2003年7月30日水曜日

【自由党】 日本一新 11法案(人づくり基本法案)

[人づくり]
9.日本人の良いところを伸ばしていく法案(人づくり基本法案) 

義務教育については、教師の身分を国が保障して質を高めると同時に、内容は市町村が自由に工夫できる仕組みに改めます。

学校の完全週休二日制をやめて、基礎学力を維持、向上させるとともに、日本人の伝統的な資質を育み、「よき日本人」を育てることを重視します。
教師、子どもたち、家族が一緒に道徳、集団生活のルールや地域の伝統文化を学ぶ日をつくります。

自由、公正かつ開かれた社会の構築のために、人づくりの基本理念を定めるとともに、国、地方公共団体、学校、家庭、地域社会の責務を明らかにしています。

また、義務教育に従事する教員は私立を除き国家公務員の身分を保障し、教育委員会は廃止して、教育評価・勧告制度を創設することとします。


人づくり基本法案

自 由 党

 我が国においては、日本国憲法に基づき、半世紀余りにわたり、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成が進められてきた。
 一方、世界の政治及び経済の歴史的な変動並びに国内経済の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に伴い、自由で公正な開かれた社会の構築を目指してあらゆる仕組みが変革を迫られており、それを担い得る人間の育成が、今日の我が国における最重要課題となっている。
 我々は、地球の平和と環境及び国際社会の発展に貢献することを目指しつつ、新しい日本の確立に向け、自主自立の精神と創造性に富み、自ら自分の人生を切り開き、かつ、我が国及び国際社会に自ら役立とうとする人間を育成するために、あらゆる機会に、あらゆる場所において人づくりに取り組む決意をしなければならない。
 ここに、新しい日本人を育成する基本理念を明示し、将来に向かって社会全体が協力して人づくりを総合的に推進していくため、この法律を制定する。

 (目的)
第一条 この法律は、自由で公正な開かれた社会の構築のための人づくりの緊要性にかんがみ、人づくりの基本的な理念及び方針を明らかにするとともに、教育及び教育行政に関する基本となる事項等を定めることにより、健やかで豊かな人間性を備えた創造性に富む人づくりを推進し、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現を図り、地球の平和と環境及び国際社会の発展に貢献することを目的とする。

 (基本理念)
第二条 人づくりは、学校、家庭、地域社会その他の様々な場における教育を通じて、我が国の歴史と伝統文化を踏まえつつ、自由で公正な開かれた社会の担い手として、人間の尊厳を尊び、勤労と責任を重んじ、日本と地域社会に誇りを持ち、及び自主自立の精神に充ちた健やかな国民の育成を期して行われなければならない。

 (基本方針)
第三条 人づくりは、前条に定める基本理念にのっとり、次に掲げる基本方針に従い、総合的かつ効果的に行われなければならない。

一 学校教育、家庭教育及び社会教育の適切な連携及び相互の補完により、それぞれの教育の機能を高めて行うこと。
二 自由で公正な開かれた社会を生きるための基礎的な素養を修得させること。
三 国政及び地方自治に参画する良識ある国民として必要な政治的教養を尊重すること。
四 宗教の社会生活における役割を尊重すること。
五 修学困難な者に対する奨学に努めること。
六 人づくりに関する国民の自発的な取組を尊重すること。
七 国民が次代における人づくりの担い手となることに配慮すること。

 (学校教育)
第四条 学校教育は、国民に対し、その発達段階及び個性に応じた学習の機会を提供しなければならない。

2 学校教育は、我が国の歴史と伝統文化を踏まえつつ、国際社会の変動、科学技術の進展その他の社会経済情勢の変化に的確に対応することに努めなければならない。

3 学校教育においては、学校の自主性及び自立性が十分に発揮されなければならない。

4 学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。

5 学校は、公の性質を有するものであり、その教員は、全体の奉仕者であって、自己の崇高な使命を自覚し、その職責の十全な遂行に努めなければならない。

6 学校の教員は、その身分が尊重され、その待遇が適正に保障されなければならない。

 (義務教育)
第五条 義務教育は、学校教育の中核として、すべての国民に共通して必要とされる基礎的な学力の維持向上、心身の調和的発達、文化的素養の醸成、畏敬の精神の涵養、国際協調の精神の養成及び自主自立の精神の体得を旨とし、最終的に国の責任において行われなければならない。

2 国は、義務教育に関し、地方公共団体の行う自主的かつ主体的な施策に配慮しなければならない。

3 地方公共団体は、義務教育に関し、国との適切な役割分担を踏まえつつ、その地域の特性に応じた施策を講ずるものとする。

4 地方公共団体又は国が設置する学校において義務教育に従事する教員は、全国的な見地から人材が確保されるよう、国家公務員の身分を有するものとする。

 (高等教育)
第六条 高等教育は、我が国の学術研究の分野において、その水準の向上及びその多様化を図るとともに、創造性に富む研究者及び技術者を育成することを旨として行われるものとする。

2 大学等は、社会に開かれたものとなるよう、職業人としての資質の向上に資するための社会人の受入れの拡大、地域及び産業の活性化に資する人材の養成を目指した地域社会及び産業界との連携等を図るものとする。

 (家庭教育)
第七条 家庭教育は、すべての教育の原点であり、基本的な生活習慣、倫理観、自制心、自立心等の国民の基礎的な資質の形成に積極的な役割を果たすものとする。

2 家庭教育を行う父母その他の保護者を社会全体で支えるため、それらの者に対する支援が積極的に行われなければならない。

 (社会教育)
第八条 社会教育は、勤労の場所その他社会において多様な学習の機会の充実が図られ、国民が生涯を通じて学習できるよう、あらゆる機会に、あらゆる場所において行われなければならない。

2 社会教育の充実は、高齢化、国際化等の社会の変化に的確に対応する観点から、豊富な経験を有する人材の活用及び専門的知識を有する指導者の育成を図ることにより行われるものとする。

 (地域における人づくり)
第九条 地域における人づくりは、社会の一員としての規範意識の向上、地域の伝統文化の継承及び地域社会における有為な人材の育成の観点から、学校、家庭及び地域社会が緊密に連携して行われなければならない。

2 地域における人づくりにおいては、学校はそのための体験活動等の機会を提供するものとし、家庭及び地域社会はこれに積極的に参加するよう努めるものとする。

 (教育行政)
第十条 教育行政は、民主的な運営を旨として行われなければならない。

2 地方公共団体が行う教育行政は、その施策に民意を反映させるものとし、その長が行わなければならない。

3 地方公共団体は、教育委員会を廃止するものとし、教育行政の向上に資するよう、教育行政に関する評価及び勧告を行うための民主的な組織を整備するものとする。

 (法制上の措置)
第十一条 国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行わなければならない。

 附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 教育基本法(昭和二十二年法律第二十五号)は、廃止する。

 理 由

自由で公正な開かれた社会の構築のための人づくりの緊要性にかんがみ、健やかで豊かな人間性を備えた創造性に富む人づくりを推進し、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現を図り、地球の平和と環境及び国際社会の発展に貢献するため、人づくりの基本的な理念及び方針を明らかにするとともに、教育及び教育行政に関する基本となる事項等を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(地球環境保全基本法案)

[地球環境]
10.地球環境保全で世界をリードする法案(地球環境保全基本法案) 

人類と自然との共生の理念に基づき、環境問題の解決に優先的に取り組みます。具体的には、地球温暖化防止や、リサイクル・システム、有害物質の除去について、世界に先駆けて厳しい規則を定めるとともに、情報公開を徹底します。

国家として率先して地球環境の保全に取り組むとともに、日本が国際的に地球環境保全活動の先導役を果たすこととしています。

また、環境対策技術に国として支援していくことなどによって、国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに、地球環境の保全を通じて積極的に世界に貢献する国づくりを進めます。


地球環境保全基本法案

自 由 党

目次
 第一章 総則(第一条―第十条)
 第二章 地球環境の保全に関する基本的施策
  第一節 施策の策定等に係る指針(第十一条)
  第二節 地球環境基本計画(第十二条)
  第三節 国が講ずる地球環境の保全のための施策等(第十三条―第二十七条)
  第四節 地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力等(第二十八条―第三十一条)
  第五節 地方公共団体の施策(第三十二条)
  第六節 費用負担等(第三十三条―第三十六条)
 附則

 第一章 総則

 (目的)
第一条 この法律は、地球環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、地球環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、地球環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに地球環境の保全を通じて積極的に世界に貢献することを目的とする。

 (定義)
第二条 この法律において「地球環境の保全」とは、地球の全体又は一部の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全をいう。

2 この法律において「地球環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、地球環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

3 この法律において「地球全体等に係る環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る地球環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

4 この法律において「公害」とは、地球環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

 (基本理念)
第三条 地球環境の保全は、地球の環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること及び生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っており人類の存続の基盤である限りある地球の環境が、人間の活動による地球環境への負荷によって損なわれるおそれが生じてきていることにかんがみ、人間の活動が生態系の微妙な均衡に影響を及ぼすことを厳に抑制することにより人類と自然との共生が実現され、並びに現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな地球の環境の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である地球の環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。

2 地球環境の保全は、廃棄物の排出を抑制し並びにこれを再使用し及び再生利用すること、化学物質の環境への排出量の把握をし及びその管理の適正化を図ることその他の地球環境の保全に関する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われるようになることによって、健全で恵み豊かな地球の環境を維持しつつ、地球環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、並びに地球的規模の幅広い視点に立ち、及び科学的知見の充実の下に地球環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として、行われなければならない。

3 地球全体等に係る環境保全が人類共通の課題であるとともに国民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であること及び地球全体等に係る環境保全に積極的に取り組むことが国際社会の一員としての我が国の責務であることにかんがみ、地球全体等に係る環境保全は、我が国が、その能力を生かして、及び国際社会において我が国の占める地位にふさわしい主導的役割を担いつつ、自ら率先して積極的に推進しなければならない。

 (国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、地球環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、地球環境の保全に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (事業者の責務)
第六条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する

2 事業者は、基本理念にのっとり、地球環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。

3 前二項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、地球環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる地球環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の地球環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。

4 前三項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う地球環境への負荷の低減その他地球環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する地球環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

 (国民の責務)
第七条 国民は、基本理念にのっとり、地球環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う地球環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、国民は、基本理念にのっとり、地球環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する地球環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

 (法制上の措置等)
第八条 政府は、地球環境の保全に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

 (年次報告等)
第九条 政府は、毎年、国会に、地球の環境の状況及び政府が地球環境の保全に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。

2 政府は、毎年、前項の報告に係る地球の環境の状況を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。

 (放射性物質による大気の汚染等の防止)
第十条 放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)その他の関係法律で定めるところによる。

 第二章 地球環境の保全に関する基本的施策

  第一節 施策の策定等に係る指針

第十一条 この章に定める地球環境の保全に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行わなければならない。

一 人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の地球の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

二 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

三 人と自然との豊かな触れ合いが保たれること。

  第二節 地球環境基本計画

第十二条 政府は、地球環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、地球環境の保全に関する基本的な計画(以下「地球環境基本計画」という。)を定めなければならない。

2 地球環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 地球環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
二 前号に掲げるもののほか、地球環境の保全のための教育その他の地球環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 環境大臣は、地球環境基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 環境大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、地球環境基本計画を公表しなければならない。

5 前二項の規定は、地球環境基本計画の変更について準用する。

  第三節 国が講ずる地球環境の保全のための施策等

 (国の施策の策定等に当たっての配慮)
第十三条 国は、地球の環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、地球環境の保全について配慮しなければならない。

 (事業の計画段階における環境影響評価の推進)
第十四条 国は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、その事業に関する計画その他これに類するものの立案の段階において、あらかじめその事業に係る地球の環境への影響について自ら適正に調査又は予測をし、その調査又は予測の結果について、地球環境の保全に関し専門的知識を有する者による評価を受け、その評価の結果に基づき、その事業に係る地球環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

 (地球環境の保全のための規制)
第十五条 国は、地球環境の保全のため、次に掲げる規制の措置を講じなければならない。

一 温室効果ガスの排出に関し、事業者等の遵守すべき基準を定めること等により行う地球全体等に係る環境保全のために必要な規制の措置

二 本邦以外の地域において行われる事業活動に関し、その事業活動が行われる地域において地球環境の保全上の支障が生ずることを防止するために必要な規制の措置

三 人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある物質の排出に関し、事業者等の遵守すべき基準を定めること等により行うその影響を防止するために必要な規制の措置

