けました」

 《検察側は満井被告が総連側の話を利用し、巨額の利益をあげようと目論んだことを指摘する。満井被告は検察側が指摘する構図をあざ笑うかのごとく、表情を緩める》

 検察官「これに対して満井被告は、総連がRCCに巨額の債務を負っているため買い戻しができずに総連が退去する可能性が大きいため、60億円程度で転売し多額の利益を得ることができると考えました。そこで満井被告は『中国や韓国で運用しているお金が数百億円ある』などと嘘を言って信じ込ませようとしました」

 検察官「満井被告はこの儲け話を逃さないため、売買交渉を引き延ばそうとしました。その一方で、実際に購入代金を出資する投資家を募り、それが難航した場合は土地・建物の登記を総連とは無関係の受け皿会社に移転させ、受け皿会社が所有している資産への投資案件として扱えば、投資を募りやすくなると考えました。さらに満井被告は元検事長として対外的な信頼の高い緒方被告が受け皿会社の代理人に就けば総連側の信用を得て、投資も集めやすいと考え、緒方被告に依頼しました」

 「満井被告は19年4月上旬ごろ、購入に関し、違約金名目で総連から金銭を詐取できると緒方被告に提案しました。その詐取した金の中から緒方被告に1億円のギャランティーを分配することを約束しました」

 「満井被告は4月中旬ごろ、総連の趙常任委員と会い4億3000万円の現金が必要だと要求しました。両被告は信用を得るため、在日朝鮮人に共感しているよう装うことを打ち合わせました。同月13日ころには総連の許副議長や趙常任委員と会い、在日朝鮮人の立場に共感して売買に協力すると述べ、総連側の信用を得ました」

 《検察側の冒頭陳述は続く。緒方被告は目を閉じたまま。満井被告は笑みを浮かべている》
    =(6)に続く

2008年05月14日(水) 17時47分
【法廷ライブ】総連事件初公判(6)登記移転「総連は反対していた」検察明言(産経新聞)

 《検察側の冒頭陳述読み上げが続く。緒方重威被告は終始目を閉じ、うつむいたまま耳を傾けている。一方の満井忠男被告は、時折蔑(さげす)むような視線を検察官に送り、陳述を聞いていた》

 検察官「緒方被告は、許宗萬総連副議長、趙孝済・総連財務担当常任委員、土屋公献弁護士に対し、自分が朝鮮総連に対して深い理解を示しているかのように伝え、信用させた」

 「満井被告は自己の傘下のファンドに違約金の立て替え払いの必要が生じたと嘘を言い、趙氏などに4億3000万円ほどの金を要求した。趙氏は、満井被告が資金調達をしていると誤信し、満井被告の要求に応じた。緒方、満井両被告は、趙氏から詐取した金のうちの3億があれば、ビルに伴う空手団体総裁に支払うべき2億9000万円相当の求めがあっても応じられる、と判断した」

 「その後、平成19年4月17日ごろ、緒方被告と空手団体総裁は、TSKビルの明け渡しに伴う立会人の署名を行おうとした。空手団体総裁は緒方被告を信じ、2億9000万円で緒方被告に署名を求めた。緒方被告は署名した」

 「緒方被告は4月下旬、満井被告に対し、総連施設の鑑定を35億円に増額させようと持ちかけ、追加に発生する資金の違約金でさらに詐取することを持ちかけた。満井被告はさらに5000万円を総連に求めることにした」

 《検察側は、緒方被告らがさらに総連施設の売買価格を引き上げていくカラクリを指摘し始めた》

 検察官「満井被告は、趙氏と土屋弁護士に対し、売買価格を35億円に増額することを要求。趙氏と土屋弁護士は了承。売買価格が35億円になったことで、違約金が4億2000~3000万円だったのが4億8500万円になったとして、あと5900万円を要求した。土屋弁護士らは違約金は本件の購入のためと誤信してこれに応じ、2人は5900万円の交付を受けた」

 「分配については、満井被告は(元銀行員の)河江浩司被告(=分離公判中)に、総連施設の購入資金を出す投資家を探すことを依頼、河江被告は了承した。また、違約金がいるといって、趙らから金を詐取したことを伝えた。そのうちの現金3億円を見せた。その上で、満井被告は河江被告に対し、満井傘下の投資家グループとは、本件土地の・建物の購入資金の出資に関する交渉をとりまとめていると嘘を言って、朝鮮総連を信じ込ませて欲しいと依頼。報酬として1億程度払うと示し、河江被告は報酬目当てのこのことを了承した」

 「満井被告と河江被告は法律事務所で土屋弁護士に対し、本件の土地などの購入資金はすでに準備できているが、投資家グループと出資の条件等について交渉中であるなどと嘘を言った。その一方で投資家探しをしていたが、話は進まず、資金調達の目処はたっていなかった。満井、緒方の両被告と河江被告は善後策を協議。河江被告が以前設立したハーベスト社の代表に緒方被告が就任し、購入資金の受け皿とするが、代表者変更の登記手続きに時間を要すると言って、売買契約を引き延ばすことを考えた」