四 大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染又は悪臭の原因となる物質の排出、騒音又は振動の発生、地盤の沈下の原因となる地下水の採取その他の行為に関し、事業者等の遵守すべき基準を定めること等により行う公害を防止するために必要な規制の措置(前号に掲げるものを除く。)

五 土地利用に関し公害を防止するために必要な規制の措置及び公害が著しく、又は著しくなるおそれがある地域における公害の原因となる施設の設置に関し公害を防止するために必要な規制の措置

六 自然環境を保全することが特に必要な区域における土地の形状の変更、工作物の新設、木竹の伐採その他の自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、その支障を防止するために必要な規制の措置

七 採捕、損傷その他の行為であって、野生植物の原種等保護することが必要な野生生物の種、地形若しくは地質又は温泉源その他の自然物の適正な保護に支障を及ぼすおそれがあるものに関し、その支障を防止するために必要な規制の措置

八 公害及び自然環境の保全上の支障が共に生ずるか又は生ずるおそれがある場合にこれらを共に防止するために必要な規制の措置

2 前項に定めるもののほか、国は、人の健康若しくは生活環境に係る地球環境の保全上の支障を防止し、又は地球全体等に係る環境保全を推進するため、同項第一号から第五号までに掲げる措置に準じて必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。

 (地球環境の保全上の支障を防止するための助成措置)
第十六条 国は、地球環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(以下この条及び次条において「負荷活動」という。)を行う者がその負荷活動に係る地球環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることを助長することにより地球環境の保全上の支障を防止するため、その負荷活動を行う者にその者の経済的な状況等を勘案しつつ必要かつ適正な経済的な助成を行うために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

 (ごみの処理の有料化に係る施策の実施等)
第十七条 国は、地方公共団体が行うごみの処理の有料化に係る施策を策定し、及び実施すること等により、負荷活動を行う者がその負荷活動に係る地球環境への負荷の低減のために要する費用を負担することの必要性について、負荷活動を行う者の意識の啓発を図るものとする。

 (地球環境の保全に関する事業の推進)
第十八条 国は、健全な生態系の創出のための国土の緑化事業その他の地球環境の保全のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

2 国は、緩衝地帯その他の地球環境の保全上の支障を防止するための公共的施設の整備及び汚泥のしゅんせつ、絶滅のおそれのある野生動植物の保護増殖その他の地球環境の保全上の支障を防止するための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

3 国は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設、地球環境への負荷の低減に資する交通施設(移動施設を含む。)その他の地球環境の保全上の支障の防止に資する公共的施設の整備及び森林の整備その他の地球環境の保全上の支障の防止に資する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

4 国は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

5 国は、前二項に定める公共的施設の適切な利用を促進するための措置その他のこれらの施設に係る地球環境の保全上の効果が増進されるために必要な措置を講ずるものとする。

 (環境産業の振興)
第十九条 国は、健全で恵み豊かな地球の環境を維持しつつ、地球環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会の構築を推進するため、再生資源を原材料として使用する製品又は温室効果ガスの排出の抑制に資する製品を製造する事業その他の地球環境の保全に資する産業の振興を図るものとする。

 (地球環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)
第二十条 国は、事業者に対し、物の製造、加工又は販売その他の事業活動に際して、あらかじめ、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる地球環境への負荷について事業者が自ら評価することにより、その物に係る地球環境への負荷の低減について適正に配慮することができるように技術的支援等を行うため、必要な措置を講ずるものとする。

2 国は、再生資源その他の地球環境への負荷の低減に資する原材料、製品、役務等の利用が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

 (地球環境の保全に関する教育、学習等)
第二十一条 国は、地球環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに地球環境の保全に関する広報活動の充実により事業者及び国民が地球環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の地球環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、必要な措置を講ずるものとする。

 (民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)
第二十二条 国は、事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の地球環境の保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

 (情報の提供及び公開)
第二十三条 国は、第二十一条の地球環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに前条の民間団体等が自発的に行う地球環境の保全に関する活動の促進に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、地球の環境の状況その他の地球環境の保全に関する必要な情報を適切に提供し、及び公開するように努めるものとする。

2 国は、前項の規定により情報を提供し、及び公開するに当たっては、民間団体等及び地方公共団体がこれを容易に入手することができるよう必要な措置を講ずるとともに、民間団体等及び地方公共団体との間の情報ネットワークの構築を図るよう努めるものとする。

 (調査の実施)
第二十四条 国は、地球の環境の状況の把握、地球の環境の変化の予測又は地球の環境の変化による影響の予測に関する調査その他の地球の環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。

 (監視等の体制の整備)
第二十五条 国は、地球の環境の状況を把握し、及び地球環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視、巡視、観測、測定、試験及び検査の体制の整備に努めるものとする。

 (科学技術の振興)
第二十六条 国は、温室効果ガスの排出の抑制、ダイオキシン類等有害な物質の無害化及びこれによる汚染の除去並びに廃棄物の減量及び資源の再利用の方法の開発に関する科学技術その他の地球環境の保全に関する科学技術の振興を図るものとする。

2 国は、前項の科学技術のうち国として特に振興を図るべき重要なものについて、これに係る研究及び開発を国家的な事業として行うものとする。

3 国は、民間団体等による地球環境の保全に関する科学技術に関する研究及び開発の促進に資するため、前項の規定により国家的な事業として行われた研究及び開発の成果について、これを無償で広く一般に公開するものとする。

4 国は、地球環境の保全に関する科学技術の振興を図るため、試験研究の体制の整備、研究開発の推進及びその成果の普及、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (公害に係る紛争の処理及び被害の救済)
第二十七条 国は、公害に係る紛争に関するあっせん、調停その他の措置を効果的に実施し、その他公害に係る紛争の円滑な処理を図るため、必要な措置を講じなければならない。

2 国は、公害に係る被害の救済のための措置の円滑な実施を図るため、必要な措置を講じなければならない。

  第四節 地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力等

 (地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力等)
第二十八条 国は、地球全体等に係る環境保全に関する国際的な連携を確保することその他の地球全体等に係る環境保全に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるほか、開発途上にある海外の地域の環境の保全及び国際的に高い価値があると認められている地球環境の保全であって人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するもの(以下この条において「開発途上地域の環境の保全等」という。)に資するための支援を行うことその他の開発途上地域の環境の保全等に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

2 国は、地球全体等に係る環境保全及び開発途上地域の環境の保全等(以下「地球全体等に係る環境保全等」という。)に関する国際協力について専門的な知見を有する者の育成、本邦以外の地域の環境の状況その他の地球全体等に係る環境保全等に関する情報の収集、整理及び分析その他の地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

 (監視、観測等に係る国際的な連携の確保等)
第二十九条 国は、地球全体等に係る環境保全等に関する地球の環境の状況の監視、観測及び測定の効果的な推進を図るための国際的な連携を確保するように努めるとともに、地球全体等に係る環境保全等に関する調査及び試験研究の推進を図るための国際協力を推進するように努めるものとする。

 (地方公共団体又は民間団体等による活動を促進するための措置)
第三十条 国は、地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力を推進する上で地方公共団体が果たす役割の重要性にかんがみ、地方公共団体による地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力のための活動の促進を図るため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

2 国は、地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力を推進する上で民間団体等によって本邦以外の地域において地球全体等に係る環境保全等に関する国際協力のための自発的な活動が行われることの重要性にかんがみ、その活動の促進を図るため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

 (国際協力の実施等に当たっての配慮)
第三十一条 国は、政府開発援助について、地球全体等に係る環境保全等を通じて国際社会の全体にわたり人類の福祉を向上させることとなる事業への重点化を図るものとする。

2 国は、国際協力の実施に当たっては、その国際協力の実施に関する地域に係る地球全体等に係る環境保全等について配慮するように努めなければならない。

3 国は、本邦以外の地域において行われる事業活動に関し、その事業活動に係る事業者がその事業活動が行われる地域に係る地球全体等に係る環境保全等について適正に配慮することができるようにするため、その事業者に対する情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。

  第五節 地方公共団体の施策

第三十二条 地方公共団体は、第三節に定める国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた地球環境の保全のために必要な施策を、これらの総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するものとする。この場合において、都道府県は、主として、広域にわたる施策の実施及び市町村が行う施策の総合調整を行うものとする。

  第六節 費用負担等

 (原因者負担)
第三十三条 国及び地方公共団体は、公害又は自然環境の保全上の支障(以下この条において「公害等に係る支障」という。)を防止するために国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる者(以下この条において「公的事業主体」という。)により実施されることが公害等に係る支障の迅速な防止の必要性、事業の規模その他の事情を勘案して必要かつ適切であると認められる事業が公的事業主体により実施される場合において、その事業の必要を生じさせた者の活動により生ずる公害等に係る支障の程度及びその活動がその公害等に係る支障の原因となると認められる程度を勘案してその事業の必要を生じさせた者にその事業の実施に要する費用を負担させることが適当であると認められるものについて、その事業の必要を生じさせた者にその事業の必要を生じさせた限度においてその事業の実施に要する費用の全部又は一部を適正かつ公平に負担させるために必要な措置を講ずるものとする。

 (受益者負担)
第三十四条 国及び地方公共団体は、自然環境を保全することが特に必要な区域における自然環境の保全のための事業の実施により著しく利益を受ける者がある場合において、その者にその受益の限度においてその事業の実施に要する費用の全部又は一部を適正かつ公平に負担させるために必要な措置を講ずるものとする。

 (地方公共団体に対する財政措置等)
第三十五条 国は、地方公共団体が地球環境の保全に関する施策を策定し、及び実施するための費用について、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるように努めるものとする。

 (国及び地方公共団体の協力)
第三十六条 国及び地方公共団体は、地球環境の保全に関する施策を講ずるにつき、相協力するものとする。

 附 則

 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (環境基本法の一部改正)
第二条 環境基本法(平成五年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

題名を次のように改める。
  環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律

目次及び第一章の章名を削る。

第一条を次のように改める。
  (趣旨)
  第一条 この法律は、環境基準の設定、公害防止の推進及び中央環境審議会等の設置に関する事項について定めるものとする。

第二条から第十三条までを削る。

第二章の章名、同章第一節及び第二節を削る。

第二章第三節の節名を削る。

第十六条に見出しとして「(環境基準)」を付し、同条第一項中「生活環境」の下に「(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)」を加え、同条第四項中「この章」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二章」に改め、「であって公害」の下に「(同法第二条第四項に規定する公害をいう。以下同じ。)」を加え、同条に次の一項を加える。
 5 第二項の規定により都道府県が処理することとされている事務(政令で定めるものを除く。)は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

第十六条を第二条とする。

第二章第四節の節名を削る。

第十七条第二項中「環境基本計画」を「地球環境保全基本法第十二条第一項に規定する地球環境基本計画」に改め、同条を第三条とする。

第十八条を第四条とする。

第二章第五節から第八節までを削る。

第三章の章名及び同章第一節の節名を削る。

第四十一条第二項第一号を削り、同項第二号を同項第一号とし、同項第三号を同項第二号とし、同条を第五条とする。

第四十二条を削り、第四十三条を第六条とし、第四十四条を第七条とする。

第三章第二節の節名を削る。

第四十五条の見出しを「(公害対策会議の設置等)」に改め、同条第二項第一号中「第十七条第四項」を「第三条第四項」に改め、同条を第八条とする。

第四十六条の見出しを「(公害対策会議の組織等)」に改め、同条を第九条とする。

 (地球環境基本計画に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前に前条の規定による改正前の環境基本法第十五条第一項の規定により定められた環境基本計画は、第十二条第一項の規定により地球環境基本計画が定められるまでの間は、同項の規定により定められた地球環境基本計画とみなす。

 (地方自治法の一部改正)
第四条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

別表第一環境基本法(平成五年法律第九十一号)の項中「環境基本法」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律」に、「第十六条第二項」を「第二条第二項」に改める。

 (森林法の一部改正)
第五条 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)の一部を次のように改正する。

第四条第四項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十五条第一項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第十二条第一項」に、「環境基本計画」を「地球環境基本計画」に改める。

 (自然公園法の一部改正)
第六条 自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)の一部を次のように改正する。

第三条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第三条から第五条までに定める環境の保全について」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第三条」に改める。

 (下水道法の一部改正)
第七条 下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。

第二条の二第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

 (環境事業団法の一部改正)
第八条 環境事業団法(昭和四十年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。

第一条の二中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改める。

 (大気汚染防止法の一部改正)
第九条 大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

第五条の二第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。
 第五条の三第二項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改める。

 (公害紛争処理法の一部改正)
第十条 公害紛争処理法(昭和四十五年法律第百八号)の一部を次のように改正する。

第二条中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改める。

第二十四条第一項第一号中「環境基本法第二条第三項」を「地球環境保全基本法第二条第四項」に改める。

第五十条中「環境基本法第三十一条第一項」を「地球環境保全基本法第二十七条第一項」に改める。

 (公害防止事業費事業者負担法の一部改正)
第十一条 公害防止事業費事業者負担法(昭和四十五年法律第百三十三号)の一部を次のように改正する。

第二条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改める。

第二十条第二号中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改め、同条第三号中「環境基本法第四十四条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第七条」に改める。

 (廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正)
第十二条 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)の一部を次のように改正する。

第五条の五第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改める。

 (水質汚濁防止法の一部改正)
第十三条 水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

第四条の二第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

第二十一条第一項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改め、同条第二項中「環境基本法第四十三条第二項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条第二項」に改める。

 (農用地の土壌の汚染防止等に関する法律の一部改正)
第十四条 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和四十五年法律第百三十九号)の一部を次のように改正する。

第三条第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改める。

第五条第五項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改める。

 (公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部改正)
第十五条 公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

第二条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改め、同条第二項中「環境基本法第十七条第三項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第三条第三項」に改める。

 (労働安全衛生法の一部改正)
第十六条 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。

第二十七条第二項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第二条第四項」に改める。

 (自然環境保全法の一部改正)
第十七条 自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。

第二条中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第三条から第五条までに定める環境の保全について」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第三条」に改める。

 (都市緑地保全法の一部改正)
第十八条 都市緑地保全法(昭和四十八年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。

第二条の二第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十五条第一項」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第十二条第一項」に、「環境基本計画」を「地球環境基本計画」に改める。

 (湖沼水質保全特別措置法の一部改正)
第十九条 湖沼水質保全特別措置法(昭和五十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。

第三条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

(自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部改正)
第二十条 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(平成四年法律第七十号)の一部を次のように改正する。

第六条第一項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

第八条第一項中「環境基本法第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第二条第一項」に改める。

 (特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法の一部改正)
第二十一条 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法(平成六年法律第九号)の一部を次のように改正する。

第五条第七項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改め、同条第十一項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改める。

 (大気汚染防止法の一部を改正する法律の一部改正)
第二十二条 大気汚染防止法の一部を改正する法律(平成八年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。

附則第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」に改める。

 (環境影響評価法の一部改正)
第二十三条 環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

第十一条第三項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十四条各号」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)第十一条各号」に改める。

 (環境省設置法の一部改正)
第二十四条 環境省設置法(平成十一年法律第百一号)の一部を次のように改正する。

第四条第四号中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十七条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第三条第一項」に改め、同条第八号中「環境基本法第十六条第一項」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第二条第一項」に改める。

第八条及び第十一条第二項中「環境基本法」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律」に改める。

 (ダイオキシン類対策特別措置法の一部改正)
第二十五条 ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)の一部を次のように改正する。

第十一条第二項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条」に改める。

第二十九条第三項中「環境基本法第四十三条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律第六条」に改める。

 (国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律の一部改正)
第二十六条 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号)の一部を次のように改正する。

第二条第一項第一号中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第一項」を「循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号)第二条第八項」に改める。

 (循環型社会形成推進基本法の一部改正)
第二十七条 循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号)の一部を 次のように改正する。

第一条中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)」を「地球環境保全基本法(平成十五年法律第   号)」に改める。

第二条第八項を次のように改める。
8 この法律において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

第十六条第一項中「環境基本法第十五条第一項に規定する環境基本計画」を「地球環境保全基本法第十二条第一項に規定する地球環境基本計画」に、「「環境基本計画」」を「「地球環境基本計画」」に改め、同条第二項中「環境基本計画」を「地球環境基本計画」に改める。

第二十一条中「環境基本法第二条第三項」を「地球環境保全基本法第二条第四項」に改める。

(特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部改正)
第二十八条 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(平成十五年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。

第四条第四項中「環境基本法(平成五年法律第九十一号)第四十三条又は第四十四条」を「環境基準の設定、公害防止の推進等に関する法律(平成五年法律第九十一号)第六条又は第七条」に改める。

 理 由

近年における環境問題の複雑化、多様化等の諸事情の変化、地球全体等に係る環境問題に対し我が国が主導的役割を果たす必要性の高まり等環境問題の現況にかんがみ、地球環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、地球環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

【自由党】 日本一新 11法案(食糧生産確保基本法案) 

[食糧自給]
11.食料自給率と食品安全性を高める法案(食糧生産確保基本法案) 

国家として必要な主要農産物は、責任をもって自給できるようにします。また、食品の由来が確認できるよう、表示を義務づけます。

添加物などについては記号化により危険の度合いをわかりやすく表示するよう徹底します。

食料の相当部分を輸入に依存している我が国において、主要農林水産物を国内において必要量生産するとともに、安全な食料を安定的に国民に供給することを目的としています。

具体的には、主要農林水産物の自給率の目標を設定したうえ、生産確保のために国が特定農産物の生産目標を定め、それに対する所得保障を実施するなどの施策を定めています。


食料生産確保基本法案

自 由 党


目次
 第一章 総則(第一条―第八条)
 第二章 主要農林水産物基本計画の作成等(第九条・第十条)
 第三章 主要農林水産物の生産確保のための施策(第十一条―第十五条)
 附則


 第一章 総則

 (目的)
第一条 この法律は、食料の相当部分を輸入に依存している我が国において、必要な数量の主要農林水産物を国内で生産できるようにすることが、国民に対し安全な食料を安定的に供給するために不可欠であるだけでなく、国土及び環境の保全を図る上で重要であることにかんがみ、主要農林水産物の生産確保に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、主要農林水産物の生産確保のための施策の基本となる事項を定め、主要農林水産物の生産確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、我が国の食料の生産確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 (定義)
第二条 この法律において「主要農林水産物」とは、米、小麦、大豆、野菜、果実、生乳、肉類、魚介類、海そう類、きのこ類その他の国民の食生活に関して重要な地位を占めているものとして政令で定める農林水産物をいう。

 (基本理念)
第三条 主要農林水産物の生産確保は、国内において、国民に対し安定的な供給を行うために必要な数量の生産が確保されることを目標として、行われなければならない。

2 主要農林水産物の生産確保に当たっては、主要農林水産物が食生活その他健康で充実した生活の基礎として国民の健康に大きな影響を及ぼすことにかんがみ、その安全性の確保が図られなければならない。

3 主要農林水産物の生産確保に当たっては、その実現を図ることが国家の存立にかかわる重要な課題であることにかんがみ、国が必要な関与を行わなければならない。

4 主要農林水産物の生産確保は、市場原理の活用を図りつつ、生産者の自主性及び創造性を十分に発揮させるとともに、主要農林水産物の品質の向上を図ることを旨として、行われなければならない。

5 主要農林水産物の生産確保に当たっては、このために必要な助成の措置について広く国民の理解が得られるよう、適切な情報の公開によりその透明性及び公正性が確保されなければならない。

6 主要農林水産物の生産確保に当たっては、各地域の気候、風土等地域の特性を生かした主要農林水産物の生産が図られなければならない。

 (国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、主要農林水産物の生産確保に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、主要農林水産物の生産確保に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (生産者の協力)
第六条 主要農林水産物の生産者は、その生産活動を行うに当たっては、主要農林水産物の生産者としての責任を自覚し、国及び地方公共団体が実施する主要農林水産物の生産確保に関する施策に協力するよう努めなければならない。

 (国民の理解)
第七条 国民は、主要農林水産物の生産確保及びその自給率の向上についての理解を深めるよう努めなければならない。

 (法制上の措置等)
第八条 政府は、主要農林水産物の生産確保に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

 第二章 主要農林水産物基本計画の作成等

 (主要農林水産物基本計画の作成等)
第九条 政府は、主要農林水産物の生産確保に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、主要農林水産物の生産確保に関する基本的な計画(以下「主要農林水産物基本計画」という。)を定めなければならない。

2 主要農林水産物基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 主要農林水産物の生産確保に関する施策についての基本的な方針
 二 毎年度における主要農林水産物の品目ごとの自給率の目標
 三 主要農林水産物の生産確保に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策
 四 前三号に掲げるもののほか、主要農林水産物の生産確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 農林水産大臣は、主要農林水産物基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 農林水産大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、主要農林水産物基本計画を公表しなければならない。

5 前二項の規定は、主要農林水産物基本計画の変更について準用する。

 (主要農林水産物基本計画と国の他の計画との関係)
第十条 主要農林水産物基本計画以外の国の計画は、主要農林水産物の自給率の目標に関しては、主要農林水産物基本計画を基本とするものとする。

 第三章 主要農林水産物の生産確保のための施策

 (計画的な生産の実施)
第十一条 国は、特定農産物(主要農林水産物のうち米、小麦、大豆、牛肉、豚肉その他の政令で定める農産物をいう。以下同じ。)について、国内において、国民に対し安定的な供給を行うために必要な数量(備蓄に必要な数量を含む。)の生産が確保されるよう、生産数量の目標の設定及び当該生産数量の生産者の申請に基づいた割当て並びに当該生産に係る農業所得を確保するための交付金の交付その他の特定農産物の計画的な生産に関し必要な施策を講ずるものとする。

 (生産奨励のための助成)
第十二条 国は、特定農産物以外の主要農林水産物の生産を奨励するため、その生産者に対する助成を行うために必要な施策を講ずるものとする。

2 前項の助成を行うための施策を講ずるに当たっては、複雑な現行の助成制度の見直しを行い、制度の簡素化及び効率化を図るものとする。

 (品種改良の推進等)
第十三条 国は、国内における生産では需要を満たしていない主要農林水産物について、その品質の改善が図られ、又はその生産が可能となるよう、品種改良その他の生産に関する技術の研究開発の推進及びその成果の普及のために必要な施策を講ずるものとする。

 (生産情報の管理等)
第十四条 国は、主要農林水産物の安全性を確保するため、その生産等に係る情報の正確かつ適切な管理及び伝達に関し必要な施策を講ずるものとする。

 (固有の食文化についての啓発等)
第十五条 国は、我が国固有の食文化の普及が主要農林水産物の自給率を向上させる上で重要な役割を果たすことにかんがみ、我が国固有の食文化に関する啓発及び知識の普及のために必要な施策を講ずるものとする。

 附 則

この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 理 由

食料の相当部分を輸入に依存している我が国において、必要な数量の主要農林水産物を国内で生産できるようにすることが、国民に対し安全な食料を安定的に供給するために不可欠であるだけでなく、国土及び環境の保全を図る上で重要であることにかんがみ、主要農林水産物の生産確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、我が国の食料の生産確保を図るため、主要農林水産物の生産確保に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、主要農林水産物の生産確保のための施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

2003年7月24日木曜日

【国内マスメディア】 NHKの誤報

東大評議会についてNHKが誤報
                         東職書記長

本日(7/24)東京大学で行なわれた臨時評議会の結果について、NHKが下記【1】の報道を行なっています。(放映されたニュースは下記URLから「VIDEO」をご覧下さい。)
これは全くの誤報であり、東京大学はNHKに対し早急に抗議を行なうべきです。
しかも「今後ほかの大学でもこうした動きが出てきそうです。」などと全国的な波及を促すような表現を用いていることには、全国の大学からも抗議の声を集中すべきであると
言えます。
東職はNHKに対し、正式に抗議文を送付する準備を行なっています。

 実際には所信表明の信任投票は行なわれず、「決議」が行なわれ、内容については、下記【2】のとおりであると、学部の学部長から教職員に報告されています。

 なお、東職は7.24臨時評議会の結果を受けた東職声明をホームページに掲載しています。
こちらもごらんください。東職HP=http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/


【1】NHKのウェブサイト------------------------------------------------------

http://www3.nhk.or.jp/news/2003/07/24/k20030724000081.html

07/24 15:14
 東京大学は、35年ぶりに学長の信任投票を行い、佐々木学長が信任されました。来年4月から国立大学が国立大学法人に移行することを受けて学長の権限が強まることから、今後ほかの大学でもこうした動きが出てきそうです。