 「両被告は、たとえ投資家が見つからなくても、売買代金を支払うと土屋弁護士を信じ込ませることができれば、支払いに先立って、土地建物の登記をハーベスト社に移せると話し、趙氏と土屋弁護士に対し、そのことを伝え、引き延ばしを行った」
 「他方、両被告と河江被告は、東京都内の別の弁護士に対し、5月18日までに投資家を確保するように言ったが、弁護士は到底無理だと伝えた」

 「土屋弁護士は、投資家の投資が突然ダメになったことに落胆し、緒方被告に『今まで聞いてた話と違う、満井さんはちゃんとファンドの人をまとめると言っていた。満井さんは我々に黙って総連から4億円以上の金を受け取っているんです』と抗議した。緒方被告は『ええ? そうなんですか?』と始めて知ったかのように装った」

 「満井被告は平成19年5月25日ごろ、緒方被告と河江被告に対し、この買い取り話を逃がさないためには、購入資金の確約する投資家を仕立て上げ、売買交渉を引き延ばすしかないと提案。2人もこれを了承した」

 「緒方被告は総連の土地建物の買い取りをして多額の転売利益を得るためには、売買代金の支払いに先立って、土地建物を登記をハーベスト社に移転させ、代表者が緒方被告であることの社会的信用を利用して、購入資金のを募るしかないと考えた」

 「当然、総連側は両被告らの真意は一切知らず、ハーベスト社に登記を移して投資家が集まるかは不確実で、貴重な土地、建物を移転に応じることはなく、投資家が見つからないと、整理回収機構から仮装譲渡であるとの非難も受けかねない、と反対した」
    =(7)に続く


2008年05月14日(水) 18時19分
【法廷ライブ】総連事件初公判(7)「確実にカネ出す」「琴線に触れた」 “詐欺のヤマ場”再現する検察(産経新聞)

 《検察側の冒頭陳述読み上げは、緒方重威被告、満井忠男被告、河江浩司被告が、朝鮮総連の土地・建物を詐取したとされる状況に移った。「犯行」のヤマ場だが、1メートルほど離れて座る緒方、満井両被告に動きはない》
 《検察側はまず、河江被告が、総連側の代理人である土屋公献・元日本弁護士連合会会長に送信する「報告書」の内容について、緒方被告が指示した様子に触れる。航空ベンチャー会社社長が土地・建物の買い取り資金を出してくれそうだ-と嘘の内容にするための行為だという》
 検察官「航空ベンチャー会社社長は出資を断っているにもかかわらず、河江被告は緒方被告の指示通りに、『来週中に(すでに話を持ちかけている)同志の意見を確認し、確定的な話をもらうことになる』との文面に修正した」
 「さらに河江被告は、緒方被告から『最後の部分に、今から言う通りの文章を入れてもらえるかな』と言われ、報告書に『最終的な売買期日の確定は、次回打ち合わせにて行えるものとの確信を得た』という文章を書き加えた」
 《いずれも平成19年5月26日のことだ。さらに緒方被告は同月下旬ごろ、土屋弁護士に「航空ベンチャー会社社長は確実にお金を出してくれますから、総連のほうで独自に買い手を探したりはしないで下さい」と嘘を言ったという》
 《さらに検察側は、売買代金の支払時期について、所有権移転登記が完了した後にするため、緒方被告が同月31日に総連側に話した内容を明らかにした。次のような言葉だ》
 「航空ベンチャー会社社長の方で資金の準備はもうすぐ終わるので、35億円をお支払いできます。ただ、売買契約の内容は先に所有権移転登記して、それが済んだのを買い主が確認できてから売買代金を支払うという形にしてもらいたい。先に登記を移して、それを金主が登記簿を見て確認してから代金を支払うというのが絶対条件です」
 「私も直接、航空ベンチャー会社社長に会って確かめました。ゼニカネの問題ではないとおっしゃっているんです。その言葉が琴線に触れました。大丈夫です」
 《検察側は、こうした言葉を信用した総連側が契約に納得し、土地・建物の登記が移されたと指摘。読み上げの検察官が交代し、その後、代金が支払われないことに焦る総連側の様子を述べた》
 検察官「6月11日になっても代金が支払われなかったことから、総連側が緒方被告に確認したところ、緒方被告は『航空ベンチャー会社社長は腰が引けたのかもしれない』『実は今夜、新しい人物にも会う。金主になってくれるかも』などと言い訳に終始した」
 「これに対して総連側は『そもそも今回の売買は、満井自身の資金で買うという話で始まった。それを信じて買い取りをお願いしたのに、話が変わって納得いかない』などと抗議。緒方被告は『金の方を何とか努力する』と謝罪するだけだった」
 《緒方被告は視線を前にやったまま微動だにせず、満井被告は小首をかしげた姿勢で目を閉じている》
 検察官「総連側は緒方被告から『売買がマスコミで出て騒ぎになったら、航空ベンチャー会社社長は出資したくないと言い出すかもしれない』と言われたため、代金支払いが受けられなくなる事態に備えて所有権登記の名義を戻す準備を始めた」
 《続けて検察官は、満井被告が総連から受け取った資金の一部を返還したことや、緒方被告らが口裏合わせをしようとしたこと、総連が実際に登記を戻したこと、総連資金の分配状況などについて、早口で読み上げた》
 《予定より時間が押しており、裁判長が「そろそろ…」と促す。検察官は「あと5分ほど下さい」と答えた。相変わらず緒方、満井両被告の内心はうかがい知しれない》