--------------------------------------------------------------------------------

【2】学部長から教職員に配信された7.24臨時評議会の決議内容(所信表明の信任投票は行なわれませんでした)
-----------------------------------------------------

7月15日の総長の所信表明を受けて、これに応える意味で東京大学評議会は次のとおり決議する。

1 所信表明で述べられている諸点、具体的には、下記の点について、評議会は同じ理解にたつ。

1)国立大学法人化にともない、法人への移行作業は、従来の連続線上で取り組むことができない多くの課題を抱えている。
2)法人化後も、東大憲章に則り、学問研究と教育において国際的に名誉ある地位を占めるという基本目標を堅持する。短期的視野に立って行動しない。
3)法人化後は、大学が資源の管理に直接責任を負うことになるので、法人の自立性を可能にする組織体を創り出す必要がある。
4)そのためには、総長のリーダーシップを確立することが不可欠である。
5)その中には、短期間に法人への移行を可能にするために必要な組織運営、人事制度、財務会計等に関する検討を深め、迅速で有効な意思決定を進めることを含む。
6)総長がリーダーシップを発揮するためには、一定の裁量可能な資源が必要である。

2 評議会は以上の認識を共有しつつ、法人化に向けて、審議決定機関としての自らの責任を全うする決意を表明する。総長のリーダーシップのもと、必要な事項については、大学構成員の意見を十分聞きながら、迅速、的確な決定を下していく。評議会は最高意志決定機関としての権能を有効・的確に発揮する。

2002年6月28日金曜日

【細川内閣】 小池百合子

細川首相退陣の引き金は「北朝鮮有事」だった

 細川政権時代、総理の首席秘書官を務めた成田憲彦氏による小説「官邸」(講談社刊)がベストセラーとなっている。歴代の総理は、議員と二人三脚で長年政治生活をともにしてきたベテラン秘書を総理秘書官として起用するのがふつうだが、国会図書館職員で政治、選挙制度研究の第一人者、学者肌の成田氏の起用は、細川護煕氏らしい選択だった。  著書は上下二巻にわたる大作で、38年ぶりの非自民党政権の表と裏を知り尽くした成田氏だけある。小選挙区導入を含む政治改革法案やコメの自由化に関するウルグアイ・ラウンド対応など、当時の重要政策を巡ってギクシャクする連立与党内の複雑な人間模様や、野党、官僚との駆け引きを詳細に、リアルに描き出している。  小泉政権の9割近い数字には届かないが、70%を超える支持率を記録しながらも、細川政権はなぜ、わずか10ヶ月で終焉を迎えたのか。その理由は1つではない。成田氏は行政、政治改革といった表看板でのもたつきや、佐川急便問題などのスキャンダルによる挫折よりも、国民福祉税導入騒ぎを含む「税制改革」への挑戦と失敗を最大の柱とした。  新党旗揚げ直後から、参院選(1992年)続く総選挙(93年)、そして細川政権樹立と、日本新党に関わってきた私の見方はまったく違う。  ずばり、北朝鮮問題だ。

米国が武村官房長官を不安視

 94年2月12日夜、日米包括協議のためにワシントンを訪問中の細川護煕総理(当時・以下同じ)から、私の東京での居所である高輪の衆議院議員宿舎に電話が入った。受話器からは、意外な名前が飛び出した。
「武村さんは問題だっていうんです」
 武村さんとは、言うまでもなく、細川連立政権のパートナーであり、新党さきがけの代表であった武村正義官房長官のことである。実際、ワシントンから帰国直後の2月15日、細川総理は唐突に内閣改造の意向を表明し、武村官房長官と村山富市社会党委員長からは猛烈な反発が巻き起こった。
 日米包括協議「決裂」というこれまでの日米交渉にはない厳しい結果を迎える一方で、ワシントン滞在中の細川総理は、アメリカの政府高官から北朝鮮情勢が緊迫していること、朝鮮半島有事の際の日本の安全保障上の問題点を指摘された。米側から核兵器の開発現場を含む衛星写真の提示もあったと聞く。ホワイトハウスが抱く最大の不安は、朝鮮半島にからむ情報が、日本と共有するにあたって、他へ漏れる恐れがあることだった。日本の中枢、他でもない総理官邸におけるナンバー2、武村官房長官から北朝鮮へ流れるのではないか、との不安だという。官房長官の更迭という重要閣僚の人事にからむ話だけに、一国の総理へのアメリカ側の伝え方は慎重だったろうが、内政干渉以外のなにものでもない。
 細川氏は新党立ち上げ以前からも、当時は自民党衆議院議員だった武村氏、田中秀征氏らと秘密裏に打ち合わせを重ね、着々と政界復帰のシナリオを練っていた。細川氏が月刊誌に寄せた一文に、編集部が「民主改革連合結党宣言」と大胆なタイトルを打ったために、92年5月、準備半ばで慌てて新党を結成。7月の参院選で細川氏と、現役キャスターからにわかに政界に転じた私を含め、4人が当選した。華々しく政界再デビューを果たした細川氏は本来のターゲットであった総選挙の準備に専念し、毎晩のように、武村、田中両氏と今後の段取りなどの打ち合わせを重ねていた。まさに同志であった。
 翌93年6月18日、宮沢内閣不信任案の可決を受けて、武村氏らは自民党から集団離党、新党さきがけを設立した。新党ブーム一色となった総選挙で、日本新党、さきがけ、同じく自民党を離党した小沢一郎氏、羽田孜氏らによる新生党がそれぞれ大躍進を遂げた。7月29日、これら新党に社会党、公明党、民社党と社民連を加え、7党1派による非自民政権が成立する。武村氏は当初、自民党を相手に審議をこなすのは無理と、自民党との連立を優先しようとしていたが、日本新党の若手の猛反対で非自民政権が選択された。その結果、細川氏が総理に、総理の女房役である官房長官に武村氏が就任した。
 細川・武村両氏の結び付きの強さを知っていた私からすれば、武村氏の官房長官への就任に違和感はなかった。その後、官邸の細川総理を支えたのは、新人議員ばかりの日本新党議員ではなく、武村官房長官、鳩山由紀夫官房副長官、そして細川氏自らがブレーンとして任命した田中秀征総理補佐官だった。 
 94年2月3日未明、突然、まさに突然、細川総理は国民福祉税なる新税導入案を発表した。これまでの消費税を廃止し、国民福祉税として7%の直接税を設けるというものだった。記者から数字の根拠を尋ねられ、総理は「腰だめの数字」としれっと答えたのは強烈な印象を残した。増税という、政治の重要課題をこれほど安易に提案した例はない。その分、撤回されるのも早かった。武村官房長官が記者会見で新税導入は「あやまち」と切って捨て、総理を批判。細川総理もあっさりと引き下がるかたちで事態を収拾したが、これまでの同志、細川・武村ラインに取って代わって、いわゆる一・一ライン(小沢一郎新生党代表幹事、市川雄一公明党幹事長)へとすでに体重移動していたことも事実だ。
 とはいえ、女房役の武村官房長官のクビを自らが斬らねばならない事態に直面し、細川総理は悩み抜いた。ふだんの相談相手の処遇だけに、誰に相談するかを含め、迷ったに違いない。ワシントンからの電話を受けた私も、ことが国家の安全保障上の話であり、連立政権の命運に関わる重大な内容に驚き、迷った。
 当時、すでに北朝鮮は社会主義、全体主義政策の失敗で崩壊寸前にあり、食糧不足から数十万人の餓死者が出ていると、おどろおどろしく伝えられていた。一方で、核兵器の開発が着々と進められているとの疑惑もあった。IAEA(国際原子力機関)による核施設の査察を巡って、北朝鮮はアメリカとギリギリの駆け引きを続けていたが、まさに一触即発の状態だった。

朝鮮半島有事への対応で悩んだ細川総理

 細川総理は連立解消にも繋がりかねない内閣改造に踏み切るか否か、そして緊迫する北朝鮮情勢への対応と2つの大きな課題に揺れ続けた。
 なにしろ、個々の具体的政策や党の歴史が異なる7党1会派からなる細川連立政権である。「寄せ集め」「ガラス細工」と発足当初から、そのぎくしゃくぶりを揶揄されていた。大きなくくりとしての政策合意は存在しても、特に国家運営の基本である安全保障政策についての各党の違いは歴然としており、護憲を旗印としてきた社会党の象徴である土井たか子氏は、ていよく衆院議長に祭り上げられていた。政治改革や行政改革など、国内問題では足並みが揃っても、危機管理という国家運営、政治の最大の役割において、各党の政策には開きがありすぎた。「待ったなし」の判断を迫られるような状況に至れば、たちまち瓦解する危険をはらんだ、文字通りガラス細工の政権だった。
 朝鮮半島有事となると、湾岸戦争の時のように、国会で延々と神学論争を繰り広げる暇はない。ましてや牛歩国会など、できるはずもない。わずか8分で北朝鮮からミサイルはわが国に到達するのだ。たとえ有事への事前、直前警告があったとしても、日本には有事法制が整っていない。日米安保についても、法解釈で揉めたり、実際の自衛隊出動も混乱することが予想され、不安材料は山積みしていた。ひとことで言うと、日本は何も起こらないことを前提として、ようやく成り立つ国なのだ。
 細川総理はこれら有事に必要な閣議決定において、閣僚全員のサインが揃うかどうか、その際の対応はどうすべきか、思いを巡らせていた。それにしても、武村官房長官の処遇は、改造の意向を表明した瞬間から官邸でのギクシャク度を増していただけに、早く結論を出さねばならなかった。総理と官房長官の物言いが少しでも違えば、野党から内閣不一致と付け込まれる。
 細川総理は物事を決める際、よく人の話を聞いた上で、最後に決断するタイプだ。周囲には、学者や文化人などのブレーンがキラぼしのようにいて、テーマ毎に相談を持ち掛けていた。ただ、アドバイスした内容と、本人の決断の中身が大きく異なる時があり、不満を漏らす人もいた。ブレーンの間では、細川総理へのアドバイスのコツは一番最後に吹き込むことだと囁かれていた。これは祖父にあたる近衛文麿元総理からの伝統とのことであった。
 3月2日、時計の針が午後10時を回った頃、そろそろ頃合と感じた私は、総理官邸に電話を入れた。武村官房長官を更迭やむなしとの意見を伝えるためだった。有事の際、総理と官房長官で方向性が違うのはまずいという基本的な判断に立ったからだ。そのことを伝えると、電話口の向こうでは、長い沈黙があった。そして一言、
「そうですか。そう思われますか」
と、気のない返事が返ってきた。
 それから30分もしないうちに、内閣改造を断念する旨の総理会見が行われた。電話を入れた時点で、ぶら下がり会見の設定がされていたのだ。すでに後の祭りだった。
 官邸内の亀裂が深まるとともに、国会では細川総理に絡む佐川急便疑惑の究明が進んでいたが、国内での混乱と北朝鮮情勢は別物だ。
 3月19日、板門店で行われた韓国と北朝鮮の南北会談で、北朝鮮の代表は「戦争が起これば、ソウルは火の海になる」と、世界をどう喝した。さらにIAEAの査察を拒否、態度をますます硬化させていった。細川総理は国内のゴタゴタを避けたい気持ちもあったろう。官邸の主として、北朝鮮有事を防ぐための努力にエネルギーを注入していた。3月19日には訪中し、江沢民主席に中国の北朝鮮への影響力行使を要請、24日には韓国の金泳三大統領を迎えて、対北朝鮮で日米韓の協力を確認した。

突然の退陣表明

 4月5日、参院議員のコロムビア・トップ氏らとの夕食の最中に、細川総理が「やめたい」と辞意を漏らしたことから、流れは一気に辞任の方向へと傾く。私もそんな心情を幾度か聞いてはいたが、悪い冗談としか受け取っていなかった。が、本人は、本気だった。「北朝鮮が暴発すれば、今の体制では何もできない。ここは私が身を捨てることで、社会党を斬らなければダメなんです。それで地殻変動を起こすしかないんです」
 4月8日、ついに細川総理が退陣を表明した。最終的な決意については、誰にも相談はなかった。細川総理が北朝鮮有事への対応に追われる一方で、自民党と社会党の55年体制コンビによる政権奪取計画は着々と進んでいた。「社会党斬り」どころか、自社さ三党による「細川斬り」が成功した。
 その後、渡辺美智雄元副総理の離党騒ぎや、海部俊樹元総理や鹿野道彦衆院議員が相次ぐ離党と新党結成、社会党の連立離脱と、政界は地震と津波と大火事が一度に襲ってきたような状態となる。結局、少数与党による羽田政権が誕生したが、わずか2ヵ月後に崩壊した。北朝鮮有事どころか、日本国内の政治が有事へと陥っていた。
 そして6月29日、社会党の村山委員長と自民党を離党した海部元総理との衆院本会議場での対決は261対214となり、自民・社会・さきがけ三党による村山連立政権が勝利、誕生した。皮肉なもので、日本を有事に対応させるべく、武村氏更迭を進言したアメリカが見たのは、社会党委員長の総理就任という驚くべき結果だった。
 北朝鮮情勢にも大きな変化が生じていた。IAEAの核施設査察を巡る駆け引きでは、北朝鮮の度重なる消極的な対応にしびれを切らしたIAEAは、理事会で北朝鮮に対する制裁決議を採択するなど、国際社会も北朝鮮に対しての態度をさらに硬化させた。北朝鮮がIAEAからの即時脱退を発表した6月13日、アメリカのジミー・カーター元大統領が訪朝、16日にはカーター、金日成会談が実現した。朝鮮半島での一触即発の事態をカーター元大統領が平和の使者として食い止めたと、賞賛の声もあった。
 ところが、7月9日に金日成主席が急逝したことで、事態は立ちすくみ、じりじりと後戻りを続けた。結果的にカーター訪朝はその時点での北朝鮮の爆発は防げたものの、問題を温存させただけだった。最近のカーター元大統領のキューバ訪問の様子もある意味で感慨深い。
 日本の政権崩壊をも可能としてしまう北朝鮮は、アメリカが「悪の枢軸」と指定する以前から、日本にとっては最も近くて、厄介、そして危険な存在であることは言うまでもない。最近では東シナ海で沈没した不審船問題、中国・瀋陽での日本総領事館への駆け込み事件、古くて新しい有本恵子さんら日本人拉致問題と、北朝鮮を巡る問題は枚挙に暇がない。つまり北朝鮮の緊張状態は細川政権以来、何ひとつ変わっていないわけで、だからこそ、わが国として、最悪の事態には万全の備えをし、同時に最悪の事態を避けるための努力が必要なのである。
 国家であれ、企業であれ、あらゆる組織運営に必要な4つの要素として、「人、モノ、カネ、情報」があげられる。わが国はこれらの四要素すべてにおいて、北朝鮮との軋轢を抱えている。すべて日本から北朝鮮に吸い上げられていると言ったほうが正しい。

朝銀に1兆円もの公的資金を注入

 第一に、「カネ」の分野だが、私は日本における北朝鮮系の金融機関、朝鮮信用組合に1兆円もの公的資金を投入する問題に関して、99年7月6日、議員として初めて国会(大蔵委員会、現金融財政委員会)の場で取り上げた。同僚だった西村愼吾議員から、
「朝銀に3000億円の公的資金が注入されたのを知ってるか。ワシ、金融のことはようわからへんから、ちょっと調べといて」
 と、聞かされたことがきっかけだった。当時(今もだが)、不良債権処理問題に追われる大蔵委員会(現財政金融委員会)では金融機関へ兆単位の公的資金を注入する問題で与野党が侃々諤々の議論を展開していた。ところが大蔵委員会の委員でさえ、破綻した北朝鮮系の朝銀大阪に3101億円もの公的資金が注入された事実を知らなかった。どうして資金注入が行われたのか、なぜ破綻するにいたったか、誰が管理していたのか、カネはどこへ消えたのか、調べれば調べるほど、驚くべき事実が判明した。自分でも恐ろしくなったし、「ほどほどにしておいたほうが、身のため」という忠告もあった。
 しかし、いっけん金融問題のようでいて、実はわが国の安全保障にかかわる問題と考え、気合を入れた。むしろおおっぴらにすることで、かえって身の安全が守られるとの思いもあった。今では「朝銀問題を考える超党派の会(中山利生会長)」なる組織、仲間もでき心強い。
「朝銀北海」から「朝銀東京」「朝銀大分」まで、主に在日朝鮮人を顧客とする朝銀は、全国に33の本店、170にのぼる支店を有した民族系の金融機関である。他の邦銀、信金、信組と同様、バブルに踊り、破綻の道をひた走った点は同じだが、最大の違いは北朝鮮本国への資金調達のための財布的存在であったことだ。帳簿類も雑、もしくは存在せず、およそ金融機関としての体をなしていない、お友達、親戚縁者間の頼母子講のようなものだった割には、扱い額は億単位で、担保価値のない物件に平気で数十億円の融資を行った。
 結果として、破綻し、金融債務超過分の公的資金を新たな受け皿信組で受け取ってきた。法的根拠である金融再生法の期限が切れる本年3月31日までに、旧信組は次々に破綻、変わって受け皿機関が駆け込みで設立された。現在は全国7つの信組に集約され、これまでに投入された公的資金は総額で6231億円に上る。今後、条件さえ満たせば、6月末までに新設4組合を対象に4000億円が投入される予定だ。合せて1兆円の資金が、間接的に北朝鮮の金正日政府へ「プレゼント」されるわけだが、そうはいかない。ましてや領収書代わりに、ミサイルをお見舞いされてはたまらない。

朝銀と朝鮮総連との密接な関係

 民族系であれ、日本の金融機関である限りは、朝銀関係信組には公的資金を受ける権利はある。しかし、北朝鮮への送金疑惑、おびただしい架空、借名口座の存在、実質的には朝銀本店と言われる朝鮮総連との密接な関係などが、次々と浮上した。2001年11月28日には、朝銀東京の不正資金流用事件に関連して、北朝鮮の駐日大使館ともいえる朝鮮総連中央本部に警視庁の家宅捜索が行われる事態にまで至った。
 特に最後まで受け皿が確定しなかった四信組(ハナ、ミレ、京滋、兵庫ひまわり信用組合)については、新設組合設立の定款に朝鮮総連の役員経験者を役員としないという項目を盛り込ませた。まともな金融機関として体面を保ち、公的資金を受ける信組の役員には、理事長職などに在日朝鮮人の名士を持ってこようとするものだ。が、名士であればあるほど、朝鮮総連とのつながりは強く、現役役員、または役員経験者名が並んでしまう。実際、総連とのかかわりを持たずにいることの方が難しい。
 実際、四信組の役員の中には、総連の実働部隊である非公然組織「学習組」のメンバーを含む該当者が多数存在し、定款に抵触していた。これでは新設信組設立の条件を満たしているとはいえない。この条件を定款に盛り込んだ時点で、通りすがりの在日朝鮮人の名前でも借りてこない限り、信組の体裁は整わないことになる。これでは借名口座ならぬ、借名役員の名がズラリと並ぶかもしれない。問題は、金融庁が役員人事について、申請書による審査しかしておらず、先方の言いなりであったことだ。長年、朝銀の杜撰な運営を放置してきたのは、他でもない日本の甘い対応だったのではないか。
 すでに6000億円もの巨額の公的資金が注入されている。北朝鮮からすればほぼゲームは終わって、あとは夏のボーナス4000億円が入れば「御の字」と考えているかもしれない。いずれにせよ6月末までの攻防は続く。
 今年の正月に続いて、連休中の5月に、私はワシントンを訪れ、アーミテージ国務副長官、ボルトン国務次官補、プリチャード北朝鮮特使らと意見交換をした。アメリカも朝銀問題に対する関心は極めて高い。プリチャード氏はミッキーマウスの時計とネクタイを好むキャリア外交官だが、長年、朝鮮半島問題に関わってきた専門家であり、北への刺激をできるだけ控える慎重派である。概してキャリア外交官には慎重派、リベラル派が多い。政治任命を受けた政府高官は時々の政権次第でがらりと変わる。強硬派が多いブッシュ政権の場合は、94年のカーター訪朝が問題をさらに深く、先延ばしすることになったと受け止める人が多い。対中東政策も同じで、クリントン前大統領が功名心からか、政権末期にパレスチナ問題、中東政策を中途半端にいじったことが、ウサマ・ビンラーディンやアルカーイダをのさばらせ、パレスチナ問題を複雑化にしたと考える。

無防備な日本の情報管理体制

 第二の「情報」については、情報漏洩と情報収集と、二方面で考えねばならない。
 漏洩については、北朝鮮を旅行中、拘束され、2年間にわたり平壌で取り調べを受けた元日経新聞社員の杉島苓氏が月刊誌に寄せた手記は衝撃的であった。北朝鮮当局が杉島氏に関する日本の公安・内調情報を、ほとんど握っていたというくだりには戦慄を覚えた。公安関係者が北朝鮮と通じているなどとは考えたくもないが、では誰が通報したのか。日本の公安への信頼を失われるための北の高等戦術か。大問題である。
 ここで先述した武村官房長官のことを思い出したい。アメリカが武村氏と北朝鮮の関係をどこまで知り得たかは、わからない。実際に、どこまで関係があったかも、私には知り得ない。しかし、アメリカが同盟国とはいえ、時の総理に官房長官の更迭を示唆するのはよほどのことである。他にも、情報漏洩のチャネルは多数存在すると聞く。
 鈴木宗男氏問題で、情報収集力に優れ、ラスプーチンとも呼ばれた佐藤優分析官が注目されたが、情報収集力は情報提供量とバランスすると考えてよいだろう。支援委員会の巨額の予算を私物化していたとあるが、これこそ本来の意味での機密費だったのではないか。その情報を私物化したことが問題だろう。
 情報面で、日本はあまりにも無防備すぎる。何が真の情報、機密か、判断力に欠ける国家として、個人として、致命的な欠陥を感じる。今年は日中友好条約締結30周年だが、その前に、日本の頭越しに米中関係を結んだキッシンジャー氏の判断理由が、日本に伝えると「容易に情報が漏れるから」というのは妙に頷ける。
 またどんなに高能力の情報収集衛星を、大枚はたいて導入しても、情報の分析力を有さずしては、宝の持ち腐れだし、何よりも、自国の持てる情報収集衛星以上の商品を、他国に売り渡すようなことはしない。

北朝鮮には確固たる安保政策が必要

第三はモノだ。度重なる不審船問題も、ミサイル開発、核兵器開発の材料、開発ソフトのいずれもが日本からのモノがほとんどである。第三国を通じたり、部品を分解しての輸出など、巧みに行なわれている。かつてのソ連・東欧貿易におけるCOCOM(対共産圏輸出統制委員会)のように、日本政府はさらに厳しい目を向けなければならない。
 最後に、もっとも大切な「人」だが、長年にわたる両親の訴えにもかかわらず、先日、ようやく11番目の拉致認定対象となった有本恵子さんが神戸出身だったことから、私は時折、両親である有本夫妻と連絡を取り合っている。新拉致議員連盟の副会長にも就任したばかりだ。ご両親に国会の場で参考人として意見陳述をしてもらおうと、衆院安全保障委員会への招致も決めた。
国会招致について、最初は有本夫妻は懐疑的だった。この話もどこかで、誰かに必ずつぶされて、実現しないと言うのだ。よほどこれまで嫌な思いばかりをさせられたのだろう。娘を返してほしいという親として当然、かつ切実な思いを何度も外務省に陳情する度に、不愉快な思いをしてきた夫婦だけに、何を信じてよいのかとの思いは極めて強い。
近く北朝鮮で恵子さんと日本のテレビ局とのインタビューが行われるとの情報に、プロパガンダに使われるだけではないかと、新拉致議連としてインタビューを阻止した。両親は一日も早く、一秒でも早く自分の娘に会いたいとの思いでいっぱいのはずである。その望みを断ち切ってしまったことを謝罪したが、父親の明弘さんは「娘一人が帰れば、それでええなんて思ってませんわ」と毅然とした答えに、母親の嘉代子さんが深く頷いていた。自国民の生命、安全でさえ、まともに守ろうとしない日本政府に何度も裏切られながらも、立派な態度だと感心するしかなかった。
つねに日本の政権を揺さぶってきた北朝鮮情勢…。振り回される日本…。日韓共同開催のサッカーW杯に対抗し、大枚を投じて行われるアリラン祭の開催、成田空港でブランド品に身を包んだ姿をカメラの放列にさらけ出した金正男。一方で食料不足と貧困は続き、今回の瀋陽事件をはじめ、亡命予備軍が何十万人もいるという北朝鮮である。かつて東欧ハンガリー国境から鉄条網を破り、一人抜け、二人抜けし、ついにはベルリンの壁は崩壊した。最近の北朝鮮情報はそんな兆しが感じられるが、道は長い。
父金日成主席の死後、公の場で一言も発する事がなく、謎の人物として面白、おかしく扱われることの多かった金正日氏は、相当まともで、論理的な人物だとの評がある。一見、何をしでかすかわからない国のようで、実はきわめて冷静な国だと、北朝鮮を詳しく知る人たちは口を揃えて言う。ただ「金王朝」を守るためには何ごとも躊躇しない恐ろしさはある。これまでは国際社会が北朝鮮の暴発を恐れたが、最近は北朝鮮がブッシュ政権は何をしでかすかわからないと恐れているとの見方がある。この変化が北朝鮮をして、拉致問題を扱う日朝赤十字会談の開催にも表れている。
細川政権の頃にはなかった有事法制、ACSA(日米物品役務相互提供協定)、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)、周辺事態法など、法的な整備も進んできた。いわゆる有事法制三法案も審議の真っ最中だ。北朝鮮情勢次第で政権が振り回されてきた原因は北朝鮮というよりも、安保政策で党内が二分されたり、まとまらない政党や、180度政策が異なる政党同士の連立政権のあり方に問題がある。最近、野党の間で「第二次細川政権を作ろう」との動きがあると聞くが、ゾッとする。中途半端な政界再編はちょっとの間は楽しいが、結局は時間の無駄だ。真の政界再編への引き金を小泉総理が引くことができるのか。大詰めを迎えた今国会も、まだまだ波乱含みだ。
http://www.yuriko.or.jp/column/column2002/column020704.shtml