2008年05月14日(水) 18時43分
【法廷ライブ】総連事件初公判(9)弁護側冒陳が明かす「『緒方口座』に韓国から入金」(産経新聞)

 《弁護人の背後のプロジェクターには、「本件取引の状況など」という見出しが浮かんだ。総連本部についての詐欺罪に問われ、すでに東京地裁で分離公判が進行している河江浩司被告がストーリーに登場してくる》
 緒方被告の弁護人「緒方被告は4月16日ごろ、満井被告を事務所に呼び、取引についての進め方を協議した。満井被告は『以前、銀座の地上げで協力してもらった河江という人物がいます。元銀行員で資金調達のプロです』と説明した。このとき、緒方被告は河江被告の存在を初めて知った」
 「緒方被告、満井被告、河江被告の間で、出資に関する交渉を取りまとめているなどと朝鮮総連側に嘘を言って、投資家がいると信じ込ませようとする謀議が行われたことは終始なかった」
 《弁護人は、詐欺についての共謀をこのように否定し、河江被告らがこのころ、実際に複数の知人らに資金提供を精力的に働きかけていたと説明した。そうした流れの中で、「有力候補」として浮上してきたのが東京都内の弁護士だったという》
 「このような状況で、満井被告が緒方被告に河江被告を紹介することになり、都内の飲食店へ行った。河江被告は緒方被告に『受け皿会社として、昨年10月ごろに私が設立したハーベスト投資顧問株式会社を使いたいと考えています。緒方先生が代表者になって下さい』と持ちかけた」
 《この会合は4月24日の夜に行われたとされるが、検察側の冒頭陳述には登場しない。河江被告は「弁舌爽やか」に、ファンドを主導する都内の弁護士に話を持ち込んでいることを説明したという》
 「飲食店で満井被告が加わるのを待っていた際、河江被告が『満井被告から1億円の支払いを約束されているが、もらえるか不安だ』と言うので、緒方被告は、1億円という報酬は多額に過ぎると思いつつも、河江被告との約束を守るよう口添えした」
 《報酬の約束は1500万円だったとする緒方被告の主張を、さりげなく補強した。緒方被告にはそれほど欲がなかったことを強調する内容だ。緒方被告は熱心に冒頭陳述を読んでいるが、めがねを外して目をハンカチでこするような仕草も。満井被告は目をつぶっている時間が長く、眠たそうにも見える》
 《続いて「緒方被告に1億円が送金される経緯」という文字がプロジェクターに映し出された。「金の流れ」に関する話だが、満井被告と事業上の協力関係があり、韓国で会社を経営する○○(実名)という男性がここで話に登場してくる》
 《緒方被告の口座には、18年3月に約7062万円が振り込まれたのを皮切りに、月内に5500万円、5月に約6678万円が振り込まれていたが、振り込み人はこの韓国男性だったという》
 「当時、緒方被告が○○から金員を受け取る理由は何らなかった」
 《緒方被告はこうして振り込まれた金の一部または大半を、満井被告の求めに応じ、医療機器開発会社「医療電子科学研究所」に送金していた》
 「○○から事業資金として緒方被告の口座に送金された金員のうち、医療電子に対して合計1億1178万8000円が入金されていた」
 「また、満井被告はTSKビル・マンション棟内の会社が所有する2室の買取交渉を行う過程で、空手団体総裁から証拠金1億円を用意するよう要求され、すでに緒方被告に預けていた7000万円に3000万円を加え1億円とした上で、緒方被告に1億円を預けている旨を総裁に告げようと考え、緒方被告に3000万円を手渡したため、緒方被告は口座に預け入れた」
 《こうした経緯を経て、緒方被告は満井被告から1億円を「預かる」ことになったのだ、というのが弁護人の主張だ》
 「緒方被告は、その原資が、満井被告が朝鮮総連から受け取った4億8400万円の一部であることを知らされておらず、その事実を知ったのは捜査が開始された後であった」
 「以上のような経緯で保管していた1億円は、緒方被告が朝鮮総連に返還した1億5000万円の一部に充てられた」