正論2002年7月号

2000年7月24日月曜日

【橋本内閣】 経済同友会懇談会

橋本総理の経済同友会会員懇談会演説

1997年7月24日

 本日は、去年に引き続き経済同友会会員懇談会にお招きを頂き誠に有り難うございます。昨年はこの場で我が国の構造改革についてお話をさせて頂きましたが、本日は、目を外に転じて、対露外交を中心に、中国、シルクロード地域との関係を取り上げて、これを中心に今後の我が国の外交政策のあり方についてお話ししたいと思います。

(中略)

(対露関係)
 戦後の国際社会は、新たな秩序のあり方を求めて試行錯誤を繰り返して参りましたが、アジア・太平洋地域の平和と安定に重要な影響を与える米中日露の四ケ国の相互関係の中では、日露関係が、一番立ち後れをみせていることは否定できません。様々な歴史的な経緯がありますが、隣国である日本とロシアの関係が現在の水準にとどまることは、日露双方の利益にとって、ひいてはアジア・太平洋地域全体にとって良いことではなく、この二国間関係の改善は、二十一世紀に向けて両国政府が取り組むべき最優先の課題の一つであることは間違いありません。日露関係を新たな協力に向けて改善していくべきであるとの私の考えについては、先般のデンヴァー・サミットの際、エリツィン大統領に直接申し上げ、エリツィン大統領からも「そうしよう」との力強いお返事を頂いたところです。

 それでは、日露関係の改善は、如何なる原則によるべきでしょうか。私は、この場で、三つの原則を挙げたいと思います。

 第一は、「信頼」の原則です。一八五五年の日露通好条約の締結交渉の際、かのプチャーチン提督を代表とするロシア代表団の船「ディアナ号」が地震と津波で沈没しました。最近このプロセスを描いた映画ができていますが、私は、日露間の友情をもう一度確認する上でも、こうした映画の存在を喜んでいます。当時両国は国益をかけた厳しい交渉のさなかにありましたが、お互い協力して、ロシア代表団のために新船を建造しました。こうした逸話は、国家間の関係も、究極的には、テーブルの両側に向かい合う人間同士の真の信頼関係がなければ進展しないことを示しているものと考えます。私は、ソ連からロシアへの大変革の中で、幾多の厳しい困難に直面してはこれを乗り切り、民主主義と市場経済に向けた改革という歴史的大事業を成し遂げられつつあるエリツィン大統領に深く敬意を表するものであります。先のデンヴァー・サミットの際のエリツィン大統領との会談は、首脳同士としては二回目のものでありましたが、二人の間に友情をはぐくむようなものでありましたが、私はこの会談を通じてエリツィン大統領に更に人間としての温かみを感じました。私は、正にこのような雰囲気の中で、エリツィン大統領がロシア極東に赴かれるような機会があれば、年内に週末を利用して、形式張らずにお会いすることも可能であろうと御提案申し上げたところです。伝えられるところによれば、最近エリツィン大統領は、私との会談を近く行いたい旨発言されたそうですが、私は、今からエリツィン大統領と再度お会いして、二人の間の友情と信頼を一層深めることができることを心待ちにしております。

 日露関係の前進を図る上での第二の原則は、「相互利益」であると考えます。双方が隣国であり、そして共に大きな影響力を有する以上、双方の利益を調整していく場面が多々生じて来るであろうことは明らかです。そうした場面では、どちらかが一方的に利を得る、つまり勝者と敗者を作ろうとするアプローチは、決して真の解決をもたらすものであるとは思いません。この点については、東西冷戦の終了の過程においてエリツィン大統領が、勝者も敗者もないことを繰り返し強調しておられた英知に留意したいと思います。

 第三の原則として私が挙げたいのは、「長期的な視点」ということであります。つまり、これからの日露関係の改善は、二十一世紀に向かって堅固な基礎を作るものでなくてはならず、二十一世紀から次の世紀に向けて、我々の子供や孫の時代に受け継がれ、発展していくようなものでなくてはならないということであります。そのためには、両国の政府と国民が、各々の子供や孫のためにもどのような両国関係を形作ることが一番望ましいのか、そのために「私達の世代」が果たすべき役割は何なのか、共に真剣に考えることこそが必要なのではないでしょうか。

(北方領土問題)
 当然のことながら私たちの目標は、この三つの原則に従い、日露関係全体を改善し、もってアジア太平洋からユーラシア大陸の西の端に至るこの大陸との間で、両国がともに喜びあえるような関係をつくることにあります。
 この目的を実現するためには様々な分野での両国関係の改善が必要となりますが、先ず戦後五十年両国間でもっとも困難な問題として残ってきた北方領土問題の解決による平和条約の締結の問題について述べたいと思います。様々な関係者の長年にわたる努力の結集として、我々の間にはエリツィン大統領の訪日の時に合意された一九九三年十月の「東京宣言」という最良の基盤が既にあるのです。デンヴァー・サミットの際にはエリツィン大統領との間で、東京宣言を着実に進めていくことで一致したわけですが、私は、この問題こそ、今申し上げた「三原則」によってのみ乗り越えることができるものであると考えています。

 第一に、「信頼」の原則が、最も困難な問題にも前進をもたらして来ている例としては、例えば、北方四島周辺水域における日本漁船の操業枠組み交渉があります。交渉の当事者が、この三年間の交渉の過程で直接胸襟を開いて議論をめぐらし、困難な問題を避けて通るのではなく真正面から話し合うことにより、双方において相手に対する信頼感が生まれ、かつては存在しなかったような肯定的な雰囲気が今生まれつつあります。

 第二に、北方領土問題の解決は、どちらか一方が勝者となり、どちらか一方が敗者となるという形で解決するものではないという点は、私の確信であります。両国は、この、言われてみれば当然とも思える原則について、その真の意味を理解するのに五十年もの歳月を費やしてきたのです。これから私は、「相互利益」の原則を実現する解決に向けて、エリツィン大統領とともに全力をあげて知恵を絞って行きたいと思います。

 第三に、北方領土問題は、両国が五十年をかけて解決できなかった問題であります。その解決が容易でないことは、今更指摘するまでもありません。しかしながら、これまでの諸先輩方の苦労により、「東京宣言」をはじめとする多くの成果が達成され、前進がありました。北方墓参、四島交流、そして今、交渉中の操業枠組み交渉等、これまでに続いてきている現地での信頼強化の動きも、この問題の解決に向けた大きな前進の一つといえるでしょう。たゆみない具体的な前進こそが、子供や孫の世代にこの問題を相続させないための道標となるのです。これまでの肯定的な経験を踏まえて、私達の世代の責任において、この問題の解決への道筋を示すときが来ていると考えます。長期的な視点に基づいて冷静な話し合いを行っていきたいと考えます。

(日露の経済問題)
 日露間の経済分野においても、「三原則」に基づいて、具体的な進展を図ることが必要です。この観点から、私は、この機会に二つのアイディアを示したいと思います。

 第一は、シベリア、極東地域に重点を置いた、エネルギー分野を中心とした、ロシアとの経済関係の強化を検討するというものであります。既にロシアとの間では、私が通産大臣当時に提案した「ロシア貿易・産業支援プラン」や、旧ソ連十二カ国との間で締結した協定に基づいて作られた「支援委員会」によるものなど、市場経済への移行に対する支援がきめ細かく行われており、今後ともこれを継続していく必要があります。ここで御紹介するアイディアは、これに加えて、シベリア、極東地域に於けるエネルギー開発を中心とする協力を行うものであります。
 申し上げるまでもなく、ロシアは、大資源国であります。この資源が有効に利用・開発されれば、ロシアの安定的な経済発展の起爆剤ともなり得るとともに、経済成長に伴いエネルギー需要が急増するアジア地域、ひいては世界全体のエネルギー面での安定にも資するものと思われます。また、エネルギー需給を巡るつながりは、東アジア全体の信頼関係の醸成と平和的関係の維持にもつながるものとなりましょう。

 具体的には、日露間でシベリア、極東のエネルギー開発について対話を進めていくことが出来るでしょう。例えば、既に開発作業が開始されているサハリン石油・天然ガスプロジェクトについては、引き続き協力を進めていくとともに、潜在的可能性が期待されているイルクーツク、ヤクーツク等での天然ガス開発事業や、パイプライン建設構想についても経済的・技術的可能性の検討が話題になっていくと思われます。貿易・経済日露政府間委員会等の場を通じて既に開始されている話し合いを更に強化していくことができましょう。勿論、こうした事業を進展させていくためには、ロシア国内の投資環境の十分な整備が不可欠であり、デンヴァー・サミットでエリツィン大統領と一致した「日露投資協力イニシアティブ」を通じた協力にも大きな期待が出来ましょうし、エネルギー分野での投資の促進及び貿易の自由化に関する国際約束であるエネルギー憲章条約の果たす役割も極めて重要であり、その発効に大いに期待しています。また、ロシアがデンヴァーで提唱したエネルギー問題に関するG8の会議との連携を進める必要もあるでしょう。

 第二に、私は、エリツィン大統領が最近行われたラジオ演説を大きな関心をもって聞いたことを申し上げたいと思います。七月十一日のラジオ演説で、大統領は有能な若者を諸外国に派遣し、毎年五千名の幹部要員を含むロシア企業経営陣を養成する計画の策定を命じたとの趣旨を述べておられます。私は、エリツィン大統領の熱意に応え、ロシアの若者が、我が国の経済政策に始まり、企業の現場でのノウハウに到る、「マクロからミクロまで」全ての我が国の経験を吸収して、新しいロシアの建設に貢献できる人材に育つことを願い、今後経済界の皆様方とも相談をしながら、我が国として、その人造りに積極的に協力する用意があることを、エリツィン大統領に申し上げたいと考えるものであります。

 以上、日露関係についての私の考えを、未だ十分に練れたものではありませんが、率直に申し上げて参りました。私と致しましては、今申し上げた問題、更に日露関係を重層的に形づくる安全保障や北東アジア地域内における貢献等について、エリツィン大統領と率直で友好的な雰囲気の中でお話しできる日ができるだけ近いことを心から楽しみにしております。

2000年5月25日木曜日

【沖縄基地問題】 沖縄核貯蔵施設

木語:辺野古の核貯蔵施設=金子秀敏
http://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20100527ddm003070112000c.html
 <moku-go>

 鳩山由紀夫首相の言葉を軽く感じるのはなぜだろう。

 むかし「ぶりっこ」という言葉があった。男の気を引くためにわざと女らしい仕草をするのは「かわい子ぶりっこ」。いつもいい子になるのは「いい子ぶりっこ」。

 鳩山首相は、いい子ぶりっこだ。普天間飛行場の移設先は「最低でも県外」だし、オバマ米大統領に会えば「トラスト・ミー」と英語が出る。沖縄の海兵隊は「学べば学ぶほど抑止力」で、沖縄の海を埋め立てるのは「自然への冒〓(ぼうとく)」である。

 それが行き詰まると、沖縄に出向いて「辺野古付近にお願いせざるを得ないとの結論に至った」と「断腸の思い」の謝罪をした。

 首相の言葉はどれをとっても非常に重い。その重い言葉がぺらぺらひらひら飛び交うから、軽く感じるのである。

 あっさり頭を下げるいい子に向かって、沖縄県の知事も市長も振り上げたこぶしのやりばに困る。

 野党自民党の谷垣禎一総裁もやりにくいだろう。「職を賭すと言った首相は、辞めるか国民に信を問うべきだ」と語ったものの、本気で解散に追い込む気迫は感じない。

 そもそも普天間飛行場を辺野古に移設するというのは自民党政権下でできた案である。それを鳩山政権が採用するというのだから、これに反対して解散に追い込むのは筋が通らない。

 自民党は発想の転換をしたらどうだろう。民主党を差し置いて辺野古移設で地元沖縄を説得し、日米安保体制を支えるのは自民党という軸を明確にするチャンスだ。これができれば政権奪取に活路が開ける。

 それにつけても、米国はなぜ辺野古にこだわるのか。今年の春、佐藤栄作元首相の机の引き出しの中から発見された「沖縄核密約」にはこのようなやりとりがあった。

 「(米国政府は)沖縄に現存する核貯蔵施設の所在地である嘉手納、那覇、辺野古及びナイキ・ハーキュリーズ基地を、いつでも使用可能な状態で維持し、重大な緊急事態の際には実際に使用できるよう求める」

 「(日本国政府は)そのような事前協議が行われた場合には、これらの要件を遅滞なく満たすであろう」

 末尾に最高機密の指定とニクソン大統領、佐藤首相の署名がある。

 辺野古には核貯蔵施設があり、有事には核兵器をまた運びこむ密約である。貯蔵施設が今でもあるなら、沖縄の「抑止力」の正体はこれではないか。それなら米国が辺野古に固執する理由も見える。(専門編集委員)
=============================================================

日米密約検証/納得できぬ「沖縄核」否定 国民不在の外交を改革せよ
2010年3月11日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-159044-storytopic-11.html
 やはり密約はあった。日米の密約を検証した外務省有識者委員会は1960年日米安保改定時の「核持ち込み」、朝鮮半島有事の「在日米軍の出動」、沖縄返還時の「軍用地原状回復費肩代わり」の3密約を認定した。歴代政権は国会で密約を否定してきたが、国民を欺く虚偽答弁という「国家のうそ」が明らかになった。

 安全保障、沖縄返還の重要な外交取り決めを一部政治家と官僚のみが決し、国民に隠してきたことは民主政治の否定に等しい。政府は国民主権、知る権利を踏みにじった歴代の首相、外相以下関係者の責任をただし、「国民不在の外交」を断ち切る改革を実現してもらいたい。

日米合意は核兵器撤去
 一方で、有識者委が沖縄返還後の沖縄への「核再持ち込み」日米首脳合意を「密約とは言えない」としたことは納得できない。

 「核再持ち込み」密約は、所在不明だった「合意議事録」が、佐藤栄作元首相の次男、佐藤信二元運輸相の元に保管されていたことが最近分かったばかりだ。

 同議事録は米大統領の意向として「米政府は緊急事態に日本政府との事前協議を経て、核兵器の沖縄再持ち込みと沖縄通過の権利を必要とする」と記し、「核兵器貯蔵地の嘉手納、那覇、辺野古、ナイキ・ハーキュリーズ基地を使用できる状態に維持する」と貯蔵場所まで明記している。

 これに対し日本国総理大臣は「事前協議が行われれば遅滞なく要件を満たす」と約束している。

 沖縄返還時に沖縄の米軍核兵器をすべて撤去することが日米の合意であり国民、県民の共通理解だった。その裏側で将来再び核兵器を沖縄に持ち込み、貯蔵することに日米首脳が合意していたとは国民、県民の誰も知らされず、了解していない。

 これを密約と言わずに何と呼べばいいのか。我部政明琉大教授が述べる「秘密とされ、かつ今もって公開されない約束(あるいは合意や了解)を密約と言う」とする定義が常識的だろう。

 国民の常識的感覚とは異なる有識者委報告の「密約とは言えない」との判断に対し、岡田克也外相は「(日米)両トップがサインした文書が何十年ぶりに出てきた。これこそ密約」との認識だ。

 政府は「核再持ち込み」を含め、4密約の全容を解明すべきだ。とりわけ県民は「核再持ち込み」に強い関心を抱かざるを得ない。

 「合意議事録」は核再持ち込みの貯蔵地をも列記し、生々しい。事前協議がない以上、持ち込みもないというのが外交常識かもしれないが、常識外の密約が横行する日米外交である。

 「復帰後の核再持ち込みの有無」「核貯蔵施設の存否」とともにこの際「復帰時の全核兵器撤去」についても米側にただし、県民の不安を払ってもらいたい。

米国追従の姿勢背景に
 核搭載艦の寄港による「核持ち込み」も同様だ。事前協議なしに持ち込まれた可能性がある。米側に有無を問うのは当然だ。

 岡田外相、鳩山由紀夫首相は非核三原則を堅持する考えを示した。であれば「核持ち込み」密約が無効であることを米側に確認し、事前協議のない核搭載艦の寄港を拒否する姿勢を示すべきだ。

 密約問題は「国民の知らない密約の存在」と同時に、事後に多数の関連文書が廃棄・消失され「密約の事実が隠ぺいされた」問題でもある。密約に関与した歴代の政治家、官僚とともに、廃棄・消失の責任もただす必要がある。

 4密約の背景には米軍事戦略に従い、朝鮮有事やベトナム戦への拠点基地を日本、沖縄に維持し、核兵器の持ち込みも容認、財政的な便宜も与える米国追従の姿勢が透けて見える。

 米軍駐留経費の日本側負担は米軍用地原状回復費負担の密約が源流と言われる。米軍普天間飛行場移設問題も、米側の意向通り「県内移設ありき」で進めたことが迷走の発端だ。

 密約の背景にある米国追従を改めるべきだ。鳩山政権が掲げる「対等な日米関係」の実現へ国民、県民本位の外交姿勢を確立してもらいたい。

 米兵の刑事事件で日米政府が1953年に交わした「重要案件以外、日本側は裁判権を放棄する」との密約合意も米公文書で分かっている。日米地位協定にも密約はないか。検証が必要だ。

================================================================

外務省が有事駐留検討 69年、米軍依存核などに限定
2010年2月21日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-157927-storytopic-3.html
 【東京】新日米安保条約の更新を控えた1969年9月、外務省内部の政策論議で、日本の安全保障に関して在日米軍は「若干の限定された重要基地施設」まで整理縮小させ、平時は自衛隊がカバーして有事の米軍使用に備える体制を整えておくべきだとする考え方をまとめていたことが20日までに分かった。省内部文書「わが国の外交政策大綱」で明らかになった。省内で「常時駐留なき安保(有事駐留)」が論議されていたことになる。

 100ページ余の内部文書は69年9月25日付で「極秘」扱い。現在は秘密指定解除されている。

 国土安全の「抑止力」には、「核抑止力と西太平洋での大規模の機動的海空攻撃力と補給力のみを米国に依存」、ほかは自衛隊で賄うとしている。

 朝鮮半島事態を明示して、平時の抑止力は「若干の限定された重要基地施設を米軍へ提供するにとどめ」、有事には「これら基地の米軍使用と米軍の行動への支援が遺憾なく行われるよう体制を整えておく」と日本側の後方支援体制の必要性も指摘した。

 核兵器は「当面保有しないが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持する」と宣言した。

 自衛隊の活動などに詳しい軍事問題研究会は「これが当時から政策として実行に移されていれば、今日の普天間移設問題は起こらなかっただろう。米軍が返還に消極的なのは、緊急時利用できる基地施設を最大限確保したいとの心理が働いている側面もあるのではないか」と分析している。(滝本匠)

================================================================


核密約文書県内反応 「沖縄蔑視」に怒り
2009年12月23日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-154694-storytopic-3.html
 沖縄返還交渉をめぐり、有事の際の沖縄への核持ち込みに合意する内容の文書が見つかったことについて、県内の関係自治体首長や関係者からは「沖縄に基地を押し付けておけとの発想だ。沖縄蔑視(べっし)だ」などと強い憤りの声が聞かれた。市民団体は辺野古への新基地建設の危険性をあらためて指摘し、日本政府に謝罪を求める声も上がった。

 嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会会長の野国昌春北谷町長は「一連の密約が、今の沖縄の基地固定化につながっている」と指摘し「佐藤栄作元首相は『沖縄の返還なくして日本の戦後は終わらない』と名言を吐いたが、密約を見ると沖縄にそのまま基地を押し付けておけ、という発想だったんだろう。本土の政治家の沖縄蔑視を感じる」と憤った。宮城篤実嘉手納町長は「当然(核貯蔵は)あり得ると想定していた。外交上の秘密はいつも後から出てくる。詳細な情報を手に入れ、今後の取り組みを検討したい」と話した。

 復帰前、辺野古でカメラのフィルムを何度も米軍に抜かれた経験のあるヘリ基地反対協議会の大西照雄代表委員は「合意は現在も生きている。その中で辺野古の新基地は既存施設と併せ、演習、輸送、貯蔵、すべての面を備えた悪魔の要塞(ようさい)と言える。新基地は単なる抑止力ではなくアジアへの攻撃基地だ」と主張した。

 原水爆禁止県協議会の芳澤弘明代表理事は「核密約の存在は故若泉敬氏の著書で明らかになっているし、米関係者の証言もある。今回の文書はこれらの証言や平和勢力が暴露してきた事実を裏付けるものだ」と指摘し「日本政府はすべての密約を明らかにし国民に謝罪すべきだ」と求めた。

 沖縄返還密約訴訟の原告の1人、我部政明琉球大教授も若泉氏が密約文書を「(佐藤氏が)処置した」と書いていたことから「ないと思っていたものが実際に見つかったので感慨深い」と語った。

=============================================================
嘉手納基地 1958年に核爆弾配備
2008年10月22日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-137360-storytopic-3.html
 【東京】中国と台湾が武力衝突した1958年の台湾海峡危機の際、米軍が嘉手納基地に広島に投下された原爆の約250倍の威力のある戦略核爆弾を配備していたことが分かった。全米科学者連盟(FAS)の核兵器専門家ハンス・クリステンセン氏が情報公開法で入手した「米空軍戦略史」で明らかになった。

 返還前の沖縄に米軍が核兵器を貯蔵していたことは知られているが、米軍戦略の文書で、その事実が新たに裏付けられた。

 嘉手納基地に配備されていたのはMK―39とMK―6の2種類。MK―39の爆発力は約3750キロトン(約3・7メガトン)で、広島に投下された原爆(約15キロトン)の約250倍にあたる。

 58年1月1日から6月30日までの米空軍戦略史には、核爆弾を配備した台湾近辺の基地や爆弾の種類が記載されている。

 クリステンセン氏は戦略史をFASのウェブサイトに掲載。「台湾危機の核兵器」と題し、台湾海峡危機から近年の米中の核計画などを紹介している。

 台湾海峡危機をめぐっては、米シンクタンク「国家安全保障公文書館」が今年5月、当時の米政府内の協議内容をつづった文書を公開。台湾を支持する米軍の首脳部がアイゼンハワー大統領に対し、中国への原爆投下を進言したが、却下されていた経緯が明らかになっている。

=============================================================

トマホーク発射実験継続/ホワイトビーチ寄港の原潜4隻
2000年8月24日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-115737-storytopic-86.html

勝連町のホワイトビーチにたびたび寄港している米海軍の攻撃型原子力潜水艦四隻が過去5年間に、核弾頭型の巡航ミサイル・トマホークの発射試験を実施していたことが23日までに分かった。市民団体「ピースデポ(平和資料協同組合)」(神奈川県)が米研究者を通じて入手した米海軍公文書に記されている。試験継続を示す文書の存在で発射態勢の維持が裏付けられ、有事の核搭載や沖縄への核兵器持ち込みの懸念が依然として残されていることを浮き彫りにした。
市民団体、「核」持ち込みを懸念
公文書によると1995年から2000年までに発射試験を実施したのは米海軍ロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦のソルトレークシティー、ヒューストン、サンフランシスコ、ホノルル。発射試験は品質確認などの目的で米カリフォルニア州沖の二カ所の試験発射海域で計六回実施され、核弾頭の代替物(模擬弾)を装てんしたトマホークを魚雷発射管から発射した。