2008年05月14日(水) 20時11分
【法廷ライブ】総連事件初公判(10)捜査批判「検事は机を叩き、罵声『一生刑務所から出られないぞ』」(産経新聞)

 《緒方重威被告の弁護人による弁護側の冒頭陳述が続く。緒方被告は、弁護人の朗読に沿って、手元の陳述書ページをめくっている。一方、満井忠男被告は、陳述書に目をやらず、上を向いて読み上げを聞いている。目がときおり、きょろきょろと動いている。緒方被告の弁護人は、被告が付けた日記を例に挙げ、緒方被告に「犯意」がなかったことを強調していく》
 緒方被告の弁護人「緒方被告は、河江浩司被告らに(資金調達の)交渉の進捗状況をたずねたところ『交渉中』だったため、(当初の支払い日と考えていた)5月1日の土屋公献元日弁連会長との面談をやめた。手帳の5月1日の欄に『総連支払』『午後1時30分土屋事務所』と書いた記載を、線引きして抹消した」
 「5月11日、東京都内の弁護士と投資家と称する5人が訪れた。弁護士は『準備はできています。18日までには振り込みます』と明言したので、緒方被告は安堵。18日、弁護士にファクスしたところ、電話があり、契約書案の確認作業をした。まもなく成約に至ると確信し、手帳に『総連登記完了』と記載しました」
 《冒頭陳述は、緒方被告が弁護士から投資を断られるシーンに。詐欺ではなく、本気で投資話を実現しようとしていた点を強調する。緒方被告は、腕組みをしてじっと陳述書を読み、満井被告も、眼鏡をかけて、赤ペンをもってページをめくり始めた》
 緒方被告の弁護人「5月18日になっても何の連絡もないことから、緒方被告は河江被告に問い合わせたところ『何の連絡もありません』との返答で、不安な気持ちを強めました。土屋元日弁連会長から『大丈夫ですか』と要請があり、強く待つ気持ちになった」
 「24日ころ、河江被告から『投資家から断ってきました』と連絡がありました。緒方被告が『この取引はやめる』と言い、河江被告から『こういうことがあろうかと後輩にヘッジをかけて話してあります。助けてくれると言っています』と言われました」
 《助けてくれるというのは、航空ベンチャー会社社長のこと。この社長は東京地検特捜部に対し、弁護側に不利な供述をしている。弁護側は、この社長の供述の信憑性を疑うような指摘をしようとした》
 緒方被告の弁護人「河江被告は…」
 裁判長「そこは関係証拠として却下しています。公判前整理手続きで決まったことですから」
 《公判前整理手続きで決まった証拠以外は、やむを得ない事情がない限り採用されない。弁護人は、裁判長と検察官と議論をした後、指摘に従って続ける》
 緒方被告の弁護人「5月26日、緒方被告はベンチャー社長と落ちあい、河江被告と3人で面談した。『海外で60億円のファンドを運用していて、一部、崩して金が送れると聞いています。本当ですか』とたずねた。社長は『意義のあることをやるために投資家になったのであり、総連の話は大義があります。金は大丈夫』と明言しました」
 《しかし、支払期限の5月31日朝になっても資金は用意されず、ひとまず朝鮮総連本部の不動産登記を先行させることを決める。緒方被告が同日朝に東京都内のホテルで、河江被告らに説得されたシーンが再現される》
 河江被告「今日は金の用意ができていません。登記完了を確認後、直ちに支払います」
 満井被告「登記先行のやり方は特別なことではありません」
 《弁護側は、緒方被告はこのとき「通常の手続きとは違うが、売り主が納得すれば問題ない」と納得したと主張。当初から朝鮮総連本部をだまし取ろうと画策していたとする検察側の主張を否定する》
 《さらに、弁護側は6月8日、公安調査庁の柳俊夫長官から緒方被告に電話があったと指摘し、“公権力の介入”も強調する》
 緒方被告の弁護人「柳長官から『総連本部がハーベスト投資顧問会社に売却されたという登記があり、緒方先生が同社の代表になっていますが』と問い合わせがあった。緒方被告が『朝鮮総連は大使館機能を有しており、拠点確保のためにやった』と答えた」
 「緒方被告は国家機関による責任追及を予感した」
 《弁護側は、緒方被告が逮捕された後の東京地検特捜部の取り調べについても疑問を投げかける》
 緒方被告の弁護人「7月18日の取り調べの際、(担当検事から)緒方被告が着席するやいなや『不動産詐欺の事実は起訴し、現金詐欺の事実で再逮捕する』と宣言された」
 「2回(弁護士の)接見を求めたが拒否をされた」
 「(担当検事が)突如、机を平手で激しく何度もたたき、身を乗り出して拳固を握りしめ、『一生刑務所から出られないぞ。特捜の逮捕は起訴を意味する。甘えるな』などと罵声(ばせい)を浴びせ続けた」
 「検事は自らパソコンを操作して勝手に作成した供述調書の文案を示して署名を求めた。内容虚偽だったが、もはや抵抗できずに署名した」