四隻はいずれも発射試験前後にホワイトビーチに寄港している。横須賀や佐世保にも寄港が確認されている。うちヒューストンは今月16日にもホワイトビーチに寄港した。

核弾頭型トマホークは91年の米ソ合意で平時では原潜から撤去され貯蔵庫に保管されることになっている。94年の米ロの「核態勢見直し」(NPR)では空母を含むすべての水上艦から核兵器を扱う能力自体をなくし、攻撃型原子力潜水艦の核トマホーク発射能力だけを維持することが決定された。米国は有事での再搭載に備えて320発の核トマホークを貯蔵しているといわれる。

ピースデポの梅林宏道代表は「NPR以後は原潜の核トマホーク能力も解消され、再搭載は考えにくいとの議論があった。その後の核トマホークの試験動向を伝える情報もなかった。しかし今回の文書で有事搭載の可能性は現実のもので、日本への原潜による核兵器持ち込みの可能性が継続していることが分かった」と指摘している。
有事の際の搭載が心配
蔵当真徳勝連町長 軍隊なので発射訓練を行うのは当然だろう。平時は積んでいないものの、いざという時に積むことが有り得ることは心配だ。ロシアの潜水艦事故もあったばかりで、事故が起こらないようにしてほしい。それにもまして各国が核弾頭を使わないよう努力すべきだ。
=============================================================

劣化ウランとは
ウラン鉱山から採掘した天然ウランは、濃縮過程の中で、まず核兵器や原子力発電用の燃料となるウラン235(U235)と、低レベル放射性廃棄物となるウラン(U238)に分離されます。

高レベル放射性同位元素のU235は、全体の1%で残りは殆どがU238です。 この大量に生み出されるこの金属物質を『劣化ウラン』と呼びます。

劣化ウラン弾の人体への影響
120ミリ砲の場合、劣化ウランの貫通体の重量は約4700グラム、30ミリ砲で約300グラムです。衝撃による燃焼(1200度で発火する)で、このうち70%~20%が酸化ウランの微粒子となって大気中に飛散します。
厳重に密閉して永久保管すべき核のゴミを、景気良くばら撒くのですから結果は云わずともです。いったん酸化ウランの微粒子を体内に吸い込むと肺などにたまり、放射線のつよい化学毒性により癌など健康障害を起こすと言われています。

後遺症
湾岸戦争後、帰還兵やその子供に奇病が発生していますが、これが劣化ウランの後遺症でした。女性兵士キャロル・ビコーさんは脳障害・甲状腺異変に襲われ、彼女には甲状腺の無い子供が生まれています。(毎日新聞より)

 イラクの子供たちにも奇形児・先天性欠損児、白血病・癌が多発しています。
 この写真はテレビや他のマスメディアで報道されご存知方も多いとおもいます。
その惨状を切手にしたのが「この項目のトップページ」に紹介しています。
ベトナム戦争の枯葉剤ダイオキシンに匹敵しています。


=============================================================

劣化ウラン 嘉手納に貯蔵/司令官が表明
2000年5月25日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-115255-storytopic-86.html

嘉手納基地の米空軍第18航空団司令官のジェームス・スミス准将は24日、劣化ウラン弾が嘉手納弾薬庫内に現在も貯蔵されていることを明らかにした。1997年に発覚した鳥島射爆撃場での海兵隊機による劣化ウラン弾誤射事件以来、在日米軍基地内で劣化ウラン弾の貯蔵が具体的に明らかになったのは初めて。報道関係者に嘉手納基地内を紹介する「メディアデー(報道の日)」での記者会見で述べた。誤射事件後、在日米軍は海兵隊基地からはすべての劣化ウラン弾を撤去したと説明していたが、陸、海、空の三軍の基地での貯蔵の有無は明確にしていなかった。嘉手納弾薬庫への貯蔵が明らかになったことで、県は嘉手納基地に事実確認をした上で、県外撤去を求めていく方針だ。
スミス司令官と嘉手納弾薬庫を管理している米空軍第18弾薬中隊のロナルド・サミック少佐によると、貯蔵されている劣化ウラン弾の種類は空対地による戦車攻撃用で、韓国烏山基地などに配備されているA10サンダーボルト攻撃機が使用する30ミリ機関砲弾。貯蔵量については「把握していないが、嘉手納弾薬庫にある580の倉庫のうち一カ所で貯蔵されているだけで、全体からみれば量は少ない」と説明している。

弾薬庫の劣化ウラン弾は誤射事件当時から貯蔵されており、移動計画の予定はなく、今後も貯蔵される見通し。スミス司令官は「劣化ウラン弾は核兵器ではない。皆さんが思っているほどの危険はなく、人体への悪影響はほとんどない」と安全性を強調した。

劣化ウラン弾の在日米軍基地内の貯蔵の有無について97年8月、外務省沖縄事務所の原島秀毅沖縄担当大使(当時)は「日本に置かれている海兵隊所有の劣化ウラン弾は撤去したということだが、それ以外の部分については事柄の性質上、どこにあるかということは公表できない」と明言を避けていた。
劣化ウラン弾誤射事件 米海兵隊岩国基地所属のAV8Bハリアー機が1995年12月と96年1月、米軍の鳥島射爆撃場への実弾射撃訓練で劣化ウラン弾1520発を誤って撃った事件。同島からは一部のウラン弾しか回収できていない。劣化ウランはウラン235の割合が天然ウランより低いウランの総称。劣化ウラン弾は砲弾の貫通能力が高い上、鋼板に衝突すると小破片が自然発火する。ごくわずかに核分裂物質を含むほか、重金属としての毒性も指摘されている。

=============================================================

政府、核査察を放棄/沖縄返還交渉で条件のむ/米国の秘密電報で判明
1999年5月15日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-94173-storytopic-86.html
1972年の沖縄復帰を前に、核抜き本土並み返還の証明を要求する野党対策として、日本政府が核兵器の撤去と非核三原則の尊重を保証する書簡を求めたのに対し、米側が沖縄米軍基地の核の確認や査察をしないという条件を提示、日本側がこれをのんでいたことが15日、米国メリーランド州の米国立公文書館に保管されていた一連の秘密電報で分かった。

秘密電報を発見したのは琉球大学の我部政明教授(国際関係論)。米国の保証書簡の存在は知られていたが、査察などの放棄が条件となっていた事実が明らかになったのは初めてという。我部教授は「当時の政府は国内向けの対策として米国の保証が欲しかっただけで、貧弱な交渉をしていた。交渉過程で査察の要求すらしておらず、その意思もまったくなかったことが浮き彫りになった」と話している。

秘密電報は復帰直前の71年11月から72年5月までの間、在日米国大使館が国務省にあて、当時の福田赳夫外相と外務省の吉野文六アメリカ局長がアーミン・マイヤー駐日大使と会談した内容の概要などを報告している。

当時、日本政府は核抜き本土並み復帰を主張する野党対策に追われており、米側に保証の書簡を要求。秘密電報は、71年11月19日の会談で、同大使が「沖縄返還時に保証の書簡を出す条件は、核の確認や沖縄の貯蔵施設への査察をしないこと」と強調した事実を示している。

理由として米側は(1)世界各国にある米軍施設への査察要求につながる恐れがある(2)潜在的敵国の支援にしかならない不幸な先例をつくる-などの点を挙げた。交渉を通じ福田外相らは、米側の条件を認めた結果として保証の書簡を得ることができたという。

交渉終了後の72年5月の電報の中には米国務省のウィリアム・ロジャーズ長官(当時)から福田外相にあてた問題の保証の書簡も含まれていたが、「日本政府の政策に反しない方法で沖縄の返還は実行された。沖縄の核兵器に関して米国政府が(日本政府に)した保証は完全に実行された」などと記載されていただけで、核兵器の撤去や非核三原則の尊重の明言はなかった。

交渉の裏側明らかに/米、核戦略の崩壊懸念/日本、国会乗り切りに苦心

琉球大学の我部政明教授が米国立公文書館から入手した一連の秘密電報は、沖縄返還前に行われた核兵器に関する日米交渉の舞台裏の一端を明らかにしている。

核抜き本土並みを保証する書簡を要求した日本側に対し、米側は「条件は核査察や確認をしないこと」と提示。電報によると、福田赳夫外相らはこれを「ベリーグッド」と認めた上で、返還の時点で沖縄に核兵器はなくなったと保証してほしいことも希望。「核兵器に関する米国のこれまでのあいまいな表現は日本国民に不審を抱かせており、国民は直接的な声明を求めている」と要請したとされる。

それに対し、マイヤー米駐日大使は、ロジャーズ米国務長官やパッカード副長官が米国の上院公聴会で(沖縄の核撤去について)証言した内容を国会で使うよう提案。電報は「福田外相らは『それは既に国会答弁で使ったが、野党側から、米国民向けで日本政府向けではないと反論された』として直接的な言及をするよう希望した」と打電している。

さらに、国会戦術として「福田外相は、書簡を衆院本会議の最終段階の極めて重要な瞬間に使う」ことも伝えている。

これらのやりとりについて、我部教授は「当時の冷戦の緊張下で、米国はどこに核があり、どこに核がないか知られたくなかった。実際にフィリピン政府からも『わが国の米軍基地に核兵器があるか』などと尋ねられており、日本の前例が他国へも広がり、核兵器に関する世界戦略が崩れてしまうことを懸念していたようだ」と分析している。

沖縄返還前の核兵器については、若泉敬元京都産業大教授(故人)が「1969年の日米共同声明の際、緊急有事のときは沖縄への核持ち込みなどを事実上認めた密約が存在する」と著書の中で証言、核の疑惑は消えていない。
(以上、共同)

=============================================================

劣化ウラン弾撤去の反響 久米島
1997年8月15日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-90882-storytopic-86.html
「県内からの撤去は結構だが、住民の健康問題にかかわる鳥島に打ち込まれた劣化ウラン弾の回収を実施してほしい」-。劣化ウラン弾が沖縄の米軍基地から韓国へ撤去されたことを米国防総省報道官が明らかにしたことに、鳥島射爆撃場に実射された地元久米島は、県内からの移送を歓迎する一方、誤射されたウラン弾の早急な回収をあらためて要望する。平和団体は「移送したという米国側の情報だけでは信用できない。基地内で県民に確認させるべきだ」と疑いの姿勢を崩さない。

鳥島爆射撃場に劣化ウラン弾を実射され健康への不安を訴える久米島の具志川、仲里両村は6月に那覇防衛施設局などに住民全員の健康診断を申し入れているが、めどがたっていない。

具志川村の内間清六村長は「本当に撤去されたかどうかは疑問が残る。住民の健康のためにも鳥島の残存分の早急な撤去をお願いしたい」と話した。仲里村の平良曽清村長は「沖縄からの撤去は結構なことだが、鳥島に残されている不発弾の撤去を早期に実施してほしい。住民にとって不安は残っており、住民検診の実施を実現してもらいたい」と語気を強めた。

沖縄平和運動センターの新垣善春議長は「撤去したということは、これまで沖縄の米軍基地内に核関連兵器があったことをあらためて裏付けたもので、核と県民が同居していたことに背筋が寒くなる思いだ。撤去されたことが本当なら、この目で確認をさせてほしい」と米側の撤去発言にさらに疑いの目を向ける。

放射線問題に詳しい琉球大の矢ヶ崎克馬教授(物理学)は「沖縄から出て行ったからいいというものではない。劣化ウラン弾は廃棄すべきだ。鳥島での実射について影響がないというのは極めて恣(し)意的な見方だ」と話した。

一方、嘉手納弾薬庫を抱える沖縄市の新川秀清市長は「劣化ウラン弾は持ち込みから撤去に至るまで、地元には一切知らされていない。貯蔵中に環境面への影響がなかったのか、国の責任で確認すべきだ。立ち入り調査も必要ではないか」と語った。

宮城篤実嘉手納町長は「危険が回避されたことは町や住民にとって喜ばしい」と劣化ウラン弾の嘉手納弾薬庫からの撤去に歓迎の意向を示す一方で「弾薬庫には何が貯蔵されているか検証できず、われわれは常に危険と隣り合わせの生活を余儀なくされている」と怒りの声を上げた。