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本当に検察のシナリオ通りなのだろうか、もっと奥が深い事件ではないか。そう思わせるのが、元公安調査庁長官、緒方重威らが朝鮮総連の不動産をめぐって詐欺容疑に問われている事件だ。

14日、東京地裁の初公判。検察、弁護側双方の陳述の内容から浮かび上がった事件の周辺を検証したい。

緒方重威。1984年から86年にかけて公安調査庁調査第二部長をつとめた。朝鮮総連の調査が主な仕事だった。公安調査庁長官、広島高検検事長を経て退官。97年、弁護士となった。

不動産会社「三正」元社長、満井忠男との出会い。それが、輝かしい彼の経歴を塗り替えていく。二人を引き合わせたのは世界空手道団体連合の朝堂院大覚総裁である。自民党の有力議員らと親交があり、裏社会で一目置かれる人物だ。緒方とは早大で同窓の弁護士を通じて知り合った。

検察側によると、緒方は平成11年ごろ、「三正」本社ビルなどの競売を回避したいと依頼を受け、満井被告と深く関わるようになった。「私が関わる以上、億単位の報酬はいただきたい」と緒方は要求したという。

その後、二人がともに取り組んだのが、六本木「TSKビル」の地上げ事業だ。戦後日本の政財界と闇社会の結びつきを象徴する建物である。朝堂院総裁がこのビルの一部を占拠し組合を結成してテナント管理をしていたことから、二人は5億4000万円で立ち退くよう総裁と交渉、合意した。しかし必要資金のうち2億9000万円のメドがつかないまま、二人は資金調達の必要に迫られていた。以上が犯行動機に関する検察側の説明だ。

さて、ここで朝鮮総連の売却話である。整理回収機構(RCC)は「朝銀東京信用組合」など破綻した在日朝鮮人系の16信用組合から引き継いだ不良債権のうち、総額628億円が実質的に朝鮮総連への貸付金だったとし、全額返還を求める訴訟を東京地裁などに起こした。

朝銀破綻処理に投入された国民の血税は総額1兆4千億円。野中広務の「ツルの一声」で資金投入が決まったという噂もある。

総連は訴訟に全面敗訴して、その土地・建物が強制競売にかけられる可能性が高まった。そこで許宗萬・総連副議長らはかつて、総連の土地を高値で買い取ってくれた満井被告に土地・建物の買い取りを依頼した。

ここから、緒方、満井が元信託銀行員の河江浩司と共謀して総連の土地・建物と4億8400万円の現金を騙し取る企てをした、というのが検察のシナリオだ。

しかし、どうしても解せないのが、売買契約の内容である。朝鮮総連の代理人は元日弁連会長の土屋公献弁護士。緒方は元高検検事長。この二人がからむ取引で、35億円の不動産代金の受け渡しがないまま、所有権移転登記が行われたことは、普通ならとうてい考えられない。しかもRCCは総連不動産の仮差押さえもしていなかった。

この不可解な事件を、検察は緒方、満井らの金欲のなせるワザとして片付けようとしている。本当にほかの動機はなかったのだろうか。

初公判で、緒方と満井が意見陳述した。

緒方 「総連会館は大使館機能もあります。それを失えば、在日の方々は棄民の状態に置かれる。社会に役立つことをしたいと考えていたところ、この案件がもたらされました。意味のある仕事であり、絶好の機会と考えました」

満井 「今回の事件の構図は安倍晋三元総理の指示で検察がやった国策捜査です」

かつて朝鮮総連の情報調査を担当していた緒方が、総連幹部に食い込むなかで、しだいにシンパシーを感じていったことはありうるだろう。

土屋は「慰安婦問題の立法解決を求める会」会長 や「日本の過去の清算を求める国際連帯協議会日本委員会」代表をつとめ、総連の代理人である。その思想信条は推して知るべしだ。

検察はこの冒頭陳述で「朝鮮総連の窮状に乗じた悪質な行為であり、到底許せない」という土屋弁護士の被害感情を披露しているが、あくまで表向きのコメントであり、本心は分からない。

緒方、土屋、総連。この三者の関係、さらにはRCCや政界に至るまで深く突き詰めていかなければ、真相は見えてこないのではないか。とりあえずは今後の裁判の成り行きを注視したい。

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朝鮮総連本部売却のキーマンから自民党の中川幹事長に政治献金?
☆スポンサーは三塚博の秘書アガリ政商だった 
「三塚の元秘書が経営していた『三正』という会社なんだが、中川秀直に献金していたという話もあったりするんだが」

★この情報の出所は不明だが、中川秀直氏への政治献金については、そのうち真偽が判明するであろう。

《関連情報》

☆政界波及の予感? (ESPIO。なおブログオーナーである野田敬生氏は公安調査庁の出身)

999.01.12 エコノミスト 第77巻 第2号 通巻3376号 

特集 日債銀国有化は、一つの戦後清算だ

日債銀“崩壊”の遠因を作った政界・政商人脈の深い藪

その三塚の元秘書で、三塚の政治団体「博友会」代表を務めていたことのある満井忠男も、不動産会社「三正」(東京・京橋)の社長として日債銀から約四〇〇億円を融資として引き出している。三正の債務超過五三七億円は、地上げ途中の神保町の約一〇〇〇平方メートルを、半分ずつ「キングロード」「サムフィールド」という急ごしらえの「飛ばし」の受け皿会社に割り振った。これなど公表不良債権以外の含み損を抱えた潜在的な不良債権だ。

三塚や満井の日債銀がらみと小針企業群がらみの不良債権への関与が根強く情報として流れているのは、このためである。
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政治的に処理された総連本部ビル「詐欺事件」
北朝鮮問題と検察のメンツを抱えた「捜査指揮」

「被害者なき犯罪」を摘発するのは、東京、大阪、名古屋に置かれた地検特捜部の最大の役割である。
 中央政界の政治家や霞が関の高級官僚を巻き込む贈収賄、上場企業の経営者などが誘惑にかられる粉飾決算やインサイダー取引、資産家が犯しがちな脱税などは、広い意味では「国民が被害者」ということになるのだが、自分の懐が痛むわけではないので、直接の被害を意識しない。
 だが、放置するのは「国家の秩序」を危うくする。そこで捜査権に公訴権を持ち、「最強の捜査機関」と謳われる地検特捜部が捜査に乗り出し、マスコミはその動きを大きく報じることで、「国家・国民に対する罪の重さ」をアピールする。
 では、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物と4億8400万円の現金を騙し取ったとして逮捕された緒方重威・元公安調査庁長官(73歳)の事件は、どう理解すればいいのか。加害者は緒方容疑者のほかは、不動産会社・三正元社長の満井忠男容疑者(73歳)と元銀行員の河江浩司容疑者(42歳)だが、被害者がいない。もちろん構図的には朝鮮総連だが、7月11日の記者会見で南昇祐(ナム・スンウ)副議長は、「被害者という認識はない」としたうえで、日本政府をこうののしった。
「(整理回収機構の競売申し立ては)在日朝鮮人から中央本部を奪うことを目的としたもので、安倍政権による凶悪な弾圧行為だ」
 被害者であることを認めてしまえば、「競売」という略奪行為も認めてしまうことになるという理屈だろう。
 朝銀系信組が1990年代末から2002年末にかけて相次いで経営破綻、それを日本政府は約1兆4000億円もの公的資金を投入して救済した。その債権を引き継いだ整理回収機構が、朝銀系信組が朝鮮総連に融資したと認定した分(628億円)の返済を求めるのは当然のことだろう。それを朝鮮総連は「凶悪な弾圧」というのである。
 共存の気持ちを萎えさせる発言だが、捜査する東京地検特捜部は、朝鮮総連のそうしたかたくなな態度は予想できたはずだ。詐欺は、特捜部がふだん手がける贈収賄や証取法違反や脱税と違って、被害者が存在しなければならない。被害者のいない詐欺事件では、公判維持も難しい。
 なのに、あえて朝鮮総連を被害者とした。理由はひとつだ。
「中央本部売却の責任者は、実質ナンバーワンといわれる許宗萬(ホ・ジョンマン)責任副議長(76歳)ですが、彼を競売妨害などの容疑で逮捕したくはなかった。だから朝鮮総連を被害者にしたんです。組織としての朝鮮総連は被害者ではないんですが、許副議長ないし部下の売買責任者個人が、緒方や満井に騙されたという理屈です」(検察関係者)
 そこには、間違いなく検察の官邸への配慮がある。
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そもそも朝鮮総連にまつわる”金”の問題自体”闇”なのだが、闇は闇と結びつくというか、朝鮮総連中央本部ビルの所有権移転問題は実に不可解なことが多い。

この事件で東京地検が異例ともいえるスピード捜査を行った。週刊朝日によると官邸関係者の話として「拉致問題を政権の”命綱”とする安倍政権は、参院選挙を控え、朝鮮総連ビル問題に強い関心を持っていた。そこに漆間巌警察庁長官が6月初め、官邸へ一連の動きを報告。これを知った東京地検は、検察OBへの捜査を警察に先行されては”恥”だと、慌てて被疑事実を空欄にしたままの捜査差し押さえ礼状を準備し、捜査に乗り出したのです」と伝えている。そんなところだろう。

今や絶体絶命の崖っぷちに立たされた安倍晋三だが、なりふりかまわずの感が強いが、彼の思惑通りには行くまい。こういった事件も結果的に己に降りかかってくる可能性がある。ナンテタッテ元公安調査庁長官が絡んでいるのである。この元長官の緒方氏、いろいろおかしな事実が明らかになりつつある。昨日の毎日新聞に仲介した元不動産会社社長との関係が書かれている。

朝鮮総連本部:元長官が4億円借金 元不動産社長の頼み?


【在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の中央本部の土地と建物の売却問題に関連し、緒方重威(しげたけ)・元公安調査庁長官(73)の親族会社が、本部の売買を仲介した元不動産会社社長の男性(73)の自宅だった土地と建物を購入、緒方氏がこの土地・建物を担保に4億3000万円を借りていたことが分かった。元社長は当時、経済的事情などで融資を受けられない状態で、緒方氏は関係者に「元社長の借金で、頼まれて名前を貸した」などと話している。本部売買で重要な役割を担ったとされる元社長と緒方氏の不可解な関係が浮き彫りになった。

元社長が所有していたのは、東京都世田谷区の土地(約1070平方メートル)と建物(地下1階、地上2階、延べ床面積約1240平方メートル)。登記簿などによると、89年に元社長と関連会社が購入、02年3月まで関連会社が所有していた。別の会社に一時所有権が移った後、03年3月に緒方氏の親族が代表取締役を務める会社が購入した。

緒方氏の親族の会社が土地と建物を取得した同じ日に、緒方氏が債務者で、信販会社が抵当権者となり、債権額4億3000万円の抵当権が設定された。抵当権は現在も抹消されていない。

元社長は、旧住宅金融専門会社(住専)の大口融資先だった不動産会社を経営していたが、住宅金融債権管理機構(現整理回収機構)に対する強制執行妨害容疑で98年に逮捕された。世田谷区の土地と建物は同年4月、都世田谷都税事務所に差し押さえられた(02年3月解除)。元社長の不動産会社と子会社は04年7月負債1590億円を抱え民事再生法適用を申請し、財産保全命令を受けた。

緒方氏が4億円を超える借金をしたのは、元社長が強制執行妨害事件後、会社経営に行き詰まるなどして経済的に苦しい時期だった。関係者によると、元社長から「このままでは、借金のカタに(世田谷の)自宅などを(第三者に)取られてしまう」「借り換えたくてもできない」などと持ちかけられた緒方氏が応じたという。】(毎日新聞 2007年6月18日) 

新聞では未だに匿名扱いだが、今回の総連本部の所有権移転にからんだ元不動産会社社長とは、2004年に倒産した(株)三正の元社長・満井忠男氏のことだ。この満井氏と緒方氏のただならぬ関係は、毎日新聞の記事でも明らかだが、この御仁、自民党の中川秀直幹事長ら政界にも太いパイプを持つ一方、「全国遊技業経営者協会」理事長に就任したこともある(週刊朝日)という。

緒方氏の周辺には満井氏のほか実に怪しげな人たちが蠢いている。まず株価操作事件で今年3月に逮捕された「梁山泊」グループとの関係である。この関連で「i-cf(現・オーベン)」という会社が取りざたされているが、緒方氏はここの監査役を務めていた。この「i-cf」はライブドア事件の舞台にもなっているし、そこでは変死した野口英昭氏の名前もでてくる。そしてその当時の社長がなんと緒方氏の甥だったという。どのみち魑魅魍魎の世界であることは確かのようだ。

日曜日のTBSサンデーモーニングでは、毎日新聞の岸井成格氏があくまで個人的な見解として、左翼関連の衰退に対して、オウム事件と北朝鮮関連で公安調査庁の存在が大きくなった。しかし、やりすぎて”危険な総連”がガタガタになり、その対象から脱落させてしまうと公安調査庁の存在意義がなくなってしまう危機感があるのでは、というようなことをいっていた。総連と公安調査庁との阿吽の呼吸ということか。
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*北朝鮮制裁解除 安倍晋三VS山崎拓戦争の舞台裏 2008年07月01日
という記事をエントリーしたが、取材の視点をかえると以下のような舞台裏もみえてきた。安倍晋三VS山崎拓戦争の舞台裏に田中均の名前。今回の福田政権下での、日朝交渉の舞台裏に登場したのは外務省の元アジア大洋州局長の田中均。現在、東京大学公共政策大学院の担当教員。

今回の日朝交渉・・・・背景には米国の事情と圧力があったのは明確だが、その背景で、暗躍したのが、2002年9月の小泉首相の訪朝の舞台裏をつくった田中均元アジア大洋州局長。田中は小泉訪朝まで80回に及ぶ小泉総理・官邸スタッフとの面談を行ないながら官邸主導外交を演出した。この時、田中が交渉した北朝鮮の人間はミスターXとされ、さまざまな憶測をよんだが、現段階で、誰であったかは実は判明していない。田中の北朝鮮の外交の姿勢は、日朝国交正常化を優先、拉致被害者問題についてはやや軽視の姿勢。2002年10月に帰国した拉致被害者5人に対して、北朝鮮の要求通りにいったん送り返すように主張した。この小泉政権での北朝鮮外交で、当時に副官房長官だったのが、安倍晋三。官房長官は、福田康夫だった。

「小泉訪朝で、拉致被害者の問題があきらかになって、その問題の解決を最優先するべきだと強硬に主張したのが、安倍晋三。当時の福田官房長官や、田中均元アジア大洋州局長らは、日朝国交正常化を優先させるべきとして、安倍と対立した。しかし、小泉首相は、拉致問題をめぐる世論の動向をみきわめて、最終的に、安倍らがとなえる強硬路線に舵をとりなおした。これが直接の原因となって、福田は官房長官辞め、田中均も外務省を去ることになる。安倍政権になって、当然、外務省も、親中国派といわれている田中均元アジア大洋州局長らのラインははずされ、安倍とおなじ強硬はである斉木昭隆アジア大洋州局長らが、外交のイニシアチブをにぎるようになる。しかし、拉致問題の全面解決を主張し、経済制裁をくわえたが、肝心の北朝鮮外交はまったく進まなかった。日朝の交渉がまったく閉ざされた段階で北朝鮮は、核実験をする。 

ここで、動き出したのが、山崎拓や、平沢勝栄といった政治家。基本的に、田中均元アジア大洋州局長とおなじ、ミスターXのラインなどで、北朝鮮外交をやった。これは、二重外交として批判された。そして、福田政権になって、いってみれば、小泉政権時代の、福田官房長官ー田中均元アジア大洋州局長ーミスターXラインが復活。これが、今回の福田内閣の、北朝鮮の一部制裁解除といった合意がなされた背景」と簡潔に整理するのは、外務省幹部である。いってみれば、これは、安倍VS山拓、というよりも、斉木VS田中均、 という外務省の対立構図でもある。安倍・斉木VS山拓・田中均という構図に、福田首相は明確に、山拓・田中均ラインに踏み込んだ。これに猛反発したのが、安倍というわかりやすい構図。小泉元首相は静観。
 
田中均に関しては、2003年12月12日の東京国際フォーラムで開かれた日本とASEANとの交流を記念したレセプションで、拉致議連の顧問を務めている中川昭一経産相(当時)に対して「大臣、北朝鮮のような小さな問題ではなく、もっと大きな事に関心をもってくださいよ」などと発言し、中川は「北朝鮮による拉致で、子どもや家族が26年間も帰ってこない人たちがいる。それでも小さい問題なのか。 あなたみたいに北朝鮮のスパイみたいなようなことをしていては駄目なのだ」と激怒したというエピソードは有名。後日、中川は「田中だけは許せない」といきまいていた)

さて、今回の福田総理の北朝鮮との合意形成では、水面下で大枠をきめたのが、田中均らの元外務省グループ。実は、この動きをしって、斉木昭隆アジア大洋州局長は愕然とした。しかし、この外務相のOBの動きは巧みだった。斉木は極秘裏に安倍や山中恭子補佐官に相談したが、その時はすでにシナリオはできていた。最後は、福田総理の『首相命令』。北朝鮮に対して、毅然たる態度をとってきた斉木だったが、官僚である以上は、首相命令にしたがわざるえない。拉致担当の中山恭子補佐官は完全に外されていた」
今回、北京で開かれた日朝実務者協議では、北朝鮮は、拉致問題の再調査と、「よど号」犯の引き渡しが提案した。これに対して、日本側は、「一定の評価」として、部分的な経済制裁の解除。北朝鮮船の入港を認める。さらに、人道支援名目での経済援助の再開にふみこむとされている。
こうした今回の協議で、「北朝鮮の具体的な内容をみないで、制裁解除をみとめることは、また、北朝鮮のたくみな外交のしてやられる」と中川昭一は猛反発。「北朝鮮の最大の目的は、日本でなく米国のテロ支援国家指定解除を実施させること。そのためには、拉致問題で経済制裁をしている日本をなんとか、くどきおとさなくてはならない。つまり、日本は行きがけの駄賃みたいもの。これにまんまとのってしまっていいのか?」(中川昭一)当然、安倍晋三前首相も猛反発している。

警視庁公安部の外事課の関係者によると、「今回の日朝協議が行われる、5月に、北朝鮮から朝鮮総連の許宋万副議長(実質的に朝鮮総連のナンバー1)に『日朝協議で、経済制裁が解除されるから準備しておけ』という指示がでているといわれます。つまり、経済制裁で疲弊している北朝鮮に、物資その他を運びいれる準備をしておけという指示です。さらに『拉致問題は解決済みという基本方針は変わらない』との連絡もはいっています。  日本政府は、まんまと、北朝鮮の策略に乗せられてしまうこともありうる。だいたい、よど号の連中の引き渡しで一番問題なのは、よど号の連中が、拉致に関与している嫌疑がある。非公式では、よど号犯人に引き渡しに対して、免責どころか、捜査をしないとかさせないとかとんでもない話も入っていて、現場は怒っていますよ」以上